JP2006116911A - パンクタイヤの修理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤに外傷を受けて内圧が低下したタイヤを、走行可能な状態に短時間で確実に復帰させるための修理方法について提案する。
【解決手段】車両にリムを介して装着したタイヤが受傷して内圧が大気圧まで低下した際、該車両装着状態のタイヤとリムとで区画されたタイヤ気室に、熱膨張が可能な樹脂による連続相と独立気泡とからなる中空粒子の多数を気体と共に充填し、傷口を中空粒子で塞いだ上で気体の充填によって使用内圧を付与する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外傷を受けてパンク状態に陥ったタイヤを、走行可能な状態に復帰させる修理方法に関するものである。
空気入りタイヤ、例えば乗用車用タイヤにおいては、タイヤ気室内部にゲージ圧で150kPaから250kPa程度の圧力下に空気を封じ込めて、タイヤのカーカスおよびベルト等のタイヤ骨格部に張力を発生させ、この張力によって、タイヤへの入力に対してタイヤの変形並びにその復元を可能としている。すなわち、タイヤ気室の内圧が所定の範囲に保持されることによって、タイヤの骨格に一定の張力を発生させて、荷重支持機能を付与するとともに、剛性を高めて、駆動、制動および旋回性能などの、車両の走行に必要な基本性能を付与している。
ところで、この所定の内圧に保持されたタイヤが外傷を受けると、この外傷を介して高圧の空気が外部に漏れ出してタイヤ内圧が大気圧まで減少する、いわゆるパンク状態となるため、タイヤ骨格部に発生させていた張力はほとんど失われることになる。すると、タイヤに所定の内圧が付与されることによって得られる、荷重支持機能や、駆動、制動および旋回性能も失われる結果、そのタイヤを装着した車両は走行不能に陥るのである。
このパンク状態に陥ったタイヤは、その原因となった傷口を塞いでから高圧気体を充填する修理が必要となるため、パンクしたタイヤを車両から外して車両に積載していたスペアタイヤを装着し、パンクタイヤは後日修理場所まで運び修理するのが、パンク時の一般的な対応である。
かようにパンクに対処するのは煩雑であるところから、パンク発生時に、その場で車両に装着したままタイヤを修理することが検討されてきた。その代表的な手法に、いわゆるパンク修理剤がある。
このパンク修理剤を利用する技術は、例えば特許文献1に記載されるように、粘着性のシール液と圧縮した空気を送り込む電動ポンプとを組み合わせたものであり、電動ポンプを介して空気およびシール液をタイヤ内部に供給し、シール液で傷口を塞ぐとともに空気の充填を行って、受傷後のタイヤを応急的に修理するものである。
国際公開第2004/048493パンフレット
ところが、シール液は粘稠物であるため、特に傷口がタイヤの上方にあると傷口に到達させることが難しく、例えばシール液注入後にタイヤを回転する予備走行が必要であったり、タイヤを回転させつつシールを完了するまでの間に傷口から漏洩した空気圧を補充するために、再度空気の充填が必要であったり、シール液が傷口に到達してこれを封止するまでに長時間を要する、などの不利がある。
そこで、本発明は、タイヤに外傷を受けて内圧が低下したタイヤを、走行可能な状態に短時間で確実に復帰させるための修理方法について提案することを目的とする。
発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、パンクの原因となった傷口を、樹脂による連続相と独立気泡とからなる中空粒子を活用することによって瞬時に塞ぐことが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)車両にリムを介して装着したタイヤが受傷して内圧が大気圧まで低下した際、該車両装着状態のタイヤとリムとで区画されたタイヤ気室に、熱膨張が可能な樹脂による連続相と独立気泡とからなる中空粒子の多数を気体と共に充填し、傷口を中空粒子で塞いだ上で気体の充填によって使用内圧を付与することを特徴とするパンクタイヤの修理方法。
(2)下記式(I)に従う中空粒子の充填率を1vol%以上とすることを特徴とする上記(1)に記載のパンクタイヤの修理方法。

中空粒子の充填率=(粒子体積値/タイヤ気室容積値)×100 ---(I)
ここで、
粒子体積値:タイヤ気室に配置した全中空粒子の大気圧下での合計体積
と粒子周囲の空隙体積との合計量(cm
タイヤ気室容積値:タイヤとリムとの組立体に空気のみを充填して使用
内圧(kPa)に調整した後、充填空気を内圧が大気圧になるまで排出した
際の充填空気排出量(cm)を用いて、次式(II)
から求めた値(cm
タイヤ気室容積値=(充填空気排出量)/(使用内圧/大気圧)---(II)
なお、式(II)において使用内圧はゲージ圧値(kPa)を、大気圧値
は気圧計による絶対値(kPa)を用いる。
(3)中空粒子の充填率を5vol%以上とすることを特徴とする上記(2)に記載のパンクタイヤの修理方法。
(4)中空粒子の充填率を10vol%以上とすることを特徴とする上記(2)または(3)に記載のパンクタイヤの修理方法。
(5)前記中空粒子および気体は電動ポンプを介してタイヤ気室に送ることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(6)前記中空粒子に、ガス成分を液体状態の発泡剤として樹脂(連続相)に封じ込めた膨張性樹脂粒子を混合して、タイヤ気室に充填することを特徴とする上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(7)前記中空粒子の熱膨張開始温度Ts2が40〜200℃であることを特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(8)前記中空粒子の熱膨張開始温度Ts2が40〜150℃であることを特徴とする上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(9)前記中空粒子の熱膨張開始温度Ts2が40〜120℃であることを特徴とする上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(10)前記中空粒子の熱膨張開始温度Ts2が40〜100℃であることを特徴とする上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(11)中空粒子は、中空部内の圧力をタイヤの使用内圧の70%以上に調整して用いることを特徴とする上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(12)中空粒子は、中空部内の圧力をタイヤの使用内圧の80%以上に調整して用いることを特徴とする上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(13)中空粒子は、中空部内の圧力をタイヤの使用内圧の90%以上に調整して用いることを特徴とする上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(14)中空粒子は、中空部内の圧力をタイヤの使用内圧の100%以上に調整して用いることを特徴とする上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(15)タイヤ気室に充填する中空粒子群の平均粒径が40〜200μmの範囲にあり、かつ該中空粒子群の平均真比重が0.01〜0.06g/cmの範囲にあることを特徴とする上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(16)中空粒子の中空部内の気体が、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(III):
−O−R ---- (III)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)ないし(15)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(17)中空粒子の連続相である樹脂が、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれか少なくとも1種から成ることを特徴とする上記(1)ないし(16)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(18)中空粒子の連続相がアクリロニトリル系重合体から成り、該アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体およびアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メタクリル酸3元共重合体から選ばれた少なくとも1種であるであることを特徴とする上記(1)ないし(17)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(19)タイヤ気室内に、あらかじめ大気圧下での平均嵩比重が該中空粒子の平均真比重よりも大きい発泡体の多数を配置しておき、パンク後に該中空粒子群を充填することを特徴とする上記(1)ないし(18)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
(20)タイヤ気室内に、さらに大気圧下での平均嵩比重が該中空粒子の平均真比重よりも大きい発泡体の多数を該中空粒子群に混在して充填することを特徴とする上記(1)ないし(18)のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。

(21)前記発泡体は、直径が1〜15mmの略球体形状または一辺が1〜15mmの立方体形状であり、平均嵩比重が0.06〜0.3(g/cc)であり、独立気泡または連通気泡を有するものであることを特徴とする上記(19)、(20)に記載のパンクタイヤの修理方法。
ここで、本文中で記載するタイヤ気室の圧力とは、特に記載しない場合はゲージ圧(ゲージに示される圧力)を指す。
本発明によれば、パンクの原因となった傷口は充填された中空粒子により瞬時に塞がれるため、タイヤに外傷を受けて内圧が低下したタイヤを、走行可能な状態に短時間で確実に復帰させることができる。
さらに、充填した中空粒子のうち傷口の封止に供した以外の中空粒子はタイヤ気室内に残り、この残存中空粒子は再度の受傷時に傷口の封止を担うとともに、低下した内圧を復活する機能をも有しているため、本発明に従う修理を経たタイヤは受傷によっても走行不能に陥ることのない安全タイヤとなる。
以下に、本発明のパンクタイヤの修理方法について、図1を参照して詳しく説明する。
すなわち、車両にリム1を介して装着したタイヤ2にパンクが発生した場合、このタイヤ2とリム1とで区画されたタイヤ気室に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる中空粒子の多数を、気体例えば空気や窒素と共に充填する。
具体的には、図1に示すように、中空粒子3と、大気圧以上の気体とを収容した容器4とこの容器4にホース5aを介して気体、例えば空気を供給するためのコンプレッサー5とを用いて、まず容器4から延びるホース4aの先端のアダプター4bをタイヤバルブ1aにねじ止めにて固定する。次いで、容器4とホース4aとの間の栓4cを開けることで、容器4内の中空粒子3と気体の一部が、タイヤ気圧内に流れ込む。次いで、コンプレッサー5を作動させて圧縮空気を容器4に供給する。容器4内に供給された空気は残された中空粒子3とともにホース4aからタイヤ2の気室内へと運ばれ、中空粒子3による傷口の封止と、走行に必要な内圧供給を同時に達成する。
なお、コンプレッサー5の駆動電源は、電気ケーブル5bの先端のプラグ5cを例えば車両のシガーソケットに差し込むことによって、車両から供給される。
かようにタイヤ2の気室内に充填された中空粒子3は、略球形状の樹脂による連続相で囲まれた独立気泡を有する、平均粒径が20μm〜500μm程度の範囲で粒径分布を持った中空体、あるいは独立気泡による小部屋の多数を含む海綿状構造体である。すなわち、該中空粒子3は、外部と連通せずに密閉された独立気泡を内包する粒子であり、該独立気泡の数は単数であってもよいし、複数であってもよい。ここでは、『中空粒子群の独立気泡内部』を総称して『中空部』と表現する。また、この中空粒子が独立気泡を有することは、該粒子が独立気泡を密閉状態で内包するための『樹脂製の殻』を有することを指す。さらに、上記の樹脂による連続相とは、この『樹脂製の殻を構成する成分組成上の連続相』を指す。なお、この樹脂製の殻の組成は後述のとおりである。
この中空粒子3の多数個が集合した中空粒子群は、例えば空気とともにタイヤ気室の内側に充填されると、同時に供給される空気がタイヤ気室内から傷口を介してタイヤ外に漏れ出る際の気流に乗って傷口に殺到し、ここを封止することになる。すなわち、傷口はタイヤ気室内の気体が漏れ出る流路となるが、その流路長さは、タイヤの肉厚分にほぼ相当する。本発明の中空粒子は、上記流路内にて「圧密」という作用により、多数の中空粒子によって流路を詰まらせることが出来る。さらに、タイヤ気室内の圧力が大気圧から増加されると、タイヤ骨格に張力が与えられることにより、傷口の内径は、絞り込まれる様に減少していく。ゆえに、傷口に圧密した中空粒子群は、タイヤ気室内の増圧により絞り込まれ、タイヤ気室内の気体が、ほとんど漏れ出さない程度まで、封止できるのである。したがって、パンクの原因となった傷口は、瞬時にかつ確実に中空粒子によって塞ぐことができるのである。
ここで、上記した中空粒子3をタイヤ気室に充填して傷口を封止するに当たり、下記式(I)に従う中空粒子の充填率を1vol%以上とすることが好ましい。

中空粒子の充填率=(粒子体積値/タイヤ気室容積値)×100 ---(I)
ここで、粒子体積値は、タイヤ気室に配置した全中空粒子の大気圧下での合計体積と粒子周囲の空隙体積との合計量(cm)であり、以下の方法で算出できる。
まず、該中空粒子の大気圧下での平均嵩比重を求める。その方法は、例えば大気圧下にて既知体積であるものの重量を測定することにより算出する。最初に、大気圧下でメスシリンダーに中空粒子を量りとり、超音波水浴中にて振動を与え、中空粒子間のパッキングが安定した状態にて、中空粒子の総体積(粒子周囲の空隙体積を含む)と中空粒子の総重量とを測定することによって、上記大気圧下での平均嵩比重を算出する。すなわち、中空粒子の大気圧下での平均嵩比重は、
粒子の大気圧下での平均嵩比重=(粒子の総重量)/(粒子の総体積)
である。
次に、タイヤ気室内に充填する中空粒子の総重量を測定し、前記にて算出した中空粒子の大気圧下での平均嵩比重で割ることによって、タイヤ内部に配置した『粒子体積』を算出することができる。すなわち、
粒子体積=(タイヤに充填した粒子の総重量)/(粒子の大気圧下での平均嵩比重)
である。
なお、容積が既知の容器に粒子を量り取りながらタイヤ気室内に配置する方法でも所望の粒子体積の粒子をタイヤ内に配置することが出来る。
また、タイヤ気室容積値は、タイヤとリムとの組立体に空気のみを充填して使用内圧(kPa)に調整した後、充填空気を内圧が大気圧になるまで排出した際の充填空気排出量(cm)を用いて、次式(II)から求めた値(cm)である。
タイヤ気室容積値=(充填空気排出量)/(使用内圧/大気圧)---(II)
なお、式(II)において使用内圧はゲージ圧値(kPa)を、大気圧値は気圧計による絶対値(kPa)を用いる。すなわち、大気圧はゲージ圧で0[kPa]で表されるが、大気圧値自体は日々刻々と変動するものであるため、その時点での気圧計から観測される絶対値を用いる。よって、例えばある時の大気圧が1013hPaであった場合は、大気圧絶対値として101.3kPaを式(II)に用いる。
かように算出される中空粒子の充填率を1vol%以上とするのは、以下の理由による。傷口を封止するには、中空粒子と空気を充填した時の、中空粒子の空気に対する濃度が重要である。すなわち、1vol%未満では、中空粒子と空気の混合物中の中空粒子濃度が希薄なため、前記「圧密」現象が傷口内で容易に起こらず、中空粒子が、タイヤ気室外へ噴き出してしまうことがある。よって確実に傷口を封止するためには、空気に対し、一定濃度以上の存在比率で、中空粒子が存在することが必要である。
なお、中空粒子をタイヤ気室内に所定充填率で充填するには、次の手法が適している。すなわち、対象となるタイヤ内容積を明確にした上で、体積が既知の中空粒子を収容した透明な容器から、タイヤ気室内に中空粒子を充填し、充填後に容器内に残存する中空粒子体積からタイヤ気室内に充填された中空粒子量を確認する手法が適合する。
かくして傷口が封止されたならば、充填する空気によって内圧を上昇することが可能であり、タイヤの『使用内圧』に達するまで空気を充填する。ここで、『使用内圧』とは、『自動車メーカーが各車両毎に指定した、装着位置ごとのタイヤ気室圧力値(ゲージ圧力値)』を指す。
さて、上記に従って修理されたタイヤは、図2にリム組みした修理後のタイヤ断面を示すように、そのタイヤ気室6内に傷口の封止に使用されなかった中空粒子3を含むものであり、この残存する中空粒子3は、再度のパンクに対しても上記した傷口の封止機能を発揮することは勿論であるが、さらに(所定の充填量の下で)ガス成分を液体状態の発泡剤として樹脂に封じ込めた膨張性樹脂粒子を中空粒子に混合した場合や、中空粒子の中空部内の圧力をタイヤ使用内圧の70%以上に調整した中空粒子を用いた場合には、パンク時の内圧低下に対処する内圧復活機能をも付与することができる。
なお、図2において、符号7はビードコア、8はカーカス、9はベルト、10はトレッドおよび11はインナーライナーをそれぞれ示す。
まず、中空粒子に、上記膨張性樹脂粒子を混合して充填した修理後のタイヤについて、その再パンク時の効果について説明する。さて、修理後のタイヤは、コンプレッサー等により増圧され、走行能力を一時的に回復した状態となっている。この状態から、再度、釘踏みなどによって傷を受けた場合、中空粒子にて新たな傷口をも封止できることは勿論であるが、その際タイヤ内の高圧気体の漏洩を完全に止めることが困難となる場合がある。すなわち、傷口箇所が増えるにつれ、タイヤの内圧保持能力が低下してしまうことになるが、この様な低内圧走行においては、タイヤが大きく撓みながら転動するため、タイヤ及びタイヤ気室内の空気は、急激に温度上昇する。その際、中空粒子と共に混在させた上記膨張性樹脂粒子が加熱される結果、その膨張開始温度Ts1を超える時点で、一気に膨張する。この膨張性樹脂粒子の膨張により、タイヤ気室内の気体を圧縮させることができ、失い始めたタイヤ内圧を再度回復させること(内圧復活機能の発現)が可能となる。
次に、中空粒子の中空部内の圧力をタイヤの使用内圧の70%以上に調整した中空粒子を5vol%以上の充填率で充填した修理後のタイヤについて、再パンク時の効果について説明する。
すなわち、最初のパンクを修理するに当たり、タイヤ気室の5vol%以上の体積の中空粒子を、耐圧の容器4内に配置し、該容器4内に空気や窒素等の気体をタイヤ使用内圧の70%以上の圧力で充填することにより、中空粒子3を高圧環境下に置く。
このように容器4に中空粒子3とともに高圧気体を充填して容器4の圧力を使用内圧の70%以上の圧力に設定すると、当初、中空粒子の中空部内の圧力(独立気泡内の圧力)が大気圧とほぼ等しく容器内の圧力より小さいために、粒子は体積減少する。この時点での中空粒子の形状は略球形状ではなく、球形状から扁平化して歪んだ形状となっている。
一方、扁平化して歪んだ中空粒子は、その中空部内の圧力と容器内の圧力との差により体積減少した状態であるわけだが、一定期間にわたり容器内(粒子周囲の空隙部)の圧力を保ち続けることによって、中空粒子の中空部内の圧力、言い換えれば該粒子内の独立気泡内の圧力を、容器内の圧力程度に高めることができる。すなわち、扁平化した中空粒子は変形させられているため、その殻の部分には元の略球形状に戻ろうとする力が働いている。また、扁平化した中空粒子の中空部内の圧力は、容器内の圧力よりも低いことから、その圧力差を解消するために、タイヤ気室の気体の分子が樹脂による連続相の殻を通過して粒子の中空部内に浸透する。さらに、中空粒子の中空部は独立気泡であり、その中の気体は発泡剤に起因するガスで満たされているため、容器内に充填した(粒子周囲の空隙部)の気体とは異なる場合がある。この場合は、上述の単なる圧力差だけではなく気体の分圧差に従いながら、その分圧差を解消するまで容器内の高圧気体が粒子中空部内へ浸透していく。このように、容器内の高圧気体は、時間と共に中空粒子の中空部内へ浸透していくため、この中空部内に浸透した分だけ、容器内の圧力が低下することとなる。よって、中空粒子の中空部内に浸透した分を補うために、高圧気体を充填した上で所望の圧力をかけ続けることにより、所望の使用内圧の70%以上に調整した、中空粒子を早期に得ることができる。
かように、中空粒子の中空部内の圧力は、容器内(粒子周囲の空隙部)の圧力に近づきながら、一旦減少した粒子体積を回復していき、粒子形状は扁平化されて歪んだ形状から元の略球形状へと回復していく。この形状を回復していく過程の中で、中空粒子の中空部内の圧力がタイヤ使用内圧に対して少なくとも70%にまで増加することにより、粒子形状は扁平化した状態から略球形へ回復することが出来る。
上記の手法によれば、中空粒子のまわりに高圧気体が介在することになり、通常走行時に中空粒子が負担する荷重を無視できるほど軽減できるのはもちろんのこと、上述の粒子体積を回復した中空粒子においては、粒子形状が略球形に回復するため、タイヤ転動時の繰り返し変形に伴って粒子に加わる疲労や破壊も大幅に低減できる結果、粒子の耐久性が損なわれることはない。中空粒子の耐久性が損われない範囲は、タイヤ気室内の圧力が、装着する車両指定内圧等の所望する高圧下環境のなかで、中空粒子の中空部の圧力が所望のタイヤ気室内の圧力に対して少なくとも70%であることが好ましい。さらには、80%以上、90%以上、そして100%以上と高く設定することが推奨される。
ところで傷口の封止機構については前述の通りであるが、本発明の中空粒子は、該傷口流路内にて「圧密」し、多数の中空粒子によって流路を詰まらせた状態となる。ここで、中空部圧力が高い中空粒子である場合、以下の効果が発揮できる。すなわち中空粒子充填後に、タイヤ気室内に気体をコンプレッサー等で送り込むと、傷口に中空粒子が瞬時に移動し圧密するが、それと同時にタイヤ骨格に張力が与えられることにより、傷口の内径は絞り込まれる様に減少し、圧密した中空粒子に対して圧縮力が働く。このとき中空部圧力が高い場合では、この圧縮力にたいして中空部圧力に起因する反力が発生するため、圧密の度合いを高めることができ、より大きな内径の傷口まで封止できるのである。
ここで、中空粒子の中空部内の圧力を所望のタイヤ気室内の圧力に対して少なくとも70%とするには、容器内での中空粒子周囲の空隙気体の圧力を、少なくとも装着する車両指定内圧等の所望するタイヤ気室内の圧力に対して70%以上まで高めた状態に保持し、この圧力をかけ続けたまま適切な時間を経過させればよい。
なお、上述の適切な保持時間は、中空粒子の殻の部分、すなわち粒子の連続相に対する空隙気体の透過性と、粒子中空部内の気体と空隙気体との分圧差とを考慮して、設定すればよい。
以上の機構と粒子の形状、体積の変化過程に則り、容器(粒子周囲の空隙部)に充填する気体の種類と圧力とを適宜に選択、そして調節することによって、中空粒子の中空部内の圧力を所望の範囲に設定できる。
以上述べてきたように、中空粒子の中空部内の圧力を所望のタイヤ気室内の圧力に対して少なくとも70%とした粒子を、パンクしたタイヤ気室内に配置後、コンプレッサー等により空気を充填することにより、修理したタイヤが、再度パンクしてしまい、タイヤ内圧が低い状態で走行した時に、少なくとも該タイヤのサイド部が接地しなくなるタイヤ気室圧力まで、該タイヤ気室の圧力を回復させることを実現する「内圧復活機能」を発現させることができる。
以下に、そのタイヤ内圧の復活機構を説明する。
さて、上述した中空粒子群をタイヤ気室内に配置して、パンク修理を行ったタイヤとリムとの組立体にあっては、該タイヤが再度受傷し、傷口の封止が万全な状態でなかった場合、中空粒子3相互間の空隙に存在するタイヤ気室内の高圧気体がタイヤの外側に漏れ出る結果、タイヤ気室の圧力が低下する。そして、このタイヤ気室圧力低下の過程において、以下の事がタイヤ気室内で起こる。
まず、タイヤが再度受傷しタイヤ気室の圧力が低下し始めると、中空粒子の多数が受傷部を封止し、急激な気室圧力の低下を抑制する。その一方、気室圧力の低下に伴いタイヤの撓み量は増加し、タイヤ気室容積が減少する。さらに、気室圧力が低下するとタイヤが大きく撓み、タイヤ気室内に配置した中空粒子は、タイヤ内面とリム内面との間に挟まれながら、圧縮とせん断の入力を受けることとなる。
一方、上述の使用内圧下で存在していた中空粒子の中空部内の圧力(独立気泡中の気泡内圧力)は、再受傷後も上記使用内圧に準じた高い圧力を保ったまま、言い換えれば、再受傷前の粒子体積と中空部圧力を保持したままタイヤ気室内に存在する事となる。よって、この様な低内圧走行においては、タイヤが大きく撓みながら転動するため、タイヤ自身の自己発熱により、タイヤはもとよりタイヤ気室内の気体温度は、急激に上昇する。加えて、中空粒子そのものが直接的に荷重を負担しつつ中空粒子同士が摩擦を引き起こし自己発熱するために、タイヤ気室内の中空粒子の温度が急上昇する。そして、該温度が、中空粒子の熱膨張開始温度Ts2(該樹脂のガラス転移温度に相当する)を超えると、該粒子の殻は軟化し始める。このとき、中空粒子の中空部内の圧力が使用内圧に準じた高い圧力であるのに加え、中空粒子温度の急上昇によりさらに中空部内圧力が上昇しているために、中空粒子が一気に体積膨張し粒子周囲の空隙気体を圧縮する事になるため、タイヤ気室の圧力を少なくともタイヤのサイド部が接地しなくなるタイヤ気室圧力まで回復させる事ができるのである。
上記の機構によって中空粒子の中空部内の圧力を大気圧以上の高い圧力に設定すれば、内圧復活機能を発現させることができる。
すなわち、前述のサイド部が接地しないタイヤ内圧までタイヤ気室の圧力を復活させるには、前述の中空部内の圧力が使用内圧の少なくとも70%である中空粒子を、5vol%以上の充填率の下にタイヤ気室内に配置することが肝要である。その理由を、以下に示す。
中空粒子の充填率が5vol%未満であると、受傷部の封止は問題なく行えるが、該中空粒子の絶対量が不足しているために、サイド部が接地しない圧力レベルまでの充分な復活内圧を得る事が難しくなる。上述の通り、少なくとも受傷部を封止するためには、中空粒子の充填率を1vol%以上とする必要があり、その後ポンプ等による増圧によって一時的な走行能を回復させることが出来る。一方、再受傷後の走行能力を確実に実現させるためには、上述の中空部圧力を高めた中空粒子5vol%以上が必要となる。
かように中空粒子は、中空構造による低比重かつ弾力性に富んだ粒子であるために、タイヤが受傷し受傷部から中空粒子周囲の空隙気体が漏洩し始めると、空隙気体の漏洩による流れに乗って即座に受傷部に密集し、受傷部の傷口を瞬時に封止する。以上のように、中空粒子による受傷部の封止機能は、本発明の内圧復活機能を支える必須機能である。
以上述べたように、本発明の中空粒子を充填したタイヤとリムとの組立体では、パンク後の内圧低下に伴うタイヤ気室容積の減少とタイヤの撓み量の増大により、中空粒子間の摩擦を引き起こすことで粒子の急激な温度上昇とともに粒子の膨張による内圧復活を果たし、再パンク後の安全走行を実現できる。
そこで、発明者らは中空粒子の発熱と膨張の実態について鋭意検討し、中空粒子の適切な範囲を見出した。さて、中空粒子はその原料である『膨張性樹脂粒子』を加熱膨張することにより得られ、この膨張性樹脂粒子には膨張開始温度Ts1が存在する。更に、加熱膨張によって得られた中空粒子を再度加熱すると、中空粒子は更なる膨張を開始し、ここに中空粒子の再膨張開始温度Ts2が存在する。発明者らは、これまで多くの膨張性樹脂粒子から中空粒子を製造し検討を重ねてきた結果、Ts1を膨張特性の指標としてきたが、中空粒子の膨張特性の指標としてはTs2が適切であることを見出すに到った。
まず、膨張性樹脂粒子を加熱膨張させる場合における膨張挙動を観察した。膨張性樹脂粒子は膨張する前の段階にあるため、中空粒子の状態に比して粒径が極端に小さく、樹脂製の殻部の厚さが極端に厚い。よって、マイクロカプセルとしての剛性が高い状態にある。したがって、加熱膨張の過程で樹脂製の殻部の連続相がガラス転移点を越えても、更なる加熱により殻部がある程度柔らかくなるまでは、内部ガスの拡張力が殻部の剛性にうち勝つことが出来ない。よって、Ts1は実際の殻部のガラス点移転よりも高い値を示す。
一方で、中空粒子を再度加熱膨張させる場合では、中空粒子の殻部の厚さが極端に薄く、中空体としての剛性が低い状態にある。したがって、加熱膨張の過程で殻部の連続相がガラス転移点を越えると同時に膨張を開始するため、Ts2はTs1より低い位置づけとなる。
本発明では、膨張性樹脂粒子の膨張特性を活用する場合と、一旦膨張させた中空粒子の更なる膨張特性を活用する場合とがあるため、膨張特性を議論するには、各場合によってTs1とTs2を使い分ける必要がある。
ここに、中空粒子のTs2が40℃以上200℃以下であることが肝要である。なぜなら、中空粒子のTs2が40℃未満では、中空粒子を収容した容器を車両内に保管する際の温度を考慮すると、この保管環境下で膨張する可能性があるからである。
一方200℃を超えると、パンク受傷後のランフラット走行において、中空粒子の摩擦発熱に起因する急激な温度上昇が起こっても、再膨張開始温度Ts2に達することが出来ない場合があり、よって目的とする『内圧復活機能』を十分に発現させることが出来なくなる場合がある。
よって、Ts2の範囲は40℃以上200℃以下であり、好ましくは150℃以下、更に好ましくは120℃以下であり、もっとも好ましくは100℃以下の範囲である。
以上のように、上記した上限値および下限値に従う再膨張開始温度Ts2を有する中空粒子を配置することにより、内圧復活機能を確実に発現させることはもとより、常用での『内圧復活機能保持』が達成される。
この内圧復活機能を強化するために、上記の膨張性樹脂粒子を中空粒子に混在させてタイヤ気室内に充填してもよい。その場合の膨張性樹脂粒子の混合率は、該中空粒子体積の5vol%〜100vol%の範囲とすることが好ましい。なぜなら、5vol%未満であると、膨張性樹脂粒子を添加した効果が明確に得られないおそれがある。一方、100vol%以上であると、膨張性樹脂粒子の吸熱量が大き過ぎるために、内圧復活の速度が緩慢になる事があり、その結果、タイヤのサイド部が路面に接地したまま走行している時間が長くなる分、圧力容器であるタイヤ自体が故障してしまう懸念があり好ましくない。
次に、中空粒子の中空部(独立気泡)を構成する気体としては、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(III):
−O−R---- (III)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。また、タイヤ気室内に充填する気体は空気でも良いが、上記粒子中の気体がフルオロ化物でない場合には、安全性の面から酸素を含まない気体、たとえば窒素や不活性ガス等が好ましい。
尚、独立気泡を有する中空粒子を得る方法は特に限定されないが、発泡剤を用いて『膨張性樹脂粒子』を作製し、これを加熱膨張させる方法が一般的である。この発泡剤としては、高圧圧縮ガス及び液化ガスなどの蒸気圧を活用する手法、熱分解によって気体を発生する熱分解性発泡剤を活用する手法などを挙げることができる。
後者の熱分解性発泡剤には窒素を発生させる特徴のあるものが多く、これらによる発泡によって得られる膨張性樹脂粒子の反応を適宜制御することによって得た粒子は気泡内に主に窒素を有するものとなる。この熱分解性発泡剤としては特に限定されないがジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、パラトルエンスルフォニルヒドラジンおよびその誘導体、そしてオキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジンを好適に挙げることができる。
次に、前者の高圧圧縮ガス及び液化ガスなどの蒸気圧を活用して中空粒子となる『膨張性樹脂粒子』を得る手法を説明する。
中空粒子を形成する前記樹脂による連続相を重合する際、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(III):
−O−R---- (III)
(式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を発泡剤として高圧下で液化させ、反応溶媒中に分散させつつ、乳化重合させる手法である。これにより上記に示されるガス成分を液体状態の発泡剤として前術の樹脂連続相にて封じ込めた『膨張性樹脂粒子』を得ることができ、これを加熱膨張させる事によって、所望の中空粒子を得る事が出来る。
また、前記『膨張性樹脂粒子』の表面に、シリカ粒子等のアンチブロッキング剤、カーボンブラック微粉、帯電防止剤、界面活性剤、油剤等をコーティングした上で加熱膨張させることにより、目的の中空粒子を得ることができる。
また、受傷によりタイヤ気室圧力が低下した状態において、該中空粒子によって必要最低限の内圧を付与するには、中空粒子の中空部内に所定圧力で封入された気体が、粒子外部へ漏れ出ないこと、換言すると、中空粒子の殻の部分に相当する樹脂による連続相が気体を透過し難い性質を有することが肝要である。すなわち、連続相を構成する樹脂はガス透過性の低い材質によること、具体的には、アクリロニトリル系共重合体、アクリル系共重合体、塩化ビニリデン系共重合体のいずれか少なくとも1種から成ることが肝要である。これらの材料は、タイヤ変形による入力に対して中空粒子としての柔軟性を有するため、本発明に特に有効である。
とりわけ、中空粒子の連続相には、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれかを適用することが好ましい。さらに詳しくは、重合体を構成するモノマーが、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、メチルメタクリレート、メタクリル酸、塩化ビニリデンから選択される重合体であり、好ましくはアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メタクリル酸3元共重合体から選ばれた少なくとも1種がそれぞれ有利に適合する。これらの材料は、いずれもガス透過係数が小さくて気体が透過し難いために、中空粒子の中空部内の気体が外部に漏れ難く、中空部内の圧力を適切に保持することができる。
さらに、中空粒子の連続相は、30℃におけるガス透過係数が300×10-12 (cc・cm/cm2 ・s・cmHg)以下、好ましくは30℃におけるガス透過係数が20×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下、さらに好ましくは30℃におけるガス透過係数が2×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下であることが推奨される。なぜなら、通常の空気入りタイヤにおけるインナーライナー層のガス透過係数は300×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下のレベルにあって十分な内圧保持機能を有している実績を鑑み、粒子の連続相についても、30℃におけるガス透過係数を300×10-12(cc・cm/cm2 ・s・cmHg)以下とした。ただし、このガス透過係数のレベルでは、3〜6カ月に1度程度の内圧補充が必要であるから、そのメンテナンス性の点からも、20×10-12 (cc・cm/cm2 ・s・cmHg)以下、さらに好ましくは2×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下とすることが推奨される。
ここで、本発明に従ってタイヤ気室に中空粒子を充填するにあたり、タイヤが損傷した際のタイヤ受傷部の封止機能を高めるために、あらかじめタイヤ気室内に平均嵩比重が該中空粒子の平均真比重よりも大きい発泡体の多数を配置しておき、パンク後に該中空粒子群を充填する、または該発泡体を該中空粒子に混在させたものを充填する手段が有効である。具体的には、直径が1〜15mmの略球体形状または一辺が1〜15mmの立方体形状であり独立または連通気泡を有し、平均嵩比重が0.06〜0.3g/ccでありかつ粒子の平均真比重よりも大きい嵩比重値である発泡体の多数を加えることにより、中空粒子単独では、封止することが難しい大きな傷口をも封止することが可能となり、該内圧復活機能の発現期間を延ばし、タイヤ受傷後の走行能力を増大させることが可能である。
すなわち、中空粒子は略球形状であるために流動性が高く、よってタイヤバルブ等の内径の小さい導入口からタイヤ気室内部に、容易に配置することができる。その一方、タイヤが受傷した後に、中空粒子を充填しつつ、コンプレッサー等で空気を送り込んだ後、該受傷部からタイヤの外側へ中空粒子がタイヤ気室の高圧気体と共に吹き出ようとして受傷部内面に集まることになる。しかしながら、受傷部内面からタイヤ外周面までの受傷経路は直線ではなく複雑に入り組んだ形状を呈するため、タイヤ内面傷口から入り込んだ該粒子は、該経路の途上行く手を阻まれる結果、多数の中空粒子が受傷部内面に圧縮状態で集合することになり、受傷部が暫定的に封止される。ここで、暫定的に封止とは、中空粒子そのものの漏洩はないが、該粒子周囲の空隙気体が徐々に漏洩する状態を指す。
その際、受傷部の傷の大きさが、極端に大きい場合には、粒子のみによる暫定的封止が不完全な場合があり、中空粒子がタイヤ外部に漏れ出してしまう場合がある。このような場合において、上述した発泡体の多数を加えておくことにより、次のように封止のレベルを向上させることができる。
まず、上述の発泡体の多数をあらかじめタイヤ気室内に配置しておけば、パンクによるタイヤ気室内の気体の漏洩と共に、該発泡体が傷口内面に密着し、タイヤ気室内の圧力と回転に伴う遠心力とによって、さらに傷口内部に潜り込んだ様態となる。その後の修理により、中空粒子を充填すると、発泡体が潜り込んだ傷口を封止する形となり、極めて確実な封止状態を得ることができる。
一方、修理後のタイヤにおいては、転動中のタイヤ気室内において、速度に応じた遠心力が発生しており、その遠心力下において嵩比重の大きい該発泡体はタイヤのインナーライナー側へ、そして真比重の小さい該中空粒子は該発泡体よりは回転中心に近い側へ夫々偏在する。この状態においては、もし該粒子のみでは封止できない程の大きさの傷を再度受けたとしても、タイヤ内面のインナーライナー面近傍に、該発泡体が多数偏在しているため、該発泡体がタイヤ外部へ吹き出ようとして、受傷部の傷口内面にいち早く密着することによって受傷部を封止する事となり、極めて有効である。
特に、該発泡体が連通気泡を持つ発泡体の場合、圧縮性が高く、傷口の形状に密着しやすく、傷口内部まで潜り込み易い事と、結果的に大きな傷口を該発泡体により極めて複雑かつ微細化できる事によって、その複雑・微細化された気体の散逸流路を該中空粒子にて封止するに最も適した様態へ変化させることが出来るため、大変有効な手段となる。
また、中空粒子および気体の充填に併用するタイヤ用バルブを有することが好ましい。このタイヤ用バルブは、中空粒子をタイヤ気室内に堰止め、かつ気体のみをタイヤ気室外に通過可能としたフィルターを備えることを特徴とするものである。かようなタイヤ用バルブを取り付けることによって、本発明によるパンクしたタイヤを修理する際、1つのバルブのみにて中空粒子をタイヤ気室内に配置する事が可能となるため、1つのバルブ穴しか持たない汎用リムをそのまま使用することが出来る。加えて、修理後の走行におけるタイヤ気室圧力の自然低下に対し、『気体補充作業における中空粒子の漏洩』を防ぐ事が出来、簡便にタイヤ気室圧力をメンテナンスする事を実現できる。
かようなタイヤ用バルブとしては、図3に例示する構造のものを用いることができる。ここで、符号12が上記フィルターであり、例えば不織布を用いることができる。
パンクタイヤの修理に供する充填材として、表1に示す中空粒子と下記のシール液とを作製し、それぞれ表1に示す条件に従って充填してパンクタイヤの修理を行った。各修理における傷口の封止性、再パンク後の走行能力について調査した結果を表1に併記する。

DPNRラテックス(ゴム固形分):500質量部(300質量部)
粘着性付与剤:200質量
エチレングリコール:300質量
水溶性高分子2.5%CMC aq.(CMC固形分):30質量部(0.75質量部)
なお、表1における、中空粒子の連続相を構成する組成物の種類は表2に示すとおりである。この表2に示す膨張性樹脂粒子を加熱して膨張させることによって中空粒子とし、得られた粒子群の平均粒径および平均真比重を測定した結果は表3に示した。表3に示した中空粒子及び比較対象のシール液を表1に示す充填率の下で、各タイヤ気室に充填した。なお、タイヤには、排気量3000ccの乗用車に、245/45R18のタイヤと7.5J−18のリムとの組立体を装置し、使用内圧200kPa下にて、6mmφの釘を踏み抜き受傷させたものを用いた。
ここで、傷口の封止性は、所定量のシール液又は中空粒子をタイヤ気室内に充填し、20l/minの流量で内圧200kPaとなるまで空気を充填後、速度50km/hにて10km走行した後のタイヤ内圧を比較した。タイヤ内圧が200kPaに保たれているほど傷口封止性に優れていることを示す。なお、シール液又は中空粒子を充填する時の受傷部の位置は、(1)0°(接地面内)、(2)90°(0°位置から90°離間した位置)、(3)180°(接地面のタイヤ軸を挟む反対側)の3水準にて実施した。
また、再パンク後の走行能力は、上記タイヤに内圧を充填しながら、60km/hにて500kmを走行後24時間放置し、その後6mmφの釘を一度目の受傷とは別の位置にて踏み抜き、受傷部の位置を(3)180°の状態にして3日間放置した。その後、60km/hにて最大80kmの走行を実施し、再パンク後の走行能力について調べた。
Figure 2006116911
Figure 2006116911
Figure 2006116911
なお、荷重が負荷されていない状態下で各タイヤの気室圧力を使用内圧である200kPaに調整し、気室内の高圧空気を排出させることで気体の排出量を求め、各タイヤの気室容積を算出した。その算出結果を、表1に示した。
ここで、タイヤの気室容積の測定は、以下に示す手順によって行った。
〔タイヤ気室容積の測定方法〕
手順1:タイヤとリムの組立体に荷重がかからない状態を保持したまま、常温の空気を充填し、所定内圧(使用内圧)Pに調整する。このとき、P下における目的のタイヤ気室容積をVとする。
手順2:タイヤバルブを開放し、タイヤ気室内の空気を大気圧P1に放出させつつ積算流量計に流し、充填空気排出量Vを測定する。なお積算流量計には、品川精機(株)製 DC DRYガスメーター DC−2C、インテリジェントカウンターSSF を用いた。
以上の各測定値を用いて、
タイヤ気室容積値=(充填空気排出量)/(使用内圧/大気圧)---(II)
に従って、使用内圧P時のタイヤ気室容積Vを求めることができる。
なお、式(II)において使用内圧はゲージ圧値(kPa)を、大気圧値は気圧計による絶対値(kPa)を用いた。
また、表1に示したタイヤ気室に配置した容器内の中空粒子の中空部内の圧力は、次のように測定した。
〔中空部内の圧力レベル確認方法〕
容積が既知の容器内に中空粒子を配置し所望の使用内圧Pに一定期間保った、目的の容器を準備する。容器上のバルブにはフィルターを配置することで、バルブを開放した時、中空粒子が容器内に留まり、高圧の気体だけが排出される状態を得られる。次に、一旦容器の圧力を大気圧とし、再度気体を充填した上でPの50%に相当する圧力P50%に調整し、容器上のバルブを開放して容器内の空気を大気圧P1に放出させつつ積算流量計に流し、空気排出量V50%を測定する。そして、次式
50%下における粒子周囲空隙容積値V(cm)=
〔空気排出量値V50%(cm)〕/〔内圧値P50%(kPa)/大気圧P1(kPa )〕
により、圧力P50%における粒子周囲空隙容積値Vを求める。同様に、P30%、70%、80%、90%等の各圧力水準における粒子周囲空隙容積を算出する。もし、中空部内圧力が容器内の圧力に満たない場合は、中空粒子体積が減少するためその分粒子周囲空隙容積が増加した状態となる。よって、充分に低い圧力水準から上記測定を開始し、粒子周囲空隙容積が増加し始めた水準の圧力をもって、中空粒子の中空部内の圧力レベルとした。
さらに、中空粒子の平均真比重の計測法は、次に示す通りである。
[平均真比重の計測法]
粒子の平均真比重値は、イソプロパノールを用いた、常法である液置換法(アルキメデス法)により測定するのが一般的であり、本発明においても、この常法に従うこととした。
また、中空粒子の平均粒径および粒径分布の計測法は、次に示す通りである。
機器:Sympatec Gmbh 社製 レーザ回折式粒度分布測定装置 HELOS&RODOSシステム
測定条件:2S−100ms/DRY
分散圧:2.00bar、送り:50.00%、回転:60.00%
形状係数:1.00
上記の条件にて測定し、以下の測定値を採用する。
すなわち、体積基準平均粒径を、本発明の平均粒径値(D50値)とする。
さらに、各膨張性樹脂粒子の熱膨張開始温度Ts1及び各中空粒子の再膨張開始温度Ts2の測定法は、以下に示す通りである。
〔粒子の熱膨張開始温度測定法〕
表2における熱膨張開始温度Ts1およびTs2は、以下に示す条件にて膨張変位量を測定し、その変位量の立ち上がり時の温度とした。
機器:PERKIN−ELMER 7Series
“Thermal Analysis System”
測定条件:昇温速度10km/min、測定開始温度25℃、測定終了温度220℃、
測定物理量:加熱による膨張変位量を測定。
なお、評価を行うタイヤとリムとの組立体のリム内面には、タイヤ気室圧力をモニターする圧力センサーを組み込み、測定した圧力データの信号を一般に使用されているテレメータを用いて電波伝送し、試験車両内部に設置した受信機にて受信することで圧力の変化を計測しながら、最大80kmの走行を実施した。2度目の受傷(再パンク)後の走行においては、再修理が不能であることを前提とし、シール液や、中空粒子の追加充填、及び空気の再補充を一切行わず、3日間放置後の状態からの走行を実施した。この状況においては、修理場への直行を前提とし、走行距離20km以上を合格とした。
表1に示した結果から、シール液は、修理後に空気に触れると粘度上昇するため、再度パンク受傷すると、その傷口を封止することは難しいことがわかる。又、修理後駐車しておくと、接地内面側にシール液が集まり、その後の転動でも全体になじみにくいため、再度受傷したとき、その傷口を封止することも難しい。通常、1回分のシール液しか搭載していないため、再パンク後の封止は難しく、空気を再度補充してもすぐ抜けるため、2回目の受傷後は走行能力が極めて低い。
一方、中空粒子は、タイヤ内での移動性に優れるため、再度のパンクにおいても封止能力を発揮する。又、充填率5vol%以上であれば、空気の補充なしでも、一定の距離を走行できる。さらに、中空粒子内部の中空部内の圧力レベルが、使用内圧の70%以上の高圧化状態とした中空粒子である場合は、内圧復活できることがわかる。
パンクタイヤの修理要領を示す図である。 本発明に従う修理後のタイヤ幅方向断面図である。 本発明に従う修理後タイヤとリムとの組立体に搭載する、中空粒子および気体の充填に併用する『フィルターを備えたタイヤ用バルブ』の一例を示す図である。
符号の説明
1 リム
2 タイヤ
3 中空粒子
4 容器
5 コンプレッサー
6 タイヤ気室
7 ビードコア
8 カーカス
9 ベルト
10 トレッド
11 インナーライナー層
12 フィルター

Claims (21)

  1. 車両にリムを介して装着したタイヤが受傷して内圧が大気圧まで低下した際、該車両装着状態のタイヤとリムとで区画されたタイヤ気室に、熱膨張が可能な樹脂による連続相と独立気泡とからなる中空粒子の多数を気体と共に充填し、傷口を中空粒子で塞いだ上で気体の充填によって使用内圧を付与することを特徴とするパンクタイヤの修理方法。
  2. 下記式(I)に従う中空粒子の充填率を1vol%以上とすることを特徴とする請求項1に記載のパンクタイヤの修理方法。

    中空粒子の充填率=(粒子体積値/タイヤ気室容積値)×100 ---(I)
    ここで、
    粒子体積値:タイヤ気室に配置した全中空粒子の大気圧下での合計体積
    と粒子周囲の空隙体積との合計量(cm
    タイヤ気室容積値:タイヤとリムとの組立体に空気のみを充填して使用
    内圧(kPa)に調整した後、充填空気を内圧が大気圧になるまで排出した
    際の充填空気排出量(cm)を用いて、次式(II)から求めた値(cm

    タイヤ気室容積値=(充填空気排出量)/(使用内圧/大気圧)---(II)
    なお、式(II)において使用内圧はゲージ圧値(kPa)を、大気圧値
    は気圧計による絶対値(kPa)を用いる。
  3. 中空粒子の充填率を5vol%以上とすることを特徴とする請求項2に記載のパンクタイヤの修理方法。
  4. 中空粒子の充填率を10vol%以上とすることを特徴とする請求項2または3に記載のパンクタイヤの修理方法。
  5. 前記中空粒子および気体はコンプレッサーを介してタイヤ気室に送ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  6. 前記中空粒子に、ガス成分を液体状態の発泡剤として樹脂に封じ込めた膨張性樹脂粒子を混合して、タイヤ気室に充填することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  7. 前記中空粒子の熱膨張開始温度Ts2が40〜200℃であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  8. 前記中空粒子の熱膨張開始温度Ts2が40〜150℃であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  9. 前記中空粒子の熱膨張開始温度Ts2が40〜120℃であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  10. 前記中空粒子の熱膨張開始温度Ts2が40〜100℃であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  11. 中空粒子は、中空部内の圧力をタイヤの使用内圧の70%以上に調整して用いることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  12. 中空粒子は、中空部内の圧力をタイヤの使用内圧の80%以上に調整して用いることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  13. 中空粒子は、中空部内の圧力をタイヤの使用内圧の90%以上に調整して用いることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  14. 中空粒子は、中空部内の圧力をタイヤの使用内圧の100%以上に調整して用いることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  15. タイヤ気室に充填する中空粒子群の平均粒径が40〜200μmの範囲にあり、かつ該中空粒子群の平均真比重が0.01〜0.06g/cmの範囲にあることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  16. 中空粒子の中空部内の気体が、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(III):
    −O−R ---- (III)
    (式中のRおよびRは、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  17. 中空粒子の連続相である樹脂が、ポリビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれか少なくとも1種から成ることを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  18. 中空粒子の連続相がアクリロニトリル系重合体から成り、該アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリル重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体およびアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メタクリル酸3元共重合体から選ばれた少なくとも1種であるであることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  19. タイヤ気室内に、あらかじめ大気圧下での平均嵩比重が該中空粒子の平均真比重よりも大きい発泡体の多数を配置しておき、パンク後に該中空粒子群を充填することを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  20. タイヤ気室内に、さらに大気圧下での平均嵩比重が該中空粒子の平均真比重よりも大きい発泡体の多数を該中空粒子群に混在して充填することを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載のパンクタイヤの修理方法。
  21. 前記発泡体は、直径が1〜15mmの略球体形状または一辺が1〜15mmの立方体形状であり、平均嵩比重が0.06〜0.3(g/cc)であり、独立気泡または連通気泡を有するものであることを特徴とする請求項19、20に記載のパンクタイヤの修理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103333659A (zh) * 2013-05-17 2013-10-02 夏君 自动修补轮胎的修补液及其运用

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