JP2006187281A - ヒト角膜内皮細胞由来の前駆細胞、細胞凝集体及びそれら作製方法、並びに前駆細胞および細胞凝集体の移植方法 - Google Patents
ヒト角膜内皮細胞由来の前駆細胞、細胞凝集体及びそれら作製方法、並びに前駆細胞および細胞凝集体の移植方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体。このヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体は、ヒト角膜内皮細胞を、ウシ胎児血清、成長因子、及びグルコースを含有する培地で培養し、次いで得られた細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することで作製できる。上記細胞凝集体または上記作製方法により作製された細胞凝集体を前房内に移植する方法。角膜実質に管を通し、この管を介して、前記細胞凝集体を前房内に注入し、うつ伏せにすることで注入した球状細胞をデスメ膜に付着させる。
【選択図】なし
Description
[1]ヒト角膜内皮組織由来のヒト角膜内皮前駆細胞。
[2]ヒト角膜内皮組織が角膜内皮細胞単層とデスメ膜を含む[1]に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
[3]ネスチンに陽性であり、かつBrdUに陽性である[1]または[2]に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
[4]角膜上に移植した場合に、角膜上に定着可能である[1]〜[3]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
[5]ヒト角膜内皮組織をヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養することで得られる、[1]〜[4]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
[6]ヒト角膜内皮組織をヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養することを含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞の作製方法。
[7]ヒト角膜内皮組織の培養を、初代培養及び2〜10回の継代培養として行う[6]に記載の作製方法。
[8]ヒト角膜内皮細胞の培養が、37℃、5〜10%CO2の条件で行われる[6]または[7]に記載の作製方法。
[9]培養ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体。
[10]直径が30〜500μmの範囲である[9]に記載の細胞凝集体。
[11]ネスチンに陽性であり、α-SMAに陽性であり、かつBrdUに陽性である[9]または[10]に記載の細胞凝集体。
[12]角膜上に移植した場合に、角膜上に定着可能である[9]〜[11]のいずれかに記載の細胞凝集体。
[13]細胞外基質をコートした培養器で3〜10日間培養するとネスチンに対して陽性である細胞の数が5%以下になる[9]〜[12]のいずれかに記載の細胞凝集体。
[14]β-IIIチュブリンおよびGFAPに対して陰性である[9]〜[13]のいずれかに記載の細胞凝集体。
[15]培養すると形態が多角形を呈し、複数の細胞凝集体からヒト角膜内皮様シートを形成し得る[9]〜[14]のいずれかに記載の細胞凝集体。
[16]ヒト角膜内皮様シートは、正常のヒト角膜内皮層は同等のトランスポート活性を有する[15]に記載の細胞凝集体。
[17][1]〜[5]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞または[5]〜[8]のいずれかに記載の方法により作製されるヒト角膜内皮前駆細胞を浮遊培養することで得られる[9]〜[16]のいずれかに記載の細胞凝集体。
[18][1]〜[5]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞または[6]〜[8]のいずれかに記載の方法により製造されるヒト角膜内皮前駆細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
[19]ヒト角膜内皮細胞を、ヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養し、次いで得られた細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
[20]ヒト角膜内皮細胞の培養を、初代培養及び2〜10回の継代培養として行う[19]に記載の作製方法。
[21]ヒト角膜内皮細胞の培養が、37℃、5〜10%CO2の条件で行われる[19]または[20]に記載の作製方法。
[22]グルコースを含有する培地のグルコース濃度が2.0 g/L 以下である[19]〜[21]のいずれかに記載の作製方法。
[23]成長因子がB細胞増殖因子(BCGF)、上皮成長因子(EGF)、組換えEGF(rEGF)及び線維芽細胞増殖因子(FGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である[19]〜[22]のいずれかに記載の作製方法。
[24]増殖因子が、B27、表皮増殖因子(EGF)及び塩基性線維芽増殖因子(bFGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[18]〜[23]のいずれかに記載の作製方法。
[25]角膜内皮細胞をコラゲナーゼで溶解して単一細胞を得、次いで得られた細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
[26]増殖因子が、B27、表皮増殖因子(EGF)及び塩基性線維芽増殖因子(bFGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[25]に記載の作製方法。
[27]細胞凝集体は、直径が30〜500μmの範囲である[18]〜[26]のいずれかに記載の作製方法。
[28][8]〜[17]のいずれかに記載の細胞凝集体または[18]〜[27]のいずれかに記載の方法で作製された細胞凝集体由来のヒト角膜内皮様細胞から構成されるヒト角膜内皮様シートであって、前記内皮様細胞は、形態が多角形を呈する前記シート。
[29]多角形が六角形である[28]に記載のシート。
[30]平均細胞密度が2000細胞/mm2以上である[28]または[29]に記載のシート。
[31]トランスポート活性を有する[28]〜[30]のいずれかに記載のシート。
[32]前記トランスポート活性は、正常のヒト角膜内皮層と同等のトランスポート活性である[31]に記載のシート。
[33]ヒト角膜内皮様シートは、生分解性を有する支持体に付着させた形態である[28]〜[32]のいずれかに記載のシート。
[34]支持体が羊膜、コラーゲン膜, セルロース膜、およびゼラチン膜からなる群から選ばれる少なくとも1種である[33]に記載のシート。
[35][1]〜[5]のいずれかに記載のヒト角膜内皮前駆細胞または[6]〜[8]のいずれかに記載の方法により作製されたヒト角膜内皮前駆細胞を前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記前駆細胞を前房内に注入し、注入したヒト角膜内皮前駆細胞をデスメ膜に付着させる方法。
[36][9]〜[17]のいずれかに記載の細胞凝集体または[18]〜[27]のいずれかに記載の方法により作製された細胞凝集体を前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記細胞凝集体を前房内に注入し、注入した細胞凝集体をデスメ膜に付着させる方法。
[37]1回の移植におけるヒト角膜内皮前駆細胞の注入量が5,000〜50,000個の範囲であるか、または細胞凝集体の注入量が、細胞凝集体30〜200個の範囲である[35]または[36]に記載の方法。
[38]ヒト角膜内皮前駆細胞または細胞凝集体が、生分解性を有する支持物質との混合物として、前房内へ移植される[35]〜[37]のいずれかに記載の方法。
[39]支持物質がコラーゲンスポンジまたはゼラチン微粒子である[38]に記載の方法。
[40][28]〜[34]のいずれかに記載のヒト角膜内皮様シートを前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記ヒト角膜内皮様シートを前房内に注入し、注入したヒト角膜内皮様シートをデスメ膜に付着させる方法。
[41]ヒト角膜内皮前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シート注入用の管は、角膜実質内を貫通する距離が、角膜実質の膜厚より大きくなるように行う[35]〜[40]のいずれかに記載の方法。
[42]前房内に空気を注入し、うつ伏せにした後に、ヒト角膜内皮前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シートの前房内への注入を行う、[35]〜[41]のいずれかに記載の方法。
[43]ヒト角膜内皮前駆細胞、球状細胞またはヒト角膜内皮様シートの前房内への注入後、所定時間うつ伏せ状態を維持する[42]に記載の方法。
[44]ヒト角膜内皮前駆細胞もしくは細胞凝集体を含む溶液、またはヒト角膜内皮様シートを注射器で前房内に注入する[35]〜[43]のいずれかに記載の方法。
[45]角膜内皮細胞の減少により角膜浮腫を来す疾患の治療に使われる[35]〜[44]のいずれかに記載の方法。
[46]前記疾患が、水疱性角膜症、先天性遺伝性角膜内皮ジストロフィー、フックス角膜内皮ジストロフィー、滴状角膜、後部多形性角膜ジストロフィー、虹彩角膜内皮症候群または角膜移植後の移植不全である[45]に記載の方法。
[47]水疱性角膜症が、内眼手術後、レーザー虹彩切開術後、ぶどう膜炎後、または外傷後の水疱性角膜症である[46]に記載の方法。
本発明は、ヒト角膜内皮組織由来のヒト角膜内皮前駆細胞に関する。ヒト角膜内皮組織由来とは、ヒト角膜内皮組織を原料として、培養により得られたことを意味する。また、ヒト角膜内皮組織はヒト角膜内皮細胞単層とデスメ膜を含むものである。
また、BrdUに陽性であることは、細胞が増殖活性を有することを意味する。
本発明は、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体に関する。
ヒト角膜内皮細胞由来とは、ヒト角膜内皮細胞をヒト角膜組織より角膜内皮単層を有するデスメ膜を剥離し、酵素学的処理にて内皮細胞を分離して得られることを意味する。また、細胞凝集体は、球状を呈し、球状細胞塊またはスフェロイドと呼ぶこともできる。ここで球状とは、真に球形であること以外に、球状に類する形状であることも含む。本発明における球状体の断面は、同心円または同心多角形である場合の他、いびつな円(例えば、楕円やラグビーボール状等)やいびつな多角形(例えば、6角形以上)であることもできる。
浮遊培養開始から6〜8日目の角膜内皮前駆細胞を、細胞外基質で被覆したカバーグラスに播種し、FBS約1%とEGF約20ng/ml、bFGF約20ng/mlを添加した培地においてさらに7日間培養する。細胞外基質には例えば、10μg/mlのフィブロネクチンを用いることができる。
本発明の細胞凝集体の作製は、前記ヒト角膜内皮組織由来の前駆細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養する、ことで行うことができる。
ヒト角膜内皮細胞を、直接増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することもできるが、細胞凝集体の生産効率が悪い場合がある。
本発明は、上記本発明の細胞凝集体または本発明の方法で作製された細胞凝集体由来の内皮様細胞から構成され、前記内皮様細胞は、形態が多角形を呈するヒト角膜内皮様シートを包含する。
本発明は、本発明の作製方法により作製された前駆細胞もしくは細胞凝集体、またはヒト角膜内皮様シートを前房内に移植する方法も包含する。この方法では、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シートを前房内に注入し、注入した前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シートをデスメ膜に付着させる。以下、細胞凝集体を例に説明する。
[ヒト角膜内皮細胞の前駆細胞の作製]
角膜内皮細胞は、全層角膜移植手術使用後の強角膜片からデスメ膜ごと採取し、初代培養を行った。培養は、15%FBS添加DMEMを用い、100%湿潤、5%CO2存在下で行った。細胞密度が飽和状態になった培養内皮細胞を細胞皿より剥離し3継代培養し、前駆細胞を得た。
[培養角膜内皮細胞からの細胞凝集体の作製]
細胞培養技術としては、ニューロスフェア法を用いた。培養液には、細胞の再凝集を防ぐために、メチルセルロースゲルマトリックスを8g/mL添加したものを使用した。基礎培地としては、20ng/mLのB27(インビトロゲン(Invitrogen)、サンディエゴ、CA)、20ng/mLの上皮増殖因子(EGF、シグマ(Sigma))、および40ng/mLの塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF、シグマ(Sigma))を添加した、DMEM/F12(1:1、シグマ(Sigma)) 使用した。未被覆の24穴培養プレート中で、保存細胞(前駆細胞)を、50Cells/μlの細胞(1ウェル当たり50,000細胞)播種した。この条件下では、細胞の再凝集は起こらない。CO2濃度は5%であった。
[培養角膜内皮細胞からの幹細胞様細胞の移植]
上記実施例2で得られた細胞凝集体を、クライオペキシにより角膜内皮細胞を脱落させたウサギ眼の前房内に注射器を用いて移植した。即ち、前記方法で得られた30〜500μm範囲の細胞凝集体をすべて採取し、細胞が付着しないようにPBSの入ったコーティングなしの60ミリ細胞皿に回収した。その後、遠心して液交換せず、実体顕下で球状細胞を回収し、PBSを入れ替えることで、数回PBSで洗浄した。1眼につき30〜200個の細胞凝集体を含んだ300マイクロリットルの溶液を前房内へ注入した。その際の使用ゲージは27または30Gであった。移植後、24時間うつ伏せに保ち、細胞凝集体を角膜実質上に固定させた(図2参照)。
[ヒト角膜内皮様シートの作製]
5回継代を行った培養ヒト角膜内皮細胞を用いて細胞凝集体を作成した後にその細胞凝集体を用いてヒト角膜内皮細胞シートを得た。具体的には以下のように行った。培養角膜内皮細胞を3000細胞/mm2の密度で適当な羊膜上に播種し、10%FBSを含有するDMEM中で、37℃、5%CO2の条件下で2日培養することで作製した(培養内皮群)。培養角膜内皮細胞を本発明の前駆細胞または細胞凝集体を得る方法で7日間浮遊培養した後、0.05% trypsin/0.02% EDTAで分散し、得られた単一細胞を3000細胞/mm2の密度で羊膜上に播種し、10%FBSを含有するDMEM中で、37℃、5%CO2の条件下で2日培養することで作製した(細胞凝集体由来内皮群)。
[細胞の増殖能および細胞形態]
実施例2で得られた細胞凝集体の細胞と培養ヒト角膜内皮細胞由来の細胞の増殖能、角膜上皮細胞の混入の有無および細胞の形態を検討した。結果を図7に示す。
Claims (47)
- ヒト角膜内皮組織由来のヒト角膜内皮前駆細胞。
- ヒト角膜内皮組織が角膜内皮細胞単層とデスメ膜を含む請求項1に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
- ネスチンに陽性であり、かつBrdUに陽性である請求項1または2に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
- 角膜上に移植した場合に、角膜上に定着可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
- ヒト角膜内皮組織をヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養することで得られる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞。
- ヒト角膜内皮組織をヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養することを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞の作製方法。
- ヒト角膜内皮組織の培養を、初代培養及び2〜10回の継代培養として行う請求項6に記載の作製方法。
- ヒト角膜内皮細胞の培養が、37℃、5〜10%CO2の条件で行われる請求項6または7に記載の作製方法。
- 培養ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体。
- 直径が30〜500μmの範囲である請求項9に記載の細胞凝集体。
- ネスチンに陽性であり、α-SMAに陽性であり、かつBrdUに陽性である請求項9または10に記載の細胞凝集体。
- 角膜上に移植した場合に、角膜上に定着可能である請求項9〜11のいずれか1項に記載の細胞凝集体。
- 細胞外基質をコートした培養器で3〜10日間培養するとネスチンに対して陽性である細胞の数が5%以下になる請求項9〜12のいずれか1項に記載の細胞凝集体。
- β-IIIチュブリンおよびGFAPに対して陰性である請求項9〜13のいずれか1項に記載の細胞凝集体。
- 培養すると形態が多角形を呈し、複数の細胞凝集体からヒト角膜内皮様シートを形成し得る請求項9〜14のいずれか1項に記載の細胞凝集体。
- ヒト角膜内皮様シートは、正常のヒト角膜内皮層は同等のトランスポート活性を有する請求項15に記載の細胞凝集体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞または請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法により作製されるヒト角膜内皮前駆細胞を浮遊培養することで得られる請求項9〜16のいずれか1項に記載の細胞凝集体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞または請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法により製造されるヒト角膜内皮前駆細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
- ヒト角膜内皮細胞を、ヒト血清、動物血清または無血清の条件下で、成長因子及びグルコースを含有する培地で培養し、次いで得られた細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
- ヒト角膜内皮細胞の培養を、初代培養及び2〜10回の継代培養として行う請求項19に記載の作製方法。
- ヒト角膜内皮細胞の培養が、37℃、5〜10%CO2の条件で行われる請求項19または20に記載の作製方法。
- グルコースを含有する培地のグルコース濃度が2.0 g/L 以下である請求項19〜21のいずれか1項に記載の作製方法。
- 成長因子がB細胞増殖因子(BCGF)、上皮成長因子(EGF)、組換えEGF(rEGF)及び線維芽細胞増殖因子(FGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項19〜22のいずれか1項に記載の作製方法。
- 増殖因子が、B27、表皮増殖因子(EGF)及び塩基性線維芽増殖因子(bFGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項18〜23のいずれか1項に記載の作製方法。
- 角膜内皮細胞をコラゲナーゼで溶解して単一細胞を得、次いで得られた細胞を、増殖因子を含有する培地中で浮遊培養することを含む、ヒト角膜内皮細胞由来の細胞凝集体の作製方法。
- 増殖因子が、B27、表皮増殖因子(EGF)及び塩基性線維芽増殖因子(bFGF)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項25に記載の作製方法。
- 細胞凝集体は、直径が30〜500μmの範囲である請求項18〜26のいずれか1項に記載の作製方法。
- 請求項8〜17のいずれか1項に記載の細胞凝集体または請求項18〜27のいずれか1項に記載の方法で作製された細胞凝集体由来のヒト角膜内皮様細胞から構成されるヒト角膜内皮様シートであって、前記内皮様細胞は、形態が多角形を呈する前記シート。
- 多角形が六角形である請求項28に記載のシート。
- 平均細胞密度が2000細胞/mm2以上である請求項28または29に記載のシート。
- トランスポート活性を有する請求項28〜30のいずれか1項に記載のシート。
- 前記トランスポート活性は、正常のヒト角膜内皮層と同等のトランスポート活性である請求項31に記載のシート。
- ヒト角膜内皮様シートは、生分解性を有する支持体に付着させた形態である請求項28〜32のいずれか1項に記載のシート。
- 支持体が羊膜、コラーゲン膜, セルロース膜、およびゼラチン膜からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項33に記載のシート。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮前駆細胞または請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法により作製されたヒト角膜内皮前駆細胞を前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記前駆細胞を前房内に注入し、注入したヒト角膜内皮前駆細胞をデスメ膜に付着させる方法。
- 請求項9〜17のいずれか1項に記載の細胞凝集体または請求項18〜27のいずれか1項に記載の方法により作製された細胞凝集体を前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記細胞凝集体を前房内に注入し、注入した細胞凝集体をデスメ膜に付着させる方法。
- 1回の移植におけるヒト角膜内皮前駆細胞の注入量が5,000〜50,000個の範囲であるか、または細胞凝集体の注入量が、細胞凝集体30〜200個の範囲である請求項35または36に記載の方法。
- ヒト角膜内皮前駆細胞または細胞凝集体が、生分解性を有する支持物質との混合物として、前房内へ移植される請求項35〜37のいずれか1項に記載の方法。
- 支持物質がコラーゲンスポンジまたはゼラチン微粒子である請求項38に記載の方法。
- 請求項28〜34のいずれか1項に記載のヒト角膜内皮様シートを前房内に移植する方法であって、角膜実質に管を貫通し、貫通した管を介して、前記ヒト角膜内皮様シートを前房内に注入し、注入したヒト角膜内皮様シートをデスメ膜に付着させる方法。
- ヒト角膜内皮前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シート注入用の管は、角膜実質内を貫通する距離が、角膜実質の膜厚より大きくなるように行う請求項35〜40のいずれか1項に記載の方法。
- 前房内に空気を注入し、うつ伏せにした後に、ヒト角膜内皮前駆細胞、細胞凝集体またはヒト角膜内皮様シートの前房内への注入を行う、請求項35〜41のいずれか1項に記載の方法。
- ヒト角膜内皮前駆細胞、球状細胞またはヒト角膜内皮様シートの前房内への注入後、所定時間うつ伏せ状態を維持する請求項42に記載の方法。
- ヒト角膜内皮前駆細胞もしくは細胞凝集体を含む溶液、またはヒト角膜内皮様シートを注射器で前房内に注入する請求項35〜43のいずれか1項に記載の方法。
- 角膜内皮細胞の減少により角膜浮腫を来す疾患の治療に使われる請求項35〜44のいずれか1項に記載の方法。
- 前記疾患が、水疱性角膜症、先天性遺伝性角膜内皮ジストロフィー、フックス角膜内皮ジストロフィー、滴状角膜、後部多形性角膜ジストロフィー、虹彩角膜内皮症候群または角膜移植後の移植不全である請求項45に記載の方法。
- 水疱性角膜症が、内眼手術後、レーザー虹彩切開術後、ぶどう膜炎後、または外傷後の水疱性角膜症である請求項46に記載の方法。
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