JP2006187281A - ヒト角膜内皮細胞由来の前駆細胞、細胞凝集体及びそれら作製方法、並びに前駆細胞および細胞凝集体の移植方法 - Google Patents

ヒト角膜内皮細胞由来の前駆細胞、細胞凝集体及びそれら作製方法、並びに前駆細胞および細胞凝集体の移植方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒト角膜内皮細胞に由来し、移植すれば、角膜実質上に容易に定着できる、角膜内皮細胞と同等の機能を有する細胞凝集体、及びこの細胞凝集体の移植方法を提供すること。
【解決手段】ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体。このヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体は、ヒト角膜内皮細胞を、ウシ胎児血清、成長因子、及びグルコースを含有する培地で培養し、次いで得られた細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することで作製できる。上記細胞凝集体または上記作製方法により作製された細胞凝集体を前房内に移植する方法。角膜実質に管を通し、この管を介して、前記細胞凝集体を前房内に注入し、うつ伏せにすることで注入した球状細胞をデスメ膜に付着させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヒト角膜内皮組織由来のヒト角膜内皮前駆細胞、ヒト角膜内皮細胞由来の幹細胞様細胞である細胞凝集体、及びそれらの作製方法に関する。さらに本発明は、上記前駆細胞または細胞凝集体を前房内に移植し、内皮細胞層を再生する方法に関する。
重篤な角膜疾患に対する従来の治療方法は、提供角膜による角膜移植である。しかし、少なくとも日本国内では、角膜ドナ−および提供が極端に不足しているという現状がある。またさらに、他人から移植になるため、拒絶反応の問題もあり、角膜移植による治療は、万全な治療法とは言い難い。
角膜1は、図5に示すように、複数の層状構造で形成されており、それらは、角膜上皮2、ボーマン膜3、角膜実質4、デスメ膜5及び角膜内皮細胞6からである。最表層にある角膜上皮2は、厚さ約50μmの5〜6層の非角化重層扁からなり、角膜実質4は、密な間隔で整然と配列したコラーゲン組織と実質細胞からなり、高い透明性を有している。角膜内皮細胞6は、角膜の最内層に配列する一層の細胞である。角膜内皮細胞は、ポンプ機能を有し、角膜内の水分含有率を適切に維持する機能を有する。
角膜移植に代わる方法の1つとして、角膜細胞の細胞を用いた角膜の再生が試みられている。角膜上皮については、幹細胞を用いた再生が、臨床応用も含めて行われている。具体的には、患者自身の健康な角膜輪部の一部の角膜上皮細胞を採取し、羊膜上で培養し、それを移植し再生を促す方法である。
また、角膜移植が必要な患者から摘出した角膜の上に角膜内皮細胞の層を構築する方法は知られている(特開2002-78723号公報、特許文献1)。しかるに、患者自身の角膜に角膜内皮細胞を移植することは行われているが、後述するように上手くいっていない。また、角膜内皮細胞の幹細胞を用いて角膜内皮細胞の層を構築することは、これまでに行われていない。
特開2002-78723号公報
角膜内皮細胞については、幹細胞の存在が現状では確認されておらず、かつその培養法についても知られていない。従って、角膜内皮が損傷を受けた場合には、依然として同種移植に頼るしかなく、上記のような問題(ドナー不足及び拒絶反応)が未解決である。角膜移植を必要とするケースの約60%は、角膜内皮の障害によるものであると言われている。従って、角膜内皮の幹細胞の存在が確認され、かつその培養法が確立され、それを入手できれば、培養して、移植することも可能になる。また、幹細胞を培養物として入手できれば、増殖も容易に行えるし、長期間の保存も可能になると考えられる。
また、上述したように、角膜内皮細胞を移植することも試みられている。しかし、これまでの方法では、移植した角膜内皮細胞が、微小であり、移動しやすいことから、角膜実質上に定着しにくく、角膜内皮細胞の移植は、実用できるレベルではない。
そこで、本発明の目的は、これらの問題を解決するために、角膜内皮細胞に由来し、移植すれば、角膜実質上に容易に定着し、角膜内皮細胞と同等の機能、即ち、角膜内の水分含有率を適切に維持する機能を有する細胞を提供することにある。
さらに本発明の別の目的は、上記細胞を用い、この細胞を前房内に移植して、内皮細胞層を再生する方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は以下の通りである。
[1]ヒト角膜内皮組織由来のヒト角膜内皮前駆細胞。
[2]ヒト角膜内皮組織が角膜内皮細胞単層とデスメ膜を含む[1]に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
[3]ネスチンに陽性であり、かつBrdUに陽性である[1]または[2]に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
[4]角膜上に移植した場合に、角膜上に定着可能である[1]〜[3]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
[5]ヒト角膜内皮組織をヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養することで得られる、[1]〜[4]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
[6]ヒト角膜内皮組織をヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養することを含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞の作製方法。
[7]ヒト角膜内皮組織の培養を、初代培養及び2〜10回の継代培養として行う[6]に記載の作製方法。
[8]ヒト角膜内皮細胞の培養が、37℃、5〜10%CO2の条件で行われる[6]または[7]に記載の作製方法。
[9]培養ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体。
[10]直径が30〜500μmの範囲である[9]に記載の細胞凝集体。
[11]ネスチンに陽性であり、α-SMAに陽性であり、かつBrdUに陽性である[9]または[10]に記載の細胞凝集体。
[12]角膜上に移植した場合に、角膜上に定着可能である[9]〜[11]のいずれかに記載の細胞凝集体。
[13]細胞外基質をコートした培養器で3〜10日間培養するとネスチンに対して陽性である細胞の数が5%以下になる[9]〜[12]のいずれかに記載の細胞凝集体。
[14]β-IIIチュブリンおよびGFAPに対して陰性である[9]〜[13]のいずれかに記載の細胞凝集体。
[15]培養すると形態が多角形を呈し、複数の細胞凝集体からヒト角膜内皮様シートを形成し得る[9]〜[14]のいずれかに記載の細胞凝集体。
[16]ヒト角膜内皮様シートは、正常のヒト角膜内皮層は同等のトランスポート活性を有する[15]に記載の細胞凝集体。
[17][1]〜[5]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞または[5]〜[8]のいずれかに記載の方法により作製されるヒト角膜内皮前駆細胞を浮遊培養することで得られる[9]〜[16]のいずれかに記載の細胞凝集体。
[18][1]〜[5]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞または[6]〜[8]のいずれかに記載の方法により製造されるヒト角膜内皮前駆細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
[19]ヒト角膜内皮細胞を、ヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養し、次いで得られた細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
[20]ヒト角膜内皮細胞の培養を、初代培養及び2〜10回の継代培養として行う[19]に記載の作製方法。
[21]ヒト角膜内皮細胞の培養が、37℃、5〜10%CO2の条件で行われる[19]または[20]に記載の作製方法。
[22]グルコースを含有する培地のグルコース濃度が2.0 g/L 以下である[19]〜[21]のいずれかに記載の作製方法。
[23]成長因子がB細胞増殖因子(BCGF)、上皮成長因子(EGF)、組換えEGF(rEGF)及び線維芽細胞増殖因子(FGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である[19]〜[22]のいずれかに記載の作製方法。
[24]増殖因子が、B27、表皮増殖因子(EGF)及び塩基性線維芽増殖因子(bFGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[18]〜[23]のいずれかに記載の作製方法。
[25]角膜内皮細胞をコラゲナーゼで溶解して単一細胞を得、次いで得られた細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
[26]増殖因子が、B27、表皮増殖因子(EGF)及び塩基性線維芽増殖因子(bFGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[25]に記載の作製方法。
[27]細胞凝集体は、直径が30〜500μmの範囲である[18]〜[26]のいずれかに記載の作製方法。
[28][8]〜[17]のいずれかに記載の細胞凝集体または[18]〜[27]のいずれかに記載の方法で作製された細胞凝集体由来のヒト角膜内皮様細胞から構成されるヒト角膜内皮様シートであって、前記内皮様細胞は、形態が多角形を呈する前記シート。
[29]多角形が六角形である[28]に記載のシート。
[30]平均細胞密度が2000細胞/mm2以上である[28]または[29]に記載のシート。
[31]トランスポート活性を有する[28]〜[30]のいずれかに記載のシート。
[32]前記トランスポート活性は、正常のヒト角膜内皮層と同等のトランスポート活性である[31]に記載のシート。
[33]ヒト角膜内皮様シートは、生分解性を有する支持体に付着させた形態である[28]〜[32]のいずれかに記載のシート。
[34]支持体が羊膜、コラーゲン膜, セルロース膜、およびゼラチン膜からなる群から選ばれる少なくとも1種である[33]に記載のシート。
[35][1]〜[5]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞または[6]〜[8]のいずれかに記載の方法により作製されたヒト角膜内皮前駆細胞を前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記前駆細胞を前房内に注入し、注入したヒト角膜内皮前駆細胞をデスメ膜に付着させる方法。
[36][9]〜[17]のいずれかに記載の細胞凝集体または[18]〜[27]のいずれかに記載の方法により作製された細胞凝集体を前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記細胞凝集体を前房内に注入し、注入した細胞凝集体をデスメ膜に付着させる方法。
[37]1回の移植におけるヒト角膜内皮前駆細胞の注入量が5,000〜50,000個の範囲であるか、または細胞凝集体の注入量が、細胞凝集体30〜200個の範囲である[35]または[36]に記載の方法。
[38]ヒト角膜内皮前駆細胞または細胞凝集体が、生分解性を有する支持物質との混合物として、前房内へ移植される[35]〜[37]のいずれかに記載の方法。
[39]支持物質がコラーゲンスポンジまたはゼラチン微粒子である[38]に記載の方法。
[40][28]〜[34]のいずれかに記載のヒト角膜内皮様シートを前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記ヒト角膜内皮様シートを前房内に注入し、注入したヒト角膜内皮様シートをデスメ膜に付着させる方法。
[41]ヒト角膜内皮前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シート注入用の管は、角膜実質内を貫通する距離が、角膜実質の膜厚より大きくなるように行う[35]〜[40]のいずれかに記載の方法。
[42]前房内に空気を注入し、うつ伏せにした後に、ヒト角膜内皮前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シートの前房内への注入を行う、[35]〜[41]のいずれかに記載の方法。
[43]ヒト角膜内皮前駆細胞、球状細胞またはヒト角膜内皮様シートの前房内への注入後、所定時間うつ伏せ状態を維持する[42]に記載の方法。
[44]ヒト角膜内皮前駆細胞もしくは細胞凝集体を含む溶液、またはヒト角膜内皮様シートを注射器で前房内に注入する[35]〜[43]のいずれかに記載の方法。
[45]角膜内皮細胞の減少により角膜浮腫を来す疾患の治療に使われる[35]〜[44]のいずれかに記載の方法。
[46]前記疾患が、水疱性角膜症、先天性遺伝性角膜内皮ジストロフィー、フックス角膜内皮ジストロフィー、滴状角膜、後部多形性角膜ジストロフィー、虹彩角膜内皮症候群または角膜移植後の移植不全である[45]に記載の方法。
[47]水疱性角膜症が、内眼手術後、レーザー虹彩切開術後、ぶどう膜炎後、または外傷後の水疱性角膜症である[46]に記載の方法。
本発明によれば、ヒト角膜内皮組織由来のヒト角膜内皮前駆細胞を提供することができる。さらに、角膜内皮細胞由来の幹細胞様細胞である細胞の凝集体を提供することができ、これらの前駆細胞や細胞凝集体は、角膜実質(角膜内皮細胞の基底膜であるデスメ膜)上に移植すると、容易に定着し、角膜内皮の機能を有する膜を形成する。これにより、角膜移植によらずに角膜内皮の再生が可能となる。
[ヒト角膜内皮組織由来のヒト角膜内皮前駆細胞]
本発明は、ヒト角膜内皮組織由来のヒト角膜内皮前駆細胞に関する。ヒト角膜内皮組織由来とは、ヒト角膜内皮組織を原料として、培養により得られたことを意味する。また、ヒト角膜内皮組織はヒト角膜内皮細胞単層とデスメ膜を含むものである。
本発明のヒト角膜内皮前駆細胞は、好ましくはネスチンに陽性であり、かつBrdU(bromodeoxyuridine)に陽性である。ネスチンに陽性であることは、本形質を有するヒト角膜組織由来のヒト角膜内皮前駆細胞が、多能性と増殖能を有する未分化の状態に留まっていることを意味する。
また、BrdUに陽性であることは、細胞が増殖活性を有することを意味する。
本発明のヒト角膜内皮前駆細胞は、ヒト角膜内皮組織をヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養することで得られる。より具体的には、ヒト角膜内皮細胞を含む組織を、ウシ胎児血清、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養することができる。
培地としてはM199、DMEM、HamF12、DMEM/F12、TC199、OptiMEMなど通常の培地を用いることができる。ウシ胎児血清に代わり、無血清培地(ACF、HSM培地など)を用いることも可能であり、培養中の増殖能の増強にはヒト血清を1〜10%濃度で添加した培地で実施することもできる。
グルコースを含有する培地のグルコース濃度は、通常のグルコース含有培地におけるグルコース濃度よりも低濃度であり、2.0 g/L 以下であることが好ましく、具体的には、0.1〜2.0g/Lの範囲、より好ましくは0.1〜1.0g/L範囲とする。
ウシ胎児血清(FBS)の濃度は、例えば、10〜15%とする。
成長因子としては、例えば、B細胞増殖因子(BCGF)、上皮成長因子(EGF)、組換えEGF(rEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)が挙げられ、1つ又は複数の因子を適宜組み合わせて培地に含有させることができる。これらの成長因子の含有濃度は、1〜5ng/ml、好ましくは1〜2ng/mlである。
培養温度は35〜38℃、好ましくは37℃である。そして、90〜100%湿潤(好ましくは100%湿潤)、5〜10%CO2(好ましくは10%CO2)のインキュベータ内で培養する。細胞が集密になった段階(飽和状態7〜10日後)で継代する。継代は、細胞増殖の状態を観察しながら適宜行うが、2回〜10回程度継代するとよい。
[ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体]
本発明は、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体に関する。
ヒト角膜内皮細胞由来とは、ヒト角膜内皮細胞をヒト角膜組織より角膜内皮単層を有するデスメ膜を剥離し、酵素学的処理にて内皮細胞を分離して得られることを意味する。また、細胞凝集体は、球状を呈し、球状細胞塊またはスフェロイドと呼ぶこともできる。ここで球状とは、真に球形であること以外に、球状に類する形状であることも含む。本発明における球状体の断面は、同心円または同心多角形である場合の他、いびつな円(例えば、楕円やラグビーボール状等)やいびつな多角形(例えば、6角形以上)であることもできる。
この細胞凝集体は、例えば、直径が30〜500μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは直径が30〜300 μmの範囲であり、さらに好ましくは直径が30〜100 μmの範囲である。細胞凝集体は、後述するように例えば、角膜内皮前駆細胞のような未分化の状態の細胞を浮遊培養することで、同種の性質、即ち、未分化能を有する細胞が集まって凝集体を形成し、凝集体を形成することで後の細胞の生育を容易にし得るものである。
本発明の細胞凝集体は、さらに、ネスチンに陽性であり、α-SMA(α-smooth muscle actin )に陽性であり、かつBrdUに陽性であることが好ましい。ネスチンに陽性であることは、細胞凝集体を構成する細胞が、多能性と増殖能を有する未分化の状態に留まっていることを意味する。α-SMAに対して陽性であることは、間葉系由来の筋繊維芽細胞系列の細胞を含むことを示す。また、BrdUに陽性であることは、細胞が増殖活性を有することを意味する。
本発明の細胞凝集体は、細胞外基質をコートした培養器で(3〜10日間)培養するとネスチンに対して陽性である細胞の数が5%以下になる。培養のより具体的な条件は以下の通りである。
浮遊培養開始から6〜8日目の角膜内皮前駆細胞を、細胞外基質で被覆したカバーグラスに播種し、FBS約1%とEGF約20ng/ml、bFGF約20ng/mlを添加した培地においてさらに7日間培養する。細胞外基質には例えば、10μg/mlのフィブロネクチンを用いることができる。
ネスチンに対して陽性である細胞の数が5%以下になる理由は以下の通りである。ヒト角膜組織由来のヒト角膜内皮前駆細胞に関らず、未分化の幹細胞様細胞、即ち多能性と増殖能を有する未分化の状態に細胞が留まっていることの指標としてネスチン陽性であることが広く知られている。角膜内皮前駆細胞を多く含有する細胞凝集体を上記培養条件下に接着培養することでヒト角膜内皮様細胞への分化が生じた結果、ネスチンに対して陽性である細胞の数が5%以下になったものと解釈される。
本発明の内、培養によって得られる細胞凝集体は、β-IIIチュブリンおよびGFAP(glial fibrillary acidic protein)に対して陰性である。β-IIIチュブリンに対して陰性であることは、神経系細胞の中のニューロン細胞系列の細胞を含まないことを示す。GFAPに対して陰性であることは、グリア細胞系列の細胞を含まないことを意味する。言い換えると角膜内皮細胞系列に属する未分化の幹細胞様の角膜内皮前駆細胞を主成分とすることを示す。
本発明の細胞凝集体は、幹細胞様の細胞の凝集体であり、角膜上に移植すると、定着可能であり、定着後は、角膜内皮細胞と同等の機能、即ち、角膜内の水分含有率を適切に維持する機能を有するものになる。この点は、実施例においてさらに説明する。
本発明の細胞凝集体は、培養すると形態が多角形を呈し、複数の細胞からヒト角膜内皮様シートを形成し得る。このヒト角膜内皮様シートは、正常のヒト角膜内皮層は同等のトランスポート活性を有する。
以下に本発明のヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法について説明する。
本発明の細胞凝集体の作製は、前記ヒト角膜内皮組織由来の前駆細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養する、ことで行うことができる。
ヒト角膜内皮細胞を、直接増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することもできるが、細胞凝集体の生産効率が悪い場合がある。
また、培養を経ないで細胞凝集体を作製することもできる。但し、前駆細胞を浮遊培養した方が多くの細胞凝集体を得ることができ、好ましい。前駆細胞を経ないで細胞凝集体を作製する場合、角膜内皮細胞をコラゲナーゼ(例えば、0.02%)で溶解し、単一細胞を得た後、上記と同様に増殖因子を含有する培地中で浮遊培養を行うことができる。コラゲナーゼによる溶解は、例えば、37℃のCO2インキュベーターで一晩行うことができる。
上記前駆細胞を浮遊培養する方法では、前駆細胞の浮遊培養は、増殖因子を含有する培養液中で行う。増殖因子は、例えば、B27、表皮増殖因子(EGF)及び塩基性線維芽増殖因子(bFGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることができる。培養液中の増殖因子の濃度は、例えば、10〜60 ng/mlであり、好ましくはB27及び表皮増殖因子(EGF)の場合は、約20 ng/mlとし、塩基性線維芽増殖因子(bFGF)の場合は、約40 ng/mlとすることができる。
B27はもともと海馬、その他の中枢神経系ニュ−ロンを長期安定、培養するために開発された血清の代替え添加物である。無血清でなければ細胞が未分化な状態を保てないという点から、本細胞培養は無血清で行う必要がある。このため血清の代替であるB27を必要とする。
前記培養液には、細胞の再凝集を防ぐために、メチルセルロースゲルマトリクスを含有することもできる。但し、メチルセルロースゲルマトリクスを含有すると、スフェアの回収率が低下する場合があるので、メチルセルロースゲルマトリクスを用いる場合には、この点にも考慮して、その使用の有無、及び使用量を決定することが適当である。メチルセルロースゲルマトリクスを含有させる場合には、例えば、4.0〜15.0g/Lの範囲、より好ましくは6.0〜10.0g/L範囲とすることができる。
ヒト角膜内皮細胞の前駆細胞を、増殖因子を含有する培養液中で浮遊培養することで、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体が得られる。この細胞凝集体は、浮遊培養の期間に応じて成長し、例えば、直径が30〜500μmの範囲であることができる。
[ヒト角膜内皮様シート]
本発明は、上記本発明の細胞凝集体または本発明の方法で作製された細胞凝集体由来の内皮様細胞から構成され、前記内皮様細胞は、形態が多角形を呈するヒト角膜内皮様シートを包含する。
本発明のヒト角膜内皮様シートは、本発明の細胞凝集体をさらに培養することで作製され、細胞凝集体をさらに培養することで、細胞凝集体は、形態が多角形を呈する内皮様細胞となる。多角形とは、例えば、六角形であるが、正六角形である場合もあるが、六角形を構成する6つの角が等しくない場合や六角形を構成する6つの辺が等しくない場合もある。さらに六角形を構成する6つの辺は、直線ではなく曲線(例えば、弓状)である場合もある。
本発明のヒト角膜内皮様シートを構成する細胞密度は、好ましくは2000細胞/mm2以上であり、より好ましくは2500〜4000細胞/mm2の範囲であり、さらに好ましくは3000〜4000細胞/mm2の範囲である。細胞密度が低すぎると、本来の角膜内皮組織のポンプ機能に比べ、移植されたヒト角膜内皮様シートのポンプ機能が不全となり、水分の排泄が不十分となり角膜厚が厚いままに角膜が不透明な白濁状態が続く可能性がある。仮に透明性が確保されても透明性維持期間が短くなり治癒期間が短く、再発に至るという問題がある。細胞密度が高すぎるは、シートの作製が困難になる傾向がある。
本発明のヒト角膜内皮様シートは、トランスポート活性を有し、特に、このトランスポート活性は、正常のヒト角膜内皮層と同等のトランスポート活性である。正常のヒト角膜内皮層と同等のトランスポート活性を有することは、このシートを移植することで、シートが定着すれば、ヒト角膜内皮の代用物として機能し得ることを意味する。
ヒト角膜内皮様シートは、例えば、適当な支持体、好ましくは支持シートの上で、本発明の前駆細胞または細胞凝集体、好ましくは細胞凝集体を例えば、10%FBSを含有するDMEM中で培養することで作製できる。より具体的には、ヒト角膜内皮様シートは、本発明の前駆細胞または球状細胞塊を0.05%トリプシン/0.02% EDTAで分散し、単一細胞を得る。得られた単一細胞を3000細胞/mm2の密度で適当な支持体上に播種し、10-15%FBSを含有する培養液、例えばDMEM中で、37℃、5%CO2の条件下で2−4日培養することで作製できる。あるいは、前駆細胞または球状細胞塊をそのまま適当な支持体上に5-20個/mm2の密度で播種し10-15%FBSを含有する培養液中、37℃、5%CO2の条件下で5−10日培養することでも作製できる。
支持体状に形成されたヒト角膜内皮様シートは、内皮様細胞が互いに隣接し一層の細胞層を構成したものであり、厚みは例えば、約5〜20μmの範囲である。
[移植する方法]
本発明は、本発明の作製方法により作製された前駆細胞もしくは細胞凝集体、またはヒト角膜内皮様シートを前房内に移植する方法も包含する。この方法では、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シートを前房内に注入し、注入した前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シートをデスメ膜に付着させる。以下、細胞凝集体を例に説明する。
細胞凝集体を含む溶液は、より具体的には、注射器で前房内に注入することができる。細胞凝集体注入用の管は、角膜実質内を貫通する距離が、角膜実質の膜厚より大きくなるように行うことが好ましい。即ち、眼内への挿入は、注射針をできるだけ水平に角膜を穿刺し、角膜実質内で出来るだけ長いトンネルを作製することが好ましい。こうすることで、移植後の前房水の漏出を防止することができる。細胞凝集体を含む溶液の媒体は、例えば、リン酸緩衝液またはBSSプラス(アルコン)であることができる。
また、空気を注入しないで細胞凝集体を前房内へ注入しても細胞凝集体のデスメ膜への付着はえられるが、前房内に空気を注入した後に、細胞凝集体の前房内への注入を行うことが好ましい。細胞凝集体の前房内への注入の前に前房内に空気を注入してうつ伏せにした後に注入を行うことで、より効率よく注入した細胞凝集体をデスメ膜に付着させることができる。
前駆細胞または細胞凝集体は、生分解性を有する支持物質との混合物として、または生分解性を有する支持体に付着させた形態で、前房内への移植されることもできる。
支持物質は、生体適合性を有するバイオポリマーであればいずれも適用可能であるが、コラーゲン(タイプIもしくはタイプIV)スポンジ微粒子もしくはゼラチン微粒子などは角膜内皮前駆細胞の培養基材として特に優れている。あるいは2−メタクリロイルイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)からなるMPCポリマー微粒子なども用いることもできる。支持物質への内皮前駆細胞や本発明になる浮遊細胞の接着が優れ、細胞毒性を示さない物資であれば本発明に使用することは可能である。支持物質とともに移植することで前房内での細胞滞留時間の延長やデスメ膜への細胞の付着が促進される。結果として移植された角膜内皮前駆細胞のデスメ膜状での増殖分化が促進される。
支持体としては、コラーゲン薄膜(タイプIもしくはタイプIV)、ゼラチン薄膜、羊膜、セルロース薄膜など角膜内皮細胞の培養基材として用いうるものであれば種類を問わない。あるいはそれらを5〜10μmの厚さに加工したものであってもよい。生体適合性を有するものであれば、2-メタクリロイルイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)からなるMPCポリマーのような人工培養基材として用いられる物質で作成された薄膜でも適用可能である。支持体の大きさは、0.5mm〜10mm系の円形でも0.5mm〜10mm辺長の四角形でも形状は問わない。
さらに支持体の上で作成された細胞シートは酵素などの生物化学的手法もしくはレーザーなどの物理的手法で薄膜化し細胞シートとして移植することも可能である。
さらに、細胞凝集体の前房内への注入後、移植を行った患者を所定時間うつ伏せ状態を維持することが好ましい。所定時間とは、例えば、6〜24時間である。こうすることでも、注入した細胞凝集体をより良好にデスメ膜に付着させることができる。
1回の移植における細胞凝集体の注入量は、移植を必要とする患者の状況に応じて適宜決定できるが、例えば、細胞凝集体30〜200個の範囲であることができる。
本発明の細胞凝集体を前房内に移植する方法によれば、前房内に注入した細胞凝集体をデスメ膜に付着させることができ、デスメ膜に角膜内皮層を再生することができる。細胞凝集体以外の前駆細胞やヒト角膜内皮様シートの場合も同様である。
本発明の前駆細胞、細胞凝集体、またはヒト角膜内皮様シートを前房内に移植する方法は、角膜内皮細胞の減少により角膜浮腫を来すすべての疾患に対して有効である。具体的には、例えば、水疱性角膜症(例えば、内眼手術後、レーザー虹彩切開術後、ぶどう膜炎後、外傷後など)、先天性遺伝性角膜内皮ジストロフィー、フックス角膜内皮ジストロフィー、滴状角膜、後部多形性角膜ジストロフィー、虹彩角膜内皮症候群、角膜移植後の移植不全などを挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。
実施例1
[ヒト角膜内皮細胞の前駆細胞の作製]
角膜内皮細胞は、全層角膜移植手術使用後の強角膜片からデスメ膜ごと採取し、初代培養を行った。培養は、15%FBS添加DMEMを用い、100%湿潤、5%CO2存在下で行った。細胞密度が飽和状態になった培養内皮細胞を細胞皿より剥離し3継代培養し、前駆細胞を得た。
実施例2
[培養角膜内皮細胞からの細胞凝集体の作製]
細胞培養技術としては、ニューロスフェア法を用いた。培養液には、細胞の再凝集を防ぐために、メチルセルロースゲルマトリックスを8g/mL添加したものを使用した。基礎培地としては、20ng/mLのB27(インビトロゲン(Invitrogen)、サンディエゴ、CA)、20ng/mLの上皮増殖因子(EGF、シグマ(Sigma))、および40ng/mLの塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF、シグマ(Sigma))を添加した、DMEM/F12(1:1、シグマ(Sigma)) 使用した。未被覆の24穴培養プレート中で、保存細胞(前駆細胞)を、50Cells/μlの細胞(1ウェル当たり50,000細胞)播種した。この条件下では、細胞の再凝集は起こらない。CO2濃度は5%であった。
培養7日後に、細胞が成長して細胞凝集体が生成した。図1に、培養開始、初日(0日)、3日、5日及び7日の細胞凝集体の様子を示す。培養7日目の細胞凝集体の直径は約400μmであった。
7日の細胞凝集体についてBrdUに対する染色を検討した。BrdU染色には、マウス抗-5ブロモ2'-デオキシウリジン(BrdU)/蛍光mAbを第1抗体として用い、第2抗体として蛍光標識抗マウスIgGおよび蛍光標識抗ゴートIgGを用いて、蛍光顕微鏡により蛍光を観察した。その結果、7日の細胞凝集体は、BrdUに対する染色に対してポジティブであった。
さらに、7日の細胞凝集体についてネスチン、α-SMA、β-IIIチューブリン、GFAP(glial fibrillary acidic protein)に対する染色についても検討した。第1抗体として、ネスチンにはマウス抗ネスチンmAbを用い、α-SMAにはマウス抗α-平滑筋アクチンmAbを用い、β-IIIチューブリンにはラビット抗β-IIIチューブリンポリクローナルを用い、GFAPにはラビット抗GFAPpAbを用いた。第2抗体としては、蛍光標識抗マウスIgGおよび蛍光標識抗ゴートIgGを用い、蛍光顕微鏡により蛍光を観察した。その結果、7日の細胞凝集体は、ネスチンおよびα-SMAに対してはポジティブであり、β-IIIチューブリンおよびGFAPについてはネガティブであった。
実施例3
[培養角膜内皮細胞からの幹細胞様細胞の移植]
上記実施例2で得られた細胞凝集体を、クライオペキシにより角膜内皮細胞を脱落させたウサギ眼の前房内に注射器を用いて移植した。即ち、前記方法で得られた30〜500μm範囲の細胞凝集体をすべて採取し、細胞が付着しないようにPBSの入ったコーティングなしの60ミリ細胞皿に回収した。その後、遠心して液交換せず、実体顕下で球状細胞を回収し、PBSを入れ替えることで、数回PBSで洗浄した。1眼につき30〜200個の細胞凝集体を含んだ300マイクロリットルの溶液を前房内へ注入した。その際の使用ゲージは27または30Gであった。移植後、24時間うつ伏せに保ち、細胞凝集体を角膜実質上に固定させた(図2参照)。
移植後の角膜厚を測定し、角膜内皮細胞を脱落させ移植しなかった対照群と比較した。結果を図3に示す。対照群の角膜厚は、大きな変化がなかったのに対し、細胞凝集体の移植群では、28日後には、移植前とほぼ同じ角膜厚になり、移植した細胞凝集体が角膜内皮細胞と同様の機能、即ち、角膜内の水分含有率を適切に維持する機能を果たしていることを示した。また、移植28日後の移植例及び対照例の写真を図4に示す。移植例では、角膜の透明性が確認でき、移植した細胞凝集体が分化して形成された角膜内皮様細胞層が角膜内皮細胞と同様の機能を果たしていることを示した。それに対し、対照例では角膜が白濁しているのが分かる。
実施例4
[ヒト角膜内皮様シートの作製]
5回継代を行った培養ヒト角膜内皮細胞を用いて細胞凝集体を作成した後にその細胞凝集体を用いてヒト角膜内皮細胞シートを得た。具体的には以下のように行った。培養角膜内皮細胞を3000細胞/mm2の密度で適当な羊膜上に播種し、10%FBSを含有するDMEM中で、37℃、5%CO2の条件下で2日培養することで作製した(培養内皮群)。培養角膜内皮細胞を本発明の前駆細胞または細胞凝集体を得る方法で7日間浮遊培養した後、0.05% trypsin/0.02% EDTAで分散し、得られた単一細胞を3000細胞/mm2の密度で羊膜上に播種し、10%FBSを含有するDMEM中で、37℃、5%CO2の条件下で2日培養することで作製した(細胞凝集体由来内皮群)。
得られた細胞凝集体由来内皮群シートの播種直後(図6A)および播種後2日目(図6B)の細胞シートを示す。また、得られたシートの内皮細胞密度を測定した。培養内皮群では、平均細胞密度 2819 ± 124 cells/mm2を得たのに対し、細胞凝集体由来内皮群では3819 ± 192を得、細胞凝集体由来内皮群の方が有意に高い内皮細胞密度を得た。(p = 0.00051, unpaired t-test)
この結果から、細胞凝集体を一度作成し、その細胞凝集体由来の内皮様細胞を用いることで、より高い細胞密度と内皮細胞様の高い六角形細胞比率を有する培養角膜内皮細胞シートを作成ことができることが分かる。
実施例5
[細胞の増殖能および細胞形態]
実施例2で得られた細胞凝集体の細胞と培養ヒト角膜内皮細胞由来の細胞の増殖能、角膜上皮細胞の混入の有無および細胞の形態を検討した。結果を図7に示す。
細胞シートを4%パラホルムアルデヒドで10分間固定した。細胞増殖能を検討するための細胞シートは、固定前に10 μM/mL bromodeoxyuridine (BrdU)で一晩反応した。これらの細胞シートは、抗体の非特異的反応を防ぐため、3%血清、0.3% Triton X-100含有PBSで30分間反応後、BrdUで反応した細胞シートは、FITC標識抗BrdU抗体(1:100; Roche Diagnostics)で2時間反応した。他の細胞シートは、角膜上皮細胞の混入の有無を検討するためマウス抗cytokeratin 3 抗体(1:10000,AE-5, Progen Biotechnik GMBH)で, また細胞形態を検討するためウサギ抗ヒト-ZO-1 抗体(1:400; Zymed)で2時間反応した後、FITC標識抗マウス抗体(Alexa Fluor 488, 1:2000; Molecular Probes)およびPE標識抗ウサギ抗体(Alexa Fluor 594, 1:400; Molecular Probes)でそれぞれ標識し、蛍光顕微鏡で観察した。
これらは同一細胞由来で、A,B,Cは細胞凝集体から作成した内皮細胞群、D,E,Fは培養ヒト内皮細胞群である。BrdU染色の結果、細胞の増殖能を示すBrdU陽性細胞は、球状細胞から作成した内皮細胞群(A)で培養ヒト内皮細胞群(D)より多かった。また両群で角膜上皮細胞に認められるCytokeratin 3陽性細胞は検出されなかった(B,E)。細胞の形態は、細胞凝集体から作成した内皮細胞群Cでは非常に綺麗な六角形細胞であるのに対し、培養ヒト内皮細胞群Fは、不定の細胞形態が多く認められた。
B群で作製した培養角膜内皮細胞シートのトランスポート活性を電位差および短絡電流の経時変化を測定することで調べた。電位差および短絡電流の1、5および10分後の値は、正常なヒト角膜内皮層の値の約80〜100%の範囲で推移した。このことは、B群で作製した培養角膜内皮細胞シートが、適当なトランスポート活性を有することを示す。
本発明のヒト角膜内皮細胞由来の前駆細胞と細胞凝集体の調製方法は、移植及び定着可能なヒト角膜内皮幹細胞前駆細胞との細胞凝集体を提供するものである。さらに、ヒト角膜内皮幹細胞前駆細胞との細胞凝集体からヒト角膜内皮様シートを得ることもでき、このシートも移植及び定着可能である。本発明はヒト角膜内皮の再生医療の分野に非常に有用である。
培養開始、初日(0日)、3日、5日及び7日のスフェア状の細胞の様子を示す。 幹細胞様細胞を移植し、角膜実質上に固定させる方法の説明図。 幹細胞様細胞を移植した後の角膜厚の変化の測定結果。 移植28日後の移植例及び対照例の写真。 角膜の断面説明図。 実施例4において作製した細胞凝集体由来のヒト角膜内皮様 シートの写真。 実施例5における細胞の増殖能の試験結果(蛍光画像)。

Claims (47)

  1. ヒト角膜内皮組織由来のヒト角膜内皮前駆細胞。
  2. ヒト角膜内皮組織が角膜内皮細胞単層とデスメ膜を含む請求項1に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
  3. ネスチンに陽性であり、かつBrdUに陽性である請求項1または2に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
  4. 角膜上に移植した場合に、角膜上に定着可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
  5. ヒト角膜内皮組織をヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養することで得られる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
  6. ヒト角膜内皮組織をヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養することを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞の作製方法。
  7. ヒト角膜内皮組織の培養を、初代培養及び2〜10回の継代培養として行う請求項6に記載の作製方法。
  8. ヒト角膜内皮細胞の培養が、37℃、5〜10%CO2の条件で行われる請求項6または7に記載の作製方法。
  9. 培養ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体。
  10. 直径が30〜500μmの範囲である請求項9に記載の細胞凝集体。
  11. ネスチンに陽性であり、α-SMAに陽性であり、かつBrdUに陽性である請求項9または10に記載の細胞凝集体。
  12. 角膜上に移植した場合に、角膜上に定着可能である請求項9〜11のいずれか1項に記載の細胞凝集体。
  13. 細胞外基質をコートした培養器で3〜10日間培養するとネスチンに対して陽性である細胞の数が5%以下になる請求項9〜12のいずれか1項に記載の細胞凝集体。
  14. β-IIIチュブリンおよびGFAPに対して陰性である請求項9〜13のいずれか1項に記載の細胞凝集体。
  15. 培養すると形態が多角形を呈し、複数の細胞凝集体からヒト角膜内皮様シートを形成し得る請求項9〜14のいずれか1項に記載の細胞凝集体。
  16. ヒト角膜内皮様シートは、正常のヒト角膜内皮層は同等のトランスポート活性を有する請求項15に記載の細胞凝集体。
  17. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞または請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法により作製されるヒト角膜内皮前駆細胞を浮遊培養することで得られる請求項9〜16のいずれか1項に記載の細胞凝集体。
  18. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞または請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法により製造されるヒト角膜内皮前駆細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
  19. ヒト角膜内皮細胞を、ヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養し、次いで得られた細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
  20. ヒト角膜内皮細胞の培養を、初代培養及び2〜10回の継代培養として行う請求項19に記載の作製方法。
  21. ヒト角膜内皮細胞の培養が、37℃、5〜10%CO2の条件で行われる請求項19または20に記載の作製方法。
  22. グルコースを含有する培地のグルコース濃度が2.0 g/L 以下である請求項19〜21のいずれか1項に記載の作製方法。
  23. 成長因子がB細胞増殖因子(BCGF)、上皮成長因子(EGF)、組換えEGF(rEGF)及び線維芽細胞増殖因子(FGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項19〜22のいずれか1項に記載の作製方法。
  24. 増殖因子が、B27、表皮増殖因子(EGF)及び塩基性線維芽増殖因子(bFGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項18〜23のいずれか1項に記載の作製方法。
  25. 角膜内皮細胞をコラゲナーゼで溶解して単一細胞を得、次いで得られた細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
  26. 増殖因子が、B27、表皮増殖因子(EGF)及び塩基性線維芽増殖因子(bFGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項25に記載の作製方法。
  27. 細胞凝集体は、直径が30〜500μmの範囲である請求項18〜26のいずれか1項に記載の作製方法。
  28. 請求項8〜17のいずれか1項に記載の細胞凝集体または請求項18〜27のいずれか1項に記載の方法で作製された細胞凝集体由来のヒト角膜内皮様細胞から構成されるヒト角膜内皮様シートであって、前記内皮様細胞は、形態が多角形を呈する前記シート。
  29. 多角形が六角形である請求項28に記載のシート。
  30. 平均細胞密度が2000細胞/mm2以上である請求項28または29に記載のシート。
  31. トランスポート活性を有する請求項28〜30のいずれか1項に記載のシート。
  32. 前記トランスポート活性は、正常のヒト角膜内皮層と同等のトランスポート活性である請求項31に記載のシート。
  33. ヒト角膜内皮様シートは、生分解性を有する支持体に付着させた形態である請求項28〜32のいずれか1項に記載のシート。
  34. 支持体が羊膜、コラーゲン膜, セルロース膜、およびゼラチン膜からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項33に記載のシート。
  35. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞または請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法により作製されたヒト角膜内皮前駆細胞を前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記前駆細胞を前房内に注入し、注入したヒト角膜内皮前駆細胞をデスメ膜に付着させる方法。
  36. 請求項9〜17のいずれか1項に記載の細胞凝集体または請求項18〜27のいずれか1項に記載の方法により作製された細胞凝集体を前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記細胞凝集体を前房内に注入し、注入した細胞凝集体をデスメ膜に付着させる方法。
  37. 1回の移植におけるヒト角膜内皮前駆細胞の注入量が5,000〜50,000個の範囲であるか、または細胞凝集体の注入量が、細胞凝集体30〜200個の範囲である請求項35または36に記載の方法。
  38. ヒト角膜内皮前駆細胞または細胞凝集体が、生分解性を有する支持物質との混合物として、前房内へ移植される請求項35〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 支持物質がコラーゲンスポンジまたはゼラチン微粒子である請求項38に記載の方法。
  40. 請求項28〜34のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮様シートを前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記ヒト角膜内皮様シートを前房内に注入し、注入したヒト角膜内皮様シートをデスメ膜に付着させる方法。
  41. ヒト角膜内皮前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シート注入用の管は、角膜実質内を貫通する距離が、角膜実質の膜厚より大きくなるように行う請求項35〜40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前房内に空気を注入し、うつ伏せにした後に、ヒト角膜内皮前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シートの前房内への注入を行う、請求項35〜41のいずれか1項に記載の方法。
  43. ヒト角膜内皮前駆細胞、球状細胞またはヒト角膜内皮様シートの前房内への注入後、所定時間うつ伏せ状態を維持する請求項42に記載の方法。
  44. ヒト角膜内皮前駆細胞もしくは細胞凝集体を含む溶液、またはヒト角膜内皮様シートを注射器で前房内に注入する請求項35〜43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 角膜内皮細胞の減少により角膜浮腫を来す疾患の治療に使われる請求項35〜44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記疾患が、水疱性角膜症、先天性遺伝性角膜内皮ジストロフィー、フックス角膜内皮ジストロフィー、滴状角膜、後部多形性角膜ジストロフィー、虹彩角膜内皮症候群または角膜移植後の移植不全である請求項45に記載の方法。
  47. 水疱性角膜症が、内眼手術後、レーザー虹彩切開術後、ぶどう膜炎後、または外傷後の水疱性角膜症である請求項46に記載の方法。
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