JP2006189192A - 温水熱源給湯装置および温水供給配管 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エネルギの利用効率を高め、さらなる省エネルギ化が可能な温水熱源給湯装置および温水熱源給湯装置に熱源温水を供給する温水供給配管を提供する。
【解決手段】 温水熱源給湯装置4は、有底2重筒構造の熱交換手段を有しており、内筒40と外筒41との間には、個別配管2aから取り込まれた熱源温水を流す熱源温水伝熱管42が、内筒40の外周に沿って巻きつくように螺旋状に配置する。個別配管2aは、鉛直方向上方端部および鉛直方向下方端部で熱源温水伝熱管42と連結され、熱源温水は、鉛直方向下方から熱源温水伝熱管42に流入し、鉛直方向上方から流出する。また、鉛直方向上方端部および鉛直方向下方端部の連結部は、それぞれにヘッダ20,21を有し、熱源温水の流路を複数に分岐させて外筒41の側部方向から接続する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、供給された高温水を熱源として利用する温水熱源給湯装置および温水熱源給湯装置に熱源温水を供給する温水供給配管に関する。
従来から、限りあるエネルギ資源の有効利用や、地球温暖化防止のための省エネルギの必要性は広く認識されている。今日では、火力発電によって、熱エネルギを電力エネルギに変換する形でエネルギ需要が賄われているので、火力発電所での効率化が図られている。効率化のためには、火力発電所は大規模に集中させる方が好ましい。
しかしながら、熱から電気への完全な変換は不可能であり、電力に変換できない熱は廃棄されている。火力発電所などのエネルギ発生設備を大規模化すると、いくら効率が高くても、廃棄する熱量が多くなり、環境面などで種々の弊害が生じてしまう。この廃棄熱を有効に利用しようとしても、大規模な発電所の近傍では発生熱量に釣合う熱需要は、容易に見出すことができない。熱は、途中の損失が大きいので、長距離を輸送することができないからである。
そこで、発電とともに熱をも利用するコージェネレーション設備を、各エネルギ需要地に近接して設置する分散型発電が注目されている。発電した電力は、電熱に再変換して利用することも多いので、電力の供給に対しては、発電した電力を供給し、熱の需要に対しては、直接熱の形でエネルギを供給する方が、変換に伴う損失を避け、総合的なエネルギ効率を高めることができる(たとえば、特許文献1参照)。
このようなコージェネレーション設備では、都市ガスなどの燃料を使用して、熱と電力とを需要に応じて発生させる。電力の発生は、ガスエンジンやガスタービンなどの熱機関を用いて、熱エネルギを機械的な運動エネルギに変換し、さらに運動エネルギで発電機を駆動して、電力エネルギに変換する。コージェネレーション設備では、これらの変換の過程で損失として発生する熱を、有効な熱エネルギとして回収し、利用することができる。さらに、化学エネルギを直接電力エネルギに変換する燃料電池などの化学反応機関の利用も研究され、変換効率の向上が期待されている。
分散型発電を用いたエネルギ供給システムでは、各家庭のエネルギ使用装置をエネルギ供給経路である高温水循環供給ラインで連結し、エネルギ発生設備で発生する熱エネルギを熱媒である高温水の形で各家庭に供給する。各家庭では、エネルギ使用装置で熱エネルギを使用して風呂用温水、床暖房温水などを所望の温度にまで加熱する。
各家庭のエネルギ使用装置には行きと戻りの2本の配管が設けられており、これらの2本の配管が高温水循環供給ラインに接続され、中間に流量制御バルブが設置されている。各家庭への温水は、このバルブの差圧を利用して行き配管から約80℃の高温水を取り込み、熱エネルギを使用した後、戻り配管に高温水を戻している。戻り配管を流れる高温水の温度は、家庭での熱エネルギ使用が風呂の追い炊き、浴室乾燥、床暖房の場合は、50℃〜60℃になり、別の家庭でも給湯に使用することができる温度であるが、給湯の場合は、戻り配管の高温水の温度が20℃〜30℃まで下がり、別の家庭では給湯に使用することができなくなる。したがって、エネルギ供給システムを利用する全ての家庭に十分にエネルギを供給するためには、熱エネルギーを供給する戸数に応じた同時使用率を考慮し、たとえば全熱負荷の20%以上のエネルギを供給できるだけの高温水を流せる配管サイズが必要である。このため、高温水循環供給ラインの配管サイズが大きくなり、高温水を循環させるのに大きな動力のポンプが必要になる。また、配管サイズが大きくなると、放熱面積が広くなり、循環輸送中の放熱損失も大きくなってしまう。さらに、配管およびポンプなどの設置にかかる費用も増大する。
このような問題を解決するために、各家庭にPCM(Phase Change Material)蓄熱装置を設置したエネルギ供給システムが開発されている。PCM蓄熱装置は、高温水循環供給ラインを流れる高温水の温度が充分に高い温度のときには、蓄熱し、高温水循環供給ラインを流れる高温水の温度が低いときは、蓄熱している熱を放熱したりする(たとえば、特許文献2参照)。これにより、一つの家庭が熱エネルギを大量に使用し、高温水循環供給ラインを流れる高温水の温度が低下しても、下流側の家庭に設置されたPCM蓄熱装置が蓄熱している熱を放熱することで高温水循環供給ラインを流れる高温水の温度を上昇させ、高温水を再び給湯に利用することができるようになる。
従来のエネルギ供給システムでは、高温水循環供給ラインを流れる高温水を適宜取り込み、吐出する手段としてポンプとモーターバルブとを組み合わせた手段を使用している。これらのポンプおよびバルブは、各家庭のエネルギ使用状況およびエネルギ発生装置の運転状況などに応じて制御される。
しかしながら、各家庭にポンプおよびモーターバルブを設置する必要があるので、設備規模が大きくなるという問題がある。また、ポンプおよびモーターバルブを動作させるためのエネルギが必要となるため、十分に省エネルギ化が行えないという問題がある。
さらに、給湯用および熱負荷用に2つのプレートフィン式の熱交換器を用いているが、配管や機器が複雑に入り組むため、十分な保温ができず、放熱損失が大きくなる。
本発明の目的は、エネルギの利用効率を高め、さらなる省エネルギ化が可能な温水熱源給湯装置および温水熱源給湯装置に熱源温水を供給する温水供給配管を提供することである。
本発明は、主配管から取り込んだ熱源温水と、水道水と、家庭内の熱負荷機器に供給する熱負荷用温水との間で熱交換を行う熱交換手段と、
前記熱交換手段で行われた熱交換によって昇温された水道水を供給する給湯手段と、
熱負荷用温水を熱負荷機器に供給する温水供給手段と、
前記主配管を流れる熱源温水の一部を前記熱交換手段に取り込み、または熱交換された熱源温水を主配管に戻すための前記主配管と前記熱交換手段との連結部とを有し、
前記連結部は、ヘッダを有することを特徴とする温水熱源給湯装置である。
前記熱交換手段で行われた熱交換によって昇温された水道水を供給する給湯手段と、
熱負荷用温水を熱負荷機器に供給する温水供給手段と、
前記主配管を流れる熱源温水の一部を前記熱交換手段に取り込み、または熱交換された熱源温水を主配管に戻すための前記主配管と前記熱交換手段との連結部とを有し、
前記連結部は、ヘッダを有することを特徴とする温水熱源給湯装置である。
また本発明は、前記連結部は、熱源温水を前記熱交換手段の鉛直下方部で前記主配管から取り込み、鉛直上方部で前記主配管に戻すように配置されることを特徴とする。
また本発明は、前記熱交換手段は、内筒と外筒とからなる有底2重筒構造を有し、
前記内筒と前記外筒の間の領域には、前記主配管から取り込んだ熱源温水を流す熱源温水伝熱管が、前記内筒の外周に沿って巻きつくように螺旋状に配置され、
水道水を前記熱源温水伝熱管外壁に接触するように流すことで、水道水と熱源温水との間で熱交換を行うことを特徴とする。
前記内筒と前記外筒の間の領域には、前記主配管から取り込んだ熱源温水を流す熱源温水伝熱管が、前記内筒の外周に沿って巻きつくように螺旋状に配置され、
水道水を前記熱源温水伝熱管外壁に接触するように流すことで、水道水と熱源温水との間で熱交換を行うことを特徴とする。
また本発明は、前記内筒は、熱交換された水道水を貯溜可能に構成されることを特徴とする。
また本発明は、水道水を、前記内筒と前記外筒との間の空間および前記内筒の内部領域を循環させる循環手段を有することを特徴とする。
また本発明は、前記内筒と前記外筒の間の領域には、前記熱負荷用温水を流す熱負荷用温水伝熱管が、前記内筒の外周に沿って巻きつくように螺旋状に配置され、
水道水を前記熱負荷用温水伝熱管外壁に接触するように流すことで、水道水を介して熱負荷用温水と熱源温水との間で熱交換を行うことを特徴とする。
水道水を前記熱負荷用温水伝熱管外壁に接触するように流すことで、水道水を介して熱負荷用温水と熱源温水との間で熱交換を行うことを特徴とする。
また本発明は、蓄熱材を保持する蓄熱手段を有し、
前記蓄熱手段は、前記内筒および前記外筒を収納する収納容器を有し、前記外筒の外壁と前記収納容器の内壁とに囲まれる空間に蓄熱材を保持し、水道水と蓄熱材との間で熱交換を行い、蓄熱および放熱を行うことを特徴とする。
前記蓄熱手段は、前記内筒および前記外筒を収納する収納容器を有し、前記外筒の外壁と前記収納容器の内壁とに囲まれる空間に蓄熱材を保持し、水道水と蓄熱材との間で熱交換を行い、蓄熱および放熱を行うことを特徴とする。
また本発明は、上記の温水熱源給湯装置に熱源温水を供給する温水供給配管であって、
熱源温水を前記熱交換手段に取り込むための個別配管と、他の温水熱源給湯装置との間を連結する連結配管とを有し、
前記個別配管と前記連結配管とは、180°より小さい角度を成すように曲げて連結されることを特徴とする温水供給配管である。
熱源温水を前記熱交換手段に取り込むための個別配管と、他の温水熱源給湯装置との間を連結する連結配管とを有し、
前記個別配管と前記連結配管とは、180°より小さい角度を成すように曲げて連結されることを特徴とする温水供給配管である。
本発明によれば、主配管から取り込んだ熱源温水と、水道水と、家庭内の熱負荷機器に供給する熱負荷用温水との間で熱交換を行う熱交換手段と、
前記熱交換手段で行われた熱交換によって昇温された水道水を供給する給湯手段と、
熱負荷用温水を熱負荷機器に供給する温水供給手段とを有し、
前記主配管を流れる熱源温水の一部を前記熱交換手段に取り込み、または熱交換された熱源温水を主配管に戻すための前記主配管と前記熱交換手段との連結部を設ける必要があり、連結部にはヘッダが備えられる。
前記熱交換手段で行われた熱交換によって昇温された水道水を供給する給湯手段と、
熱負荷用温水を熱負荷機器に供給する温水供給手段とを有し、
前記主配管を流れる熱源温水の一部を前記熱交換手段に取り込み、または熱交換された熱源温水を主配管に戻すための前記主配管と前記熱交換手段との連結部を設ける必要があり、連結部にはヘッダが備えられる。
また、前記連結部は、熱源温水を前記熱交換手段の鉛直下方部で前記主配管から取り込み、鉛直上方部で前記主配管に戻すように配置される。
このように、主配管と熱交換手段との熱源温水の出入りをヘッダを介することで、熱源温水の流路が複数に分岐され、ポンプおよびモーターバルブを使用せずに熱源温水を取り込むことができる。したがって、エネルギの利用効率を高め、さらなる省エネルギ化が可能となる。
また本発明によれば、前記熱交換手段は、内筒と外筒とからなる有底2重筒構造を有している。前記主配管から取り込んだ熱源温水を流す熱源温水伝熱管は螺旋状で、前記内筒と前記外筒の間の領域に配置される。
また、熱源温水伝熱管と同様に、前記熱負荷用温水を流す熱負荷用温水伝熱管を配置する。
水道水を前記熱源温水伝熱管外壁に接触するように流すことで、水道水と熱源温水との間で熱交換を行い、水道水を前記熱負荷用温水伝熱管外壁に接触するように流すことで、水道水を介して熱負荷用温水と熱源温水との間で熱交換を行う。
これにより、熱交換を、単純な構造で、1つの熱交換手段で行うことができるので設備規模を抑え、放熱損失を小さくすることができる。
また本発明によれば、前記内筒は、熱交換された水道水を貯溜可能に構成される。
これにより、貯湯および給湯能力を大幅に向上させることができる。
これにより、貯湯および給湯能力を大幅に向上させることができる。
また本発明によれば、貯湯水を循環させることで、湯温が安定した給湯を実現することができる。
また本発明によれば、前記蓄熱手段は、外筒の外壁と収納容器の内壁とに囲まれる空間に蓄熱材を保持し、水道水と蓄熱材との間で熱交換を行い、蓄熱および放熱を行う。
これにより、給湯および熱負荷機器によって熱エネルギを使用しないときに予め蓄熱しておき、大量に熱エネルギを使用するときに放熱することで熱エネルギの利用効率が向上する。また、主配管に他の温水熱源給湯装置が接続され、熱源温水を共用するような場合に、熱源温水を所定の温度に保持することができ、いずれの温水熱源給湯装置においても十分に熱エネルギを利用することができる。
また本発明によれば、温水供給配管は、熱源温水を前記熱交換手段に取り込むための個別配管と、他の温水熱源給湯装置との間を連結する連結配管とを有し、前記個別配管と前記連結配管とは、180°より小さい角度、たとえば90°を成すように曲げて連結される。
これにより、熱膨張による配管の収縮をこの曲げ部分で吸収することができる。
これにより、熱膨張による配管の収縮をこの曲げ部分で吸収することができる。
図1は、エネルギ供給システム1の概略図である。主配管であり、温水供給配管である熱源温水循環ライン2は、エネルギ発生設備3で発生する熱エネルギを熱媒である熱源温水の形で顧客である各家庭の温水熱源給湯装置4に供給する。温水熱源給湯装置4は、熱源温水循環ライン2を流れる熱源温水の温度を監視し、充分に高い温度のときに蓄熱する。熱源温水循環ライン2を流れる熱源温水の温度が低いときは、温水熱源給湯装置4は、蓄熱している熱を戻すようにする。
エネルギ発生設備3は、たとえば、交流で発電出力25kW、温水出力38kWの出力のガスエンジンである。エネルギ発生設備3では、30戸の家庭にエネルギを供給することとする。各家庭に設置された温水熱源給湯装置4の1ユニットあたりの放熱出力は12kW×10分間とし、一家庭あたりの平均温水負荷(冬季)は25kWh、平均使用電力は0.8kWとする。エネルギ発生設備3からは、エネルギ使用管理手段5を介して、80℃の熱源温水が熱源温水循環ライン2から各家庭に供給され、通常、65℃の温水として戻る。戻った温水は、熱媒として、排ガス熱媒熱交換器でガスエンジンの排ガスと熱交換して80℃に昇温される。
エネルギ使用管理手段5は、成層型温水蓄熱ユニット6、ヒートポンプ(HP)またはヒータユニットなどの補助熱源7、温度コントローラ8、払出しポンプ9、受入れポンプ10、および蓄電または電力負荷調整ユニット11を含む。エネルギ使用管理手段5の温度コントローラ8は、熱源温水循環ライン2を流れる熱源温水の温度を監視し、熱源温水の戻り温度を顧客の熱負荷パターンに応じ、50℃から65℃の範囲となるように、払出しポンプ9の流量を制御する。熱供給顧客全体の熱負荷が上がると戻り温度が50℃以下に下がるため、払出しポンプ9の流量を増やす。逆にその熱負荷が下がると戻り温度が65℃以上に上がるため、払出しポンプ9の流量を減らす。
熱供給顧客全体の熱負荷がエネルギ発生設備3から供給可能な熱量を超えるときには、蓄熱ユニット6や補助熱源7から不足する熱量を供給する。エネルギ発生設備3から供給する熱量が熱顧客全体の熱負荷に対して余裕があるときは、蓄熱ユニット6で蓄熱を行う。このように、熱顧客全体の熱需要に変動があっても、エネルギ使用管理手段5内の蓄熱ユニット6や補助熱源7で調整を行い、エネルギ発生設備3が高効率で稼働可能なように、蓄電または電力負荷調整ユニット11が全体的な調整を行う。
図2は、温水熱源給湯装置4の構成を示す概略断面図である。熱源温水循環ライン2を流れる熱源温水の流速は約60L/minである。なお、「L」は、体積の単位である「リットル」を示すものとする。
熱源温水循環ライン2は、熱源温水を温水熱源給湯装置4に取り込むための個別配管2a、温水熱源給湯装置4間を連結する連結配管2b、個別配管2aと連結配管2bとを繋ぐ三方弁2cとを有し、個別配管2aと連結配管2bとは略90°に連結されている。
温水熱源給湯装置4は、有底2重筒構造の熱交換手段を有しており、内筒40と外筒41との間には、個別配管2aから取り込まれた熱源温水を流す熱源温水伝熱管42が、内筒40の外周に沿って巻きつくように螺旋状に配置される。
個別配管2aは、鉛直方向上方端部および鉛直方向下方端部で熱源温水伝熱管42と連結され、熱源温水は、鉛直方向下方から熱源温水伝熱管42に流入し、鉛直方向上方から流出する。また、鉛直方向上方端部および鉛直方向下方端部の連結部は、それぞれにヘッダ20,21を有し、熱源温水の流路を複数に分岐させて外筒41の側部方向から接続している。
したがって、熱源温水は、連結配管2bから、三方弁2cを通って個別配管2aに流入し、ヘッダ21を介して熱源温水伝熱管42にも流入する。熱源温水伝熱管42では、熱源温水が、鉛直方向下方から鉛直方向上方に向かって、複数の配管内をほぼ平行に流れ、ヘッダ20を介して個別配管2aに戻る。
このように、熱源温水の出入りにヘッダを介することで、熱源温水の流路が複数に分岐され、ポンプおよびモーターバルブを使用せずに熱源温水を取り込むことができる。したがって、エネルギの利用効率を高め、さらなる省エネルギ化が可能となる。
熱源温水には、界面活性剤を添加することで、熱輸送管としての熱源温水循環ライン2の抵抗低減を図ることができる。しかし、界面活性剤を添加すると伝熱特性が低下する。そこで、導入した熱源温水は温水熱源給湯装置4内で攪拌し、水の性状を元に戻して伝熱性能を回復させる。
水道水は、温水熱源給湯装置4上方の給水ライン43から導入され、内筒40と外筒41との間を鉛直方向に流れることにより、熱源温水伝熱管42外壁と接触し、熱源温水伝熱管42との熱交換により昇温され、給湯ライン44から家庭内の給湯設備に供給される。内筒40は、昇温された水道水を貯溜する貯湯器として機能する。この貯湯水は、図示しない温度計により温度を監視しており、循環手段である循環ポンプ45によって、内筒40と外筒41との間および内筒40内部を、熱源温水と熱交換しながら循環させることで適温に調節される。給湯手段は、給水ライン43および給湯ライン44から構成される。
さらに、内筒40および外筒41は、収納容器46内に収納され、外筒41の外壁と収納容器46の内壁とに囲まれる空間には、蓄熱材47が充填されている。蓄熱材47と貯湯水とは、外筒41を介して熱交換され、蓄熱および放熱が行われる。蓄熱手段は、収納容器46および蓄熱材47から構成される。
熱源温水の温度が十分高く、家庭内での熱エネルギ使用量が少ない場合、貯湯水は、熱源温水伝熱管42との接触時に熱源温水によって昇温され、昇温された貯湯水が外筒41を介して蓄熱材47を昇温して溶融させることで蓄熱を行う。また、熱源温水の温度が低い場合、蓄熱材47によって貯湯水が昇温されることで放熱を行い、昇温された貯湯水が熱源温水伝熱管42に接触することで熱源温水が昇温される。
このような蓄熱材と貯湯水との熱交換を効率よく行うために外筒41の外壁にフィンを設けることが望ましい。
以上のように、温水熱源給湯装置4内では、熱源温水循環ライン2から導入された熱源温水と、水道水(貯湯水)と、蓄熱材との間で熱交換が行われる。熱源温水と貯湯水との間、貯湯水と蓄熱材との間の熱交換を、単純な構造で、1つの熱交換手段で行うことができるので設備規模を抑え、放熱損失を小さくすることができる。
蓄熱材には、融点が異なる複数種類の相変化蓄熱材(PCM)を使用する。たとえば、図1に示したエネルギ供給システム1の場合、熱源温水循環ライン2の上流にあたる家庭に設置された温水熱源給湯装置4には、比較的高融点(70℃〜75℃)の蓄熱材を使用し、中流にあたる家庭に設置された温水熱源給湯装置4には、中程度の融点(60℃〜70℃)の蓄熱材を使用し、下流にあたる家庭に設置された温水熱源給湯装置4には、比較的低融点(55℃〜60℃)の蓄熱材を使用する。このように、上流から下流に向かって、蓄熱材の融点を低くすることによって、熱源温水循環ライン2を流れる熱源温水の温度を約60℃まで有効に活用することができる。
蓄熱材の具体例としては、日本精蝋株式会社製パラフィンHNP−9(品名、融点75℃)、155(品名、融点69℃)、130(品名、融点55℃)などのパラフィンを用いる。たとえば、融点分別することでパラフィンの融点を所望の温度に調節することができる。
家庭内では、給湯設備以外に熱エネルギを消費する熱負荷機器として、床暖房機、浴室乾燥機、風呂追い炊き機および吸着除湿機などがある。これらの機器の熱源として供給される循環温水(熱負荷用温水)は、図示しない循環ポンプおよび圧力調整弁によって、適温、適量で家庭内循環ラインを通って家庭内の各熱負荷機器を循環する。温水熱源給湯装置4内では、熱源温水伝熱管42と同様に、温水供給手段である循環水伝熱管48が内筒40と外筒41との間に螺旋状に配置され、この循環水伝熱管48を流れる循環水と貯湯水との間で熱交換が行われる。
前述のように、本実施形態では、個別配管2aと連結配管2bとを三方弁2cで繋いでいる。これは、個別配管2aと連結配管2bとを直管として繋がずに、180°より小さい角度を成すように曲げて繋ぐことで、熱膨張による配管の収縮をこの曲げ部分で吸収するためである。したがって、三方弁に限らず、エルボ、ベンド、ティーズなどの継手を用いることもできる。三方弁を用いる目的は、温水熱源給湯装置4が使用できなくなった場合に、熱源温水の流路を確保することである。温水熱源給湯装置4が故障した場合、メンテナンスを行う場合などに熱源温水の流れを止めてしまうと、エネルギ供給システム全体の給湯機能が停止することになる。図2に示すように、2つの三方弁を同じ方向に接続し、通常時には使用しない一端を対向させることで、温水熱源給湯装置4が使用できなくなった場合に、2つの三方弁を直接直管で繋ぎ熱源温水の流路を確保することができる。
また、個別配管2aについては、収納容器46内部に収納してもよい。収納容器46内部に収納することで、個別配管2a内を流れる熱源温水に対する外気温など周辺からの影響を無くすことができ、熱エネルギの利用効率が向上する。
なお、エネルギ供給システム1は、コージェネレーション設備から発生される熱および電力の両方を供給するときに、最も効率的であると考えられるが、熱や電力を単独で供給したり、冷熱などの他のエネルギを供給する際にも本発明を適用することができる。
1 エネルギ供給システム
2 熱源温水循環ライン
2a 個別配管
2b 連結配管
2c 三方弁
3 エネルギ発生設備
4 温水熱源給湯装置
5 エネルギ使用管理手段
6 成層型温水蓄熱ユニット
7 補助熱源
8 温度コントローラ
9 払出しポンプ
10 受入れポンプ
11 蓄電または電力負荷調整ユニット
40 内筒
41 外筒
42 熱源温水伝熱管
43 給水ライン
44 給湯ライン
45 循環ポンプ
46 収納容器
47 蓄熱材
48 循環水伝熱管
2 熱源温水循環ライン
2a 個別配管
2b 連結配管
2c 三方弁
3 エネルギ発生設備
4 温水熱源給湯装置
5 エネルギ使用管理手段
6 成層型温水蓄熱ユニット
7 補助熱源
8 温度コントローラ
9 払出しポンプ
10 受入れポンプ
11 蓄電または電力負荷調整ユニット
40 内筒
41 外筒
42 熱源温水伝熱管
43 給水ライン
44 給湯ライン
45 循環ポンプ
46 収納容器
47 蓄熱材
48 循環水伝熱管
Claims (8)
- 主配管から取り込んだ熱源温水と、水道水と、家庭内の熱負荷機器に供給する熱負荷用温水との間で熱交換を行う熱交換手段と、
前記熱交換手段で行われた熱交換によって昇温された水道水を供給する給湯手段と、
熱負荷用温水を熱負荷機器に供給する温水供給手段と、
前記主配管を流れる熱源温水の一部を前記熱交換手段に取り込み、または熱交換された熱源温水を主配管に戻すための前記主配管と前記熱交換手段との連結部とを有し、
前記連結部は、ヘッダを有することを特徴とする温水熱源給湯装置。 - 前記連結部は、熱源温水を前記熱交換手段の鉛直下方部で前記主配管から取り込み、鉛直上方部で前記主配管に戻すように配置されることを特徴とする請求項1記載の温水熱源給湯装置。
- 前記熱交換手段は、内筒と外筒とからなる有底2重筒構造を有し、
前記内筒と前記外筒の間の領域には、前記主配管から取り込んだ熱源温水を流す熱源温水伝熱管が、前記内筒の外周に沿って巻きつくように螺旋状に配置され、
水道水を前記熱源温水伝熱管外壁に接触するように流すことで、水道水と熱源温水との間で熱交換を行うことを特徴とする請求項1または2記載の温水熱源給湯装置。 - 前記内筒は、熱交換された水道水を貯溜可能に構成されることを特徴とする請求項3記載の温水熱源給湯装置。
- 水道水を、前記内筒と前記外筒との間の空間および前記内筒の内部領域を循環させる循環手段を有することを特徴とする請求項4記載の温水熱源給湯装置。
- 前記内筒と前記外筒の間の領域には、前記熱負荷用温水を流す熱負荷用温水伝熱管が、前記内筒の外周に沿って巻きつくように螺旋状に配置され、
水道水を前記熱負荷用温水伝熱管外壁に接触するように流すことで、水道水を介して熱負荷用温水と熱源温水との間で熱交換を行うことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の温水熱源給湯装置。 - 蓄熱材を保持する蓄熱手段を有し、
前記蓄熱手段は、前記内筒および前記外筒を収納する収納容器を有し、前記外筒の外壁と前記収納容器の内壁とに囲まれる空間に蓄熱材を保持し、水道水と蓄熱材との間で熱交換を行い、蓄熱および放熱を行うことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の温水熱源給湯装置。 - 請求項1〜7のいずれか1つに記載の温水熱源給湯装置に熱源温水を供給する温水供給配管であって、
熱源温水を前記熱交換手段に取り込むための個別配管と、他の温水熱源給湯装置との間を連結する連結配管とを有し、
前記個別配管と前記連結配管とは、180°より小さい角度を成すように曲げて連結されることを特徴とする温水供給配管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005000877A JP2006189192A (ja) | 2005-01-05 | 2005-01-05 | 温水熱源給湯装置および温水供給配管 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005000877A JP2006189192A (ja) | 2005-01-05 | 2005-01-05 | 温水熱源給湯装置および温水供給配管 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006189192A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014206343A (ja) * | 2013-04-15 | 2014-10-30 | 東邦瓦斯株式会社 | 即時給湯システム |
-
2005
- 2005-01-05 JP JP2005000877A patent/JP2006189192A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014206343A (ja) * | 2013-04-15 | 2014-10-30 | 東邦瓦斯株式会社 | 即時給湯システム |
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