JP2006185883A - 燃料電池の燃料極の製造方法及び燃料電池 - Google Patents

燃料電池の燃料極の製造方法及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料として金属水素錯化合物のアルカリ水溶液が供給される燃料電池に用いられ、酸化剤極に対し透過膜を介して対向して設けられる燃料極を製造する方法において、燃料電池の電気特性が向上する燃料極を製造すること。
【解決手段】 粉末状の水素吸蔵合金をフッ化アルカリ及びフッ化水素からなる水溶液に浸漬させフッ化処理し、フッ化処理に供した水溶液に水溶性銅塩及び還元剤を投入して、当該水溶液中の水素吸蔵合金を銅還元処理する。このようにして得られた水素吸蔵合金を触媒として基材であるNi発泡体に担持させることで燃料極を得る。この燃料極を用いた燃料電池は、良好な電気特性を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えばテトラヒドロホウ酸塩などの金属水素錯化合物のアルカリ水溶液からなる燃料液が供給される燃料電池に用いられる燃料極の製造方法及び燃料電池に関する。
燃料電池は、負極及び正極に夫々燃料及び酸化剤を連続的に供給し、そのときに起こる化学反応により得られるエネルギーを電気的エネルギーに変換する装置であり、環境にやさしいクリーンな動力源として注目を集めている。最近において水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)などの水素化ホウ素錯化合物の液体燃料を用いたボロハイドライド燃料電池(以下、燃料電池という。)が検討されている。
例えば特許文献1には、負極と正極との間に透過膜を介在させ、負極に供給する燃料として例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム(KBH4)などのアルカリ水溶液を用い、正極に供給する酸化剤極として酸素含有ガスを用いる燃料電池において、負極として、例えばニッケルネットなどの粒状焼結体あるいは発泡体などの多孔質体を基材とし、その表面に触媒であるフッ化処理された水素吸蔵合金又はその水素化物例えばTiNi2系合金などのラベス相系AB2合金やLaNi5系合金のようなAB5型合金などを用いることが記載されている。
このような燃料電池の負極及び正極における各電気化学反応は、下記の(1)式及び(2)式で表される。
BH4 +8OH→BO2 +6H2O+8e……(1)
2O2+4H2O+8e→8OH……(2)
よって全体の電池反応としては、上記の(1)式及び(2)式から下記の(3)式で表される。
BH4 +2O2→2H2O+BO2 ……(3)
上記燃料電池の負極側において、燃料中の水素化ホウ素ナトリウムにおける電気化学反応による発電と共に、下記の(4)式に示す加水分解反応が起っている。
BH4 +2H2O→4H2↑+BO2 ……(4)
この加水分解反応が進むにつれて上記の(4)式で示す水素ガスの生成により気泡が発生し、この気泡により燃料極の触媒と燃料との接触が妨げられ、燃料極に対する燃料の利用効率が低下し、燃料電池の発電効率が悪くなるということから、本発明者は、水素吸蔵合金の粉末に銅粉末を添加した触媒組成の負極を用いることで、加水分解反応による水素ガスの発生量を抑えることができた。また特許文献2にも水素吸蔵材料の表面に湿式無電界メッキ方法により銅被膜を形成することで同様に負極からの水素ガスの発生量を抑えることが記載されている。
しかしこれらの技術は、水素ガスの発生量を抑えることができるもののまだ燃料極の発電性能が低いために上記燃料電池において十分な電気的特性が得られないというのが現状である。
特開2002−50375(図2) 特開2003−229134(請求項1〜3、段落006)
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、金属水素錯化合物のアルカリ水溶液が供給される燃料電池に用いられる燃料極において高い発電性能を得ることができる燃料極を製造する方法を提供することにある。また本発明の他の目的は、この燃料極を用いることにより電気的特性を向上することができる燃料電池を提供することにある。
本発明は、燃料として金属水素錯化合物のアルカリ水溶液が供給される燃料電池に用いられ、酸化剤極に対して透過膜を介して対向して設けられる燃料極を製造する方法において、水素吸蔵合金の粉末をフッ化アルカリ及びフッ化水素からなる水溶液中でフッ化処理する工程と、
次いで前記水溶液に水溶性銅塩及び還元剤を投入し、フッ化処理した水素吸蔵合金の粉末に銅を析出させる工程と、この水素吸蔵合金を触媒として基材に担持し燃料極を得る工程と、を含むことを特徴とする。前記水素吸蔵合金は例えばAB2型水素吸蔵合金であり、特にAB2型水素吸蔵合金はNi含有の水素吸蔵合金又はこれらの構成金属の一部を他の金属に置換した水素吸蔵合金であることが好ましい。また前記フッ化アルカリ及びフッ化水素からなる水溶液は、0.2〜10重量%のフッ化アルカリを有し、且つフッ化水素により水溶液のpHを2.0〜6.5に調整したものが用いられる。
前記水溶性銅塩としては、例えば塩化銅、硫酸銅、炭酸銅、硝酸銅及び酢酸銅などから選ばれたものを挙げることができる。また前記還元剤としては、例えば亜リン酸塩、次亜リン酸塩、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩及びヒドラジンなどから選ばれたものを挙げることができる。また前記金属水素錯化合物は、例えば水素化ホウ素錯化合物である。
本発明の燃料電池は、燃料極と酸化剤極との間に透過膜を介在させ、燃料として金属水素錯化合物のアルカリ水溶液を用いる燃料電池において、前記燃料極は、上記の製造方法により製造されたものであることを特徴とする。
本発明によれば、触媒である水素吸蔵合金はフッ化処理により表面の緻密な酸化被膜が除去されて、比表面積が極めて大きい金属フッ化物の構造体が形成される。そして当該表面に対して銅還元処理を行うことで、銅還元物(銅粒子)が高い均一性を持って分散され付着する。このため銅について大きな活性面を確保することができ、水素過電圧の大きい銅の特性を引き出すことができ、結果としてこの水素吸蔵合金を基材に担持させた燃料極は、発電性能の高い特性を有する。
従ってこの燃料極を用いた本発明の燃料電池によれば、この燃料極を用いることにより後述の実験例からも分かるように電流を増加させても出力電圧の落ち込みの程度が小さく、良好な電気特性を得ることができる。
本発明に係る燃料電池の一実施の形態について図1及び図2を参照しながら説明する。先ず、燃料電池の全体構造について述べておくと、図1において、2は角型のケース体であり、このケース体2内には透過膜3により酸化剤極(正極)室4と燃料極(負極)室5とに区画されている。酸化剤極室4には、板状の酸化剤極41がその一面側を透過膜3に接するように設けられると共に、酸化剤極41の他面側とケース体2との間には、酸化剤の流路部42が形成されている。この流路部42には、酸化剤供給路43及び排出路44が接続されており、酸化剤供給路43には、上流側から酸化剤供給源45、供給ポンプ46、加湿手段47及び加熱手段48がこの順に設けられている。
燃料極室5には、後述する板状の燃料極51がその一面側を透過膜3に接すると共に、燃料極51の他面側とケース体との間には、燃料の流路部52が形成されている。この流路部52の一端側の部位には、燃料供給口が形成されており、ここに供給ポンプ53が介設された燃料供給路54が接続されている。また流路部52の他端側の部位には、燃料排出口が形成されており、ここには排出路55が接続されている。そしてこの例では燃料供給路54の上流側と排出路55の下流側との間には燃料供給源である燃料貯槽56が介在しており、燃料供給路54及び排出路55により燃料の循環路が構成されている。
以上の燃料電池において、ケース体2を構成する材料としては、絶縁材が有利であり、例えば絶縁性セラミック、樹脂及び金属酸化物などが用いられる。透過膜3としては例えば陽イオン透過性膜などからなる高分子電解質膜を用いることができ、陽イオン透過性膜としては商品名「ナフィオン」(デュポン株式会社製)を用いることができるが、陰イオン透過性膜或いは陽イオン、陰イオンの両方を透過する双極性透過膜などを用いることができる。
酸化剤極41としては、白金を分散した炭素又は鉄、ニッケル、クロム、銅、白金、パラジウムなどの金属或いはそれら金属の合金が用いられ、発電効率や耐久性がよく、低コストという点でニッケル又はニッケル・クロム合金の多孔体、例えば粒状焼結体や発泡体を基材とし、その表面に白金、パラジウムなどの貴金属からなる触媒をメッキして触媒層を形成したものなどが用いられる。
酸化剤極41に供給される酸化剤としては、酸素ガス又は空気であってもよいが、既述の(2)式の反応が進行するためには図1に示すように、これら酸化剤ガス中に例えば加湿器47により水分を含ませることが好ましい。また酸化剤はガスに限られず、活性酸素発生剤水溶液、例えば過酸化水素などの過酸化物の水溶液であってもよい。
燃料極51は、基材である例えばNi発泡体の表面に、例えば平均粒径10〜1000μm、好ましくは50〜500μmのフッ化処理及び銅還元処理された触媒金属である水素吸蔵合金を担持して構成されている。
前記水素吸蔵合金としては、AB2型水素吸蔵合金及びAB5型水素吸蔵合金などが用いられるが、特にAB2型水素吸蔵合金が好ましく用いられる。
前記AB2型水素吸蔵合金としては、TiNi、MgNi、ZrNiなどNi含有の水素吸蔵合金及びこれらの構成金属の一部を他の金属例えばAl、Co、Cr、Cu、Fe、La、Mg、Mn、Nb、Si、V、Zn、Zrなどから選ばれた少なくとも一種の構成金属以外の金属で置き換えたものがある。
このようなAB型水素吸蔵合金の中で好ましいものの例として、Ti0.5Zr0.5Mn0.8Cr0.8Ni0.4、Ti0.5Zr0.5Mn0.5Cr0.5Ni、Ti0.5Zr0.50.75Ni1.25、Ti0.5Zr0.50.5Ni1.5、Ni0.95Fe0.8Mn0.2Zr0.05Ti、Ni0.95Fe0.8Mn0.18Al0.02Zr0.05Ti、Zr0.9Ti0.10.2Co0.1Mn0.6Ni1.1、ZrMn0.6Cr0.2Ni1.2、ZrMn0.5Cr0.20.1Ni1.2、ZrV0.4Ni1.6、Ti0.5Zr0.5(V0.375Ni0.625などがある。
また前記AB型水素吸蔵合金としては、La1−xMmNi(但し、xは0≦x≦1の数)、Ca1−xMmNi(但し、xは0<x<1)、MmM(但し、MはNi、Co、Mn、Al、4.55≦x≦4.76)、Ca1−xMgNi(但し、0<x≦0.27、3.8≦y≦5.2)、Ca1−xLaNi5−(y+z)AlCo(但し、0.5≦x≦0.9、0≦y≦0.4、0≦z≦0.4、0<y+z≦4)及びこれらの構成金属の一部を他の金属例えばAl、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、V、Zn、Zrなどから選ばれた少なくとも一種の構成金属以外の金属で置き換えたものがある。これらの水素吸蔵合金についても各金属成分A、Bの原子比は必ずしも1:5の整数比になっているとは限らず、±0.3の範囲内で変動している場合があるが、このようなものも本発明において用いることができる。
このようなAB型水素吸蔵合金の中で好ましいLaNi系のものの例として、LaNi、LaNiCu、LaNiAl、LaNi2.5Co2.5、LaNi2.5Co2.4Al0.1、LaNi4.7Al0.3、La0.9Zr0.1Ni4.5Al0.5、La0.8Nd0.2NiCo、La0.8Nd0.2Ni2.5Co2.4Al0.1、La0.8Nd0.15Zr0.05Ni3.8Co0.7Al0.5、La0.7Nd0.2Ti0.1Ni2.5Co2.4Al0.1、La0.8Nd0.2Ni2.5Co2.4Si0.1、La0.8Ce0.2Ni、La0.6Ce0.4Ni、La0.5Ce0.5Ni、La0.6Pr0.4Ni、La0.6Nd0.4Ni、La0.6Pm0.4Ni、La0.6Sm0.4Ni、Ca0.4La0.6Ni5、Ca0.4La0.6Ni4.8Al0.1Co0.1、Ca0.8La0.2Ni4.5Co0.5、LaNi4.7Al0.3などがある。これらの中で特に好適なのは、ABのAとして希土類金属、例えばミッシュメタル(Mm)を含むものである。このようなものとしては、MmNi3.55Co0.75Mn0.4Al0.3、MmNi3.5Co0.7Al0.8、MmNi3.5Co0.8Mn0.4Al0.3、Mm0.85Zr0.15Ni4.0Al0.80.2、MmNi3.7Al0.5Fe0.7Cu0.1などがある。
このような燃料極51は、例えば次のようにして製造することができる。先ず、水素吸蔵合金の粉末をフッ化アルカリ及びフッ化水素からなる水溶液の入った容器に浸漬させて水素吸蔵合金をフッ化処理する。この水溶液は、フッ化アルカリが例えば0.2〜10重量%の濃度で溶解されていると共にフッ化水素(HF)により水溶液のpHを例えば2.0〜6.5、好ましくは4.5〜6.0に調整されている。このように水溶液のpHを4.5〜6.0に調整することで水素吸蔵合金と当該水溶液との反応速度を制御し、水素吸蔵合金の表面に比表面積の大きい金属フッ化物の被膜を形成させることができる。
なお、前記フッ化アルカリにおいて、例えばフッ化ナトリウム(NaF)を用いた場合、水溶液は例えば0.3〜3.0重量%の濃度に調整され、例えばフッ化カリウム(CaF)を用いた場合、水溶液は例えば0.5〜5.0重量%の濃度に調整され、例えばフッ化アンモニウム(NHF)を用いた場合、水溶液は例えば0.5〜8.0重量%の濃度に調整される。
また、フッ化アルカリとフッ化水素とのモル比の一例としては、フッ化ナトリウムを用いる場合には、フッ化ナトリウムとフッ化水素とのモル比は1:1〜3であり、フッ化カリウムを用いる場合には、フッ化カリウムとフッ化水素とのモル比が1:0.2〜3であり、フッ化アンモニウムを用いる場合には、フッ化アンモニウム:フッ化水素とのモル比は1:0.2〜1である。またフッ化水素により水溶液のpHを調整した後、さらに当該水溶液のpHを安定化させるためにpH調整剤として例えば酢酸、シュウ酸、クエン酸、ホウ酸、リン酸などを必要に応じて前記水溶液に添加してもよい。
また、常圧下で水溶液の温度を0〜80℃に、好ましくは30〜60℃に保温し、上記水溶液において水素吸蔵合金を1〜60分程度反応(フッ化処理)させる。
続いて、このフッ化処理に供した水溶液に水溶性銅塩及び還元剤を容器に所定量投入することで、水溶液中の水素吸蔵合金を銅に還元処理する。なお、当該水溶液中における水素吸蔵合金の銅還元の処理時間は、およそ10〜120分程度である。
前記水溶性銅塩としては、例えば塩化銅、硫酸銅、硝酸銅及び酢酸銅などを挙げることができる。このような水溶性銅塩の添加量は、前記水溶液に投入する水素吸蔵合金に対して銅還元処理により銅還元物(銅粒子)の担持が5〜15%の割合となるように調整すればよい。
また前記還元剤としては、例えば亜リン酸塩、次亜リン酸塩、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩及びヒドラジンなどを挙げることができる。より具体的には、例えば次亜リン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。
なお、水溶性銅塩と還元剤とのモル比は、1:3〜15、好ましくは1:4〜10である。また銅還元処理において、pHを安定化させるために緩衝剤として、例えばクエン酸三アルカリ塩、リン酸三アルカリ塩などを必要により水溶液に添加してもよい。この場合、水溶性銅塩と緩衝剤とのモル比は、1:0.1〜0.3である。
しかる後、上記水溶液を例えば濾過することで水素吸蔵合金を取り出し、この水素吸蔵合金を精製水により洗浄し、例えば乾燥機で乾燥させる。そして水素吸蔵合金の粉末とカーボンブラックと接着剤である例えば液体のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを混合し、この混合粉末を基材である例えばNi発泡体(縦20mm、横30mm、厚さ13mm)の両面に塗布して触媒層を形成する。基材としては、Ni発泡体以外にニッケルメッシュ体などを用いることができる。このNi発泡体を室温でしばらく乾燥させた後、二つのNi−メッシュ板でこのNi発泡体を挟んで、例えばロールプレスにより15トンの圧力を加えて、これらを圧着して板状の燃料極51を得る。
燃料としては、金属水素錯化合物のアルカリ水溶液が用いられ、金属水素錯化合物としては例えば水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ホウ素カリウム(KBH4)、又は水素化ホウ素リチウム(LiBH4)などの水素化ホウ素錯化合物を挙げることができるが、その他に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)、水素化ホウ素亜鉛(Zn(BH4)2)などを挙げることができる。アルカリ水溶液としては、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物を用いることができる。アルカリ水溶液の濃度は、あまり高濃度にすると金属水素錯化合物が溶解し難くなるので、例えば30重量%の範囲で選択することが好ましく、例えば20重量%に調整される。金属水素錯化合物は、目的とする発電容量及びアルカリ水溶液に対する溶解性を考慮して例えば0.1〜50重量%の濃度で用いるのが好ましい。
次にこの実施の形態に係る燃料電池の作用について図1及び図2を参照しながら説明する。酸化剤供給源45からの酸化剤例えば空気を供給ポンプ46により酸化剤極室4の流路部42に供給する。ここで酸化剤を流路部42に供給する前に加湿器47により例えば絶対温度で30〜70%程度に加湿し、更に加熱器48で必要な温度、例えば40〜90℃に加熱する。流路部42を通流した空気は排出路44から排出される。
一方燃料貯槽56から例えば水素化ホウ素ナトリウムを水酸化ナトリウムに溶解させてなる燃料を供給ポンプ54により燃料極室5の流路部52に供給する。この例では、流路部52から排出された燃料は燃料貯槽56に戻され、循環される。流路部52に供給された燃料は、燃料極51と接触し、下記の(5)式で示される8電子反応が主として起こり、また(6)式で示される4電子反応も起こっていると考えられる。
NaBH4+8NaOH→NaBO2+6H2O+8Na+8e……(5)
NaBH4+4NaOH→NaBO2+2H2O+2H2+4Na+4e……(6)
このようにして、外部に接続された回路に燃料極51から電子が取り出されると共に、燃料中のナトリウムイオンが透過膜3を通って酸化剤極室4側に移動し、下記の(7)式に示すようにナトリウムイオンと酸素及び水分とから水酸化ナトリウムが生成される。
2O2+4H2O+8Na+8e→8NaOH……(7)
上述の実施の形態によれば、基材であるNi発泡体に担持されている触媒層の水素吸蔵合金において次のような効果がある。図3にイメージ図を示すように、粉末状の水素吸蔵合金60をフッ化処理することにより表面の緻密な酸化膜61が除去され、表面部が凹凸状であって、その凸部分の先端が鋭く尖った、比表面積の極めて大きい金属フッ化物の構造体62が形成される(図3(a)〜(c))。そして当該表面に対して銅還元処理を行うことで、後述の実施例からも分かるようにいわば峡谷ともいうべき荒れた面にボール状の銅還元物(銅粒子)63が高い均一性を持って分散され付着する(図3(d))。このため銅について大きな活性面を確保することができ、水素吸蔵合金の表面に単に銅の被膜を形成した場合に比べて、水素過電圧の大きい銅の特性を引き出すことができる。更に水素吸蔵合金をフッ化処理することで、接触する燃料に対する耐腐食性が付与され、且つ長時間に亘って高い発電容量を維持しうる能力が付加されることになる。
また上述の実施の形態によれば、この燃料極51を用いることにより後述の実験例からも分かるように電流を増加させても出力電圧の落ち込みの程度が小さく、良好な電気特性を得ることができる。
なお、水素吸蔵合金の粉末はフッ化処理する水溶液中に、硫酸銅などの水溶液銅塩及び還元剤を投入し銅還元処理することにより、フッ化処理と銅還元処理とが複合化し、フッ化処理と銅還元処理とを別々に行った場合よりも水素吸蔵合金に銅粉が高い均一性を持って分散して付着し、銅について大きな活性面を確保することができる。
次に本発明の効果を確認するために行った実験について述べる。
A.実施例1
(触媒の製造)
粒径5μmのZr0.9Ti0.1Mn0.60.2Co0.1Ni1.1の水素吸蔵合金20gを、1リットルの精製水に6gのフッ化カリウムと0.6mlのフッ化水素(46重量%)を添加してpH5に調整したフッ化処理の水溶液に浸漬して、当該水溶液を温度60℃に保温し、水素吸蔵合金を30分間反応(フッ化処理)させた。
次いで、このフッ化処理した水溶液に硫酸銅(CuSO4・5H2O)8g/リットルと還元剤である次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaPH22・H2O)32g/リットルの割合で添加した後、攪拌棒で30分間攪拌することで当該水溶液において水素吸蔵合金の銅還元処理を行った。
その後、前記水溶液を濾過することで水素吸蔵合金を取り出し、この水素吸蔵合金を精製水により洗浄し、乾燥機で乾燥させた。得られた水素吸蔵合金の表面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scannig Electoron Microscope)を用いて観察した結果、図4に示すように凹凸状のフッ化物層の表面にボール状の銅還元物(銅粒子)が均一に高分散されていることが確認された。また図5は、フッ化処理及び銅還元処理を行っていない水素吸蔵合金の表面のSEM像である。なお、水素吸蔵合金に対する銅還元物の担持量は2g(水素吸蔵合金に対して10%)であった。
(燃料極の製作)
フッ化処理及び銅還元処理した水素吸蔵合金0.01gとカーボンブラック1gとを容器の中に入れて、この容器の中に接着剤である60重量%のポリテトラフルオロエチレン溶液を約0.125g滴下して、攪拌棒で繰り返し攪拌して均一にした後、この混合粉を基材であるNi発泡体(縦20mm、横30mm。厚さ13mm)の両面に塗布して触媒層を形成した。そして、室温でこのNi発泡体をしばらく乾燥させた後、二つのNi−メッシュ板でこのNi発泡体を挟んで、ロールプレスにより15トンの圧力を加えて、これらを圧着して厚さ0.5mmの板状の燃料極を作製した。得られた燃料極は、フッ化処理及び銅還元処理した水素吸蔵合金1.6mg/cm2とカーボンブラック16mg/cm2という組成にある。これを実施例1とする。
(比較例1)
実施例1において、水素吸蔵合金をフッ化処理した後、銅還元処理を行わない他は、同様の処理条件で触媒を得た。次いで、このフッ化処理のみを行った水素吸蔵合金を用いて同様の方法で、燃料極を作製した。得られた燃料極は、フッ化処理した水素吸蔵合金1.6mg/cm2とカーボンブラック16mg/cm2という組成にある。これを比較例1とする。
(比較例2)
実施例1において同様の処理条件でフッ化処理した水素吸蔵合金0.009gと粒径20μm以下の銅粉末0.001gとカーボンブラック0.1gとを用いて実施例1と同様の方法で、燃料極を作製した。得られた燃料極は、銅含有のフッ化処理した水素吸蔵合金1.6mg/cm2とカーボンブラック16mg/cm2という組成にある。これを比較例2とする。
(試験方法及び試験結果)
図6に示す負極材料性能装置を用いて、上記の各燃料極の放電特性を測定した。図6に示す負極材料性能装置について簡単に説明すると、この装置は、4重量%の水素化ホウ素ナトリウムを溶解させた20重量%の水酸化ナトリウム水溶液150mlに上述のようにして作製した種々の燃料極70を浸漬する容器71と、20重量%の水酸化ナトリウム水溶液にNi発泡体からなる正極72を浸漬させ、正極72をイオン交換膜73で囲っている容器74と、20重量%の水酸化ナトリウム水溶液に水銀(Hg)と酸化水銀(HgO)とからなる参照電極75を浸漬させ、参照電極75をイオン交換膜73で囲っている容器76と、燃料極70から発生する水素ガスを測定するためのガスメータ77と、を備えている。更に燃料極70及び正極72が電流計78を介して電気的に接続されると共に燃料極70及び参照電極75が電圧計79を介して電気的に接続されている。
放電特性の試験については、電流計78に負荷抵抗を接続しその負荷抵抗を変化させて電流計78により電流値を検出し、また電圧計79により電圧を検出して、燃料極70における電流密度と、参照電極75の電位に対する燃料極70の電位との関係を求めている。
図7は、実施例1、比較例1及び比較例2の結果を示し、縦軸に電位(V)を取り、横軸に電流密度(A/cm)を取った特性図であり、図7から分かるように、電流密度を大きくしたときの電位の落ち込みについては、比較例1及び比較例2よりも実施例1の方が電位の落ち込みの程度が小さい。このようなことからフッ化処理した水素吸蔵合金粉末に銅粉末を含有させるよりも、フッ化処理に供した水溶液を用いて水素吸蔵合金を銅還元処理した方が、電流を増加させても出力電圧の落ち込みの程度が小さく、良好な電気特性を得ることができることが分かる。
本発明に係る燃料電池の一実施の形態の概略を示す断面図である。 上記実施の形態の作用を示す説明図である。 本発明に係る水素吸蔵合金において、フッ化処理及び銅還元処理することで水素吸蔵合金の表面の状態を示すイメージ図である。 本発明に係る水素吸蔵合金において、水素吸蔵合金の表面のSEM像を示す図である。 フッ化処理及び銅還元処理を行っていない水素吸蔵合金の表面のSEM像を示す図である。 本発明の効果を確認するために行った実験に用いた装置の概略を示す断面図である。 本発明の効果を確認するために行った実験例の結果を示す特性図である。
符号の説明
2 ケース体
3 透過膜
4 酸化剤極室
41 酸化剤極
42 流路部
5 燃料極室
51 燃料極
52 流路部

Claims (7)

  1. 燃料として金属水素錯化合物のアルカリ水溶液が供給される燃料電池に用いられ、酸化剤極に対し透過膜を介して対向して設けられる燃料極を製造する方法において、
    水素吸蔵合金の粉末をフッ化アルカリ及びフッ化水素からなる水溶液中でフッ化処理する工程と、
    次いで前記水溶液に水溶性銅塩及び還元剤を投入し、フッ化処理した水素吸蔵合金の粉末に銅を析出させる工程と、
    この水素吸蔵合金を触媒として基材に担持し燃料極を得る工程と、を含むことを特徴とする燃料電池の燃料極の製造方法。
  2. 前記水素吸蔵合金がAB2型水素吸蔵合金であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池の燃料極の製造方法。
  3. 前記AB2型水素吸蔵合金は、Ni含有の水素吸蔵合金又はこれらの構成金属の一部を他の金属と置換した水素吸蔵合金であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池の燃料極の製造方法。
  4. 前記フッ化アルカリ及びフッ化水素からなる水溶液は、0.2〜10重量%のフッ化アルカリを有し、且つフッ化水素により水溶液のpHを2.0〜6.5に調整したことを特徴とする請求項1記載の燃料電池の燃料極の製造方法。
  5. 前記水溶性銅塩は、塩化銅、硫酸銅、炭酸銅、硝酸銅及び酢酸銅から選ばれたものであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池の燃料極の製造方法。
  6. 前記還元剤は、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩及びヒドラジンから選ばれたものであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池の燃料極の製造方法。
  7. 燃料極と酸化剤極との間に透過膜を介在させ、燃料として金属水素錯化合物のアルカリ水溶液を用いる燃料電池において、
    前記燃料極は、請求項1ないし6のいずれか一に記載した方法により製造されたものであることを特徴とする燃料電池。

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KR20120107397A (ko) * 2011-03-21 2012-10-02 현대자동차주식회사 고분자 전해질막 연료전지용 촉매층 일체형 전극의 제조방법

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