JP2006191332A - 高周波電力増幅回路 - Google Patents

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恭一 高橋
Nobuhiro Matsudaira
信洋 松平
Takayuki Tsutsui
孝幸 筒井
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Abstract

【課題】 高周波信号を増幅する増幅段に変曲点を持たないバイアス電流を流すことができるようにバイアス制御回路を構成して送信スペクトラムの良好な高周波電力増幅回路を提供する。
【解決手段】 複数の増幅素子(111〜213)を従属接続した多段構成の高周波電力増幅回路(210)において、各増幅素子に流すバイアス電流を生成するバイアス制御回路(230)を、出力電力制御信号(Vapc)に対して2乗特性で変化するバイアス電流を生成できるように構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の増幅素子を従属接続した多段構成の高周波電力増幅回路およびこの高周波電力増幅回路を組み込んだ携帯電話機等の無線通信装置に適用して有効な技術に関し、特に高周波電力増幅回路のパワーコントロール電圧による出力電力(利得)の制御性を向上させると共に低出力時の効率を向上させる技術に関する。
携帯電話機等の無線通信装置(移動体通信装置)の送信出力部には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect-Transistor)やGaAs−MESFET等の半導体増幅素子を従属接続した多段構成の高周波電力増幅回路が組み込まれている。
また、一般に、携帯電話機では、使用環境に合わせて基地局からのパワーレベル指示信号によって周囲環境に適応するように出力電力(送信パワー)を変えて通話を行ない、他の携帯電話機との間で混信を生じさせないようシステムが構成されている。例えばGSM(Global System for Mobile Communication)方式の携帯電話機においては、APC(Automatic Power Control)回路によって生成される制御電圧Vapcによって通話に必要な出力電力となるように、送信出力部の高周波電力増幅回路の各増幅段のゲイン制御がバイアス制御回路によって行なわれるように構成されている。
かかる通信システムにおいては出力電力の制御性が良好であること、さらに携帯電話機では通話時間や待ち受け時間すなわち電池寿命を決定する要因である高周波電力増幅回路の電力効率が高いことが重要である。そこで、出力電力制御電圧Vapcの小さな低パワー時にはVapcに対する各増幅段のバイアス電流の変化率を小さくつまりゆっくりと電流を増加させ、Vapcの大きな高パワー時にはVapcに対する各増幅段のバイアス電流の変化率を大きくつまり電流を急峻に増加させるようにしたバイアス制御回路に関する発明が提案されている(特許文献1)。
特開2003−37454号公報
上記先願発明においては、バイアス制御回路が低パワー用の傾きの小さなバイアス電流に高パワー用の傾きの大きなバイアス電流を加算するような構成であった。そのため、各段のバイアス電流特性は、図11に示すように、変曲点を有する特性になっていた(特許文献1の図2参照)。かかる特性のバイアス電流を用いることにより、特許文献1の発明は、比較的簡単な回路構成によって、低パワー時にはバイアス電流をゆっくりと増加させ、高パワー時にはバイアス電流を急峻に増加させて、出力電力の制御性を向上させるとともに高効率化を図ることができるという利点があった。
しかしながら、本発明者らが詳しく検討した結果、バイアス電流が変曲点を有する特性であると、高周波電力増幅回路を変曲点の手前や変曲点の後ろだけで動作させた場合には、図12にような送信スペクトラムとなり、搬送波の周波数f0以外の周波数の信号レベルの減衰量はGSMの規格を満たすが、高周波電力増幅回路を変曲点にまたがって動作させると、図13にように、送信スペクトラムが劣化してしまい隣接チャネルへのノイズの漏れ量が多くなるという課題があることが明らかとなった。
この発明の目的は、高周波信号を増幅する増幅段に変曲点を持たないバイアス電流を流すことができるようにバイアス制御回路を構成して送信スペクトラムの良好な高周波電力増幅回路を提供することにある。
この発明の他の目的は、送信スペクトラムが良好でありしかも温度変動や電源電圧変動に対してバイアス電流特性が安定な高周波電力増幅回路を提供することにある。
この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、複数の増幅素子を従属接続した多段構成の高周波電力増幅回路において、各増幅素子に流すバイアス電流を生成するバイアス制御回路を、出力電力制御信号(Vapc)に対して2乗特性で変化するバイアス電流を生成できるように構成したものである。
上記した手段によれば、高周波信号を増幅する増幅段に変曲点を持たないバイアス電流を流すことができ、これによって高周波電力増幅回路の送信スペクトラムを向上させ、隣接チャネルへのノイズの漏れを減らすことができる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明に従うと、送信スペクトラムを向上させ、隣接チャネルへのノイズの漏れを減らすとともに、温度変動や電源電圧変動に対してバイアス電流特性が安定な高周波電力増幅回路を実現することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る高周波電力増幅回路に用いられるバイアス制御回路の第1の実施例を示す。特に制限されるものでないが、この実施例のバイアス制御回路は、高周波電力増幅回路が2段の増幅段で構成されている場合のものである。
図1に示されているように、この実施例のバイアス制御回路240は、出力電力制御電圧Vapcを受けてそれに比例した電流Iapcを出力する電圧−電流変換回路241と、該回路から出力される電流IQ11の一部(Ioff)を引き込むことによって電流Iapcの変化開始点を与えるスタートポイントシフト回路242と、電圧−電流変換回路241から出力される電流Iapcの2乗に比例した電流を生成する電流2乗変換回路243と、該電流2乗変換回路243へ電流を流し込むことによって電流2乗変換回路243で生成される電流の特性の傾きを調整する傾き調整回路244とから構成されている。
電圧−電流変換回路241は、出力電力制御電圧Vapcを抵抗R1,R2で抵抗分割した電圧が反転入力端子に入力された電圧−電流変換用アンプAMP1と、該アンプAMP1の出力電圧がゲート端子に印加されたMOSFET Q10と、Q10のゲート電圧と同一の電圧がゲート端子に印加されるように接続されたMOSFET Q11,Q12とから構成されている。また、アンプAMP1の出力MOSFET Q10のドレイン端子は外部端子P1に接続され、外部の定電流源によって定電流IcontLが流されるようになっており、MOSFET Q10のドレイン電圧が前記アンプAMP1の非反転入力端子にフィードバックされることにより、Q10のドレイン電圧を抵抗R1,R2の接続ノードN1の電位と一致させるようにアンプAMP1が動作される。
これによって、MOSFET Q10には出力電力制御電圧Vapcに比例したドレイン電流が流されることで電圧−電流変換が行なわれ、該電流をQ10とQ11のサイズ比に比例した電流がQ11に流される。特に制限されるものでないが、この実施例では、Q10とQ11は4:1のようなサイズ比になるように設計され、Q11にはQ10の1/4であって出力電力制御電圧Vapcに比例した大きさの電流が流されるようになっている。MOSFET Q12は、高周波電力増幅回路の前段の増幅段に供給するバイアス電流Ibias1を出力するトランジスタであり、Q10とQ12も所定のサイズ比に設定されることによりVapcに比例した電流Ibias1がQ12に流され、この電流Ibias1が前段の増幅段にバイアス電流として供給される。
このように、本実施例では、前段の増幅段のバイアス電流Ibias1は、出力電力制御電圧Vapcとリニアな関係にある電流が生成されて供給される。電流の大きさはQ10とQ12のサイズ比によって決定することができる。Q12と並列にQ10のゲート電圧と同一の電圧がゲート端子に印加されるように接続されたMOSFETを追加して、出力電力制御電圧Vapcとリニアな関係にある電流を生成して2段目の増幅段のバイアス電流として供給するように構成することによって、3段構成の高周波電力増幅回路用のバイアス制御回路として用いるようにすることができる。
スタートポイントシフト回路242は、安定化電源電圧VREGを抵抗R3,R4で抵抗分割した電圧が反転入力端子に入力された電圧−電流変換用アンプAMP2と、該アンプAMP2の出力電圧がゲート端子に印加されたMOSFET Q20と、Q20のゲート電圧と同一の電圧がゲート端子に印加されるように接続されたMOSFET Q21と、該MOSFET Q21と直列に接続されたMOSFET Q22と、上記電圧−電流変換回路241の出力トランジスタQ11と直列に接続されたMOSFET Q23とから構成され、MOSFET Q22とQ23はカレントミラー接続されている。
また、アンプAMP2の出力側のMOSFET Q20のドレイン端子は外部端子P2に接続され、外部の抵抗RcontによってMOSFET Q20にドレイン電流Icontが流されるようになっている。これによって、電源電圧Vddと抵抗Rcontの大きさによって決まる所定の電流IoffがMOSFET Q23に流され、この電流Ioffによって電圧−電流変換回路241の出力段のトランジスタQ11の電流の一部を引き抜くことにより、電圧−電流変換回路241からはQ11のドレイン電流IQ11からIoffを引いた大きさの電流Iapcが出力される。その結果、電流Iapcは、図2に破線Aで示すように、出力電力制御電圧Vapcが所定の電圧Voff以上になると立ち上がるように制御される。
電流2乗変換回路243は、上記電圧−電流変換回路241の出力電流Iapcを順方向に流して電圧に変化するPN接合ダイオードD1と、該ダイオードD1のアノード電圧が反転入力端子に入力された電圧−電流変換用アンプAMP3と、該アンプAMP3の出力電圧がゲート端子に印加されたMOSFET Q30と、Q30のゲート電圧と同一の電圧がゲート端子に印加されるように接続されたMOSFET Q31と、上記MOSFET Q30と直列に接続されたPN接合ダイオードD2と、該ダイオードD2のアノード電圧が反転入力端子に入力された電圧−電流変換用アンプAMP4と、該アンプAMP4の出力電圧がゲート端子に印加されたMOSFET Q40と、Q40のゲート電圧と同一の電圧がゲート端子に印加されるように接続されたMOSFET Q41と、上記MOSFET Q40と直列に接続された抵抗R5と、傾き調整回路244の出力電流Irefを順方向に流して電圧に変化するPN接合ダイオードD3と、該ダイオードD3のアノード電圧が反転入力端子に入力された電圧−電流変換用アンプAMP5と、該アンプAMP5の出力電圧がゲート端子に印加されたMOSFET Q50と、Q50のゲート電圧と同一の電圧がゲート端子に印加されるように接続されたMOSFET Q51と、上記MOSFET Q50と直列に接続された抵抗R6と、上記MOSFET Q41とQ51のドレイン電流を合成した電流が流される抵抗R7とから構成されている。この実施例においては、抵抗R5とR6は同一抵抗値、R7はR5とR6の1/2の抵抗値を有するようにされる。
そして、この抵抗R7により変換された電圧が上記アンプAMP3の非反転入力端子に入力され、このアンプAMP3の出力によってMOSFET Q30,Q31が駆動され、MOSFET Q31からQ30の電流Ioutに比例した大きさの出力電流Ibias2が取り出されるようにされている。傾き調整回路244は、スタートポイントシフト回路242内の抵抗R3,R4で安定化電源電圧VREGを抵抗分割した電圧が反転入力端子に入力された電圧−電流変換用アンプAMP6と、該アンプAMP6の出力電圧がゲート端子に印加されたMOSFET Q60と、Q60のゲート電圧と同一の電圧がゲート端子に印加されるように接続されたMOSFET Q61とから構成されている。
また、アンプAMP6の出力側のMOSFET Q60のドレイン端子は外部端子P3に接続され、外部の抵抗RslopeによってMOSFET Q60にドレイン電流Islopeが流されるようになっている。これによって、電源電圧Vddと抵抗Rslopeの大きさによって決まる所定の電流IrefがMOSFET Q61に流され、この電流Irefが電流2乗変換回路243へ出力されてダイオードD3に流されることによって電圧に変換されてアンプAMP5に入力される。
電流2乗変換回路243は、抵抗R7で変換した電圧V1が電圧−電流変換用アンプAMP3に入力され、アンプAMP3が電圧V1とダイオードD1のアノード電圧とを一致させるように動作する。また、アンプAMP3の後段のアンプAMP4が抵抗R5で変換した電圧V2とダイオードD2のアノード電圧とを一致させるように、またアンプAMP5が抵抗R6で変換した電圧V3とダイオードD3のアノード電圧とを一致させるように動作する。
そのため、ダイオードD1,D2,D3のアノード電圧をVBE(Iapc),VBE(Iout),VBE(Iref)とすると、VBE(Iapc)=V1,VBE(Iout)=V2,VBE(Iref)=V3となる。ここで、抵抗R5とR6の抵抗値をrとおくと、抵抗R7の抵抗値はr/2であり、Q40とQ41、Q50とQ51が同一サイズであるとすると、抵抗R7には抵抗R5とR6に流れる電流を足した大きさの電流が流れる。これによって、これらの電圧間には、次式、
VBE(Iapc)=VBE(Iout)/2+VBE(Iref)/2 ……(1)
で表わされる関係が成り立つようになる。
また、順方向電流IFが流れているときのダイオードのアノード電圧VBE(IF)とPN接合の逆方向飽和電流Issとの間には、VBE(IF)=(KT/q)・ln(IF/Iss)の関係があるので、上記式(1)より、
(KT/q)・ln(Iapc/Iss)
=(1/2)・(KT/q)・ln(Iout/Iss)+(1/2)・(KT/q)・ln(Iref/Iss) ……(2)
が得られる。ここで、Kはボルツマン定数、qは電気素量、Tは絶対温度である。上式を変形すると、
2ln(Iapc)=ln√(Iout)+ln√(Iref)
=ln√(Iout・Iref)
となり、
Iout=(Iapc)2/Iref ……(3)
が得られる。これより、電流2乗変換回路243のMOSFET Q30に流れる電流Ioutは、入力電流Iapcの2乗に比例することが分かる。その結果、電流Ioutは、図3に示すように、2次曲線特性に従って変化するようになる。
上記式(1)の中には温度Tが変数として含まれているにもかかわらず式(3)の変数には温度Tがないことから、本実施例のバイアス制御回路により生成される電流Ioutは温度依存性がないことが分かる。なお、電流Ioutが立ち上がり始めるスタートポイントは、スタートポイントシフト回路242の電流Ioffによって与えられ、接線の傾きは傾き調整回路244からの電流Irefによって決定される。
本実施例では、これらの電流Ioff,Irefは外部の抵抗Rcont,Rslopeに基づいて生成されるようにされている。原理的には、スタートポイントシフト回路242と傾き調整回路244を省略して、Ioffの代わりにIcontを、またIrefの代わりにIslopeを直接用いてもバイアス制御回路はほぼ同様に動作してVapcの2乗に比例した電流Ioutを生成することができるが、スタートポイントシフト回路242と傾き調整回路244を設けることにより、製造ばらつきや電源電圧変動があったとしても生成される電流Ioutはほぼ一定になるという利点がある。
また、本実施例では、MOSFET Q30とQ31のサイズ比1:Nに設定することにより、Q30に流れる電流IoutのN倍の電流N・Ioutを、高周波電力増幅回路の最終増幅段にバイアス電流Ibias2として供給するようにされている。さらに、本実施例では、ダイオードD1,D2のサイズがD3の5倍と3倍になるように設計している。これによって、2次関数y=ax2+bx+cにおける"x"の1次の項の係数"b"に相当する制御が可能にされる。ちなみに、本実施例では、2次関数y=ax2+bx+cにおける"x"の2次の項の係数"a"が電流Irefによって与えられ、定数"c"が電流Ioffによって与えられる。
図4は、本発明に係る高周波電力増幅回路に用いられるバイアス制御回路の第2の実施例を示す。
この実施例のバイアス制御回路は、高周波電力増幅回路が3段の増幅段を2系統有する回路として構成されている場合のもので、それぞれの増幅段のバイアス電流を出力電力制御電圧Vapcに対して2乗関数的に変化する電流として供給するように構成されている。ここで、2系統の高周波電力増幅回路とは、例えば900MHz帯の周波数を使用するGSMと1800MHz帯の周波数を使用するDCS(Digital Cellular System)の2つのバンドでの無線通信が可能なデュアルバンド方式の通信システムを構成する高周波電力増幅回路を意味する。
本実施例においては、電流2乗変換回路243内のアンプAMP3の出力をゲート端子に受けるMOSFET Q30と並列に設けられたMOSFET Q31によりDCSM系の高周波電力増幅回路の2段目の増幅段のバイアス電流Ibias2Dを生成して出力し、さらにQ31と並列にMOSFET Q32,Q33,Q34を設けて、GSM系の高周波電力増幅回路の2段目の増幅段のバイアス電流Ibias2Gと、DCS系とGSM系の高周波電力増幅回路の各1段目の増幅段のバイアス電流Ibias1D,Ibias1Gを生成して出力するようにされている。
さらに、この実施例では、第1実施例の電流2乗変換回路243のアンプAMP3とその出力によって駆動されるMOSFET Q30,Q31に相当するアンプAMP7およびMOSFET Q70,Q71,Q72と、アンプAMP4とその出力によって駆動されるMOSFET Q40,Q41に相当するアンプAMP8およびMOSFET Q80,Q81と、ダイオードD1,D2に相当するダイオードD4,D5、抵抗R6,R7に相当する抵抗R8,R9が設けられている。
そして、抵抗R9にMOSFET Q81のドレイン電流とQ51と並列に設けられたMOSFET Q52のドレイン電流とを合成した電流を流すことによって、Vapcの2乗関数で示されるような特性を有する電流をQ71,Q72に生成させ、GSM系の高周波電力増幅回路の3段目の増幅段のバイアス電流Ibias3Dと、DCS系の高周波電力増幅回路の3段目の増幅段のバイアス電流Ibias3Gを生成して出力するようにされている。Vapcの2乗特性を有する電流の生成原理は、第1の実施例で説明したのと同様であるので、ここでは説明を省略する。
図5〜図8には、シミュレーションによって、本実施例のバイアス制御回路により生成されるGSMの1段目と2段目の増幅段のバイアス電流Ibias1G,Ibias2G、DCSの1段目と2段目の増幅段のバイアス電流Ibias1D,Ibias2D、GSMの3段目の増幅段のバイアス電流Ibias3G、DCSの3段目の増幅段のバイアス電流Ibias3Dを検証した結果が示されている。図5〜図8より、各バイアス電流はVapcが0.5V以上でほぼ2乗関数的に増加していることが分かる。0.5V以上で増加し始めるのは、スターとポイントシフト回路242により生成されるオフセット電流Ioffによるものである。
なお、シミュレーションでは、−30℃と−10℃と25℃と85℃と100℃についてそれぞれ電流値を検証したが、温度にかかわらず特性は同じであったので、図5〜図8にはそれぞれ1本の曲線として示されている。このように、温度にかかわらず特性が同じになるのは、第1の実施例で説明したように、式(1)の中には温度Tが変数として含まれているにもかかわらず、式(3)の変数には温度Tがないことから理解される。また、シミュレーションにより電源電圧Vddを2.4Vから3.3Vまで変化させたときの制御電圧−バイアス電流(Vapc−Ibias)もVddにかかわらず同じであったので図示を省略するが、実施例のバイアス制御回路により生成されるバイアス電流Ibias1G,Ibias2GIbias3G,Ibias1D,Ibias2D,Ibias3Dは電源電圧依存性が低いことが分かった。
図9には、本実施例で用いられているGSMとDCSの増幅系を有する高周波電力増幅回路の一方の系の電力増幅回路210の構成例が示されている。図9に示されているように、この実施例の電力増幅回路210は、3個の増幅用トランジスタ211、212、213を備え、このうち後段のトランジスタ212,213はそれぞれ前段の増幅用トランジスタ211,212のドレイン電圧がゲート端子に入力され、全体で3段の増幅回路として構成されている。
各段の増幅用トランジスタ211,212,213のドレイン端子にはそれぞれインダクタL1,L2,L3を介して電源電圧Vddが印加されている。初段の増幅用トランジスタ211のゲート端子と入力端子INとの間には、インピーダンス整合回路MN1および直流カットの容量素子C1が設けられ、これらの回路及び素子を介して高周波の入力信号Pinが増幅用トランジスタ211のゲート端子に入力される。
初段の増幅用トランジスタ211のドレイン端子と2段目の増幅用トランジスタ212のゲート端子との間には、インピーダンス整合回路MN2および直流カットの容量素子C2が接続されている。また、2段目の増幅用トランジスタ212のドレイン端子と最終段の増幅用トランジスタ213のゲート端子との間には、インピーダンス整合回路MN3および直流カットの容量素子C3が接続されている。そして、最終段の増幅用トランジスタ213のドレイン端子がインピーダンス整合回路MN4および容量素子C4を介して出力端子OUTに接続されており、高周波の入力信号Pinの直流成分をカットし交流成分を増幅した信号Poutを出力する。
また、各増幅用トランジスタ211,212,213とカレントミラー接続されたバイアス用トランジスタQb1,Qb2,Qb3が設けられ、前記実施例で説明したバイアス制御回路240から供給されるバイアス電流Ibias1G〜Ibias3G(Ibias1D〜Ibias3D)がバイアス用トランジスタQb1,Qb2,Qb3に流されることにより、増幅用トランジスタ211,212,213にQb1,Qb2,Qb3とのサイズ比に応じた電流が流され、出力電力制御電圧Vapcに応じた増幅度が設定されるように構成されている。
図10は、前記実施例のバイアス制御回路と高周波電力増幅回路を適用して有効な無線通信システムの概略の構成を示す。
図10において、ANTは信号電波の送受信用アンテナ、100はGSMやDCSのシステムにおけるGMSK変復調やEDGEモードのPSK変復調を行なうことができる変復調回路や送信データ(ベースバンド信号)に基づいてI,Q信号を生成したり受信信号から抽出されたI,Q信号を処理したりする回路を有する半導体集積回路化された高周波信号処理回路(以下、ベースバンドICと称する)110、受信信号を増幅するロウノイズアンプLNA1,LNA2、送信信号から高調波成分を除去するバンドパスフィルタBPF1,BPF2、受信信号から不要波を除去するバンドパスフィルタBPF3,BPF4などが1つのパッケージに実装されてなる電子デバイス(以下、RFデバイスと称する)である。ロウノイズアンプLNA1,LNA2は、ベースバンドIC110に内蔵させることも可能である。
ベースバンドIC110には、GSMとDCSの送信信号をそれぞれアップンコンバートするミキサTx‐MIX1,Tx-MIX2、GSMとDCSの受信信号をそれぞれダウンコンバートするミキサRx‐MIX1,Rx-MIX2、これらのミキサで送信信号や受信信号とミキシングされる発振信号を発生する発振器VCO1〜VCO4、GSMとDCSの送信信号をそれぞれ増幅する可変利得アンプGCA1,GAC2が設けられている。
また、図10において、200はベースバンドIC110から供給される高周波の送信信号を増幅する前記実施例の高周波電力増幅回路を含むパワーモジュール、300は送信信号に含まれる高調波などのノイズを除去するフィルタLPF1,LPF2、GSMの信号とDCSの信号を合成したり分離したりする分波器DPX1,DPX2、送受信の切替えスイッチT/R−SWなどを含むフロントエンド・モジュールである。
パワーモジュール200には、GSM用の高周波電力増幅回路210aおよびDCS用の高周波電力増幅回路210bと、バイアス制御回路240と、カプラ232a,232bからの信号に基づいて出力電力を検出する出力電力検出回路220と、検出出力VdetとベースバンドIC110から出力レベル指示信号Vrampとに基づいて出力電力制御電圧Vapcを生成しバイアス制御回路240に供給する誤差アンプなどからなるAPC回路250とが設けられている。
なお、高周波電力増幅回路は、最終段の増幅用トランジスタ213がディスクリートの部品(出力パワーMOSFET等)で構成され、前段の増幅用トランジスタ211,212およびバイアス制御回路240は1つの半導体チップ上に半導体集積回路として構成される。そして、この半導体集積回路や最終段の増幅用トランジスタ素子、直流遮断用の容量素子などがセラミックなどの絶縁基板上に実装され、各素子間がボンディングワイヤや絶縁基板上のプリント配線により電気的に接続されてあたかも1つの電子部品のように構成される。本明細書ではこれをモジュールと称する。
APC回路250は出力レベル指示信号Vrampと出力電力検出回路220からの検出電圧Vdetとを比較してバイアス制御回路240に対する出力制御信号Vapcを生成し、バイアス制御回路240は出力制御信号Vapcに応じてパワーアンプ210a,210bのゲインを制御し、これに応じて高周波電力増幅回路210a,210bの出力電力が変化するように制御される。
図10に示されているように、この実施例では、ベースバンドIC110からバイアス制御回路240に対してGSMかDCSかを示すモード選択信号VBANDと、定電流IcontL,Icont,Islopeが供給され、バイアス制御回路240はこの制御信号VBANDと定電流IcontL,Icont,Islopeに基づいて、モードに応じたバイアス電流を生成し高周波電力増幅回路210aと210bのいずれかに供給する。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば前記実施例では、高周波電力増幅部の増幅用トランジスタ211〜213にFETを用いているが、増幅用トランジスタ211〜213は、バイポーラ・トランジスタやGaAsMESFET、ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ(HBT)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)等他のトランジスタを用いることも可能である。
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野である携帯電話機に用いられる高周波電力増幅回路およびパワーモジュールに適用した場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものでなく、無線LANを構成する高周波電力増幅回路およびパワーモジュールなどに利用することができる。
図1は、本発明に係る高周波電力増幅回路に用いられるバイアス制御回路の第1の実施例を示す回路図である。 図2は、実施例のバイアス制御回路における出力電力制御電圧Vapcと電圧−電流変換回路から出力される電流Iapcとの関係を示すグラフである。 図2は、実施例のバイアス制御回路における出力電力制御電圧Vapcと電流2乗変換回路から出力される電流Ioutとの関係を示すグラフである。 図4は、本発明に係る高周波電力増幅回路に用いられるバイアス制御回路の第2の実施例を示す回路図である。 図5は、第2の実施例のバイアス制御回路により生成されるGSMの1段目と2段目の増幅段のバイアス電流Ibias1G,Ibias2Gと出力電力制御電圧Vapcとの関係を示すグラフである。 図6は、第2の実施例のバイアス制御回路により生成されるDCSの1段目と2段目の増幅段のバイアス電流Ibias1D,Ibias2Dと出力電力制御電圧Vapcとの関係を示すグラフである。 図7は、第2の実施例のバイアス制御回路により生成されるGSMの3段目の増幅段のバイアス電流Ibias3Gと出力電力制御電圧Vapcとの関係を示すグラフである。 図7は、第2の実施例のバイアス制御回路により生成されるDCSの3段目の増幅段のバイアス電流Ibias3Dと出力電力制御電圧Vapcとの関係を示すグラフである。 本実施例で用いられているGSMとDCSの増幅系を有する高周波電力増幅回路の一方の系の電力増幅回路の構成例を示す回路図である。 実施例のバイアス制御回路と高周波電力増幅回路を適用して有効な無線通信システムの概略の構成を示すブロック図である。 図11は、先願発明におけるバイアス制御回路により生成される高周波電力増幅回路のバイアス電流と出力電力制御電圧Vapcとの関係を示すグラフである。 図12は、先願発明における高周波電力増幅回路を変曲点の手前や変曲点の後ろだけで動作させた場合の送信スペクトラムを示す特性図である。 図13は、先願発明における高周波電力増幅回路を変曲点の手前から後ろにわたって動作させた場合の送信スペクトラムを示す特性図である。
符号の説明
100 RFデバイス
110 ベースバンド回路
200 パワーモジュール
210 高周波電力増幅回路
220 出力電力検出回路
232 カプラ
240 バイアス制御回路
241 電圧−電流変換回路
242 スタートポイントシフト回路
243 電流2乗変換回路
244 傾き調整回路
300 フロントエンド・モジュール
ANT 送受信用アンテナ
LPF ロウパスフィルタ
LNA ロウノイズ・アンプ
GCA 可変利得アンプ

Claims (5)

  1. 電力増幅用素子と該電力増幅用素子にバイアスを与えるバイアス制御回路とを備え高周波の送信信号を増幅する高周波電力増幅回路であって、前記バイアス制御回路は出力電力制御電圧の2乗関数に従って変化するバイアス電流を前記電力増幅用素子に与えるように構成されていることを特徴とする高周波電力増幅回路。
  2. 前記バイアス制御回路は、出力電力制御電圧を電流に変換する電圧−電流変換回路と、該電圧−電流変換回路により変換された電流を2乗変換した電流を出力する2乗変換回路とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波電力増幅回路。
  3. 前記バイアス制御回路は、前記電圧−電流変換回路により変換された電流から所定の電流を差し引くスタートポイントシフト回路を備え、前記電圧−電流変換回路により変換された電流から所定の電流を差し引いた電流を前記2乗変換回路により2乗変換した電流を出力するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の高周波電力増幅回路。
  4. 前記バイアス制御回路は、前記2乗変換回路から所定の電流を差し引いて2乗関数の係数を変化させる傾き調整回路を備えることを特徴とする請求項3に記載の高周波電力増幅回路。
  5. 従属接続された複数の電力増幅用素子とこれらの電力増幅用素子にバイアスを与えるバイアス制御回路とを備え高周波の送信信号を増幅する高周波電力増幅回路であって、前記バイアス制御回路は、出力電力制御電圧の2乗関数に従って変化するバイアス電流を最終段の電力増幅用素子に与え、出力電力制御電圧に比例したバイアス電流を前段の電力増幅用素子に与えるように構成されていることを特徴とする高周波電力増幅回路。
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