JP2006179105A - ディスク装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微動アクチュエータと主アクチュエータを備えたディスク装置で高速高精度の位置決め制御を実現する。
【解決手段】微動アクチュエータ3と主アクチュエータ8とヘッド位置検出器11と主制御部50と主駆動器19と微動制御部20と微動駆動器17とを備えるディスク装置であって、微動制御部20は、ヘッド位置検出器11が出力する位置信号peが入力され且つ該入力信号peに基づいて、目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲内に位置するときには、目標トラックが動作範囲内にあるときのみ微動制御信号umを生成して微動駆動器17へ出力する一方、目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲内に位置しないときには、微動制御信号umを出力しない構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】微動アクチュエータ3と主アクチュエータ8とヘッド位置検出器11と主制御部50と主駆動器19と微動制御部20と微動駆動器17とを備えるディスク装置であって、微動制御部20は、ヘッド位置検出器11が出力する位置信号peが入力され且つ該入力信号peに基づいて、目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲内に位置するときには、目標トラックが動作範囲内にあるときのみ微動制御信号umを生成して微動駆動器17へ出力する一方、目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲内に位置しないときには、微動制御信号umを出力しない構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、情報記録ディスクに対してアクセスを行う記録/再生用のヘッドを、微動アクチュエータと主アクチュエータとの協働によって位置制御する2段アクチュエータ方式のディスク装置及びその制御方法に関する。
近年、磁気ディスク装置では高密度記録を実現するために主アクチュエータと微動アクチュエータとによる2段アクチュエータの適用が望まれている。例えば、特許文献1に示すように、ハードディスクなどの情報記録ディスクに対して記録/再生用のヘッドを高速高精度に位置決めするための、微動アクチュエータと主アクチュエータとからなる2段アクチュエータ方式のヘッド位置決め装置がある。
主アクチュエータとしては通常、ボイスコイルモータ(VCM)が用いられる。主アクチュエータは、シーク動作やトラック複数分のジャンプなどの大移動のために使用されるもので、ヘッドを搭載しているヘッド支持機構を筐体上の軸を中心にして回動させる。
微動アクチュエータはマイクロアクチュエータ(MA)とも呼称され、微動アクチュエータには圧電素子(PZT素子)が利用されることが多い。微動アクチュエータは、トラック追従や1トラックジャンプなどの高速で微小な位置決めのために使用されるもので、主アクチュエータとヘッドスライダとの間に例えば、圧電素子を介在させて構成している。微動アクチュエータである圧電素子に対する印加電圧の制御によって、ヘッドの変位量を調整する。印加電圧が大きいほど変位の応力が大きく、応答性がより速いヘッドの位置決めが可能である。尚、微動アクチュエータには、圧電素子を用いたもの以外に、電磁力を応用したものや磁歪素子による伸縮を利用したものもある。
そして、微動アクチュエータは変位量が主アクチュエータに比べ小さく、ヘッドの目標位置が微動アクチュエータの動作可能範囲を一部出ている場合、位置決め精度に悪影響を及ぼす。そこで微動アクチュエータの動作可能範囲の内外で位置決め制御を変更することにより位置補償後の不要な振動の発生を避け、位置決め精度を向上させる方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開平5−47126号公報
特開平5−198111号公報
ところで、特許文献2に記載の装置においては、ヘッドと目標トラックとの位置ずれが微動アクチュエータによる動作限界値を超えている場合は微動アクチュエータを目標位置に追従させずに微動アクチュエータの変位量を一定値に制御している。すなわち、ヘッドがある位置から目標トラックまでアクセス動作している場合などにおいて、ヘッドが目標トラックの近傍まで移動するまでの間は、ヘッドと目標トラックとの位置ずれが微動アクチュエータの動作限界値よりも大きく、かかる場合には、微動アクチュエータの変位量は一定値(動作限界値)に制御されることになる。そして、ヘッドが目標トラック上に差し掛かって、目標トラックが微動アクチュエータの動作可能範囲内に位置するようになったときに、微動アクチュエータによる位置決め制御が行われる。つまり、微動アクチュエータによる位置決め制御が始まる直前には微動アクチュエータがその動作範囲内において片方向側に一定値(動作限界値)だけ変位、即ち動作範囲の中央に対してオフセットしているため、微動アクチュエータによる位置決め制御が開始されるときには、微動アクチュエータは、オフセットしている片方向側には変位可能な幅が小さくなっており、オフセットとは反対の他方向側へは変位可能な幅が大きくなっている。そのため、オフセットしている側については、ヘッドが動作できる余裕があまりなく、ヘッドが目標トラックを追従しきれず、目標トラックが微動アクチュエータの動作範囲から外れて、微動アクチュエータは再び、変位量が一定値に固定された状態となる。この間は主アクチュエータの制御帯域によるヘッドの追従動作しか行えず、主アクチュエータは、微動アクチュエータに比べて応答速度及び精度が共に低く、ヘッドの高速高精度位置決めを行えないという課題を有する。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、主アクチュエータと微動アクチュエータとを備えたディスク装置において、ヘッドを目標トラックに対して高速且つ高精度に位置決めすることができるディスク装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明に係わるディスク装置は、目標トラックが微動アクチュエータの動作範囲内に入ることによって微動アクチュエータによる位置決め制御が開始されるときに、微動アクチュエータがその動作範囲の略中央位置に位置するように構成した。具体的には、本発明のディスク装置は、少なくとも情報記録ディスクに記録された情報を再生するヘッドと、前記ヘッドが搭載され、該ヘッドを前記情報記録ディスク上で移動させる微動アクチュエータと、前記微動アクチュエータが搭載され、前記ヘッドを該微動アクチュエータと共に前記情報記録ディスク上で移動させる主アクチュエータと、前記ヘッドの再生信号から、該ヘッドの前記情報記録ディスク上におけるヘッド位置を検出して、その位置信号を出力するヘッド位置検出手段と、前記位置信号が入力され且つ該入力信号に基づいて、前記ヘッドを前記情報記録ディスク上の目標トラックに移動させるアクセス動作又は該ヘッドを該目標トラックに追従させるトラック追従動作を行うための主制御信号を生成して出力する主制御手段と、前記主制御信号に応じて前記主アクチュエータを駆動する主駆動手段と、前記位置信号が入力され且つ該入力信号に基づいて、目標トラックが前記微動アクチュエータの動作範囲内に位置するときには、該ヘッドを目標トラック上へ移動させるための微動制御信号を生成して出力する一方、目標トラックが前記微動アクチュエータの動作範囲内に位置しないときには、該微動制御信号を出力しない微動制御手段と、上記微動制御手段の出力に応じて前記微動アクチュエータを駆動する微動駆動手段と、を備える。
この構成により、前記ヘッドの目標トラックが前記微動アクチュエータの動作範囲内に位置しない場合、すなわち、あるヘッド位置から目標トラックまで移動する場合においてヘッドが目標トラック上に差し掛かって、目標トラックが微動アクチュエータの動作範囲内に入るまでの間は、微動制御手段が微動制御信号を出力しないため、微動アクチュエータには駆動信号が無入力な状態となっている。つまり、微動アクチュエータは、主アクチュエータに単に搭載されたままのニュートラルな状態であって、微動アクチュエータの動作範囲の略中央位置に位置している。そうして、主アクチュエータによってヘッドが移動させられ、微動アクチュエータの動作範囲内に目標トラックが位置するようになったときにはじめて、微動制御手段が微動制御信号を出力し、ヘッドが目標トラックへ移動するように微動アクチュエータを駆動する。
このように、微動アクチュエータによるヘッドの位置決め制御が開始される直前においては、微動アクチュエータは変位しておらず、その動作範囲におけるニュートラルな位置(通常は、動作範囲の中央位置)に位置するため、ヘッドが目標トラック近傍まで移動して微動アクチュエータによる位置決め制御が開始されるときには、微動アクチュエータはその動作方向に対して何れの方向にもオフセットしておらず、何れの動作方向にも略均等に動作できる。これにより、微動アクチュエータによる位置決め制御が開始されても、すぐにヘッドが目標トラックを追従できないようになって、微動アクチュエータの変位を固定すると共に主アクチュエータのみによる位置決め制御へ切り換わって、ヘッドの応答速度が低下し且つ位置決め精度が低下するということを防止することができる。つまり、微動アクチュエータをその動作範囲の略中央位置に位置させた状態から微動アクチュエータによる位置決め制御を開始させることによって、目標トラックのヘッドに対する相対的な変動に対して柔軟に追従させることが可能になり、微動アクチュエータと主アクチュエータとによる高速且つ高精度なヘッドの位置決めを実現することができる。
また、前記微動アクチュエータは、圧電素子を有しているものであってもよい。
ここで、圧電素子は、両側電極に対する印加電圧が大きいと、素子内の金属成分が電気化学反応を起こし、電極に金属成分が析出する。圧電素子の一つに、鉛、ジルコニアおよびチタンの合金からなる薄膜のPZT素子がある。このPZT素子は、実際には、PZT結晶のみからなるものではなく、製造プロセスにおいて酸化鉛、水などの不純物が混入する。酸化鉛や水が混入すると、電圧印加状態で電気化学反応が活性化され、負電極側に鉛が析出するという現象が起こる。印加電圧が高いほど、鉛析出現象が発生しやすい。鉛析出による悪影響は直ちには発現しないが、鉛析出は徐々に進行する。長時間にわたる鉛析出によって腐食現象が進行すると、圧電素子の変位特性が劣化する。さらに進行すると、変位できないようになる。最終的には鉛析出によりショートが起こる虞がある。
すなわち、ヘッドと目標トラックとの位置ずれが微動アクチュエータの動作限界値を超えていたら微動アクチュエータを目標位置に追従させずに微動アクチュエータの変位量を一定値に制御するように構成すると、微動アクチュエータがその動作範囲の限界値もしくその近傍まで変位し、一定値を持続するという状態は圧電素子の寿命の点から好ましくない。
これに対し、本発明によれば、目標トラックが微動アクチュエータの動作範囲内に位置するようになるまで微動アクチュエータを変位させないため、ヘッドの高速高精度位置決めだけでなく、圧電素子を用いた微動アクチュエータに対しては、圧電素子の寿命を延ばし、ディスク装置の信頼性を向上させることができる。
また、前記微動制御手段は、該微動制御手段に入力される前記位置信号のフィルタリング処理を行う高域通過フィルタを含んで構成するようにしてもよい。
これにより、前記位置信号のうち低周波数成分、特に直流成分を減衰させて、該位置信号を微動制御手段に入力することができ、ヘッド位置に、低周波成分、特に直流成分に起因する目標トラックとの偏差が残存することを防止することができる。その結果、ヘッドを高精度に位置決めすることができる。さらに、圧電素子を用いた微動アクチュエータに対しては、残存する偏差がないため一定値の電圧が持続して印加されることを防止することができ、圧電素子の寿命の延ばすことができる。
尚、前記高域通過フィルタの遮断周波数は、前記主アクチュエータが前記トラック追従動作を行うときの制御帯域よりも高く設定することが好ましい。
こうすることにより、主アクチュエータによるヘッドのトラック追従動作が、微動制御手段に外乱として入力されず、主アクチュエータによる微動制御手段への干渉を防止することができる。その結果、ヘッドが目標トラックに整定する時間を短くすることができ、ヘッドを高速に位置決めすることができる。さらに、圧電素子を用いた微動アクチュエータに対しては、圧電素子に電圧を印加する時間が全体的に短縮されるため、圧電素子の寿命を延ばすことができる。
また、前記微動アクチュエータが圧電素子を利用している場合には、前記微動制御手段は、前記位置信号を積分して前記微動制御信号を生成することが好ましい。位置信号を積分することによって、微動アクチュエータの機械共振周波数よりも十分低い周波数の領域で位置決め制御系のゲインを高くすることができるので、目標トラックに対して高速且つ高精度に位置決めすることができる。
さらに、前記微動制御手段は、微動アクチュエータが前記動作範囲を越えて動作しないように前記微動制御信号の大きさを制限するリミッタを含んで構成することが好ましい。こうすることによって、微動アクチュエータを動作範囲を超えて動作させて、微動アクチュエータが破損することを防止することができる。
また、前記微動制御手段は、該微動制御手段に入力される前記位置信号のうち前記微動アクチュエータの共振周波数と略等しい周波数成分を減衰させるノッチフィルタを含んで構成してもよい。これにより、微動アクチュエータの共振特性により制御系が不安定になることを防止することができる。
また、本発明の制御方法は、少なくとも情報記録ディスクに記録された情報を再生するヘッドと、前記ヘッドが搭載され、該ヘッドを前記情報記録ディスク上で移動させる微動アクチュエータと、前記微動アクチュエータが搭載され、前記ヘッドを該微動アクチュエータと共に前記情報記録ディスク上で移動させる主アクチュエータとを備えたディスク装置の制御方法である。
そして、前記ヘッドの再生信号から、該ヘッドの前記情報記録ディスク上におけるヘッド位置を検出して、その位置信号を生成する工程と、前記位置信号に基づいて、前記ヘッドを前記情報記録ディスク上の目標トラックに移動させるアクセス動作と該ヘッドを該目標トラックに追従させるトラック追従動作とを切り換えると共に切り換えた動作に応じた主制御信号を生成し、該主制御信号に応じて前記主アクチュエータを駆動する主制御工程と、前記位置信号に基づいて、目標トラックが前記微動アクチュエータの動作範囲内に位置するときには、該ヘッドを目標トラック上へ移動させるように微動制御信号を生成して、該微動制御信号に応じて該微動アクチュエータを駆動する一方、目標トラックが前記微動アクチュエータの動作範囲内に位置しないときには、該微動アクチュエータを駆動しない微動制御工程と、を包含するものとする。
この構成により、目標トラックが前記微動アクチュエータの動作範囲以内に位置しない場合は、微動アクチュエータは、主アクチュエータに単に搭載されたままのニュートラルな状態であって、微動アクチュエータの動作範囲の略中央位置に位置している。このように、微動アクチュエータによるヘッドの位置決め制御が開始される直前においては、微動アクチュエータは動作しておらず、その動作範囲におけるニュートラルな位置(通常は、動作範囲の中央位置)に位置するため、何れの動作方向にも略均等な変位量だけ動作できる。その結果、ヘッドを目標トラックに対して高速且つ高精度に位置決めさせることができる。
また、前記微動アクチュエータは、圧電素子を有しているものとしてもよい。本発明は、目標トラックが微動アクチュエータの動作範囲内に位置するようになるまで微動アクチュエータを変位させないため、ヘッドの高精度高速位置決めだけでなく、圧電素子を用いた微動アクチュエータに対しては、圧電素子の寿命を延ばし、ディスク装置の信頼性を向上させることができる。
また、前記微動制御工程では、高域通過フィルタによって前記位置信号のフィルタリング処理を行うようにしてもよい。これにより、ヘッド位置に、低周波成分、特に直流成分に起因する目標トラックとの偏差が残存することを防止することができる。さらに、圧電素子を用いた微動アクチュエータに対しては、残存する偏差がないため一定値の電圧が持続して印加されることを防止することができ、圧電素子の寿命の延ばすことができる。
尚、前記高域通過フィルタの遮断周波数は、前記主アクチュエータが前記トラック追従動作を行うときの制御帯域よりも高く設定されることが好ましい。こうすることにより、主アクチュエータによるヘッドのトラック追従動作が、微動制御手段に外乱として入力されず、主アクチュエータによる微動制御手段への干渉を防止することができる。
また、前記微動制御工程では、前記位置信号を積分して前記微動制御信号を生成するようにしてもよい。位置信号を積分することによって、微動アクチュエータの機械共振周波数よりも十分低い周波数の領域で位置決め制御系のゲインを高くすることができるので、目標トラックに対して高速且つ高精度に位置決めすることができる。
さらに、前記微動制御工程では、微動アクチュエータが前記動作範囲を越えて作動しないように前記微動制御信号の大きさを制限するようにすることが好ましい。こうすることによって、微動アクチュエータを動作範囲を超えて動作させ、微動アクチュエータが故障することを防止することができる。
また、前記微動制御工程では、前記位置信号のうち前記微動アクチュエータの共振周波数と略等しい周波数成分を減衰させるようにしてもよい。これにより、微動アクチュエータが共振することを防止することができる。
本発明のディスク装置及びその制御方法によれば、目標トラックが前記微動アクチュエータの動作範囲内にないときには、微動アクチュエータを駆動させず、目標トラックが微動アクチュエータの動作範囲内に入ったときに微動アクチュエータによる位置決め制御を開始することにより、位置決め制御が開始されるときには、微動アクチュエータがその動作範囲内の略中央位置に位置するため、微動アクチュエータと主アクチュエータとの協働によってヘッドを高速且つ高精度に位置決めすることができる。即ち、ヘッドを目標トラックに高速高精度に追従させることができる。
以下、本発明に係わるディスク装置およびその制御方法について、具体的な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係わるディスク装置の1例である磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。
図1において、磁気ディスク1は、スピンドルモータ(図示せず)により回転駆動される。磁気ヘッド2は、磁気ディスク1に対してデータを記録/再生するためのものであって、後述する、圧電素子(PZT素子)を含むマイクロアクチュエータ(MA)で構成された微動アクチュエータ3の先端に搭載されている。さらに、この微動アクチュエータ3は、軸受5の周りに回動するアーム4の一端に搭載されている。このアーム4の他端には、駆動コイル6が設けられている。この駆動コイル6は、筐体10に固着されたマグネット(永久磁石)7と空隙を介して対向している。この駆動コイル6とマグネット7とがボイスコイルモータ(VCM)を構成し、マグネット7が発生する磁束と駆動コイル6に通電される電流が作る磁界との相互作用により、アーム4は回転力を受ける。これらアーム4、軸受5、駆動コイル6及びマグネット7が、主アクチュエータ8を構成している。
磁気ヘッド2は、微動アクチュエータ3と主アクチュエータ8とからなる2段アクチュエータによって磁気ディスク1上を移動させられ、両アクチュエータ3、8の協働により磁気ヘッド2は目標トラックにオントラック(追従)するように制御される。
図2は本発明の実施の形態に係わるディスク装置に含まれる微動アクチュエータ3の構成を示す構成図である。微動アクチュエータ3は、図2(a)〜図2(c)に示すように、ヘッド支持機構21に対してフレクシャ22を介してスライダ23が支持されており、フレクシャ22上に設けられた微動アクチュエータ3がスライダ23を駆動するように構成されている。微動アクチュエータ3は、一対のアクチュエータ片3a,3bからなり、それぞれのアクチュエータ片3a,3bは、上側電極24と圧電素子25と下側電極26とで構成されている。2つの圧電素子25はプッシュプルで駆動され、圧電素子25のひずみ量が、拡大機構によってスライダ23およびその上の磁気ヘッド2の変位量に変換される構成となっている。拡大機構は、スライダ23がピボット27を中心に回動することによって磁気ヘッド2を揺動運動させる機構である。このように構成された微動アクチュエータ3は所定の動作範囲が設定される。この所定の動作範囲は、その構造上(フレクシャ22、圧電素子25のサイズ等)決まる可動範囲に設定してもよいし、圧電素子25の特性劣化を生じるしきい値の電圧となるように設定してもよい。
図3は本発明の実施の形態に係わるディスク装置に含まれる微動アクチュエータ3の駆動電圧信号vmに対する磁気ヘッド2の変位量xmの応答を示す周波数特性図である。圧電素子を含むマイクロアクチュエータで構成された微動アクチュエータ3は、周波数foの機械共振特性を有している。微動アクチュエータ3の機械共振周波数foは、10kHz以上の値であり、周波数foより十分低い周波数(2〜3kHz)の領域では微動アクチュエータ3に入力される駆動電圧信号vmの大きさに比例した変位量xmを得ることができる。
このように構成された磁気ディスク装置における磁気ヘッド2の位置決めを行うための制御系について説明する。この磁気ディスク装置は、図1に示すように、微動アクチュエータ3を駆動するための、微動制御手段としての微動制御部20と微動駆動手段としての微動駆動器17とを有すると共に、主アクチュエータ8を駆動するための、主制御手段としての主制御部50と主駆動手段としての主駆動器19とを有する。
まず、磁気ディスク1には、位置情報としてサーボ信号(トラック番号及びトラック間位置信号(バースト信号))があらかじめ記録されており、磁気ヘッド2は、磁気ディスク1上のサーボ信号を検出し、その検知信号をヘッド位置検出器11に送る。ヘッド位置検出器11は、受け取った検知信号に基づいて磁気ヘッド2の現在位置を検出する。そして、ヘッド位置検出器11は、磁気ヘッド2の現在位置を位置信号peとして、主制御部50と微動制御部20とに出力する。この主制御部50は、制御モード切換器18及び主制御器13を有する。また、微動制御部20は、誤差範囲検出器12、切換スイッチ14、高域通過フィルタ15及び微動制御器16を有する。
まず、主制御部50、主駆動器19及び主アクチュエータ8を含む主制御系の動作について説明する。
主制御部50に入力された位置信号peは、主制御器13に入力される。主制御器13は、制御モード切換器18が出力するモード切換信号msに応じて主アクチュエータ8に対して目標トラックへのアクセス動作とトラック追従動作とを切り換えて行う。図4は主制御器13の構成を示すブロック図である。制御モード切換器18が主制御器13へアクセス動作を行うモード切換信号msを出力したときには、モード切換スイッチ46はa端子側に接続される。速度変換器41は図1のヘッド位置検出器11から入力される位置信号peの差分を求めることにより磁気ヘッド2がディスク1上を移動する移動速度を出力する。速度パターン発生器43は、ヘッド位置と目標トラック位置との差から磁気ヘッド2のシーク指令速度を決定し出力する。そして、比較器42において、速度変換器41の出力する移動速度と、速度パターン発生器43の発生する磁気ヘッド2のシーク指令速度とが比較され、シーク指令速度と磁気ヘッド2の移動速度との偏差がシーク制御器44に入力される。シーク制御器44は、この偏差に応じて、磁気ヘッド2の移動速度が速度パターン発生器43の発生するシーク指令速度と一致するように主制御信号uvを生成する。この主制御信号uvがモード切換スイッチ46を介して主制御器13から出力される。主制御器13から出力された主制御信号uvは、主駆動器19に入力される。主駆動器19は、主制御器13から入力された駆動信号uvに応じて主アクチュエータ8の駆動コイル6に駆動電流iaを通電し、アーム4を軸受5を中心に回動させ、アーム4の先端に取り付けられた微動アクチュエータ3と磁気ヘッド2を目標トラックまで回転移動させる。
一方、制御モード切換器18が主制御器13へトラック追従動作を行うモード切換信号msを出力したときには、モード切換スイッチ46はb端子側に接続される。ヘッド位置検出器11の出力する位置信号peは追従制御器45にも入力されていて、この追従制御器45は位置信号pe及び目標トラックに応じて磁気ヘッド2と目標トラックとの位置ずれを抑制するように主制御信号uvを生成する。この主制御信号uvがモード切換スイッチ46を介して主制御器13から出力される。主制御器13から出力された主制御信号uvは、主駆動器19に入力される。主駆動器19は、主制御器13から入力された駆動信号uvに応じて主アクチュエータ8の駆動コイル6に駆動電流iaを通電し、磁気ヘッド2の目標トラックへの位置決め制御が行われる。
このように、磁気ヘッド2が目標トラックから離れていてアクセス動作を行うときには、主アクチュエータ8によって、磁気ヘッド2が目標トラック又はその近傍まで速く且つ正確に移動するように磁気ヘッド2の移動速度が制御される一方、磁気ヘッド2が目標トラック又はその近傍に位置していてトラック追従動作を行うときには、磁気ヘッド2が目標トラックに追従するように磁気ヘッド2の位置が制御される。
次に、微動制御部20、微動駆動器17及び微動アクチュエータ3を含む微動制御系の動作について説明する。
微動制御部20に入力された位置信号peは、誤差範囲検出器12、切換スイッチ14に入力される。切換スイッチ14は、端子a側と端子b側とに切換可能に構成されていて、通常、端子a側に接続されている。この端子aは接地されている一方、端子bには位置信号peが入力されている。そして、誤差範囲検出器12の出力によって切換スイッチ14が切り換えられる。
詳しくは、誤差範囲検出器12へ入力された位置信号peは、目標トラックと比較され、磁気ヘッド2と目標トラックとの位置ずれが検出される。そして、この位置ずれが微動アクチュエータ3の動作範囲と比較される。そして、位置ずれが微動アクチュエータ3の動作限界値よりも大きいとき、即ち目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲外にあるときには、誤差範囲検出器12からは切換信号は出力されず、切換スイッチ14は端子a側に接続されたままである。その結果、切換スイッチ14は、位置信号peを高域通過フィルタ15へは出力せず、微動制御部20から微動駆動器17へ信号が出力されることはない。
一方、位置ずれが微動アクチュエータ3の動作限界値以下であるとき、即ち目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲内にあるときには、誤差範囲検出器12は、切換スイッチ14へスイッチを端子b側に接続するように切換信号を出力する。誤差範囲検出器12からの切換信号に応じて切換スイッチ14のスイッチが端子b側に接続されると、切換スイッチ14へ入力された位置信号peが、切換スイッチ14を介して高域通過フィルタ15に入力される。ここで、高域通過フィルタ15の周波数特性を図5に示す。図5においてfcは高域通過フィルタの遮断周波数であって、主アクチュエータ8をトラック追従動作させるときの主制御系の制御帯域よりも高い値に設定される。図5の場合は1次フィルタ特性を有している。そして、位置信号peは、高域通過フィルタ15を通過することにより直流成分を含む低域周波数成分が遮断され、微動制御信号eとして出力される。
高速通過フィルタ15から出力された微動制御信号eは、微動制御器16に入力される。微動制御器16は、微動制御信号eを増幅および積分補償を行い、駆動信号umを生成して出力する。図6は微動制御器16の構成を示すブロック図である。図6において、31は積分器であって、図3に示すような周波数特性を有する微動アクチュエータ3の位相補償を行うために使用している。積分器31の周波数特性を図7に示す。周波数の増加に伴って、−20dB/dec(decは10倍を意味する)の減衰比で減衰している。微動アクチュエータ3は、機械共振周波数foよりも十分低い周波数の領域では一定のゲインを有している(図3)。したがって、図7に示す周波数特性のように低周波数のゲインが高く、高周波数域のゲインが低下する周波数特性を有する積分器をトラック追従動作モードにおける位置決め制御系に挿入すれば、制御系の低周波数域の開ループゲインを高くすることができ、位置決めの精度と応答速度を向上させることができる。32はノッチフィルタで、微動アクチュエータ3の有する機械共振周波数foにおけるゲインを抑制するために使用している。ノッチフィルタ32の周波数特性を図8に示す。なお、ノッチ周波数は、微動アクチュエータ3の機械共振周波数foに等しくなるように設定してある。33は、リミッタであって、微動アクチュエータ3に所定値以上の駆動電圧信号vmが印加されないように駆動信号umを所定の制限値以下に制限処理するものである。なお、リミッタ33の所定の制限値は微動アクチュエータ3の動作範囲に対応した駆動電圧となるように設定するとよい。こうして微動制御器16へ入力された微動制御信号eは、積分器31、ノッチフィルタ32及びリミッタ33を介して駆動信号umに生成され、出力される。
微動制御器16から出力された駆動信号umは微動駆動器17に入力され、微動駆動器17は、入力された駆動信号umを電圧増幅し、得られた駆動電圧信号vmを微動アクチュエータ3に出力し、先端に磁気ヘッド2が搭載された微動アクチュエータ3を制御駆動する。
このように、微動アクチュエータ3は、アクセス動作を行うときには駆動しておらず、磁気ヘッド2と目標トラックとの位置ずれが微動アクチュエータ3の動作限界値以下になると、磁気ヘッド2が目標トラックに追従するように微動アクチュエータ3が制御駆動される。
すなわち、このような主アクチュエータ8及び微動アクチュエータ3からなる2段アクチュエータを有する磁気ディスク装置においては、目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲内に入るまでは、主アクチュエータ8のみによって磁気ヘッド2が移動させられ、目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲内に入ると、微動アクチュエータ3の制御駆動が開始され、主アクチュエータ8と微動アクチュエータ3との協働により磁気ヘッド2は目標トラックに追従するように制御される。
つぎに、磁気ディスク装置の主制御系と微動制御系とを併せたヘッド位置決め制御系の動作について図9〜図12を用いて説明する。
まず、磁気ヘッド2の移動速度について説明する。図9は、制御モード切換器18が主制御器13へアクセス動作のモード切換信号msを出力したときの磁気ヘッド2の移動速度時間応答波形図である。図9(a)は、目標トラックまでの移動距離に応じて主制御器13に含まれる速度パターン発生器43が発生する台形波状のシーク指令速度で、図9(b)は、そのときの磁気ヘッド2の移動速度を示す。磁気ヘッド2は、ほぼ指令どおりの速度で移動する。時刻taで目標トラックまでのシーク動作が完了し、時刻taにおいて制御モード切換器18はアクセス動作からトラック追従動作へモード切換を行う。
次に、このような移動速度時間応答のもとで移動する磁気ヘッド2の位置について説明する。図10〜12は、磁気ディスク装置のヘッド位置決め制御系において、シミュレーションにより求めた、制御モード切換器18が主制御器13へアクセス動作のモード切換信号msを出力した後のアクセス動作から、トラック追従動作のモード切換信号msを出力してトラック追従動作が行われるまでの磁気ヘッド2の位置時間応答波形図である。図10は高域通過フィルタ15を含まない場合を、図11は高域通過フィルタ15の遮断周波数fcを500Hzに設定した場合を、図12は、高域通過フィルタ15の遮断周波数fcを1kHzに設定した場合の位置時間応答波形図を示す。各図において、主アクチュエータ8のアクセス動作モードにおけるヘッド位置検出器11,主制御器13,主駆動器19からなるシーク速度制御系の制御帯域は200Hz、同じく主アクチュエータ8のトラック追従動作モードにおける位置決め制御系の制御帯域は1kHzに設定している。また、微動アクチュエータ3のトラック追従動作モードにおけるヘッド位置検出器11,高域通過フィルタ15,微動制御器16,微動駆動器17からなる位置決め制御系の制御帯域は、主アクチュエータ8の制御帯域1kHzよりも広い2kHzに設定している。
また、各図の(a)は、主アクチュエータ8及び微動アクチュエータ3による磁気ヘッド2の移動距離を示し、縦軸の原点は、アクセス動作前の磁気ヘッド2の移動距離が零のときを、縦軸の値Tはアクセス動作前の磁気ヘッド2から目標トラック位置までの移動距離を示す。各図の(b)は、図(a)の磁気ヘッド2の移動中における微動アクチュエータ3の変位量を示し、縦軸の原点は、微動アクチュエータ3に何ら信号が入力されていないニュートラルな状態であって、微動アクチュエータ3の動作範囲における中央位置を示す。なお、分かりやすくするために、各図(b)の縦軸スケールは、各図(a)の縦軸スケールの1000倍に拡大して表示してある。
まず、図10に示す、高域通過フィルタ15を含まない場合のアクセス動作からトラック追従動作までの磁気ヘッド2の位置時間応答について説明する。上記高域通過フィルタ15を含まない場合、すなわち、ヘッド位置検出器11の出力する位置信号peが切換スイッチ14を介して、微動制御器16に直接入力される。図(b)に示す時刻taにおいてアクセス動作が完了し、同時に主アクチュエータ8及び微動アクチュエータ3によるトラック追従動作が開始される。つまり、時刻taまでは目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲内に入っていないため微動アクチュエータ3には何ら信号が入力されず、微動アクチュエータ3は、その動作範囲における中央位置に位置する。そして、目標トラックが該動作範囲内に入った時刻taにおいて微動アクチュエータ3による位置決め制御が開始される。したがって、微動アクチュエータ3は、その動作範囲の中央位置に位置する状態から位置決め制御を開始するため、何れの動作方向にも略均等に動作可能であり、再び目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲から外れて、主アクチュエータ8のみによるトラック追従動作(微動アクチュエータ3への信号入力が零の状態(図(b)の時刻ta以前の状態))に切り換わることが起こり難くなる。さらに、微動アクチュエータ3は、圧電素子25を備えるが、目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲内に入るまでは圧電素子25に電圧が印加されることはないため、圧電素子25の寿命も向上する。ただし、高域通過フィルタ15が存在しない場合には、微動アクチュエータ3に直流成分が供給され続けており、位置整定後も変位出力はゼロにならず、偏差が残る。尚、時刻taのアクセス動作完了時に、微動アクチュエータ3の位置に平坦部を生じるのは、微動アクチュエータ3に所定の制限値以上の駆動電圧信号umが印加されないようにリミッタ33によって制限処理を行っているためである。
次に、図11に示す、高域通過フィルタ15の遮断周波数を500Hzに設定した場合のアクセス動作からトラック追従動作までの磁気ヘッド2の位置時間応答について説明する。図11に示すように、時刻taにおいてアクセス動作が完了し、同時に主アクチュエータ8及び微動アクチュエータ3によるトラック追従動作が開始され、時刻tbで位置決め動作を完了している。尚、時刻taのアクセス動作完了時に、微動アクチュエータ3の変位の正負側に平坦部を生じるのは、微動アクチュエータ3に所定の制限値以上の駆動電圧信号がumが印加されないようにリミッタ33によって制限処理を行っているためである。高域通過フィルタ15が設けられている場合は、ヘッド位置検出器11の出力する位置信号peが切換スイッチ14を介して高域通過フィルタ15に入力され、高域通過フィルタ15により低域周波数成分を遮断した微動制御信号eが微動制御器16に入力されることになる。そのため、微動アクチュエータ3に直流成分及び低周波数成分が供給されることが防止され、磁気ヘッド2の位置整定後は偏差が残らず、磁気ヘッド2を高精度に位置決めすることができる。さらに、微動アクチュエータ3の圧電素子25に上記偏差分の電圧が印加され続けることを防止することができる。その結果、微動アクチュエータ3を駆動する圧電素子に印加される電圧を極力小さくすることができるので、圧電素子の寿命を延ばすことができる。
続いて、図12に示す、高域通過フィルタ15の遮断周波数を1kHzに設定した場合のアクセス動作からトラック追従動作までの磁気ヘッド2の位置時間応答について説明する。図12に示すように、時刻taにおいてアクセス動作が完了し、同時に主アクチュエータ8及び微動アクチュエータ3によるトラック追従動作が開始され、時刻tcで位置決め動作を完了している。時刻tcは、図11における高域通過フィルタ15の遮断周波数を500Hzに設定した場合の位置整定時刻tbと比較して短縮されている。つまり、図11においては、アクセス動作完了からトラック追従モードに移行するときに微動アクチュエータ3の目標トラックからの位置ずれは振動的となり、位置整定時刻tbが長くなっている。これは、主アクチュエータ8による磁気ヘッド2の動作を、微動制御系が外乱として認識するためである。そこで、高域通過フィルタ15の遮断周波数を主アクチュエータ8のトラック追従動作モードにおける主制御系の制御帯域以上に設定することによって、主アクチュエータ8のトラック追従動作モードにおける主制御系と、微動アクチュエータ3のトラック追従動作モードにおける微動制御系との相互干渉を抑制して、磁気ヘッド2の位置整定時刻tcを短縮することができる。その結果、高精度高速応答の磁気ディスク装置を構成することができる。さらに、このことは、微動アクチュエータ3を駆動する圧電素子25に電圧が印加される時間を極力短縮することができるので、圧電素子の寿命を延ばすことができる。
したがって、本実施形態によれば、目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲内に入っていないときは微動アクチュエータ3には何ら信号を入力しない一方、目標トラックが微動アクチュエータ3の動作範囲内に入ったときには微動アクチュエータ3による磁気ヘッド2の位置決め制御を行うことによって、微動アクチュエータ3は、その動作範囲の中央位置に位置する状態から位置決め制御を開始するため、微動アクチュエータ3による位置決め制御が一旦開始されると、主アクチュエータ8のみによる位置決め制御に切り換わり難く、磁気ヘッド2を高速且つ高精度に位置決めすることができる。さらに、微動アクチュエータ3を駆動する圧電素子25に電圧が印加される時間を短縮することができ、圧電素子25の寿命も向上し、ひいては、磁気ディスク装置の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態では、高域通過フィルタ15を設けることによって、位置信号peから直流成分及び低周波数成分を減衰させることができるため、磁気ヘッド2の位置整定後に偏差が残ることを防止して、磁気ディスク装置の位置決め精度を向上させることができる。さらに、高域通過フィルタ15の遮断周波数を主アクチュエータ8のトラック追従動作モードにおける位置決め制御系の制御帯域以上に設定することによって、磁気ヘッドの位置整定時刻を短縮して、磁気ディスク装置の位置決め速度を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、ノッチフィルタ32を設けることによって、微動アクチュエータ3の共振特性により制御系が不安定になることを防止することができ、磁気ヘッド2の高速高精度な位置決めを行うことができる。
また、本実施形態では、リミッタ33を設けることによって、微動アクチュエータ3に所定の規定値以上の駆動電圧信号vmが入力されることを防止して、微動アクチュエータ3の特性劣化を防止すると共に、寿命を向上させることができる。その結果、磁気ディスク装置の信頼性を向上させることができる。
なお、本発明の実施の形態におけるディスク装置では、ヘッド位置検出器11の出力する位置信号peが切換スイッチ14を介して高域通過フィルタ15に入力され、高域通過フィルタ15の出力する制御信号eが微動制御器16に入力され、この微動制御器16の出力する駆動信号umが微動駆動器17に入力されるように構成したが、ヘッド位置検出器11の出力する位置信号peが高域通過フィルタ15に入力され、高域通過フィルタ15の出力を切換スイッチ14を介して微動制御器16に入力されるように設定してもよいことは言うまでもなく、または、ヘッド位置検出器11の出力する位置信号peをまず切換スイッチ14を介して微動制御器16に入力し、微動制御器16の出力する駆動信号umが高域通過フィルタ15を介して微動駆動器17に入力されるように構成してもよいことは言うまでもない。
また、以上の実施の形態では磁気ディスク装置を例に挙げて説明してきたが、本発明は、本例に限定されるものではなく、光ディスク装置、光磁気ディスク装置など、他の態様の情報記録装置にも適用できる。
本発明にかかるディスク装置は、主アクチュエータと微動アクチュエータを備えた2段アクチュエータ方式のディスク装置であって、高速高精度位置決めを実現することによって高トラック密度化を目的とするものに有用である。
1 磁気ディスク
2 磁気ヘッド
3 微動アクチュエータ
8 主アクチュエータ
11 ヘッド位置検出器(ヘッド位置検出手段)
13 主制御器(主制御手段)
15 高域通過フィルタ
17 微動駆動器(微動駆動手段)
20 微動制御部(微動制御手段)
25 圧電素子
32 ノッチフィルタ
33 リミッタ
50 主制御部(主制御手段)
pe 位置信号
e 微動制御信号
um 駆動信号
uv 主制御信号
2 磁気ヘッド
3 微動アクチュエータ
8 主アクチュエータ
11 ヘッド位置検出器(ヘッド位置検出手段)
13 主制御器(主制御手段)
15 高域通過フィルタ
17 微動駆動器(微動駆動手段)
20 微動制御部(微動制御手段)
25 圧電素子
32 ノッチフィルタ
33 リミッタ
50 主制御部(主制御手段)
pe 位置信号
e 微動制御信号
um 駆動信号
uv 主制御信号
Claims (14)
- 少なくとも情報記録ディスクに記録された情報を再生するヘッドと、
前記ヘッドが搭載され、該ヘッドを前記情報記録ディスク上で移動させる微動アクチュエータと、
前記微動アクチュエータが搭載され、前記ヘッドを該微動アクチュエータと共に前記情報記録ディスク上で移動させる主アクチュエータと、
前記ヘッドの再生信号から、該ヘッドの前記情報記録ディスク上におけるヘッド位置を検出して、その位置信号を出力するヘッド位置検出手段と、
前記位置信号が入力され且つ該入力信号に基づいて、前記ヘッドを前記情報記録ディスク上の目標トラックに移動させるアクセス動作と該ヘッドを該目標トラックに追従させるトラック追従動作とを切り換えると共に切り換えた動作に応じた主制御信号を生成して出力する主制御手段と、
前記主制御信号に応じて前記主アクチュエータを駆動する主駆動手段と、
前記位置信号が入力され且つ該入力信号に基づいて、目標トラックが前記微動アクチュエータの動作範囲内に位置するときには、該ヘッドを目標トラック上へ移動させるための微動制御信号を生成して出力する一方、目標トラックが前記微動アクチュエータの動作範囲内に位置しないときには、該微動制御信号を出力しない微動制御手段と、
上記微動制御手段の出力に応じて前記微動アクチュエータを駆動する微動駆動手段と、を備えたディスク装置。 - 請求項1に記載のディスク装置であって、
前記微動アクチュエータは、圧電素子を有しているディスク装置。 - 請求項1又は2に記載のディスク装置であって、
前記微動制御手段は、該微動制御手段に入力される前記位置信号のフィルタリング処理を行う高域通過フィルタを含んで構成されたディスク装置。 - 請求項3に記載のディスク装置であって、
前記高域通過フィルタの遮断周波数は、前記主アクチュエータが前記トラック追従動作を行うときの制御帯域よりも高く設定したディスク装置。 - 請求項2に記載のディスク装置であって、
前記微動制御手段は、前記位置信号を積分して前記微動制御信号を生成するように構成されたディスク装置。 - 請求項1〜5の何れか1つに記載のディスク装置であって、
前記微動制御手段は、前記微動アクチュエータが前記動作範囲を越えて動作しないように前記微動制御信号の大きさを制限するリミッタを含んで構成されたディスク装置。 - 請求項1〜6の何れか1つに記載のディスク装置であって、
前記微動制御手段は、該微動制御手段に入力される前記位置信号のうち前記微動アクチュエータの共振周波数と略等しい周波数成分を減衰させるノッチフィルタを含んで構成されたディスク装置。 - 少なくとも情報記録ディスクに記録された情報を再生するヘッドと、前記ヘッドが搭載され、該ヘッドを前記情報記録ディスク上で移動させる微動アクチュエータと、前記微動アクチュエータが搭載され、前記ヘッドを該微動アクチュエータと共に前記情報記録ディスク上で移動させる主アクチュエータとを備えたディスク装置における制御方法であって、
前記ヘッドの再生信号から、該ヘッドの前記情報記録ディスク上におけるヘッド位置を検出して、その位置信号を生成する工程と、
前記位置信号に基づいて、前記ヘッドを前記情報記録ディスク上の目標トラックに移動させるアクセス動作と該ヘッドを該目標トラックに追従させるトラック追従動作とを切り換えると共に切り換えた動作に応じた主制御信号を生成し、該主制御信号に応じて前記主アクチュエータを駆動する主制御工程と、
前記位置信号に基づいて、目標トラックが前記微動アクチュエータの動作範囲内に位置するときには、該ヘッドを目標トラック上へ移動させるように微動制御信号を生成して、該微動制御信号に応じて該微動アクチュエータを駆動する一方、目標トラックが前記微動アクチュエータの動作範囲内に位置しないときには、該微動アクチュエータを駆動しない微動制御工程と、を包含するディスク装置の制御方法。 - 請求項8に記載のディスク装置の制御方法であって、
前記微動アクチュエータは、圧電素子を有しているディスク装置の制御方法。 - 請求項8又は9に記載のディスク装置の制御方法であって、
前記微動制御工程では、高域通過フィルタによって前記位置信号のフィルタリング処理を行うディスク装置の制御方法。 - 請求項10に記載のディスク装置の制御方法であって、
前記高域通過フィルタの遮断周波数は、前記主アクチュエータが前記トラック追従動作を行うときの制御帯域よりも高く設定されたディスク装置の制御方法。 - 請求項9に記載のディスク装置の制御方法であって、
前記微動制御工程では、前記位置信号を積分して前記微動制御信号を生成するディスク装置の制御方法。 - 請求項8〜12の何れか1つに記載のディスク装置であって、
前記微動制御工程では、微動アクチュエータが前記動作範囲を越えて作動しないように前記微動制御信号の大きさを制限するディスク装置の制御方法。 - 請求項8〜13の何れか1つに記載のディスク装置であって、
前記微動制御工程では、前記位置信号のうち前記微動アクチュエータの共振周波数と略等しい周波数成分を減衰させるディスク装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004370657A JP2006179105A (ja) | 2004-12-22 | 2004-12-22 | ディスク装置及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004370657A JP2006179105A (ja) | 2004-12-22 | 2004-12-22 | ディスク装置及びその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006179105A true JP2006179105A (ja) | 2006-07-06 |
Family
ID=36733050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004370657A Pending JP2006179105A (ja) | 2004-12-22 | 2004-12-22 | ディスク装置及びその制御方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006179105A (ja) |
-
2004
- 2004-12-22 JP JP2004370657A patent/JP2006179105A/ja active Pending
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