JP2006176713A - 微粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】材料によらず粒径が揃い表面の平滑なポリマー等からなる微粒子を提供する。。
【解決手段】 微粒子は、お互いに混和性を有するが非相溶である液状媒体(A)と、樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)とを含み、液状媒体(A)中に樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を分散して微粒子化し、次いで、液状媒体(A)を分離し得られた、樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を含む。液状媒体(A)は、好ましくは、溶融熱可塑性樹脂、ポリアルキレングリコール液、シリコンオイル、ウッド合金融液、溶融塩融液、イオン性液体、及び鉱物油からなる群から選ばれる少なくとも1種の液状物質である。
【選択図】 なし
【解決手段】 微粒子は、お互いに混和性を有するが非相溶である液状媒体(A)と、樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)とを含み、液状媒体(A)中に樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を分散して微粒子化し、次いで、液状媒体(A)を分離し得られた、樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を含む。液状媒体(A)は、好ましくは、溶融熱可塑性樹脂、ポリアルキレングリコール液、シリコンオイル、ウッド合金融液、溶融塩融液、イオン性液体、及び鉱物油からなる群から選ばれる少なくとも1種の液状物質である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリマーの微粒子に関する。特に、これまで困難であった、一般に使用されるポリマー材料を使用した微粒子、及び、形状、品質の揃ったポリマー微粒子に関する。
ポリマー微粒子の製法としては、大きく(1)気相法、(2)液相法、(3)粉砕法に分けられる。それらの方法は更に化学的方法、物理的方法に分けられる。気相法では、ポリマー溶液或いはモノマー液の加熱下での噴霧法が主として行われているが、これは大型の設備が必要で且つ製造条件も非常に厳密な制御が必要である。
また、上記従来の方法では、品質的には粒径の分布が大きくまた、生成粒子の凝集等が避けられないおそれがあるという問題点を有する。
さらに、液相法では、溶解度差を利用した共沈法、均一沈殿法、或いはモノマー懸濁液やモノマーエマルションからの重合方法等があるが、いずれも次のような問題点を有している。すなわち、上記従来の液相法では、粒子径の分布が大きい、粒子径の制御が非常に困難である、表面の平滑性に乏しい、生成粒子の凝集がある、分離精製が困難である、界面活性剤や凝集剤が微粒子中に残存し用途によっては悪影響を及ぼす、コストが高く実用性に乏しい等の問題点がある。
また、粉砕法では、ガラス転移点が高いポリマーや架橋ポリマーでは比較的機械的粉砕は容易であるが、ガラス転移点の低いポリマーや分子量が高いポリマー或いは熱的に不安定なポリマーでは機械的粉砕は非常に困難である。また、機械的粉砕物は粒子が一定サイズ以下に出来ないこと、粒子の径の分布が大きいこと或いは粉砕の熱で粒子同士の凝結が大きいことなど、多くの問題点を有している(特許文献1〜3参照)。
特表2002−506890号公報
特開平6−206950号公報
特開2004−130305号公報
本発明は、上記のような種々の問題点を解決し、用いる材料の種類によらず粒径が揃い表面の平滑なポリマー粒子等からなる微粒子を提供することを目的とする。
請求項1の微粒子は、お互いに混和性を有するが非相溶である、液状媒体(A)と、樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)とを含み、液状媒体(A)中に樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を分散して微粒子化し、次いで、液状媒体(A)を分離し得られた、樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を含むことを特徴としている。
請求項2の微粒子は、液状媒体(A)が溶融熱可塑性樹脂、ポリアルキレングリコール液、シリコンオイル、ウッド合金融液、溶融塩融液、イオン性液体、及び鉱物油からなる群から選ばれる少なくとも1種の液状物質であることを特徴としている。
請求項3の微粒子は、液状媒体(A)が、加水分解可能又は低級アルコールにより加水分解可能若しくはアンモニア水溶液により加水分解可能な、ポリマー、オリゴマー、及びこれらと低分子化合物との混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴としている。
請求項4の微粒子は、液状媒体(A)が、樹脂(B)の融点以下及び分解点以下において熱分解可能な、ポリマー又はオリゴマー若しくはこれらの混合物であることを特徴としている。
請求項5の微粒子は、樹脂(B)が、熱可塑性ポリマー、熱可塑性オリゴマー、熱可塑性ポリマー前駆体、モノマー、ポリマー/モノマー混合物、これらに溶解する低分子化合物との混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴としている。
請求項6の微粒子は、樹脂(B)が、半硬化性樹脂であるか、または、前記半硬化性樹脂中の少なくとも1種がモノマーであることを特徴としている。
請求項7の微粒子は、半硬化性樹脂が、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴としている。
請求項8の微粒子は、液状媒体(A)中に樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を分散させる工程中、又は、液状媒体(A)と樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)とを分離する工程中、若しくは、それらの工程の後に重合反応又は架橋反応を進行させてなることを特徴としている。
本発明により、従来の製造方法では困難であった各種材料の微粒子化が可能となり、且つ従来では微粒子に分散させるために必要であった分散剤や界面活性剤を必ずしも必要とせず不純物の少ないより安定した且つ化学的、物理的に均質な微粒子を得ることが出来、従来の微粒子が使用されていた用途は勿論であるが上記理由からその他の分野にも広く利用可能である微粒子を提供できる。
以下に本発明を具体的に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。尚、本明細書において特に明記しない限り「部」は、「重量部」を意味する。
本発明は、お互いに混和性を有するが非相溶の液状媒体(A)中と、樹脂(B)及び/または樹脂原料(C)との組み合わせにおいて、液状媒体(A)中に、樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を分散して微粒子化し、液状媒体(A)を分解或いは溶解し、或いは液状媒体(A)から樹脂(B)及び/或いは樹脂原料(C)を濾別或いは重力により分離し得られた樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)よりなる微粒子に関する。
ここで、液状媒体(A)としては、加熱時或いは非加熱時に流動性を示すものであれば、特に限定されないが、好ましくは、熱可塑性樹脂、ポリアリキレングリコール液、シリコンオイル、ウッド合金融液、溶融塩融液、イオン性液体或いは鉱物油からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明において液状媒体(A)として使用するシリコンオイルとしては、好ましくは、非反応性シリコンオイルが挙げられる。具体的には、ポリオール変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、フッ素変性のシリコーンが好ましく用いられるが、更に好ましくはフッ素変性シリコーン油である。また、本発明に使用するウッド合金としては特に限定されないが、好ましくは融点が高々200℃、好ましくは180℃のものである。200℃以上の融点では組み合わせる樹脂(B)の選択の幅が幾分制限される。また、溶融塩としては、通常熱媒として使用される溶融塩が使用可能である。
また、本発明において使用するイオン性液体は室温で液体のものが好ましく、N,O,P,S等の中心元素とする有機カチオンを有するオニウム塩が挙げられるが、好ましくは1−アルキルピリジウム塩、1,3−ジアルキルイミダゾリウム塩である。
また、本発明において使用するイオン性液体は室温で液体のものが好ましく、N,O,P,S等の中心元素とする有機カチオンを有するオニウム塩が挙げられるが、好ましくは1−アルキルピリジウム塩、1,3−ジアルキルイミダゾリウム塩である。
樹脂(B)としては、熱可塑性樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂は、通常使用されている熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン4等のポリアミド、ポリ4メチルペンテン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン、アクリル・スチレン共重合体(ACS樹脂)、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ASA樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、塩素化ポリエーテル、塩素化ポリエチレン、アリル樹脂、エポキシ樹脂、エチレン−α―オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、EVA樹脂、メタクリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、オレフィンビニルアルコール共重合体、石油樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリアリルスルフォン、ポリベンゾイミダゾール、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリケトン、メタクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ブタジエン−スチレン樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリ酢酸ビニル、キシレン樹脂、熱可塑性エラストマー、EPDM、CR、BR、ニトリルゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム等が使用可能である。これらの樹脂は高分子であっても或いはオリゴマー程度のものであってもよく、目的に応じて適宜用いられる。更に好ましくは、これらの熱可塑性樹脂が、加水分解可能或いは低級アルコールに分解可能或いはアンモニア水溶液に分解可能なポリマー或いはオリゴマーであり、例えば、水溶性のポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル・アルコール、スルフォン酸変性水溶性ポリエステル、水溶性ポリアミド等である。又、更に好ましくは、アルカリ或いは酸、或いはそれらの水溶液や低級アルコール溶液で分解(解重合)される樹脂であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、スルフォン酸変性ポリエチレンテレフタレート、或いはポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、等の脂肪族ポリエステル類であり、これらの樹脂についても分子量等は高分子であってもオリゴマー程度のものであってもよく、目的に応じて適宜用いられる。
また、液状媒体(A)としては、樹脂(B)の融点以下及び分解点以下で熱分解可能なポリマー或いはオリゴマー、(B)の融点以下及び分解点以下で熱分解可能なポリマー或いはオリゴマーを用いることが更に好ましい。そのような化合物としては、液状媒体(A)として上記に例示する化合物のほか、上記例示以外の化合物も必要に応じて用いることができる。すなわち、液状媒体(A)を、樹脂(B)の融点以下または熱分解温度以下で加熱するポリマーで構成することにより、樹脂(B)を安定な状態で保持しつつ液状媒体(A)を熱分解で除去することが可能で、樹脂(B)の微粒子を簡便に取り出すことが出来る。
また、液状媒体(A)の他の例としては、例えば、低融点金属化合物のウッド金属も用いられる。上記ウッド金属は、例えば樹脂(B)として無機微粒子や金属微粒子を高率に含有した比重の高いポリマー組成物を分散させる等には有効である。ウッド金属は200℃以下の温度で流動性があり安定であるので、この中に樹脂(B)を溶融分散させることにより、単に比重差で樹脂(B)の微粒子を分離可能であり且つウッド金属はそのまま再使用することも可能である。
本発明において使用する樹脂原料(C)としては、好ましくは熱硬化性樹脂の2価以上の反応基を有する原料であり、例えば、ポリエポキシ化合物、ポリアミン化合物等のエポキシ樹脂原料;ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物等のウレタン樹脂原料;ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物等のポリウレア樹脂原料;等が挙げられる。これら原料の種類や分子量は必要により選択され特に限定はない。各化合物同士の配合比は通常、化学量論的に当モル±10%の範囲であるが、必要によりこの範囲を外れてもよい。
本発明における、(A),(B)、(C)の比率はそれらの合計を100重量部として通常、(A):(B)+(C)=40〜90部:60〜10部である。好ましくは(A):(B)+(C)=50〜80部:50〜20部であり、更に好ましく(A):(B)+(C)=60〜80部:40〜20部となる。これらの比率は必要により任意の比でよく特に限定はない。特に、粒子径の小さい(B)、例えば1ミクロン以下の粒径を有する(B)を得る場合は、(B)+(C)の比率が高々30部、好ましくは高々20部、更に好ましくは高々10部、特に好ましくは高々5部である。この比率が小さくなるに従い、(B)の粒子径は小さくなると共に、粒子径の分布も狭くなるという特徴を有する。
例えば、(B)の比が20部以下になると粒子径の分布を示す分散度(標準偏差/平均値*100)は高々20%、好ましくは15%、更に好ましくは10%、特に好ましくは5%という非常に単分散粒子に近いものが容易に得られる。また、従来の微粒子の製造においては、分散剤や界面活性剤という助剤の混入が不可避で目的や用途の制限或いは性能の低下或いは品質的な問題を有した。しかし、本発明の粒子は基本的に全くこうした分散剤、界面活性剤或いはその他の助剤は一切必要とせず、又、重合法の微粒子の製造においては未反応モノマーの残存がありその毒性や揮発有機物として問題になるが、ここでは極めて純粋な目的とする材料のみからなる粒子を得ることが出来る。これが、本発明の最も大きな特徴の一つである。
本発明の樹脂(B)は、半硬化性樹脂、或いはこれらの半硬化性樹脂のうちの少なくとも1種がモノマーである構成であってもよい。これらの半硬化性樹脂であってそのうち少なくとも1種がモノマーであるものとしては、例えば、重合開始剤を含んだビニル系モノマー、開環重合可能なカプロラクトン類、等が使用可能である。
また、上記半硬化性樹脂は、熱硬化性であってもよく、例えば、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種のみを用いても2種以上を混合して用いてもよい。半硬化性樹脂としては、所謂Bステージ樹脂が挙げられ、例えば、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレア樹脂が挙げられる。
また、液状媒体(A)中に樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を分散させる工程中、或いは(A)から(B)及び/或いは(C)を濾別或いは重力により分離工程中或いはその後に加熱、或いは紫外線照射等により重合反応或いは架橋反応を進める構成としてもよい。これらの方法については、具体的には、上述のように、各工程中又は、微粒子として単離後に加熱したり、紫外線照射することにより容易に達成可能である。
上記重合反応を進めたり架橋反応を起こすためには既存の関連技術を使用することが可能であるが、更に好ましくは熱重合反応や縮合反応、紫外線照射、放射線照射等による。微粒子を形成する組成物の重合度を上げることにより耐熱性や強度といった物性的により改善したものが可能であり、また、架橋反応を進めることによっては、やはり硬さの付与(変形防止)、耐熱性、熱変形性、或いは耐摩耗性等の物性を改善できる。
本発明の微粒子は、液状媒体(A)中に樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を分散させる工程において、攪拌機を有する加熱可能な混合機、単軸或いは多軸混練機或いは静的混練素子或いは超音波分散機等を用いることができる。混合に際しては、(A)の粘度や(B)の分散安定性、或いは粒子形状を勘案しながら手段を選定する必要がある。例えば、攪拌板を有する縦型の混合機、スクリュー型の混合機を有する1軸或いは2軸、或いは3軸以上の混練機、或いは平板型の攪拌板を有する横型攪拌機、或いはこうした攪拌機と静的混練素子を併用した混合機、或いは比較的低粘度の(A)及び(B)の組み合わせでは、超音波分散機等も好ましく使用可能である。
分散時には、必要に応じて、分散安定剤を添加してもよい。更に好ましくは、(A)中で(B)の分散剤或いは相溶化剤を使用する。分散剤や相溶化剤については、(A)と(B)との構造に似た構造をブロック的に有する例えば分子量が高々2000程度のオリゴマー或いは(A)或いは(B)のいずれかと反応する基を有する低分子、オリゴマー或いは高分子化合物、或いは界面活性剤の類を使用することが出来る。これらの助剤を使用する場合は目的とする性能、用途、使用方法において害を与えないものを選定する事は当然である。又、(A)の除去過程での処理で使用した助剤をなるべく除去することも好ましい。
(A)を除去することによる微粒子の分離は、(A)の加水分解、低級アルコールによる加水分解、アンモニア水溶液による加水分解の少なくとも1種の方法にて行うこともできる。
すなわち、微粒子を単離・分離する方法としては(A)と(B)との組み合わせで最適な方法を選定する事が出来るが、例えば、単なる水或いは熱水或いは少量の酸或いはアルカリを加えた水(熱水)或いはメタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数が高々5程度低級アルコールにて(A)を溶解或いは解重合・低分子化出来ればプロセス的に或いは操作の点で非常に好ましく且つ低コストで可能である。例えば、(A)として、ポリエチレンテレフタレートを使用し(B)としてナイロン6を使用した場合、数パーセントの加熱苛性ソーダ水溶液にて処理することにより容易に且つ安定してナイロン6の微粒子を分離回収可能である。或いは、(A)としてポリビニルアルコールを使用し、(B)としてアクリル樹脂を使用した場合は水或いは温水、熱水で容易に(B)の微粒子を分離回収可能である。或いは、(A)としてポリ酢酸ビニルを使用し(B)としてセルロースを使用した場合、メタノールにて容易に(B)の微粒子を単離・回収が可能である。
液状媒体(A)と樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)との分離後、一定の目開きを有する篩或いは重力選別、風力選別法により分級する構成としてもよい。単離した微粒子は、幾分形状や粒径に分布を持つ場合があり、好ましくは一定の目明きをもつ篩いや風力選別、流体選別、或いは静電気を併用した選別を行う。これにより、更に一定の粒子形状や粒子サイズを有する粒子が得られる。又、複数のグレードの粒子を得ることが出来る。
以下、実施例につき説明するが、本発明はこれに限定させるものではない。
粒度分布はナノトラック(モデルNPA150:日機装(株)製)で測定した。
(実施例1)
ポリ乳酸(ビーエムジー製、Mw=15万、Tm=171℃)とナイロン66(レオナ1300S(旭ケミカル(製))をポリ乳酸/ナイロン66=50/50の比で混合し、2軸混練機(機種名:KZW15−30MG テクノベル製)で各セクション温度230℃〜250℃、主モーター回転計90rpmにて混練した。その樹脂0.1gを1%NaOH水溶液20cc中で90℃、8時間、加水分解を行いポリ乳酸を加水分解し、ナイロン66の微粒子を得た。その水分散液の粒度分布を測定した。粒径分布は2.3〜3.8μmの極めて幅の狭い分布を示した。
ポリ乳酸(ビーエムジー製、Mw=15万、Tm=171℃)とナイロン66(レオナ1300S(旭ケミカル(製))をポリ乳酸/ナイロン66=50/50の比で混合し、2軸混練機(機種名:KZW15−30MG テクノベル製)で各セクション温度230℃〜250℃、主モーター回転計90rpmにて混練した。その樹脂0.1gを1%NaOH水溶液20cc中で90℃、8時間、加水分解を行いポリ乳酸を加水分解し、ナイロン66の微粒子を得た。その水分散液の粒度分布を測定した。粒径分布は2.3〜3.8μmの極めて幅の狭い分布を示した。
(実施例2)
実施例1に使用したポリ乳酸とポリウレタン(ミラクトランE590:日本ポリウレタン製)をポリ乳酸/ポリウレタン=70/30の比で混合した以外は、実施例1と同様に行った。粒径分布は2.9〜4.1μmであった。
実施例1に使用したポリ乳酸とポリウレタン(ミラクトランE590:日本ポリウレタン製)をポリ乳酸/ポリウレタン=70/30の比で混合した以外は、実施例1と同様に行った。粒径分布は2.9〜4.1μmであった。
(実施例3)
ポリ乳酸とエポキシ系の半硬化性樹脂を使用した。半硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(TA−1460E&TA−1460H 三洋化成工業(製))を作成した。TA−1460EとTA−1460H=100gと68gを室温で混合後、型に流し込んで成型し、ペレットを作成した。このペレット30gとポリ乳酸70gを混合した以外は実施例1と同様に行った。粒径分布は3.1〜4.9μmであった。
ポリ乳酸とエポキシ系の半硬化性樹脂を使用した。半硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(TA−1460E&TA−1460H 三洋化成工業(製))を作成した。TA−1460EとTA−1460H=100gと68gを室温で混合後、型に流し込んで成型し、ペレットを作成した。このペレット30gとポリ乳酸70gを混合した以外は実施例1と同様に行った。粒径分布は3.1〜4.9μmであった。
(実施例4)
内容積300ccの4口フラスコにポリブタジエングリコールG−1000(日本曹達工業(製))100gにイソホロンジイソシアネート28.8g、ジブチル錫ジラウレート0.01gを仕込み、窒素雰囲気下100℃にて10時間反応しNCO%=4.2のプレポリマーを得た。このプレポリマー43.3gとエラストマー250P(イハラケミカル工業(株))10g、ポリエチレングリコール35000(フルカケミカ(製))266gを混合し、実施例1の2軸混練機を使用し、各セクションの混練温度130〜150℃で行った。この樹脂を熱水で溶解し粒子を分離した。その粒径分布粒径は5.3〜8.1μmであった。
内容積300ccの4口フラスコにポリブタジエングリコールG−1000(日本曹達工業(製))100gにイソホロンジイソシアネート28.8g、ジブチル錫ジラウレート0.01gを仕込み、窒素雰囲気下100℃にて10時間反応しNCO%=4.2のプレポリマーを得た。このプレポリマー43.3gとエラストマー250P(イハラケミカル工業(株))10g、ポリエチレングリコール35000(フルカケミカ(製))266gを混合し、実施例1の2軸混練機を使用し、各セクションの混練温度130〜150℃で行った。この樹脂を熱水で溶解し粒子を分離した。その粒径分布粒径は5.3〜8.1μmであった。
(実施例5)
酸成分として5 −スルホイソフタル酸ジメチルナトリウムを50モル%、テレフタル酸を50モル%含み、アルコール成分としてエチレングリコール35モル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール65もる%よりなるスルフォン酸変性ポリエチレンテレフタレートとPMMA(三菱レイヨン製アクリペットMD)を70:30(部)用いて、実施例と同様に混練し、次いで0.5%のアルカリ水溶液中で90℃で3時間処理した。粒径分布7.2〜9.5μmの透明なPMMAの微粒子を得た。
酸成分として5 −スルホイソフタル酸ジメチルナトリウムを50モル%、テレフタル酸を50モル%含み、アルコール成分としてエチレングリコール35モル%及び1,4−シクロヘキサンジメタノール65もる%よりなるスルフォン酸変性ポリエチレンテレフタレートとPMMA(三菱レイヨン製アクリペットMD)を70:30(部)用いて、実施例と同様に混練し、次いで0.5%のアルカリ水溶液中で90℃で3時間処理した。粒径分布7.2〜9.5μmの透明なPMMAの微粒子を得た。
(実施例6)
熱溶融性ポリビニルアルコール(エクセバール クラレ製)とポリスチレン(出光石油化学製US310)を65:35部をラボプラストミル(トーシン製)で180℃で30分混合攪拌しアロイを得た。次いで、該アロイを100℃の熱水で処理し、透明な粒径分布5.7〜8.2μmのPS樹脂を得た。
熱溶融性ポリビニルアルコール(エクセバール クラレ製)とポリスチレン(出光石油化学製US310)を65:35部をラボプラストミル(トーシン製)で180℃で30分混合攪拌しアロイを得た。次いで、該アロイを100℃の熱水で処理し、透明な粒径分布5.7〜8.2μmのPS樹脂を得た。
(実施例7)
ポリスチレン(出光石油化学製US310)とTAIC(トリアリルイソシナネート)をポリスチレン100部当たり10部とを先ず、180℃にて混練し、TAICを含有したポリスチレンを得た。次いで、該TAIC入りポリスチレン:実施例6で使用したポリ乳酸とを35:65部でドライブレンドし、ラボプラストミル((株)トーシン製)で180℃で30分混合攪拌しアロイを得た。次いで、該アロイを170℃で0.5mmの厚さにシート化した。このシートに30kGyの電子線を照射した。次いで、このシートを0.5%のNaOH水溶液で処理し、3.8〜6.2μmの粒径分布を有するポリスチレン粒子を得た。得られたポリスチレン粒子はガラス転移点は有したが溶剤に溶けない架橋構造を有した。
ポリスチレン(出光石油化学製US310)とTAIC(トリアリルイソシナネート)をポリスチレン100部当たり10部とを先ず、180℃にて混練し、TAICを含有したポリスチレンを得た。次いで、該TAIC入りポリスチレン:実施例6で使用したポリ乳酸とを35:65部でドライブレンドし、ラボプラストミル((株)トーシン製)で180℃で30分混合攪拌しアロイを得た。次いで、該アロイを170℃で0.5mmの厚さにシート化した。このシートに30kGyの電子線を照射した。次いで、このシートを0.5%のNaOH水溶液で処理し、3.8〜6.2μmの粒径分布を有するポリスチレン粒子を得た。得られたポリスチレン粒子はガラス転移点は有したが溶剤に溶けない架橋構造を有した。
Claims (8)
- お互いに混和性を有するが非相溶である、液状媒体(A)と、樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)とを含み、液状媒体(A)中に樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を分散して微粒子化し、次いで、液状媒体(A)を分離し得られた、樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を含む微粒子。
- 液状媒体(A)が、溶融熱可塑性樹脂、ポリアルキレングリコール液、シリコンオイル、ウッド合金融液、溶融塩融液、イオン性液体、及び鉱物油からなる群から選ばれる少なくとも1種の液状物質である請求項1項記載の微粒子。
- 液状媒体(A)が、加水分解可能又は低級アルコールにより加水分解可能若しくはアンモニア水溶液により加水分解可能な、ポリマー、オリゴマー、これらと低分子化合物との混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1又は2記載の微粒子。
- 液状媒体(A)が、樹脂(B)の融点以下及び分解点以下において熱分解可能な、ポリマー又はオリゴマー若しくはこれらの混合物である請求項1〜3のいずれか1項記載の微粒子。
- 樹脂(B)が、熱可塑性ポリマー、熱可塑性オリゴマー、熱可塑性ポリマー前駆体、モノマー、ポリマー/モノマー混合物、これらに溶解する低分子化合物との混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜4のいずれか1項記載の微粒子。
- 樹脂(B)が、半硬化性樹脂であるか、または、前記半硬化性樹脂中の少なくとも1種がモノマーである請求項1〜5のいずれか1項記載の微粒子。
- 半硬化性樹脂が、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項6項記載の微粒子。
- 液状媒体(A)中に樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)を分散させる工程中、又は、液状媒体(A)と樹脂(B)及び/又は樹脂原料(C)とを分離する工程中、若しくは、それらの工程の後に重合反応又は架橋反応を進行させてなる請求項1〜7のいずれか1項項記載の微粒子。
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WO2009016378A2 (en) * | 2007-07-31 | 2009-02-05 | Invista Technologies S.A.R.L. | Ionic liquid solvents and a process for the depolymerization of polyamides |
WO2009016378A3 (en) * | 2007-07-31 | 2009-04-09 | Invista Tech Sarl | Ionic liquid solvents and a process for the depolymerization of polyamides |
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