JP2006176251A - 線材管巻き装置及びダンサーロール装置、並びに線材管巻き方法及びダンサーロール装置における線材張力調整方法 - Google Patents

線材管巻き装置及びダンサーロール装置、並びに線材管巻き方法及びダンサーロール装置における線材張力調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】線材の線速が高速であっても、線材を安定したバラツキの小さい一定張力で巻き取る。
【解決手段】線材3の張力を一定に調整するダンサーロール装置11が、固定ロール19と、この固定ロール19に対向して上下動自在に設けた可動ロール21と、前記固定ロール19と可動ロール21に掛け回した線材3にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロール21を上下方向の中立点Cに位置させるように荷重をかける張力バランス装置23と、から構成する。さらに、前記張力バランス装置23は、前記可動ロール21を片持ち軸承する支持部材41が下方向へ作用するモーメントを相殺するよう前記支持部材41の先端側の位置に前記荷重をかけるように構成する。その結果、可動ロール21はスムーズに上下動するので線材3の張力変動に容易に追従できるため、線材3を安定したバラツキの小さい一定張力に調整できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、各種の金属線などの細い線材の複数本を送り出して一定張力で1の巻取ドラムに巻き取るようにした線材管巻き装置及びダンサーロール装置、並びに線材管巻き方法及びダンサーロール装置における線材張力調整方法に関する。
従来、各種の金属線などの細い線材を巻取ドラムに巻き取る際に、巻取ドラムを一定の速度で回転させて線材が巻き取られている。この場合、巻取ドラムの回転速度が一定であっても、巻取ドラムに巻き取られた線材の巻取径が増大すると、これに伴って線材の線速度が次第に増大すると共に線材にかかる張力も増大する。線材が太径の場合は張力の増大は問題にならないが、細径の線材の場合は上記の張力が線材径に悪影響を及ぼすことになるので、張力が線材に悪影響を及ぼさない範囲に一定にすることが求められている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、線材管巻き装置においては、複数本の線材を送り出して一定張力で1の巻取ドラムに巻き取るようにしている。この装置は、線材が巻き取られた送出ボビンの複数をそれぞれ回転させて各送出ボビンから線材を送り出し、各線材をダンサーロール装置により一定の張力に制御してから、前記複数の線材を1つの巻取ドラムに巻き取るようにして行われている。しかも、この線材管巻き装置では上記の複数の線材が撚られることなく1の巻取ドラムに巻き取られることが条件となっているが、張力が弱すぎると線材がゆるんでしまうことから他の線材と絡んで撚られてしまうことになる。
つまり、線材管巻き装置では、複数の各線材に悪影響を及ぼさないために各線材の張力を低く抑え、且つ各線材が撚られることのない張力を確保することが必要な条件となっている。そして、従来の線材管巻き装置では、線材の線速が例えば150m/minで、張力が40±5gの条件下では問題なく支障なく巻き取られるようになっている。
なお、従来、線材の張力を一定に調整するためのダンサーロール装置は一般的に使用されており、例えばダンサーロール装置の一例としては、フレームの上端に取り付けられた固定ロールと、この固定ロールに対向して下方に配置された可動ロールとから構成されている。また、可動ロールは、フレームに取り付けられたスライドシャフトをスライダを介して上下に摺動するように設けられており、前記スライダとスライドシャフトの間にはリニアベアリング機構が設けられている。なお、可動ロールはスライダに片持ちの支持部材で軸承されている。
送出された線材は、上記のダンサーロール装置の固定ロールと可動ロールに所定の回数で巻回されてから巻取ドラムに巻き取られる。また、可動ロールは例えばポテンショメータなどの制御装置により上下動の位置変化が検出され、この検出信号により巻取ドラムを回転駆動するモータの回転を制御して、線材の張力を一定に保つように構成されている(例えば、特許文献2参照)。
実用新案登録第3096020号公報 特開2001−213575号公報
ところで、上述した線材管巻き装置においては、線材の線速を150m/minより速くして、例えば250m/minの高速にすると、線材の張力が高くなると共に大きなバラツキが生じてしまい、均一で且つ例えば40±5gの条件下では巻き取ることができないという問題があった。
すなわち、ダンサーロール装置の可動ロールを片持ち支持している支持部材には下方向のモーメントが働くために支持部材が前へかしがれるので、リニアベアリング機構に対して抵抗(負荷荷重)がかかることになる。そのために、スライダがスライドシャフト上をスムーズに動かないので、線材の張力にバラツキが生じて線材の張力変動が大きくなるという問題点があった。つまり、線材の線速が150m/minより高速になると、上記の理由で可動ロールが追従できないために線材の張力のバラツキを小さくすることが難しくなるという問題点があった。
この発明は上述の課題を解決するためになされたものである。
この発明の線材管巻き装置は、線材を巻き付けた複数の送出ボビンと、前記各送出ボビンから送出した線材を一定張力に保持するように前記各線材に対応して設けた複数のダンサーロール装置と、前記各ダンサーロール装置を通過した複数本の線材を巻き取る1つの巻取ドラムと、からなる線材管巻き装置において、
前記ダンサーロール装置を、固定ロールと、この固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールと、前記固定ロールと可動ロールに掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかける張力バランス装置と、から構成すると共に、
前記張力バランス装置を、前記可動ロールを片持ち軸承する支持部材が下方向へ作用するモーメントを相殺するよう前記支持部材の先端側の位置に前記荷重をかけるように構成してなることを特徴とするものである。
この発明の線材管巻き装置は、線材を巻き付けた複数の送出ボビンと、前記各送出ボビンから送出した線材を一定張力に保持するように前記各線材に対応して設けた複数のダンサーロール装置と、前記各ダンサーロール装置を通過した複数本の線材を巻き取る1つの巻取ドラムと、からなる線材管巻き装置において、
前記ダンサーロール装置を、固定ロールと、この固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールと、前記固定ロールと可動ロールに掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかける張力バランス装置と、から構成すると共に、
前記固定ロール及び可動ロールを、線材が通過する2つの溝を備え且つ1つの軸受部で軸承して構成してなることを特徴とするものである。
この発明のダンサーロール装置は、固定ロールと、この固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールと、前記固定ロールと可動ロールに掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかける張力バランス装置と、から構成すると共に、
前記張力バランス装置を、前記可動ロールを片持ち軸承する支持部材が下方向へ作用するモーメントを相殺するよう前記支持部材の先端側の位置に前記荷重をかけるように構成してなることを特徴とするものである。
この発明のダンサーロール装置は、固定ロールと、この固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールと、前記固定ロールと可動ロールに掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかける張力バランス装置と、から構成すると共に、
前記固定ロール及び可動ロールを、線材が通過する2つの溝を備え且つ1つの軸受部で軸承して構成してなることを特徴とするものである。
この発明の線材管巻き方法は、複数の送出ボビンから送出した複数の線材を、前記各線材に対応して設けた複数のダンサーロール装置で一定張力に保持し、前記各ダンサーロール装置を通過した複数本の線材を1つの巻取ドラムに巻き取る線材管巻き方法において、
前記各線材を各ダンサーロール装置の固定ロールとこの固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールに掛け回し、この掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかける際に、
前記可動ロールを片持ち軸承する支持部材が下方向へ作用するモーメントを相殺するよう前記支持部材の先端側の位置に前記荷重をかけることを特徴とするものである。
この発明の線材管巻き方法は、複数の送出ボビンから送出した複数の線材を、前記各線材に対応して設けた複数のダンサーロール装置で一定張力に保持し、前記各ダンサーロール装置を通過した複数本の線材を一の巻取ドラムに巻き取る線材管巻き方法において、
前記各線材を各ダンサーロール装置の固定ロールとこの固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールに掛け回し、この掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかけると共に、
前記固定ロール及び可動ロールに前記線材を通過せしめる2つの溝を備え、且つ前記固定ロール及び可動ロールを1つの軸受部で軸承することにより、線材のターン数を増やして変動量を小さくすると共に前記固定ロール及び可動ロールにかかる負荷を小さくすることを特徴とするものである。
この発明のダンサーロール装置における線材張力調整方法は、線材をダンサーロール装置の固定ロールとこの固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールに掛け回し、この掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかけ際に、
前記可動ロールを片持ち軸承する支持部材が下方向へ作用するモーメントを相殺するよう前記支持部材の先端側の位置に前記荷重をかけることを特徴とするものである。
この発明のダンサーロール装置における線材張力調整方法は、線材をダンサーロール装置の固定ロールとこの固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールに掛け回し、この掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかけると共に、
前記固定ロール及び可動ロールに前記線材を通過せしめる2つの溝を備え、且つ前記固定ロール及び可動ロールを1つの軸受部で軸承することにより、線材のターン数を増やして変動量を小さくすると共に前記固定ロール及び可動ロールにかかる負荷を小さくすることを特徴とするものである。
以上のごとき課題を解決するための手段から理解されるように、この発明によれば、線材の張力を調整するために可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかける際に、前記荷重を前記支持部材の先端側の位置にかけることにより、前記可動ロールを片持ち軸承する支持部材が下方向へ作用するモーメントを相殺せしめるので、支持部材のバランスをとることができるため、抵抗(負荷)を受けることなく前記可動ロールをスムーズに移動せしめることができる。したがって、線材の線速を例えば250m/minのごとく高速にしても、安定した一定張力でもって線材を巻き取ることができる。
また、固定ロール及び可動ロールが線材を通過せしめる2つの溝を備え且つ1つの軸受部で軸承されるので、線材のターン数を増やして変動量を小さくでき、しかも固定ロール及び可動ロールにかかる負荷を小さくできる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図3を参照するに、この実施の形態に係る線材管巻き装置1は、各種の金属線などの細い線材3が送出ボビン5に巻き取られており、複数の各送出ボビン5が横取りされて図示しない送出モータにより回転駆動されるように構成されている。
この実施の形態では、図3に示されているように、本体フレーム7の下部に備えられた8個の送出ボビン5がそれぞれ送出モータにより回転駆動されて、前記各送出ボビン5から合計8本の線材3が送り出される。この8本の各線材3はガイドローラ9を経て本体フレーム7の上部7Aに前記8本の各線材3に対応して設けた8つのダンサーロール装置11により一定の張力に制御されてから各ガイドローラ13を経て巻取モータ15の駆動により回転駆動される1つの巻取ドラム17に巻き取られるように構成されている。
なお、この線材管巻き装置1では、上記の複数の線材3が撚られることなく1つの巻取ドラム17に巻き取られることが条件となっている。すなわち、線材3にかかる張力が強すぎると、線材3が細径であるために張力が線材3に悪影響を及ぼすので低く抑える必要があるが、その逆に線材3の張力が弱すぎると、線材3が走行中にゆるんでしまうために他の線材3と絡んで撚られてしまうことになるので、線材3の張力が弱すぎず且つ強すぎないことが必要な条件である。
すなわち、線材3の張力のバラツキ範囲は例えば40±5gに抑えると共に、線材3の線速を150m/minより速くして、例えば250m/minの高速にしても上記の40±5gの線材3の張力のバラツキ範囲を確保する必要がある。
ダンサーロール装置11としては、図1及び図2に示されているように、本体フレーム7の上部7Aに取り付けられた固定ロール19と、この固定ロール19に対向して下方に配置された可動ロール21と、前記固定ロール19と可動ロール21に掛け回した線材3にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロール21を上下方向の中立点Cに位置させるように荷重を加える張力バランス装置23と、から構成されている。
固定ロール19は、この実施の形態では3つの固定プーリ25A,25B,25Cがそれぞれ、本体フレーム7の上部7Aに固定された片持ちの支持部材としての例えば支持シャフト27に軸受部としての例えばベアリング29を介して回転自在に設けられている。しかも、図1に示されているように、内側の固定プーリ25Aと中間の固定プーリ25Bにはそれぞれ1つのV溝31A,31Bが設けられており、外側の固定プーリ25Cには2つのV溝31C,31Dが設けられている。したがって、固定ロール19は合計4つのV溝31A〜31Dが備えられている。
なお、上記の2つのV溝31C,31Dは外側の固定プーリ25Cに設けられているが、必ずしも外側の固定プーリ25Cに限られることではなく、他の固定プーリ25A,25Bに2つのV溝31が設けられても構わない。
また、本体フレーム7の上部7Aには線材3が前記3つの固定プーリ25A,25B,25CのV溝31A〜31Dから外れないようにするためのガイドバー33が固定プーリ25A,25B,25Cの図2において左右の外側に位置して突出している。
一方、可動ロール21は、本体フレーム7の中間部7BにボルトBTで固定したスライドフレーム35にスライダ37を介して上下に摺動するように設けられており、前記スライダ37とスライドフレーム35の間には図示しないリニアベアリング機構が設けられている。また、可動ロール21は、この実施の形態では2つの可動プーリ39A,39Bがそれぞれ、スライダ37に片持ちの支持部材としての例えば支持シャフト41に軸受部としての例えばベアリング43を介して回転自在に設けられている。しかも、図1に示されているように、内側の可動プーリ39Aには1つのV溝45Aが設けられており、外側の可動プーリ39Bには2つのV溝45B,45Cが設けられている。したがって、固定ロール19は合計3つのV溝45A,45B,45Cが備えられている。
なお、上記の2つのV溝45B,45Cは外側の可動プーリ39Bに設けられているが、必ずしも外側の可動プーリ39Bに限られることではなく、他の可動プーリ39Aに2つのV溝45が設けられても構わない。
また、スライドフレーム35には線材3が前記2つの可動プーリ39A,39BのV溝45A,45B,45Cから外れないようにするためのガイドバー47がスライドフレーム35の上下方向のほぼ中間に、且つ可動プーリ39A,39Bの図2において左右の外側に位置して突出している。
また、上記の張力バランス装置23としては、本体フレーム7の中間部7Bの上部とスライドフレーム35の裏面(図1において右側の面)には平板状の支持フレーム49が上下方向に延伸した状態で固定されており、ウェイト用ガイドプーリ51が前記支持フレーム49にベアリング53を介して片持ちの支持シャフト55で回転自在に設けられている。しかも、前記ウェイト用ガイドプーリ51はスライドフレーム35の上端より上方に位置するように配置されており、ウェイト用ガイドプーリ51にほぼ半周ほど卷回されたVベルト57の一端にスライダ37の上端部がブラケット59を介して固定され、前記Vベルト57の他端には張力コントロール用ウェイト61が固定されている。この張力コントロール用ウェイト61は可動ロール21やスライダ37などの重量を相殺すると共に線材3にかかる張力を調整するためのものである。
また、張力コントロール用ウェイト61は複数の錘63が積み重ねられて着脱可能に取り付けられており、錘63を変更して重量を調整することにより、線材3にかかる一定張力をコントロールすることができる。さらに、本体フレーム7の中間部7Bの図1において右側には、安全上、張力コントロール用ウェイト61を保護して挿通可能な筒状のウェイトカバー65が設けられている。
また、支持フレーム49の上端部には前記Vベルト57がウェイト用ガイドプーリ51のV溝から外れないようにするためのガイドバー67が突出している。
なお、この発明の実施の形態の特徴としては、図1に示されているように、スライダ37に片持ちの支持シャフト41に軸承した可動ロール21の自重による下方向へ作用するモーメントを相殺するために、Vベルト57の一端が支持シャフト41の先端側にずらした位置で、例えば図1においてVベルト57の垂線に対して距離Lで前記2つの可動プーリ39A,39Bの側にずらした位置でスライダ37の上端部に固定されている。このことから、張力バランス装置23では、線材3の張力を調整するための荷重が前記支持シャフト41の下方向へのモーメントを相殺する位置でかかるので、支持シャフト41のバランスがとられるため、スライダ37が抵抗(負荷荷重)を受けることなくスライドフレーム35に沿ってスムーズに上下動可能となる。
なお、支持フレーム49の支持シャフト55の突出方向と反対側には、図2に示されているようにウェイト用ガイドプーリ51とのバランスを取るためのウェイト69が支持ブラケット71により設けられている。
また、スライドフレーム35の上端側には上昇したスライダ37を検出するための上限用検出器73が設けられている。スライドフレーム35の下端側には下降したスライダ37を検出するための下限用検出器75が設けられており、さらにスライダ37の下降を停止せしめるストッパ部77がスライダ37の下端面に当接するように設けられている。なお、上限用検出器73と下限用検出器75は、それぞれスライダ37の上限、下限を検出した検出信号を送るために図示しない制御装置に接続されている。制御装置では上限、下限の検出信号により各送出モータの回転を例えばインバータ制御して各送出ボビン5から送出される線材3の線速をコントロールするように構成されている。
上記構成の作用を説明するために、1本の線材3の作用で説明すると、送出モータの回転駆動により送出ボビン5から送出された線材3は、図2及び図3に示されているように、ガイドローラ9を経て本体フレーム7の上部7Aに設けたダンサーロール装置11の固定ロール19のうちの内側の固定プーリ25AのV溝31Aに半周ほど卷回されてから、可動ロール21のうちの内側の可動プーリ39AのV溝45Aに半周ほど卷回される。
次いで、この線材3は中間の固定プーリ25BのV溝31Bに半周ほど卷回されてから、外側の可動プーリ39BのV溝45Bに半周ほど卷回される。次いで、外側の固定プーリ25CのV溝31Cに半周ほど卷回されてから、外側の可動プーリ39BのV溝45Cに半周ほど卷回され、さらに外側の固定プーリ25CのV溝31Dに卷回される。したがって、線材3はダンサーロール装置11において固定ロール19と可動ロール21で3ターンほど掛け回されてから、図3に示されているように複数のガイドローラ13を経て巻取モータ15の駆動により一定の速度で回転駆動制御される1つの巻取ドラム17に巻き取られる。
例えば、張力コントロール用ウェイト61は線材3の張力が40gとなるように錘63を調整しており、線材3に40gの張力がかかった時に可動ロール21は図1及び図2において実線で示されているようにスライドフレーム35の上下方向のほぼ中間の位置(この実施の形態における「中立点C」)に位置するように調整されている。
ところが、例えば線材3が巻取ドラム17に巻き取られるにつれて線材3の線速度が増大するために線材3の張力が増大したり、複数のガイドローラ9による抵抗や他の何らかの影響で線材3の張力が増減した場合は、線材3にかかる張力により可動ロール21が上下動することになる。
つまり、線材3の張力が増大すると、可動ロール21が線材3の張力で引っ張られるので中立点Cから上方へ移動することになるが、送出ボビン5から巻取ドラム17までの線材3の長さが瞬間的に短くなるので線材3の張力を減少せしめ、再び可動ロール21が中立点Cへ復帰することになる。
一方、線材3の張力が減少すると、可動ロール21が張力コントロール用ウェイト61より重くなるので中立点Cから下方へ移動することになるが、送出ボビン5から巻取ドラム17までの線材3の長さが瞬間的に長くなるので線材3にかかる張力を増大せしめ、再び可動ロール21が前記張力で引っ張られて中間位置へ復帰することになる。
以上のように、可動ロール21は中立点Cを中心に上下動して線材3の張力を常時一定に保つように作用することになる。また、線材3の張力の増減が大きくなって、可動ロール21がスライドフレーム35の上下方向の上限用検出器73あるいは下限用検出器75の位置に達する場合は、上限用検出器73あるいは下限用検出器75で検出した検出信号が制御装置に送信され、この制御装置からの指令により各送出モータの回転駆動が制御されて各送出ボビン5から送出される線材3の線速がコントロールされる。
例えば、上限用検出器73で線材3の張力の増大許容限界が検出された場合は、該当する送出モータの回転が速くなり、送出ボビン5から送出される線材3の線速が速くなる。これにより、線材3の張力を減少せしめることになるので、可動ロール21が中立点Cに復帰することになる。その逆に、下限用検出器75で線材3の張力の減少許容限界が検出された場合は、該当する送出モータの回転が遅くなり、送出ボビン5から送出される線材3の線速が遅くなる。これにより、線材3の張力を増大せしめることになるので、可動ロール21が中立点Cに復帰することになる。したがって、線材3の張力は常時上限と下限の設定範囲内になるように制御されることになる。
上記のように可動ロール21が上下動する際に、前述したように線材3が固定ロール19と可動ロール21との間で3ターンに掛け回されているので、1ターンの場合と比較して線材3の長さは3倍となる分だけ1/3の変動量となるために、線材3の変動量を容易に調整しやすくなる。なお、従来のダンサーロール装置11では一般的に2ターンが採られており、この発明では3ターンであるので、従来の場合より線材3の変動量の微調整が可能となっている。
このように、ダンサーロール装置11における線材3のターン数が増えると、線材3の変動量が少なくなるために、より一層、張力の変動量の微調整が可能となるのであるが、これに伴って可動プーリ39の数を増やしてしまうと、各可動プーリ39のベアリング43も増えることになり、ベアリング43による抵抗力が大きくなってしまい、マイナス要因となる。したがって、単に可動プーリ39を増やしてターン数を増やすことは難しいものであった。
ところが、この発明の実施の形態では、線材3のターン数を3ターンとしているものの、1つのベアリング43で軸承される外側の可動プーリ39Bに2つのV溝45B,45Cが設けられているので、ベアリング43の数は少なく抑えることができることから、ベアリング43による抵抗力を抑えることができた。
また、張力コントロール用ウェイト61を吊り下げるためのVベルト57の一端が支持シャフト41の先端側にずらした位置でスライダ37の上端部に固定されているので、スライダ37に片持ちの支持シャフト41に軸承した可動ロール21の自重により下方向へ作用するモーメントが解消されることになる。その結果、可動ロール21のスライダ37がスライドフレーム35にリニアベアリング機構を介してスムーズに上下動可能となるので、線材3の張力変動に容易に追従することができる。
以上のことから、8つの送出ボビン5から送出される8本の線材3は、各線材3に対応するダンサーロール装置11により、線材3の張力のバラツキ範囲が40±5gに抑えられて安定した一定張力に調整される。しかも、線材3の線速を150m/minより速くして、例えば250m/minの高速にしても線材3の張力のバラツキ範囲を上記の40±5gに小さくすることができる。
この発明の実施の形態の線材管巻き装置におけるダンサーロール装置の側面図である。 この発明の実施の形態の線材管巻き装置におけるダンサーロール装置の正面図である。 この発明の実施の形態の線材管巻き装置の全体を示す概略的な正面図である。
符号の説明
1 線材管巻き装置
3 線材
5 送出ボビン
7 本体フレーム
11 ダンサーロール装置
15 巻取モータ
17 巻取ドラム
19 固定ロール
21 可動ロール
23 張力バランス装置
25A,25B,25C 固定プーリ
27 支持シャフト(支持部材)
29 ベアリング(軸受部)
31A,31B,31C,31D V溝
35 スライドフレーム
37 スライダ
39A,39B 可動プーリ
41 支持シャフト(支持部材)
43 ベアリング(軸受部)
45A,45B,45C V溝
49 支持フレーム
51 ウェイト用ガイドプーリ
53 ベアリング
55 支持シャフト
57 Vベルト
61 張力コントロール用ウェイト
63 錘
73 上限用検出器
75 下限用検出器

Claims (8)

  1. 線材を巻き付けた複数の送出ボビンと、前記各送出ボビンから送出した線材を一定張力に保持するように前記各線材に対応して設けた複数のダンサーロール装置と、前記各ダンサーロール装置を通過した複数本の線材を巻き取る1つの巻取ドラムと、からなる線材管巻き装置において、
    前記ダンサーロール装置を、固定ロールと、この固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールと、前記固定ロールと可動ロールに掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかける張力バランス装置と、から構成すると共に、
    前記張力バランス装置を、前記可動ロールを片持ち軸承する支持部材が下方向へ作用するモーメントを相殺するよう前記支持部材の先端側の位置に前記荷重をかけるように構成してなることを特徴とする線材管巻き装置。
  2. 線材を巻き付けた複数の送出ボビンと、前記各送出ボビンから送出した線材を一定張力に保持するように前記各線材に対応して設けた複数のダンサーロール装置と、前記各ダンサーロール装置を通過した複数本の線材を巻き取る1つの巻取ドラムと、からなる線材管巻き装置において、
    前記ダンサーロール装置を、固定ロールと、この固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールと、前記固定ロールと可動ロールに掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかける張力バランス装置と、から構成すると共に、
    前記固定ロール及び可動ロールを、線材が通過する2つの溝を備え且つ1つの軸受部で軸承して構成してなることを特徴とする線材管巻き装置。
  3. 固定ロールと、この固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールと、前記固定ロールと可動ロールに掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかける張力バランス装置と、から構成すると共に、
    前記張力バランス装置を、前記可動ロールを片持ち軸承する支持部材が下方向へ作用するモーメントを相殺するよう前記支持部材の先端側の位置に前記荷重をかけるように構成してなることを特徴とするダンサーロール装置。
  4. 固定ロールと、この固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールと、前記固定ロールと可動ロールに掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかける張力バランス装置と、から構成すると共に、
    前記固定ロール及び可動ロールを、線材が通過する2つの溝を備え且つ1つの軸受部で軸承して構成してなることを特徴とするダンサーロール装置。
  5. 複数の送出ボビンから送出した複数の線材を、前記各線材に対応して設けた複数のダンサーロール装置で一定張力に保持し、前記各ダンサーロール装置を通過した複数本の線材を1つの巻取ドラムに巻き取る線材管巻き方法において、
    前記各線材を各ダンサーロール装置の固定ロールとこの固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールに掛け回し、この掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかける際に、
    前記可動ロールを片持ち軸承する支持部材が下方向へ作用するモーメントを相殺するよう前記支持部材の先端側の位置に前記荷重をかけることを特徴とする線材管巻き方法。
  6. 複数の送出ボビンから送出した複数の線材を、前記各線材に対応して設けた複数のダンサーロール装置で一定張力に保持し、前記各ダンサーロール装置を通過した複数本の線材を1つの巻取ドラムに巻き取る線材管巻き方法において、
    前記各線材を各ダンサーロール装置の固定ロールとこの固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールに掛け回し、この掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかけると共に、
    前記固定ロール及び可動ロールに前記線材を通過せしめる2つの溝を備え、且つ前記固定ロール及び可動ロールを1つの軸受部で軸承することにより、線材のターン数を増やして変動量を小さくすると共に前記固定ロール及び可動ロールにかかる負荷を小さくすることを特徴とする線材管巻き方法。
  7. 線材をダンサーロール装置の固定ロールとこの固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールに掛け回し、この掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかけ際に、
    前記可動ロールを片持ち軸承する支持部材が下方向へ作用するモーメントを相殺するよう前記支持部材の先端側の位置に前記荷重をかけることを特徴とするダンサーロール装置における線材張力調整方法。
  8. 線材をダンサーロール装置の固定ロールとこの固定ロールに対向して上下動自在に設けた可動ロールに掛け回し、この掛け回した線材にかかる張力を一定に保持すべく前記可動ロールを上下方向の中立点に位置させるように荷重をかけると共に、
    前記固定ロール及び可動ロールに前記線材を通過せしめる2つの溝を備え、且つ前記固定ロール及び可動ロールを1つの軸受部で軸承することにより、線材のターン数を増やして変動量を小さくすると共に前記固定ロール及び可動ロールにかかる負荷を小さくすることを特徴とするダンサーロール装置における線材張力調整方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104444594A (zh) * 2014-09-27 2015-03-25 台州迈得医疗工业设备股份有限公司 一种导管张紧供料机构

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