本発明に係る液晶表示装置は、次の階調表示可能な液晶表示パネル、電圧供給手段、動きレベル検出手段、並びに制御手段を備えるものとする。この液晶表示パネルは、ソース電極とゲート電極とに接続された単位画素を複数有し、且つ、各単位画素内に複数の副画素を有する。また、制御手段は、動きレベル検出手段で検出された検出結果に応じて、液晶表示パネルにおける映像情報の表示制御を行う。
そして、電圧供給手段は、単位画素内に構成される複数の副画素それぞれに対し、所定の電圧値の電圧を個別に供給する。従って、この液晶表示パネルには、ゲート電極から供給される電圧並びにソース電極から供給される階調電圧に加え、この電圧供給手段によって副画素個別に供給される電圧が印加されることとなる。この電圧は、各副画素に設けた補助容量に対して印加すればよく、従って、この電圧供給手段は補助電圧供給手段ともいえる。
また、動きレベル検出手段は、液晶表示パネルに表示している映像の動きレベルを検出する。そして、本発明における制御手段は、動きレベル検出手段で検出された検出結果に応じて、電圧供給手段で供給される電圧値を副画素個別に調整する調整手段を有する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の一構成例を示すブロック図で、図中、1は映像信号入力部、2は入力信号判定部、3はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)、4はコントローラ、5はソースドライバ(ソース駆動回路)、6はROM、7は補助容量信号発生回路、8は液晶表示パネル、9はゲートドライバ(ゲート駆動回路)である。
また、図2は、図1の液晶表示装置における入力信号判定部の一構成例を示すブロック図で、図中、10,15は差分器、11はローパスフィルタ(LPF)、12,17は絶対値算出回路、13は現フレームメモリ、14は前フレームメモリ、16はバンドパスフィルタ(BPF)、18は最大値検出回路、19は伸長回路、20はデコーダである。
また、図3は、図1の液晶表示装置における液晶表示パネルの等価回路の一例を示す図で、図中、Pは単位画素、PAは副画素A、PBは副画素B、S1,S2はソース電極、G1はゲート電極、HAは副画素Aに対する補助容量基準電極、HBは副画素Bに対する補助容量基準電極、LAは副画素Aの液晶層、LBは副画素Bの液晶層、TAは副画素AのTFT、TBは副画素BのTFT、CAは副画素Aの補助容量、CBは副画素Bの補助容量である。
図1で例示する液晶表示装置は、映像信号入力部1及び液晶表示パネル8に加え、上述した制御手段の一例として、マイコン3、コントローラ4、ソースドライバ5、及びゲートドライバ9を備えたアクティブマトリクス型の構成となっており、さらには上述した電圧供給手段の一例として、ROM6及び補助容量信号発生回路7を備え、動きレベル検出手段の一例として、入力信号判定部2を備える。
映像信号入力部1は、ユーザによる指示操作やデフォルト設定などにより表示対象となっている動画像又は静止画像の映像信号を入力し、入力信号判定部2及びコントローラ4に出力する。
入力信号判定部2は、映像信号入力部1で入力された画像信号の動きレベル(動き量)を検出して、マイコン3にその検出結果(又はレベルの判定結果)を送信する。この検出結果によって、後述の補助容量に印加される電圧値が決定される。
図2を参照して、入力信号判定部2の構成例を説明する。輝度信号の動きは、現フレームメモリ13の入出力の差を差分器10により検出して、LPF11により1フレーム差分として検出される。色信号の動きは、現フレームメモリ13と前フレームメモリ14の直列回路の入出力差を差分器15により検出して、BPF16により2フレーム差分として検出される。これらの差分信号は、それぞれ絶対値算出回路12及び絶対値算出回路17を通り、最大値検出回路18により最大値が検出される。この最大値検出回路18の出力は、伸長回路19を通り、デコーダ20を通って、動き信号として制御側(マイコン3)に出力される。ここで、伸長回路19は、速い動きに対して検出漏れがないように、2フィールドの動き情報を利用して、時空間フィルタをかけるために設けられている。
マイコン3は、入力信号判定部2からの動きレベル検出結果(又は判定結果)に基づいてコントローラ4に命令を発してコントローラ4を制御する。コントローラ4は、ソースドライバ5及びゲートドライバ9の制御に加え、補助容量信号発生回路7を制御することで、液晶表示パネル8での表示対象となる映像情報、すなわち、映像信号入力部1で入力された映像信号に対して、入力信号判定部2での動きレベル検出結果(又は判定結果)に応じて、液晶表示パネル8の表示制御を行う。
コントローラ4は、例えば、駆動電圧生成部、駆動信号生成部、及びLUT(Look Up Table)から構成される(図示せず)。駆動電圧生成部は、液晶表示パネル8のソース電極に印加する駆動用の電圧値を生成し、ソースドライバ5にその電圧値を送る。LUTは、画像データを液晶表示パネル8に表示する際に、広視野角での階調特性を確保できるように表示データである画像データを変換するための変換テーブルである。つまり、LUTは、駆動信号生成部に入力される画像データと同じデータが入力され、この入力された画像データに基づいて変換テーブルで参照した結果を駆動信号生成部に送信するようになっている。
駆動信号生成部は、画素データ変換部、水平同期信号生成部、及び垂直同期信号生成部で構成される(図示せず)。画素データ変換部は、入力される画像データをLUTの参照結果に基づいて変換し、ソース駆動用の画像データとしてソースドライバ5に送るようになっている。水平同期信号生成部は、入力される画像データから、データの取り込みを制御するためのソースクロック、データの開始を示すソーススタートパルス、ソース出力の切り替えを制御するラッチパルス等のソース駆動用の水平同期信号を生成して、生成した信号(ソース駆動用の制御信号)をソースドライバ5に送るようになっている。また、垂直同期信号生成部は、入力される画像データから、印加するゲートバスラインのシフトのタイミングを示すゲートクロック、フレームの切り替えの開始を示すゲートスタートパルス等のゲート駆動用の垂直同期信号を生成して、生成した信号(ゲート駆動用の制御信号)をゲートドライバ9に送るようになっている。このように、駆動信号生成部は、映像信号入力部1で入力された映像情報(画像データ)とLUTの参照結果とに基づいてソースドライバ5及びゲートドライバ9を動作させる駆動用の信号を生成し、それぞれに出力する。なお、本発明においては、本発明に係る動きレベル検出に基づいた表示制御(並びに後述する階調特性補正制御)の存在により、駆動信号生成部では少なくとも入力された画像データをそのまま各副画素に対する値として出力すればよいことから、LUTでのデータ変換が実行されなくても、すなわちLUTを備えなくてもよい。また、LUTでのデータ変換を実行する際には、本発明に係る動きレベル検出に基づいた表示制御(並びに後述する階調特性補正制御)を考慮して行う必要がある。
ソースドライバ5は、駆動信号生成部からの信号と駆動電圧生成部で生成された駆動電圧値とに基づいて、液晶表示パネル8を駆動するために、液晶表示パネル8に垂直に配置されたソースバスラインに、駆動信号生成部から送られた電圧値の電圧を印加する回路である。
ゲートドライバ9は、駆動信号生成部からの信号に基づいて、液晶表示パネル8を駆動するために、液晶表示パネル8に水平に配置されたゲートバスラインに、アクティブマトリクス駆動用の電圧を印加する回路である。つまり、ゲートバスラインには、駆動信号生成部からの信号に基づいて、選択的に電圧が印加されることになる。
液晶表示パネル8は、複数の単位画素がマトリクス状に配置されたアクティブマトリクス型の表示パネルであり、ソースドライバ5及びゲートドライバ9によって、ソースバスライン(ソース電極)及びゲートバスライン(ゲート電極)に電圧が印加されることにより動作し、入力された映像情報に基づいた映像を表示するようになっている。すなわち、液晶表示パネル8は、図3の等価回路において例示するように、ソース電極S(S1,S2,...)とゲート電極G(G1,G2(図示せず),...)とに接続された単位画素Pを複数有する。そして、本発明における液晶表示パネル8は、各単位画素P内に複数の副画素H(ここでは副画素PA,PBの2つで例示)を有する。
副画素PAは、液晶層LA並びに補助容量CAがTFT(TA)に接続されてなる。TFT(TA)のゲート側にはゲート電極Gが接続され、ソース側にはソース電極S1が接続され、さらに、補助容量CAの他端が補助容量基準電極HAに接続されて、液晶層LAに印加される電圧が補助的に調整されるようになっている。副画素PBも同様に、液晶層LB並びに補助容量CBがTFT(TB)に接続されてなる。TFT(TB)のゲート側にはゲート電極Gが接続され、ソース側にはソース電極S1が接続され、さらに、補助容量CBの他端が補助容量基準電極HBに接続されて、液晶層LBに印加される電圧が補助的に調整されるようになっている。この形態では、上述した電圧供給手段として、例えば、液晶表示パネル8において補助容量基準電極を備えておき、補助容量信号発生回路7により、動きレベル検出結果(又は判定結果)に応じてROM6から読み出した電圧値を各補助容量基準電極から各副画素別に供給するよう構成している。
このように、液晶表示パネル8は、垂直方向に配列されたソース電極S1,S2,...と、水平方向に配列されたゲート電極G1,G2,...とが直交し、その交点に画素電極及び画素電極を駆動するトランジスタが配置された構造となっている。そして、1本のゲート電極G(例えばG1)で2列の副画素電極に対してゲートドライバ9からの駆動電圧を印加できるようになっている。つまり、赤(R),緑(G),青(B)の画素電極は、それぞれが2個に分割された副画素PA及び副画素PBで1つの画素Pを構成している。これら副画素PA,PBの平均値によって、画素Pにおける表示がなされる。
そして、補助容量信号発生回路7は、映像情報に応じたコントローラ4からの調整制御(入力信号判定部2での動きレベル検出結果又は判定結果に応じた調整制御)に基づいて、副画素PAに対する補助容量基準電極HA、副画素PBに対する補助容量基準電極HBのそれぞれに対し、調整制御に対する所定の電圧値(PA,PB用)のセットを複数予め格納したROM6を参照して、所定の電圧値の電圧を個別に供給する。補助容量信号発生回路7用のROM6は、動きレベル検出結果(又は判定結果)に応じた各補助容量基準電極に送る電圧値をそれぞれ保存しておく。従って、この液晶表示パネル8には、ゲート電極から供給される電圧並びにソース電極から供給される階調電圧に加え、補助容量信号発生回路7によって副画素個別に供給される電圧が印加されることとなる。この電圧は、各副画素に設けた補助容量に対して印加すればよい。また、各副画素に供給される所定値の電圧は、各副画素のペアに対して極性を異ならせて供給される電圧であるようにROM6内にデータを格納しておいてもよい。
図4は、図1の液晶表示装置における制御の例を説明するためのフロー図である。本実施形態に係る液晶表示装置は、上述のごとき構成により、まず、動きレベル検出処理(動き量算出処理)を施す(ステップS1)。以下、動き量に対する一定量の閾値に基づき、動きレベルが高い場合(例えば、シネマ(シアタ)モード(例えばハイビジョン放送表示用の表示モードに対応)及び通常放送モードに対応)と、低い場合(例えばPCモードに対応)とで表示制御を異ならせる例を挙げて説明する。
ステップS1で動き量を算出した後、その動き量が一定値以上か否かを判定する(ステップS2)。動き量が一定値以上であれば(ステップS2でYES)、動きレベルの高い時のデータとして、高動きレベル用の補助容量基準電極制御データの読み込みを行い(ステップS3)、そのデータを出力処理する(ステップS4)。ステップS2でNOであった場合、動きレベルが低い時のデータとして、PCモード用(低動きレベル用)の補助容量基準電極制御データの読み込みを行い(ステップS5)、そのデータを出力処理する(ステップS4)。
また、ステップS4で、1フレーム毎又は1フィールド毎(液晶表示パネル8に入力される画面データの単位毎)に互いの補助容量基準電極HA,HBへの印加電圧を切り替えて補助容量基準電極制御データを出力処理することにより、補助容量電極の電圧差による明暗差を抑制するよう制御してもよい。この形態では、制御手段に、調整手段での電圧値を所定フレーム数毎に副画素間で切り替える切替手段を備えればよい。この制御手段は、例えば、対となる互いの副画素に対して個別に供給される所定値の電圧が所定フレーム数毎に交互に切り替えられて供給されるように制御する。
図5は、本発明による副画素間の電圧差強調処理を従来例と比較するための図である。図中、21は従来例による階調毎の輝度比の視野角による変動をVA(垂直配向)液晶を例にとって説明するためのグラフ図、22は、副画素間の電圧差強調処理(動きレベルが高い時の処理)による階調毎の輝度比の視野角による変動を説明するためのグラフ図、22aはその強調処理での各副画素の明暗差の模式図、23は、副画素間の電圧差を若干強調した処理(動きレベルが低い時の処理)による階調毎の輝度比の視野角による変動を説明するためのグラフ図、23aはその強調処理での各副画素の明暗差の模式図、24はそれらの処理にさらにフレーム/フィールド切替処理を施した場合の各副画素の明暗差の模式図である。また、図5において、実線は0°(正面視)の場合、破線は±45°の場合、点線は±60°の場合をそれぞれ示す。
図5を参照すると、動きレベルが高い時の処理(通常放送モード処理及びシネマモード処理に相当)における制御では、副画素間の補助容量基準電極の電圧差による明暗差がより強く発生し易くする。その一方で、広視野角でのコントラストの低下をより解消すること、すなわち斜めから見たときのコントラストを改善することができる。このような制御は、より広視野角が要求される動画像の仕様に好適である。さらに、1フレーム毎又は1フィールド毎(液晶表示パネル8に入力される画面データの単位毎)に互いの補助容量基準電極HA,HBへの印加電圧を切り替えることにより、図5において符号24で例示したように、見た目の補助容量電極の電圧差による明暗差を抑制することができる。
また、動きレベルが低い時の処理(PCモード処理に相当)における制御では、副画素間の補助容量基準電極の電圧差による明暗差を上述の処理より若干抑える。副画素間の濃淡差の出現を抑えながら、広視野角でのコントラストの低下を解消すること、すなわち斜めから見たときのコントラストを改善することができる。このような制御は、一人で使用する場合が多いPCなど、すなわち静止画像の仕様に好適である。さらに、この制御に対しても、1フレーム毎又は1フィールド毎(液晶表示パネル8に入力される画面データの単位毎)に互いの補助容量基準電極HA,HBへの印加電圧を切り替えることにより、図5において符号24で例示したように、見た目の補助容量電極の電圧差による明暗差を抑制することができる。
以上、本実施形態によれば、マルチ画素駆動方式の液晶表示装置において、静止画像か動画像かなどの動きレベル検出に基づく検出結果(又は判別結果)に応じて、適切な視野角特性と階調特性を提供でき、特に垂直配向モード等の液晶を用いた際に生じる正面視に対する斜めから見た際の階調特性変化に伴う白浮き現象を解消することが可能となり、また表示された映像内容に応じた階調特性及び副画素間の濃淡差の解消及びノーマリーブラックモード時の高コントラスト特性を自動的に提供することもできる。さらに、上述のごとき補助容量基準電極を備えることで、副画素毎にソース電極ラインを設けたり、また副画素毎にソース電圧の階調変換を行う必要が無く、上述の効果を得ることができる。
また、動きレベルの検出及びそれに伴う表示制御で触れたが、本発明の他の実施形態として、上述した実施形態において、動きレベル検出手段が、液晶表示パネルに供給している映像が静止画像であるか或いは動画像であるかのいずれかを検出するよう構成してもよい。このとき、各副画素に供給される所定値の電圧は、この動きレベル検出結果(又は判定結果)のレベル毎に(動画に相当するレベル/静止画に相当するレベルによって)、予め割り当てられた値を補助容量信号発生回路用のROMに格納しておけばよい。そして、動きレベル検出(又はレベル判定)の実際の結果に応じて、そのROMから所定の電圧値を読み出して各補助容量に印加すればよい。
この実施形態によれば、特に垂直配向モード等の液晶を用いた際に生じる正面視に対する斜めから見た際の階調特性変化に伴う白浮き現象を解消し、且つ、動画表示時に要求される白浮き現象の改善と静止画表示時に要求される副画素間の濃淡差の解消及びノーマリーブラックモード時等における高コントラスト特性を提供することが可能になり、また表示された映像に応じた映像表示状態を提供できる。
以上、図1乃至図5を参照して説明した各実施形態においては、補助容量信号発生回路用のROMに記憶された電圧値を映像信号に加算することにより、各副画素には実際の映像信号に対し微妙に異なった電圧値が供給されるので、各階調の電圧値が理想的なγ特性からズレることになる。特に、低階調数におけるズレは影響が大きい。このため、上述した各実施形態において、この低階調のγ特性を補正することが好ましい。以下、このようなγ特性補正を実行可能な実施形態について説明する。
図6は、本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置の一構成例を示すブロック図で、図中、30はユーザ操作部、31は映像信号入力部、32は入力信号判定部、33はマイコン、34はコントローラ、35はソースドライバ、36はROM、37は補助容量信号発生回路、38は液晶表示パネル、39はゲートドライバ、40はγ特性補正部、40aは基準階調電圧発生部、40bは基準階調電圧発生部40a用のROMである。
本実施形態に係る液晶表示装置は、上述した各実施形態に係る液晶表示装置において、γ特性補正手段(階調特性補正手段)を備えるものとする。このγ特性補正手段は、調整手段において映像情報に応じて電圧供給手段で供給される電圧値を副画素個別に調整する処理を補うための手段であり、調整手段における調整処理によって変更される単位画素の階調特性を補正する手段である。図6並びに後述の図7乃至図11を用いて説明する実施形態は、このγ特性補正手段として、基準階調電圧発生部40a及びそれ用のROM40bを有するγ特性補正部40(コントローラ34内に或いは一部をソースドライバ35内に具備してもよい)を備え、このγ特性補正部40が基準階調電圧を変更可能なよう構成されているものとする。その他の処理については説明した通りであり、その説明を簡略化する。
また、本実施形態における調整手段は、入力信号判定部32での検出結果(又は判定結果)に応じた制御信号を、コントローラ34及び基準階調電圧発生部40aへ送るマイコン33で例示する。
映像信号入力部31は、前述の実施形態と同様に、ユーザによる指示操作やデフォルト設定などにより表示対象となっている動画像又は静止画像の映像信号を入力し、コントローラ34に出力する。ここで、ユーザ操作部30からの指示操作によって、入力される映像信号を切り替えればよい。この指示操作としては、例えばリモコンの電源ボタン30aにより電源が投入された時点で直前の設定を読み出して入力映像信号を選択することや、方向指示及び決定キー30cや選局及びポジションキー30dによって、電源投入後に入力映像信号を選択することなどが挙げられる。そして、ユーザ操作部30では、表示モード選択を、例えばリモコンのモード切替ボタン30bや方向指示及び決定キー30cなどによって選択して、その結果をマイコン33に送るようにしてもよい。
マイコン33は、入力信号判定部32からの動きレベル検出結果(又は判定結果)に基づいてコントローラ34に命令を発してコントローラ34を制御すると共に、γ特性補正部40(基準階調電圧発生部40a)に対しても動きレベル検出結果(又は判定結果)に基づく命令を発して制御を行う。コントローラ34は、ソースドライバ35及びゲートドライバ39の制御に加え、補助容量信号発生回路37を制御することで、液晶表示パネル38での表示対象となる映像情報(すなわち映像信号入力部31で入力された映像信号)に対し、入力信号判定部32での動きレベル検出結果(又は判定結果)に応じて、液晶表示パネル38の表示制御を行う。また、コントローラ34は、上述したように、例えば、駆動電圧生成部、駆動信号生成部、及びLUT(Look Up Table)から構成される(図示せず)。さらに、ソースドライバ35及びゲートドライバ39、さらには補助容量信号発生回路37も上述した通りであり、液晶表示パネル38は、図3の等価回路と共に説明した通りである。
基準階調電圧発生部40aでは、0〜255までの階調数のうち、任意に抽出された複数の階調数に対して予め基準電圧値を割り当てる。例えば、階調数16,32,48に対し、基準電圧値としてV16,V32,V48を割り当て、V32は、V16〜V48の間の電圧値に設定する。そして、この一連の基準階調電圧が基準階調電圧発生部40a用のROM40bに各モード或いは検出した映像信号毎に書き込まれ、各モード毎に例えばV32という値を調整することができる。この手法によっても、一旦所定値電圧が加算された映像信号に対して、理想的なγ特性に補正することが可能になる。次に、本実施形態の特徴としてのγ特性補正部における処理例について詳細に説明する。
図7は、図6の液晶表示装置におけるγ補正処理の一例を説明するための図で、図中、40cは、このγ補正処理に用いられる基準階調データによる補正(基準階調電圧による補正)の例としての、入力階調に対する3つの基準階調データの例を示す表である。
表40cのように、入力階調に対し、基準階調データ1,基準階調データ2,基準階調データ3がROM40bに格納されている。例えば、基準階調データ1は、入力された階調データに対し、補助容量の基準電極に印加する電圧の電位差が小さい場合に適用される基準階調電圧のデータの例である。0,32,64,96,128,192,255の入力階調データに対し、それぞれ900,600,400,300,250,180,100の基準階調電圧とするデータが用意されている。
また、基準階調データ2は、入力された階調データに対し、補助容量の基準電極に印加する電圧の電位差が中程度の場合に適用される基準階調電圧のデータの例である。0,32,64,96,128,192,255の入力階調データに対し、それぞれ900,700,450,350,270,190,100の基準階調電圧とするデータが用意されている。また、基準階調データ3は、入力された階調データに対し、補助容量の基準電極に印加する電圧の電位差が大きい場合に適用される基準階調電圧のデータの例である。0,32,64,96,128,192,255の入力階調データに対し、それぞれ900,800,500,400,300,200,100の基準階調電圧とするデータが用意されている。
基準階調電圧発生部40aは、マイコン33から出力された制御信号(入力信号判定部32による検出結果又は判定結果に応じた制御信号)に基づいて、ROM40bからその制御信号に対応する基準階調データを選択し、ソースドライバ35に出力する。例えばマイコン33の制御レベルとして電位差1,電位差2,電位差3といった電位差によって制御信号が送られてくるとき、そのそれぞれの電位差に対応する基準階調データ1,基準階調データ2,基準階調データ3をROM40bから読み出し、ソースドライバ35に出力する。
図8は、図6の液晶表示装置における基準階調電圧発生部に対応したソースドライバにおける階調電圧発生部の例を示す図である。図中、50は基準階調電圧発生部40aに対応したソースドライバ35における電圧発生部の例である。
電圧発生部50は、0,32,64,96,128,192,255の各入力階調データを入力するための端子VA0,VA32,...,VA255を有する。これらの端子はそれぞれ抵抗Ra,Rb,...,Rgに入力される。そして、それらの階調間の細区分のためにさらに抵抗を備える。例えば、端子VA0と端子VA32との間で、細かな出力電圧を制御するために、抵抗r1,r2,...,r32を有する。
基準階調電圧発生部40aはマイコン33からの制御信号に対し、ROM40bを参照して、各入力階調に対応する基準階調データを得て、その電圧値をソースドライバ35に出力する。それに対し、電圧発生部50では、各入力階調に対応する表40cで例示した入力電圧(基準階調データ1で例示すると900,600,400,300,250,180,100V)がそれぞれ端子VA0,VA32,...,VA255に入力され、さらに、コントローラ34から同時に受け取る画像データに基づいて、出力端子Vd0,Vd1,...,Vd255のいずれかを選択する。このような処理により、基準となる階調電圧自体を補正(γ特性補正)し、さらに補助容量信号発生回路37により、映像に対してその動きレベルに応じた各副画素別の補助容量基準電圧を印加することが可能となる。
図9は、図6の液晶表示装置における基準階調電圧発生部の主要部の例を示す図である。図中、51は基準階調電圧発生部40aにおける電圧発生部の例、52a,52b,...はD/Aコンバータ(DAC)、53a,53b,...はアンプである。
図9で例示する電圧発生部51は、図8の電圧発生部50と異なり、基準となる階調電圧自体は変えず、各階調間の線分に基づいた階調を、DAC及びアンプによるデジタル制御によって変更させることで補正(γ特性補正)を行う。例えば、入力階調データが32である場合には、電圧発生部51にはVA32データ(基準階調データ1で例示すると600というデータ)がDAC52bに入力され、アンプ53bで増幅されることで、出力電圧Vd32としてソースドライバ35に出力される。各DACでの変換値はマイコン33側から与えてやればよい。この処理は、図8で説明した処理に比べて、重たい処理となるが、8bitであれば8bitのまま出力される。このような処理により、基準となる階調電圧をその入力信号を補正することで補正(γ特性補正)し、さらに補助容量信号発生回路37により、映像に対してその動きレベルに応じた各副画素別の補助容量基準電圧を印加することが可能となる。
図10は、図6の液晶表示装置における制御の例を説明するためのフロー図である。本実施形態に係る液晶表示装置は、上述のごとき構成により、まず、動きレベル検出処理(動き量算出処理)を施す(ステップS11)。以下、動き量に対する一定量の閾値に基づき、動きレベルが高い場合(例えば、シネマ(シアタ)モード(例えばハイビジョン放送表示用の表示モードに対応)及び通常放送モードに対応)と、低い場合(例えばPCモードに対応)とで表示制御を異ならせる例を挙げて説明する。
ステップS11で動き量を算出した後、その動き量が一定値以上か否かを判定する(ステップS12)。動き量が一定値以上であれば(ステップS12でYES)、動きレベルの高い時のデータとして、高動きレベル用の補助容量基準電極制御データ及び高動きレベル用の階調基準電圧制御データの読み込みを行い(ステップS13)、それらのデータを出力処理する(ステップS14)。ステップS12でNOであった場合、動きレベルが低い時のデータとして、PCモード用(低動きレベル用)の補助容量基準電極制御データ及び低動きレベル用の階調基準電圧制御データの読み込みを行い(ステップS15)、それらのデータを出力処理する(ステップS14)。
また、ステップS14で、1フレーム毎又は1フィールド毎(液晶表示パネル38に入力される画面データの単位毎)に互いの補助容量基準電極HA,HBへの印加電圧を切り替えて補助容量基準電極制御データ及び階調基準電圧制御データを出力処理することにより、補助容量電極の電圧差による明暗差を抑制するよう制御してもよい。
図11は、図6乃至図10で説明したγ特性補正処理を施した場合とそうでない場合とを比較するための図で、図11(A)は、本発明による副画素間の電圧差強調処理(動きレベルが高い時の処理)をγ特性補正無しで施した場合の、階調毎の輝度比の視野角による変動を説明するためのグラフ図、図11(B)は、本発明による副画素間の電圧差強調処理(動きレベルが高い時の処理)をγ特性補正付きで施した場合の、階調毎の輝度比の視野角による変動を説明するためのグラフ図である。また、図11において、実線は0°(正面視)の場合、破線は±45°の場合、点線は±60°の場合をそれぞれ示す。
図11(A)に示すように、副画素間電圧差強調処理のみを施した場合には、各副画素に階調電圧以外の電圧(補助容量成分電圧)を加算しているために、γ特性が理想曲線(理想のγカーブ(γ=2.2〜2.4))から離れた曲線を描いていることが分かる。一方、副画素間電圧差強調処理とγ特性補正処理とを組み合わせた処理を施した場合には、図11(B)で0°,±45°,±60°のいずれの場合でもその理想のγカーブに近づいていることが見てとれるように、一旦視野角改善のために各副画素に階調電圧補正を施した結果生じた、γ特性のズレに対し、理想的なγ特性へと補正することが可能になり、各モードに適したγ特性を提供することが可能となる。本実施形態によれば、視野角特性を改善するためにこの副画素間電圧比を最適化したことによって生じ得る、階調特性(γ特性)の変化(特に中間調の変化が著しい)による階調特性の浮き、若しくは沈み現象を解消することが可能となる。
次に、γ特性補正を実行可能な他の実施形態について説明する。なお、ここで説明するγ特性補正の説明においても、図1乃至図5を参照して説明した実施形態をベースに行うが、他の実施形態にも同様に適用可能である。また、この実施形態では、説明の簡略化のため、図6乃至図11を用いて説明した実施形態と異なる部分を中心にして説明する。
図12は、本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置の一構成例を示すブロック図で、図中、60はユーザ操作部、61は映像信号入力部、62は入力信号判定部、63はマイコン、64はコントローラ、65はソースドライバ、66はROM、67は補助容量信号発生回路、68は液晶表示パネル、69はゲートドライバ、70はγ特性補正部、70aは階調変換部、70bは階調変換部70a用のROMである。
本実施形態に係る液晶表示装置は、図6乃至図11を参照して説明した実施形態に係る液晶表示装置において、他のγ特性補正手段(階調特性補正手段)を備えるものとする。このγ特性補正手段は、調整手段において映像情報に応じて電圧供給手段で供給される電圧値を副画素個別に調整する処理を補うための手段であり、調整手段における調整処理によって変更される単位画素の階調特性を補正する手段である。本実施形態は、このγ特性補正手段として、階調変換部70a及びそれ用のROM70bを有するγ特性補正部70(コントローラ64内に具備してもよい)を備え、このγ特性補正部70が階調データを変更可能なよう、例えば表示映像の色判別により電位差を調整するよう、構成されているものとする。その他の処理については説明した通りであり、その説明を簡略化する。
また、本実施形態における調整手段は、入力信号判定部62での検出結果(又は判定結果)に応じた制御信号を、コントローラ64及び階調変換部70aへ送るマイコン63で例示する。また、映像信号入力部61は、電源ボタン60a,メニューボタン60b,方向指示及び決定キー60c,選局及びポジションキー60d等でなるリモコンなども含め、前述の実施形態と同様である。
マイコン63は、入力信号判定部62からの動きレベル検出結果(又は判定結果)に基づいてコントローラ64に命令を発してコントローラ64を制御すると共に、γ特性補正部70(階調変換部70a)に対しても動きレベル検出結果(又は判定結果)に基づく命令を発して制御を行う。コントローラ64は、ソースドライバ65及びゲートドライバ69の制御に加え、補助容量信号発生回路67を制御することで、液晶表示パネル68での表示対象となる映像情報(すなわち映像信号入力部61で入力された映像信号)に対し、入力信号判定部62での動きレベル検出結果(又は判定結果)に応じて、液晶表示パネル68の表示制御を行う。また、コントローラ64は、上述したように、例えば、駆動電圧生成部、駆動信号生成部、及びLUT(Look Up Table)から構成される(図示せず)。さらに、ソースドライバ65及びゲートドライバ69、さらには補助容量信号発生回路67も上述した通りであり、液晶表示パネル68は、図3の等価回路と共に説明した通りである。
階調変換部70aでは、0〜255までの階調数に対して予め補正値を割り当てておき、その補正値による映像情報(画像データ)の補正結果をコントローラ64に出力する。すなわち、低階調のγ特性を補正するために、階調変換部70a用のROM70bに、階調毎に異なる階調値を設けている。この手法によっても、一旦所定値電圧が加算された映像信号に対して、理想的なγ特性に補正することが可能になる。次に、本実施形態の特徴としてのγ特性補正部における処理例について詳細に説明する。
図13は、図12の液晶表示装置におけるγ補正処理の一例を説明するための図で、図中、70cは、このγ補正処理に用いられる階調補正データによる補正(γテーブルによる補正)の例としての、入力階調に対する3つの階調補正データの例を示す表である。
表70cのように、入力階調に対し、階調補正データ1,階調補正データ2,階調補正データ3がROM70bに格納されている。例えば、階調補正データ1は、入力された階調データに対し、補助容量の基準電極に印加する電圧の電位差が小さい場合に適用される出力階調のデータの例である。0,1,2,3,4,...,50,51,52,...,255の入力階調データに対し、それぞれ0,2,4,6,8,...70,71,72,...,255の出力階調データが用意されている。
また、階調補正データ2は、入力された階調データに対し、補助容量の基準電極に印加する電圧の電位差が中程度の場合に適用される出力階調のデータの例である。0,1,2,3,4,...,50,51,52,...,255の入力階調データに対し、それぞれ0,1,3,5,7,...60,61,62,...,255の出力階調データが用意されている。また、階調補正データ3は、入力された階調データに対し、補助容量の基準電極に印加する電圧の電位差が大きい場合に適用される出力階調のデータの例である。0,1,2,3,4,...,50,51,52,...,255の入力階調データに対し、それぞれ0,1,2,3,4,...,50,51,52,...,255の出力階調データが用意されている。
階調変換部70aは、マイコン63から出力された制御信号(入力信号判定部62での検出結果又は判定結果に応じた制御信号)に基づいて、ROM70bからその制御信号に対応する階調補正データを選択し、コントローラ64に出力する。例えばマイコン63の制御レベルとして電位差1,電位差2,電位差3といった電位差によって制御信号が送られてくるとき、そのそれぞれの電位差に対応する階調補正データ1,階調補正データ2,階調補正データ3をROM70bから読み出し、コントローラ64に出力する。
本実施形態に係る液晶表示装置は、上述のごとき構成により、図10の制御フローと同様に、ユーザによる表示モードの選択操作がなされることで、制御が開始される。本実施形態に係るγ特性補正処理は、図10の制御フローにおいて、各モード用のデータを読み込む際に、補助容量基準電極制御データ及び階調基準電圧制御データではなく、補助容量基準電極制御データ及び階調補正制御データの読み込みを行い、それらのデータを出力処理する。また、1フレーム毎又は1フィールド毎(液晶表示パネル68に入力される画面データの単位毎)に互いの補助容量基準電極HA,HBへの印加電圧を切り替えて補助容量基準電極制御データ及び階調補正制御データを出力処理する形態も、同様に適用可能であり、補助容量電極の電圧差による明暗差を抑制するよう制御してもよい。また、本実施形態に係るγ特性補正処理においても、図11で例示したように、0°,±45°,±60°のいずれの場合でもその理想のγカーブに近づく。
また、γ特性補正を実行可能な実施形態としては、図6乃至図11を用いて説明した実施形態と図12及び図13を用いて説明した実施形態とを組み合わせてもよく、そのような実施形態を簡単に説明する。その詳細は、元となる実施形態を参照することで理解できる。
図14は、本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置の一構成例を示すブロック図で、図中、80はユーザ操作部、81は映像信号入力部、82は入力信号判定部、83はマイコン、84はコントローラ、85はソースドライバ、86はROM、87は補助容量信号発生回路、88は液晶表示パネル、89はゲートドライバ、90はγ特性補正部、90aは階調変換部、90bは階調変換部90a用のROM、90cは基準階調電圧発生部、90dは基準階調電圧発生部90c用のROMである。
本実施形態に係る液晶表示装置は、γ特性補正手段として、階調変換部90a及びそれ用のROM90b、並びに基準階調電圧発生部90c及びそれ用のROM90dを有するγ特性補正部90(コントローラ84内或いは一部をソースドライバ85内に具備してもよい)を備え、このγ特性補正部90が基準階調電圧及び階調データを変更可能なよう構成されているものとする。その他の処理については説明した通りであり、その説明を簡略化する。
また、本実施形態における調整手段は、入力信号判定部82での検出結果又は判定結果に応じた制御信号を、コントローラ84、階調変換部90a、及び基準階調電圧発生部90cへ送るマイコン83で例示する。また、映像信号入力部81は、電源ボタン80a,メニューボタン80b,方向指示及び決定キー80c,選局及びポジションキー80d等でなるリモコンなども含め、前述の実施形態と同様である。
マイコン83は、入力信号判定部82からの動きレベル検出結果(又は判定結果)に基づいてコントローラ84に命令を発してコントローラ84を制御すると共に、γ特性補正部90(階調変換部90a及び基準階調電圧発生部90c)に対しても動きレベル検出結果(又は判定結果)に基づく命令を発して制御を行う。コントローラ84は、ソースドライバ85及びゲートドライバ89の制御に加え、補助容量信号発生回路87を制御することで、液晶表示パネル88での表示対象となる映像情報(すなわち映像信号入力部81で入力された映像信号)に対し、入力信号判定部82での動きレベル検出結果(又は判定結果)に応じて、液晶表示パネル88の表示制御を行う。また、コントローラ84は、上述したように、例えば、駆動電圧生成部、駆動信号生成部、及びLUT(Look Up Table)から構成される(図示せず)。さらに、ソースドライバ85及びゲートドライバ89、さらには補助容量信号発生回路87も上述した通りであり、液晶表示パネル88は、図3の等価回路と共に説明した通りである。
階調変換部90aは、マイコン83から出力された制御信号(入力信号判定部82からの動きレベル検出結果又は判定結果に応じた制御信号)に基づいて、ROM90bからその制御信号に対応する階調補正データを選択し、コントローラ84に出力する。例えばマイコン83の制御レベルとして電位差1,電位差2,電位差3といった電位差によって制御信号が送られてくるとき、そのそれぞれの電位差に対応する階調補正データ1,階調補正データ2,階調補正データ3をROM90aから読み出し、コントローラ84に出力する。
基準階調電圧発生部90cは、マイコン83から出力された制御信号(入力信号判定部82からの動きレベル検出結果又は判定結果に応じた制御信号)に基づいて、ROM90dからその制御信号に対応する基準階調データを選択し、ソースドライバ85に出力する。例えばマイコン83の制御レベルとして電位差1,電位差2,電位差3といった電位差によって制御信号が送られてくるとき、そのそれぞれの電位差に対応する基準階調データ1,基準階調データ2,基準階調データ3をROM90dから読み出し、ソースドライバ85に出力する。
本実施形態に係る液晶表示装置は、上述のごとき構成により、図10の制御フローと同様に、まず、動きレベル検出処理(動き量算出処理)を施す。そして、本実施形態に係るγ特性補正処理は、図10の制御フローにおいて、各動き検出レベル用のデータを読み込む際に、補助容量基準電極制御データ及び階調基準電圧制御データだけではなく、階調補正制御データの読み込みも行い、それらのデータを出力処理する。また、1フレーム毎又は1フィールド毎(液晶表示パネル88に入力される画面データの単位毎)に互いの補助容量基準電極HA,HBへの印加電圧を切り替えて、補助容量基準電極制御データ、階調基準電圧制御データ、及び階調補正制御データを出力処理する形態も、同様に適用可能であり、補助容量電極の電圧差による明暗差を抑制するよう制御してもよい。また、本実施形態に係るγ特性補正処理においても、図11で例示したように、0°,±45°,±60°のいずれの場合でもその理想のγカーブに近づく。
次に、上述した各実施形態において説明した、1フレーム毎又は1フィールド毎(液晶表示パネルに入力される画面データの単位毎)に互いの補助容量基準電極HA,HBへの印加電圧を切り替えて補助容量基準電極制御データ等の制御データを出力処理する形態について、補足的に説明する。
図15は、図14の液晶表示装置の制御例として動き検出レベルが高い時における制御例を詳細に説明するための図で、図15(A)は、垂直同期信号に対する補助容量電極のフレーム毎の制御、並びに水平同期信号に対する階調電圧,各副画素への印加電圧のフレーム毎の制御を説明するためのタイミングチャートで、図15(B)は、その制御例をフレーム(n)に対する各副画素の明暗によって説明するための図、図15(C)は、その制御例をフレーム(n+1)に対する各副画素の明暗によって説明するための図である。
図15(B),(C)の左上の赤の副画素Ra及びそれと対となる副画素Rbについて説明すると、フレーム(n)に対しては、垂直同期信号Vsyncと同時に、補助容量電極HAに電圧Vlcaが印加され、補助容量電極HBに電圧Vlcbが印加され、それらの電圧値V1,V2が、フレーム(n+1)に切り替わることで、逆に切り替えられる。一方、フレーム(n)に対し、水平同期信号(ゲートパルス)Hsyncと同時に、ソースラインに階調電圧Vsigが送られ、フレーム(n+1)に対しても、フレーム(n)からの切り替わり時に水平同期信号(ゲートパルス)Hsyncと同時に、ソースラインに階調電圧Vsigが送られる。
そして、フレーム(n)に対し、水平同期信号Hsyncと同時に、副画素Raに対しソースラインに階調電圧Vsigに加え補助容量電極HAへの電圧が加算され、副画素Raに対してはVsig−Vlca=Vsig−V1が印加されることとなる。フレーム(n+1)に移行すると、水平同期信号Hsyncと同時に、副画素Raに対して印加される電圧はVsig−Vlca=Vsig−V2に切り替わる。その結果、副画素Raは、図15(B)に示すようにフレーム(n)で明、図15(C)に示すようにフレーム(n+1)で暗となる。一方、副画素Rbに対しては、フレーム(n)に対し、水平同期信号Hsyncと同時にソースラインに階調電圧Vsigに加え補助容量電極HBへの電圧が加算され、Vsig−Vlcb=Vsig−V2が印加されることとなる。フレーム(n+1)に移行すると、水平同期信号Hsyncと同時に、副画素Rbに対して印加される電圧はVsig−Vlca=Vsig−V1に切り替わる。その結果、副画素Rbは、図15(B)に示すようにフレーム(n)で暗、図15(C)に示すようにフレーム(n+1)で明となる。このように、フレーム或いはフィールド毎に互いの補助容量電極への印加電圧を切り替えることにより、図5において符号24で例示したように、見た目の補助容量電極の電圧差による明暗差を抑制することができる。動き検出レベルが高い時(通常放送モード及びシネマモードなどに相当)における制御では、副画素間の補助容量電極の電圧差による明暗差がより強く発生し易くなるので、このような切替は特に好適である。
図16は、図14の液晶表示装置の制御例として動き検出レベルが低い時における制御例を詳細に説明するための図で、図16(A)は、垂直同期信号に対する補助容量電極のフレーム毎の制御、並びに水平同期信号に対する階調電圧,各副画素への印加電圧のフレーム毎の制御を説明するためのタイミングチャートで、図16(B)は、その制御例をフレーム(n)に対する各副画素の明暗によって説明するための図、図16(C)は、その制御例をフレーム(n+1)に対する各副画素の明暗によって説明するための図である。
図16(B),(C)の左上の赤の副画素Ra及びそれと対となる副画素Rbについて説明すると、フレーム(n)に対しては、垂直同期信号Vsyncと同時に、補助容量電極HAに電圧Vlcaが印加され、補助容量電極HBに電圧Vlcbが印加され、それらの電圧値V1pc(<V1),V2pc(<V2)が、フレーム(n+1)に切り替わることで、逆に切り替えられる。一方、フレーム(n)に対し、水平同期信号(ゲートパルス)Hsyncと同時に、ソースラインに階調電圧Vsigが送られ、フレーム(n+1)に対しても、フレーム(n)からの切り替わり時に水平同期信号(ゲートパルス)Hsyncと同時に、ソースラインに階調電圧Vsigが送られる。
そして、フレーム(n)に対し、水平同期信号Hsyncと同時に、副画素Raに対しソースラインに階調電圧Vsigに加え補助容量電極HAへの電圧が加算され、副画素Raに対してはVsig−Vlca=Vsig−V1pcが印加されることとなる。フレーム(n+1)に移行すると、水平同期信号Hsyncと同時に、副画素Raに対して印加される電圧はVsig−Vlca=Vsig−V2pcに切り替わる。その結果、副画素Raは、図16(B)に示すようにフレーム(n)で明、図16(C)に示すようにフレーム(n+1)で暗となる。一方、副画素Rbに対しては、フレーム(n)に対し、水平同期信号Hsyncと同時にソースラインに階調電圧Vsigに加え補助容量電極HBへの電圧が加算され、Vsig−Vlcb=Vsig−V2pcが印加されることとなる。フレーム(n+1)に移行すると、水平同期信号Hsyncと同時に、副画素Rbに対して印加される電圧はVsig−Vlca=Vsig−V1pcに切り替わる。その結果、副画素Rbは、図16(B)に示すようにフレーム(n)で暗、図16(C)に示すようにフレーム(n+1)で明となる。このように、フレーム或いはフィールド毎に互いの補助容量電極への印加電圧を切り替えることにより、図5において符号24で例示したように、見た目の補助容量電極の電圧差による明暗差を抑制することができる。動き検出レベルが低い時(PCモードに相当)における制御であっても、副画素間の補助容量電極の電圧差による明暗差が存在するので、このような切替は好適である。
なお、本発明の実施例中では、補助容量電極に印加される電圧はDC電圧として説明してあるが、データ電圧(ソース電極から印加される電圧)がライン反転或いはフレーム反転或いはドット反転駆動をしている場合には、補助容量へ印加される電圧の実効値が同じく作用するために、補助容量基準電圧へ印加される電圧も液晶層の基準電圧に対して極性反転した電圧を印加してもよい。
1,31,61,81…映像信号入力部、2,32,62,82…入力信号判定部、3,33,63,83…マイクロコンピュータ(マイコン)、4,34,64,84…コントローラ、5,35,65,85…ソースドライバ、6,36,66,40b,70b,86,90b,90d…ROM、7,37,67,87…補助容量信号発生回路、8,38,68,88…液晶表示パネル、9,39,69,89…ゲートドライバ、10,15…差分器、11…LPF、12,17…絶対値算出回路、13…現フレームメモリ、14…前フレームメモリ、16…BPF、18…最大値検出回路、19…伸長回路、20…デコーダ、30,60,80…ユーザ操作部、40,70,90…γ特性補正部、40a,90c…基準階調電圧発生部、70a,90a…階調変換部。