JP2006188553A - レーザー溶着用樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レーザー光に対する透過率が高く、レーザー光照射により被接合体に対して強固に接合可能であり、かつ各種の樹脂特性に優れた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 少なくともC2-3アルキレンアリレート単位を含むポリエステル系樹脂(A)と、ビニル系重合体(B)とでレーザー溶着用樹脂組成物を構成する。前記ポリエステル系樹脂(A)は、少なくともエチレンテレフタレート単位を含むポリエステル系重合体、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂であってもよい。前記ビニル系重合体は、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、アクリル系単量体などを重合して得られる重合体、例えば、スチレン系単量体とシアン化ビニル系単量体及び/又はアクリル系単量体との共重合体などであってもよい。ポリエステル系樹脂(A)とビニル系重合体(B)との割合(重量比)は、例えば、前者/後者=90/10〜10/90程度である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、レーザー光の照射による溶着を利用して、被接合体である樹脂成形体に接合させるためのレーザー溶着用樹脂組成物、及び接合された複合成形体に関する。
樹脂部材同士を接合させる方法には、接着剤や粘着剤を介して樹脂部材を接着する方法が知られているが、リサイクル性や作業工程の短縮などの点から樹脂部材同士を直接接合させる溶着による接合方法が着目されている。溶着による接合方法のうち、特にレーザー光照射を利用するレーザー溶着法は、熱板溶着法や超音波溶着法、振動溶着法に比べて、熱や振動の影響を受けにくく、樹脂成形品の形状に大きく依存することなく効率よく接合可能であるという利点があり、近年注目されている。しかし、レーザー溶着法では、樹脂成形体を溶着する場合、レーザー透過側の樹脂部材はレーザー光に対して高い透明性が要求され、通常、20%以上、少なくとも10%以上の透過率がないと、充分な溶着が得られない。
一方、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂やポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂などに代表されるポリエステル系樹脂は、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械的特性、成形加工性などの特性に優れるため、家電やオフィスオートメーション(OA)機器や自動車部品などの幅広い用途に利用されている。このようなポリエステル系樹脂のレーザー溶着において、結晶性の高いポリエステル系樹脂(例えば、PBTなど)は、レーザー光の透過率が低く、レーザー透過側の樹脂部材として使用する場合、充分に溶着するためには、部材を薄肉化する必要が生じる。
そこで、特開2003−292752号公報(特許文献1)には、PBT系樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリフェニレンオキシド、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート及びPETから選択された少なくとも一種の樹脂(B)とで構成され、樹脂(B)の割合が、PBT系樹脂(A)及び樹脂(B)の合計に対して1〜50重量%であるレーザー溶着用樹脂組成物が開示されている。
しかし、これらの樹脂組成物では、ポリブチレンテレフタレートの結晶性が高すぎ、レーザー光の透過率が低いため、溶着が充分でない。さらに、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)を配合した場合でも、寸法精度が低く、反りやひけが発生し易い。
特開2003−292752号公報(請求項1、段落番号[0020])
従って、本発明の目的は、レーザー光に対する透過率が高く、レーザー光照射により被接合体(樹脂成形体)に対して強固に接合可能であり、かつ各種の樹脂特性に優れた樹脂組成物及びその成形体、並びにこの成形体を用いたレーザー溶着方法及びその方法により得られた複合成形体を提供することにある。
本発明の他の目的は、ポリエステル系樹脂を用いても、被接合体に対して強固に接合可能であり、かつひけや反りの発生が抑制できるレーザー溶着用樹脂組成物及びその成形体、並びにこの成形体を用いたレーザー溶着方法及びその方法により得られた複合成形体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、少なくともC2-3アルキレンアリレート単位を含むポリエステル系樹脂とビニル系重合体とを組み合わせると、レーザー光に対する透過率が高く、強固にレーザー溶着が可能であり、かつ種々の樹脂特性にも優れることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、樹脂成形体に対して、レーザー光の照射により接合可能な成形体を構成するための樹脂組成物であって、少なくともC2-3アルキレンアリレート単位を含むポリエステル系樹脂(A)と、ビニル系重合体(B)とで構成されている。前記ポリエステル系樹脂(A)は、少なくともエチレンテレフタレート単位を含むポリエステル系重合体、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂であってもよい。前記ビニル系重合体は、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びアクリル系単量体から選択された少なくとも一種を構成単位として含む重合体、例えば、スチレン系単量体と、シアン化ビニル系単量体及び/又はアクリル系単量体との共重合体などであってもよい。ポリエステル系樹脂(A)とビニル系重合体(B)との割合(重量比)は、例えば、前者/後者=90/10〜10/90程度である。本発明の樹脂組成物において、組成物中に含まれるモノマー及びオリゴマーの割合は、例えば、合計量で10000ppm以下であってもよい。
本発明には、前記樹脂組成物で構成された成形体も含まれる。また、本発明には、前記樹脂組成物構成された第1の成形体と、熱可塑性樹脂で構成された第2の成形体とがレーザー溶着により接合されている複合成形体も含まれる。この複合成形体において、本発明の樹脂組成物で構成された成形体は、レーザー透過性に優れるため、例えば、透過部材として使用されてもよい。さらに、本発明には、前記樹脂組成物で構成された第1の成形体と、熱可塑性樹脂で構成された第2の成形体とをレーザー光を照射することにより接合する方法も含まれる。
本発明では、レーザー溶着用の樹脂組成物を、特定のポリエステル系樹脂とビニル系重合体とで構成するため、レーザー光に対する透過率が高く、レーザー光照射により被接合体に対して強固に接合可能であるとともに、各種の樹脂特性にも優れている。さらに、ポリエステル系樹脂を用いているにも拘わらず、被接合体に対して強固に接合可能であるとともに、ひけや反りの発生も抑制できる。
[レーザー溶着用樹脂組成物]
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、少なくともC2-3アルキレンアリレート単位を含むポリエステル系樹脂(A)と、ビニル系重合体(B)とで構成されている。
(A)ポリエステル系樹脂
ポリエステル系樹脂(A)は、少なくともC2-3アルキレンアリレート単位(特にエチレンテレフタレート単位)を含み、通常、芳香族ジカルボン酸又はそのエステルを含むジカルボン酸成分と、ジオール成分との重縮合反応によって得ることができる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの炭素数8〜14程度の芳香族ジカルボン酸、又はこれらのエステル(例えば、メチルエステルなどのC1-3アルキルエステルなど)などが挙げられる。これらの芳香族ジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの芳香族ジカルボン酸のうち、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、特にテレフタル酸が好ましい。
ジカルボン酸成分には、芳香族ジカルボン酸に加えて、脂肪族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの炭素数2〜14程度の飽和脂肪族ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸、アコニット酸などの不飽和脂肪族トリカルボン酸など)、脂環族ジカルボン酸(例えば、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、テトラヒドロテレフタル酸など)などが含まれていてもよい。
ジオール成分としては、例えば、少なくともC2-3アルカンジオール(エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコールなど)が使用される。これらのC2-3アルカンジオールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ジオール成分としては、これらのC2-3アルカンジオールに加えて、他のジオール成分、例えば、他の脂肪族アルカンジオール(例えば、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどの炭素数4〜12程度の飽和脂肪族グリコールや、1,4−ブテンジオールなどの不飽和脂肪族グリコールなど)、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオールや1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)、ポリC2-4アルキレングリコールなどを使用してもよい。これら他のジオール成分も、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリエステル系樹脂(A)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリC2-3アルキレンテレフタレート、このポリアルキレンテレフタレートに対応するポリC2-3アルキレンナフタレート(例えば、ポリエチレンナフタレートなど)などのホモポリエステルの他、アルキレンアリレート単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含むコポリエステルであってもよい。コポリエステルとしては、C2-3アルキレンアリレート単位の他に、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどのC2-6アルキレングリコール、フタル酸、イソフタル酸などの非対称芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを共重合単位として使用してもよい。さらに、少量のポリオール及び/又はポリカルボン酸を用い、線状ポリエステルに分岐鎖構造を導入してもよい。
ポリエステル系樹脂(A)には、他のポリエステル系樹脂が含まれていてもよい。例えば、ポリエステル系樹脂(A)は、少なくともC2-3アルキレンアリレート単位を含むポリエステル系樹脂と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリ1,4−シクロへキシルジメチレンテレフタレート(PCT)などの他の芳香族ポリエステル系樹脂、又は脂肪族ポリエステル系樹脂との組み合わせであってもよい。
ポリエステル系樹脂(A)としては、レーザー光の透過性に優れる点から、ポリエチレンテレフタレート単位を少なくとも含むポリエステル、特に、ポリエチレンテレフタレート単位を50重量%以上含むポリエステル系樹脂(例えば、PET)が好ましい。
(B)ビニル系重合体
ビニル系重合体(B)は、少なくともビニル系単量体を重合して得られ、同種のビニル系単量体を重合して得られるホモポリマーであってもよく、異種の複数のビニル系単量体を重合して得られるコポリマーであってもよい。
ビニル系単量体には、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、アクリル系単量体、ビニルエステル系単量体、不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物、イミド系単量体などが含まれる。その他、ビニル系単量体は、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル系単量体であってもよいが、溶着性の点から、非ハロゲン系単量体が好ましい。
芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、ビニルトルエン、ビニルキシレン、p−エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなど)、ハロゲン置換スチレン(例えば、クロロスチレン、ブロモスチレンなど)、α位にアルキル基が置換したα−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレンなど)などが挙げられる。これらの芳香族ビニル系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの芳香族ビニル単量体のうち、通常、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン(特にスチレン)などのスチレン系単量体が使用される。
シアン化ビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。これらのシアン化ビニル系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのシアン化ビニル系単量体のうち、通常、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリロニトリルが使用される。
アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシルなど]、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2-4アルキルエステル[(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなど]などが挙げられる。これらのアクリル系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのアクリル系単量体のうち、通常、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸C1-4アルキルエステルが使用される。
ビニルエステル系単量体としては、例えば、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステルなどが挙げられる。これらのビニルエステル系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸又はその酸無水物などが挙げられる。これらの(無水)不飽和多価カルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
イミド系単量体としては、例えば、マレイミド、N−アルキルマレイミド(例えば、N−C1-4アルキルマレイミド等)、N−シクロアルキルマレイミド(例えば、N−シクロヘキシルマレイミドなど)、N−アリールマレイミド(例えば、N−フェニルマレイミドなど)などのN−置換マレイミドなどが挙げられる。これらのイミド系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのビニル系単量体のうち、スチレンなどの芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルなどのアクリル系単量体、(無水)マレイン酸などの(無水)不飽和多価カルボン酸、又はこれらを組み合わせた混合モノマー、特に芳香族ビニル系単量体(好ましくはスチレンなどのスチレン系単量体)、シアン化ビニル系単量体(好ましくはアクリロニトリルなどの(メタ)アクリロニトリル)、アクリル系単量体(好ましくはメタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸C1-4アルキルエステル)、又はこれらを組み合わせた混合モノマーが好ましい。
ビニル系重合体としては、具体的には、スチレン系樹脂[例えば、ポリスチレン(GPPS)など]、アクリル系樹脂[例えば、ポリメタクリル酸メチルなど]、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体及び/又はアクリル系単量体との共重合体[例えば、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体など]、芳香族ビニル系単量体と無水不飽和カルボン酸との共重合体[例えば、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA樹脂)など]などが挙げられる。これらのビニル系重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのビニル系重合体のうち、芳香族ビニル系単量体と、シアン化ビニル系単量体及び/又はアクリル系単量体との共重合体(例えば、、AS樹脂などのスチレン系単量体とシアン化ビニル系単量体との共重合体)が好ましい。芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体及び/又はアクリル系単量体との共重合体において、芳香族ビニル系単量体と、シアン化ビニル系単量体及び/又はアクリル系単量体(両者が含まれる場合は合計)との割合(モル比)は、例えば、前者/後者=90/10〜10/90、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは70/30〜30/70程度である。
ポリエステル系樹脂(A)とビニル系重合体(B)との割合(重量比)は、前者/後者=90/10〜10/90、好ましくは90/10〜20/80、さらに好ましくは85/15〜30/70(80/20〜40/60)程度である。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物には、両樹脂の特性を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を含有させてもよい。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられる。これらの他の熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。相溶性の点から、ゴム含有スチレン系樹脂[例えば、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、スチレン−メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体(MBS樹脂)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂(AAS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン・プロピレンゴム−スチレン樹脂(AES樹脂)など]、熱可塑性エラストマー(スチレン系熱可塑性エラストマーやポリエステル系熱可塑性エラストマーなど)などが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、レーザー透過性や樹脂特性を低下しない限り、慣用の添加剤、例えば、相溶化剤、可塑剤、難燃剤、着色剤、充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、金属フィラーなど)、安定剤(酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤など)、滑剤、分散剤、発泡剤、抗菌剤などが含まれていてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの添加剤のうち、特に、ひけを抑制し、耐熱性や機械的特性を向上させるために、充填剤を用いてもよい。充填剤としては、慣用の無機又は有機充填剤を使用できるが、レーザー透過性の点から、繊維状無機充填剤(例えば、ガラス繊維、シリカ繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、金属繊維など)、特に、ガラス繊維を好ましく使用できる。ガラス繊維の平均径は、例えば、1〜50μm(好ましくは3〜30μm)程度であり、平均長は、例えば、100μm〜3mm(好ましくは500μm〜1mm)程度であってもよい。充填剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
充填剤の割合は、ポリエステル系樹脂(A)及びビニル系重合体(B)の合計100重量部に対して、0〜100重量部程度の範囲から選択でき、例えば、10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部、さらに好ましくは30〜80重量部程度である。
さらに、成形品の外観特性などを向上させるために、特に、着色剤を用いてもよい。着色剤には、レーザー光が透過可能な着色剤や、レーザー光に対して非吸収性の着色剤が含まれる。このような着色剤としては、各種の有彩色又は無彩色着色剤、例えば、白色染顔料(例えば、チタン白、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポンなどの無機顔料)、黄色染顔料[例えば、カドミイエロー(カドミ黄)、黄鉛(クロム黄)、ジンククロメート、黄土(オーカー)などの無機顔料、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピグメントイエローなどの有機顔料]、橙色染顔料、赤色染顔料[例えば、赤口顔料、アンバー、カドミウムレッド(火赤)、鉛丹(四三酸化鉛、光明丹)などの無機顔料、パーマンネントレッド、レーキレッド、ウォッチャンレッド、ブリリアント・カーミン6Bなどの有機顔料]、青色染顔料[例えば、紺青、群青、コバルトブルー(テナール青)などの無機顔料、フタロシアニンブルーなどの有機顔料]、緑色染顔料[例えば、クロムグリーンなどの無機顔料、フタロシアニングリーンなどの有機顔料]などが挙げられる。
着色剤は、前記例示の染顔料などを単独で用いてもよく、複数の着色剤を組み合わせて用いて所望の色調に調整してもよい。例えば、3原色を用いて、樹脂を黒色に着色することもできる。
着色剤は、光散乱性を有していてもよく、このような着色剤(例えば、酸化チタンなどの顔料など)を用いると成形品に光散乱性を付与でき、効果的に被接合体を隠蔽することもできる。なお、レーザー光を透過せず、反射拡散させる着色剤を使用する場合は、レーザー溶着が可能な程度にレーザー光を透過させるため、組成物中の含有割合や成形体の厚みを調整して使用するのが好ましい。
着色剤の割合は、特に制限されないが、樹脂や着色剤の種類、レーザー光の発振波長、被接合体の色などに応じて適宜選択でき、例えば、ポリエステル系樹脂(A)及びビニル系重合体(B)の合計100重量部に対して、0〜10重量部(例えば、0.0001〜10重量部)、好ましくは0.001〜7重量部、さらに好ましくは0.01〜5重量部程度であってもよい。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、樹脂組成物中のモノマー及びオリゴマーの割合が、例えば、合計量で2000ppm(μg/g)以下、好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下(特に100ppm以下)程度である。オリゴマーの分子量は、例えば、1000以下(特に500以下)程度である。
モノマーやオリゴマーは、例えば、熱可塑性樹脂(例えば、ビニル系重合体)の製造過程(重合過程)でモノマーが充分に重合されないことにより混入するが、低分子であるモノマーやオリゴマーが存在すると、ガス発生の直接の原因となるとともに、樹脂部材の溶着性が低下する。モノマー及びオリゴマーの含有量は、樹脂組成物又は原料樹脂を精製することにより低減してもよく、また、原料樹脂の製造方法を調整することにより低減してもよい。
[樹脂成形体]
本発明の樹脂成形体は、前記レーザー溶着用樹脂組成物で構成され、レーザー光を透過する側の部材(透過部材)として使用してもよく、レーザー光を吸収する側の部材(吸収部材)として使用してもよい。本発明の樹脂成形体はレーザー透過性に優れているため、通常、少なくとも透過部材として使用される。
樹脂成形体のレーザー光に対する透過率は、使用するレーザー光の発振波長(例えば、740〜1600nmの範囲から選択される波長)に応じ、例えば、厚み2mmの成形体の厚み方向において、通常、10%以上(例えば、10〜100%程度)であればよく、例えば、15〜100%、好ましくは20〜100%、さらに好ましくは30〜100%(特に40〜100%)程度である。
このような樹脂成形体は、ポリエステル系樹脂(A)、ビニル系重合体(B)及び必要に応じて他の構成成分(充填剤、着色剤、他の熱可塑性樹脂など)を、押出機、ニーダー、ミキサー、ロールなどを用いた慣用の混合方法で混合(例えば、溶融混練)し、慣用の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形などにより、成形することにより得ることができる。
樹脂成形体の形状は、接合させるに充分な接触面(平面など)を少なくとも一部に有する限り、特に制限されず、二次元的形状(例えば、板状)又は三次元的形状であってもよい。
樹脂成形体の厚み(少なくとも透過部材のレーザー溶着位置の厚み)は、用途や、レーザー光に対する透過性又は吸収性などに応じて、例えば、50μm〜10mm、好ましくは70μm〜8mm、さらに好ましくは100μm〜5mm程度であってもよい。
[複合成形体]
本発明の複合成形体では、前記樹脂組成物で構成された第1の成形体(接合体)と、熱可塑性樹脂で構成された第2の成形体(被接合体)とがレーザー溶着により接合されている。前述の如く、前記樹脂組成物で構成された接合体は、レーザー透過性に優れているため、通常、透過部材として使用され、熱可塑性樹脂で構成された被接合体が吸収部材として使用される。
被接合体における熱可塑性樹脂としては、レーザー溶着により接合体に対して接合(又は貼付)可能である限り、特に限定されず、種々の熱可塑性樹脂が使用できる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂(ポリアミド5、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド6/66、ポリアミド6/11などの脂肪族ポリアミド系樹脂;ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミドMXDなどの芳香族ポリアミド系樹脂;脂環族ポリアミド系樹脂など)、ポリエステル系樹脂(ポリC2-4アルキレンテレフタレート、ポリC2-4アルキレンナフタレート、これらのコポリエステル、ポリアリレート、液晶性ポリエステルなど)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなどのビスフェノール型ポリカーボネート、水添ビスフェノール型ポリカーボネートなど)、オレフィン系樹脂[ポリエチレン(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなども含む)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレンゴムなどのオレフィンの単独又は共重合体(エラストマーも含む)など]、スチレン系樹脂[ポリスチレン(GPPSなど)、スチレン−アクリル系共重合体(スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、AS樹脂、MS樹脂など)、スチレン−ジエン又はオレフィン系共重合体(スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体など)、ゴム含有スチレン系樹脂(耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂、AXS樹脂(AAS樹脂、AES樹脂など)、MBS樹脂など)など]、アクリル系樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステルなど)、ビニル系重合体(塩化ビニル系重合体、酢酸ビニル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリフェニレンオキシド系樹脂[ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド(ポリスチレンとのブレンド、ポリスチレンがグラフトしたポリフェニレンオキシドなど)など]などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂は、結晶性樹脂であってもよく、非結晶性樹脂であってもよい。
前記熱可塑性樹脂のうち、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系重合体、及びポリフェニレンオキシド系樹脂[特にポリアミド系樹脂(ポリアミド6などの脂肪族ポリアミド系樹脂など)、オレフィン系樹脂(ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの単独又は共重合体など)、スチレン系樹脂(AS樹脂など)など]などが好ましい。さらに、接合体との親和性の点から、ポリエステル系樹脂、ビニル系重合体又はこれらの組み合わせ、特に前記レーザー溶着用樹脂組成物が好ましい。
被接合体には、レーザー光吸収剤及び/又は着色剤が含まれていてもよい。特に、被接合体が吸収部材として使用され、レーザー透過性である場合(例えば、本発明のレーザー溶着用樹脂組成物を用いた場合)、熱可塑性樹脂と、レーザー光吸収剤及び/又は着色剤とを組み合わせてレーザー吸収能を付与してもよい。
レーザー光吸収剤としては、例えば、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックなど)、チタンブラック、黒色酸化鉄などの黒色顔料を使用する場合が多い。これらのレーザー光吸収剤は、単独で又は二種以上組合せて使用できる。また、これらのレーザー光吸収剤は、着色剤として添加されてもよい。なお、前記黒色顔料の平均粒径は、例えば10nm〜3μm(好ましくは10nm〜1μm)程度の広い範囲から選択できる。カーボンブラックの平均粒径は、例えば、10〜100nm、好ましくは15〜90nm程度であってもよい。レーザー光吸収剤の割合は、被接合体を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部程度であってもよい。
着色剤としては、樹脂の着色に使用される種々の無機又は有機染顔料、例えば、白色染顔料(チタン白など)、黄色染顔料(ベンジジンイエローなどの有機顔料)、橙色染顔料(ハンザイエローなど)、赤色染顔料(レーキレッドなどの有機顔料)、青色染顔料(フタロシアニンブルーなどの有機顔料)、緑色染顔料(フタロシアニングリーンなどの有機顔料)などが挙げられる。着色剤の割合は、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0〜10重量部(例えば、0.001〜10重量部)、好ましくは0.01〜5重量部程度であってもよい。
被接合体にも、必要により、前記レーザー溶着用樹脂組成物と同様の慣用の添加剤が含まれていてもよい。
複合成形体は、接合体(例えば、透過部材)と被接合体(例えば、吸収部材)とを、少なくとも両者の接合部を面接触させ、レーザー光を照射することにより、前記接合体と被接合体との界面を部分的に溶融させて接合面を密着させ、冷却して接合(又は一体化)することにより得られる。
溶着に用いるレーザー光源としては、通常、発振波長193〜1600nm程度のレーザー光源が使用でき、例えば、固体レーザー(Nd:YAG励起、半導体レーザー励起など)、半導体レーザー(650〜980nm)、チューナブルダイオードレーザー(630〜1550nm)、チタンサファイアレーザー(Nd:YAG励起、690〜1000nm)などを用いる場合が多い。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物、成形体及び複合成形体は、家庭用又はオフィスオートメーション(OA)用機器、例えば、コンピューター、ワードプロセッサー、プリンター、コピー機、ファックス、電話、モバイル機器(携帯電話、携帯情報端末(PDA)など)などの機器類や家電製品(テレビ、ビデオデッキ、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)プレーヤー、エアコン、冷蔵庫、洗濯機など)の構成部品(ハウジング、ケース、カバー、ドア、カートリッジ(インクカートリッジ、トナーカートリッジなど)など)などの他、自動車部品、家庭用品、建築材料などの用途において有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた各成分の略号の内容、及び各評価項目の評価方法は以下の通りである。
[樹脂成形体の各成分]
PBT:ポリブチレンテレフタレート(ウィンテックポリマー(株)製、商品名「700FP」)
PET:ポリエチレンテレフタレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「MA−521H」)
AS:AS樹脂、マトリックスを構成するモノマー成分の共重合比:スチレン/アクリロニトリル=73/27(重量比)、溶液粘度ηsp/c(4mg/ml濃度のクロロホルム溶液、25℃):0.85
GF:ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、商品名「CS−03−T−120」)、平均径13μm、平均長3mm。
[レーザー光の透過率]
紫外−可視−近赤外域用の60φ積分玉一セットを分光光度計((株)日立製作所製,U−3410)内に置き、試験片をセットして波長λ=840nmで透過率を測定し、以下の基準で評価した。
◎:40%以上
○:30%以上40%未満
△:20%以上30%未満
×:20%未満。
[反り]
縦120mm×横120mm×厚み2mmのサイズに成形した平板を、平らな水平面の上に、平板の中央部が水平面と接触するように(反りが生じている場合には各コーナー部が浮き上がるように)載置した。次に、各コーナー部を水平面に固定した後、固定したコーナー部に対して対角線上にあるコーナー部の水平面に対する高さ(持ち上がり高さ)を測定した。これを各コーナー部について測定し、最も大きい持ち上がり高さについて、以下の基準で評価した。
○:2mm未満
△:2mm以上10mm未満
×:10mm以上。
[溶着性]
レーザー溶着後、引張試験機(オリエンテック社製,テンシロンUCT−1T)を用いて、チャック間距離80mm及びヘッド速度5.0mm/分の条件で、吸収部材及び透過部材のそれぞれを、接合部を中心にして外方に引張り、破壊した状態を目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:冶具による溶着面の反りの補正不要
△:冶具による溶着面の反りの補正必要
×:冶具の溶着面の反りの補正が困難。
実施例1〜2及び比較例1〜3
表1に示す組成の樹脂組成物を用いて、樹脂成形体(三段プレート、縦90mm×横50mm×厚み1、2及び3mm)(レーザー光透過部材)を成形するとともに、表1に示す組成の樹脂組成物に、組成物全体に対して0.5重量%のカーボンブラックを含有させた樹脂組成物を用いて、前記成形体と同様のサイズ及び形状のレーザー光吸収部材を成形した。
得られた黒色に着色したレーザー光吸収部材の上に、レーザー光透過部材を置き、さらにこの透過部材の上に透明なガラス板を重しとして置き、ファインデバイス社製120Wレーザー溶着機(半導体レーザー)を用いて、両者を溶着させた(溶着条件:出力40W及び走査速度10mm/秒)。なお、吸収側の三段プレートと透過側の三段プレートとを重ねて、透過部材及び吸収部材の厚みが双方とも2mmとなる位置にレーザー光を照射した。得られた複合成形体の特性を評価した結果を表1に示す。
Figure 2006188553
表から明らかなように、実施例では、透過率及び溶着性が高く、反りがない。これに対して、比較例1では、PBTを用いているため、透過率が充分でなく、溶着性が低下するとともに、反りも見られる。比較例2では、AS樹脂を含んでいないため、溶着性が低下し、反りが激しい。さらに、比較例3では、PBTを用い、AS樹脂を含んでいないため、透過率が低く、溶着性が低下し、反りも激しい。

Claims (10)

  1. 樹脂成形体に対して、レーザー光の照射により接合可能な成形体を構成するための樹脂組成物であって、少なくともC2-3アルキレンアリレート単位を含むポリエステル系樹脂(A)と、ビニル系重合体(B)とで構成されたレーザー溶着用樹脂組成物。
  2. ポリエステル系樹脂(A)が、少なくともエチレンテレフタレート単位を含むポリエステル系重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ビニル系重合体(B)が、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びアクリル系単量体から選択された少なくとも一種のビニル系単量体を構成単位として含む重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. ポリエステル系樹脂(A)がポリエチレンテレフタレート系樹脂であり、かつビニル系重合体(B)が、スチレン系単量体と、シアン化ビニル系単量体及びアクリル系単量体から選択された少なくとも一種との共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. ポリエステル系樹脂(A)とビニル系重合体(B)との割合(重量比)が、前者/後者=90/10〜10/90である請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 組成物中に含まれるモノマー及びオリゴマーの割合が合計量で10000ppm以下である請求項1記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1記載の樹脂組成物で構成された成形体。
  8. 請求項1記載の樹脂組成物で構成された第1の成形体と、熱可塑性樹脂で構成された第2の成形体とがレーザー溶着により接合されている複合成形体。
  9. 第1の成形体が、レーザー光を透過する側の部材である請求項8記載の複合成形体。
  10. 請求項1の樹脂組成物で構成された第1の成形体と、熱可塑性樹脂で構成された第2の成形体とをレーザー光を照射することにより接合する方法。
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