JP2006175069A - 車椅子からベッドへの移動器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】身体不自由者が車椅子とベッドの間を、独力で、且つ、安全に移動できるようにする器具を提供すること
【解決手段】車椅子の座席とベッドとの両上面の間を渡す長板状の渡し材1を有し、渡し材1の長尺側の縁に、車椅子の前面に位置するフレーム部dが挿入できる凹部11を形成し、渡し材1の下面に渡し材1を支持する支持材2を設けた。これによって、車椅子の座席とベッドとの間は、渡し材1を介して直接平面によって連絡され、その上、車椅子のフレーム部dが渡し材1内に挿入されることになるので、車椅子の座席とベッドとの間の間隔は狭くなり、その分、身体の移動距離は短くなり、下半身不自由者による移動が楽になる。
【選択図】図2

Description

本発明は、下半身に障害を有する身体不自由者が車椅子からベッドに移動する際に使用する用具に関する。
下半身に障害を有する身体不自由者が車椅子から降りる際には、五体健全者が想像もできない困難と恐怖心をもたらす。
そのため、従来から恐怖心を取り除き、安全に車椅子から降りることができる用具が多く提案されている。
例えば、特許文献1には、車椅子に一対の伸縮レールを設け、座席部分をそのレール上を走行するキャリアを介して車椅子に係止手段によって開放自在に固定し、車椅子に座った身体不自由者が車椅子から移動したいときには、係止手段を解いて、移動できるようにしたものが開示されている。
また、特許文献2および3には、身体不自由者のベッドからの移動手段として、ベッドそのものに、上半身を起こし、その状態のままベッドの横臥部分のみを移動させる構造としたものが開示されている。
さらに、特許文献4には、車椅子そのものをベッドに組み込み、身体不自由者の車椅子とベッド間の移動をなくしてしまうという考え方が示されている。
しかしながら、下半身不自由者が、通常の車椅子から通常のベッドに、または、通常のベッドから通常の車椅子に移動する、それも自力で移動するための補助用具については格別の提案はない。
図3に示すように、通常の車椅子Aは、両主車輪a間の上方に座席bが配置され、その座席bの上方には、肘掛け部cを有するフレームdが設けられ、そのフレームdの前方にはキャスターeとステップfのためのフレームgが設けられているのが通常である。
ところが、このような構造を持つ車椅子に乗った身体不自由者が、ベッド上に身体を移動させるに際しての最大の問題は、図4に示すように、車椅子の前方のフレームgがベッドBの縁に当たり、車椅子の座席bとベッドBの間に10cm以上の隙間が発生することである。
この隙間部分の存在は、上半身が健全な人でも、独自で自分の身体を車椅子からベッドへの移動を困難にするもので、2人の介護人が、車椅子に座った身体不自由者を両側から抱き上げてベッド上に寝かせており、車椅子に座った身体不自由者が独力で移動することは不可能に近いものであった。
そのため、車椅子に折り畳みの渡し板を取り付け、車椅子からのベッド上への移動の際の間隔をなくすようにしたものもあるが、安定性が悪く使いづらいという欠点がある。
特開平11−235361号公報 特開2000−37427号公報 特開2000−166981号公報 特開2000−175974号公報
本願発明が解決すべき課題は、身体不自由者が車椅子とベッドの間を、独力で、且つ、安全に移動できるようにする器具を提供することにある。
本願発明の車椅子からベッドへの移動器具は、車椅子の座席とベッドとの両上面の間を渡す長板状の渡し材を有し、その渡し材の長尺側の縁には、車椅子の前面に位置するフレーム部が挿入できる凹部が形成されており、前記渡し材の下面には渡し材を支持する支持材が設けられていることを特徴とする。
渡し材に形成された凹部には、車椅子の前面に位置するフレーム部が挿入されて、ベッドの縁と車椅子との間の広い空隙はなくなり、車椅子の座席とベッドとの間は、渡し材を介して直接平面によって連絡され、その上、車椅子のフレーム部が渡し材内に挿入されることになるので、車椅子の座席とベッドとの間の間隔は狭くなり、その分、身体の移動距離は短くなり、下半身不自由者による移動は楽になる。
本発明の移動器具によって、車椅子に乗った下半身が不自由な障害者は、自分の力で簡単にベッドとの間を移動できる。
渡し材の長さは、安全上は、車椅子の幅を超える長さがよいが、余り長くなると取り扱いが不便になるので、750cm程度がよい。
また、その長辺側に設けられた両凹部の深さは、車椅子の先端フレームがベッド面における座席の先端からの突出長さ程度は必要であり、実際は5cm程度、また、両凹部のそれぞれの幅は先端フレームの径以上が必要であり、且つ、その間隔は車椅子の両側のフレームの間隔程度の44cm程度必要である。
その幅は、両凹部が形成できる以上の幅があれば充分であるが、強度面と安定感から、35cm程度でよい。
その高さは、渡し材の支持材の高さを調整可能とすることによって、ベッドの高さに応じて任意調整可能とするのがよい。
また、材質的には木材やアルミのような軽量材がよく、 その表面はクッション材を設けることによって、車椅子とベッドの間を身体を違和感なく滑動し易くするのがよい。
図1は本発明の移動具10の外観を示す。
移動具10は、車椅子とベッドの間を渡す渡し材1とその下面に取り付けられた支持材2とからなり、任意に、既設のベッドのサイドに固定される方式のもの、移動に便利なように、支持材2を折り畳み可能として持ち運びに便利な方式としたもの、さらには、各種ベッドの高さに対応するために、支持材2を任意の方式で昇降可能とすることができる。
同図に示す渡し材1は、強度と軽さの面から、合板材、アルミ材の板材とし、その表面をビニール皮貼りのクッション材としている。
11は、渡し材1の長尺辺の縁面に図3に示す車椅子の前方フレームdの間隔に合わせて、また、前方フレームdの径よりも大きい幅で、5cm程度の深さに形成された凹部であって、車椅子をベッド縁に置いた移動具10に近づけたとき、車椅子の両前方フレームdがこの凹部11に進入することになる。
渡し材1の下面に取り付けられた支持材2は、渡し材1を支持固定するための部材であって、渡し材1の両端面に取り付けられた側板21を有する。この両側板21は渡し材1を支持固定するための部材であるので、この両側板21に代わって、一枚の支持板あるいは支持棒材を用いることができる。
22は、ベッド縁の下面と当接して固定するために使用される切り欠け部を示す。23は、渡し材1の高さを調整するための調整機構であって、側板21の下方部分をその内面で滑動するカバー材に設けられたピンを側板21に形成されたスライド溝内に固定して渡し材1の高さを調整する。
さらに、24は、渡し材の高さ調整機構の下端面に形成されたゴム足であって、床面との滑りと傷つけ防止のために設けられたものである。
図2は、図1に示す本発明の移動具10の利用態様を示す図である。同図において、移動具10の前面縁をベッドの側縁に接して、凹部11のある後面縁を手前側にして配置しておく。車椅子に乗った身体不自由者が、車椅子をベッドの側縁に近づけ、自己の健常な腕を利用して不自由な両足を渡し材1の上に置く。 次に、車椅子の前方フレームdの前縁を渡し材1に形成された両凹部11内に挿入して、渡し材1の手前側の縁部に車椅子の座席の前縁を当接する。そして、車椅子を固定したのち、身体不自由者は自己の腕力を使って、自己の身体をベッド上に移動させる。
また、ベッド上の身体不自由者は、上記の手順と逆の手順で簡単に車椅子に移動できる。
本発明の実施例に係る移動器具の外観を示す。 図1に示す移動器具の使用態様を示す。 本発明の移動器具の使用の対象となる通常の車椅子の外観を示す。 車椅子からベッドへの移動に際しての問題の説明図である。
符号の説明
10 本発明の移動器具
1 渡し材
2 支持材

Claims (3)

  1. 車椅子の座席とベッドとの両上面の間を渡す長板状の渡し材を有し、
    その渡し材の長尺側の縁には、車椅子の前面に位置するフレーム部が挿入できる凹部が形成されており、
    前記渡し材の下面には渡し材を支持する支持材が設けれている車椅子からベッドへの移動器具。
  2. 渡し材を支持する支持材が高さを調整可能とした請求項1に記載の車椅子からベッドへの移動器具。
  3. 渡し材を支持する支持材が折り畳み可能である請求項1または請求項2に記載の車椅子からベッドへの移動器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2556812A2 (en) 2011-08-09 2013-02-13 TNK Corporation Ltd. Between-bed-and-wheelchair move assist apparatus
CN110314053A (zh) * 2018-03-30 2019-10-11 八乐梦医用床有限公司 身体支撑装置

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