JP2006189145A - ダンパー機能付きアクチュエータとその用途 - Google Patents

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浩 得竹
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Abstract

【課題】単なるアクチュエータによる機械的な動作になじまず、微妙なダンパー効果が必要とされるものに適用できるアクチュエータを提供すること。
【解決手段】ダンパー機能付きアクチュエータは、シリンダー内を第1および第2室に区画し各室間を連通しうる連通部を一部に有するピストンと、ピストンに接続されたピストンロッドとを備えた液圧シリンダーと、この液圧シリンダーを作動させる液圧ポンプとが一体に構成されてなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、ダンパー機能付きアクチュエータとその用途に関する。
この発明に関連する従来技術としては、電動モータ駆動の油圧ポンプによって発生した油圧をピストンに隔てられたシリンダー内の第1室および第2室に選択的に供給することにより、ピストンに接続されたピストンロッドを伸縮作動させる油圧アクチュエータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、油圧アクチュエータを微妙に作動させるための回路として、油圧アクチュエータを駆動する油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動する電動機と、この電動機に対する回転数と回転方向の指令を出す操作手段と、この操作手段からの指令信号に基づいて電動機の回転数と回転方向を制御する制御手段とを備えた油圧アクチュエータ制御回路が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−139108号公報 特開2004−139108号公報
産業機械や乗り物など、様々な機械の動力源として特許文献1で紹介したような油圧アクチュエータが用いられている。
このような油圧アクチュエータは、油圧ポンプによって発生した油圧をピストンによって第1室および第2室に隔てられたシリンダー内に選択的に伝達することにより、ピストンに接続されたロッドを効率よく伸縮させ対象物を移動させるものである。
また、油圧アクチュエータに微妙な動作を行わせるための回路として油圧アクチュエータ回路も開発されている。
特許文献2で紹介した油圧アクチュエータ回路は、油圧ポンプと油圧アクチュエータを結ぶ両側管路のうち、負荷圧が作用する負荷側管路に制御手段によって制御される制御弁を設け、制御部は操作手段の操作量が予め設定された値以下の微操作域では油圧アクチュエータから出た油が制御弁を通過する流量Aと、油圧ポンプに吸いこまれる流量Bとの関係がA<Bとなるように制御弁を制御し、微操作域を超える操作域ではA>Bとなるように電動機及び制御弁を制御することにより、微操作域での操作性向上を図っている。
一般に、油圧アクチュエータは大きな力を発生させるのに適しているが、その動作は機械的な大雑把なものであり、油圧アクチュエータに微妙な動作を行わせるには、特許文献2で紹介したような複雑な油圧アクチュエータ回路が必要となる。
このため、油圧アクチュエータは微妙な操作が要求されるものに適用し難いばかりでなく、油圧アクチュエータとその制御回路を一体化し、さらにそれを小型化することは非常に困難であった。
しかし、世の中には単なる油圧アクチュエータのような機械的な動作になじまず、さらにはその設置場所も限られた機械が多く存在している。
この発明は以上のような事情を考慮してなされたものであり、単なるアクチュエータによる機械的な動作になじまず、微妙なダンパー効果が必要とされるものに適用できるアクチュエータを提供するものである。
この発明は、シリンダー内を第1および第2室に区画し各室間を連通しうる連通部を一部に有するピストンと、ピストンに接続されたピストンロッドとを備えた液圧シリンダーと、この液圧シリンダーを作動させる液圧ポンプとが一体に構成されてなるダンパー機能付きアクチュエータを提供するものである。
この発明によれば、アクチュエータがダンパー機能も兼ね備えるので、単なるアクチュエータによる機械的な動作では操作し難い微妙なダンパー効果を必要とするものに適用できるアクチュエータを提供できる。
また、アクチュエータがダンパー機能を兼ね備えることにより、液圧ポンプが機能しなくなりアクチュエータが能動的に作動しなくなっても、アクチュエータは外力による受動的な作動を許容するので、液圧ポンプの機能損失が重大な事故や危険に繋がる恐れのあるものにも適用できる。
さらに、液圧シリンダーと液圧ポンプが一体化されるので、小型化を図ることができ、設置箇所が限られたものにも適用できる。
この発明によるダンパー機能付きアクチュエータは、シリンダー内を第1および第2室に区画し各室間を連通しうる連通部を一部に有するピストンと、ピストンに接続されたピストンロッドとを備えた液圧シリンダーと、この液圧シリンダーを作動させる液圧ポンプとが一体に構成されてなることを特徴とする。
この発明においてシリンダーとは、中空の筒状体を意味し、一般的には円筒形のものが用いられるが、必ずしも円筒形である必要はなく、楕円形や方形の筒状体が用いられてもよい。
ピストンとは、液圧を受けてシリンダー内を移動し、シリンダー内を第1室と第2室に区画するものを意味し、その形状は特に限定されない。
連通部とは第1室と第2室が連通する部分を意味し、必ずしもピストンに形成されている必要はない。
ピストンロッドとは細長い棒状体であって、ピストンに接続されピストンの移動に従動して軸運動をするものを意味する。
液圧ポンプとは、液圧シリンダーを駆動させるように液圧を発生させることができるものであればよく、その形態は特に限定されない。
また、一体に構成されてなるとは、液圧シリンダーの第1室および第2室、並びに、液圧ポンプの液圧を発生させる液室とが全体として実質的に1つの液室で構成されていることを意味する。
この発明によるダンパー機能付きアクチュエータにおいて、液圧ポンプは筒状部材と、筒状部材内に同軸に設けられた回転軸と、筒状部材内に設けられ回転軸に同軸に固定された1つ以上のプロペラからなっていてもよい。
このような構成によれば、流体中のプロペラの推力によって液圧を発生させるため、過度に強い液圧を発生させることがなく、ダンパー機能付きアクチュエータにふさわしい適切な液圧を発生させることができる。
また、発生させる液圧は、プロペラの枚数を適宜増減することにより、所望の値に設定できる。
なお、プロペラの推力、プロペラ推力によって発生した液圧がピストンに作用する力およびピストンの移動量は以下の式によって求められるが、以下の式は連通部が無い場合に適用される式であり、連通部の開口面積によって適宜実験を行い、最適な値を求める必要がある。
ピストンの移動速度は、プロペラ回転速度に比べて十分に小さいとする。
プロペラ推力Tは、
Figure 2006189145
で与えられる。
ここで、b:プロペラ枚数、R:プロペラ半径、c:プロペラコード長、
ρ:流体密度、Ω:プロペラ回転速度、CL:誘導速度の効果を含んだ揚力係数である。
駆動源(モータ)の必要パワーPは、
Figure 2006189145
で与えられる。ここで、CL/CD:揚抗比である。
ピストンに作用する力は、
Figure 2006189145
で与えられる。ここで、S1、S2はそれぞれ、プロペラ、ピストンを含む流路(シリンダーと筒状部材)の断面積である。
さらに、
Figure 2006189145
であれば、ピストンに作用する力は、
Figure 2006189145
で与えられる。
ピストンが移動する際、S1=S2の時のピストンの移動量をDとする。S2をk倍にすると、ピストンの移動量は1/kになる。
液圧ポンプが筒状部材、回転軸およびプロペラからなる上記構成において、プロペラは半径が筒状部材の内径の48〜49.5%程度、コード長が筒状部材の内径の30〜58.5%程度であってもよい。
これは、後述の試験例で明らかにされるが、ダンパー機能付きアクチュエータに高い出力が要求される場合は、上記の範囲内で、プロペラの半径とコード長を筒状部材の内径に対してそれぞれ大きく設定し、逆に、低い出力が敢えて好ましい場合は、上記の範囲内でプロペラの半径とコード長を筒状部材の内径に対して小さく設定するとよい。
また、液圧ポンプが筒状部材、回転軸およびプロペラからなる上記構成において、プロペラは複数であって、互いに隣接するプロペラの間隔が筒状部材の内径の30〜60%程度であることが好ましい。中でも、ダンパー機能付きアクチュエータに高い出力が要求される場合には、互いに隣接するプロペラの間隔を筒状部材の内径の60%程度に設定することが好ましい。
というのは、プロペラの数をやみくもに増やしても、アクチュエータの出力はさほど増加しないからである。これは、後述の試験例から明らかになったことであり、プロペラの数が増えると後ろ側のプロペラへの流入角が低下し、揚力係数が低下するためと考えられる。
また、液圧ポンプが筒状部材、回転軸およびプロペラからなる上記構成において、液圧シリンダーおよび液圧ポンプは、粘性係数が0.02〜1.0N・s/m2程度のオイルによって満たされてもよい。
また、出力を優先する場合は、0.5〜1.0N・s/m2程度の粘性係数を有するオイルを選択することが好ましい。
これは、後述の試験例から明らかになったことであり、オイルの粘性係数が0.5〜1.0N・s/m2程度の範囲では、ダンパー機能付きアクチュエータの出力がプロペラの回転数の上昇に比例し高出力が得られるが、逆に、0.02N・s/m2程度の低い粘性係数のオイルを使用した場合には、ある一定の回転数までは出力が回転数に比例するものの、ある一定の回転数を超えた時点で出力が頭打ちとなり低下しはじめるからである。
また、高いダンパー効果、すなわち高い抵抗力が要求される場合には、上記の範囲内で粘性係数が高いオイルを選択し、逆に低い抵抗力が好ましい場合には、上記の範囲内で粘性係数が低いオイルを選択するとよい。
この発明によるダンパー機能付きアクチュエータにおいて、液圧ポンプは筒状部材と、筒状部材内に同軸に設けられた回転軸と、筒状部材内に設けられ回転軸に固定されたらせん状のブレードからなっていてもよい。
このような構成によれば、液圧ポンプが超小型のものである場合に、上述のプロペラ推力によって液圧を発生させる方式よりも液圧を発生させる効率が向上する。よって、超小型のダンパー機能付きアクチュエータを構成する場合に特に有利な構成となる。
液圧ポンプが回転軸に固定されたプロペラ、或いは、回転軸に固定されたらせん状のブレードからなる上記形態において、筒状部材は液圧シリンダーに並列に設けられてもよいし、或いは、筒状部材がピストンを貫通するように液圧シリンダー内に収容されてもよい。
これらの構成によれば、簡易な構成で液圧シリンダーと液圧ポンプの一体化を図ることができ、小型のダンパー機能付きアクチュエータとする場合に有利な構成となる。
この発明によるダンパー機能付きアクチュエータにおいて、連通部はピストンの外周と液圧シリンダーの内壁との間に形成された間隙からなっていてもよいし、或いは、ピストンの一部に形成された貫通孔からなっていてもよい。
なかでも、連通部がピストンの外周と液圧シリンダーの内壁との間に形成された間隙からなる構成において、ピストンは直径が液圧シリンダーの内径の90〜98%程度であってもよい。
ダンパー機能付きアクチュエータに高い出力と高い応答速度が求められる場合には、間隙が小さくなるように、上記の範囲内でピストンの直径を大きく設定し、逆に、低い出力と緩やかな応答速度が求められる場合には間隙が大きくなるように上記の範囲内でピストンの直径を小さく設定するとよい。
また、高いダンパー効果、すなわち高い抵抗力が要求される場合には、上記の範囲内でピストンの直径を大きく設定し、逆に、小さな抵抗力が好ましい場合には上記の範囲内でピストンの直径を小さく設定するとよい
この発明によるダンパー機能付きアクチュエータにおいて、液圧ポンプは電動モータによって駆動される液圧ポンプであってもよい。
このような構成によれば、電動モータの駆動により液圧が発生するので、所望の液圧を発生させるうえで、電気的な制御が行い易い。
上述の通り、この発明は単なるアクチュエータによる機械的な操作になじまない、微妙なダンパー効果が必要とされるものに適用できるアクチュエータを提供するものであるが、この発明によるダンパー機能付きアクチュエータが好適に用いられるものとしては、例えば、二輪車の操舵機構部が挙げられる。
一般に二輪車は四輪車と比較して不安定な乗り物と言われるが、二輪車は車輪のジャイロ効果、前輪にキャスターアングルがついていること、フロントフォークがステムシャフトに対して前方にオフセットされ、ステムシャフトの延長線と路面との交点と、フロントタイヤと路面との接地点との間に一定の距離の差(トレール)が設けられること、タイヤのプロファイルがラウンド形状であることなどの諸要因により、常に車体が倒れようとする方向にステアリングが自然に切れ、その反作用によって直立した安定状態を保とうとする機能(以下、この明細書において「自動操舵機能」と称する)が備わっている。
そして、不意に車体が外乱等によって倒れた際にも、操縦者は自動操舵機能を補助するように無意識に倒れた方向にステアリングを切って直立状態を保とうとしている。
また、二輪車は操縦者が意図的に重心をずらすことにより車体が傾き、車体の傾きに応じた分だけ自動操舵機能の作用によりステアリングが自然に切れ、二輪車および操縦者の合成重心と二輪車および操縦者に働く遠心力が釣り合った状態となる。したがって、二輪車は旋回中であっても自動操舵機能により安定状態が保たれる。
しかし、二輪車の自動操舵機能は速度が上がるにつれて強く作用する一方で、速度が低くなるにつれて作用し難くなるため、低速域で安定状態を保つためには操縦者のステアリング操作に頼るところが大きくなる。
自転車や自動二輪車等の二輪車は、四輪車よりも経済的で手軽な乗り物であり、また近年は電動アシスト式自転車が急速に普及していることから、利用者の中には高齢者も多く、今後はさらにその増加が予測されている。
しかし、一般に高齢者は自動操舵機能が作用し難い低速域で走行することが多く、身体能力の低下に反してステアリング操作によって安定状態を作り出さなければならない場面が多い。
また、不適切なステアリング操作をしてしまい、かえって不安定な状態をつくりだしている場面も多く見うけられる。
二輪車のステアリング操作は、二輪車に備わっている自動操舵機能と、操縦者が無意識のうちに行っている微妙な操作とのうえに成り立っているものであるから、単なる機械的な動作を行うアクチュエータによって二輪車の操舵を行おうとしても、場面によっては操縦者の意思に反したステアリング操作がなされてしまう恐れがあり、この場合かえって危険性が高まる。
また、二輪車のステアリング操作は自動操舵機能と操縦者の微妙な操作とのうえに成り立っているものであるから、単なる機械的な動作を行うアクチュエータによって二輪車のステアリングを完全に操作することは、現在はもちろん、将来的にも実現不可能であると予測される。
このような観点からして、この発明は、二輪車と、二輪車の操舵を補助するために二輪車に設けられた上述のこの発明によるダンパー機能付きアクチュエータと、アクチュエータを駆動する駆動源と、二輪車の姿勢を検出するセンサーと、検出された姿勢に応じてアクチュエータを制御し二輪車の姿勢を安定化させる制御部とを備える操舵安定化機能付き二輪車を提供するものでもある。
このような操舵安定化機能付き二輪車によれば、二輪車の安定性を保つようにアクチュエータによって操舵を補助し、アクチュエータの操舵補助が操縦者の意思に反したものである場合には、操縦者が操舵力を強めることによりアクチュエータの作用は無力化されて単なるダンパーとなり、操縦者の意思が優先される。
このため、アクチュエータによって操舵を補助することにより、かえって危険な乗り物となってしまうことはなく、特に低速域での安定性の向上に寄与する。
仮に駆動源の機能が失われ、アクチュエータが能動的に機能しなくなっても、アクチュエータは操縦者の操舵による受動的な作動を許容するので、駆動源の機能が失われても操縦者の意思通りに操舵を行うことができ、危険な状態を招くこともない。
さらに、アクチュエータがダンパー機能を備えることにより、アクチュエータが制御されていない際には単なるステアリングダンパーとして機能することとなり、操舵に適度な操作感が生まれることから、操縦者が低速域で必要以上に操舵を行ってしまい、かえって不安定な状態を作り出すことも防止される。
これらの効果により、低速域で走行する機会が多い操縦者でも安心して乗れる安全な二輪車を提供できる。
なお、二輪車は速度が高まるにつれて自動操舵機能が強く作用するようになり、自然に安定状態が強くなる。
したがって、自動操舵機能が強く作用するようになる中速域から高速域では、アクチュエータによって操舵を補助することはあまり意味がないとも考えられる。
このため、アクチュエータの出力を低速域で操舵を補助するにあたって必要となる最小限度の出力に設定すれば、中速域から高速域では二輪車の自動操舵機能による作用がアクチュエータの出力よりも勝ることとなり、この場合、アクチュエータは単なるステアリングダンパーとして機能するので、中速域および高速域でステアリングの振れを収束させるのにも効果を奏する。
なお、この発明による上述の操舵安定化機能付き二輪車において、二輪車とは、駆動源、センサーおよび制御部を有するものであればよく、例えば、自転車、電動アシスト式自転車、または自動二輪車のいずれであってもよい。
駆動源とは、例えば、センサー、制御部およびアクチュエータを作動させる電源などを意味する。
また、二輪車の姿勢を安定化させるとは、例えば、低速走行時において、車体が傾いた際に、車体が傾いた方向に積極的にステアリングが切れるように操舵を補助し、その反作用によって車体を安定状態に回復させることを意味する。
したがって、必ずしも、車体を直立戻すことのみを意味するのではなく、旋回中の傾いた状態にある二輪車に生じた急激な傾きに対して適切な安定状態に回復させることも意味する。
なお、仮に二輪車のハンドルを1[Nm]以上のトルク、60[deg]以上の作動角で、2Hz以上の速さで動かす場合、ハンドルにつけたステーの長さをa[m]とすると、アクチュエータに求められる性能は以下の式によって表される。
ピストンロッドの移動速度:4πa[m/s]以上
ピストンロッドが発生する力:1/a[N]以上
ピストンロッドのストローク:aπ/a[m]以上
この発明による上述の操舵安定化機能付き二輪車において、センサーは二軸加速度センサーからなり、制御部は、二軸加速度センサーの出力に応じて二輪車の進行方向に直交する方向の傾きと、その傾きが操縦者の意図によって生じたものか或いは外乱によって生じたものかを判断し、二輪車の傾きが外乱によって生じたものであると判断したときに検出された傾きに基づいて二輪車の姿勢を安定化させてもよい。
ここで二軸加速度センサーとは、二輪車の重力方向(X軸方向)に対する加速度と、二輪車の進行方向に対して直交する方向(Y軸方向)の加速度をそれぞれ検出するものであり、制御部はX軸方向の加速度とY軸方向の加速度を検知し続けることにより、二輪車がその進行方向と直交する方向にどの程度傾いているかを把握することができる。
センサーが二軸加速度センサーからなる上記構成において、制御部は、検出される加速度の周波数に基づいて二輪車に生じる傾きが操縦者の意図によるものか外乱によるものかを判断してもよい。
これは、一般に外乱によって二輪車が傾く際の重力方向に対する加速度は周波数が高く、操縦者の意図によって二輪車が傾く際の加速度は周波数が低いことを利用するものである。
これによって、二輪車に生じた傾きが外乱によって生じたものであると判断した場合にはアクチュエータを作動させて車体を安定化させるように操舵の補助を行い、操縦者の意図によって生じたものであると判断した場合にはアクチュエータを作動させずに単なるダンパーとして選択的に機能させることが可能となる。
また、この発明による上述の操舵安定化機能付き二輪車は、二輪車の速度を検出する速度センサーを備え、制御部は所定の速度範囲内でのみアクチュエータを制御してもよい。
このような制御方法によれば、自動操舵機能が作用し難い低速域でのみアクチュエータによる操舵補助を行い、姿勢の維持に素早く大きな操舵を必要とする極低速域と、自動操舵機能が強く作用する中速域から高速域では制御を行わないことにより、制御部およびアクチュエータの負荷を抑えることができる。
もちろん、このような所定の速度域でのみ制御を行う制御方法は、上述の重力方向に対する加速度の周波数に基づいて二輪車に生じた傾きが外乱によるものか、或いは操縦者の意図によるものかを判断して選択的に制御を行う制御方法と組合わされて適用されてもよい。
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明を詳細に説明する。
この発明の実施例によるダンパー機能付きアクチュエータとそれを備えた操舵安定化機能付き自転車について図1〜10に基づいて説明する。また、実施例によるダンパー機能付きアクチュエータに準じて作製された試験用アクチュエータの試験例について図11〜図18に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施例によるダンパー機能付きアクチュエータの構造を概略的に説明する分解斜視図、図2は図1に示されるダンパー機能付きアクチュエータが組み立てられた状態を示す一部破断断面図、図3は実施例によるダンパー機能付きアクチュエータの変形例を示す一部破断断面図、図4はプロペラと置換可能な螺旋状ブレードを示す説明図、図5は図1および図2に示されるダンパー機能付きアクチュエータを備えた操舵安定化機能付き自転車の側面図、図6は制御部の構成を示すブロック図、図7および図8はアクチュエータの取り付け部分を示す要部拡大説明図、図9および図10はアクチュエータが作動してステアリングが切れた状態を示す説明図である。
ダンパー機能付きアクチュエータ
概して、図1及び図2に示されるように、実施例によるダンパー機能付きアクチュエータ1は、シリンダー2内を第1室2aおよび第2室2bに区画し各室間を連通しうる連通部3を一部に有するピストン4と、ピストン4に接続されたピストンロッド5とを備えた油圧シリンダー6と、この油圧シリンダー6を作動させる油圧ポンプ7とが一体に構成されている。
油圧ポンプ7はポンプシリンダー8(筒状部材)と、ポンプシリンダー8内に同軸に設けられた回転軸9と、ポンプシリンダー8内に設けられ回転軸9に固定されスペーサ10によって所定の間隔に規定された複数のプロペラ11から構成され、ポンプシリンダー8は油圧シリンダー6に並列して設けられている。油圧シリンダー6とポンプシリンダー8は、それらの両端が第1連通孔12および第2連通孔13によってそれぞれ連通され、アクチュエータ1内で実質的に1つの油室を構成している。
なお、シリンダー2、ポンプシリンダー8およびそれらを繋ぐ第1および第2連通孔12,13は、1つの金属製のブロック体14を機械加工することにより形成されており、第1および第2連通孔12,13を形成する際にブロック体14の側面に開口された孔12a,13aは、第1栓部材15および第2栓部材16が、第1および第2連通孔12,13の端部内面に形成された雌ネジ部にOリングを介してそれぞれ螺合することにより液密に塞がれる。
また、シリンダー2とポンプシリンダー8を形成する際にブロック体14の側面に開口された孔2c,8aは、ピストンロッド5と回転軸9を挿通可能とする貫通孔17a,18aを有する第1貫通栓部材17および第2貫通栓部材18が、シリンダー2およびポンプシリンダー8の端部内面に形成された雌ネジ部にOリングを介してそれぞれ螺合するによって塞がれる。
なお、第1および第2貫通栓部材17,18の貫通孔17a,18aの端には作動油の漏れを防ぐための弾性材料からなるリング状のシール部材19がそれぞれ配されている。
ブロック体14の長手方向および左右方向の中心には、油圧シリンダー6とポンプシリンダー8を避けるようにブロック体14の上面から下面へ貫通する貫通孔20が形成され、貫通孔20の両端にはベアリング(アンギュラ玉軸受)を圧入させるための窪んだ受け座20aが形成されている。
受け座20aの深さはベアリング26の厚さの半分程度であるため、受け座20aに圧入されたベアリング26は、その厚さの半分程度がブロック体14の上面および下面にそれぞれ突出した状態となる。
受け座20aに圧入されたベアリング26の内輪にはカラー27が嵌め入れられ、さらにその上からカラー27にのみ当接しブロック体14およびベアリング26の外輪とは当接しないダストカバー28が被せられる。
ベアリング26は、後述の操舵安定化機能付き自転車の項で説明するように、ダンパー機能付きアクチュエータ1を自転車のフレームに回動可能に取り付けるためのものである。
油圧ポンプ7の回転軸9は電動モータ(例えば、直流サーボモータ)21によって駆動される。電動モータ21は、その回転軸が第2貫通栓部材18の外に突出した回転軸9の基端に接続用アダプタ22を介して接続されると共に、フランジ板21aが取付用アダプタ25にボルト留めされる。
電動モータ21のフランジ板21aがボルト留めされた取付用アダプタ25は、接続用アダプタ22および第2貫通栓部材18の突出部分を覆うようにブロック体14にボルト留めされる。
油圧ポンプ7は電動モータ21の回転方向を変えてプロペラ推力の方向を変えることにより、異なる方向に油圧を発生させることができ、ポンプシリンダー8内で発生した油圧は第1又は第2連通孔12,13を介してシリンダー2の第1室2a又は第2室2bへ選択的に伝達される。
油圧シリンダー6内にはピストン4とピストン4に接続されたピストンロッド5が配設されている。
ピストン4はシリンダー2の内径よりも若干小さい外径を有し、ピストンロッド5はその先端側に外径の大きな大径部5aを有し、大径部5aは中空とされ、中空部分の端にシリンダー2と連通する貫通孔5bが形成されている。
シリンダー2の第1室2a側の端からはシリンダー2と同軸に芯棒23が延び、ピストンロッド5の大径部5aに形成された中空部が芯棒23に摺動可能に挿入されることにより、ピストン4はシリンダー2の中心軸線上に保持される。
このため、ピストン4の外周とシリンダー2の内壁との間にはピストン4の外径とシリンダー2の内径との差による間隙からなる連通部3が形成される。
ピストン4は、油圧ポンプ7によって発生された油圧が第1連通孔12を介して第1室2aへ伝達されると、その油圧を受けて第1室2aの容積を拡大するようにシリンダー2内を移動する。一方、油圧ポンプ7によって発生された油圧が第2連通孔13を介して第2室2bへ伝達されると第2室2bの容積を拡大するようにシリンダー2内を移動する。
ピストン4が移動する際、シリンダー2内の作動油の大半はピストン4に押され、第1又は第2連通孔12,13を通ってポンプシリンダー8へ移動するが、作動油の一部はピストン4の移動に抵抗するように連通部3を通り抜け、ピストン4の移動に伴う減衰力が生ずる。
また、ピストン4が第1室2aの容積を拡大するように移動する際、シリンダー2内の作動油が、ピストンロッド5の大径部5aの端に形成された貫通孔5bを介して大径部5a内に流入する。
一方、ピストン4が第2室2bの容積を拡大するように移動する際、大径部5a内の作動油は芯棒23によって押し出され、貫通孔5bを介してシリンダー2へ排出される。
ピストンロッド5はピストン4に固定されているのでピストン4の移動に従動し、ピストンロッド5の先端は第1貫通栓部材17の外で移動させる対象物に力を及ぼす。なお、ピストンロッド5の先端には雄ネジ部が形成され、この雄ネジ部に移動させる対象物と揺合可能に係合するためのピロボール24が螺合している。
試験例
ここで、上述のダンパー機能付きアクチュエータ1の特性を調べるため、作動油の粘度、ピストンの直径、プロペラの枚数(段数)、プロペラのサイズを変更要素とし、これらを種々組合せて行った試験例について説明する。
試験例では、図11に示されるような、上述のダンパー機能付きアクチュエータ1と略同様の構成を有する試験用のアクチュエータを作製し、アクチュエータが発生する出力と、アクチュエータが生み出す抵抗力についてそれぞれ測定した。
図11に示される試験用のアクチュエータの諸元は次の通りであり、各部の更なる詳細は表1に示されるとおりである。また、使用した作動油の詳細は表2に示されるとおりである。
試験用アクチュエータの諸元
X:100mm
Y:60mm
Z(ブロック体の厚さ):30mm
電動モータ:マブチモーター株式会社製、RS−540SH
d:20mm
ピストン:直径(a)が異なる2種(表1参照)
プロペラ:図12および図13に示されるプロペラの半径(R)とコード長(c)がそれぞれ異なる2種(表1参照)
プロペラのピッチ角:取り付け部で0°、翼端で30°(取り付け部と翼端の間は線形に変化)
プロペラの断面形状:対称翼
作動油:粘性係数と密度がそれぞれ異なる4種(表2参照)
Figure 2006189145
Figure 2006189145
出力の測定方法
プロペラのサイズ、プロペラの段数、ピストンの直径を変更要素とし、プロペラの回転数とアクチュエータの出力Faとの関係を測定した。作動油については、表2に示される4種類の作動油を使用した。
回転数の測定には非接触型のデジタル・タコメータ(株式会社小野測器製、HT−5100)を用い、出力Faの測定にはCPUゲージ(アイコーエンジニアリング株式会社製、MODEL−RX−1)を使用した。
なお、測定はピストンロッドを動かさず、図11に示される点Aの変位が0の状態で行った。
抵抗力の測定方法
図11に示される点Aを−X方向に一定速度Vで移動させた時の抵抗力Fdを測定した。速度Vはポテンショメータ(株式会社ミドリ測器製、GreenPot LP−200F)を用いて測定し、抵抗力FdはCPUゲージ(アイコーエンジニアリング株式会社製、MODEL−RX−1)を用いて測定した。
測定は、作動油として表2に示されるシリコンオイル1、プロペラとして4段のプロペラBをそれぞれ使用し、以下のケース1〜3について行った。
ケース1
a=19.6mmのピストンを使用し、プロペラを約7500回転させた状態で測定。
ケース2
a=19.6mmのピストンを使用し、プロペラを回転させずにアクチュエータとしての出力が0Nの状態で測定。
ケース3
ピストンをアクチュエータから取り去り、プロペラを回転させずに測定。
出力の測定結果
図14〜17に、それぞれ(プロペラA、N=4),(プロペラA、N=6),(プロペラA、N=8),(プロペラB、N=4)の場合の、プロペラ回転速度と発生力Faとの関係を示す。
作動油の粘性係数ηと、ピストンの直径aとがパラメータである。なお、プロペラに対するレイノルズ数
Figure 2006189145
は、回転数Ω=10000rpmのときを例にとると、50(η=1.0N・s/m2)〜2×103(η=0.02N・s/m2)程度である。
図14のη=0.5,1.0N・s/m2の場合のように、回転数を増加していくと、出力Faが頭打ちになる場合があるが、これは翼が失速し、揚力係数が下がるためと考えられる。
また、図15〜17において見られるように、ピストンの直径を大きくすると、出力Faが顕著に増加することが分かる。これは油圧シリンダーとピストンとのクリアランスが小さくなり、シリンダーの壁面とピストンとの干渉が強くなるためと考えられる。
また、図14〜16を比較すると、プロペラの段数が増えることによる出力Faの増加は、さほど大きくないことが分かる。これはプロペラの段数が増えていくと、後段翼への流入角が低下し、揚力係数が低下するためと考えられる。
この測定結果から、アクチュエータの出力Faは、プロペラの回転数に比例し、使用する作動油の粘性係数が、ある一定の範囲では高くなるほど増加することが分かった。
また、測定結果を考察すると、より大きな出力をアクチュエータによって発生させるためには、作動油の粘性係数は、0.02〜1.0N・s/m2の範囲では0.5N・s/m2の作動油が好ましく、直径20mmの油圧シリンダーに対して直径19.6mmのピストンが好ましく、プロペラは、半径9.9mm、コード長11.7mm、段数4のものが好ましいことが分かった。
抵抗力の測定結果
測定された抵抗力Fdを、変位=0でのアクチュエータの出力Faと、変位による力Fεとの和とする。すなわち、Fd=Fa+Fεとなる。
ケース1の場合、Fd=8N+Fεであり、ケース2およびケース3の場合は、Fd=Fεである。
図18に、変位速度VとFεとの関係を示す。この図から、FεすなわちFdとVは線形関係があるので、アクチュエータは外力に対してダンパーの機能を有していることが分かる。
また、ケース1とケース2との比較から、Fεは出力Faによって増加することが分かる。
ケース3はピストンが無い場合の測定結果であり、測定値にはピストンロッドとブロック体との間の摩擦、ピストンロッドに働く流体力が含まれる。ケース1およびケース2の測定値にも、これらの力が含まれている。
ただし、ケース1、ケース2、ケース3では、作動油の流れの様子が異なるので、ピストンロッドに働く流体力は同一ではない。
抵抗力の測定結果から、ダンパーとしての抵抗力を大きくするには、ピストンの直径は大きい方が好ましく、粘性係数は大きい方が好ましいことが分かった。
また、出力を発生させる作動時には、アクチュエータの出力が大きくなるほど、抵抗力も大きくなることが分かった。
測定結果から導かれる理論式
まず、プロペラについて考える。プロペラとポンプシリンダ、隣接するプロペラ間の干渉を無視し、プロペラを開放空間にあるN枚の単独プロペラとすると、プロペラ全体が発生する推力Tは翼素理論(例えば、「Gessow,A. and Myere,.C.G.:Aerodynamics of the helicopter, College Park Press, 1967.」参照)によって次のように書ける。
Figure 2006189145
ここで、Clは揚力係数である。
一方、N段のプロペラが開放空間にあり、N段のプロペラを半径Rの1枚の作動円盤と考える。その際、プロペラ全体が発生する推力Tは、単純運動量理論(例えば、「Gessow,A. and Myere,.C.G.:Aerodynamics of the helicopter, College Park Press, 1967.」参照)によって次のように書ける。
Figure 2006189145
ここで、vは無限後流での誘導速度である。式(A1)、(A2)により、
Figure 2006189145
となる。
次に、ピストンについて考える。ピストンと油圧シリンダとの干渉を無視し、ピストンが一様流速vの中にあるとする。ピストンに働く流体力、すなわちアクチュエータの出力Faは、次のように書ける。
Figure 2006189145
ここでCDはピストンの抵抗係数である。
レイノズル数Reが十分小さい時(例えば、「Hoerner, S.F.: Fluid-dynamic drag, Published by author, 1965.」参照)、
Figure 2006189145
であるので、式(A3)〜(A5)より出力Faは次のように書ける。
Figure 2006189145
つまり、式(A6)によれば、出力Faは、粘性係数η、プロペラ回転数Ω、ピストンの直径a、プロペラ段数Nの2乗根、プロペラ半径の2乗根、プロペラのコード長cの2乗根に比例する。図14〜17において、このような傾向を確認できる。
なお、ダンパー機能付きアクチュエータの更なる小型化を図るうえでは、例えば、図3に示されるような、油圧シリンダー106内にポンプシリンダー108が収容された構成も有効である。
また、複数のプロペラ11の代わりとして、図4に示されるような回転軸109に固定された螺旋状ブレード111が用いられてもよい。
操舵安定化機能付き自転車
概して、図5に示されるように、実施例による操舵安定化機能付き自転車30は、電動アシスト式の自転車31と、自転車31の操舵を補助するために自転車に設けられたダンパー機能付きアクチュエータ1とを有し、自転車31は、アクチュエータ1を駆動する電源(バッテリ)32と、自転車31の姿勢を検出する二軸加速度センサー33と、検出された姿勢に応じてアクチュエータ1を制御し自転車31の姿勢を安定化させる制御部34とを備えている。
自転車31の電動アシスト方式は、従来のものと同様であるのでその説明については割愛する。以下では主に操舵安定化に関する制御方法とアクチュエータの取り付け構造について説明する。
制御部34は、図6に示されるような構成からなり、二軸加速度センサー33によって検出された加速度をその周波数によって分離するバンドパスフィルター35と、制御プログラムを格納したROM36と、ROM36に格納された制御プログラムに基づいて、自転車31の姿勢が安定するようにアクチュエータ1を駆動させるうえで必要となる電動モータ21(図1および図2参照)の回転方向および駆動時間を算出するCPU37、および各種設定条件を一時的に格納しておくためのRAM38、CPU37の出力をうけて電動モータ21へ駆動電流を供給するモータドライバー回路50とから主に構成されている。
二軸加速度センサー33は自転車31の重力方向に対する加速度(X軸方向)と二輪車の進行方向に対して直交する方向(Y軸方向)の加速度をそれぞれ検出するもので、制御部34はX軸方向の加速度とY軸方向の加速度をそれぞれ検知し続けることにより自転車31がその進行方向に対して直交する方向にどの程度傾いているかを検出する。
制御部34は、二軸加速度センサー33によって検出された加速度のうちバンドパスフィルターによって分離された所定の基準値(例えば、2Hz)以上の高い周波数の加速度を検出した時に、自転車31に生じた傾きが外乱によって生じたものであると判断し、自転車31を安定化させるのに必要となる電動モータ21の回転方向と駆動時間を算出し、モータドライバー回路50を介してアクチュエータ1の電動モータ21を駆動させる。
一方、制御部34は、加速度の周波数が基準値以下である場合には、自転車31に生じた傾きが操縦者の意図によって生じたものであると判断し、敢えてアクチュエータ1を駆動しない。この場合、アクチュエータ1は単なるステアリングダンパーとして機能することとなる。
図5に示されるように、二軸加速度センサー33および制御部34は、自転車31の上フレーム39と下フレーム40との間に設置され、ダンパー機能付きアクチュエータ1は上フレーム39上に設けられ、アクチュエータ1のピストンロッド5の先端に設けられたピロボール24は、ステムシャフト41と従動回転するステムリング42に取り付けられている。
詳しくは、図7及び図8に示されるように、上フレーム39にはアクチュエータ1の座台となる上クランプ43が下クランプ44と共にボルト45によって取り付けられ、アクチュエータ1は、ダストカバー28上からワッシャ46を介してボルト47が貫通孔20に挿通され、ボルト47の先端が上クランプ43の中心に形成された雌ネジ部に螺合している。
ここで、ベアリング26の外輪はアクチュエータ1に対して固定され、ベアリング26の内輪はカラー27を介してダストカバー28およびボルト47に対して固定される。
これにより、アクチュエータ1はボルト47を軸として上フレーム39に対して回動可能に取り付けられる。
一方、ピストンロッド5の先端のピロボール24は、ステムシャフト41と従動回転するステムリング42のステー部42aにボルト48とナット49により揺動可能に取り付けられる。
図9および図10に示されるように、アクチュエータ1のピストンロッド5が伸縮するとステアリングは左右に切れ、この際、アクチュエータ1もその動きに追随してボルト47を軸に回動する。このため、どのようにステアリングが操作されてもアクチュエータ1の取り付け部分に無理な負荷がかかることはない。
例えば、自転車31の走行中に何らかの外乱により、車体が急速に右に振れた場合、二軸加速度センサー33は高い周波数の加速度を検出し、制御部34はその際の車体の傾きに基づいて車体を直立状態に回復させるのに必要な分だけステアリングを右に切るようにアクチュエータ1を制御し、車体はステアリングが右に切れたことによる反作用を受けて直立状態に回復する。
なお、アクチュエータ1によってステアリングが切られた後、車体が直立状態に回復する過程では自転車31に備わっている自動操舵機能を優先させるため、敢えて制御は行われない。
つまり、制御部34およびアクチュエータ1は、自転車31にそもそも備わっている自動操舵機能を積極的に補助、すなわち車体を安定させるきっかけを積極的につくるのみで、それ以上の制御は行わない。
仮に、これ以上の制御を行った場合、自転車31の自動操舵機能を阻害するばかりでなく、操縦者の意思に反した危険な制御を行うことになりかねない。
制御が行われていない間のアクチュエータ1は、単なるステアリングダンパーとして機能し、ステアリングの振れを収束させるのに役立つ。
また、外乱を受けていない低速走行時にはアクチュエータ1がステアリングダンパーとして機能することから、ステアリングが若干重くなることによる適度な操作感が生まれ、転倒に対する過度の恐怖心から操縦者が必要以上にステアリングを大きく操作することも防止される。
また、操縦者の意思によって操縦者の重心が旋回すべき方向に移動し、それに伴って自転車31のステアリングが自動操舵機能によって自然に切れつつ車体が傾いていく際には、二軸加速度センサーは低い周波数の加速度を検出し、制御部34は操縦者の意図によって車体が傾けられたと判断し、アクチュエータ1を制御しない。
仮に、旋回中に二軸加速度センサー33が外乱による高い周波数の加速度を検知した場合、制御部34は車体を直立状態に回復させるようにアクチュエータ1を制御するが、車体を傾けて旋回するほどの速度が出ている場合、アクチュエータ1の出力よりも自転車の自動操舵機能の方が強く作用するため、アクチュエータ1の作用は無力化され、アクチュエータ1は単なるステアリングダンパーとして機能することとなる。
これは直線路を高い速度で走行している際に、二軸加速度センサー33が外乱による高い周波数の加速度を検知した場合も同様である。
自転車31の電源32が切れた場合には、アクチュエータ1は単なるステアリングダンパーとして機能するので、低速域では若干ステアリングが重くなるが、電源32が切れたことによって危険な状態を招くことはない。
なお、発進直後や停止寸前の極低速域の自転車31は、自動操舵機能が作用し難いので、直立状態を保つには操縦者のステアリング操作に頼るところが大きくなり、これをアクチュエータ1によって補助するには相当の出力及び応答速度、並びに制御部34の制御速度が必要となる。一方、中速域から高速域で走行中の自転車31には自動操舵機能が強く作用するため、アクチュエータ1によって制御しなくても自転車31の姿勢は自然に安定するし、自動操舵機能が強く作用している状態のステアリングをアクチュエータ1によって操舵するにはかなりの出力が必要となる。
このため、制御部34とアクチュエータ1の負荷を低減させる観点からすれば、自転車31に設けられている速度センサー(図示せず)を利用して、低速域から中速域までの一定の速度域でのみ制御を行う制御方法も有効である。
また制御部34とアクチュエータ1の負荷が軽減されることから電源32の節電も図られることになる。
なお、このような制御方法が用いられる場合、アクチュエータの出力は低速域でステアリングを操作するのに必要となる最小限度の出力に設定されるのが好ましい。
以上、電動アシスト式の自転車31を例に説明したが、この発明によるダンパー機能付きアクチュエータ1は、制御部およびアクチュエータを駆動させるのに必要な電源を搭載した通常の自転車や、自動二輪車にも当然適用可能である。
また、二輪車以外にも電動三輪車のステアリング操作や、扉の開閉動作を行うアクチュエータにも適用できる。
また、単なるアクチュエータによる機械的な操作になじまず、微妙なダンパー効果が要求されるものに適用できるという利点を生かし、例えば、人の筋力を補助するパワースーツのアクチュエータや、ロボットのアクチュエータなど様々なものに適用できる。
被介護者の姿勢を変化させる介護用ベッドの動力源としても有効である。つまり、介護用ベッドの動力源として通常の電動モータ等を用いた場合、被介護者の姿勢を強制的に変化させることなり、被介護者の身体を痛めてしまうことにもなりかねない。
しかし、この発明によるダンパー機能付きアクチュエータを介護用ベッドの動力源とすれば、被介護者が介護用ベッドの姿勢変化に対して強く抵抗した場合、ダンパー機能により油圧ポンプの出力は無力化され、被介護者の意思が優先されることとなる。
これにより、より安全で、被介護者に優しい介護用ベッドを提供できるようになる。もちろん、介護者の労力や精神的疲労も軽減される。
また、高齢者が利用する四輪の電動シニアカーの操舵機構の補助動力源として、この発明によるダンパー機能付きアクチュエータを用いれば、軽い力で操舵できるようになり、腕力が弱くなった高齢者でもより快適に運転できる電動シニアカーを提供することができる。
この場合、この発明によるダンパー機能付きアクチュエータは、上述の自転車の項でも述べたとおり、運転者の能動的な動作を阻害しないので、アクチュエータを装備することによってかえって危険な乗り物となることもなく、軽い力で操舵できるので、より安全な電動シニアカーとなる。
この発明の実施例によるダンパー機能付きアクチュエータの構造を概略的に説明する分解斜視図である。 図1に示されるダンパー機能付きアクチュエータが組み立てられた状態を示す一部破断断面図である。 実施例によるダンパー機能付きアクチュエータの変形例を示す一部破断断面図である。 プロペラと置換可能な螺旋状ブレードを示す説明図である。 図1および図2に示されるダンパー機能付きアクチュエータを備えた操舵安定化機能付き自転車の側面図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 図5に示される操舵安定化機能付き自転車においてアクチュエータの取り付け部分を示す要部拡大説明図であり、側面から見た状態を示している。 図5に示される操舵安定化機能付き自転車においてアクチュエータの取り付け部分を示す要部拡大説明図であり、平面的に見た状態を示している。 アクチュエータが作動してステアリングが左に切れた状態を示す説明図である。 アクチュエータが作動してステアリングが右に切れた状態を示す説明図である。 試験用アクチュエータの概略的な構成を示す説明図である。 試験用アクチュエータに使用されたプロペラの平面図である。 試験用アクチュエータに使用されたプロペラの右側面図である。 試験用アクチュエータの出力測定結果を示すグラフ図である。 試験用アクチュエータの出力測定結果を示すグラフ図である。 試験用アクチュエータの出力測定結果を示すグラフ図である。 試験用アクチュエータの出力測定結果を示すグラフ図である。 試験用アクチュエータの抵抗力測定結果を示すグラフ図である。
符号の説明
1・・・ダンパー機能付きアクチュエータ
2・・・シリンダー
2a・・・第1室
2b・・・第2室
2c,8a,12a,13a・・・孔
3・・・連通部
4・・・ピストン
5・・・ピストンロッド
5a・・・大径部
5b,20・・・貫通孔
6,106・・・油圧シリンダー
7・・・油圧ポンプ
8,108・・・ポンプシリンダー
9,109・・・回転軸
10・・・スペーサ
11・・・プロペラ
12・・・第1連通孔
13・・・第2連通孔
14・・・ブロック体
15・・・第1栓部材
16・・・第2栓部材
17・・・第1貫通栓部材
18・・・第2貫通栓部材
19・・・シール部材
20a・・・受け座
21・・・電動モータ
21a・・・フランジ板
22・・・接続用アダプタ
23・・・芯棒
24・・・ピロボール
25・・・取付用アダプタ
26・・・ベアリング
27・・・カラー
28・・・ダストカバー
30・・・操舵安定化機能付き自転車
31・・・自転車
32・・・電源
33・・・二軸加速度センサー
34・・・制御部
35・・・バンドパスフィルター
36・・・ROM
37・・・CPU
38・・・RAM
39・・・上フレーム
40・・・下フレーム
41・・・ステムシャフト
42・・・ステムリング
42a・・・ステー部
43・・・上クランプ
44・・・下クランプ
45,47,48・・・ボルト
46・・・ワッシャ
49・・・ナット
50・・・モータドライバー回路
111・・・螺旋状ブレード

Claims (16)

  1. シリンダー内を第1および第2室に区画し各室間を連通しうる連通部を一部に有するピストンと、ピストンに接続されたピストンロッドとを備えた液圧シリンダーと、この液圧シリンダーを作動させる液圧ポンプとが一体に構成されてなるダンパー機能付きアクチュエータ。
  2. 液圧ポンプが筒状部材と、筒状部材内に同軸に設けられた回転軸と、筒状部材内に設けられ回転軸に同軸に固定された1つ以上のプロペラからなる請求項1に記載のダンパー機能付きアクチュエータ。
  3. プロペラは半径が筒状部材の内径の48〜49.5%、コード長が筒状部材の内径の30〜58.5%となる対称翼である請求項2に記載のダンパー機能付きアクチュエータ。
  4. プロペラは複数であって、互いに隣接するプロペラの間隔が筒状部材の内径の30〜60%である請求項2に記載のダンパー機能付きアクチュエータ。
  5. 液圧シリンダーおよび液圧ポンプは、粘性係数が0.02〜1.0N・s/m2のオイルによって満たされる請求項2に記載のダンパー機能付きアクチュエータ。
  6. 液圧ポンプが筒状部材と、筒状部材内に同軸に設けられた回転軸と、筒状部材内に設けられ回転軸に固定されたらせん状のブレードからなる請求項1に記載のダンパー機能付きアクチュエータ。
  7. 筒状部材が液圧シリンダーに並列に設けられる請求項2又は6に記載のダンパー機能付きアクチュエータ。
  8. 筒状部材がピストンを貫通するように液圧シリンダー内に収容されてなる請求項2又は6に記載のダンパー機能付きアクチュエータ。
  9. 連通部がピストンの外周と液圧シリンダーの内壁との間に形成された間隙からなる請求項1に記載のダンパー機能付きアクチュエータ。
  10. ピストンは直径が液圧シリンダーの内径の90〜98%である請求項9に記載のダンパー機能付きアクチュエータ。
  11. 連通部がピストンの一部に形成された貫通孔からなる請求項1に記載のダンパー機能付きアクチュエータ。
  12. 液圧ポンプが電動モータによって駆動される液圧ポンプである請求項1に記載のダンパー機能付きアクチュエータ。
  13. 二輪車と、二輪車の操舵を補助するために二輪車に設けられた請求項1に記載のダンパー機能付きアクチュエータと、アクチュエータを駆動する駆動源と、二輪車の姿勢を検出するセンサーと、検出された姿勢に応じてアクチュエータを制御し二輪車の姿勢を安定化させる制御部とを備える操舵安定化機能付き二輪車。
  14. センサーは二軸加速度センサーからなり、制御部は、二軸加速度センサーの出力に応じて二輪車の進行方向に直交する方向の傾きと、その傾きが操縦者の意図によって生じたものか或いは外乱によって生じたものかを判断し、二輪車の傾きが外乱によって生じたものであると判断したときに検出された傾きに基づいて二輪車の姿勢を安定化させる請求項13に記載の操舵安定化機能付き二輪車。
  15. 制御部は、検出される加速度の周波数に基づいて二輪車に生じる傾きが操縦者の意図によるものか外乱によるものかを判断する請求項14に記載の操舵安定化機能付き二輪車。
  16. 二輪車の速度を検出する速度センサーを更に備え、制御部は所定の速度範囲でのみアクチュエータを制御する請求項13に記載の記載の操舵安定化機能付き二輪車。
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