JP2006183465A - 遠心圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低圧セクションと高圧セクションとがいかなる圧力条件になったとしても、安定してスラスト力のバランスを取りえる遠心圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】 スラスト軸受に支持された回転軸3に、少なくとも1段の羽根車13を有する低圧セクション5と、少なくとも1段の羽根車31を有する高圧セクション7とが固定された遠心圧縮機1において、回転軸3に固定され、低圧セクション5の昇圧方向に面する側面59で低圧セクション5の低圧吐出圧PLOと略同等の圧力を受け、側面61で低圧セクション5の低圧吸入圧PLIと略同等の圧力を受ける低圧バランスピストン57と、回転軸3に固定され、高圧セクション7の昇圧方向に面する側面51で高圧セクション7の高圧吐出圧PHOと略同等の圧力を受け、側面53で高圧セクション7の高圧吸入圧PHIと略同等の圧力を受ける高圧バランスピストン49と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遠心力によってガスを多段的に圧縮する遠心圧縮機に関するものである。
従来、この種遠心圧縮機では、吸入側に比べて吐出側のガス圧力が高くなるが、この圧力差により、回転軸に対して昇圧方向とは逆の方向にスラスト力が作用する。そして、このスラスト力を受けるため、大きなスラスト軸受を必要としていた。
このスラスト力を低減させるものとして、特許文献1に示すようなバランスピストンが採用されている。
このバランスピストンは、昇圧方向に面した一側面に突出側圧力を導入し、他方の面に吸入側圧力を導入して、この圧力差により、回転軸へ昇圧方向のスラスト力を作用させる。このスラスト力により、前記した昇圧過程で発生する昇圧方向とは逆方向に作用するスラスト力を打ち消し、スラスト軸受にかかる負担を低減するものである。
特開平10−318184号公報(段落[0013]〜[0020],及び図1)
ところで、近年、ガスインジェクション用等で、ガスの高圧圧縮が求められている。このような遠心圧縮機では、通常低圧セクションと高圧セクションというそれぞれ吸入と吐出までの過程を有する2セクションを備えている。しかし、このような遠心圧縮機において、バランスピストンは採用されているが、定常運転時にスラスト力が最適になるように設計されている。そのため、起動時あるいは停止時等で、低圧セクションと高圧セクションでの圧力状態が、予め想定した設計条件の範囲から外れるような場合、回転軸に作用するスラスト力のバランスをとることができなかった。
このように、スラスト力のバランスをとることができずにスラスト軸受で受けるスラスト力が大きくなると、スラスト軸受の面圧が上昇して温度が上がるため、遠心圧縮機の回転数を制限する事態となる。また、甚だしい場合には、スラスト軸受が破壊されるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、低圧セクションと高圧セクションとがいかなる圧力条件になったとしても、安定してスラスト力のバランスを取りえる遠心圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる遠心圧縮機は、スラスト軸受に支持された回転軸に、少なくとも1段の羽根車を有する低圧セクションと、少なくとも1段の羽根車を有する高圧セクションとが固定された遠心圧縮機において、前記回転軸に固定され、前記低圧セクションの昇圧方向に面する一側面で前記低圧セクションの吐出側圧力と略同等の圧力を受け、他方の側面で前記低圧セクションの吸入側圧力と略同等の圧力を受ける第一のバランスピストンと、前記回転軸に固定され、前記高圧セクションの昇圧方向に面する一側面で前記高圧セクションの吐出側圧力と略同等の圧力を受け、他方の側面で前記高圧セクションの吸入側圧力と略同等の圧力を受ける第二のバランスピストンと、を備えていることを特徴とする。
このように、回転軸に固定された第一のバランスピストンは、低圧セクションの昇圧方向に面する一側面で低圧セクションの吐出側圧力と略同等の圧力を受け、他方の側面で低圧セクションの吸入側圧力と略同等の圧力を受けるので、一側面側に低圧セクションの吐出側圧力と吸入側圧力の差圧に相当する力を受け、回転軸に対して一側面から他方の側面に向けた、すなわち、低圧セクションの昇圧方向に向けたスラスト力を発生する。このスラスト力は、低圧セクションにおいて同じ吐出側圧力と吸入側圧力の差圧により昇圧方向と逆方向に発生するスラスト力と略同等の大きさであるので、低圧セクションでの圧力差により回転軸に作用するスラスト力は、第一のバランスピストンで発生する逆向きのスラスト力により打ち消される。
同様に、高圧セクションでの圧力差により回転軸に作用するスラスト力は、第二のバランスピストンで発生する逆向きのスラスト力により打ち消される。
このように、低圧セクションと高圧セクションとで、それぞれの圧力差により回転軸に作用するスラスト力は、第一のバランスピストンと第二のバランスピストンとで発生する回転軸に対し逆向きに作用するスラスト力により打ち消されるので、回転軸を支持するスラスト軸受は、小型化できる。
また、第一のバランスピストンは、低圧セクションで発生するスラスト力を、第二のバランスピストンは、高圧セクションで発生するスラスト力をと、それぞれ別個に打ち消すので、起動・停止時あるいは低圧セクションと高圧セクションとの負荷バランスが設計条件から変わった場合でも、安定してスラスト力を低減することができる。
また、本発明にかかる遠心圧縮機は、前記低圧セクションの吐出側と、前記高圧セクションの吐出側とが対向するように配置され、前記第二のバランスピストンは、前記低圧セクションと前記高圧セクションとの間に配置されていることを特徴とする。
このように、低圧セクションの吐出側と、高圧セクションの吐出側とが対向するように配置され、第二のバランスピストンは、低圧セクションと高圧セクションとの間に配置されているので、第二のバランスピストンは、高圧セクションの吐出側と低圧セクションの吐出側に隣接して配置されていることになる。そのため、第二のバランスピストンの一側面に高圧セクションの吐出側圧力が作用し、他の側面に高圧セクションの吸入側圧力と略同等の低圧セクションの吐出側圧力が作用する。
したがって、第二のバランスピストンの側面に圧力を供給するための配管やスペースが不要となるので、構造が簡略化でき、回転軸方向長さを短縮できる。
さらに、本発明にかかる遠心圧縮機は、前記低圧セクションの吐出側と、前記高圧セクションの吸入側とが対向するように配置され、前記第一のバランスピストンは、前記低圧セクションと前記高圧セクションとの間に配置され、前記第二のバランスピストンは、前記高圧セクションの吐出側に隣接して配置されていることを特徴とする。
このように、低圧セクションの吐出側と、高圧セクションの吸入側とが対向するように配置され、第一のバランスピストンは、低圧セクションと前記高圧セクションとの間に配置されているので、第一のバランスピストンは低圧セクションの吐出側に隣接されていることになる。そして、第二のバランスピストンは、高圧セクションの吐出側に隣接して配置されているので、第一のバランスピストンと第二のバランスピストンとの一側面に、それぞれ低圧セクションの吐出側圧力と高圧セクションの吐出側圧力が作用する。
そして、第一のバランスピストンと第二のバランスピストンとの他の側面にそれぞれ低圧セクションの吸入側圧力と高圧セクションの吸入側圧力とを導入することで、低圧セクションと高圧セクションとで発生する回転軸へのスラスト力を略完全に打ち消すことができる。
また、本発明にかかる遠心圧縮機は、前記第一のバランスピストンは、前記第二のバランスピストンの前記高圧セクションの吐出側に対して反対側に配置されていることを特徴とする。
このように、第一のバランスピストンは、第二のバランスピストンの高圧セクションの吐出側に対して反対側に配置されているので、第一のバランスピストンの一側面へ導入する低圧セクションの吐出側圧力に、第二のバランスピストンの他の側面に導入された高圧セクションの吸入側圧力を利用できる。したがって、第一のバランスピストンと第二のバランスピストンとの間で、低圧セクションと高圧セクションとを区切る必要がないので、遠心圧縮機の回転軸に沿う長さを短縮できる。
請求項1に記載の発明によれば、回転軸に固定された第一のバランスピストンは、低圧セクションの昇圧方向に面する一側面で低圧セクションの吐出側圧力と略同等の圧力を受け、他方の側面で低圧セクションの吸入側圧力と略同等の圧力を受けるので、回転軸を支持するスラスト軸受は、小型化できる。
また、第一のバランスピストンは、低圧セクションで発生するスラスト力を、第二のバランスピストンは、高圧セクションで発生するスラスト力をと、それぞれ別個に打ち消すので、起動・停止時あるいは低圧セクションと高圧セクションとの負荷バランスが設計条件から変わった場合でも、安定してスラスト力を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、低圧セクションの吐出側と、高圧セクションの吐出側とが対向するように配置され、第二のバランスピストンは、低圧セクションと高圧セクションとの間に配置されているので、構造が簡略化でき、回転軸方向長さを短縮できる。
請求項3に記載の発明によれば、低圧セクションの吐出側と、高圧セクションの吸入側とが対向するように配置され、第一のバランスピストンは、低圧セクションと前記高圧セクションとの間に配置されているので、低圧セクションと高圧セクションとで発生する回転軸へのスラスト力を略完全に打ち消すことができる。
請求項4に記載の発明によれば、第一のバランスピストンは、第二のバランスピストンの高圧セクションの吐出側に対して反対側に配置されているので、遠心圧縮機の回転軸に沿う長さを短縮できる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態にかかる遠心圧縮機1の一部を示す縦断面図である。
遠心圧縮機1には、回転軸3と、低圧セクション5と、高圧セクション7と、ケーシング9と、ハウジング11と、が備えられている。
回転軸3は、ハウジング11に、その一端がラジアル軸受(図示略)により支持され、他端がラジアル軸受(図示略)およびスラスト軸受(図示略)により支持されている。
低圧セクション5は、3段の羽根車13と、ハウジング11およびケーシング9に掘設されたガス流路とから構成されている。
羽根車13は、回転軸3に固定されたハブ15と、ハブ15の表面に円周方向に等間隔で多数固定された羽根17と、羽根17の先端に取り付けられたシュラウド19とから形成されている。
羽根車13には、ハブ15と、羽根17と、シュラウド19とでガス通路が画成されている。このガス通路の回転軸3側がガス入口21となり、回転軸3から離隔した側がガス出口23となる。
羽根車13は、ガス入口23を一端側(図1中左側)に向けた形で、略中央部に向かって順次3段配置されている。
ガス流路には、図示しないガス源と1段目の羽根車13のガス入口21とを結ぶ低圧吸入路25と、各段の羽根車13のガス出口23と次段の羽根車13のガス入口を連絡する低圧中間通路27と、3段目(最終段)のガス出口23から系外へ連通する低圧吐出路29とが備えられている。
高圧セクション7は、3段の羽根車31と、ハウジング11およびケーシング9に掘設されたガス流路とから構成されている。
羽根車31は、回転軸3に固定されたハブ33と、ハブ33の表面に円周方向に等間隔で多数固定された羽根35と、羽根35の先端に取り付けられたシュラウド37とから形成されている。
羽根車31には、ハブ33と、羽根35と、シュラウド37とでガス通路が画成されている。このガス通路の回転軸3側がガス入口39となり、回転軸3から離隔した側がガス出口41となる。
羽根車31は、ガス入口41を他端側(図1中右側)に向けた形で、略中央部に向かって順次3段配置されている。
したがって、低圧セクション5の3段目(吐出側)の羽根車13と、高圧セクション7の3段目(吐出側)の羽根車31とは、背中合わせに対向して配置されている。このように配置された遠心圧縮機は、バックツーバック(Back To Back)型の遠心圧縮機と称されている。
ガス流路には、低圧吐出路29から系外の、例えばインタークーラ等の機器を経由して導入されたガスを、1段目の羽根車31のガス入口39へ連通する高圧吸入路43と、各段の羽根車31のガス出口41と次段の羽根車31のガス入口39とを連絡する高圧中間通路45と、3段目(最終段)のガス出口41から系外へ連通する高圧吐出路47とが備えられている。
低圧セクション5と高圧セクション7との間には、高圧バランスピストン(第二のバランスピストン)49が備えられている。高圧バランスピストン49は、外端に肉厚部を有する略ドーナツ形状をしており、内側端部にて回転軸3に固定されている。
高圧バランスピストン49の外端部は、ハウジング11に取り付けられたラビリンスシール55により低圧セクション5と高圧セクション7との間をシールされている。
高圧バランスピストン49の高圧セクション7に面する、すなわち高圧セクション7の昇圧方向に面する側面(一側面)51は、高圧セクション7の最終段のガス出口41と連通し、高圧セクション7の高圧吐出圧PHOを受けている。
高圧バランスピストン49の低圧セクション5に面する側面(他方の側面)53は、低圧セクション5の最終段のガス出口23と連通し、低圧セクション5の低圧吐出圧PLOを受けている。
低圧セクション5の吐出ガスは、高圧セクション7の高圧吸入路43へ供給されるので、低圧吐出圧PLOは、高圧吸入圧PHIと略同等の圧力となる。
高圧セクション7の他端側には、低圧バランスピストン(第一のバランスピストン)57が備えられている。低圧バランスピストン57は、外端に肉厚部を有する略ドーナツ形状をしており、内側端部にて回転軸3に固定されている。
低圧バランスピストン57の外端部は、ハウジング11に取り付けられたラビリンスシール63により高圧セクション7との間をシールされている。
低圧バランスピストン57の高圧セクション7に面する、すなわち低圧セクション5の昇圧方向に面する側面(一側面)59は、高圧セクション7の高圧吸入路43と連通し、高圧セクション7の高圧吸入圧PHIを受けている。上述したように、高圧吸入圧PHIは、低圧吐出圧PLOと略同等の圧力であるので、低圧バランスピストン57の側面59は、低圧セクション5の低圧吐出圧PLOを受けていることになる。
低圧バランスピストン57の他端側の側面(他方の側面)61は、均圧管67を介して低圧吸入圧PLIを導入された導入管65と連通し、低圧セクション5の低圧吸入圧PLIを受けている。
以上説明した本実施形態にかかる遠心圧縮機の動作を説明する。
回転軸3を回転させると、低圧セクション5の羽根車13、高圧セクション7の羽根車31、高圧バランスピストン49および低圧バランスピストン57が回転する。
低圧セクション5の羽根車13が回転すると、低圧吸入圧PLIのガスは、低圧吸入路25を通って低圧セクション5内へ吸い込まれる。吸い込まれたガスは、3段の羽根車13の回転に伴う遠心力により、1段目から3段目の方向(昇圧方向)へ送られつつ、順次圧縮される。そして、ガスは低圧吐出圧力PLOまで昇圧されて、3段目の羽根車13の出口23から低圧吐出路29を通って吐出される。
このとき低圧セクション5において、低圧吐出圧PLOと低圧吸入圧PLIとの差圧により、回転軸3に対して低圧セクションの昇圧方向と逆方向(他端側から一端側)へ作用するスラスト力TLが発生する。
低圧セクション5から吐出される低圧吐出圧PLOのガスは、例えばインタークーラ(図示略)により中間冷却された後、高圧吸入圧PHIのガスとして高圧吸入路43を通って高圧セクション7へ吸い込まれる。吸い込まれたガスは、3段の羽根車31の回転に伴う遠心力により、1段目から3段目の方向(昇圧方向)へ送られつつ、順次圧縮される。そして、ガスは高圧吐出圧力PHOまで昇圧されて、3段目の羽根車31の出口41から高圧吐出路47を通って吐出される。
このとき高圧セクション7において、高圧吐出圧PHOと高圧吸入圧PHIとの差圧により、回転軸3に対して高圧セクション7の昇圧方向と逆方向(一端側から他端側)へ作用するスラスト力THが発生する。
一方、低圧バランスピストン57の一端側の、すなわち低圧セクションの昇圧方向に面する側面59は、低圧吐出圧PLOに略同等の高圧吸入圧PHIを受けている。そして、低圧バランスピストン57の他端側の側面61は、均圧管67と導入管65を介して導入された低圧吸入圧PLIを受けている。そのため、回転軸3に固定された低圧バランスピストン57において、高圧吸入圧PHIと低圧吸入圧PLIとの差圧により、回転軸3に対して一端側から他端側へ、すなわち低圧セクション5の昇圧方向へ作用するスラスト力TLBが発生する。
このスラスト力TLBは、上述した低圧セクション5で発生するスラスト力TLと略同等の差圧により生じるので、略同等の大きさである。そして、スラスト力TLBとスラスト力TLとは、作用する方向が逆方向であるので、相互に打ち消されることになる。
高圧バランスピストン49の他端側の、すなわち高圧セクション7の昇圧方向に面する側面51は、高圧吐出圧PHOを受けている。そして、高圧バランスピストン49の一端側の側面53は、高圧吸入圧PHIに略同等の低圧吐出圧PLOを受けている。このため、回転軸3に固定された高圧バランスピストン49において、高圧吐出圧PHOと低圧吐出圧PLOとの差圧により、回転軸3に対して他端側から一端側へ、すなわち高圧セクション7の昇圧方向へ作用するスラスト力THBが発生する。
このスラスト力THBは、上述した高圧セクション7で発生するスラスト力THと略同等の差圧により生じるので、略同等の大きさである。そして、スラスト力THBとスラスト力THとは、作用する方向が逆方向であるので、相互に打ち消されることになる。
このように、高圧バランスピストン49の側面51は、高圧吐出路47に連通されて高圧吐出圧PHOを受け、側面53は低圧吐出路29に連通されて低圧吐出圧PLOを受けているので、これらの側面51,53に圧力を供給するために配管やそのためのスペースを設ける必要がない。このため、高圧バランスピストン49の周辺構造が簡略化できるし、不要なスペース分だけ回転軸方向長さを短縮できる。
このように、低圧セクション5により発生されるスラスト力TLと、高圧セクション7により発生されるスラスト力THとは、それぞれ低圧バランスピストン57により発生されるスラスト力TLBと高圧バランスピストン49により発生されるスラスト力THBとによって、打ち消されるので、回転軸3に作用するスラスト力は大幅に低減される。したがって、回転軸3に作用するスラスト力が大幅に低減されるので、回転軸3を支持するスラスト軸受を小型化できる。
また、上述のように低圧セクション5により発生されるスラスト力TLは、低圧バランスピストン57で、高圧セクション7により発生されるスラスト力TLは高圧バランスピストン49によりそれぞれ別個に打ち消されるものである。
このため、起動時や停止時(特に緊急停止時)に、低圧セクション5内と高圧セクション7内とにおける各負荷条件、すなわち圧力差の大小が、設計条件と変わったような場合でも、安定してスラスト力を低減できる。
したがって、過大なスラスト力がスラスト軸受に作用して、スラスト軸受が過熱するため運転速度を低減させるような事態を防止できる。また、スラスト力が著しく増大してスラスト軸受が破壊されるのを防止できる。
以下、本実施形態の作用・効果について説明する。
本実施形態によれば、回転軸3に固定された低圧バランスピストン57は、低圧セクション5の昇圧方向に面する側面59で低圧セクション5の低圧吐出圧PLOと略同等の高圧吸入圧PHIを受け、他方の側面61で低圧セクション5の低圧吸入圧PLIを受けるので、一端側の側面59に低圧セクション5の低圧吐出圧PLOと低圧吸入圧PLIの差圧に相当する力を受け、回転軸3に対して一端側から他端側に向けた、すなわち、低圧セクション5の昇圧方向に向けたスラスト力TLBを発生する。このスラスト力TLBは、低圧セクション5において同じ低圧吐出圧PLOと低圧吸入圧PLIの差圧により昇圧方向と逆方向に発生するスラスト力TLと略同等の大きさであるので、低圧セクション7での圧力差により回転軸3に作用するスラスト力TLは、低圧バランスピストン57で発生する逆向きのスラスト力TLBにより打ち消される。
同様に、高圧セクション7での圧力差により回転軸3に作用するスラスト力THは、高圧バランスピストン49で発生するスラスト力THと逆向きのスラスト力THBにより打ち消される。
このように、低圧セクション5と高圧セクション7とで、それぞれの圧力差により回転軸3に作用するスラスト力TL,THは、低圧バランスピストン57と高圧バランスピストン49とで発生する回転軸3に対し逆向きに作用するスラスト力TLB,THBにより打ち消されるので、回転軸3を支持するスラスト軸受は、小型化できる。
また、低圧バランスピストン57は、低圧セクション5で発生するスラスト力TLを、高圧バランスピストン49は、高圧セクション7で発生するスラスト力THをと、それぞれ別個に打ち消すので、起動・停止時あるいは低圧セクション5と高圧セクション7との負荷バランスが設計条件から変わった場合でも、安定してスラスト力を低減することができる。
また、本実施形態によれば、低圧セクション5の吐出側と、高圧セクション7の吐出側とが対向するように配置され、高圧バランスピストン49は、低圧セクション5と高圧セクション7との間に配置されているので、高圧バランスピストン49は、高圧セクション7の吐出側と低圧セクション5の吐出側に隣接して配置されていることになる。そのため、高圧バランスピストン49の側面51に高圧セクション7の高圧吐出圧PHOが作用し、他の側面53に高圧セクション7の高圧吸入圧PHIと略同等の低圧セクション5の低圧吐出圧PLOが作用する。
したがって、高圧バランスピストン49の側面51,53に圧力を供給するための配管やスペースが不要となるので、構造が簡略化でき、回転軸方向長さを短縮できる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図2を用いて説明する。
本実施形態は、低圧セクション5と高圧セクション7とが、直列に、すなわち昇圧方向が同一になるよう配置されたストレート型の遠心圧縮機1に、本発明を適用したものである。
低圧セクション5、回転軸3、ケーシング9およびハウジング11の構成は、第一実施形態と同じであるので、同じ部材には同じ符号を付し説明を省略する。
また、高圧セクション7についても、第一実施形態と比べて昇圧方向が反対方向になっただけで、基本的構成は同じなので、同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。すなわち、本実施形態では、低圧セクション5と高圧セクション7とは、同じ方向の昇圧方向70を有するように配置されている。
低圧セクション5と高圧セクションの間には、両者を仕切る仕切部69が設けられている。仕切部69の内端部には、回転軸3に接するラビリンスシール部設けられており、低圧セクション5と高圧セクション7との間をシールしている。
低圧セクション5の吐出側に隣接して低圧バランスピストン(第一のバランスピストン)71が備えられている。低圧バランスピストン71は、外端に昇圧方向70側に突出した突出部を有する略ドーナツ形状をしており、内側端部にて回転軸3に固定されている。
低圧バランスピストン71の外端部は、ハウジング11に取り付けられたラビリンスシール73によりシールされている。
低圧バランスピストン71の昇圧方向70に面する側面(一側面)75は、低圧セクション5の低圧吐出路29と連通し、低圧セクション5の低圧吐出圧PLOを受けている。
低圧バランスピストン71の他方の側面(他方の側面)77は、均圧管79を介して低圧吸入圧PLIを導入された導入室80と連通し、低圧セクション5の低圧吸入圧PLIを受けている。
高圧セクション7の吐出側に隣接して高圧バランスピストン(第二のバランスピストン)81が備えられている。高圧バランスピストン81は、外端に昇圧方向70側に突出した突出部を有する略ドーナツ形状をしており、内側端部にて回転軸3に固定されている。
高圧バランスピストン81の外端部は、ハウジング11に取り付けられたラビリンスシール83によりシールされている。
高圧バランスピストン81の高圧セクション7に面する、すなわち昇圧方向70に面する側面(一側面)85は、高圧セクション7の最終段羽根車31のガス出口41と連通し、高圧セクション7の高圧吐出圧PHOを受けている。
高圧バランスピストン81の他方の側面(他方の側面)87は、均圧管89を介して高圧吸入圧PHIを導入された導入室90と連通し、高圧セクション7の高圧吸入圧PHIを受けている。
以上説明した本実施形態にかかる遠心圧縮機の動作を説明する。
回転軸3を回転させると、低圧セクション5の羽根車13、高圧セクション7の羽根車31、低圧バランスピストン71および高圧バランスピストン81が回転する。
低圧セクション5の羽根車13が回転すると、低圧吸入圧PLIのガスは、低圧吸入路25を通って低圧セクション5内へ吸い込まれる。吸い込まれたガスは、3段の羽根車13の回転に伴う遠心力により、昇圧方向70へ送られつつ、順次圧縮される。そして、ガスは低圧吐出圧力PLOまで昇圧されて、3段目の羽根車13の出口23から低圧吐出路29を通って吐出される。
このとき低圧セクション5において、低圧吐出圧PLOと低圧吸入圧PLIとの差圧により、回転軸3に対して低圧セクションの昇圧方向70と逆方向へ作用するスラスト力TLが発生する。
低圧セクション5から吐出される低圧吐出圧PLOのガスは、図示を省略しているが、例えばインタークーラにより中間冷却された後、高圧吸入圧PHIのガスとして高圧吸入路43を通って高圧セクション7へ吸い込まれる。吸い込まれたガスは、3段の羽根車31の回転に伴う遠心力により、昇圧方向70へ送られつつ、順次圧縮される。そして、ガスは高圧吐出圧力PHOまで昇圧されて、3段目の羽根車31の出口41から高圧吐出路47を通って吐出される。
このとき高圧セクション7において、高圧吐出圧PHOと高圧吸入圧PHIとの差圧により、回転軸3に対して高圧セクション7の昇圧方向70と逆方向へ作用するスラスト力THが発生する。
一方、低圧バランスピストン71の昇圧方向70に面する側面75は、低圧吐出圧PLOを受けている。そして、低圧バランスピストン71の他方の側面77は、均圧管79により導入室80に導入された低圧吸入圧PLIを受けている。そのため、回転軸3に固定された低圧バランスピストン71において、高圧吸入圧PHIと低圧吸入圧PLIとの差圧により、回転軸3に対して昇圧方向70へ作用するスラスト力TLBが発生する。
このスラスト力TLBは、上述した低圧セクション5で発生するスラスト力TLと同じ差圧により生じるので、略同等の大きさである。そして、スラスト力TLBとスラスト力TLとは、作用する方向が逆方向であるので、相互に打ち消されることになる。
高圧バランスピストン81の昇圧方向70に面する側面85は、高圧吐出圧PHOを受けている。そして、高圧バランスピストン81の他方の側面87は、均圧管89を介して導入室90に導入された高圧吸入圧PHIを受けている。このため、回転軸3に固定された高圧バランスピストン81において、高圧吐出圧PHOと高圧吸入圧PHIとの差圧により、回転軸3に対して昇圧方向70へ作用するスラスト力THBが発生する。
このスラスト力THBは、上述した高圧セクション7で発生するスラスト力THと同じ差圧により生じるので、略同等の大きさである。そして、スラスト力THBとスラスト力THとは、作用する方向が逆方向であるので、相互に打ち消されることになる。
このように、低圧セクション5により発生されるスラスト力TLと、高圧セクション7により発生されるスラスト力THとは、それぞれ低圧バランスピストン71により発生されるスラスト力TLBと高圧バランスピストン81により発生されるスラスト力THBとによって、打ち消されるので、回転軸3に作用するスラスト力は大幅に低減される。したがって、回転軸3に作用するスラスト力が大幅に低減されるので、回転軸3を支持するスラスト軸受を小型化できる。
しかも、スラスト力TL、スラスト力TLB、スラスト力THおよびスラスト力THBが、この順序で回転軸3に作用する、すなわち打ち消す力が昇圧方向70に沿って直後に作用するので、回転軸3に作用するスラスト力のバランスが良く、無理な力の集中を防止できる。
また、上述のように低圧セクション5により発生されるスラスト力TLは、低圧バランスピストン71で、高圧セクション7により発生されるスラスト力TLは高圧バランスピストン81によりそれぞれ別個に打ち消されるものである。
このため、起動時や停止時(特に緊急停止時)に、低圧セクション5内と高圧セクション7内とにおける各負荷条件、すなわち圧力差の大小が、設計条件と変わったような場合でも、安定してスラスト力を低減できる。
したがって、過大なスラスト力がスラスト軸受に作用して、スラスト軸受が過熱するため運転速度を低減させるような事態を防止できる。また、スラスト力が著しく増大してスラスト軸受が破壊されるのを防止できる。
以下、本実施形態の作用・効果について説明する。
本実施形態によれば、回転軸3に固定された低圧バランスピストン71は、低圧セクション5の昇圧方向70に面する側面75で低圧セクション5の低圧吐出圧PLOを受け、他方の側面77で低圧セクション5の低圧吸入圧PLIを受けるので、一端側の側面75に低圧セクション5の低圧吐出圧PLOと低圧吸入圧PLIの差圧に相当する力を受け、回転軸3に対して昇圧方向に向けたスラスト力TLBを発生する。このスラスト力TLBは、低圧セクション5において同じ低圧吐出圧PLOと低圧吸入圧PLIの差圧により昇圧方向70と逆方向に発生するスラスト力TLと略同等の大きさであるので、低圧セクション5での圧力差により回転軸3に作用するスラスト力TLは、低圧バランスピストン71で発生する逆向きのスラスト力TLBにより略完全に打ち消される。
同様に、高圧セクション7での圧力差により回転軸3に作用するスラスト力THは、高圧バランスピストン81で発生するスラスト力THと逆向きのスラスト力THBにより略完全に打ち消される。
このように、低圧セクション5と高圧セクション7とで、それぞれの圧力差により回転軸3に作用するスラスト力TL,THは、低圧バランスピストン71と高圧バランスピストン81とで発生する回転軸3に対し逆向きに作用するスラスト力TLB,THBにより打ち消されるので、回転軸3を支持するスラスト軸受は、小型化できる。
また、低圧バランスピストン71は、低圧セクション5で発生するスラスト力TLを、高圧バランスピストン81は、高圧セクション7で発生するスラスト力THをと、それぞれ別個に打ち消すので、起動・停止時あるいは低圧セクション5と高圧セクション7との負荷バランスが設計条件から変わった場合でも、安定してスラスト力を低減することができる。
また、本実施形態によれば、低圧セクション5の吐出側と、高圧セクション7の吸入側とが対向するように配置され、低圧バランスピストン71は、低圧セクション5と高圧セクション7との間に配置されているので、低圧バランスピストン71は低圧セクション5の吐出側に隣接されていることになる。そして、高圧バランスピストン81は、高圧セクション7の吐出側に隣接して配置されているので、低圧バランスピストン71と高圧バランスピストン81との昇圧方向70に面する側面75,85に、それぞれ低圧セクション5の低圧吐出圧PLOと高圧セクション7の高圧吐出圧PHOが作用する。
そして、低圧バランスピストン71と高圧バランスピストン81との他の側面77,87にそれぞれ低圧セクション5の低圧吸入圧PLIと高圧セクション7の高圧吸入圧PHIとを導入することで、低圧セクション5と高圧セクション7とで発生する回転軸3へのスラスト力を略完全に打ち消すことができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について、図3を用いて説明する。
本実施形態は、第二実施形態と同様にストレート型の遠心圧縮機1に、本発明を適用したものである。
低圧セクション5、回転軸3、ケーシング9およびハウジング11の構成は、第一実施形態と同じであるので、同じ部材には同じ符号を付し説明を省略する。
また、高圧セクション7についても、第一実施形態と比べて昇圧方向が反対方向になっただけで、基本的構成は同じなので、同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。すなわち、本実施形態では、低圧セクション5と高圧セクション7とは、同じ方向の昇圧方向70を有するように配置されている。
高圧セクション7の吐出側に隣接して高圧バランスピストン(第二のバランスピストン)111が備えられている。高圧バランスピストン111は、外端に昇圧方向70側に突出した突出部を有する略ドーナツ形状をしており、内側端部にて回転軸3に固定されている。
高圧バランスピストン111の外端部は、ハウジング11に取り付けられたラビリンスシール113によりシールされている。
高圧バランスピストン111の高圧セクション7に面する、すなわち昇圧方向70に面する側面(一側面)115は、高圧セクション7の最終段羽根車31のガス出口41と連通し、高圧セクション7の高圧吐出圧PHOを受けている。
高圧バランスピストン111の他方の側面(他方の側面)117は、均圧管119を介して高圧吸入圧PHIを導入された導入室120と連通し、高圧セクション7の高圧吸入圧PHIを受けている。
高圧バランスピストン111の昇圧方向70側に隣接して低圧バランスピストン(第一のバランスピストン)101が備えられている。低圧バランスピストン101は、外端に昇圧方向70側に突出した突出部を有する略ドーナツ形状をしており、内側端部にて回転軸3に固定されている。
低圧バランスピストン101の外端部は、ハウジング11に取り付けられたラビリンスシール103によりシールされている。
低圧バランスピストン101の昇圧方向70に面する側面(一側面)105は、導入室120と連通し、低圧セクション5の低圧吐出圧PLOと略同等の高圧吸入圧PHIを受けている。
低圧バランスピストン101の他方の側面(他方の側面)107は、均圧管109を介して低圧吸入圧PLIを導入された導入室110と連通し、低圧セクション5の低圧吸入圧PLIを受けている。
以上説明した本実施形態にかかる遠心圧縮機の動作を説明する。
回転軸3を回転させると、低圧セクション5の羽根車13、高圧セクション7の羽根車31、低圧バランスピストン101および高圧バランスピストン111が回転する。
低圧セクション5の羽根車13が回転すると、低圧吸入圧PLIのガスは、低圧吸入路25を通って低圧セクション5内へ吸い込まれる。吸い込まれたガスは、3段の羽根車13の回転に伴う遠心力により、昇圧方向70へ送られつつ、順次圧縮される。そして、ガスは低圧吐出圧力PLOまで昇圧されて、3段目の羽根車13の出口23から低圧吐出路29を通って吐出される。
このとき低圧セクション5において、低圧吐出圧PLOと低圧吸入圧PLIとの差圧により、回転軸3に対して低圧セクションの昇圧方向70と逆方向へ作用するスラスト力TLが発生する。
低圧セクション5から吐出される低圧吐出圧PLOのガスは、図示を省略しているが、例えばインタークーラにより中間冷却された後、高圧吸入圧PHIのガスとして高圧吸入路43を通って高圧セクション7へ吸い込まれる。吸い込まれたガスは、3段の羽根車31の回転に伴う遠心力により、昇圧方向70へ送られつつ、順次圧縮される。そして、ガスは高圧吐出圧力PHOまで昇圧されて、3段目の羽根車31の出口41から高圧吐出路47を通って吐出される。
このとき高圧セクション7において、高圧吐出圧PHOと高圧吸入圧PHIとの差圧により、回転軸3に対して高圧セクション7の昇圧方向70と逆方向へ作用するスラスト力THが発生する。
一方、低圧バランスピストン101の昇圧方向70に面する側面105は、低圧吐出圧PLOに略等しい東圧吸入圧PHIを受けている。そして、低圧バランスピストン101の他方の側面107は、均圧管109により導入室110に導入された低圧吸入圧PLIを受けている。そのため、回転軸3に固定された低圧バランスピストン101において、高圧吸入圧PHIと低圧吸入圧PLIとの差圧により、回転軸3に対して昇圧方向70へ作用するスラスト力TLBが発生する。
このスラスト力TLBは、上述した低圧セクション5で発生するスラスト力TLと略同じ差圧により生じるので、略同等の大きさである。そして、スラスト力TLBとスラスト力TLとは、作用する方向が逆方向であるので、相互に打ち消されることになる。
高圧バランスピストン111の昇圧方向70に面する側面115は、高圧吐出圧PHOを受けている。そして、高圧バランスピストン111の他方の側面117は、均圧管119を介して導入室120に導入された高圧吸入圧PHIを受けている。このため、回転軸3に固定された高圧バランスピストン111において、高圧吐出圧PHOと高圧吸入圧PHIとの差圧により、回転軸3に対して昇圧方向70へ作用するスラスト力THBが発生する。
このスラスト力THBは、上述した高圧セクション7で発生するスラスト力THと同じ差圧により生じるので、略同等の大きさである。そして、スラスト力THBとスラスト力THとは、作用する方向が逆方向であるので、相互に打ち消されることになる。
このように、低圧セクション5により発生されるスラスト力TLと、高圧セクション7により発生されるスラスト力THとは、それぞれ低圧バランスピストン101により発生されるスラスト力TLBと高圧バランスピストン111により発生されるスラスト力THBとによって、打ち消されるので、回転軸3に作用するスラスト力は大幅に低減される。したがって、回転軸3に作用するスラスト力が大幅に低減されるので、回転軸3を支持するスラスト軸受を小型化できる。
しかも、低圧バランスピストン101の側面105に導入される低圧吐出圧PLOとして、高圧バランスピストン111に導入される高圧吸入圧PHIを利用しているので、低圧バランスピストン101と高圧バランスピストン111との間で区切る必要がない。したがって、その分遠心圧縮機の回転軸方向の長さを短縮できる。
また、上述のように低圧セクション5により発生されるスラスト力TLは、低圧バランスピストン101で、高圧セクション7により発生されるスラスト力TLは高圧バランスピストン111によりそれぞれ別個に打ち消されるものである。
このため、起動時や停止時(特に緊急停止時)に、低圧セクション5内と高圧セクション7内とにおける各負荷条件、すなわち圧力差の大小が、設計条件と変わったような場合でも、安定してスラスト力を低減できる。
したがって、過大なスラスト力がスラスト軸受に作用して、スラスト軸受が過熱するため運転速度を低減させるような事態を防止できる。また、スラスト力が著しく増大してスラスト軸受が破壊されるのを防止できる。
以下、本実施形態の作用・効果について説明する。
本実施形態によれば、回転軸3に固定された低圧バランスピストン101は、低圧セクション5の昇圧方向70に面する側面105で低圧セクション5の低圧吐出圧PLOと略同等の高圧吸入圧PHIを受け、他方の側面107で低圧セクション5の低圧吸入圧PLIを受けるので、一端側の側面105に低圧セクション5の高圧吸入圧PHOと低圧吸入圧PLIの差圧に相当する力を受け、回転軸3に対して昇圧方向に向けたスラスト力TLBを発生する。このスラスト力TLBは、低圧セクション5において低圧吐出圧PLOと低圧吸入圧PLIの差圧により昇圧方向70と逆方向に発生するスラスト力TLと略同等の大きさであるので、低圧セクション5での圧力差により回転軸3に作用するスラスト力TLは、低圧バランスピストン101で発生する逆向きのスラスト力TLBにより略完全に打ち消される。
同様に、高圧セクション7での圧力差により回転軸3に作用するスラスト力THは、高圧バランスピストン111で発生するスラスト力THと逆向きのスラスト力THBにより略完全に打ち消される。
このように、低圧セクション5と高圧セクション7とで、それぞれの圧力差により回転軸3に作用するスラスト力TL,THは、低圧バランスピストン101と高圧バランスピストン111とで発生する回転軸3に対し逆向きに作用するスラスト力TLB,THBにより打ち消されるので、回転軸3を支持するスラスト軸受は、小型化できる。
また、低圧バランスピストン101は、低圧セクション5で発生するスラスト力TLを、高圧バランスピストン111は、高圧セクション7で発生するスラスト力THをと、それぞれ別個に打ち消すので、起動・停止時あるいは低圧セクション5と高圧セクション7との負荷バランスが設計条件から変わった場合でも、安定してスラスト力を低減することができる。
また、本実施形態によれば、低圧バランスピストン101は、高圧バランスピストン111の高圧セクション7の吐出側に対して反対側に配置されているので、低圧バランスピストン101の昇圧方向に面する側面105へ導入する低圧セクション5の吐出側圧力に、高圧バランスピストン111の他の側面117に導入された高圧セクション7の高圧吸入圧PHIを利用できる。したがって、低圧バランスピストン101と高圧バランスピストン111との間で、低圧セクション5と高圧セクション7とを区切る必要がないので、遠心圧縮機の回転軸3に沿う長さを短縮できる。
本発明の第一実施形態の遠心圧縮機の一部を示す部分断面図である。 本発明の第二実施形態の遠心圧縮機の一部を示す部分断面図である。 本発明の第三実施形態の遠心圧縮機の一部を示す部分断面図である。
符号の説明
1 遠心圧縮機
3 回転軸
5 低圧セクション
7 高圧セクション
13 羽根車
31 羽根車
49 高圧バランスピストン
51 側面
53 側面
57 低圧バランスピストン
59 側面
61 側面
71 低圧バランスピストン
75 側面
77 側面
81 高圧バランスピストン
85 側面
87 側面
101 低圧バランスピストン
105 側面
107 側面
111 高圧バランスピストン
115 側面
117 側面
PLI 低圧吸入圧
PLO 低圧吐出圧
PHI 高圧吸入圧
PHO 高圧吐出圧

Claims (4)

  1. スラスト軸受に支持された回転軸に、少なくとも1段の羽根車を有する低圧セクションと、少なくとも1段の羽根車を有する高圧セクションとが固定された遠心圧縮機において、
    前記回転軸に固定され、前記低圧セクションの昇圧方向に面する一側面で前記低圧セクションの吐出側圧力と略同等の圧力を受け、他方の側面で前記低圧セクションの吸入側圧力と略同等の圧力を受ける第一のバランスピストンと、
    前記回転軸に固定され、前記高圧セクションの昇圧方向に面する一側面で前記高圧セクションの吐出側圧力と略同等の圧力を受け、他方の側面で前記高圧セクションの吸入側圧力と略同等の圧力を受ける第二のバランスピストンと、を備えていることを特徴とする遠心圧縮機。
  2. 前記低圧セクションの吐出側と、前記高圧セクションの吐出側とが対向するように配置され、
    前記第二のバランスピストンは、前記低圧セクションと前記高圧セクションとの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
  3. 前記低圧セクションの吐出側と、前記高圧セクションの吸入側とが対向するように配置され、
    前記第一のバランスピストンは、前記低圧セクションと前記高圧セクションとの間に配置され、
    前記第二のバランスピストンは、前記高圧セクションの吐出側に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
  4. 前記第一のバランスピストンは、前記第二のバランスピストンの前記高圧セクションの吐出側に対して反対側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の遠心圧縮機。
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