JP2006181530A - 安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスの回収方法 - Google Patents

安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスの回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在し、地球温暖化を助長させる恐れがある内包ガスを回収する方法について提案する。
【解決手段】タイヤ内又は中空微粒子内から回収した内包ガスを含む気体を、該内包ガスの沸点以下に冷却した耐圧タンクに回収し、該耐圧タンク内を加圧して、該内包ガスを液化することによって回収する。
【選択図】図2

Description

本発明は、安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在し、地球環境に害をなす恐れがある内包ガスをタイヤ内の空隙気体又は中空微粒子から回収する方法に関する。
空気入りタイヤ、例えば乗用車用タイヤにおいては、タイヤ内部にゲージ圧で150kPaから250kPa程度の圧力下に空気を封じ込めて、タイヤのカーカスおよびベルト等のタイヤ骨格部に張力を発生させ、この張力によって、タイヤへの入力に対してタイヤの変形並びにその復元を可能としている。すなわち、タイヤの内圧が所定の範囲に保持されることによって、タイヤの骨格に一定の張力を発生させて、荷重支持機能を付与するとともに、剛性を高めて、駆動、制動および旋回性能などの、車両の走行に必要な基本性能を付与している。
ところで、この所定の内圧に保持されたタイヤが外傷を受けると、この外傷を介して高圧の空気が外部に漏れ出してタイヤ内圧が大気圧まで減少する、いわゆるパンク状態となるため、タイヤ骨格部に発生させていた張力はほとんど失われることになる。すると、タイヤに所定の内圧が付与されることによって得られる、荷重支持機能や、駆動、制動および旋回性能も失われる結果、そのタイヤを装着した車両は走行不能に陥るのである。
そこで、外傷によってタイヤ気室内の気体が漏れ出た際に、その後の走行に必要な最低限のタイヤ気室の圧力を適正に与えることによって失った圧力を回復させる手段として、特許文献1及び特願2004−329301号明細書には、熱膨張が可能な樹脂による殻と独立気泡とからなる中空微粒子の多数をタイヤ気室内に配置したタイヤとリムの組立体が記載されている。
前記中空微粒子は、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、エーテル化合物およびそれらのフルオロ化物といった有機化合物のガス成分を液体状態の発泡剤として樹脂の殻に封じ込めた『膨張性樹脂粒子』を加熱膨張することにより得られ、中空微粒子の中空部内には当該発泡剤による内包ガスが存在する。
上記内包ガスの中には地球温暖化を助長させる恐れがある物質が含まれており、特にフッ化炭化水素(HFC)や含フッ素エーテル化合物(HFE)は、オゾン層破壊性は無いものの、その化学構造によっては二酸化炭素の数十〜数百倍という強力な温室効果を有する。したがって、タイヤの使用の最中に、もしくはタイヤがパンクした際に中空微粒子から内包ガスが放出された廃タイヤを廃棄する場合、使用中のタイヤから中空微粒子を回収する場合、又は中空微粒子を廃棄する場合には、上記廃タイヤもしくは使用中のタイヤ内、又は中空微粒子内から上記化学物質を大気中に拡散させることなく回収する必要がある。
特開2003−118312号公報
そこで、本発明は、タイヤ内及び中空微粒子内から、地球温暖化を助長させる恐れがある上記内包ガスを大気中に放出することなく回収する手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題点を解決するために鋭意検討を行った結果、タイヤ内又は中空微粒子内から回収した内包ガスを含む気体を耐圧タンクに回収し、該耐圧タンク内を加圧して、該内包ガスを液化することによって回収することが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1) 安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスを回収するにあたり、
該中空微粒子が充填されたタイヤとリムの組立体から、該タイヤ内の空隙気体を、耐圧タンクに回収し、
該耐圧タンク内を加圧して、回収した空隙気体中に存在する該内包ガスを液化し、
液化した内包ガスを、該耐圧タンクから回収容器に回収することを特徴とする安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスの回収方法。
(2) 安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスを回収するにあたり、
安全タイヤ用中空微粒子が充填されたタイヤとリムの組立体から該中空微粒子を密閉容器に回収し、
回収した中空微粒子の殻を破壊することによって、該中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスを密閉容器に放出させ、
内包ガスを含む密閉容器内の気体を耐圧タンクに回収し、
該耐圧タンク内を加圧して、回収した密閉容器内の気体中に存在する該内包ガスを液化し、
液化した内包ガスを、該耐圧タンクから回収容器に回収することを特徴とする安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスの回収方法。
(3) 前記耐圧タンクが、該中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスの沸点以下に冷却保持した耐圧タンクであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の方法。
(4) 前記耐圧タンクが、該中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスの沸点以下、且つ30℃以下に冷却保持した耐圧タンクであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の方法。
(5) 前記中空微粒子は、再膨張開始温度Ts2が90℃〜200℃を示す樹脂による殻と中空部からなることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6) 前記樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体から選ばれた少なくとも1種から成ることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の方法。
(7) 前記中空微粒子の中空部内の内包ガスは、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(III):
−O−R---- (III)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の方法。
(8) 前記耐圧タンク内を100〜2000kPaまで加圧することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の方法。
(9) 前記中空微粒子の殻の破壊を、前記中空微粒子の殻を再膨張開始温度Ts2以上の温度に加熱することによって行うことを特徴とする上記(2)記載の方法。
(10) 前記加熱温度は前記Ts2より20℃以上高い温度である上記(9)記載の方法。
(11) 前記中空微粒子の殻の破壊を、前記中空微粒子の殻を有機溶剤に溶解することによって行うことを特徴とする上記(2)記載の方法。
(12) 前記中空微粒子の殻の破壊を、前記中空微粒子を機械的に破壊することによって行うことを特徴とする上記(2)記載の方法。
本発明によれば、環境に影響を与えるおそれがある安全タイヤ用中空微粒子内に存在する内包ガスを、大気中に放出することなく液化ガスとして回収することができ、その結果、環境破壊を防ぐと共に、回収した液化ガスを再利用することができるという有利な効果を奏する。
本発明の処理すべき対象物としては、磨耗末期で使用不可能となった、中空微粒子が充填されている廃タイヤや、タイヤ自体は使用可能であっても、車が廃車になることによって廃棄されるタイヤなど、使用の最中に中空微粒子が破壊され、中空部内から内包ガスが放出されている可能性があるタイヤ、外傷によって低下した内圧を補うべく中空微粒子から内包ガスが放出されたタイヤ、及びこれらのタイヤから予め回収するなどした中空微粒子などが挙げられる。
まず、中空微粒子が充填された安全タイヤとリムの組立体について、その幅方向断面を示す図1に基づいて説明する。
すなわち、図示の安全タイヤとリムの組立体は、タイヤ1をリム2に装着し、該タイヤ1とリム2とで区画されたタイヤ気室3に、熱膨張可能な樹脂による殻と独立気泡とからなる中空微粒子4の多数を配置して成る。なお、タイヤ1は、各種自動車用タイヤ、トラックやバス用のタイヤ等、例えば乗用車用タイヤなどの一般に従うタイヤであれば、特に構造を限定する必要はない。例えば、図示のタイヤは一般的な自動車用タイヤであり、1対のビードコア5間でトロイド状に延びるカーカス6のクラウン部に、その半径方向外側へ順にベルト7およびトレッド8を配置して成る。
なお、図において、符号9はインナーライナー層、符号10は中空微粒子4周囲の空隙および11はサイド部である。
上記中空微粒子4は、略球形状の樹脂による殻で囲まれた独立気泡を有する、例えば粒径が10μm〜500μm程度の範囲で粒径分布を持った中空体、あるいは独立気泡による小部屋の多数を含む海綿状構造体である。すなわち、該中空微粒子4は、外部と連通せずに密閉された独立気泡を内包する粒子であり、該独立気泡の数は単数であってもよいし、複数であってもよい。本発明では、この『中空微粒子群の独立気泡内部』を総称して『中空部』と表現する。また、この粒子が独立気泡を有することは、該粒子が独立気泡を密閉状態で内包するための『樹脂製の殻』を有することを指す。
なお、この中空微粒子4の殻を構成する樹脂はガス透過性の低い材質によること、具体的には、アクリロニトリル系共重合体、アクリル系共重合体、塩化ビニリデン系共重合体のいずれか少なくとも1種から成ることが肝要である。これらの材料は、タイヤ変形による入力に対して中空微粒子としての柔軟性を有するため特に有効である。
とりわけ、中空微粒子4の殻には、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれかを適用することが好ましい。さらに詳しくは、重合体を構成するモノマーが、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、メチルメタクリレート、メタクリル酸、塩化ビニリデンから選択される重合体であり、好ましくはアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メタクリル酸3元共重合体から選ばれた少なくとも1種がそれぞれ有利に適合する。これらの材料は、いずれもガス透過係数が小さくて気体が透過し難いために、中空微粒子の中空部内の気体が外部に漏れ難く、中空部内の圧力を適切に保持することができる。
この中空微粒子4の多数個である中空微粒子群は、高圧気体とともにタイヤ気室3の内側に配置することによって、通常の使用条件下ではタイヤの『使用内圧』を部分的に担うと共に、タイヤ受傷時には、タイヤ気室3内の失った圧力を復活させる機能を発現する源となる。この『内圧復活機能』については後述する。ここで、『使用内圧』とは、『自動車メーカーが各車両毎に指定した、装着位置ごとのタイヤ気室圧力値(ゲージ圧力値)』を指す。
以下に、タイヤ内圧の復活機構を説明する。
さて、上述した中空微粒子群をタイヤ気室内に配置したタイヤとリムとの組立体にあっては、該タイヤが受傷すると、中空微粒子4相互間の空隙10に存在するタイヤ気室内の高圧気体がタイヤの外側に漏れ出る結果、タイヤ気室の圧力は大気圧と同程度の圧力にまで低下する。そして、このタイヤ気室圧力低下の過程において、以下の事がタイヤ気室内で起こっている。
まず、タイヤが受傷しタイヤ気室の圧力が低下し始めると、中空微粒子の多数が受傷部を閉塞し、急激な気室圧力の低下を抑制する。
すなわち、傷口はタイヤ気室内の気体が漏れ出る流路となるが、その流路長さはタイヤの肉厚分にほぼ相当する。中空微粒子は、上記流路内において『圧密』状態で入り込んで多数の中空微粒子によって流路を詰まらせることができる。更に後述する内圧復活機構によりタイヤ気室内の圧力が大気圧から増圧されると、タイヤ骨格に張力が与えられることにより、傷口の内径は絞り込まれるように減少していく。ゆえに傷口内に圧密状態で入り込んだ中空微粒子群には、タイヤ気室内の増圧によりタイヤ側から絞り込まれるように圧縮力が働く。ここで、本発明の中空微粒子は、中空部圧力が高いために、この圧縮力に対して中空部圧力に起因する反力が発生するため、圧密の度合いを高めることができ、より大きな内径の傷口においても、タイヤ気室内の気体がほとんど漏れ出さない程度まで傷口を閉塞できるのである。
したがって、パンクの原因となった傷口は、瞬時にかつ確実に中空微粒子によって塞ぐことができるのである。
一方、気室圧力の低下に伴いタイヤの撓み量は増加し、タイヤ気室容積が減少する。さらに、気室圧力が低下するとタイヤが大きく撓み、タイヤ気室内に配置した中空微粒子は、タイヤ内面とリム内面との間に挟まれながら、圧縮とせん断の入力を受けることとなる。
上述の使用内圧下で存在していた中空微粒子の中空部内の圧力(独立気泡中の気泡内圧力)は、受傷後も上記使用内圧に準じた高い圧力を保ったまま、言い換えれば、受傷前の粒子体積と中空部圧力を保持したままタイヤ気室内に存在する事となる。よって、さらにタイヤが転動する事により、中空微粒子そのものが直接的に荷重を負担しつつ中空微粒子同士が摩擦を引き起こし自己発熱するために、タイヤ気室内の中空微粒子の温度が急上昇する。そして、該温度が、中空微粒子の殻を形成する樹脂の熱膨張開始温度Ts2(該樹脂のガラス転移温度に相当する)を超えると、該粒子の殻は軟化し始める。このとき、中空微粒子の中空部内の圧力が使用内圧に準じた高い圧力であるのに加え、中空微粒子温度の急上昇によりさらに中空部内圧力が上昇しているために、中空微粒子が一気に体積膨張し粒子周囲の空隙気体を圧縮する事になるため、タイヤ気室の圧力を少なくともタイヤのサイド部が接地しなくなるタイヤ気室圧力まで回復させる事ができるのである。上記の機構によって中空微粒子の中空部内の圧力を大気圧以上の高い圧力に設定すれば、内圧復活機能を発現させることができ、具体的には、中空部内の圧力を使用内圧の約70%以上とする。この圧力とすることによって、中空微粒子が略球形状となり、上述の内圧復活機能を発現させることができるからである。
また、中空微粒子はその原料である『膨張性樹脂粒子』、すなわちガス成分を液体状態の発泡剤として樹脂に封じ込めた粒子を加熱膨張することにより得られ、この膨張性樹脂粒子には膨張開始温度Ts1が存在する。更に、加熱膨張によって得られた中空微粒子を室温から再度加熱すると、中空微粒子は更なる膨張を開始し、ここに中空微粒子の再膨張開始温度Ts2が存在する。本発明者らは、これまで多くの膨張性樹脂粒子から中空微粒子を製造し検討を重ねてきた結果、Ts1を膨張特性の指標としてきたが、中空微粒子の膨張特性の指標としてはTs2が適切であることを見出すに至った。
まず、膨張性樹脂粒子を加熱膨張させる場合における膨張挙動を観察した。膨張性樹脂粒子は膨張する前の段階にあるため、中空微粒子の状態に比して粒径が極端に小さく、樹脂製の殻の厚さが極端に厚い。よって、マイクロカプセルとしての剛性が高い状態にある。したがって、加熱膨張の過程で樹脂製の殻がガラス転移点を越えても、更なる加熱により殻がある程度柔らかくなるまでは、内部ガスの拡張力が殻の剛性にうち勝つことができない。よって、Ts1は実際の殻のガラス点移転よりも高い値を示す。
一方で、中空微粒子を再度加熱膨張させる場合では、中空微粒子の殻の厚さが極端に薄く、中空体としての剛性が低い状態にある。したがって、加熱膨張の過程で殻がガラス転移点を越えると同時に膨張を開始するため、Ts2はTs1より低い位置づけとなる。
したがって、中空微粒子のTs2は、90℃以上200℃以下であることが肝要である。なぜなら、中空微粒子のTs2が90℃未満では、常用走行時のタイヤ気室内の温度環境下にて膨張する可能性があるからであり、200℃を超えると、パンク受傷後のランフラット走行において、中空微粒子の摩擦発熱に起因する急激な温度上昇が起こっても、Ts2に達することができない場合があり、よって目的とする内圧復活機能を十分に発現させることができなくなる場合があるからである。
よって、Ts2の範囲は90℃以上200℃以下であり、好ましくは110℃以上、更に好ましくは130℃以上であり、もっとも好ましくは160℃以上の範囲である。
なお、発泡剤を用いて『膨張性樹脂粒子』を作製し、これを加熱膨張させ、中空微粒子を得る方法として、高圧圧縮ガス及び液化ガスなどの蒸気圧を活用する手法などを挙げることができる。
以下に、高圧圧縮ガス及び液化ガスなどの蒸気圧を活用して中空微粒子となる『膨張性樹脂粒子』を得る手法を説明する。
中空微粒子を形成する前記樹脂による殻を重合する際、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(III):
−O−R---- (III)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を発泡剤として高圧下で液化させ、反応溶媒中に分散させつつ、乳化重合させる。これにより上記に示されるガス成分を液体状態の発泡剤として前述の樹脂による殻にて封じ込めた『膨張性樹脂粒子』を得ることができ、これを加熱膨張させる事によって、所望の中空微粒子を得る事が出来る。
また、前記『膨張性樹脂粒子』の表面に、シリカ粒子等のアンチブロッキング剤、カーボンブラック微粉、帯電防止剤、界面活性剤等をコーティングした上で加熱膨張させることにより、目的の中空微粒子を得ることができる。
このようにして得られた中空微粒子の中空部内の内包ガスとしては、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(III):
−O−R---- (III)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物からなる群の中から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。これらの気体は、環境に影響を与える恐れがあり、特に、フッ化炭化水素(HFC)や含フッ素エーテル化合物(HFE)の中には強力な温室効果を有するものがあるため、大気中に放出することなく回収する必要がある。また、タイヤ気室内には、空気、又は窒素等の不活性ガス等が充填されているため、タイヤ内から前記内包ガスを回収するに当たって、前記内包ガスをこれらのタイヤ気室内に充填されている気体と分離して回収することが肝要である。
回収する必要がある内包ガス、すなわち炭化水素、エーテル化合物およびそれらのフルオロ化物といった化合物の大気圧下での沸点は−50℃〜100℃の範囲であるのに対して、空気の約99%を占める窒素と酸素の沸点は、それぞれ−196℃と−183℃であるため、この沸点の差を利用して内包ガスのみを液化させ、回収することができる。具体的には、タイヤ内又は中空微粒子内から内包ガスを含む気体を耐圧タンクに回収し、該耐圧タンク内を加圧する一方で、該耐圧タンクを内包ガスの沸点以下に冷却保持することによって内包ガスの液化を行うことができる。ここで、耐圧タンク内の加圧は、耐圧タンク内の圧力が100〜2000kPaとなるまで行うことが望ましい。また、耐圧タンクを冷却保持する温度は、内包ガスの沸点以下、且つ30℃以下であることが好ましい。なお、前記内包ガスの沸点が高い場合は、常温、大気圧下での揮発性が小さいため、極端な加圧及び冷却は必要ない。一方、内包ガスの沸点が低い場合は、当該内包ガスを液化させるためには、加圧レベル、冷却レベルをあげて加圧及び冷却を行う必要がある。
以下、本発明の方法の第1の実施態様を使用済みの廃タイヤ・リム組立体につき図2を参照して詳細に説明する。
図2において、符号20は、使用済みの廃タイヤ・リム組立体であり、符号22は、廃タイヤ・リム組立体から回収した内圧ガスの液化を行う耐圧タンクである。廃タイヤ・リム組立体20と耐圧タンク22は、フィルター24とボールバルブなどの圧力閉塞弁26を介して管28によって連結されている。このフィルター24によって、タイヤ内の空隙気体を耐圧タンクに回収する際に、中空微粒子を堰き止め、該中空微粒子が耐圧タンクに流入するのを防ぐ。符号30は、耐圧タンクを冷却保持する冷却手段である。また、耐圧タンク22の上部には、耐圧タンク内を減圧または加圧するのに用いるポンプ32が圧力閉塞弁34を介して管36によって連結されており、耐圧タンク22の底部には、耐圧タンク22内で液化した内包ガス38を回収する回収容器40が連結されている。符号42は、液化した内包ガスの移送を制御するバルブである。
耐圧タンク22の内圧を、廃タイヤ・リム組立体20の内圧に比して低く調整しておく。ここで、耐圧タンク22の内圧を大気圧以下に減圧した状態にしておくと、タイヤ気室内の気体を確実に回収できるため好ましい。次いで、圧力閉塞弁26を開放し、廃タイヤ・リム組立体20の内圧と耐圧タンク22の内圧との差を利用して、中空微粒子をフィルター24によって堰き止めつつ、タイヤ内の空隙気体を耐圧タンク22へ移送する。その後、圧力閉塞弁26を閉じ、ポンプ22を稼動し、圧力閉塞弁26を開放して、耐圧タンク22内を加圧する一方で、冷却手段30を用いて耐圧タンク22を内包ガスの沸点以下に冷却保持する。なお、冷却手段30による耐圧タンク22の冷却保持は、廃タイヤ・リム組立体20からタイヤ内の気体を回収する前から行っても良い。耐圧タンク22内の加圧により上昇した圧力と冷却による温度によって内包ガスが液化を始め、液化した内包ガスが耐圧タンク22の底部に溜まる。気体の内包ガスの液化終了後、耐圧タンク22の底部のバルブ42を開放し、液化した内包ガス38を回収容器40に圧送する。液化した内包ガスのすべてが回収容器40に圧送されたらバルブを閉じ、回収を終了する。
なお、廃タイヤ・リム組立体だけでなく、パンクしたタイヤ・リム組立体又は使用中のタイヤ・リム組立体で上述の方法を実施しても同様の効果が得られる。
次に、タイヤとリムの組立体の代わりに中空微粒子回収用密閉容器を用いる第2の実施態様について説明する。
密閉容器には、第1の実施態様においてフィルター24に堰き止められた中空微粒子、タイヤとリムの組立体20内に残存した中空微粒子、又は予めタイヤとリムの組立体から回収した中空微粒子を適当な手段により密閉容器内に充填する。次いで、密閉容器内に充填された中空微粒子の殻を破壊し、中空微粒子から内包ガスを密閉容器内に放出する。
中空微粒子の殻を破壊する手段としては、例えば、中空微粒子の殻を加熱すること、有機溶剤で中空微粒子の殻を溶解すること、中空微粒子を機械的にすり潰すことが挙げられる。
中空微粒子の殻を加熱する場合は、密閉容器に加熱手段を設けて、中空微粒子の再膨張開始温度Ts2以上の温度、好ましくはTs2より20℃以上高い温度に加熱する。
中空微粒子の殻を有機溶剤で溶解する場合、密閉容器内に有機溶剤を注入し、中空微粒子の殻を溶解する。前記有機溶剤として、酢酸ブチル、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アセトン、ピリジン、イソプロピルアルコール等の一般に用いられる極性の高い有機溶剤が挙げられる。
中空微粒子を機械的に破壊する場合、一般に用いられる粉砕機、たとえばボールミル、ジェットミル、ハンマークラッシャー等によって破壊することができる。
上記のいずれかの手段によって中空微粒子の破壊が終了した後、密閉容器を、図2に示した廃タイヤ・リム組立体20の代わりに設置して、管26によって耐圧タンク22と連結する。次いで、圧力閉塞弁26を開放し、破壊された中空微粒子をフィルター24で堰き止めつつ、密閉容器内の気体のみを耐圧タンク22に回収する。その後は、第1の実施態様と同様にして、密閉容器内の内包ガスを液化し、回収容器40に回収する。
中空微粒子が充填された安全タイヤとリムの組立体の幅方向断面図である。 本発明の方法の一実施態様を示す図である。
符号の説明
1 タイヤ
2 リム
3 タイヤ気室
4 中空微粒子
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト
8 トレッド
9 インナーライナー層
10 中空微粒子周囲の空隙
11 サイド部
20 廃タイヤ・リム組立体
22 耐圧タンク
24 フィルター
26 圧力閉塞弁
28 耐圧ホース(管)
30 冷却手段
32 加圧/減圧ポンプ
34 圧力閉塞弁
36 耐圧ホース(管)
38 液化した内包ガス
40 回収容器
42 バルブ

Claims (12)

  1. 安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスを回収するにあたり、
    該中空微粒子が充填されたタイヤとリムの組立体から、該タイヤ内の空隙気体を、耐圧タンクに回収し、
    該耐圧タンク内を加圧して、回収した空隙気体中に存在する該内包ガスを液化し、
    液化した内包ガスを、該耐圧タンクから回収容器に回収することを特徴とする安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスの回収方法。
  2. 安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスを回収するにあたり、
    安全タイヤ用中空微粒子が充填されたタイヤとリムの組立体から該中空微粒子を密閉容器に回収し、
    回収した中空微粒子の殻を破壊することによって、該中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスを密閉容器に放出させ、
    内包ガスを含む密閉容器内の気体を耐圧タンクに回収し、
    該耐圧タンク内を加圧して、回収した密閉容器内の気体中に存在する該内包ガスを液化し、
    液化した内包ガスを、該耐圧タンクから回収容器に回収することを特徴とする安全タイヤ用中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスの回収方法。
  3. 前記耐圧タンクが、該中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスの沸点以下に冷却保持した耐圧タンクであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記耐圧タンクが、該中空微粒子の中空部内に存在する内包ガスの沸点以下、且つ30℃以下に冷却保持した耐圧タンクであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記中空微粒子は、再膨張開始温度Ts2が90℃〜200℃を示す樹脂による殻と中空部からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体から選ばれた少なくとも1種から成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記中空微粒子の中空部内の内包ガスは、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(III):
    −O−R---- (III)
    (式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記耐圧タンク内を100〜2000kPaまで加圧することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記中空微粒子の殻の破壊を、前記中空微粒子の殻を再膨張開始温度Ts2以上の温度に加熱することによって行うことを特徴とする請求項2記載の方法。
  10. 前記加熱温度は前記Ts2より20℃以上高い温度である請求項9記載の方法。
  11. 前記中空微粒子の殻の破壊を、前記中空微粒子の殻を有機溶剤に溶解することによって行うことを特徴とする請求項2記載の方法。
  12. 前記中空微粒子の殻の破壊を、前記中空微粒子を機械的に破壊することによって行うことを特徴とする請求項2記載の方法。
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