JP2009204202A - 集熱型電子給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】衛生上及び給湯管路容積分の湯水の加熱に要するエネルギーロス、及び外気との熱伝導による再加熱が必要となる湯水の貯留を行うことなく、且つ使用者の利便性を損なうことなく給湯の省エネを実現する。
【解決手段】排水の熱を集熱する交換器と水に伝熱させる熱交換器とでペルチェ素子を挟着し、当該ペルチェ素子に送電する水力発電手段を具備し、当該水力発電手段及び補助電源を用いて当該ペルチェ素子が排水の熱を水に輸送して、水を加熱する給湯装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、湯水を使用する給湯箇所へ湯水を供給する場合において、当該湯水を使用する際に発生する排水の熱を利用して、水を瞬時に加熱する給湯装置に関するものである。
近年、一般家庭や事業所等で用いられる給湯に、可燃性ガスの燃焼により水を瞬時に加熱して、各給湯箇所に湯水を供給する瞬間湯沸し型の給湯装置(例えば特許文献1参照)が用いられてきたが、燃焼排ガスによる人体への悪影響、可燃性ガスの漏洩による爆発の危険性などがあった。
当該悪影響、危険性を回避するため、屋外など、給湯箇所と離れた場所に給湯装置を設置することとなる。そのため、当該給湯装置から給湯箇所まで給湯管路にて湯水を輸送することとなり、当該給湯管路の容積に相当する湯水の加熱に使用されるエネルギーが無駄に消費される問題及び出湯まで時間が掛かる問題があった。また、当該給湯装置の加熱性能は、可燃性ガスの燃焼に伴う化学エネルギー量が最大であり、更なるエネルギー効率の向上が課題であった。
また、従来技術として、可燃性ガスのエンタルピーにて発電し、当該発電時の排熱にて湯水を加熱するコージェネレーションシステム(例えば特許文献2参照)があった。当該コージェネレーションシステムにおいては、可燃性ガスの燃焼により、発電と湯水の加熱を同時に行うため、前記可燃性ガスの燃焼による瞬間湯沸し型の給湯装置に比べて、高いエネルギー効率を実現できるものであった。
しかし、発電時の排熱による湯水の加熱方式では、即出湯性は期待できないため、貯湯槽にて加熱された湯水を貯留することとなり、長時間、湯水を使用しない場合においては、温度が下がった当該貯留された湯水を再加熱することになるなど、当該加熱に要したエネルギー消費が無駄になる問題があった。さらに、加熱されて残留塩素濃度が下がった状態の湯水を、長時間、貯留することにより、雑菌の繁殖など、衛生上の問題もあった。さらに、本技術においても、燃焼排ガス、装置の大きさの問題より設置場所は制限されるため、前記給湯管路の容積に相当する湯水の加熱に使用される無駄なエネルギー消費の問題及び出湯まで時間が掛かる問題は未解決のままであった。
上記コージェネレーションシステムと類似の技術として、可燃性ガスを分解して水素を生成し、当該水素と大気中の酸素の化合にて発電する燃料電池発電装置を備え、当該燃料電池の発電素子における排熱にて湯水を加熱する燃料電池コージェネレーションシステム(例えば特許文献3参照)があるが、本技術においても、前段落記載のエネルギー効率の問題は解決できるが、前段落記載の技術と同様に、即出湯性は期待できないため、温度が下がった当該貯留された湯水を再加熱することによる無駄なエネルギー消費、雑菌の繁殖などの衛生上の問題は、未解決のままであった。さらに、本技術においても、可燃性の水素を使用する危険性、装置の大きさの問題より設置場所は制限されるため、給湯管路の容積に相当する湯水の加熱に使用される無駄なエネルギー消費の問題及び出湯まで時間が掛かる問題も未解決のままであった。
また、ヒートポンプサイクルを用いて湯水を加熱する給湯装置(例えば特許文献4参照)では、ヒートポンプサイクルを利用して大気が有する熱を用いることにより、大きなエネルギー削減を実現できるものであった。しかし、本技術においても即出湯性は期待できないため、貯湯槽が必要になり、前記長時間、湯水を使用しない場合に湯水を再加熱し、当該加熱に要したエネルギー消費が無駄になる問題、雑菌の繁殖などの衛生上の問題は未解決のままであった。さらに、本技術においても、外気と熱交換する必要性及び装置の大きさの問題より設置場所は制限されるため、給湯管路の容積に相当する湯水の加熱に使用される無駄なエネルギー消費の問題及び出湯まで時間が掛かる問題も未解決のままであった。
太陽光を用いて湯水を加熱する方式を用いた給湯装置(例えば特許文献5参照)では、通常時は自然エネルギーを利用する方式であるため無駄なエネルギー消費は問題とならないが、本技術においては、湯水の加熱性能は天候に左右されるため、条件の悪い天候に備えて、別の熱源による給湯装置と併用する必要があり、そのためのエネルギー消費及びランニングコストの削減が課題であった。さらに、本技術においても、太陽光を受光する必要性及び装置の大きさの問題より設置場所は制限されるため、出湯まで時間が掛かる問題も未解決のままであった。
給湯管路の容積に相当する湯水の加熱に使用される無駄なエネルギー消費の問題及び出湯まで時間が掛かる問題を解決する手段として、電子瞬間湯沸器(例えば非特許文献1参照)があった。電熱式の発熱体により瞬時に湯水を加熱する方式であり、燃焼排ガスなどは発生せず、且つ小型であるため設置場所に制限がなく、給湯箇所の直近に設置可能であった。故に、給湯管路は極短くて済み、給湯管路の容積に相当する湯水の加熱に使用される無駄なエネルギー消費及び出湯までの時間もごく僅かであった。
しかし、電熱式発熱体のエネルギー効率は、消費電力の相当エネルギー量が最大である。送電ロスを含む発電所から各電力需要箇所までの化石燃料から電気エネルギーへの変換効率は35%程度であるため、可燃性ガスの燃焼による瞬間湯沸し型の給湯装置よりも、はるかに一次エネルギー消費量が大きいという問題があった。
特願平8−90110号公報 特許第3966790号公報 特願2004−136509号公報 特許第3867547号公報 特許第3531492号公報 株式会社アステルマーケティング「エマックス電子瞬間湯沸器」カタログ
湯水の加熱に要するエネルギーを削減する技術は、前記の通り、従来から多種存在していたが、排熱、ヒートポンプサイクル、自然エネルギー利用など、瞬間的に湯水を加熱する技術ではなく、少量のエネルギーを集めて時間を掛けて湯水を加熱するものであった。そのため、湯水の需要時に備えて、予め湯水を加熱しておいて、貯湯槽にて湯水を貯留しておく必要があった。
しかし、貯湯槽にて湯水を貯留しておくと、当該湯水と貯湯槽外部との熱伝導により、湯水の熱は外気に奪われ再加熱する必要があった。さらに、前段落記載の技術では、燃焼排ガス、騒音、装置そのものの大きさの問題から給湯箇所から離れた設置場所は屋外となるため、給湯管路にて給湯装置と給湯箇所を接続する必要があり、給湯管路の容積に相当する湯水の加熱に使用される無駄なエネルギー消費及び出湯まで時間が掛かる問題が発生するものであった。
以上の問題を解決するためには、給湯箇所の直近に、個別に設置可能な瞬間湯沸し型の給湯装置が必要であるが、当該瞬間湯沸し型の給湯装置では、瞬間的に大きな熱量を必要とするため、少量のエネルギーを集めて時間を掛けて湯水を加熱する方式では不十分であった。従来の瞬間湯沸し型の給湯装置の加熱手段である電熱式発熱体や可燃性ガス燃焼加熱方式では、外部エネルギーを利用することなく電気エネルギー又は可燃性ガス燃焼の化学エネルギーをそのまま加熱に利用するだけであるため、エネルギー効率が低いという問題があった。
本発明は、従来の瞬間湯沸し型の給湯装置よりもエネルギー効率の高い加熱手段を用いて、給湯箇所の直近に個別に設置可能な瞬間湯沸し型の給湯装置を提供することにより、湯水の加熱に要するエネルギーの削減という課題、給湯管路の容積に相当する湯水の加熱に使用される無駄なエネルギー消費及び出湯まで時間が掛かる問題を、同時に解決しようとするものである。
請求項1の記述は、湯水の加熱に要するエネルギー削減の課題解決のため、給湯箇所において使用された湯水の排水が有する熱を利用して水を加熱する手段に関するものである。通常、当該給湯箇所には、湯水を供給するための給湯手段と当該湯水を排出するための排水管路が設けられる。
当該給湯手段として、中空状の熱交換手段を用いる。当該中空状の熱交換手段は、一端が水を供給可能な給水管路、及び、他端が当該給湯箇所に開放可能な給湯管路と連通するものである。当該熱交換手段を以下、給湯熱交換手段と呼ぶ。当該給水管路と当該給湯熱交換手段及び当該給湯管路とが連通することにより、当該給水管路から当該熱交換手段及び当該給湯管路を経て給湯箇所に湯水を供給する経路が形成される。当該給湯管路は、当該熱交換手段を当該給湯箇所の直近に設ければ、極短くて済む。
当該給湯箇所に設けられた排水管路にも同様に中空状の熱交換手段を設ける。当該排水管路に設けられた熱交換手段を以下、排水熱交換手段と呼ぶ。当該排水熱交換手段は前段落記載の給湯熱交換手段と所定の距離を有して一対を成して、且つ当該排水管路の上流側及び下流側と当該排水熱交換手段とは連通し、当該給湯箇所の可能な限り直近に配設されるものとする。前記のとおりに当該排水熱交換手段が設けられることで、当該給湯箇所から排出される湯水が、所定の温度を有したまま、常に当該排水熱交換手段を通過することになる。
前段落記載のとおり、排水熱交換手段と給湯熱交換手段とは所定の距離を有して一対を成して配設されているため、当該排水熱交換手段と当該給湯熱交換手段との間に空間が存在することになる。以下、当該排水熱交換手段と当該給湯熱交換手段の双方を示す場合、一対を成す熱交換手段と呼ぶ。この一対を成す熱交換手段の間に、低温熱源から高温熱源へ熱を輸送する機能を有する熱輸送手段が配設されることにより、当該熱輸送手段が当該一対を成す熱交換手段の間に挟持されることとなる。
当該排水熱交換手段を低温熱源、当該給湯熱交換手段を高温熱源として、当該熱輸送手段が当該排水熱交換手段から当該給湯熱交換手段へ熱を輸送し、当該給湯熱交換手段が加熱され、給水管路から当該給湯熱交換手段に供給される水を加熱して、当該給湯管路に加熱された湯水を供給することになる。
この加熱サイクルが始まる時点では、当該排水熱交換手段内及び排水管路内の空気、又は、当該排水熱交換手段及び当該排水管路自体が有する熱を、当該熱輸送手段が当該給湯熱交換手段へ輸送することになる。高温熱源と低温熱源の温度差が大きくなると、当該熱輸送手段の熱輸送効率は低下する。さらに、当該排水熱交換手段は、熱を輸送されればされるほど、当該排水熱交換手段の温度は低下し、凍結してしまう。
このとき、給湯箇所に供給されて使用された湯水は、排水管路により給湯箇所から排出され、当該排水熱交換手段を通過する。当該排水熱交換手段を通過するとき、当該湯水の有する熱は、当該排水熱交換手段から当該熱輸送手段に熱伝導され、前段落記載の熱輸送サイクルにて給水管路から供給される水を加熱することになる。当該排水熱交換手段に、当該給湯箇所から排出される熱を有する湯水が通過し続けることで、当該排出される湯水の熱を有効利用して、給水管路から供給される水を加熱することができる。
同時に、高温熱源である当該給湯熱交換手段と低温熱源である当該排水熱交換手段との温度差が小さくなることにより、当該熱輸送手段の熱輸送効率の低下を防ぐことができる。且つ、当該排水熱交換手段の温度の低下による凍結も防ぐことができる。
請求項2の記述は、当該熱輸送手段に関するものである。低温熱源から高温熱源への熱輸送を行う手段として考えられるものにガス圧縮式のヒートポンプ及びペルチェ素子があるが、当該ガス圧縮式のヒートポンプでは、ガスの圧縮に一定の時間を要するため瞬間加熱には不適当である。よって、本発明では、ペルチェ素子を用いることとする。
ペルチェ素子は、p型半導体とn型半導体からなる熱電素子で、通電することにより、ペルチェ効果にて熱輸送を行う素子である。当該熱輸送は半導体中の電子により行われるものであるため、電気の流れる速度、即ち光速にて熱輸送され、湯水の瞬間加熱が可能となる。同時に、ペルチェ素子自体の電気抵抗により、ジュール熱が発生し、ペルチェ素子自体が発熱するため、当該ジュール熱による発熱も湯水の加熱に有効利用することができる。
このとき、ペルチェ効果により当該ペルチェ素子の低温熱源接触面と高温熱源接触面との間に温度差が発生する。ここにジュール熱が発生するが、当該ジュール熱は低温熱源接触面及び高温熱源接触面に均等に発生するため、当該温度差は解消されない。当該温度差により、高温熱源接触面から低温熱源接触面に熱伝導が発生し、当該熱伝導が当該ペルチェ素子にて加熱する場合における熱損失となってしまう。
このときの当該ペルチェ素子の湯水の加熱に使用可能な発熱量は、当該給湯箇所から排出される湯水から当該ペルチェ素子が輸送する熱量に、ペルチェ素子が発するジュール熱を加えた値から、高温熱源接触面から低温熱源接触面への熱伝導による損失熱量を引いた値によるものとなり、また、当該ペルチェ素子の消費電力は、電源からの電流及び低温熱源接触面と高温熱源接触面との温度差によるゼーベック効果が発生するため、それぞれ次式で表される。
Figure 2009204202
Figure 2009204202
数1で、Q1は単位面積当たりの当該ペルチェ素子の湯水の加熱に使用可能な発熱量を表す。Spは当該ペルチェ素子の有するp型半導体のゼーベック係数、Snは当該ペルチェ素子の有するn型半導体のゼーベック係数、Tcは当該ペルチェ素子の低温側、即ち低温熱源接触面の温度、Iは当該ペルチェ素子を流れる電流値、Rは当該ペルチェ素子の内部抵抗、Kは当該ペルチェ素子の熱通過率、Thは当該ペルチェ素子の高温側、即ち高温熱源接触面の温度を表す。
数1の右辺第1項は、当該ペルチェ素子のペルチェ効果によるペルチェ熱を表す。右辺第2項は、当該ペルチェ素子の内部抵抗により発生するジュール熱であり、当該ジュール熱は、低温熱源接触面と高温熱源接触面とに均等に発生するため、高温熱源接触面には全ジュール熱の1/2の値の熱が発生する。右辺第3項は、低温熱源接触面と高温熱源接触面との温度差により発生する、熱伝導による損失熱量を表す。
数1より、Tcの値が大きくなると、右辺第1項の値は大きくなり、右辺第3項の値は小さくなるため、Q1の値は大きくなる。よって、当該排水熱交換手段に温度を有する湯水が流入することにより、同一電流値における当該ペルチェ素子の湯水の加熱に使用可能な発熱量は大きくなり、当該ペルチェ素子による加熱効率が増大すること、また、同一発熱量を得るのに、少ない電流値で済むことを表す。
数2で、W1は単位面積当たりの当該ペルチェの消費電力を表す。Iは数1と同じく当該ペルチェ素子を流れる電流値、Rも数1と同じく当該ペルチェ素子の内部抵抗、Sp、Sn、Th、Tcも数1と同じく、それぞれ当該ペルチェ素子の有するp型半導体のゼーベック係数、当該ペルチェ素子の有するn型半導体のゼーベック係数、当該ペルチェ素子の高温熱源接触面の温度、当該ペルチェ素子の低温熱源接触面の温度を表す。
数2の右辺第2項は、当該ペルチェ素子の内部抵抗により消費される電力を表す。また、ペルチェ素子は、熱電素子であり、温度差による発電効果、即ちゼーベック効果を発生させる性質を同時に有するため、低温熱源接触面と高温熱源接触面との温度差に起因する熱起電力による消費電力が発生する。右辺第2項は当該ゼーベック効果による消費電力を表す。
数2より、Tcの値が大きくなると、右辺第2項の値が小さくなり、W1の値は小さくなる。よって、当該排水熱交換手段に温度を有する湯水が流入することにより、同一電流値における当該ペルチェ素子の湯水の加熱に要する消費電力が小さくなり、当該ペルチェ素子のエネルギー効率が増大することを表すことになる。以上の記述より、請求項2に記載の通りに本装置の当該熱輸送手段にペルチェ素子を用いることにより、湯水の瞬間加熱を効率的に行うことができるようになる。
請求項3の記述は、当該排水熱交換手段に関するものである。本装置における当該排水熱交換手段の役割は、当該給湯箇所から排出されて当該排水熱交換手段を通過する湯水の有する熱を、速やかに当該熱輸送手段に熱伝導させることである。また、当該排水熱交換手段内における湯水の流速が速いと、対流熱伝達率は高くなるが、湯水の通過速度が速くなり、熱が十分に伝導される前に湯水が通過してしまうため、当該排水熱交換手段の総取得熱量は小さくなってしまう。よって、当該排水熱交換手段内における湯水の流速を遅くすることが必要となる。
そのため、本発明では、当該排水熱交換手段に、熱伝導性を有する函体を用いるものとする。当該函体の一端は当該排水管路の上流側と連通し、当該函体の他端は当該排水管路の下流側と連通するものである。当該函体の、流体方向と垂直を成す面の断面積を大きくすることで、流速を遅くすることが可能となる。
また、函体の形状は、当該函体を構成する面壁が平面を成し、当該面壁と当該給湯熱交換装置とで当該熱輸送手段を挟着することにより、当該熱輸送手段、特に請求項2記載のペルチェ素子が当該熱輸送手段の場合、当該熱輸送手段の吸熱部位との接触面積が大きくなり、伝熱面積が大きくなることで、当該排水熱交換手段から当該熱輸送手段への熱伝導性を向上させることができる。さらに、函体の構成体を、熱伝導性を有する素材にて形成することで、当該湯水の有する熱を、速やかに当該熱輸送手段に熱伝導させることが可能となる。
請求項4の記述は、当該給湯熱交換手段に関するものである。本装置における当該給湯熱交換手段の役割は、当該給水管路から供給されて当該給湯熱交換手段を通過する水を、当該熱輸送手段にて輸送された熱により、速やかに加熱することである。当該加熱は、当該給湯熱交換手段から当該給湯熱交換手段を通過する水への対流熱伝達によるものである。
本発明では、当該給湯熱交換手段に熱伝導性を有する周壁から成る管状体を、当該排水熱交換手段の外周に、当該熱交換手段と所定の距離を有して螺旋状に配設された形状のものを用いることとする。当該形状により、当該管状体が形成する螺旋形の内周の全ての部位と当該排水熱交換手段の外周の全ての部位とで、当該熱輸送手段を挟着することが可能となり、当該給湯熱交換手段と当該熱輸送手段を介した当該排水熱交換手段との伝熱面積を大きくすることが可能となる。また、当該給湯熱交換手段内を通過する水の、当該給湯熱交換手段内での水の通過距離及び当該給湯熱交換手段内表面と当該水との接触面積を大きくすることができる。
ここで、当該対流熱伝達による伝熱量は、高温熱源である当該給湯熱交換手段内表面と、低温熱源である流体、即ち当該給湯熱交換手段に当該給水管路から供給されて当該給湯熱交換手段を通過する水との温度差に、当該給湯熱交換手段内表面と当該給湯熱交換手段を通過する水との間の熱伝達率を乗じた値の総量となるため、次式で表される。
Figure 2009204202
数3で、Q2は当該給湯熱交換手段から当該給湯熱交換装置を通過する水への熱伝達による総伝熱量、即ち本装置の水への加熱能力を表す。同時にQ2は、本装置の必要発熱量も表すことになる。Aは当該給湯熱交換手段と当該給湯熱交換装置を通過する水との接触面積、即ち当該給湯熱交換装置の内表面面積、Reは当該給湯熱交換装置を通過する水の流れに対するレイノルズ数、Prは当該給湯熱交換装置を通過する水に対するプラントル数、dは当該給湯熱交換手段を構成する管状体の内径、kは当該給湯熱交換装置を通過する水の熱伝導率、Twは当該給湯熱交換手段を構成する管状体の内表面温度、Tfは当該給水管路から当該給湯熱交換装置に供給される水の温度を表す。
数3の右辺の0.023Re〜k/dは、Dittus-Boelterの式による、円管内乱流強制対流における熱伝達率を表す。通常の生活用水の使用水量及び管内径における管内の流速において、レイノルズ数が層流域になることは極めて稀であり、管内の流体は乱流を成すと考えて問題ない。よって、本式の熱伝達率を用いて問題ない。当該熱伝達率に、当該給湯熱交換手段を構成する管状体の内表面と当該給水管路から当該給湯熱交換装置に供給される水との温度差、即ち(Tw-Tf)を乗じた値が対流熱伝達による局所熱流束であり、当該給湯熱交換手段と当該給湯熱交換装置を通過する水との接触面積で積分することにより当該給湯熱交換手段から当該給湯熱交換装置を通過する水への熱伝達による総伝熱量を表すことになる。
数3より、レイノルズ数Reが大きくなり、且つ当該管状体の内径dが小さくなると熱伝達率は大きくなる。レイノルズ数は、物体の代表長さと流速の積を動粘性係数で除した値であるため、流速が大きくなれば大きくなる。プラントル数Prは、流体の粘度と比熱の積を流体の熱伝導率で除した値であり、流体が水の場合、温度上昇により粘度が低下するため、プラントル数Prは温度上昇により低下するが、本発明は湯水の加熱を目的としているため、当該プラントル数の低下はいかなる場合においても発生するものであり、定数として扱って問題ない。
流体の流速は、同一流量で同一圧力下では、断面積が小さくなれば大きくなる。且つ、摩擦損失が大きくなれば圧力低下が発生し、流速は小さくなる。ここで、流速と当該管状体の形状及び圧力との関係は、次式で表される。
Figure 2009204202
Figure 2009204202
Figure 2009204202
数4で、Htは当該給湯熱交換手段を構成する管状体の入り口での全ヘッド、即ち水の流入圧力、Sは当該管状体の摩擦損失係数、dは当該管状体の内径、Lは当該管状体の流体方向の長さ、r1は当該管状体が成す螺旋形の曲率半径、jは当該管状体の曲がり角、gは重力加速度、vは当該管状体内部の水の流速、Cnは、その他要因による流体摩擦の損失係数を表す。
数4の右辺第1項は、当該管状体の摩擦損失係数にLを乗じ、dで除し、さらに速度ヘッドを乗じることで、当該管状体の流体摩擦による圧力損失を表し、右辺第2項は、ワイスバッハの式による流体方向が変わることによる損失係数に速度ヘッドを乗じることで、当該管状体の曲がりによる圧力損失を表す。右辺第3項はその他要因による損失係数の総和に速度ヘッドを乗じることで、その他要因による圧力損失を表す。右辺第4項は、当該管状体の出口における速度ヘッドを表す。
数5は、数4を、vを求める形に変形した式であり、本式の符号は全て数4の符号と同一である。水の所定の流入圧力において、圧力損失の増大要因、即ち当該管状体の長さの増大、当該管状体が成す曲がりの曲率半径の縮小、当該管状体の曲がり角の増大により、本式の分母が大きくなり、流速vが小さくなることを表す。
以上、数3、数4、数5の説明より、本装置の性能を発揮するためには、伝熱面積Aと流速vを大きくする必要がある。熱伝導性を有する管状体を、当該排水熱交換手段の外周に螺旋状に配設することにより、段落0039に記載の通り伝熱面積を大きくすることができ、他の伝熱面積を大きく確保し得る当該管状体の配設形状に比して、曲率半径を大きくし、且つ曲がり角を小さくすることが可能となる。これにより、圧力損失を小さくすることが可能となり、より大きな水の流速vを確保できる。より大きな伝熱面積Aと流速vにより、本装置の加熱性能を向上させることができる。
請求項5の記述は、当該熱輸送手段の電流源に関するものである。本装置では、当該給湯箇所から排水される湯水の熱を輸送して、水を加熱するものであり、湯水の加熱に必要な熱を、全て外部エネルギーで賄う必要がないため、当該一対を成す熱交換手段の熱交換効率を向上させれば、外部エネルギーの消費を抑えることが可能である。これは、数2でも示されるとおりである。よって、当該給湯熱交換手段に供給される水の運動エネルギー量でも、水を加熱することが可能となる。
当該水の運動エネルギーを当該熱輸送手段に利用するには、当該運動エネルギーを機械的エネルギーに変換して、当該機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する必要がある。ここではプロペラ水車、カプラン水車など、水の運動エネルギーを機械的エネルギーに変換する回転素子を用い、当該回転素子の回転により発電素子を回転させて発電する水力発電手段を電源として、当該熱輸送手段にて熱を輸送する方式を用いることとする。
当該水力発電素子を、仮に当該給水管路と当該給湯熱交換手段の間に介在させるものとすると、当該水力発電素子の発電能力は、当該回転素子が利用可能な当該給水管路から供給される水の流入圧力に流入される水の質量と重力加速度gを乗じた値に、当該回転素子の機械的エネルギーへの変換効率と発電機の効率を乗じた値となり、次式で表される。
Figure 2009204202
数6で、Nは、当該水力発電手段の出力電力を表す。E1は当該回転素子の機械的エネルギーへの変換効率、E2は当該発電手段の発電効率、πは円周率、dは当該給湯熱交換手段を構成する管状体の内径、vは当該管状体内の水の流速、Bは水の密度、C1は当該水力発電手段を損失係数、gは重力加速度を表す。
数6で、右辺第3項は当該管状体の半径、即ち内径の1/2の2乗に円周率πと流速vを乗じることで、当該管状体を流れる水の流量を表す。同一の管路を流れる流体の流量は、どの部位においても同一であるので、当該管状体を流れる水の流量と、当該水力発電手段に流入する水の流量は同一である。この流量に水の密度を乗じることで当該水力発電手段に流入する水の質量を表す。
また、本式右辺第5項は当該水力発電手段の損失係数に速度ヘッドを乗じることで、当該水力発電手段における圧力損失を表す。当該圧力損失の相当圧力が、当該水力発電手段の発電に消費されることになる。右辺第3項、第4項、第5項で示されるように、当該水力発電手段に流入する水の質量に重力加速度と当該水力発電手段の圧力損失を乗じることで、当該水力発電に利用可能なポテンシャルエネルギー量を表す。このポテンシャルエネルギーに当該回転素子の機械的エネルギーへの変換効率、当該発電手段の発電効率を乗じることで、当該水力発電手段の出力電力を表すことになる。当該出力電力にて、当該熱輸送手段が熱を輸送することになる。
請求項2に記載のように、当該熱輸送手段にペルチェ素子を用いる場合、必要になるのは直流電流である。当該水力発電手段で発電される電流は、交流であるため、トランジスタ及びコンデンサ、トランスを用いた整流手段が必要になる。この場合、当該水力発電手段の出力電力に、当該整流手段の整流効率を乗じた値が、当該熱輸送手段に利用可能な電力となる。この電力及び数1より、当該熱輸送手段のよる湯水の加熱性能が決定され、また、必要加熱性能を満たすための流量、圧力を満たすことにより、当該水力発電手段の電力による湯水の加熱が可能となる。
請求項6の記述は、本装置における当該給湯箇所における湯水の使用終了直後の危険性の回避手段に関するものである。当該給湯箇所で湯水の使用が終了すると、当該給湯管路を所定の手段で閉止することになる。当該給湯管路を閉止すると、流れが急激に止まることにより、ウォーターハンマーが発生し、当該給水管路内又は当該給湯管路内又は当該給湯熱交換手段内の圧力が急激に上昇する。
また、当該熱輸送手段及び当該給湯熱交換手段が通過する湯水を加熱すると同時に、当該湯水が当該熱輸送手段及び当該給湯熱交換手段を冷却していることになる。このとき、当該湯水の流れが止まることにより、当該冷却もおこなわれなくなり、当該熱交換手段への送電を止めても、当該熱輸送手段及び当該給湯熱交換手段の蓄熱があるため、当該熱輸送手段及び当該給湯熱交換手段及び当該給湯熱交換手段内部の湯水が過熱状態になる。当該熱輸送手段及び当該給湯熱交換手段は過熱状態により破損の危険性があり、また、当該給湯熱交換手段内部の湯水が過熱状態になると、ボイル・シャルルの法則より、圧力上昇を齎す。
上記、ウォーターハンマー又は過熱状態による湯水の急激な圧力上昇は、当該給水管路、当該給湯管路、当該給湯管路を閉止する手段、当該給湯熱交換手段を破損させる可能性もある。当該破損回避のため、所定の圧力を超えると弁体が開放する過圧逃がし弁を設ける。当該過圧逃がし弁の入圧口は当該給湯熱交換手段と当該給湯管路との連通部位と連通し、当該過圧逃がし弁の流出口は当該排水管路と連通するものである。当該流出口と当該排水管路と連通することにより、当該過圧逃がし弁から流出した湯水は当該排水管路により排出されるものである。
ウォーターハンマー、過熱状態による湯水の急激な圧力上昇により所定の圧力を超えると、当該過圧逃がし弁が開放されて当該給湯管路及び当該給湯熱交換手段内の湯水が当該過圧逃がし弁から排出される。同時に、当該給湯管路は閉止されているため、圧力平衡の状態に戻ろうとする流体の性質により、放出された分の容積の水が当該給水管路から当該給湯熱交換手段に供給される。当該給湯熱交換手段への水の供給により、当該給湯熱交換手段及び当該熱交換手段が冷却され、当該給湯熱交換手段及び当該熱交換手段の過熱による破損を防ぐことができる。
請求項7の記述は、当該熱交換手段の制御に関するものである。湯水の加熱に要する必要熱量は、当該湯水の流量に比例する。よって、湯水の加熱に必要な当該熱輸送手段による輸送熱量は、当該給湯箇所における湯水の使用流量に比例するものである。当該熱交換手段の熱輸送能力は、特にペルチェ素子においては、数1の通り電流値と相関性がある。その他の方式でも熱輸送効率と入力電力により輸送熱量が決定される。
そのため、該給水管路又は該給湯管路又は該一対を成す熱交換素子又は該排水管路に流水検知素子を設け、当該流水検知素子の信号を受信して、電源から当該熱交換手段への送電電流を制御する制御回路を備えることが、本装置に適した制御方法であるといえる。特に、当該熱輸送手段がペルチェ素子の場合においては、数1より電流値が決定すると、必要温度により発熱量が決定されるため、水量と電流値により発熱量制御が可能となる。
請求項8の記述は、当該排水管路に湯水が排水される以前、即ち、当該給湯箇所における湯水の使用開始時における当該熱輸送手段の電源に関するものである。請求項5の記載による当該水力発電手段が発電する電力は、当該給湯箇所での使用水量分の湯水の運動エネルギー量を超えることはなく、当該排水熱交換手段からの熱を利用できない時点において、当該電力で湯水を十分に加熱することは不可能である。
よって、当該電力を賄うため、本装置には外部電源を備えることとする。これにより、本装置は、当該外部電源と当該水力発電手段の2つの電源を有することになるため、当該2つの電源を切り替えるリレー回路を備えることとする。当該外部電源は、当該排水熱交換手段からの熱が利用できない、又は不足するときに必要となるものであるから、当該排水熱交換手段の温度と連動する必要がある。よって、当該排水熱交換手段にサーミスタなどの温度検知素子を備えることとする。
当該温度検知素子は、当該リレー回路と接続され、当該リレー回路は、通常時は当該外部電源が当該熱輸送手段に送電し、当該温度検知素子が所定の温度を検知すると、電源を当該水力発電手段に切り替えて、当該水力発電手段が当該熱輸送手段に送電するものである。この電源切り替え機能により、当該排水熱交換手段が所定の温度に達するまでは当該外部電源により当該熱輸送手段が熱を輸送し、当該排水熱交換手段が所定の温度に達すると当該水力発電手段を電源として当該熱輸送手段が熱を輸送することとなり、本発明により、当該外部電源の使用電力を抑えることが可能となる。
請求項9の記述は、当該外部電源に関するものである。本装置において、現実的に外部電源として使用できるものは、主に商用交流電源である。当該熱輸送手段及び制御に直流電源を必要とする場合がある。特に、当該熱輸送手段にペルチェ素子を用いる場合において、当該ペルチェ素子は、直流電流においてのみ熱輸送を行うことが可能となり、交流電流を直流電流に変換する回路が必要になる。そのため、本発明においては、交流から直流への変換を行う電源回路を用いることとする。
当該電源回路の交流から直流への変換に際し、その変換効率より、一定の電力ロスが生じる。当該電力ロスは熱に変換され、当該熱を当該回路から外方へ放出するための放熱部位が存在する。当該放熱部位に中空状の熱交換手段を固着し、この中空状の熱交換手段を当該給水管路と当該給湯熱交換手段と連通させる。当該放熱部位に固着された熱交換手段を以下、一次側熱交換手段と呼ぶ。
当該一次側熱交換手段は、当該給水管路と当該給湯熱交換手段との間に介在しているため、当該給水管路から供給される水は、必ず当該一次側熱交換手段を通過した上で、当該給湯熱交換手段に流入することになる。当該一次側熱交換手段は、当該放熱部位に固着されているため、当該放熱部位から、熱伝導により当該一次側熱交換手段が熱を取得し、対流熱伝達により当該一次側熱交換手段を通過する水が当該熱を取得する。即ち、該給水管路から供給される水が、該放熱部位から発生される熱を、当該一次側熱交換手段を介して取得して一次的に加熱されてから該給水管路及び該給湯熱交換手段に供給されることになる。このときの水の取得熱量は、数3に示される要領で決定される。
上記の通り、該給湯熱交換手段に供給される水の温度が上がることで、数3のTfの値が大きくなり、必要発熱量Q2が減少し、特に当該熱輸送手段にペルチェ素子を用いる場合においては、数1より必要電流値が小さくなり、消費電力を抑えることが可能となる。以上、本発明は、スイッチング電源回路の放熱と水の一次的な加熱による消費電力の削減を同時に行うことが可能となるものである。
請求項1に記載の発明は、排水の熱という外部エネルギーを有効利用することにより、本装置への投入エネルギー量を超える加熱性能を発揮できるものである。これにより、投入エネルギー量が最大加熱量である、非特許文献1に記載の電熱式発熱体を用いた従来の瞬間加熱型給湯装置と比べ、湯水の加熱に要するエネルギー消費の削減を可能とするものである。
また、本発明は、給湯箇所の直近に設置されるものであるため、背景技術に記載の外部エネルギーを有効利用した貯湯式給湯装置の構造的問題である、給湯管路の容積に相当する湯水の分の無駄なエネルギー消費をほとんど発生させない。また、貯湯式でないため、貯湯槽での湯水の長期貯留のための再加熱による無駄なエネルギー消費、及び残留塩素濃度低下による衛生上の問題もまったく発生させない。即ち、本発明は、衛生上の問題を発生させることなく、投入エネルギー量の削減を実現するものである。
請求項2に記載の発明は、ペルチェ素子による光速での熱輸送により、湯水の瞬間加熱を可能とするもので、湯水の使用者に対して、大幅な待機時間の削減を提供するものである。さらに、待機時間の削減により、使用水量の削減、待機時間に消費される分に相当するエネルギー消費の削減も実現する。また、ペルチェ素子の発熱量は、消費電力を超えるものであり、且つ、低温熱源の温度が高いほど熱輸送効率が高くなるため、本装置に使用することにより、大きなエネルギー効率を実現するものである。
また、ペルチェ素子は、駆動部分がなく騒音を発生させず、且つ、小型であるため、設置スペースの制限がない。そのため、ペルチェ素子を熱輸送手段とすることにより、室内のほとんどの給湯箇所への設置が可能であり、限りなく給湯箇所の直近に設置することが可能となる。そのため、排水が冷めない内に当該排水の熱を利用でき、且つ、湯水は即時に給湯箇所に供給されるため、他の熱輸送手段と比べて前段落記載のメリットを最大限発揮することができる。また、筐体が小型化できるため、本来ならデッドスペースとなる給湯箇所の排水管路近辺に設置でき、省スペース化も実現できる。
さらに、ペルチェ素子は、高温熱源と低温熱源との温度差が小さいほど消費電力が小さくなるものである。本装置では、低温熱源が排水される湯水から熱を取得するため、高温熱源と低温熱源との温度差が小さくなり、そのためゼーベック効果による起電力が小さくなり、本装置でペルチェ素子を使用することにより消費電力を抑えることも可能である。
請求項3に記載の発明は、特に、熱輸送手段にペルチェ素子を用いる場合において、当該ペルチェ素子の吸熱効率を高めることが可能となるものである。所定の温度を有したまま排水される湯水の熱を十分に吸収するために、箱体に当該湯水を流入させて、一時的に当該湯水を当該箱体に滞留させる。当該箱体にて湯水が滞留している間に当該熱輸送手段が熱を輸送する。
このように、箱体に湯水を滞留させて熱輸送を行うことにより、所定の温度を有する湯水から、十分に熱を吸収して当該熱を有効利用できる。また、熱交換手段にペルチェ素子を用いる場合は、当該ペルチェ素子が吸熱面と放熱面の両面から成る板状の形状のため、当該箱体に複数から成る当該ペルチェ素子の吸熱面を均一に密着させることが可能であり、そのため伝熱面積が大きくなり、効率的な熱輸送が可能となる。以上のように、本発明の排水熱交換手段の形状は、特にペルチェ素子にて熱輸送を行う場合において、本来捨てられるものである排水の有する熱を、より効果的に有効利用できるものである。
請求項4に記載の発明は、熱輸送手段にて輸送された熱を、効率的に、給水管路から供給される水に伝熱させるものである。螺旋状に配設され、熱伝導性を有する管状体は、伝熱面積が大きく、且つ、摩擦損失が小さく熱伝達率を大きくすることができるため、熱輸送手段にて輸送された熱による効率的な湯水の加熱を実現し得る形状である。
また、本発明は、特に、請求項2及び請求項3に記載の発明と組み合わせて使用された場合において、より効率的に湯水の加熱を実現するものである。排水熱交換手段としての箱体の外周面全面と、本発明の管状体の内周の全ての部位とで、特に、複数から成るペルチェ素子を均一に挟持することで、当該箱体の全面から排水の有する熱を、当該ペルチェ素子が吸収して輸送し、当該管状体の内周部位の全体に当該ペルチェ素子が速やかに放熱し、当該管状体の全体から均一に、給水管路から供給される水を加熱がすることができる形状である。請求項2、請求項3及び本発明を組み合わせることで、効率的な湯水の瞬間加熱を実現するものである。
請求項5に記載の発明は、熱輸送手段に必要な電力を削減するものである。本装置に給水管路から供給される水は、所定の圧力にて、供給されるものである。本発明は、当該圧力の余剰エネルギーを、水力発電手段にて電力に変換することにより、外部エネルギーの使用を削減するものである。これにより、本装置への投入エネルギー量の大幅な削減を実現するものである。
請求項6に記載の発明は、本装置の安全性を高めるものである。本装置使用時において問題となるのは、湯水の加熱による過大な圧力上昇と、熱輸送手段及び給湯熱交換手段の過熱状態による破損の危険性である。特に、当該熱輸送手段にペルチェ素子を用いる場合、過熱状態により、当該ペルチェ素子を構成する半導体の昇華による破損が発生する。また、過大な圧力上昇による装置破損はいかなる場合においても発生し得る問題である。
ここで、給湯熱交換手段の給湯管路との連通部位に過圧逃がし弁を設けることにより、本装置内の過大な圧力上昇時に、当該過圧逃がし弁から湯水が排出されて圧力上昇を防ぐと同時に、給水管路から本装置内に水が供給されて本装置を冷却するため、当該危険性を回避することができる。即ち、本発明は、本装置の使用時の安全性を確保することを実現するものである。
請求項7に記載の発明は、本装置による加熱の安定性を高めるものである。給湯箇所における湯水の必要温度は、一般的に所定の範囲内であり、熱輸送手段の輸送熱量を一定にすると、湯水の必要流量により出湯温度は変化し、当該所定の範囲の温度を超えてしまう可能性がある。過度の加熱は、無駄なエネルギー消費を発生させる上、安全性にも問題がある。
本発明のとおり、湯水の流量に応じて、熱輸送手段への送電電流を変化させて加熱量を制御することで、常に水の流量に応じた輸送熱量を確保でき、出湯温度の安定性及び無駄なエネルギー消費の削減を可能とする。特に、熱輸送手段にペルチェ素子を用いた場合、当該ペルチェ素子の輸送熱量は、数1より、電流値と相関性があり、且つ、光速で熱輸送を行うペルチェ素子の輸送熱量は、電流値の変化に対する反応が速いため、送電電流の制御により、精密な輸送熱量の制御が可能となり、本発明は、湯水の温度制御の安定性及び安全性の向上を実現するものである。
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の水力発電手段を用いた場合に、本装置の機能性を向上させるものである。本装置の電源に水力発手段を用いた場合、給湯箇所における湯水の使用開始直後における加熱性能が問題となる。これは、湯水の使用開始から所定の時間を経て排水熱交換手段に熱を有する湯水が流入されると、給湯熱交換手段と排水熱交換手段との間の温度差が小さくなり、本装置への投入エネルギー量は小さくて済むが、湯水の使用開始直後は、当該温度差が大きくなり、大きな投入エネルギー量が必要となり、当該水力発電手段からの電力では不十分なためである。
そこで、外部電源が必要になる。当該外部電源の使用を最小限にするため、当該水力発電手段からの電力で十分となったとき、速やかに当該熱輸送手段の電源を、当該外部電源から当該水力発電手段に切り替える必要がある。本発明は、排水熱交換手段の温度と、当該外部電源から当該水力発電手段への切り替えとを連動させることにより、本装置の出湯温度の安定性、加熱性能、即出湯性といった機能性を確保した上で、投入エネルギー量の削減を実現するものである。
請求項9に記載の発明は、当該熱輸送手段に使用する電源の、電流変換に伴うエネルギー損失をも有効利用するものである。ペルチェ素子は、直流電流によってのみ熱輸送を行うものである。本装置に現実的に使用できる電源は、主に商用交流電源であり、この場合、交流から直流、さらに電圧の変換が必要になる。
当該変換に用いる手段として効率のよいものは、スイッチング電源回路を利用したものであるが、当該スイッチング電源回路においても変換ロスが生じ、当該変換ロスは熱エネルギーに変換され、当該スイッチング電源回路の所定の放熱部位から放熱される。この放熱部位に固着された一次側熱交換手段にて、給水管路から供給される水を一次的に加熱してから給湯熱交換手段に供給することで、ペルチェ素子の使用電力を抑えることができる。以上、本発明は、商用電源からの投入エネルギーの全てを、水の加熱に有効利用することを実現するものである。
排水の有する熱を有効利用して、且つ、加熱された湯水の貯留を行うことなく、投入エネルギーを超える加熱性能にて水を瞬間加熱する目的を、従来からの給湯箇所におけるスペース及び従来方式の給水管路、給湯管路、排水管路を利用して、最少部品点数にて実現した。
図1は、本発明の1実施例の給湯箇所全体投影図であって、本実施例の給湯箇所における本発明装置の配設位置を示している。本発明の構成要素である給湯装置本体、電源及び制御ボックス、水力発電機、流水検知機は、本図の6、8、10、11で示されるとおり、給湯箇所の下部に配設されている。図2は、当該給湯装置本体及びその付近の投影図であって、図1の6、8、10、11付近が拡大された図である。図3は、図2のA−A面における当該給湯装置本体の断面図、図4は、図2のB−B面における当該給湯装置本体の断面図であって、当該給湯装置本体の断面構造を示している。
湯水の使用者が湯水を使用する給湯箇所の一例として、図1の1で示される洗面器が、当該湯水の使用者の利便性を考慮して所定の高さに配設され、当該洗面器は、給湯の閉止手段の一例として、2で示される給湯水栓を具備している。ここで、当該洗面器が所定の高さに配設されることにより、当該洗面器の下部がデッドスペースとなる。図1では、このデッドスペースを有効利用して、本発明の構成要素である給湯装置本体等が配設されている状態を示している。このデッドスペースの有効利用により、給湯における省スペース化を実現するものである。
当該給湯装置本体は、図2、図3、図4の20で示される銅製函体がその中心を成し、18で示される銅製管状体が当該銅製函体の外周部に螺旋状に配設され、当該銅製函体と当該銅製管状体とで、19で示されるペルチェ素子を挟着して熱交換器を成している。このとき、当該ペルチェ素子の低温側、即ち吸熱面が銅製函体と接触し、当該ペルチェ素子の高温側、即ち放熱面が銅製管状体と接触するように挟着することとする。また、4で示される排水管路の上流側は、洗面器に接続されて当該洗面器から湯水を排水するものであり、且つ、当該銅製函体が、同じく4で示されるとおり当該排水管路の上流側と、5で示される排水管路の下流側とそれぞれ連通しているため、当該洗面器にて使用された湯水は、必ず当該銅製函体を通過して排水されることになる。
また、図4で示されるとおり、当該銅製函体接続部位における排水管路の上流側と下流側とで高低差がある。当該高低差により、当該銅製函体内部に、湯水が貯留され、26で示される水面を成すことになる。当該水面を成す湯水により、排水管路の上流側と下流側との間の空気の流れが遮断され、排水管路下流側からの臭気を防ぐことが可能となる。即ち、本実施例は、当該銅製函体が排水トラップとして機能するため、別途排水トラップを設ける必要がなくなり、その分、給湯箇所におけるイニシャルコストの削減、省スペース化を実現できる構造となっている。
ここで、再び図1に戻り、本給湯装置の給水給湯経路の構成について説明する。本図が示すとおり、本発明装置に水を供給可能な給水管路が、9で示されるとおりに直立しており、当該給水管路に10、11で示されるとおりに、水力発電機、流水検知機及び電源及び制御ボックスが配設され、7で示される所定の管路にて当該給水装置本体と接続され、当該給水装置本体と当該給湯水栓とは、3で示される給湯管路にて接続されている。
次に、図2、図3、図4にて、給水給湯経路の構成を詳細に説明する。9で示される給水管路に配設された水力発電機は、図10で示される構造であり、当該給水管路と連通する当該水力発電機内に流入された水が、同じく図10の26で示されるとおり当該水力発電機を通過して当該水力発電機から流出される構造である。
当該水力発電機と流水検知機とは、24で示される所定の管路にて接続されて連通している。また、8で示される電源及び制御ボックスの中には、図7及び図8で示される構造から成る一次熱交換器が配設されていて、両図の43で示される、当該一次熱交換器が具備する銅製管状体と、流水検知機とは図2の24で示される所定の管路にて接続されて連通している。
さらに、当該一次熱交換器と図2、図3、図4の18で示される銅製管状体とは、図2の7で示される所定の管路にて接続されて連通している。当該銅製管状体は、図1の2で示される給湯水栓とも接続されて連通している。従って、給水管路から供給された水は、水力発電機、流水検知機、電源及び制御ボックス内の一次熱交換器、当該給湯装置本体、給湯管路の順に通過し、給湯水栓から給湯箇所に供給されることになる。
また、図2の17で示される過圧逃がし弁は、22及び23で示される所定の管路にて、それぞれ給湯管路及び排水管路と接続されて連通しており、当該給湯管路内が所定の圧力を超えると過圧逃がし弁が開放して、所定の圧力以下になるまで給湯管路から湯水が排出されて、排水管路に排出される構造となっている。これにより、給湯管路の過圧状態を回避することが可能となる。
続いて、本実施例の電源及び制御回路について説明する。本実施例においては、電源及び制御回路の主要構成要素は、図1及び図2の8で示される電源及び制御ボックス内に配設されている。さらに、商用交流電源が、両図の12で示されるとおり、所定の送電線にて外部から当該電源及び制御ボックスに供給され、前記水力発電機と当該電源及び制御ボックスとも所定の送電線にて接続されている。また、制御素子としての流水検知機と21で示されるサーミスタは、それぞれ14、15で示される所定の信号線にて電源及び制御ボックスと接続されている。
上記電源及び制御回路の構成要素の配置を模式化したものが図6である。外部から供給される商用交流電源は29で示され、12で示される所定の送電線にて、陽極、陰極とも、37で示される降圧素子としてのトランスに接続されている。当該トランスと、38で示される整流回路とも、42で示される所定の送電線にて接続され、さらに、当該整流回路と39で示される平滑回路、当該平滑回路と40で示される定電圧回路、当該定電圧回路と30で示される制御及びリレー回路とも、それぞれ陽極、陰極とも、42で示される所定の送電線にて接続されている。また、当該トランス、整流回路、平滑回路、定電圧回路とも、41で示される外部電源回路基盤上に配設されている。
外部から供給されてトランスにて降圧された交流電流は、整流回路及び平滑回路にて直流電流に変換される。さらに、定電圧回路にて電圧を一定にされて、制御及びリレー回路に送電される。当該トランス、整流回路、平滑回路、定電圧回路から成る回路が、スイッチング電源回路である。当該スイッチング電源回路にて安定化された電流は、34で示されるスイッチング電源送電線にて制御及びリレー回路に送電される。
当該スイッチング電源回路を構成する各要素は、それぞれ電流の変換ロスのため、熱を発生するものである。当該熱を水の一次加熱に利用するべく、図7、図8に示されるとおり、一次熱交換器が当該スイッチング電源回路直近に配設されている。両図が示すとおり、当該一次熱交換器は、当該スイッチング電源回路の外周部に、43で示される銅製管状体が螺旋状に配設された構造から成るものである。当該スイッチング電源回路の各構成要素はそれぞれ大きさが異なるため、当該銅製管状体と当該スイッチング電源回路の各構成要素との間に、44で示される銅製スペーサーが介在され、当該スイッチング電源回路の各構成要素からの熱が、均一に当該銅製管状態に伝熱する構造となっている。
次に、当該スイッチング電源回路、水力発電機及び流水検知機、サーミスタと制御及びリレー回路の連動について説明する。水力発電機及び流水検知機の配置構成は、段落0090及び段落0096に記載の通りである。サーミスタは図2の21で示されるとおり、排水管路と連通する銅製函体に固着されており、当該銅製函体の温度を感知する構成となっている。当該サーミスタ及び流水検知機からの信号を制御及びリレー回路が受信して、当該スイッチング電源回路、水力発電機からの電流を適正に調節してペルチェ素子に送電する機能を具備するものである。
また、給水管路から供給される水の流量が増加すると、当該水を加熱するためには、より大きな熱量が必要になる。本実施例では、ペルチェ素子を水の加熱手段として用いているが、当該ペルチェ素子の高温側の発熱量は、数1の通りである。ある温度の水を所定の温度に加熱するためのペルチェ素子の発熱量と電流、低温側温度との関係は、次式で表される。
Figure 2009204202
本式で、Cpは水の比熱、Pは水の密度、T0は給湯温度、T1は給湯装置本体に供給される水の温度、Vは当該水の流量を示し、本式の左辺は、当該給湯装置本体に供給される水を所定の温度まで加熱するための必要熱量を示す。また、Aは当該ペルチェ素子の高温側の全面積、Spは、数1の符号と同じく当該ペルチェ素子の有するp型半導体のゼーベック係数、Snは当該ペルチェ素子の有するn型半導体のゼーベック係数、Tcは当該ペルチェ素子の低温側温度、即ち銅製函体との接触面の温度であり、サーミスタが検知する銅製函体の温度と同一と看做すことができる。Iは当該ペルチェ素子を流れる電流値、Rは当該ペルチェ素子の内部抵抗、Kは当該ペルチェ素子の熱通過率、Thは当該ペルチェ素子の高温熱源接触面の温度を示し、水を給湯温度T0に瞬間加熱するために必要な温度である。本式の右辺の中カッコ内は、数1で示されるペルチェ素子の単位面積当たりの発熱量を示し、本式の右辺は、当該ペルチェ素子の全面積で積分することで、当該ペルチェ素子の全発熱量を示す。
本式が示すとおり、温度T1を有する流量Vの水を、ゼーベック係数Sp、Snの半導体から成り、内部抵抗Rのペルチェ素子にて給湯温度T0に加熱するためには、サーミスタの検知温度に応じて電流値Iを制御すれば適正な給湯温度を確保できることになる。また、流量Vの変化に応じて電流値Iを制御すれば適正な給湯温度を確保できることになる。従って、本実施例の構成であるサーミスタ及び流水検知機と制御及びリレー回路を連動させることにより、適正な給湯を行うことができる。
このときの電流値が水力発電機にて十分である場合は、水力発電機から当該ペルチェ素子に送電するよう制御及びリレー回路を設定し、不足である場合は当該スイッチング電源回路より当該ペルチェ素子に送電するよう制御及びリレー回路を設定することにより、外部電源の使用を最小限にした上で、本実施例の加熱性能を確保することが可能となる。
以上のとおり説明された給湯箇所、排水系統、給水給湯系統、電気系統の全てを模式化したものが図5である。本図に他図を加えて、本実施例の機能の全容を説明する。当該給水給湯系統内の水は、常時、所定の圧力を有しており、図5の2で示される給湯管路開閉手段としての給湯水栓を開放することで、給水管路からの水の流れが発生する。当該水の流れは、本図の25で示される。
9で示される給水管路から供給される水は、最初に11で示される水力発電機に流入する。当該水力発電機の構造は、図10のとおりである。当該水力発電機は45で示される水力発電機筐体がその外形を成し、当該水力発電機筐体の内部に46で示される永久磁石同期発電機が配設され、当該同期発電機は、47で示される同期発電機筐体の中に配設されている。当該永久磁石同期発電機は、49で示される主軸を具備しており、当該主軸の先端には、48で示されるとおり、プロペラ水車が具備されている。さらに、当該永久磁石同期発電機の電極から13で示される水力発電機送電線が外部まで配設されている。また、当該同期発電機筐体の主軸との接触部位にメカニカルシールが、当該同期発電機筐体の当該水力発電機送電線との接触部位にゴムシールが具備されており、当該同期発電機筐体の水密性が確保されている。
上記の構造の水力発電機へ給水管路から供給される水の流れは図10の25で示される。本図が示すとおり、水力発電機筐体に流入した水は、同期発電機筐体の外周部を通過し、下部斜方向よりプロペラ水車に衝突し、プロペラ水車を回転させる。同時に、プロペラ水車が回転することで、主軸を介して永久磁石同期発電機が回転して発電し、13で示される送電線により当該水力発電機外部に送電される。
図5が示すとおり、13で示される送電線は、30で示される制御及びリレー回路に接続されており、当該水力発電機で発電された電流は、当該制御及びリレー回路に送電される。また、給水管路から供給されて、当該水力発電機にてプロペラ水車を回転させて発電に利用された水は、図10の25で示されるとおり、当該水力発電機筐体から流出する。
当該水力発電機筐体から流出した水は、即座に図5の10で示される流水検知機に流入する。当該流水検知機は、14で示されるとおり、信号線にて制御及びリレー回路と接続されている。当該流水検知機は、流入される水の水量を検知して、その水量に応じた信号を当該制御及びリレー回路に送るものである。当該制御及びリレー回路は、当該流水検知機からの信号を受信すると、その信号に応じた電流を、16で示される送電線を通じてペルチェ素子に送電する。
このときの電源は、当該水力発電機と、29で示される商用交流電源である。本給湯装置の加熱開始直後は大きな熱量を必要とし、当該水力発電機の電力では著しい電力不足となるため、当該商用交流電源を主電源とする必要がある。当該商用交流電源は、12で示される所定の送電線にて28で示されるスイッチング電源回路で降圧、整流された後、34で示される所定の送電線にて当該制御及びリレー回路に送電される。
当該スイッチング電源回路は、上記降圧及び整流の過程で、その内部抵抗のため、33で示されるジュール熱を発生させる。当該スイッチング電源回路は、段落0102に記載のとおりの構造であり、当該ジュール熱は27で示される一次熱交換器に伝熱する。同時に、段落0113に記載のとおりに流水検知機に流入した水は、即座に24で示される所定の管路を通過して、当該一次熱交換機に流入する。
このとき、当該一次熱交換機に流入した水は、上記ジュール熱を対流熱伝達により取得しながら当該一次熱交換器を通過し、7で示される所定の管路を経由して、18で示される銅製管状体に流入する。また、当該ジュール熱を、当該一次熱交換器を通過する水が取得することで、当該スイッチング電源回路が冷却され、当該スイッチング電源回路の過熱を防ぎ、作動の安定性を確保できる。
水の流れを検知して、当該制御及びリレー回路がペルチェ素子に送電することにより当該ペルチェ素子がペルチェ効果により低温側から高温側へ熱輸送する。このとき低温側は冷却される。段落0093に記載のとおり、銅製函体には常時、排水された湯水が貯留されているので、当該貯留された湯水が冷却されることになる。
当該貯留された湯水は、水の気化による蒸発潜熱取得により室内温度よりもやや低いことが想定されるが、当該気化した水は、常時排水管路内に存在しているため、当該冷却により、当該気化した水は再液化する。即ち、気化した排水の有する蒸発潜熱及び室内温度よりもやや低い湯水の有する熱を、銅製函体を介して当該ペルチェ素子の低温側が取得することになる。このときの熱の流れは図9の35、36で示されるとおりである。
当該低温側が取得した熱は、さらにペルチェ効果により高温側に熱輸送される。このときの熱の流れがペルチェ熱であり、図5及び図9の32で示される。さらに、両図の33で示されるとおり、当該ペルチェ素子の内部抵抗によるジュール熱も発生する。当該ペルチェ熱及びジュール熱は、同じく図9の35のとおり、銅製管状体に伝熱し、当該銅製管状体が加熱されることになる。
ここに、段落0116に記載のとおりに当該銅製管状体に水が流入してくるため、同じく図9の36のとおり、対流熱伝達により当該水が当該銅製管状体より熱を取得し、当該水が加熱される。加熱された湯水は、図5の3で示される給湯管路、2で示される給湯水栓を経由して、1で示される給湯箇所としての洗面器に供給されて、本装置使用者に当該湯水は使用される。
洗面器で使用された湯水は、排水として、即座に4で示される排水管路を経由して、20で示される銅製函体に到達する。このとき、当該排水としての湯水は、使用時に僅かに熱を奪われた後も、相当量の熱を有しているため、銅製函体の温度が上昇する。同時に、段落0117及び段落0118に記載のとおり、当該銅製函体からのペルチェ素子による熱輸送は、湯水の使用中、常時行われている。
当該ペルチェ素子の発熱量は数1のとおりであり、当該ペルチェ素子の低温熱源接触面の温度、即ち銅製函体の温度が高くなると必要発熱量を満たすための電流値は小さくて済む。また、当該ペルチェ素子の消費電力は、数2のとおりであり、電流値が小さくなり、且つ、当該ペルチェ素子の低温熱源接触面の温度が高くなることで、当該消費電力も小さくて済む。所定の時間、継続して湯水を使用する場合においては、当該消費電力の減少も継続し、且つ、図5の11で示される水力発電機の一定の発電も継続して行われるため、商用交流電源の使用も極力抑えることができる。
当該銅製函体で熱を除去された排水としての湯水は、図5の5で示される排水管路より排出される。本来なら無駄に排出されてきた排水の有する熱を有効利用した上で排出されるものである。また、排水の熱を除去することで、排水管路の過熱による破損を防ぎ、排水管路の耐久性を高める効果もある。この排水としての湯水の流れは、湯水の使用中、即ち給湯水栓が閉止されるまで継続され、前段落記載の消費電力の削減も継続されることになる。
当該給湯水栓が閉止されると、流水検知機の検知した信号を、制御及びリレー回路が受信して当該ペルチェ素子への送電を遮断する。しかし、正に送電遮断時まで当該ペルチェ素子が熱輸送を行い、且つ、銅製管状体内部の流水が突然停止することで、当該ペルチェ素子及び当該銅製管状体内部の湯水が過熱状態に成り、当該銅製管状体内部の湯水の急激な圧力上昇が発生する。且つ、当該銅製管状体内部の流水が突然停止することによるウォーターハンマーも発生する。
このとき、図5の17で示される過圧逃がし弁が開放して、当該過熱状態の湯水が、23で示される逃がし管を経由して排水管路へ排出される。当該過圧逃がし弁は、所定の圧力になるまで開放し続け、その間、継続して当該過熱状態の湯水が排出され、過圧状態を回避できる。同時に、当該銅製管状体には排出された分の流量を補うため、給水管路から水が供給され、当該ペルチェ素子及び当該銅製管状体内部の湯水の過熱状態を回避できる。
以上の全体構成により、排水の有する熱、給水の有する圧力を有効利用して、且つ、電流変換のロスも有効利用した上で、安全、且つ使用者の利便性を損なうことのない、水を瞬間加熱する給湯装置を提供するものである。
シャワー室や厨房など、湯水を所定の時間、継続して使う給湯箇所に個別に設置することで、即出湯性、省エネ、省スペースを同時に実現できるものであり、民生及び産業分野の給湯装置として需要を満たすことが可能である。
給湯箇所全体投影図。給湯箇所における本装置の位置関係及び構成の概観を示す。(実施例1) 本装置全体投影図。本装置の構成要素の配置の概観を示す。(実施例1) 本装置熱交換器断面図。図2のA−A面における、本装置熱交換器の断面構造の詳細を示す。(実施例1) 本装置熱交換器側方断面図。図2のB−B面における、本装置熱交換器の断面構造の詳細を示す。(実施例1) 本装置システムフロー図。本装置の構成及び湯水の加熱サイクルを模式的に示す。(実施例1) 本装置外部電源回路概要図。本装置における外部電源の概要を示す。(実施例1) 一次熱交換器詳細図。電源及び制御ボックス内における一次熱交換器の構造を示す。(実施例1) 一次熱交換器断面詳細図。図7のC-C面における一次熱交換器の断面構造を示す。(実施例1) 本装置熱交換器断面模式図。図2のA−A面より、本装置熱交換器の伝熱の状態を模式的に示す。(実施例1) 水力発電機断面図。水力発電機の構造の詳細を示す。(実施例1)
符号の説明
1 給湯箇所(洗面器)
2 給湯管路開閉手段(給湯水栓)
3 給湯管路
4 排水管路(上流側)
5 排水管路(下流側)
6 給湯装置本体
7 一次熱交換器給水流出管路
8 電源及び制御ボックス
9 給水管路
10 流水検知機
11 水力発電機
12 外部電源電力送電線
13 水力発電電力送電線
14 流水検知信号線
15 温度検知信号線
16 直流送電線
17 過圧逃がし弁
18 銅製管状体(給湯熱交換器)
19 ペルチェ素子
20 銅製函体(排水熱交換器)
21 サーミスタ
22 逃がし管(過圧逃がし弁入圧側)
23 逃がし管(過圧逃がし弁流出側)
24 一次熱交換器給水流入管路
25 流水方向
26 排水の水面
27 一次熱交換器
28 スイッチング電源回路
29 商用交流電源
30 制御及びリレー回路
31 整流素子
32 ペルチェ熱
33 ジュール熱
34 スイッチング電源送電線
35 熱伝導による伝熱
36 対流熱伝達による伝熱
37 トランス
38 整流回路
39 平滑回路
40 定電圧回路
41 外部電源回路基盤
42 電源回路内送電線
43 銅製管状体(一次熱交換器)
44 銅製スペーサー
45 水力発電機筐体
46 永久磁石同期発電機
47 同期発電機筐体
48 プロペラ水車
49 主軸
50 メカニカルシール
51 ゴムシール

Claims (9)

  1. 水を供給可能な給水管路及び加熱された湯水を給湯箇所に供給可能な給湯管路と連通する中空状の熱交換手段を備え、該給湯箇所から湯水を排水する排水管路の上流側及び下流側と連通する中空状の熱交換手段が該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段と所定の距離を有して一対を成して配設され、該一対を成す熱交換素子の間に挟持された熱輸送手段からなる給湯装置であって、該排水管路の上流側及び下流側と連通する熱交換手段を通過して排水される湯水の有する熱を、該熱輸送手段が該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段に輸送して該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段が熱を有することにより、該給水管路から供給される水を加熱して該給湯管路に湯水を供給することを特徴とする給湯装置。
  2. 請求項1に記載の給湯装置であって、該熱輸送手段が直流電源に接続された少なくともひとつのペルチェ素子であって、該ペルチェ素子への通電によるペルチェ効果により該排水管路の上流側及び下流側と連通する熱交換手段を通過して排水される湯水から該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段へ輸送される熱、及び該ペルチェ素子の電気抵抗によるジュール熱にて該給水管路から供給された水を加熱することを特徴とする給湯装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の給湯装置であって、該排水管路の上流側及び下流側と連通する熱交換手段は、熱伝導性を有する函体の一端が該排水管路の上流側と連通し、該函体の他端が該排水管路の下流側と連通した形状であって、該函体の所定の面壁と、該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段とが該熱輸送手段を挟着する構成にて該一対を成す熱交換手段の間に挟持され、該函体を通過して排水される湯水から対流熱伝達により該函体の面壁が熱を取得し、該面壁から熱伝導により該熱輸送手段に熱交換して該給水管路から供給される水を加熱することを特徴とする給湯装置。
  4. 請求項1、又は請求項2、又は請求項3に記載の給湯装置であって、該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段は、熱伝導性を有する管状体が、該排水管路の上流側及び下流側と連通する熱交換手段の外周に、該排水管路の上流側及び下流側と連通する熱交換手段と所定の距離を有して螺旋状に配設された形状であって、該管状体の成す螺旋形の内周と該排水管路の上流側及び下流側と連通する熱交換手段とが該熱輸送手段を挟着する構成にて該一対を成す熱交換手段の間に挟持され、該排水管路の上流側及び下流側と連通する熱交換手段から該熱輸送手段が輸送した熱が該管状体に熱伝導し、該管状体からの対流熱伝達により該給水管路より供給された水を加熱することを特徴とする給湯装置。
  5. 請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4に記載の給湯装置であって、該給水管路又は該給湯管路又は該一対を成す熱交換手段又は該排水管路のうちの少なくともひとつの流水部位に、水の運動エネルギーによる回転素子を有する水力発電手段を備え、該水力発電手段を電源として該熱輸送手段が熱を輸送することを特徴とする給湯装置。
  6. 請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5に記載の給湯装置であって、過圧逃がし弁を備え、該過圧逃がし弁の入圧口が該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段の該給湯管路との連通部位と連通し、該過圧逃がし弁の流出口が該排水管路と連通し、該給湯箇所における湯水の使用終了時の該給湯管路閉止にて発生するウォーターハンマー又は該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段内の温度上昇による圧力上昇時に、該過圧逃がし弁が開放して該流出口から湯水が排出されて、該圧力上昇による該給水管路又は該給湯管路又は該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段の破損を防ぐと同時に、該流出口から湯水が排出されることにより、該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段に該給水管路から水が供給されて該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段及び該熱輸送手段を冷却することにより、該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段及び該熱輸送手段の過熱による破損を防ぐ機能を有する給湯装置。
  7. 請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5、又は請求項6に記載の給湯装置であって、該給水管路又は該給湯管路又は該一対を成す熱交換素子又は該排水管路のうちの少なくともひとつの流水部位に流水検知素子を備え、該流水検知素子からの信号を受信して送電電流を制御する制御回路を備えることにより、電流制御にて該熱輸送手段の輸送熱量を制御することを特徴とする給湯装置。
  8. 該排水管路の上流側及び下流側と連通する熱交換手段は温度検知素子を備え、該熱輸送手段は外部電源を備え、常時は外部電源から該熱輸送手段に送電し、該温度検知素子が所定の温度を検知した時に外部電源から該水力発電手段に切り替えて該熱輸送手段に送電するリレー回路を備えることにより、該排水管路の上流側及び下流側と連通する熱交換手段を通過する湯水が所定の温度に達するまでは外部電源にて該熱輸送手段が熱を輸送し、該排水管路の上流側及び下流側と連通する熱交換手段を通過する湯水が所定の温度に達すると該水力発電手段を電流源として該熱輸送手段が熱を輸送することを特徴とする、請求項5に記載の給湯装置。
  9. 外部電源として交流電源を用い、該交流電源を直流に変換する電源回路を備え、該電源回路の放熱部位に、中空状の一次側熱交換手段が固着され、該一次側熱交換手段が該給水管路と該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段と連通して該給水管路と該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段との間に介在し、該給水管路から供給される水が、該放熱部位から発生する熱を、該一次側熱交換手段を介して取得して一次的に加熱されてから該給水管路及び該給湯管路と連通する熱交換手段に供給されると同時に該電源回路の放熱を行うことを特徴とする、請求項8に記載の給湯装置。
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