JP2006186223A - チャック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料裏面とこれを保持するチャック装置の表面に異物が介在した場合でも、試料表面の平坦度を所望の平坦度にコントロールすることが可能なチャック装置を提供する。
【解決手段】チャック装置44を、試料の周辺部に環状に接触して異物の介在による試料の表面の平坦度に影響を防止する接触部65と、試料に吸着する接触部65にその径方向に張力を印加することにより接触部65に吸着される試料の平坦度を調整する張力印加手段70、72と、を備えて構成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、板状の試料を静電力により吸着保持する静電チャック装置や、真空吸着する真空チャック装置などのチャック装置に関し、特に半導体ウエハ等の試料を保持するために電子線露光装置等の半導体製造装置に使用される静電チャック装置に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化のニーズに伴い、回路パターンの一層の微細化が要望されている。現在、微細化の限界を規定しているのは主として露光装置であり、電子ビーム直接描画装置やX線露光装置などの新しい方式の露光装置が開発されている。
最近では新しい方式の露光装置として、量産レベルで超微細加工用に使用可能な電子線近接露光装置が開示されている(例えば特許文献1、およびこれに対応する日本国特許出願の特許文献2)。
図1は、特許文献1に開示された電子線近接露光装置の基本構成を示す図である。この図を参照して電子線近接露光装置について説明する。図示するように、電子線近接露光装置1は、その内部が高い真空状態に保たれた電子光学鏡筒(カラム)10と試料室(チャンバ)8とを備える。
そして、カラム10内には、電子ビーム15を発生する電子線源14と整形アパチャ18と電子ビーム15を平行ビームにする照射レンズ16とを有する電子銃12、対となる主偏向器21、22と、対となる副偏向器51、52とを含み、電子ビームを光軸に平行に走査する走査手段24が備えられる。
一方、チャンバ8内には、露光するパターンに対応する開口を有するマスク30と、このマスク30を保持するマスクステージ31と、静電チャック44と、XYステージ46とが備えられる。試料(半導体ウエハ)40は、表面にレジスト層42が形成され、静電チャック44上に保持されている。
マスク30は、厚い外縁部の中央部に、開口が形成された薄膜部を有しており、試料40は表面がマスク30に近接するように(例えば、マスク30と試料40との間隔が50μmとなるように)配置される。この状態で、マスク30に垂直に電子ビーム15を照射すると、マスク30の開口を通過した電子ビーム15が試料40の表面のレジスト層42に照射される。
走査手段24に含まれる主偏向器21及び22は、図2に示すように、電子ビーム15を、その光軸を電子銃12の光軸19に平行に保ったままマスク30の薄膜部全面で走査するように偏向制御する。このように電子ビーム15が薄膜部を全面走査することよりマスク30のマスクパターンが試料40上のレジスト層42に等倍転写される。
XYステージ46は、載置する試料40を水平の直交2軸方向(XY方向)に移動させるもので、マスクパターンの等倍転写が終了する毎に試料40を所定量移動させ、これにより1枚の試料40に複数のマスクパターンを転写できるようにしている。なおXYステージ46は、垂直方向(Z方向)を回転軸にして、試料40を回転させることも可能である。
走査手段24に含まれる副偏向器51、52は、マスク歪みを補正するように電子ビームのマスクパターンへの入射角度を制御(傾き補正)する。図3に示すように、電子ビーム15のマスク30への入射角度をα、露光用のマスク30と試料40との間隔をGとすると、入射角度αによるマスクパターンの転写位置のずれ量δは、次式、
δ=G・tanα
で表され、マスクパターンは、ずれ量δだけ正規の位置からずれた位置に転写される。したがって、露光用のマスク30に図4の(A)に示すようなマスク歪みがあっても、電子ビーム走査位置におけるマスク歪みに応じて電子ビームの傾き制御を行うことにより、このマスク歪みを、図4の(B)のように補正することが可能である。
図5の(A)は、試料室8内に設けられる静電チャック44及びXYステージ46の斜視図であり、図5の(B)は、静電チャック44の基本構成図である。
図5の(A)に示すように、一般に静電チャック44は、円板状の試料40を保持するために円形の上面(試料40との接触面)を有している。また、図5の(B)に示すように、静電チャック44は、誘電体などで形成される試料台61と、試料台61内部に設けられる電極62と、電源63とを備え、電源63により電極62に電圧を印加することにより、試料40並びに電極62との間に電荷を生じさせて、その静電力により試料40を吸着する。
米国特許第5,831,272号明細書 日本特許第2951947号公報
上記の電子線近接露光装置1のような、半導体製造工程で使用される露光装置では、試料40上に露光されるパターンは非常に微細であり試料40表面の平坦度がパターンの解像性に大きく影響する。一方で試料40の裏面には、半導体製造工程の過程においてその裏面に異物が付着する場合がある。試料40裏面に異物が付着すると図5の(C)に示すように、静電チャック44に吸着されたときに試料40が変形し、その表面の平坦度が変化してしまう。
そのため、静電チャック44表面には、試料40裏面との間に異物100を挟み込んでも試料40表面の平坦度に影響が出ないように、図5の(B)及び(C)に示すように試料40と接触する静電チャック44表面にディンプル64を加工する等により、試料40裏面と静電チャック44表面の接触面積を低減する対策が施されている。
しかしながら、上記対策は、試料40裏面に付着した異物と静電チャック44表面との間の接触確率、あるいは静電チャック44表面に付着した異物と試料40裏面との接触確率を下げているのみであり、一定の確率において、異物100の介在が試料40裏面の平坦度を変化させ、問題の根本的な解決にはなっていなかった。
上記問題点を鑑み、本発明は、試料裏面とこれを保持するチャック装置の表面に異物が介在した場合でも、試料表面の平坦度を所望の平坦度にコントロールすることが可能なチャック装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るチャック装置では、まず、介在した異物が試料の主要部である試料中央部付近の表面の平坦度に影響を及ぼさないようするために、試料とチャック装置との接触部分を環状に配置する。ここで、環状に配置された接触部分に支持された試料は自重により撓みが生じるので、試料表面の平坦度を所望の平坦度に補正するために、環状に配置された接触部に径方向の張力または圧力を印加することにより、接触部に吸着される試料の平坦度を変更する。
このため、本発明に係るチャック装置は、試料と接触する環状に配置された接触部と、試料を接触部に吸着させる吸着手段と、接触部に径方向の張力を印加して、接触部に吸着される試料の平坦度を変更する張力印加手段と、を備えて構成される。
張力印加手段は、伸長方向が上記の径方向となるように設けられる圧電素子を備えて構成されることとしてよく、または接触部に沿って設けられる環状の圧電素子で構成されてもよい。またこの圧電素子は、接触部がなす環の内側に設けられ、この環の内側を充填するように、その径方向に沿って積層されて設けられることとしてよい。
さらに上記の張力印加手段に加えて、またはこれに代えて、接触部に径方向の圧力を印加して、接触部に吸着される試料の平坦度を変更する圧力印加手段を備えることとしてよい。このとき、圧力印加手段は、伸長方向が上記の径方向となるように設けられる圧電素子を備えて構成されることとしてよく、またこの圧電素子は上記の径方向に沿って積層されて構成されることとしてよい。この圧電素子は、接触部がなす環の外側に設けられることとしてよい。
また、上記の張力印加手段もしくは圧力印加装置に加えて、またはこれに変えて、接触部を変形させることにより、接触部の接触面がなす環の内側部分と外側部分との、接触部の厚み方向についての位置の差を変えることにより、接触部に吸着される試料の平坦度を変更する変形手段を、備えることとしてよい。
この変形手段は、前記接触部に沿って環状に配置され、かつ前記接触面と反対の面に結合される圧電素子を備えて構成されることとしてよい。このときこの変形手段の圧電素子は、接触部がなす環の内側部分に設けられる部分と、環の外側部分に設けられる部分とで伸長量の異なるように構成されることとしてよい。
さらに、この変形手段の圧電素子は、接触部がなす環に沿って配置される環状の圧電素子で構成されることとしてよく、または、前記接触部がなす環に沿って配置される複数の圧電素子から構成されることとしてよい。
環状の接触部により試料を保持することにより、試料裏面への異物の付着による試料表面の平坦度への影響を防止することが可能となる。かつこの環状の接触部へ張力または圧力を加えることにより、接触部に吸着される試料の平坦度を変更して、かかる平坦度を所定の平坦度に調整することが可能となる。
接触部の接触面がなす環の内側部分と外側部分との、接触部の厚み方向についての位置の差を変えるように、接触部を変形させる変形手段を備えることにより、吸着される試料の平坦度を自由に変更することが可能となる。
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例を説明する。図6は、本発明の第1実施例に係るチャック装置の概略構成図である。以下の説明では、図1の電子線近接露光装置1において試料40を保持するために使用される静電チャックを例示するが、本発明に係るチャック装置は、電子線近接露光装置だけでなく他の用途に使用されるチャック装置に適用可能である。また、本発明に係るチャック装置は、静電力によって試料を保持する形式の静電チャック装置のみに限定されるものではなく、真空チャック等の他の形式のチャック装置にも適用可能である。
図6の(A)は、図1の電子線近接露光装置1の試料室8に設けられる、本発明の第1実施例に係る静電チャック44及びこれを載置するXYステージ46の斜視図であり、図6の(B)は、図6の(A)に示される静電チャック44の基本構成図である。
図示するように、静電チャック44は、誘電体などで形成される環状の試料台61と、試料台61内部に設けられる電極62と、電源63とを備える。
さらに、静電チャック44は、試料40との対向面に、試料40と接触する接触面を有する環状に配置された接触部65を備え、電源63により電極62に電圧を印加することにより、試料40並びに電極62との間に電荷を生じさせて、その静電力により試料40を接触部65に吸着する。試料40と接触する接触部65の接触面には、試料40との接触面積を低減するための、微細なディンプル又は微細な突起部を複数設けることとしてよい。
またさらに、静電チャック44は、環状の試料台61の内面に当接するように設けられ、上記の接触部65がなす環の径方向に伸長することにより、接触部65にその径方向の張力を印加するための圧電素子70と、外部制御装置(図示せず)からの制御信号に基づいて、圧電素子70に印加する電圧を制御することで圧電素子70の伸長量を制御するための圧電素子制御部72と、を備える。
図7を参照して、本実施例に係る静電チャック44の動作を説明する。静電チャック44は、図7の(A)に示すように、試料40を環状に配置された接触部65に吸着することによって試料40を保持する。ここで、接触部65は試料40の主要部分(例えば、上記の電子線近接露光装置1によりパターンが転写される転写範囲)である試料中央部を除く周辺部分で試料40を保持する。したがって、静電チャック44は、試料40との介在した異物100が、試料の主要部の表面の平坦度に影響を及ぼすことを防止することが可能である。
図7の(A)に示すように、試料40はその周辺部で支持されることにより自重による撓みが生じる。このたわみ量は試料40の寸法や素材の種類によって変動するため、例えば上記のような露光装置では、表面の平坦度の違いによる解像性能に悪影響を及ぼす恐れがある。
そこでこの試料40の自重による撓みを補正し、試料40表面を所望の平坦度に調整するために、試料40を接触部65に吸着した状態で、圧電素子制御部72は、接触部65のなす環の径方向に圧電素子70が伸長するように圧電素子70に駆動電圧を印加する。
圧電素子70が上記方向に伸長することにより、試料台61の内面に圧力を印加して、試料台61の上面に設けられた接触部65に張力を印加する。これにより、接触部65に保持された試料40にもその径方向に張力が加わり、自重による上記撓みを補正することが可能である。なお、ここに、圧電素子70と圧電素子制御部72とは、本発明に係る張力印加手段を成す。
試料40と接触する環状に配置される上記の接触部65は、様々な態様で、試料台61の試料40との対向面に設けることが可能である。図8の(A)〜(C)に、試料台61に設けられる接触部65の様々な態様の例を示す。
図8の(A)に示す例では、接触部65は、試料台61の試料40との対向面に環状に配置される複数の突起部又はディンプルとして設けられる。
また、図8の(B)に示す例では、試料台61の試料40との対向面を直接加工して、複数の突起部又はディンプルを環状に形成することにより接触部65が設けられる。
さらに、図8の(C)に示す例は、圧電素子70を環状の接触部65の内面に直接当接するように設け、上記試料台61を、圧電素子70及び接触部65の試料40との対向面と反対側に設けた態様である。
圧電素子70もまた、様々な態様で静電チャック44に設けることが可能である。図9及び図10に、圧電素子70の様々な態様の例を示す。図9の(A)に示す例では、圧電素子70は、試料台61又は接触部65が成す環の中空部分を充填するように設けられる。さらに圧電素子70は、試料台61又は接触部65が成す環の径方向の直線に沿って放射線状に分割される複数の圧電素子70A、70B、70C…から構成されている。そして個々の圧電素子70A、70B、70C…は、試料台61又は接触部65が成す環の径方向に沿って伸長するように方向付けされている。
図9の(B)に示すように、これら個々の圧電素子70A、70B、70C…は、さらに複数の圧電素子70A〜圧電素子70Aを、試料台61又は接触部65が成す環の径方向に沿って積層させて形成することとしてもよい。このように圧電素子70A、70B、70C…を形成することにより、圧電素子の伸長量を増大させることが可能である。
さらに、圧電素子70を図9の(A)に示す態様のように形成するのに加え、試料台61及び接触部65もまた、図9の(C)に示すように、これらが成す環の径方向に沿う分割線によって、放射線状に分割される複数の試料台61A、61B…、及び接触部65A、65B…から構成されることとしてよい。そして、試料台61A及び接触部65Aには、これに対応して配置される圧電素子70Aによって、また複数の試料台61B及び接触部65Bには、これに対応して配置される圧電素子70Bによって、というように、複数の試料台61A及び接触部65A、試料台61B及び接触部65B…を、それぞれこれに対応して設けられた圧電素子70A、70B、…によって個別に力を印加するように構成し、個々の圧電素子70A、70B、…の伸長量を個別に制御することにより、試料40表面の平坦度をより高い自由度において補正することが可能となる。
図10の(A)に示す例では、圧電素子70が、環状の試料台61の内面に当接するように設けられた環状の圧電素子で構成される。環状の圧電素子70に電圧を印加してその体積を膨張させると、環状の圧電素子70はその径方向に寸法が拡大するので、このような圧電素子によっても、環状の試料台61の内面に圧力を加えることが可能である。
図10の(B)に示す例は、圧電素子70は、試料台61が成す環の中空部分を充填するように、環状の圧電素子70A〜70Dを径方向に積層して設けられる。
上記図10の(A)及び(B)では、圧電素子70が、試料台61の内面に当接するように構成したが、環状の接触部65の内面に直接当接するように設けてもよい。
図11は、本発明の本発明の第2実施例に係るチャック装置の構成図である。図示するように本実施例では、環状の圧電素子70が試料台61又は環状の接触部65の外側に設けられることを特徴とする。
本実施例では、図11(B)において圧電素子制御部72が圧電素子70に電圧を印加して、圧電素子7が膨張することにより試料台61の外面に圧力を加える。これにより、この試料台61に設けられた環状の接触部65にもまた、その径方向に内側方向に働く圧力が印加される。そしてこの状態で試料40を載置して保持する。
試料40を保持した状態で、図11(C)において、圧電素子70への印加電圧を低下させると試料台61又は接触部65が復元する。この結果、試料40はその径方向に引っ張られることになり、自重による上記撓みを補正される。なお、ここに、圧電素子70と圧電素子制御部72とは本発明に係る圧力印加手段を成す。
本実施例においても圧電素子70は、試料台61又は接触部65が成す環の径方向に沿って積層させて形成することとしてもよい。
また、図11の(A)に示すように、圧電素子70は、試料台61又は接触部65が成す環の径方向に沿う分割線によって、放射線状に分割される複数の圧電素子を上記環の周方向に沿って配置することにより形成されることとしてもよい。このとき個々の圧電素子は、さらに複数の圧電素子上記環の径方向に沿って積層させて形成することとしてもよい。
図12の(A)は、本発明の本発明の第3実施例に係るチャック装置の構成図である。
図示するように本実施例に係る静電チャック44は、試料台61と、試料40と接触する環状に配置された接触部65と、試料40を接触部65に吸着させる吸着手段である電極62及び電源63と、を備えている。
さらに、静電チャック44は、試料台61の外周に沿って環状に配置され、かつ接触部65の試料40との接触面の反対面に当接するように配置された圧電素子80を備えている。
圧電素子80は、複数の圧電素子81及び82から構成されており、ここで圧電素子81は、接触部65がなす環の内側部分に設けられる部分83の厚みと、この環の外側部分に設けられる部分84とで、この環の厚み方向(すなわち、この環が含まれる平面に垂直な方向)で厚みを変えて形成されており、内側部分83の厚みは外側部分84の厚みよりも厚く形成されている。また反対に、圧電素子82では、内側部分83の厚みは外側部分84の厚みよりも薄く形成されている。
これら圧電素子81及び82は、静電静電チャック44に備えられたそれぞれ圧電素子制御部85及び86に制御される電圧が印加されることによって、その伸長量を制御される。
図12の(B)及び(C)を参照して、圧電素子81及び圧電素子制御部85の動作を説明する。
図12の(B)に示すように、静電チャック44上に試料40を載置する。この状態で電極62に電圧を印加すると、静電力により試料40が接触部65に吸着される。実際には試料40には自重による撓みが生じるが、ここでは簡単のため説明を省略する。
次に、試料40を接触部65に吸着した状態で、圧電素子制御部85が圧電素子81に駆動電圧を印加する。この状態を図12の(C)に示す。圧電素子制御部85からの印加電圧により圧電素子81の体積は膨張するが、ここで圧電素子81は、内側部分83の厚みが外側部分84の厚みよりも厚く形成されている。したがって圧電素子81は、接触部65が成す環の厚み方向について伸長量が異なり、内側部分83の伸長量は、外側部分84の伸長量よりも大きい。
したがって、圧電素子81が膨張することにより、環状の接触部65は僅かに変形して、接触部の接触面がなす環の内側部分と外側部分とにおいて、接触部65の厚み方向についての位置(すなわち高さ)の差が変動することになる。そして、このような接触部65の変形によって、これに吸着保持される試料40の平坦度を変更することが可能となる。図12の(C)の例では、試料40の中央部分を静電チャック44に対して凸状態となるように、試料40の平坦度を変形している。
次に、図13の(A)及び(B)を参照して、圧電素子82及び圧電素子制御部86の動作を説明する。
図13の(A)に示すように、静電チャック44上に試料40を載置する。この状態で試料40を接触部65に吸着する。次に、試料40を接触部65に吸着した状態で、圧電素子制御部86が圧電素子82に駆動電圧を印加する。この状態を図13の(B)に示す。圧電素子制御部86からの印加電圧により圧電素子82の体積は膨張するが、ここで圧電素子82は、内側部分83の厚みが外側部分84の厚みよりも薄く形成され、内側部分83の伸長量は、外側部分84の伸長量よりも小さい。
したがって、圧電素子82が膨張することにより、環状の接触部65は僅かに変形して、接触部の接触面がなす環の内側部分と外側部分とにおいて、接触部65の厚み方向についての位置の差が変動することになる。そして、このような接触部65の変形によって、これに吸着保持される試料40の平坦度を変更することが可能となる。図13の(B)の例では、試料40の中央部分を静電チャック44に対して凹状態となるように、試料40の平坦度を変形している。
このように、試料40を、静電チャック44に対して凸状態及び凹状態のいずれにも変更することが可能となることにより、試料40の平坦度をより自由に調整することが可能となる。例えば、静電チャック44は、試料40のそり状態に応じて試料40の平坦度を補正し、所望の平坦度を実現することが可能となる。
図6に示す圧電素子70及び圧電素子制御部72と、図12に示す圧電素子81及び82並びに圧電制御部85及び86と、を同時に備えて構成してもよい。このような構成例である本発明の第4実施例に係るチャック装置の構成図を図14に示す。
図14において、図6及び図12に示した構成要素と同様な構成要素には、同じ参照番号を付与して図示しており、各構成要素の動作はこれらの図面を参照して上記した通りであるので、説明を省略する。
また、図14において、圧電素子70は、試料台61、接触部65、又は圧電素子81及び82が成す環の中空部分を充填するように設けられることとしてもよい。このような構成例を図15に示す。
さらに圧電素子70は、かつ試料台61又は接触部65、又は圧電素子81及び82が成す環の径方向の直線に沿って放射線状に分割される複数の圧電素子70A、70B…から構成されてこととしてよい。そして個々の圧電素子70A、70B…は、試料台61又は接触部65が成す環の径方向に沿って伸長するように方向付けされており、また複数の圧電素子を径方向に積層して構成されることとしてもよい。
さらに、試料台61、接触部65、並びに圧電素子81及び82もまた、これらが成す環の径方向に沿う分割線によって、放射線状に分割される複数の試料台61A、61B…と、接触部65A、65B…と、圧電素子81A及び82A、81B及び82Bと、からそれぞれ構成されることとしてよい。そして、試料台61A、接触部65A並びに圧電素子81A及び82Aに対しては、これに対応して配置された圧電素子70Aにより、及び、試料台61B、接触部65B並びに圧電素子81B及び82Bに対しては、これに対応して配置された圧電素子70Bによって、…というように、これら試料台61A、接触部65A圧電素子81A、82A、及び試料台61B、接触部65B、圧電素子81B、82Bを、それぞれこれに対応して設けられた圧電素子70A、70B、…によって個別に力を印加するように構成してもよい。
図16は、本発明の実施例に係る電子線近接露光装置1の概略構成図である。電子線近接露光装置1は、図1を参照して上記した電子線近接露光装置と同様の構成を有しており、図1に示す主偏向器21及び22を図16では1つの構成要素20により、図1に示す主偏向器51及び52を図16では1つの構成要素50により示している以外は、同様の構成要素には同じ参照番号を付して示しているため、説明は省略する。
図16に示す電子線露光装置1の試料室8に設けられるXYステージ46上には、上記説明した本発明の実施例に係る静電チャック44のいずれかが設けられる。図16では例示として図14に示された第4実施例に係る静電チャック44が設けられている。図14に示す圧電素子制御部72、85及び86を、図16では1つの構成要素92により示している他は、同様の構成要素には同じ参照番号を付して示しているため、説明は省略する。
電子線近接露光装置1は、XYステージ46を駆動するステージ駆動部93と、XYステージ46上の静電チャック44に保持される試料40表面と自身との距離を測定するための静電容量センサなどである測距センサ94と、測距センサ94の検出信号をディジタル信号に変換する信号処理回路91と、これら信号処理回路91、圧電素子制御部92、ステージ駆動部93とデータバス95を介して接続された、電子線近接露光装置1全体の動作を司るためのコンピュータ等である計算機90と、を備えている。
電子線露光装置1の静電チャック44上に試料40が保持されると、計算機90は、ステージ制御部93にステージ移動命令信号を出力して、試料40の各位置が測距センサ94の直下に位置付けられるように、XYステージ46を駆動する。
そして、計算機90は、試料40の各位置が測距検出センサ94の直下に位置付けられたときの出力信号を読み取ることにより、試料40表面の各部における高さを測定し、これらの高さ情報から試料40表面の平坦度を測定する。
算出した平坦度に基づいて、計算機90は、試料40表面の平坦度を、電子線近接露光装置1による露光の所望の解像性能に応じて定められる所定の平坦度の許容範囲内に入れるために必要な、接触部65の各部の変位量を算出し、この算出された変位量を接触部65に与える各圧電素子70、81及び82の伸長量を算出する。そしてこれら算出した各伸長量を制御信号として圧電素子制御部92に出力する。
圧電素子制御部92は、これら制御信号に基づいて各圧電素子70、81及び82に駆動電圧を印加し、各圧電素子70、81及び82が各印加電圧に応じて伸長することにより、試料40表面の平坦度が前記所定の平坦度の許容範囲内に調整される。
本発明は、板状の試料を静電力により吸着保持する静電チャック装置や、真空吸着する真空チャック装置などのチャック装置に広く適用可能であるが、特に半導体ウエハ等の試料を保持するために電子線露光装置等の半導体製造装置に使用される静電チャック装置に好適に適用することが可能である。
電子線近接露光装置の基本構成図である。 図1の電子線近接露光による電子ビーム走査の説明図である。 図1の電子線近接露光による電子ビームの傾き補正の説明図である。 図1の電子線近接露光によるマスクの歪み補正の説明図である。 (A)は、試料室内に設けられる静電チャック及びXYステージの斜視図であり、(B)は、静電チャックの基本構成図であり、(C)は異物が付着した状態を示す図である。 本発明の第1実施例に係るチャック装置の概略構成図である。 図6に示すチャック装置の動作説明図である。 試料台に設けられる接触部の様々な態様の例示を示す図である。 図6に示すチャック装置に設けられる圧電素子の様々な態様の例示を示す図(その1)である。 図6に示すチャック装置に設けられる圧電素子の様々な態様の例示を示す図(その2)である。 本発明の第2実施例に係るチャック装置の概略構成図である。 (A)は、本発明の本発明の第3実施例に係るチャック装置の構成図であり、(B)及び(C)は、(A)に示される圧電素子及び圧電素子制御部の動作説明図である。 図12(A)に示される圧電素子及び圧電素子制御部の動作説明図である。 本発明の第4実施例に係るチャック装置の構成図である。 図14のチャック装置に設けられる圧電素子の構成例を示す図である。 本発明の実施例に係る電子線近接露光装置の概略構成図である。
符号の説明
40 試料
44 チャック装置
46 XYステージ
61 試料台
62 電極
63 電源
65 接触部
70、81、82 圧電素子
94 測距センサ

Claims (17)

  1. 板状の試料を吸着保持するチャック装置において、
    前記試料と接触する環状に配置された接触部と、
    前記試料を前記接触部に吸着させる吸着手段と、
    前記接触部に径方向の張力を印加して、前記接触部に吸着される前記試料の平坦度を変更する張力印加手段と、
    を備えることを特徴とするチャック装置。
  2. 前記張力印加手段は、伸長方向が前記径方向となるように設けられる圧電素子であることを特徴とする請求項1に記載のチャック装置。
  3. 前記張力印加手段は、前記接触部に沿って設けられる環状の圧電素子であることを特徴とする請求項1に記載のチャック装置。
  4. 前記圧電素子は、前記接触部がなす環の内側に設けられることを特徴とする請求項2又は3に記載のチャック装置。
  5. 前記圧電素子は、前記接触部がなす環の内側を充填するように、前記径方向に沿って積層されることを特徴とする請求項4に記載のチャック装置。
  6. 板状の試料を吸着保持するチャック装置において、
    前記試料と接触する環状に配置された接触部と、
    前記試料を前記接触部に吸着させる吸着手段と、
    前記接触部に径方向の圧力を印加して、前記接触部に吸着される前記試料の平坦度を変更する圧力印加手段と、
    を備えることを特徴とするチャック装置。
  7. 前記圧力印加手段は、伸長方向が前記径方向となるように設けられる圧電素子であることを特徴とする請求項6に記載のチャック装置。
  8. 前記圧電素子は、前記径方向に沿って積層されることを特徴とする請求項6に記載のチャック装置。
  9. 前記圧電素子は、前記接触部がなす環の外側に設けられることを特徴とする請求項7又は8に記載のチャック装置。
  10. 板状の試料を吸着保持するチャック装置において、
    前記試料と接触する環状に配置された接触部と、
    前記試料を前記接触部に吸着させる吸着手段と、
    前記接触部を変形させることにより、前記接触部の接触面がなす環の内側部分と外側部分との、該接触部の厚み方向についての位置の差を変えることにより、前記接触部に吸着される前記試料の平坦度を変更する変形手段を、備えることを特徴とするチャック装置。
  11. 前記変形手段は、前記接触部に沿って環状に配置され、かつ前記接触面と反対の面に結合される圧電素子を備え、
    前記圧電素子は、前記接触部がなす環の内側部分に設けられる部分と、前記環の外側部分に設けられる部分とで伸長量の異なる圧電素子である、
    ことを特徴とする請求項10に記載のチャック装置。
  12. 前記圧電素子は、前記接触部がなす環に沿って配置される環状の圧電素子であることを特徴とする請求項11に記載のチャック装置。
  13. 前記圧電素子は、前記接触部がなす環に沿って配置される複数の圧電素子からなることを特徴とする請求項11に記載のチャック装置。
  14. 前記接触部を変形させることにより、前記接触部の接触面がなす環の内側部分と外側部分との、該接触部の厚み方向についての位置の差を変える変形手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のチャック装置。
  15. 前記変形手段は、前記接触部に沿って環状に配置され、かつ前記接触面と反対の面に結合される圧電素子を備え、
    前記変形手段の圧電素子は、前記接触部がなす環の内側部分に設けられる部分と、前記環の外側部分に設けられる部分とで伸長量の異なる圧電素子である、
    ことを特徴とする請求項14に記載のチャック装置。
  16. 前記変形手段の圧電素子は、前記接触部がなす環に沿って配置される環状の圧電素子であることを特徴とする請求項15に記載のチャック装置。
  17. 前記変形手段の圧電素子は、前記接触部がなす環に沿って配置される複数の圧電素子からなることを特徴とする請求項15に記載のチャック装置。
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