JP2006175557A - 微細構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】梁のバネ定数および梁の反りを低減することができる微細構造体を提供する。
【解決手段】梁13の基部13aは、十分に薄く形成される。これにより、梁13は、全体的に厚く形成する場合よりも高さ方向のバネ定数が小さくなる。また、梁13の肉厚部13bは、基部13aよりも十分に厚く形成される。これにより、梁13は、全体的に薄く形成する場合よりも梁13の反り量が小さくなる。このように部分的に厚さが異なる梁13を設けることにより、微細構造体10では、梁13の高さ方向のバネ定数の増加を抑制するとともに梁13の反りを低減することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロマシン技術を利用して作成された微細構造体に関するものである。
近年、薄膜形成技術やフォトリソグラフィ技術を基本にしてエッチングすることなどで立体的に微細加工を行うマイクロマシン技術を利用して作製された、MEMS(Micro Electro Mechanical System)素子がある。マイクロマシンであるMEMS素子の中には、微細な固定構造体と可動する構造体とからなるマイクロスイッチ、可変容量、加速度センサ、圧力センサ等の微細構造体がある。このような微細構造体の一例を図11に示す。図11は、従来の微細構造体の断面形状を示す模式図である。なお、便宜上、図11を正面視した状態で上下方向を高さまたは厚さ方向、図11の上方を上側、図11の下方を下側という。
図11に示す微細構造体300は、基板301と、この基板301上に形成された支持部302と、支持部302に一端が支持された梁303と、梁303の他端に支持された可動部304とから構成される。このような微細構造体は、例えば、薄膜形成技術やフォトリソグラフィ技術を基本にしてエッチングすることなどで立体的に微細加工を行うマイクロマシン技術を利用して作製することが可能である。
このような微細構造体は、可動部304に外力が加わると、梁303が弾性変形することにより可動部304が上下方向に変位する。このように可動部304の変位量は、梁303のバネ定数に依存し、梁303のバネ定数の値が小さいほど、可動部304を変位させるのに必要なエネルギー量が小さくなる。したがって、例えば図11に示すような微細構造体を静電駆動型のマイクロスイッチに用いた場合、バネ定数の小さい梁303を用いると、スイッチの駆動電圧を低下させることが可能となる。また、圧力センサに用いた場合は、バネ定数の小さい梁303を用いると、より小さな圧力を検出することが可能となる。このため、従来より、梁303のバネ定数を小さくすることが望まれていた。
梁303のバネ定数を小さくするためには、梁303を薄く、かつ、長くすればよい。例えば、矩形断面を有する梁では、バネ定数は厚さの3乗に比例し、長さの3乗に反比例する。梁を長くすると微細構造体の占有面積が増大しコストが増加することから、従来では、梁を薄くしたり、梁を折り返し形状にすることによってバネ定数の低減化が行われてきた(例えば、非特許文献1参照。)。
ところが、一般に梁303は、厚さ方向に作用する内部応力を有している。このため、梁303には、梁303を反らせる曲げモーメントが発生し、梁303が反ってしまう。特に、梁303を薄く形成すると、曲げモーメントの影響を強く受けてしまい、図11(b)に示すように、梁303の反り量が大きくなる。このような梁303の反りは、微細構造体を所望の形状から逸脱させ、微細構造体の動作特性に悪影響を及ぼすため、反りを緩和することが望ましい。このため、従来より、反りを緩和させるための構造が提案されている。この例を図12に示す。図12は、従来の微細構造体の断面形状を示す模式図である。なお、図12において、図11と同等の構成要素については、図11と同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
反りを緩和させるための構造としては、例えば図12(a)に示す微細構造体310のように、梁303を厚く形成する方法がある。また、図12(b)に示す微細構造体320のように、梁303を第1層303aと第2層303bとからなる多層構造とし、各層の材料や厚さを所定の値に設定することによって応力を緩和する方法もある(例えば、特許文献1参照。)。また、図12(c)に示す微細構造体330のように、梁303を、梁部材303dの上面と下面を上面部材303c,下面部材303eで挟んだサンドイッチ構造とする方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。これらの方法により、梁303の反り量を低減させることが可能となる。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特開平9−246569号公報 特開平10−48226号公報 Dimitrios Peroulis、他3名、Electromechanical Considerations in Developing Low-Voltage RF MEMS Switches、IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES,Vol.51,No.1,P259-270,JANUARY 2003
しかしながら、従来の方法では、何れも梁の厚さを増加させることにより反り量を低減させているので、梁のバネ定数が増加してしまう。このため、可動部を変位させるために必要なエネルギー量が増大する。このように、梁のバネ定数を小さくすることと梁の反りを緩和することとの間には厳しいトレードオフが存在しており、従来より両者を同時に実現することが望まれていた。そこで、本願発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであり、梁のバネ定数および梁の反りを低減することができる微細構造体を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明にかかる微細構造体は、基板上に形成された支持部と、この支持部により支持され、少なくとも一部が基板から離間した梁とを有する微細構造体において、梁の一部は、他の部分よりも少なくとも基板の法線方向に厚く形成されることを特徴とする。
上記微細構造体において、梁は、少なくとも一部が基板に対して平行な方向に折り曲げられるようにしてもよい。
上記微細構造体において、梁に支持された可動部をさらに有し、梁は、基板の法線方向に変位するようにしてもよい。
上記微細構造体において、梁を複数設けるようにしてもよい。ここで、支持部は、複数の梁を支持するようにしてもよい。また、支持部は、複数設けるようにしてもよい。
本発明によれば、梁の一部を他の部分よりも厚く形成することにより、この厚い部分では反りが緩和され、他の部分では薄く形成されているためにバネ定数が低減する。よって、梁全体として、反りおよびバネ定数が低減する。
また、本発明によれば、梁が折り曲げられた形状を有することにより、梁がより長くなるとともに、その折り曲げ部におけるひねりの効果により、バネ定数がさらに低減する。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる微細構造体の断面構造を示す模式図である。なお、便宜上、以下にする説明において、例えば図1を正面視した状態で上下方向を高さまたは厚さ方向、図1の上方を上側、図1の下方を下側、図1を正面視した状態で左右方向を長さ方向、図1を正面視した状態で奥行き方向を幅方向という。
図1に示す微細構造体10は、基板11と、この基板11上に形成された支持部12と、この支持部12により一端が支持された基板11に対して略平行に配設された梁13と、この梁13の他端に支持された可動部14とから構成される。
基板11は、支持部12を固定するための土台となる部材から構成される。
支持部12は、梁13を支持するための土台となる部材から構成され、基板11上に形成される。なお、図1において支持部12は、支持部12の上面に配設された梁13の端部を支持しているが、梁13を支持する位置はこれに限定されず、例えば支持部12の側面で梁13の端部を支持するようにしてもよい。
梁13は、例えば全体として棒または短冊状の板の形状を有し、一端が支持部12により支持され、他端が可動部14を支持する基部13aと、この基部13aの支持部12および可動部14と離間した位置に基部13aよりも厚く形成された肉厚部13bとを有する。ここで、基部13aおよび肉厚部13bは、それぞれ単層構造および多層構造の何れでもよい。
可動部14は、例えばスイッチの端子やセンサの検出部など、微細構造体10の機能を実現するために高さ方向に変位する部材からなる。この可動部14は、梁13により支持されており、梁13が弾性変形することにより、高さ方向に変位する。
このような微細構造体10において梁13の基部13aは、十分に薄く形成される。これにより、梁13は、全体的に厚く形成する場合よりも高さ方向のバネ定数が小さくなる。また、梁13の肉厚部13bは、基部13aよりも十分に厚く形成される。これにより、梁13は、全体的に薄く形成する場合よりも梁13の反り量が小さくなる。このように部分的に厚さが異なる梁13を設けることにより、図1に示す微細構造体10では、梁の高さ方向のバネ定数の増加を抑制するとともに梁の反りを低減することが可能となる。
次に、本実施の形態の具体例について図2を参照して説明する。図2(a)は、静電容量型スイッチの要部平面図、図2(b)は、スイッチOFF時の静電容量型スイッチの断面図、図2(c)は、スイッチON時の静電容量型スイッチの断面図である。
図2に示す静電容量型スイッチ20は、基板21と、この基板21上に形成された支持部22と、この支持部22により一端が支持され基板21に対して略平行に配設された梁23と、この梁23の他端に支持された上部電極24とを有する。この上部電極24は、下面に絶縁層25が形成されており、この絶縁層25の下面には接点電極26が形成されている。また、基板21上の上部電極24と対向する位置には、下部電極27が配設されており、基板21上の接点電極26と対向する位置には配線28,29が配設されている。
基板21は、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板の埋め込み絶縁層、シリコン基板に形成した絶縁層またはガラスなどの絶縁材料から構成される。このような基板21の下方には、集積回路等が形成されるようにしてもよい。
支持部22は、例えば金属材料、絶縁材料またはこれらの組み合わせ等からなる直方体形状の部材から構成され、基板21上に形成される。このような支持部22は、上面に配設された梁23の一端を支持している。なお、図2において支持部22は、支持部22の上面に配設された梁23の端部を支持しているが、梁23を支持する位置はこれに限定されず、例えば支持部22の側面で梁23の端部を支持するようにしてもよい。また、図2において支持部22は、直方体形状に形成されているが、支持部22の形状はこれに限定されず、例えば正方体、円柱、角柱など適宜自由に設定することができる。
梁23は、例えば金属材料、絶縁材料またはこれらの組み合わせ等からなる棒または短冊状の板の形状を有し、一端が支持部22により支持され他端が上部電極24を支持する基部23aと、例えば金属材料、絶縁材料またはこれらの組み合わせ等からなる棒または短冊状の板の形状を有し、基部23aの支持部22および上部電極24と離間した部分に基部23aよりも厚く形成された肉厚部23bとを有する。ここで、基部23aおよび肉厚部23bは、それぞれ単層構造および多層構造の何れでもよい。また、基部23aと肉厚部23bとは一体に形成するようにしてもよい。
上部電極24は、Au,Al,Ni等の金属材料から構成され、梁23の基部23aの端部により支持される。
絶縁層25は、酸化シリコン等から構成され、上部電極24の下面に形成される。このような絶縁層25は、上部電極24と絶縁層25の下面に形成された接点電極26とを絶縁する。
接点電極26は、Au,Al,Ni等の金属材料から構成され、絶縁層25の下面に形成される。
下部電極27は、Au,Al,Ni等の金属材料から構成され、基板21上の上部電極24と対向する位置に形成される。
配線28,29は、Au,Al,Ni等の金属材料から構成され、図2(a)に示すように基板21上の接点電極26と対向する位置に対向配置されている。配線28,29に同時に接点電極26が接触することにより、配線28,29は電気的に導通状態となる。
このような静電容量型スイッチ20は、フォトリソグラフィ技術、薄膜形成技術、犠牲層エッチング等の公知のMEMSプロセス技術を用いて容易に形成することができる。
次に、静電容量型スイッチ20の動作について説明する。まず、静電容量型スイッチ20をONにする場合、上部電極26と下部電極27に駆動電圧を印加する。すると、静電力により上部電極24と下部電極27との間で引力が発生し、上部電極24が下部電極27の方へ引っ張られる。このとき梁23が弾性変形することにより、上部電極24は下方へと変位し、図2(c)に示すように接点電極26と配線28,29とが接触する。これにより配線28,29が電気的に導通状態となるので、静電容量型スイッチ20はスイッチがONの状態となる。
一方、静電容量型スイッチ20をOFFにする場合、上部電極24および下部電極27への駆動電圧の印加を停止する。すると、上部電極24と下部電極27との間に発生していた引力が消滅する。このため、梁23の弾性力により上部電極24は上方へと変位する。この結果、接点電極26は、図2(b)に示すように配線28,29と離れるので、静電容量型スイッチ20はスイッチがOFFの状態となる。
このような静電容量型スイッチでは、スイッチング動作の低電圧駆動を目的として単純に梁全体を薄くすると、スイッチング動作の制御が困難となる。例えば、図11(b)に示したように、梁を薄くすることによって梁が上方に反った場合は、上部電極と下部電極との間隔が広くなるため、駆動電圧を大きくしなければならない。逆に、梁が下方に反った場合は、上部電極と下部電極との間隔が狭くなるため、駆動電圧を印加しない状態であっても接点電極が配線に接触し、スイッチが常時ON状態となってしまう恐れがある。一方、反りを緩和するために単純に梁全体を厚く形成した場合は、梁のバネ定数が増加するため、スイッチをON状態とするには、駆動電圧を大きくしなければならない。
これらに対して図2に示す静電容量型スイッチ20の場合、梁23は、梁23の高さ方向のバネ定数を小さくするのに十分な程度まで薄く形成された基部23aと、梁23の反りを緩和するのに十分な程度まで厚く形成された肉厚部23bとから構成される。これにより、梁23の高さ方向のバネ定数の増加を抑制するとともに、梁23の反りを緩和することが可能となり、結果としてスイッチング動作の低電圧駆動が実現できる。
なお、本実施の形態の微細構造体は、図2に示すような静電容量型スイッチに限定されず、例えば可変容量、共振子、加速度センサや圧力センサ等の各種センサなど、各種構造体に対して適用することが可能である。
また、図2に示す静電容量型スイッチ20では、肉厚部23bが1つ形成されているが、この肉厚部23bの数量は1つに限定されず、梁23のバネ定数や反り量に応じて適宜自由に設定することができる。
次に、図3を参照して、他の実施の形態の微細構造体について説明する。図3は、微細構造体の構成を示す断面図である。なお、以下にする説明において、図1に示した微細構造体10と同等の構成要素については同じ名称を付し、適宜説明を省略する。
微細構造体30は、基板31と、この基板31上に形成された支持部32と、この支持部32により一端が支持され基板31に対して略平行に配設された梁33と、この梁33の他端に支持された可動部34とから構成される。
梁33は、例えば棒または短冊状の板の形状を有する基部33aと、例えば棒または短冊状の板の形状を有し基部33a上に形成された凸部33bとを有する。基部33aは、一端が支持部32により支持され、他端が可動部34を支持している。このような基部33aは、全体的に厚く形成する場合よりも高さ方向のバネ定数が小さくなるよう十分に薄く形成される。凸部33bは、基部33aの上面に設けられている。ここで、基部33aおよび凸部33bは、それぞれ単層構造および多層構造の何れでもよい。また、基部33aと凸部33bとは、一体に形成するようにしてもよい。
このような微細構造体30では、凸部33bの厚さ、幅、長さ、層構造、材料、配設位置等を適宜設定することにより、梁33の反り量を低減する。例えば、基部33aが下方に反るような応力を有している場合、図3に示すように基部33aの上面に凸部33bを設け、この凸部33bが圧縮応力を有するよう凸部33bの厚さ、層構造を設定する。これにより、基部33aと凸部33bとの内部応力が相殺され、梁33の反り量が低減される。
なお、図3に示す微細構造体30では、凸部33bを基部33aの上面に設けるようにしたが、凸部33bを設ける位置はこれに限定されない。例えば、基部33aの下面、基部33bの側面など、長さ方向の端面を除く基部33aの何れの面に形成するようにしてもよい。また、凸部33bは、例えば基部33aの上面、下面および両側面を含むよう基部33aの周囲を取り囲むように形成するなど、長さ方向の端面を除く基部33bの何れの面であれば、複数の面にわたって形成するようにしてもよい。
また、凸部33bの幅は、基部33aと同一でなくてもよく、例えば基部33aよりも小さくするなど、基部33aの反り量に応じて適宜自由に設定することができる。
次に、本実施の形態にかかる微細構造体の梁の厚さと梁の反りおよびバネ定数との関係について、従来の微細構造体と比較して説明する。図4(a)は、本実施の形態にかかる微細構造体の一例の断面構造を示す模式図、図4(b)は、従来の微細構造体の断面構造を示す模式図である。
図4(a)に示す微細構造体40は、基板41と、この基板41上に形成された支持部42と、この支持部42により一端が支持された梁43と、この梁43の他端に支持された可動部44とから構成される。ここで、梁43は、棒または短冊状の板の形状を有する基部43aと、棒または短冊状の板の形状を有する凸部43bとから構成される。基部43aは、Tiからなる第1層43cと、この第1層43c上に形成されたAuからなる第2層43dとから構成されるバイメタル構造を有する。
一方、図4(b)に示す従来の微細構造体50は、基板51と、この基板51上に形成された支持部52と、この支持部52により一端が支持された梁53と、この梁53の他端に支持された可動部54とから構成される。ここで、梁53は、一様な厚さで形成された断面矩形の棒の形状有し、Tiからなる第1層53aと、この第1層53a上に形成されたAuからなる第2層53bとから構成されるバイメタル構造を有する。
このような微細構造体40,50について、以下に示す条件で梁の厚さとバネ定数および梁の反り量とについて測定した。まず、微細構造体40,50は、それぞれ梁43,53の幅を5μm、長さLbを50μmとした。この長さLbとは、図4に示すように、支持部42,52と可動部44,54との距離に対応する部分の梁43,53の長さを意味する。微細構造体40の梁43は、基部43aの第1層43cの厚さを0.1μm、第2層43dの厚さを0.4μmとし、凸部43bの厚さを0〜1.5μmまで変化させた。一方、微細構造体50の梁53は、第1層53aの厚さを0.1μmとし、第2層53bの厚さを0.4〜1.9μmまで変化させた。なお、微細構造体40において、梁43の部材43と支持部42または可動部44との距離Lsは5μmである。
上述した条件における測定結果を図5に示す。図5は、図4の微細構造体の梁の厚さと梁の反りおよびバネ定数との関係を示す図である。まず、図4(b)の従来の微細構造体50の場合、図5の符号aの点線に示すように梁53が厚くなるにつれて反りは減少するが、図5の符号bの点線に示すようにバネ定数が著しく増加する。一方、図4(a)の微細構造体40の場合、図5の符号bの実線に示すように、梁43の凸部43bを厚くしていくと、反り量が減少し、かつ、バネ定数の増加が著しく抑えられる。このように本実施の形態によれば、梁43を基部43aと凸部43bとから構成することにより、梁43のバネ定数の増加を抑制できるとともに梁43の反りを低減することが可能となる。
次に、微細構造体の梁における基部および凸部の割合と梁のバネ定数および反り量との関係について説明する。図4(a)に示した微細構造体40において、以下の条件の下で梁のバネ定数および反り量を測定した。すなわち、梁43の幅を5.0μm、長さLbを50μm、基部43aの厚さを0.5μm(第1層43cの厚さ0.1μm、第2層43dの厚さ0.4μm)、凸部43bの厚さを1.5μmとし、基部43aの割合を変化させた。この基部43aの割合とは、(2Ls/Lb)で表されるものである。例えば、図5の測定に用いた図4(a)の微細構造体40の場合、Lbが50μm、Lsが5μmなので、基部43aの割合は20%となる。
上述した条件における測定結果を図6に示す。図6は、図4(a)に示す微細構造体40における基部43aの割合に対する梁43のバネ定数および反り量の関係を示す図である。なお、図6において、符号aの実線は梁43の反り量、符号bの実線は梁43のバネ定数をそれぞれ示している。
基部43aの割合が0%、言い換えると、凸部43bが基部43aと同じ長さに形成されて梁43全体が厚い場合、反り量は最も小さく、バネ定数は最も大きい。この状態から基部43aの割合を増加させる、言い換えると、凸部43bの長さを短くするにつれて、反り量は増加し、バネ定数は減少する。基部43aの割合が100%、言い換えると、凸部43bが形成されておらず梁43全体が薄い場合、反り量は最も大きく、バネ定数は最も小さい。このように本実施の形態の微細構造体では、梁43の基部43aの割合を変化させると、梁43の反り量とバネ定数が変化することが確認された。
図6の測定結果によると、梁43の高さ方向のバネ定数の増加を抑制するとともに梁43の反りを低減するには、梁43の基部43aの割合を約3%〜約20%とするのが望ましい。また、図5、6の測定結果によると、基部43aの厚さと凸部43bの厚さの比は、1:2以上とするのが望ましい。
なお、図5,6に示した測定結果は、例えば有限要素解析ソフトウェア等によっても容易に得ることができる。
次に、図7を参照して、他の実施の形態の微細構造体について説明する。図7(a)は、微細構造体の構成を示す要部平面図、図7(b)は、図7(a)のI-I線断面図、図7(c)は、図7(a)のII-II線断面図である。なお、以下にする説明において、図1に示した微細構造体10と同等の構成要素については同じ名称を付し、適宜説明を省略する。
図7に示す微細構造体70は、基板71と、この基板71上に形成された支持部72と、この支持部72により一端が支持され基板71に対して略平行になるよう配設された梁73と、この梁73の他端に支持された可動部74とから構成される。
梁73は、全体として平面視略コの字状の棒または短冊状の板の形状を有する基部75と、例えば棒または短冊状の板の形状を有し基部75上に設けられた凸部76とから構成される。ここで、基部75および凸部76は、それぞれ単層構造および多層構造の何れでもよい。また、基部75と凸部76は、一体に形成するようにしてもよい。
基部75は、例えば棒または短冊状の板の形状を有し、一端が支持部72に支持された第1部材75aと、例えば棒または短冊状の板の形状を有する一端が第1部材75aの他端に第1部材と直交するように接続された第2部材75bと、例えば棒または短冊状の板の形状を有し、一端が第2部材75bの他端に第2部材と直交しかつ第1部材75aと対向するように接続された第3部材75cとから構成される。
凸部76は、第1部材75aの支持部75と第2部材75bとから離間した位置に第1部材75aを挟むように第1部材75aの上面および下面に形成された第1凸部76a,76bと、第3部材75cの第2部材75bと可動部74とから離間した位置に第3部材75cを挟むように第3部材75cの上面および下面に形成された第2凸部76c,76dとを有する。
このような微細構造体70では、梁73の基部75を平面視略コの字状の形状とすることにより、梁73をより長く形成することが可能となるので、梁73のバネ定数を低減させることができる。また、梁73の基部75は、平面視略コの字状の形状という折り曲がった形状にすることにより、この折り曲げ形状によってひねりの変形が生じるため、バネ定数を低減させることが可能となる。
また、微細構造体70では、凸部76の第1凸部76a,76bおよび第2凸部76c,76dがそれぞれ基部75の上面および下面を挟み込むサンドイッチ構造をとることにより、基部75の内部応力が基部75の上面および下面に設けた凸部によって相殺されるため、梁73の反りを効果的に緩和することが可能となる。
なお、基部75の平面形状は、略コの字状に限定されず、例えばL字状など適宜自由に設定することが可能である。また、基部75の平面形状は、略コの字状などの折り曲げ部が直角な形状に限定されず、任意の角度や円弧状に曲げられた形状にしてもよい。
次に、図8を参照して、他の実施の形態の微細構造体について説明する。図8は、微細構造体の構成を示す断面図である。なお、以下にする説明において、図1に示した微細構造体10と同等の構成要素については同じ名称を付し、適宜説明を省略する。
微細構造体80は、基板81と、この基板81上に所定距離離間して形成された一対の支持部82,83と、支持部82により一端が支持され基板81に対して略平行に配設された第1梁84と、支持部83により一端が支持され基板81に対して略平行に配設された第2梁85と、第1梁84および第2梁85の他端により支持された可動部86とを有する。ここで、第1梁84と第2梁85の長さ方向の軸線は同一直線上にある。
第1梁84は、例えば全体として棒または短冊状の板の形状を有し、一端が支持部82により支持され、他端が可動部86を支持する基部84aと、この基部84aの支持部82および可動部86と離間した位置に基部84aよりも厚く形成された肉厚部84bとを有する。ここで、基部84aは、十分に薄く形成されている。これにより、第1梁84は、全体的に厚く形成する場合よりも高さ方向のバネ定数が小さくなる。また、肉厚部84bは、84aよりも十分に厚く形成される。これにより、第1梁84は、全体的に薄く形成する場合よりも第1梁84の反り量が小さくなる。なお、基部84aおよび肉厚部84bは、それぞれ単層構造および多層構造の何れでもよい。また、基部84aと肉厚部84bとは、一体に形成するようにしてもよい。
第2梁85は、例えば全体として棒または短冊状の板の形状を有し、一端が支持部83により支持され、他端が可動部86を支持する基部85aと、この基部85aの支持部83および可動部85と離間した位置に基部85aよりも厚く形成された肉厚部85bとを有する。ここで、基部85aは、十分に薄く形成されている。これにより、第2梁85は、全体的に厚く形成する場合よりも高さ方向のバネ定数が小さくなる。また、肉厚部85bは、85aよりも十分に厚く形成される。これにより、第2梁85は、全体的に薄く形成する場合よりも第2梁85の反り量が小さくなる。なお、基部85aおよび肉厚部85bは、それぞれ単層構造および多層構造の何れでもよい。また、基部85aと肉厚部85bとは一体に形成するようにしてもよい。
可動部86は、対向する側面が第1梁84および第2梁85により支持される。
微細構造体80では、可動部86をそれぞれ肉厚部84b,85bを有する第1梁84および第2梁85の2つの梁で支持することにより、第1梁84および第2梁85の高さ方向のバネ定数の増加を抑制するとともに第1梁84および第2梁85の反りを低減するのみならず、可動部86が高さ方向に変位する際の移動の安定化を実現すること可能となる。
なお、図8に示す微細構造体80において、第1梁84および第2梁85は、可動部86の側面を支持しているが、可動部86を支持する位置はこれに限定されず、例えば可動部86の上面や下面など適宜自由に設定することができる。
次に、本実施の形態の具体例について図9を参照して説明する。図9(a)は、静電容量型スイッチの要部平面図、図9(b)は、スイッチOFF時の静電容量型スイッチの断面図、図9(c)は、スイッチON時の静電容量型スイッチの断面図である。なお、以下にする説明において、図2に示した静電容量型スイッチ20と同等の構成要素については同じ名称を付し、適宜説明を省略する。
図9に示す静電容量型スイッチ90は、基板91と、この基板91上に所定距離離間して形成された一対の支持部92,93と、支持部92により一端が支持され基板81に対して略平行に配設された第1梁94と、支持部93により一端が支持され基板81に対して略平行に配設された第2梁95と、第1梁94および第2梁95の他端により支持された上部電極96とを有する。この上部電極96は、下面に絶縁層97が形成されており、この絶縁層97の下面には接点電極98が形成されている。また、基板91上の上部電極96と対向する位置には、平面視略矩形の下部電極99,100が並設されており、基板91上の接点電極98と対向する下部電極99,100に挟まれた領域には配線101,102が配設されている。
第1梁94は、例えば金属材料、絶縁材料またはこれらの組み合わせ等からなる棒または短冊状の板の形状を有し、一端が支持部92により支持され他端が上部電極96を支持する基部94aと、例えば棒または短冊状の板の形状を有し、基部94aの支持部92および上部電極96と離間した位置において基部94aを挟むように基部94aの上面および下面に形成された凸部94b、94cとを有する。ここで、基部94aおよび凸部94b、94cは、それぞれ単層構造および多層構造の何れでもよい。また、基部94aと凸部94b,94cとは一体に形成するようにしてもよい。
第2梁95は、例えば金属材料、絶縁材料またはこれらの組み合わせ等からなる棒または短冊状の板の形状を有し、一端が支持部93により支持され他端が上部電極96を支持する基部95aと、例えば棒または短冊状の板の形状を有し、基部95aの支持部93および上部電極96と離間した位置において基部95aを挟むように基部95aの上面および下面に形成された凸部95b、95cとを有する。ここで、基部95aおよび凸部95b、95cは、それぞれ単層構造および多層構造の何れでもよい。また、基部95aと凸部95b,95cとは一体に形成するようにしてもよい。
上部電極96は、第1梁94と第2梁95の端部により対向する側面が支持される。
下部電極99は、図9(a)に示すように、基板91上の上部電極96の第1梁94側の部分に対向する位置に形成される。また、下部電極100は、基板91上の上部電極96の第2梁95側の部分に対向する位置に形成される。
このような静電容量型スイッチ90は、フォトリソグラフィ技術、薄膜形成技術、犠牲層エッチング等の公知のMEMSプロセス技術を用いて容易に形成することができる。
次に、静電容量型スイッチ90の動作について説明する。まず、静電容量型スイッチ90をONにする場合、上部電極96と、下部電極99,100に駆動電圧を印加する。すると、静電力により上部電極96と下部電極99,100との間で引力が発生し、上部電極24が下部電極99,100の方へ引っ張られる。このとき、第1梁94および第2梁95が弾性変形することにより、上部電極96は下方へと変位し、図9(c)に示すように接点電極98と配線101,102とが接触する。これにより配線101,102が電気的に導通状態となるので、静電容量型スイッチ90はスイッチがONの状態となる。
一方、静電容量型スイッチ90をOFFにする場合、上部電極96および下部電極99,100への駆動電圧の印加を停止する。すると、上部電極96と下部電極99,100との間に発生していた引力が消滅する。このため、第1梁94および第2梁95の弾性力により上部電極96は上方へと変位する。この結果、接点電極98は、図9(c)に示すように配線101,102と離れるので、静電容量型スイッチ90はスイッチがOFFの状態となる。
このような静電容量型スイッチ90では、上部電極96をそれぞれ凸部94b,94c,95b,95cを有する第1梁94および第2梁95の2つの梁で支持することにより、第1梁94および第2梁95の高さ方向のバネ定数の増加を抑制するとともに第1梁94および第2梁95の反りを低減するのみならず、上部電極96が高さ方向に変位する際の移動の安定化を実現することができる。
なお、図9に示す静電容量型スイッチ90において、第1梁94および第2梁95は、上部電極96の側面を支持しているが、上部電極96を支持する位置はこれに限定されず、例えば上部電極96の上面や下面など適宜自由に設定することができる。
次に、本実施の形態の具体例について図10を参照して説明する。図10は、静電容量型スイッチの要部平面図である。なお、以下にする説明において、図2,9に示した静電容量型スイッチ20,90と同等の構成要素については同じ名称を付し、適宜説明を省略する。また、図10において、図10を正面視した状態で上下方向をY方向、図10を正面視した状態で左右方向をX方向という。
図10に示す静電容量型スイッチ200は、基板(図示せず)上に所定距離離間して形成された一対の支持部201,202と、支持部201により一端が支持され基板に対して略平行に配設された第1梁203,第2梁204と、支持部202により一端が支持され基板に対して略平行に配設された第3梁205,第4梁206と、第1梁203および第2梁204の他端により支持部201側の端部が支持され、かつ、第3梁205および第4梁206により支持部202側の端部が支持された平面視略矩形の上部電極207とを有する。この上部電極207は、下面に絶縁層208が形成されており、この絶縁層の下面には接点電極209が形成されている。また、基板上の上部電極207と対向する位置には、平面視略矩形の下部電極210,211が並設されており、基板上の接点電極209と対向する下部電極210,211に挟まれた領域には、Y方向に延在する配線212,213が配設されている。
第1梁203は、例えば金属材料、絶縁材料またはこれらの組み合わせ等からなる平面視略S字状のつづら折り形状の棒または短冊状の板の形状を有し、一端が支持部201により支持され他端が上部電極207を支持する基部220と、例えば金属材料、絶縁材料またはこれらの組み合わせ等からなる棒または短冊状の板の形状を有し、基部220の支持部201および上部電極207と離間した位置に基部220を挟むように基部220の上面および下面に形成された第1〜第3凸部221,222,223とを有する。ここで、基部220および第1〜第3凸部221,222,223は、それぞれ単層構造および多層構造の何れでもよい。また、基部220と第1〜第3凸部221,222,223とは、一体に形成するようにしてもよい。
基部220は、一端が支持部201に支持され支持部201からY方向の正の方向に延在する第1部材220aと、この第1部材220aの他端からX方向の正の方向に延在する第2部材220bと、この第2部材220bの他端からY方向の負の方向に延在する第3部材220cと、この第3部材220cの他端からX方向の正の方向に延在する第4部材220dと、この第4部材の他端からY方向の正の方向に延在する第5部材220eと、この第5部材220eの他端からX方向の正の方向に延在し他端が上部電極207の支持部201側でX方向の正の側の端部に接続された第6部材220fとから構成される。ここで、第1部材220a、第3部材220cおよび第5部材220eは、それぞれ同程度の長さを有する。
第1凸部221は、第1部材220aの支持部201および第2部材220bから離間した位置に形成される。第2凸部222は、第3部材220cの第2部材220bおよび第4部材220dから離間した位置に形成される。第3凸部223は、第5部材220eの第4部材220dおよび第6部材220fから離間した位置に形成される。
なお、第2梁204は、第1梁203をX軸に対して対称な形状を有するものである。また、第3梁205は、第1梁203をY軸に対して対称な形状を有するものである。また、第4梁206は、第1梁203をX軸およびY軸に対して対称な形状を有するものである。よって、第2梁204,第3梁205,第4梁206において、第1梁203と同等の構成要素には同じ名称を付し、適宜説明を省略する。
上部電極207は、第1梁203,第2梁204により支持部201側の端部が支持され、第3梁205,第4梁206により支持部202側の端部が支持される。このように、上部電極207は、4本の梁により支持される。
下部電極210は、上部電極207に対向する基板上の支持部201側の位置に形成される。また、下部電極211は、上部電極207に対向する基板上の支持部202側の位置に形成される。
このような静電容量型スイッチ200は、フォトリソグラフィ技術、薄膜形成技術、犠牲層エッチング等の公知のMEMSプロセス技術を用いて容易に形成することができる。
静電容量型スイッチ200は、図9に示した静電容量型スイッチ90と同様、下部電極210,211への駆動電圧の印加および停止を行うと、上部電極207が高さ方向に変位し、スイッチのON/OFFが行われる。
上述したように図10に示す静電容量型スイッチ200では、上部電極207をそれぞれ凸部を有する第1〜4梁203〜206の4つの梁で支持することにより、第1〜4梁203〜206の高さ方向のバネ定数の増加を抑制するとともに第1〜4梁203〜206の反りを低減するのみならず、上部電極207が高さ方向に変位する際の移動の安定化を実現することができる。
また、静電容量型スイッチ200では、第1〜4梁203〜206を平面視略S字状の形状とすることにより、各第1〜4梁203〜206をより長く形成することが可能となるので、第1〜4梁203〜206のバネ定数をさらに低減することができる。また、第1〜4梁203〜206を平面視略S字状の形状という折り曲がった形状とすることにより、この折り曲げ形状によってひねりの変形が生じるため、バネ定数を低減することができる。また、第1〜4梁203〜206を平面視略S字状の形状とすることにより、折り曲げ形状を複数設けることにより、ひねりによる変形がさらに生じるため、バネ定数をさらに低減させることができる。したがって、駆動電圧を低下させることが可能となる。また、第1〜4梁203〜206のような構造を例えば圧力センサに適用すると、センサの感度を向上させることができる。
また、静電容量型スイッチ200では、第1〜4梁203〜206それぞれに凸部を複数設けることにより、平面視略S字状の形状によってバネ定数がより低減されている場合であっても、第1〜4梁203〜206を反り量を効果的低減することが可能となる。
なお、図10に示す静電容量型スイッチ200において、第1〜4梁203〜206は、上部電極207の側面を支持しているが、上部電極207を支持する位置はこれに限定されず、例えば上部電極207の上面や下面など適宜自由に設定することができる。
また、図1〜図10を参照して説明した微細構造体および静電容量型スイッチにおいて、肉厚部または凸部を梁に設ける長さ方向の位置は、適宜自由に設定することができる。特に、支持部近傍、可動部近傍、折り曲げ形状近傍を除く位置に肉厚部または凸部を設けると、梁のバネ定数を効果的に低減させることができる。
また、図1〜10を参照して説明した微細構造体および静電容量型スイッチにおいて、梁の断面形状は矩形に限定されず、例えば円形や楕円形など適宜自由に設定することができる。
本発明にかかる微細構造体の構成を示す断面図である。 (a)静電容量型スイッチの要部平面図、(b)スイッチOFF時の静電容量型スイッチの断面図、(c)スイッチON時の静電容量型スイッチの断面図である。 本発明にかかる他の微細構造体の構成を示す断面図である。 (a)本発明にかかる微細構造体の一例の構成を示す断面図、(b)従来の微細構造体の構成を示す断面図である。 図4(a)の微細構造体の梁の厚さと梁の反りおよびバネ定数との関係を示す図である。 図4(a)の微細構造体における基部43aの割合に対する梁43のバネ定数および反り量の関係を示す図である。 (a)本発明にかかる他の微細構造体の構成を示す要部平面図、(b)図7(a)のI-I線断面図、(c)図7(a)のII-II線断面図である。 本発明にかかる他の微細構造体の構成を示す断面図である。 (a)静電容量型スイッチの要部平面図、(b)スイッチOFF時の静電容量型スイッチの断面図、(c)スイッチON時の静電容量型スイッチの断面図である。 静電容量型スイッチの要部平面図である。 (a)、(b)従来の微細構造体の断面形状を示す模式図である。 (a)〜(c)従来の微細構造体の断面形状を示す模式図である。
符号の説明
10…微細構造体、11…基板、12…支持部、13…梁、13a…基部、13b…肉厚部、14…可動部、20…静電容量型スイッチ、21…基板、22…支持部、23…梁、23a…基部、23b…肉厚部、24…上部電極、25…絶縁層、26…接点電極、27…下部電極、28,29…配線、30…微細構造体、31…基板、32…支持部、33…梁、33a…基部、33b…凸部、34…可動部、40…微細構造体、41…基板、42…支持部、43…梁、43a…基部、43b…凸部、43c…第1層、43d…第2層、44…可動部、70…微細構造体、71…基板、72…支持部、73…梁、74…可動部、75…基部、75a…第1部材、75b…第2部材、75c…第3部材、76…凸部、76a,76b…第1凸部、76c、76d…第2凸部、80…微細構造体、81…基板、82,83…支持部、84…第1梁、84a…基部、84b…肉厚部、85…第2梁、85a…基部、85b…肉厚部、86…可動部、90…静電容量型スイッチ、91…基板、92,93…支持部、94…第1梁、94a…基部、94b,94c…凸部、95…第2梁、95a…基部、95b,95c…凸部、96…上部電極、97…絶縁層、98…接点電極、99,100…下部電極、101,102…配線、200…静電容量型スイッチ、201,202…支持部、203〜206…第1〜第4梁、207…上部電極、208…絶縁層、209…接点電極、210,211…下部電極、212,213…配線、220,230,240,250…基部、220a,230a,240a,250a…第1部材、220b,230b,240b,250b…第2部材、220c,230c,240c,250c…第3部材、220d,230d,240d,250d…第4部材、220e,230e,240e,250e…第5部材、220f,230f,240f,250f…第6部材、221〜223,231〜233,241〜243,251〜253…第1〜第3凸部。

Claims (4)

  1. 基板上に形成された支持部と、
    この支持部により支持され、少なくとも一部が前記基板から離間した梁と
    を有する微細構造体において、
    前記梁の一部は、他の部分よりも少なくとも前記基板の法線方向に厚く形成される
    ことを特徴とする微細構造体。
  2. 前記梁は、少なくとも一部が基板に対して平行な方向に折り曲げられている
    ことを特徴とする請求項1記載の微細構造体。
  3. 前記梁に支持された可動部をさらに有し、
    前記梁は、前記基板の法線方向に変位する
    ことを特徴とする特徴とする請求項1または2記載の微細構造体。
  4. 前記梁は、複数設けられる
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の微細構造体。
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