JP2006176430A - ピルジカイニド貼付剤 - Google Patents
ピルジカイニド貼付剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006176430A JP2006176430A JP2004370541A JP2004370541A JP2006176430A JP 2006176430 A JP2006176430 A JP 2006176430A JP 2004370541 A JP2004370541 A JP 2004370541A JP 2004370541 A JP2004370541 A JP 2004370541A JP 2006176430 A JP2006176430 A JP 2006176430A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- patch
- sensitive adhesive
- monomers
- patch according
- pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】 ピルジカイニドを有効成分として含む貼付剤であって、支持体表面に粘着剤層が設けられており、該粘着剤層が遊離形態のピルジカイニド及びアクリル系粘着剤を含む貼付剤。アクリル系粘着剤としては(a)分子内にアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの1種又は2種以上のモノマーと(b)分子内にアセトアセチル基を有しないビニルモノマーの1種又は2種以上のモノマーとの共重合体などを用いることができる。
【選択図】 なし
Description
本発明の好ましい態様によれば、さらに粘着剤層表面に剥離フィルムが積層された上記貼付剤;及び粘着剤層中にさらに可塑剤を含有する上記の貼付剤が提供される。
アクリル系粘着剤が(a)分子内にアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの1種又は2種以上のモノマーと(b)分子内にアセトアセチル基を有しないビニルモノマーの1種又は2種以上のモノマーとの共重合体である上記の貼付剤;
アクリル系粘着剤が(a’)アセトアセトキシアルキルアクリレート及びアセトアセトキシアルキルメタクリレートから選ばれる1種又は2種以上のモノマーと(b)分子内にアセトアセチル基を有しないビニルモノマーの1種又は2種以上のモノマーとの共重合体である上記の貼付剤;
アセトアセトキシアルキルアクリレート及びアセトアセトキシアルキルメタクリレートから選ばれる1種又は2種以上のモノマーが、2−アセトアセトキシアルキルアクリレート及び2−アセトアセトキシアルキルメタクリレートから選ばれる1種又は2種以上のモノマーである上記の貼付剤;
アセトアセトキシアルキルアクリレート及びアセトアセトキシアルキルメタクリレートから選ばれる1種又は2種以上のモノマーが、2−アセトアセトキシアルキルアクリレート又は2−アセトアセトキシアルキルメタクリレートである上記の貼付剤;
分子内にアセトアセチル基を有しないビニルモノマーが、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブチルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサエチレングリコールジメタクリレート、及びアクリルアミドからなる群から選ばれる1種又は2種以上のモノマーである上記の貼付剤;
分子内にアセトアセチル基を有しないビニルモノマーが、ジアセトンアクリルアミド、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート及びテトラエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種又は2種以上のモノマーである上記の貼付剤;
が提供される。
アクリル系粘着剤が、2−アセトアセトキシエチルメタクリレートと、ジアセトンアクリルアミド、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、及びテトラエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種又は2種以上のモノマーとの共重合体である上記の貼付剤
が提供される。
さらに、別の好ましい態様により、支持体がポリオレフィンとポリエチレンテレフタレートとの積層フィルムである上記の貼付剤が提供される。
本発明の貼付剤は、不整脈発現の予防及び/又は治療のための医薬として用いることができる。
また、共重合体の製造において、特に限定されないが、(a)分子内にアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの1種または2種以上のモノマーと(b)分子内にアセトアセチル基を有しないビニルモノマーの1種または2種以上のモノマーの配合比率は、1:1.5〜1:99で使用でき、さらに好適には1:1.5〜1:19の比率で使用できる。上記比率から外れると、可塑剤などの保持能力が低下する場合がある。
水性エマルジョン型粘着剤に配合する皮膚刺激の少ない界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのようなアニオン性界面活性剤、カチオン性、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのような非イオン性界面活性剤、またはサーファクチンなどのようなペプチド系界面活性剤から選ばれる1種または2種以上の界面活性剤を単独で、または混合して用いることができる。
アクリル系粘着剤の共重合体の分子量が大きくなると粘着性が低下する傾向があり、また、分子量が小さくなると凝集力が低下する傾向がある。共重合体の分子量は、重量平均分子量で数万〜数百万の分子量であることが好ましい。
一般にガラス転移点は、DSC装置による測定や粘弾性の測定などで確認することができる。また、ホモポリマーのガラス転移点から下記式によって算出することもできる。
<アクリル系粘着剤(1)の製造>
2−エチルヘキシルアクリレート158g、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート35.1g、メチルメタクリレート76.2g、ジアセトンアクリルアミド80.3g、及びテトラエチレングリコールジメタクリレート1.0gを均一に溶解しモノマー液を調製した。このモノマー液100gをジムロート氏冷却器、温度計、窒素ガス吹き込み管、及び攪拌翼を備えた2リットルの4つ口フラスコに仕込み、溶剤として酢酸エチル350gを加えた。100ml/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら75℃まで昇温し、75℃で30分間維持した後、ラジカル開始剤として過酸化ベンゾイル0.35gを酢酸エチル5gに溶解して添加し、外温を85℃に設定した。溶剤の還流を確認した後、残りのモノマー液を3時間で連続して投入した。モノマー液を連続投入開始から、1時間後から酢酸エチル500gを3時間で連続に投入した。酢酸エチル投入後12時間撹拌を続けた後、過酸化ベンゾイル0.5gを追加触媒として投入し、12時間熱処理しその後に冷却して溶剤型アクリル系感圧性粘着剤の溶液を製した。
ジムロート氏冷却器、温度計、窒素ガス吹き込み管、及び攪拌翼を備えた2リットルの4つ口フラスコに、2-エチルヘキシルアクリレート157.5g、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート35g、ジアセトンアクリルアミド80.5g、メチルメタクリレート76gを仕込み、溶剤として酢酸エチル525gを加えて均一になるまで溶解した。100ml/分の流量の窒素ガスを吹き込みながら75℃まで昇温した。75℃で30分間維持した後、ラジカル開始剤として過酸化ベンゾイル0.21gを5gの酢酸エチルに溶解して添加し、外温を85℃に設定した。開始剤投入後、3、5、7時間後にトルエン300gを3回100gづつ分割して投入した。重合中は、100ml/分の流量の窒素ガスを吹き込み続けた。
最後のトルエン投入から12時間後に、過酸化ベンゾイル0.35gを追加触媒として投入し、その後、外温設定を95℃にして12時間、熱処理した後に冷却してアクリル系粘着剤2を得た。
ねじ口ビンに上記製造した溶剤型アクリル系粘着剤(1)を35.69g量りとり、さらにミリスチン酸イソプロピル4.5g、及びピルジカイニド(フリー体)1.5gをそれぞれ量りとり、1時間攪拌した。乾燥した後の被膜重量が100mg/10cm2となるように、コーティング試験機(LTE―S、Wener Mathis社)を用いて、支持体となるポリオレフィン及びポリエチレンテレフタレートの積層フィルム(PO/PET)上に塗膏し、乾燥した後、一表面をシリコーン処理が施されたポリエステル製剥離フィルムのシリコーン処理面が粘着剤に接するように被覆して、粘着剤層中にピルジカイニド10重量%及びミリスチン酸イソプロピル30重量%を含む実施例1のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体) 10 重量%
ミリスチン酸イソプロピル 30 重量%
アクリル系粘着剤(1) 60 重量%
ピルジカイニド(フリー体)1.5g、上記製造した溶剤型アクリル系粘着剤(1)を40.19g用い、ミリスチン酸イソプロピルを用いないことを除いては実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド10重量%を含む実施例2のピルジカイニド貼付剤を得た。
粘着剤として市販の溶剤型アクリル系感圧性粘着剤(ニッセツPE300、日本カーバイト社製、粘着剤の組成:2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、酢酸ビニル=17:2:1)を用い、ミリスチン酸イソプロピルを用いないことを除いては実施例1と同じ操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド10重量%を含む実施例3のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)1.5gの替わり代わりに塩酸ピルジカイニド1.5gを用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層中に塩酸ピルジカイニド10重量%及びミリスチン酸イソプロピル30重量%を含む比較例1の塩酸ピルジカイニド貼付剤を得た。
ラウリン酸ジエタノールアミドを0.45gを配合し、溶剤型アクリル系粘着剤を35.24g用いたことを除いては比較例1と同様の操作を行い、粘着剤層中に塩酸ピルジカイニド10重量%、ミリスチン酸イソプロピル30重量%、及びラウリン酸ジエタノールアミドを3重量%含む比較例2の塩酸ピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)を0.75g、溶剤型アクリル系粘着剤を40.94g用いたことを除いては実施例2と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%を含む実施例4のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)を0.75g、溶剤型アクリル系粘着剤を40.19g、及びミリスチン酸イソプロピルを0.75g用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを5重量%含む実施例5のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)を0.75g、溶剤型アクリル系粘着剤を39.44g、及びミリスチン酸イソプロピルを1.5g用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを10重量%含む実施例6のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)を0.75g、溶剤型アクリル系粘着剤を38.69g、及びミリスチン酸イソプロピルを2.25g用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを15重量%含む実施例7のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)を0.75g、溶剤型アクリル系粘着剤を37.94g、及びミリスチン酸イソプロピルを3.0g用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを20重量%含む実施例8のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)を0.75g、溶剤型アクリル系粘着剤を37.19g、ミリスチン酸イソプロピルを3.75g用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを25重量%含む実施例9のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)を0.75g、溶剤型アクリル系粘着剤を36.44g用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを30重量%含む実施例10のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)を0.75g、溶剤型アクリル系粘着剤を35.69g、ミリスチン酸イソプロピルを5.25g用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを35重量%含む実施例11のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)を0.75g、溶剤型アクリル系粘着剤を34.94g、ミリスチン酸イソプロピルを6g用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを40重量%含む実施例12のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)を0.75g、溶剤型アクリル系粘着剤を34.19g、ミリスチン酸イソプロピルを6.75g用いたことを除いては実施例1と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを55重量%含む実施例13のピルジカイニド貼付剤を得た。
ミリスチン酸イソプロピルの代わりにパルミチン酸イソプロピルを用いたことを除いては実施例7と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びパルミチン酸イソプロピルを15重量%含む実施例14のピルジカイニド貼付剤を得た。
ミリスチン酸イソプロピルの代わりにパルミチン酸イソプロピルを用いたことを除いては実施例9と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びパルミチン酸イソプロピルを25重量%含む実施例15のピルジカイニド貼付剤を得た。
溶剤型アクリル系粘着剤(1)の代わりに溶剤型アクリル系粘着剤(2)を用いたことを除いては実施例7と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを15重量%含む実施例16のピルジカイニド貼付剤を得た。
溶剤型アクリル系粘着剤(1)の代わりに溶剤型アクリル系粘着剤(2)を用いたことを除いては実施例8と同様の操作をい、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを20重量%含む実施例17のピルジカイニド貼付剤を得た。
溶剤型アクリル系粘着剤(1)の代わりに溶剤型アクリル系粘着剤(2)を用いたことを除いては実施例9と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びミリスチン酸イソプロピルを25重量%含む実施例18のピルジカイニド貼付剤を得た。
溶剤型アクリル系粘着剤(1)の代わりに溶剤型アクリル系粘着剤(2)を用いたこと、及びミリスチン酸イソプロピルの代わりにパルミチン酸イソプロピルを用いたことを除いては実施例8と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%及びパルミチン酸イソプロピルを20重量%含む実施例19のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)1.05gを用いたこと、及び溶剤型アクリル系粘着剤37.64gを用いたことを除いては実施例8と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド7重量%及びミリスチン酸イソプロピル20重量%を含む実施例20のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体)1.5gを用いたこと、及び溶剤型アクリル系粘着剤37.19gを用いたことを除いては実施例8と同様の操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド10重量%及びミリスチン酸イソプロピル20重量%を含む実施例21のピルジカイニド貼付剤を得た。
ねじ口ビンにスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー9.8g、エスコレッツ(合成石油樹脂)9.8g、流動パラフィン4.0g、ジブチルヒドロキシトルエン0.15g、ピルジカイニド(フリー体)1.25g、及びトルエン25gをそれぞれ量りとり、混合物を1時間攪拌した。乾燥した後の被膜重量が100mg/10cm2となるように、コーティング試験機(LTE―S、Wener Mathis社)を用いて一表面をシリコーン処理が施されたポリエステル製剥離フィルムのシリコーン処理面上に塗膏して乾燥した。その後、支持体のポリエステル製メリヤスを粘着剤と接するように被覆して、粘着剤層中にピルジカイニド5重量%を含む下記処方の比較例3のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体) 5.0重量%
スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー 39.5重量%
エスコレッツ(合成石油樹脂) 39.5重量%
流動パラフィン 16.0重量%
下記処方に従って比較例3と同様の方法で操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド7.5重量%を含む比較例4のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体) 7.5 重量%
スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー 38.25重量%
エスコレッツ(合成石油樹脂) 38.25重量%
流動パラフィン 16.0 重量%
下記処方に従って比較例3と同様の方法で操作を行い、粘着剤層中にピルジカイニド10重量%を含む比較例5のピルジカイニド貼付剤を得た。
ピルジカイニド(フリー体) 10 重量%
スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー 37 重量%
エスコレッツ(合成石油樹脂) 37 重量%
流動パラフィン 16 重量%
実施例1〜3、並びに比較例1及び2のピルジカイニド貼付剤を用いて、ブタ皮膚(Yucatan micropig、雌性、5ヶ月齢)を用いて薬物皮膚透過性の試験を行なった。
縦型拡散セルのブタ皮膚の真皮側(レシーバー側)に0.05mol/L McIlvaine緩衝液(pH7.4)を入れ、角質層側(ドナー側)に各ピルジカイニド貼付剤を適用した。各時点でレシーバー液をサンプリングした後、0.05mol/L McIlvaine緩衝液を同量加えた。サンプリング溶液中の薬物濃度をHPLCを用いて測定し、flux値(薬物の定常状態での皮膚透過速度の値)、48時間の累積透過量、及び各貼付剤からの薬物累積透過率(%)を算出した。各ピルジカイニド貼付剤を用いて上記の試験を行ない、図1及び表1に示す結果を得た。図1から明らかなように、ピルジカイニド(フリー体)を用いた実施例1〜3の貼付剤は、塩酸ピルジカイニドを用いた比較例1及び2の貼付剤よりも高い薬物皮膚透過性を示した。
実施例4〜10のピルジカイニド貼付剤を用いて、試験例1と同様に皮膚透過性試験を行ない、図2及び表2に示す結果を得た。図2から明らかなように、ミリスチン酸イソプロピル(可塑剤)を配合していない貼付剤及び可塑剤を無添加の貼付剤はいずれも良好な皮膚透過性を示したが、可塑剤を添加した貼付剤は無添加の貼付剤に比べてさらに高い皮膚透過性を示した。
実施例4〜19のピルジカイニド貼付剤を用いて、粘着性及び自着性の評価を行った。評価は下記の官能評価方法に従って行った。表3に示されるように、自着性及び粘着性はどの実施例の貼付剤についても良好であったが、粘着性については可塑剤を配合した貼付剤のほうがさらに優れていた。
<粘着性>
評価前に手を洗浄して、油分・水分を除いた。人差指を試験貼付剤の粘着面に短時間(約1秒)接触させ、直ちにそれを引き離すときの感覚を評価した。
「評価基準」
◎:良好 ○:良 △:やや弱い ×:弱い
<自着性>
試験貼付剤の粘着面同士を貼り合わせ、これを元に引き離した時の剥がしやすさを評価した。
「評価基準」
○:(優)抵抗なく剥がせる;
△:(良)やや抵抗はあるが、剥がせる:
×:(不良)かなり抵抗があり、剥がすのに困難。
実施例8、20、及び21、並びに比較例3〜5のピルジカイニド貼付剤を用いて、ヘアレスラット(雌性、5ヶ月齢)を用いて皮膚透過性のVIVO試験を行なった。
ピルジカイニド貼付剤(20cm2)をヘアレスラットの腹部に貼付し、不職布粘着包帯で覆い、粘着性布伸縮包帯で胴体を巻き固定した。貼付前、貼付後2、4、8、12、24時間、ピルジカイニド貼付剤除去後2時間(貼付後26時間)及び除去後4時間(貼付後28時間)に、頚静脈より採血した。採取した血液を遠心分離(10℃、3000rpm、10分間)後、血漿を分取した。血漿は分析するまで−40℃に保存した。血漿中のピルジカイニドの濃度をLC−MS/MSで定量した。図3に示されるように、本発明の貼付剤は比較例貼付剤に比べて高い血漿中薬物濃度示し、特に初期(0〜8時間目)において顕著に高い血漿中薬物濃度を与えた。
実施例20及び21のピルジカイニド貼付剤を用いて、ビーグル犬(18ヶ月齢以上)を用いて皮膚透過性のVIVO試験を行ない、経口投与との比較を行った。
ピルジカイニド貼付剤被験サンプル(140cm2)をビークル犬の胸部に貼付し、不職布粘着包帯で覆い、粘着性布伸縮包帯で胴体を巻き固定した。別に、ピルジカイニドとして5mg/mLとなるよう調製した塩酸ピルジカイニド水溶液をイヌ体重に対し5mg/kg、経口ゾンデにより胃内強制投与した。経時的に採血を行い、採取した血液を遠心分離(10℃、3000rpm、10分間)後、血漿を分取した。血漿は分析するまで−40℃に保存した。血漿中のピルジカイニドの濃度をLC−MS/MSで定量した。図4に示されるように、単回投与において、本発明の貼付剤は経口投与に比べて持続的血漿中薬物濃度を示し、貼付剤を剥がした後は、速やかな薬物消失を示した。また、図5に示されるように、5日連続投与において、本発明の貼付剤は経口投与に比べて持続的血漿中薬物濃度を示した。また、本発明の貼付剤は経口投与に比べ少ない投与回数で適した薬物濃度を示した(経口:3回/日,貼付剤:1回/日)。
実施例20のピルジカイニド貼付剤を、心筋リモデリングを有する慢性完全房室ブロック犬に経皮投与することにより、電気刺激誘発心房細動モデルに対する薬理作用を評価した。
1.試験系
種及び品種:イヌ; ビーグル犬(慢性完全房室ブロック犬)
入手動物数:8匹
入手時月齢:18ヶ月齢以上
性別:雌雄
入手時体重範囲: 9〜15kg
ピルジカイニド貼付剤(実施例20)を4匹のイヌに98mg/10kgの投与量で貼付し、評価時間は8時間とした。
3.投与
投与方法:胸部に被験物質(70cm2)2枚/10 kgを貼付して投与した。
投与回数:測定日の単回投与とした。
手術:ペントバルビタール(30mg/kg)の静脈内投与により麻酔を導入し、気管カニューレを挿入した。麻酔維持のため、ペントバルビタールを1時間おきに適量追加静脈内投与した。気管カニューレを人工呼吸器 (シナノ製作所) に接続し、100%かつ酸素で人工呼吸(約15回/分、約20 mL/kg) を行った。右大腿動脈に血圧測定用カニューレを挿入し、心電図測定用の電極を、第II誘導が測定できるように装着した。次に、右大腿静脈より、ペーシング/電位記録用4極電極カテーテルを挿入し、高位右心房内に留置した。また、食道に電位記録用4極電極カテーテルを挿入し、左心房電位が記録できる位置に留置した。さらに、左大腿静脈より、単相性電位記録/ペーシング用電極カテーテルを挿入し、右心室心尖部に留置した。
心房細動誘発:刺激周期50〜100ms、刺激幅10ms、出力60〜80Vのバースト電気刺激を10秒間、ペーシング電極を介して右心房に加えることにより心房細動を誘発した。心房細動が30秒以上持続した場合には電気的除細動により停止させ、バースト電気刺激のプロトコールを続行した。この場合の心房細動持続時間は30秒とした。この操作を10回繰り返し、心房細動が誘発された場合には持続時間を測定した。また、薬剤投与後1、2、4、6、8時間後に再度バースト刺激により心房細動を誘発し、心房細動持続時間を評価した。
血中薬物濃度:血中薬物濃度を測定するためヘパリンカルシウム添加下で血液(3 mL)を薬物投与前、薬物投与後、1、2、4、6、8時間に採取した。血漿を分離後、測定まで凍結保存(−80℃)した。
解析:心房細動抑制作用は細動持続時間の短縮から算出した。各時点の心房間伝導時間は、基本周期(200、300、400 ms)で約30秒間の基本刺激を行い、右心房と左心房より記録された心内心電図を用いて測定した。
Claims (14)
- ピルジカイニドを有効成分として含む貼付剤であって、支持体表面に粘着剤層が設けられており、該粘着剤層が遊離形態のピルジカイニド及びアクリル系粘着剤を含む貼付剤。
- アクリル系粘着剤が(a)分子内にアセトアセチル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの1種又は2種以上のモノマーと(b)分子内にアセトアセチル基を有しないビニルモノマーの1種又は2種以上のモノマーとの共重合体である請求項1に記載の貼付剤。
- アクリル系粘着剤が(a’)アセトアセトキシアルキルアクリレート及びアセトアセトキシアルキルメタクリレートから選ばれる1種又は2種以上のモノマーと(b)分子内にアセトアセチル基を有しないビニルモノマーの1種又は2種以上のモノマーとの共重合体である請求項1に記載の貼付剤。
- アセトアセトキシアルキルアクリレート及びアセトアセトキシアルキルメタクリレートから選ばれる1種又は2種以上のモノマーが、2−アセトアセトキシアルキルアクリレート及び2−アセトアセトキシアルキルメタクリレートから選ばれる1種又は2種以上のモノマーである請求項3に記載の貼付剤。
- アセトアセトキシアルキルアクリレート及びアセトアセトキシアルキルメタクリレートから選ばれる1種又は2種以上のモノマーが、2−アセトアセトキシアルキルアクリレート又は2−アセトアセトキシアルキルメタクリレートである請求項3に記載の貼付剤。
- 分子内にアセトアセチル基を有しないビニルモノマーが、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、ブチルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサエチレングリコールジメタクリレート、及びアクリルアミドからなる群から選ばれる1種又は2種以上のモノマーである請求項2ないし5のいずれか1項に記載の貼付剤。
- 分子内にアセトアセチル基を有しないビニルモノマーが、ジアセトンアクリルアミド、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート及びテトラエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種又は2種以上のモノマーである請求項2ないし6のいずれか1項に記載の貼付剤。
- アクリル系粘着剤が、2−アセトアセトキシエチルメタクリレートと、ジアセトンアクリルアミド、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、及びテトラエチレングリコールジメタクリレートからなる群から選ばれる1種又は2種以上のモノマーとの共重合体である請求項1に記載の貼付剤。
- 粘着剤層中に可塑剤を含む請求項1ないし8のいずれか1項に記載の貼付剤。
- 可塑剤が、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、パルミチン酸イソプロピル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ヘキシルデカノール、アジピン酸ジイソプロピル、流動パラフィン、及びオクチルドデカノールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の可塑剤である請求項9に記載の貼付剤。
- 可塑剤がミリスチン酸イソプロピルである請求項9に記載の貼付剤。
- 可塑剤を粘着剤層の総重量に対して5重量%〜35重量%の割合で含む請求項9ないし11のいずれか1項に記載の貼付剤。
- 支持体がポリオレフィンとポリエチレンテレフタレートとの積層フィルムである請求項1ないし12のいずれか1項に記載の貼付剤。
- 粘着剤層表面に剥離フィルムが積層された請求項1ないし13のいずれか1項に記載の貼付剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004370541A JP4744136B2 (ja) | 2004-12-22 | 2004-12-22 | ピルジカイニド貼付剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004370541A JP4744136B2 (ja) | 2004-12-22 | 2004-12-22 | ピルジカイニド貼付剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006176430A true JP2006176430A (ja) | 2006-07-06 |
JP4744136B2 JP4744136B2 (ja) | 2011-08-10 |
Family
ID=36730882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004370541A Expired - Fee Related JP4744136B2 (ja) | 2004-12-22 | 2004-12-22 | ピルジカイニド貼付剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4744136B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008001671A1 (fr) | 2006-06-27 | 2008-01-03 | Nec Corporation | Système multiprocesseur et terminal portable l'utilisant |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0638315A (ja) * | 1992-07-20 | 1994-02-10 | Hitachi Ltd | 配電盤 |
JPH0664906A (ja) * | 1992-08-21 | 1994-03-08 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 窒化珪素粉末 |
JPH11189546A (ja) * | 1997-12-25 | 1999-07-13 | Saitama Daiichi Seiyaku Kk | 経皮吸収促進剤 |
WO2002096465A1 (fr) * | 2001-05-31 | 2002-12-05 | Saitama Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. | Compositions medicinales pour absorption percutanee |
WO2004058232A1 (ja) * | 2002-12-26 | 2004-07-15 | Kowa Co., Ltd. | 貼付剤 |
-
2004
- 2004-12-22 JP JP2004370541A patent/JP4744136B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0638315A (ja) * | 1992-07-20 | 1994-02-10 | Hitachi Ltd | 配電盤 |
JPH0664906A (ja) * | 1992-08-21 | 1994-03-08 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 窒化珪素粉末 |
JPH11189546A (ja) * | 1997-12-25 | 1999-07-13 | Saitama Daiichi Seiyaku Kk | 経皮吸収促進剤 |
WO2002096465A1 (fr) * | 2001-05-31 | 2002-12-05 | Saitama Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. | Compositions medicinales pour absorption percutanee |
WO2004058232A1 (ja) * | 2002-12-26 | 2004-07-15 | Kowa Co., Ltd. | 貼付剤 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008001671A1 (fr) | 2006-06-27 | 2008-01-03 | Nec Corporation | Système multiprocesseur et terminal portable l'utilisant |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4744136B2 (ja) | 2011-08-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101128317B1 (ko) | 의료용 경피 흡수 테이프 제제용 비수성 점착제 및 의료용 경피 흡수 테이프 제제 및 그 제조법 | |
JP5016309B2 (ja) | 医療用テープ剤 | |
EP0225005B1 (en) | Anti-inflammatory analgesic adhesive preparation | |
KR100640039B1 (ko) | 세르타코나졸을 포함하며, 손발톱의 기능장애와 질환을치료하기 위한 플라스터 | |
JPS61280426A (ja) | 消炎鎮痛用貼付剤 | |
JP2700835B2 (ja) | アクリル系ゲル材およびアクリル系ゲル製剤 | |
WO1997042952A1 (fr) | Preparation en ruban percutanee contenant du fentanyl | |
WO2003032960A1 (fr) | Preparations pour absorption percutanee | |
WO2002069942A1 (fr) | Timbre adhesif | |
JPWO2007119656A1 (ja) | タムスロシン含有経皮吸収型製剤 | |
JP2002363070A (ja) | 経皮吸収貼付剤 | |
TW201438767A (zh) | 用於經皮傳遞非類固醇抗發炎劑之組合物及方法 | |
WO2005011662A1 (ja) | 貼付剤 | |
JPH06205839A (ja) | 経皮投与型薬物用貼付剤 | |
WO2000019986A1 (fr) | Bande pour absorption percutanee | |
WO2008026381A1 (en) | Nail patch | |
JP2010241784A (ja) | 経皮投与製剤 | |
EP2143445B1 (en) | Medicated patch | |
PL175077B1 (pl) | Przezskórny układ terapeutyczny do leczenia jaskry oraz sposób otrzymywania przezskórnego układu terapeutycznego do leczenia jaskry | |
WO2000001384A1 (fr) | Preparation a base de ketotifene destinee a etre absorbee par voie percutanee | |
JP4744136B2 (ja) | ピルジカイニド貼付剤 | |
RU2322234C9 (ru) | Способ профилактики и/или лечения онихомикоза, пластырь для его осуществления и его применение | |
JP4331984B2 (ja) | 医療用経皮吸収テープ製剤用水性エマルジョン粘着剤並びに医療用経皮吸収テープ製剤及びその製造法 | |
WO2006093066A1 (ja) | 粘着基材及び該粘着基材を含む医療用貼付製剤 | |
JPH11209271A (ja) | 経皮吸収製剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20070209 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070209 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20071029 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071105 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20071029 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20100930 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110426 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110510 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |