JP2006147371A - 固体高分子型燃料電池用電極触媒、その製造方法および燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用電極触媒、その製造方法および燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 電極触媒層全体に渡り気体を供給し、生成した水を効果的に排出し、高出力が得られる固体高分子型燃料電池用電極触媒を提供する。
【解決手段】 白金または白金を含む貴金属合金からなる多孔質薄膜からなり、該多孔質薄膜が異なる2種類の細孔を有する固体高分子型燃料電池用電極触媒。前記多孔質薄膜の異なる2種類の細孔24が、薄膜内において三次元的に連続した貫通孔21と、該貫通孔の内壁面に形成された内部細孔22からなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用電極触媒、その製造方法および前記電極触媒を用いた燃料電池に関する。
近年、エネルギー・環境問題の解決手段の一つとして、水の電気分解の逆反応を利用して発電する燃料電池が期待されている。燃料電池は、電解質の種類によりリン酸型燃料電池(PAFC)、固体高分子型燃料電池(PEFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、及び溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)等の種類があるが、中でも固体高分子型燃料電池は低動作温度、小型、軽量、高出力であることから、実用化に向けた開発が急速に進められている。
このような固体高分子型燃料電池用の電極触媒としては、白金または白金と貴金属の合金微粒子を担持させた触媒担持カーボン粒子が広く用いられており、この触媒担持カーボン粒子を高分子固体電解質溶液と混合してペースト調製し、このペーストを高分子電解質フィルムまたは導電性カーボン電極上に種々の方法で塗布することにより触媒層を作製する。(非特許文献1参照)
このようにして作製された触媒層内部において、触媒粒子、高分子電解質、細孔により形成される三相界面は、電気化学的な反応の場となる。また、触媒粒子およびカーボン粒子は電子伝導経路、高分子電解質はプロトン伝導経路、これらの間隙に形成された細孔は気体および液体の拡散経路となり、これらは電極触媒層全体に渡り連続的であることが望ましい。
"J.Electrochem.Soc.",1992,139,L28
しかしながら、このような電極触媒層作製プロセスにおいては、気体および液体拡散経路、電子伝導経路、プロトン伝導経路、および三相界面の形成は、偶然に負うため、図3に示すように、気体または液体の拡散経路として作用しない不連続な閉孔11や実質的に有効に作用しない孤立した触媒担持カーボン粒子の凝集体12などが存在する。
このような不連続な気体および液体の拡散経路を有する電極触媒層においては、気体が電極触媒層全体に渡り供給されないため、電極触媒として実質的に有効に作用しない領域が形成される。また、互いに接することなく孤立した触媒担持カーボン粒子の凝集体を有する電極触媒層においても、電子伝導径路を確保できないため、電極触媒として実質的に有効に作用しない領域が形成される。したがって、このようなプロセスにより作製された電極触媒層中においては、触媒として有効に作用する粒子は10%程度であり(E.A.Ticianelli、C.R.Derouin、and S.Srinivasan、J.Electroanal.Chem.、1998、251、275)、高価な貴金属を大量に消費し、製造コストが増加するという問題がある。
また、空気極おいては、気体および液体の拡散経路が不連続である場合、生成した水を効果的に排出することが困難となるため、フラッディングにより電極性能の低下を引き起こす原因となる。さらに、高価な貴金属使用量を低減する目的で導入されている貴金属触媒微粒子担持カーボンは、触媒微粒子とカーボン粒子間は接触抵抗が大きいため、燃料電池システム全体としての抵抗損失の一つとなる。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、電極触媒層全体に渡り気体を供給し、生成した水を効果的に排出し、高出力が得られる固体高分子型燃料電池用電極触媒、その製造方法および前記電極触媒を用いた燃料電池を提供するものである。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、本発明に係る固体高分子型燃料電池用電極触媒により、上記課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は、白金または白金を含む貴金属合金からなる多孔質薄膜からなり、該多孔質薄膜が異なる2種類の細孔を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極触媒である。
前記多孔質薄膜の異なる2種類の細孔が、薄膜内において三次元的に連続した貫通孔と、該貫通孔の内壁面に形成された内部細孔からなることが好ましい。
前記貫通孔の平均直径が10nm以上1μm以下であることが好ましい。
前記内部細孔の平均直径が10nm以下であることが好ましい。
前記多孔質薄膜のBET比表面積が15m2 /g以上300m2 /g以下であることが好ましい。
前記多孔質薄膜の空隙率が50%以上90%以下であることが好ましい。なお、空隙率とは、多孔質薄膜の体積における空孔の占める割合を示す。
前記多孔質薄膜の細孔以外の金属成分が連続していることが好ましい。
また、本発明は、白金または白金を含む貴金属合金と、1種類以上の卑金属とからなる合金薄膜を作製する第1の工程、該合金薄膜より卑金属成分を除去して第1の細孔を形成する第2の工程、該第1の細孔中に1種類以上の卑金属を再充填する第3の工程、該卑金属を再充填した合金薄膜を熱処理して白金または白金を含む貴金属合金と、1種類以上の卑金属を再合金化する第4の工程、該再合金化した再合金薄膜より卑金属成分を除去して第2の細孔を形成する第5の工程、さらに前記再合金薄膜に対して前記第3の工程から第5の工程を複数回繰り返し行う第6の工程を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極触媒の製造方法である。
また、本発明は、上記の電極触媒を用いた固体高分子型燃料電池である。
本発明の固体高分子型燃料電池用電極触媒は、白金または白金を含む貴金属合金の多孔質薄膜が連続的な貫通孔を有することから、電極触媒層全体に渡り気体を供給し、生成した水を効果的に排出することが可能であり、電極触媒中の貴金属を効果的に利用することができる。
また、前記連続的な貫通孔の内壁面に形成された内部細孔は、酸化還元反応の場となる大表面積を供給することができる。
さらに、貴金属成分が連続的であることから、電極触媒全体に渡り電子伝導経路を確保すると同時に、接触抵抗を低減することが可能となるため、電子を迅速かつ効率的に集電体へ移動することが可能となり、高出力を得ることができる。
本発明の製造方法は、上記の電極触媒を容易に得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
固体高分子型燃料電池においては、触媒自体の活性の他、燃料としての気体、酸化還元反応により生成するプロトンおよび電子、そして副生成物としての液体の輸送に影響する触媒層のミクロ構造が電池特性に影響を及ぼす重要な因子となる。そこで、本発明に係る固体高分子型燃料電池用電極触媒は、気体および液体の拡散、電子伝導、および酸化還元反応を効率的に行うため、構造およびサイズの異なる2種類の細孔を有する多孔質薄膜からなることを特徴とする。
以下、本発明に係るの固体高分子型燃料電池用電極触媒およびその製造方法の最良の実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明に用いられる構造およびサイズの異なる2種類の細孔を有する白金または白金を含む貴金属合金から成る合金の多孔質薄膜について説明する。
前記多孔質薄膜を構成する元素としては白金が好適に用いられる。また、白金を含む貴金属合金が用いられ、貴金属合金は白金と、白金以外の1種類以上の貴金属元素を任意の組成で合金化することにより触媒活性を向上させることが可能である。白金と合金化する貴金属元素としては、Au、Ag、Ru、Rh、Pd、Os、Irのうち少なくとも1種類以上が選択されることが好ましが、合金化により触媒活性が向上すれば、構成および割合共に特に制限されない。
上記のように、固体高分子型燃料電池用電極触媒材料としての多孔質薄膜は、(1)高比表面積であること、(2)高空隙率であること、(3)貫通孔が連続していること、(4)触媒としての貴金属成分が連続していることが望まれる。
前記要素に対して、本発明に用いられる多孔質薄膜のBET比表面積は15m2 /g以上300m2 /g以下、好ましくは20〜200m2 /gであり、空隙率は50%以上90%以下、好ましくは60%以上80%以下である。
図1は、本発明に係る固体高分子型燃料電池用電極触媒としての多孔質薄膜の断面図である。図1に示すように、前記多孔質薄膜の構造およびサイズの異なる2種類の細孔24が、多孔質薄膜内において三次元的に連続した貫通孔21と、該貫通孔の内壁面に形成された内部細孔22であることが好ましい。貫通孔21は燃料としての気体および副生成物としての液体の拡散径路、内部細孔22は酸化還元反応の場として機能する。貫通孔21の平均直径は気体および液体が良好に拡散するために10nm以上10μm以下、特に100nm以上1μm以下であることが好ましく、内部細孔22の平均直径は酸化還元反応に関する広大な表面を提供するために10nm以下、特に2〜5nmであることが好ましい。さらに、電極触媒全体に渡る電子伝導経路を形成するため、前記多孔質薄膜において、細孔以外の貴金属成分23は連続的であることが好ましい。
次に、本発明に用いられる構造およびサイズの異なる2種類の細孔を有する白金または白金を含む貴金属合金の多孔質薄膜の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、白金または白金を含む貴金属合金と、1種類以上の卑金属とからなる合金薄膜を作製する第1の工程、該合金薄膜より卑金属成分を除去して第1の細孔を形成する第2の工程、該第1の細孔中に1種類以上の卑金属を再充填する第3の工程、該卑金属を再充填した合金薄膜を熱処理して白金または白金を含む貴金属合金と、1種類以上の卑金属を再合金化する第4の工程、該再合金化した再合金薄膜より卑金属成分を除去して第2の細孔を形成する第5の工程、さらに前記第2の細孔を形成した再合金薄膜に対して前記第3の工程から第5の工程を複数回繰り返し行う第6の工程を有することを特徴とする。
以下、前記第1の工程から第6の工程より構成される多孔質薄膜の製造方法について、より詳細に説明する。
(第1の工程)
白金または白金と白金以外の1種類以上の貴金属と、1種類以上の卑金属から成る合金薄膜を高分子電解質またはテフロン(登録商標)シート上に作製する。前記合金薄膜の作製方法としては、スパッタリング法、蒸着法、またはアブレーション法等の気相法が好適に用いられるが、前記合金薄膜を作製可能な方法であればこれに限定されない。
また、前記白金または白金と白金以外の1種類以上の貴金属と合金化する卑金属元素としては、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのうち少なくとも1種類以上が選択されることが好ましいが、白金または白金と白金以外の1種類以上の貴金属との合金化が可能であり、第2および第5の工程により、貴金属を侵すことなく除去することが可能である卑金属元素であれば、構成および割合共に特に制限されない。
(第2の工程)
作製された合金薄膜から卑金属成分のみを除去して第1の細孔を形成する。卑金属成分の溶解には塩酸、硝酸、または硫酸等による化学エッチングが好ましいが、卑金属成分のみを除去することが可能な手法であればこれに限定されない。
(第3の工程)
卑金属成分の溶解された白金または白金と白金以外の1種類以上の貴金属からなる合金の多孔質薄膜の第1の細孔中に1種類以上の卑金属を充填する。卑金属の充填法としては、三次元的に複雑な微細構造内部にも金属被覆を施すことが可能である電解めっき法または無電解めっき法等の液相法が好ましいが、合金薄膜の第1の細孔中に1種類以上の卑金属を充填することが可能な手法であればこれに限定されない。
また、充填する卑金属元素としては、第1の工程第2の工程により溶解した卑金属元素と同一の元素でも異なる元素でも良く、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのうち少なくとも1種類以上が選択されることが好ましいが、白金または白金と白金以外の1種類以上の貴金属との合金化が可能であり、第2および第5の工程により貴金属を侵すことなく除去することが可能である卑金属元素であれば、構成および割合共に特に制限されない。
(第4の工程)
前記第3の工程による卑金属を再充填した合金薄膜を熱処理して白金または白金を含む貴金属合金と、1種類以上の卑金属を再合金化する。熱処理の雰囲気は、金属の酸化の抑制または前記工程により生成した酸化被膜を除去するため、還元雰囲気下であることが好ましく、熱処理の温度は、貴金属と卑金属が合金化する温度であれば特に制限されない。
(第5の工程)
前記再合金化した再合金薄膜より卑金属成分を除去して第2の細孔を形成する。前記第2の工程と同様に、卑金属成分の溶解には塩酸、硝酸、または硫酸等による化学エッチングが好ましいが、卑金属成分のみを除去することが可能な手法であればこれに限定されない。
(第6の工程)
前記第5の工程により作製された、第2の細孔が形成された、白金または白金と白金以外の1種類以上の貴金属より成る多孔質薄膜に対して、第3の工程から第5の工程を複数回施すことにより、所望の細孔構造およびサイズを達成することができる。
次に、第6の工程のメカニズムを図2を用いて説明する。
第3の工程から第5の工程を数回繰返した後に得られた大きい細孔31と小さい細孔32からなる第2の細孔40を有する多孔質貴金属薄膜33に卑金属34を充填する(第3の工程、図2(a)、(b)参照)。その貴金属と卑金属の混合薄膜35に対して熱処理を施すと、貴金属と卑金属界面に貴金属/卑金属合金36が生成する(第4の工程、図2(c)参照)。この薄膜の卑金属成分のみを溶解すると、隣接する二つ以上の大きな細孔が連結した連続的な貫通孔37とその内壁面の小さい内部細孔38が形成される(第5の工程、図2(d)参照)。前記第3の工程から第5の工程を複数回繰返すことにより、本発明の多孔質薄膜を得ることができる。第3の工程から第5の工程の処理回数は、本発明の多孔質薄膜の構造に至る回数であれば特に制限されない。
次に、本発明の電極触媒を用いた固体高分子型燃料電池について図4を用いて説明する。
本発明の固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質41を挟むように前記電極触媒によるアノード電極触媒層42とカソード電極触媒層43が対向した膜/電極接合体50と、燃料拡散層44、45、集電体46、47、セパレータ48、49より構成されるセルを複数積層されている。積層数を調整することにより所望の電圧値および電流値を得ることができるため、積層数は特に限定されない。固体高分子電解質としては、Nafion(DuPont製)、Flemion(旭硝子製)、Aciplex(旭化成製)のような市販品を用いることが可能であるが、低気体透過性、高プロトン伝導性など燃料電池用の固体高分子電解質に必要な特性を備えているものであれば特に制限されない。また、燃料拡散層は、電極触媒層へ燃料気体を効率良く供給する目的で導入され、カーボンクロスまたはカーボンペーパー等の高い導電性を有する多孔質体が好適に用いられる。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
本実施例は、スパッタリング法により白金/銅合金薄膜を作製し(第1の工程)、塩酸により銅成分を溶解し(第2の工程)、無電解めっき法により第2の工程で形成された細孔に銅を充填し(第3の工程)、熱処理により再合金化し(第4の工程)、塩酸により銅成分を溶解し(第5の工程)、次に第3の工程から第5の工程を繰り返し行い(第6の工程)、多孔質白金薄膜を作製する例である。
スパッタリング法により白金/銅合金(白金:銅の元素比=3:7)薄膜をテフロン(登録商標)シート上に厚さ10μmに作製する。形成された合金薄膜を塩酸中に浸漬することにより銅成分のみを溶解して細孔を形成する。次に、無電解めっき法により、得られた多孔質白金薄膜の細孔中に銅を充填する。無電解銅めっきは、硫酸銅等の銅化合物と次亜リン酸ナトリウム等の還元剤から成る水溶液中に前記多孔質白金薄膜を所定時間浸漬することにより行う。この白金と銅の混合薄膜を純水で十分に洗浄した後、400℃で熱処理を施し再合金化する。熱処理は、塩酸エッチング時または無電解銅めっき時に酸化被膜が生成している可能性も考慮し、水素還元雰囲気下で行う。このようにして作製された白金/銅合金薄膜に対して、再び塩酸エッチング、無電解銅めっき、再合金化のプロセスを50サイクル行うと、平均直径約100nmの連続した貫通孔と、その内壁面に形成された平均直径約5nmの内部細孔を有する多孔質白金薄膜が形成される。多孔質薄膜のBET比表面積は約100m/g、空隙率は約60%である。
実施例2
本実施例は、レーザーアブレーション法により白金/パラジウム/ニッケル合金薄膜を作製し(第1の工程)、硝酸によりニッケル成分を溶解し(第2の工程)、電解めっき法により第2の工程で形成された細孔にニッケルを再充填し(第3の工程)、熱処理により再合金化し(第4の工程)、硝酸によりニッケル成分を溶解し(第5の工程)、次に第3の工程から第5の工程を繰り返し行い(第6の工程)、多孔質白金/パラジウム合金薄膜を作製する例である。
レーザーアブレーション法により白金/パラジウム/ニッケル合金(白金:パラジウム:ニッケルの元素比=2:2:6)薄膜を高分子電解質シート上に厚さ10μmに直接形成する。形成された合金薄膜を硝酸中に浸漬することによりニッケル成分のみを溶解し、多孔質白金/パラジウム合金薄膜とする。次に、電解めっき法により細孔中にニッケルを再充填する。電解ニッケルめっきは、ニッケル板を陽極とし、硫酸ニッケル等の銅化合物、塩化アンモニウム等の電解質、およびホウ酸等のpH緩衝剤から成るめっき液または市販のニッケルめっき液中に前記多孔質白金/パラジウム合金薄膜を所定時間浸漬することにより行う。
この白金/パラジウム合金とニッケルの混合薄膜を純水で十分に洗浄した後、400℃で熱処理を施し再合金化する。熱処理は、硝酸エッチング時または電解ニッケルめっき時に酸化被膜が生成している可能性も考慮し、水素還元雰囲気下で行う。このようにして作製された白金/パラジウム/ニッケル合金薄膜に対して、再び硝酸エッチング、電解ニッケルめっき、再合金化のプロセスを100サイクル行うと、平均直径約200nmの連続した貫通孔と、その内壁面に形成された平均直径約10nmの内部細孔を有する多孔質白金/パラジウム薄膜が形成される。多孔質薄膜のBET比表面積は50m/g、空隙率は80%である。
本発明に係る電極触媒は、携帯電話やデジタルカメラのようなモバイル機器用の固体高分子型燃料電池として利用可能である。
本発明に係る固体高分子型燃料電池用電極触媒の多孔質薄膜の断面図である。 本発明に係る固体高分子型燃料電池用電極触媒の多孔質薄膜の製造方法を示す工程図である。 従来の作製プロセスによる固体高分子型燃料電池の電極触媒層の断面図である。 本発明の電極触媒を用いた固体高分子型燃料電池の説明図である。
符号の説明
11 不連続な閉孔
12 孤立した触媒担持カーボン粒子の凝集体
13 貴金属触媒微粒子
14 カーボン担体
15 高分子電解質
21 三次元的に連続した貫通孔
22 三次元的に連続した貫通孔の内壁面に形成された内部細孔
23 貴金属成分
24 細孔
31 大きい細孔
32 大きい細孔の内壁面に形成された小さい細孔
33 多孔質貴金属薄膜
34 卑金属
35 貴金属/卑金属混合薄膜
36 貴金属/卑金属合金
37 三次元的に連続した貫通孔
38 三次元的に連続した貫通孔の内壁面に形成された内部細孔
39 多孔質貴金属薄膜
40 第2の細孔
41 固体高分子電解質
42 アノード電極触媒層
43 カソード電極触媒層
44 燃料拡散層
45 燃料拡散層
46 集電体
47 集電体
48 セパレータ
49 セパレータ
50 膜/電極接合体

Claims (9)

  1. 白金または白金を含む貴金属合金からなる多孔質薄膜からなり、該多孔質薄膜が異なる2種類の細孔を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  2. 前記多孔質薄膜の異なる2種類の細孔が、薄膜内において三次元的に連続した貫通孔と、該貫通孔の内壁面に形成された内部細孔からなることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  3. 前記貫通孔の平均直径が10nm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  4. 前記内部細孔の平均直径が10nm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  5. 前記多孔質薄膜のBET比表面積が15m2 /g以上300m2 /g以下であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  6. 前記多孔質薄膜の空隙率が50%以上90%以下であることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  7. 前記多孔質薄膜の細孔以外の金属成分が連続していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載の固体高分子型燃料電池用電極触媒。
  8. 白金または白金を含む貴金属合金と、1種類以上の卑金属とからなる合金薄膜を作製する第1の工程、該合金薄膜より卑金属成分を除去して第1の細孔を形成する第2の工程、該第1の細孔中に1種類以上の卑金属を再充填する第3の工程、該卑金属を再充填した合金薄膜を熱処理して白金または白金を含む貴金属合金と、1種類以上の卑金属を再合金化する第4の工程、該再合金化した再合金薄膜より卑金属成分を除去して第2の細孔を形成する第5の工程、さらに前記再合金薄膜に対して前記第3の工程から第5の工程を複数回繰り返し行う第6の工程を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極触媒の製造方法。
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載の電極触媒を用いた固体高分子型燃料電池。
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