JP2006173469A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 信頼性の高いゲート絶縁膜を有する半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 半導体装置は、主表面を有する半導体基板8と、半導体基板8の主表面上にゲート絶縁膜12を介して形成され、半導体基板8に反転層を形成するアシストゲート電極3と、半導体基板8の主表面上においてアシストゲート電極3と隣り合う位置に断続的に形成され、半導体基板8およびアシストゲート電極3と電気的に絶縁された孤立パターンであるフローティングゲート電極20と、アシストゲート電極3上にシリコン酸化膜13Aを介して形成され、ゲルマニウムが注入されたシリコン窒化膜13Bと、シリコン窒化膜13B上からフローティングゲート電極20上に形成される絶縁膜15と、フローティングゲート電極20が位置する絶縁膜15上に設けられたコントロールゲート電極2とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】 半導体装置は、主表面を有する半導体基板8と、半導体基板8の主表面上にゲート絶縁膜12を介して形成され、半導体基板8に反転層を形成するアシストゲート電極3と、半導体基板8の主表面上においてアシストゲート電極3と隣り合う位置に断続的に形成され、半導体基板8およびアシストゲート電極3と電気的に絶縁された孤立パターンであるフローティングゲート電極20と、アシストゲート電極3上にシリコン酸化膜13Aを介して形成され、ゲルマニウムが注入されたシリコン窒化膜13Bと、シリコン窒化膜13B上からフローティングゲート電極20上に形成される絶縁膜15と、フローティングゲート電極20が位置する絶縁膜15上に設けられたコントロールゲート電極2とを備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、ゲート電極上に窒化膜が形成された半導体装置およびその製造方法に関する。
MOSトランジスタなどを構成するゲート電極上に窒化膜が形成されることがある。
たとえば、特開2000−294753号公報(従来例1)においては、下部電極を含む領域に酸化膜および窒化膜を堆積し、フォトレジスト膜をマスクとして窒化膜に異方性エッチングを施すことにより、下部電極上の酸化膜上に窒化膜を残す工程を含む半導体装置の製造方法が開示されている。
また、特開平5−110017号公報(従来例2)においては、電界効果トランジスタのゲート電極を酸化膜と窒化膜とで覆う構造を有する半導体装置が開示されている。
また、特開2000−77625号公報(従来例3)においては、ゲート電極上のキャップ絶縁膜を酸化シリコン膜とその上に形成された窒化シリコン膜との積層構造とした半導体集積回路装置が開示されている。
特開2000−294753号公報
特開平5−110017号公報
特開2000−77625号公報
しかしながら、上記のような半導体装置においては、以下のような問題があった。
ゲート電極上に窒化膜が形成される場合、該窒化膜の膜応力が、ゲート電極下に形成されるゲート絶縁膜の信頼性に影響を与える場合がある。ゲート絶縁膜の信頼性を向上させることは、半導体装置全体としての信頼性を高める観点から重要である。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、信頼性の高いゲート絶縁膜を有する半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る半導体装置は、主表面を有する半導体基板と、半導体基板の主表面上にゲート絶縁膜を介して形成され、半導体基板に反転層を形成する第1ゲート電極と、主表面上において第1ゲート電極と隣り合う位置に断続的に形成され、半導体基板および第1ゲート電極と電気的に絶縁された孤立パターンである第2ゲート電極と、第1ゲート電極上に形成され、不純物が注入された窒化膜と、窒化膜上から第2ゲート電極上に形成される絶縁膜と、第2ゲート電極が位置する絶縁膜上に設けられた第3ゲート電極とを備える。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の主表面上にゲート絶縁膜を介して第1導電膜を形成する工程と、第1導電膜上に窒化膜を形成する工程と、窒化膜に不純物を注入する工程と、第1導電膜および窒化膜をパターニングする工程と、第1導電膜および窒化膜の側壁上にサイドウォール絶縁膜を形成する工程と、サイドウォール絶縁膜を覆うように半導体基板上に第2導電膜を形成する工程と、窒化膜上から第2導電膜上に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上に第3導電膜を形成する工程と、第3導電膜をパターニングする工程とを備える。
本発明によれば、ゲート絶縁膜の信頼性を高めることができる。
以下に、本発明に基づく半導体装置およびその製造方法の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置を示す上面図である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体装置を示す上面図である。
本実施の形態に係る半導体装置1は、AG(Assist Gate)−AND型のフラッシュメモリ(不揮発性半導体記憶装置)であって、メモリセルアレイ部1Aを有するメモリセル領域(図1に示される領域)と周辺回路部とを備える。メモリセルアレイ部1Aには、ワード線としてのコントロールゲート電極2(第3ゲート電極)と、アシストゲート電極3(第1ゲート電極)とが互いにほぼ直交するように形成されている。アシストゲート電極3に電圧が印加されると、半導体基板上におけるアシストゲート電極3の直下に反転層(図示せず)が形成される。メモリセルアレイ部1Aの周辺には、共通ドレイン4および選択MOS部5が設けられており、選択MOS部5がON状態になることにより、共通ドレイン4とアシストゲート電極3下部の反転層とが電気的に接続される。アシストゲート電極3、共通ドレイン4および選択MOS部5におけるゲート電極6は、それぞれコンタクト部3A,4A,6Aを介して上層配線と接続されている。選択MOS部5においては、該トランジスタのソース/ドレインとなる不純物領域と分離領域7とがゲート電極6が延びる方向に交互に並んで形成されている。分離領域7は、STI(Shallow Trench Isolation)またはSGI(Shallow Groove Isolation)と称される溝型の分離領域である。
図2は図1中のII−II断面を示す。図2を参照して、半導体基板8上にn型埋込み領域9およびpウエル10Aが形成される。アシストゲート電極3およびゲート電極6は、たとえば酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜12を介してpウエル10A上に形成されている。pウエル10Aにおけるゲート電極6の両側には、n−不純物領域11および共通ドレイン4としてのn+不純物領域40Aおよびn−不純物領域40Bが設けられる。アシストゲート電極3およびゲート電極6上には、シリコン酸化膜13Aとシリコン窒化膜13Bとからなるキャップ絶縁膜および絶縁膜14が堆積されている。メモリセルアレイ部においては、キャップ絶縁膜上にONO(Oxide−Nitride−Oxide)膜構造を有する絶縁膜15が形成されている。絶縁膜15上に、導電膜2Aおよびシリサイド膜2Bを含むコントロールゲート電極2が形成され、コントロールゲート電極2上に、絶縁膜16が形成されている。ゲート電極6、キャップ絶縁膜および絶縁膜14の側壁上とコントロールゲート電極2および絶縁膜16の側壁上とに絶縁膜17が形成されている。絶縁膜14,16,17を覆うように層間絶縁膜18が形成されており、層間絶縁膜18上に上層配線3D,4D,6Dが形成されている。上層配線3D,4D,6Dは、それぞれコンタクト部3A,4A,6Aを介してアシストゲート電極3,n+不純物領域40Aおよびゲート電極6と電気的に接続される。なお、コンタクト部3A,4A,6Aは、それぞれコンタクトホール3B,4B,6Bと該コンタクトホール内に設けられたプラグ3C,4C,6Cとを含む。
図3(a)は、図2中のIII−III断面を示す。図3(a)を参照して、アシストゲート電極3の側壁上には絶縁膜19が形成されている。また、各々のアシストゲート電極間においては、pウエル10A上にゲート絶縁膜12を介して孤立パターンであるフローティングゲート電極20(第2ゲート電極)が設けられている。フローティングゲート電極20とコントロールゲート電極2の導電膜2Aとは絶縁膜15によって電気的に絶縁されている。
図3(b)は、周辺回路部の断面を示す図である。図3(b)を参照して、分離領域7Aにより隔てられたpウエル10Bおよびnウエル10C上には、それぞれ、ゲート電極300、シリコン酸化膜13A、シリコン窒化膜13Bおよび絶縁膜14を含む積層構造が形成されている。この積層構造の側壁上には絶縁膜17が形成され、pウエル10Bおよびnウエル10C上から絶縁膜14上を覆うように層間絶縁膜18が形成されている。pウエル10Bにおけるゲート電極300の両側には、n+不純物領域40Cおよびn−不純物領域40Dが形成され、nウエル10Cにおけるゲート電極300の両側には、p+不純物領域40Eおよびp−不純物領域40Fが形成されている。
次に、図1〜図3(a),(b)に示される半導体装置1の製造方法について説明する。
図4〜図12は、半導体装置1の製造工程における第1〜第9工程を示す図であり、図4(a),図5(a),図6(a),図7(a)および図8〜図12は、図3(a)に対応する断面(メモリセル領域)を示し、図4(b),図5(b),図6(b),図7(b)は、図3(b)に対応する断面(周辺回路領域)を示す。
図4(a)を参照して、メモリセル領域においては、よく用いられるイオン注入法などを用いて半導体基板8上にたとえばリン(P)が選択的に注入されることにより、n型埋込み領域9が形成される。次に、よく用いられるイオン注入法などにより、たとえばホウ素(B)が選択的に注入されることにより、pウエル10Aが形成される。さらに、所定のレジストパターンをマスクとして、たとえばヒ素が注入されることにより、メモリセルアレイ部および選択MOS部5の連結用のn−不純物領域11(図2参照)が形成される。また、図4(b)を参照して、周辺回路部においては、半導体基板8上に、分離領域7Aによって隔てられたpウエル10Bとnウエル10Cとが形成される。
図5(a)を参照して、メモリセル領域においては、pウエル10A上およびn−不純物領域11(図2参照)上に、たとえば二酸化シリコン換算膜厚で8.5nm程度の厚さになるように、ゲート絶縁膜12が形成される。ゲート絶縁膜12は、たとえばISSG(In−Situ Steam Generation)酸化法などの熱酸化法により形成される。そして、ゲート絶縁膜12上に、50nm程度の厚さになるように、多結晶シリコンなどからなる導電膜30がCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて形成される。この導電膜30は、選択MOS部5におけるゲート電極6およびアシストゲート電極3となる。また、図5(b)を参照して、周辺回路部においても、メモリセル領域と同様にゲート絶縁膜12および導電膜30が形成される。
図6(a)を参照して、導電膜30上に、20nm程度の厚みを有する酸化シリコン膜13Aが形成され、酸化シリコン膜13A上に、50nm程度の厚みを有する窒化シリコン膜13Bが形成される。酸化シリコン膜13Aは、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)ガスを用いたCVD法などにより形成され、窒化シリコン膜13Bは、CVD法などにより形成される。このように、アシストゲート電極3となる導電膜30上に酸化シリコン膜13Aを介して窒化シリコン膜13Bを形成することで、シリコン窒化膜13Bから拡散する水素やシリコン窒化膜13Bの膜応力の影響を受けてゲート絶縁膜12の信頼性が低下することを抑制することができる。また、図6(b)を参照して、周辺回路部においても、メモリセル領域と同様にシリコン酸化膜13Aおよびシリコン窒化膜13Bが形成される。
図7(a),(b)を参照して、シリコン酸化膜13Aおよびシリコン窒化膜13Bの積層構造上から、たとえばIV族の半導体であるゲルマニウムなどを含む不純物がイオン注入(図7(a),(b)中の矢印)される。ここで、イオン注入は、たとえば、ドーズ量1×1015(cm-2)、打ち込みエネルギー20keVの条件下で行なわれる。このように、窒化膜上から不純物を注入することで、窒化膜13Bの膜応力を低減させ、該膜応力の影響でゲート絶縁膜12の信頼性が低下することを抑制することができる。
図8を参照して、メモリセル領域においては、イオン注入がなされたシリコン窒化膜13B上にTEOS酸化膜などからなる絶縁膜14が堆積される。絶縁膜14上にはレジスト膜41が形成される。そして、レジスト膜41をマスクとして、図9に示すように、シリコン酸化膜13A、シリコン窒化膜13Bおよび絶縁膜14がパターニングされる。次に、図10に示すように、アシストゲート電極3およびゲート絶縁膜12がパターニングされる。さらに、図11に示すように、アシストゲート電極3から絶縁膜14の側壁上に絶縁膜19が形成され、絶縁膜19に囲まれた領域にフローティングゲート電極20が形成される。さらに、シリコン窒化膜13Bからフローティングゲート電極20を覆うように、絶縁膜15が形成される。絶縁膜15は、たとえばその厚みがそれぞれ5nm,8nm,5nm程度である酸化膜−窒化膜−酸化膜の積層構造(ONO膜構造)を有する。絶縁膜15上に導電膜2A、シリサイド膜2Bおよび絶縁膜16が形成され、これらがパターニングされることにより、コントロールゲート電極2が形成される。また、フローティングゲート電極20についてもパターニングされ、フローティングゲート電極20が孤立パターンとなる。その後、絶縁膜17および層間絶縁膜18が形成され、層間絶縁膜18上からそれぞれアシストゲート電極3、n+不純物領域40Aおよびゲート電極6に達するコンタクト部3A,4A,6Aが設けられ、上層配線3D,4D,6Dとアシストゲート電極3、n+不純物領域40Aおよびゲート電極6とが電気的に接続される。以上の工程により、図3(a)に示されるメモリセル領域の構造が得られる。
一方、周辺回路部においては、図7(b)に示される状態から、導電膜30、シリコン酸化膜13Aおよびシリコン窒化膜13Bがパターニングされる。これにより、図3(b)に示されるゲート電極300が形成される。次に、pウエル10Bにおけるゲート電極300の両側に、n+不純物領域40Cおよびn−不純物領域40Dが形成され、nウエル10Cにおけるゲート電極300の両側に、p+不純物領域40Eおよびp−不純物領域40Fが形成される。そして、ゲート電極300、シリコン酸化膜13A、シリコン窒化膜13Bおよび絶縁膜14を含む積層構造の側壁上に絶縁膜17が形成される。さらに、pウエル10Bおよびnウエル10C上から絶縁膜14上を覆うように層間絶縁膜18が形成される。以上の工程により、図3(b)に示される周辺回路部の構造が得られる。
次に、上記フラッシュメモリの書込み、読み出しおよび消去の動作について説明する。
データ書込み時には、所定のアシストゲート電極3に電圧が印加される。これにより所定のメモリセル(選択メモリセル)が選択される。該データ書込みは、ソースサイドホットエレクトロン注入方式により行なわれる。これにより、高速に、かつ、低電流で効率的なデータ書込みが実現される。個々のメモリセルには、多値のデータを記憶することが可能である。この多値記憶は、コントロールゲート電極に印加される書込み電圧を一定にしながら、個々のメモリセルごとに書込み時間を変化させ、それぞれ異なる閾値レベルを有するメモリセルを形成することで実現される。たとえば、“00”/“01”/“10”/“11”などのような4つ以上の値が記憶可能である。したがって、1つのメモリセルで2つ以上のメモリセル分の働きを実現することができる。この結果、フラッシュメモリの小型化が実現される。
データ書込み動作においては、選択メモリセルが接続されるコントロールゲート電極2に、たとえば15V程度の電圧が印加され、それ以外のコントロールゲート電極2に、たとえば−2V程度の電圧が印加される。また、選択メモリセルにおけるソース形成用のアシストゲート電極3に、たとえば5V程度の電圧が印加され、ドレイン形成用のアシストゲート電極3(典型的には、たとえば、ソース形成用のアシストゲート電極3に隣接するアシストゲート電極3)に、たとえば8V程度の電圧が印加される。これにより、これらのアシストゲート電極3に対向する半導体基板8の主表面上(pウエル10A上)にソース/ドレインとなる反転層(図示せず)が形成される。一方で、上記以外のアシストゲート電極3には、たとえば−2V程度の電圧が印加されており、これらのアシストゲート電極3に対向する半導体基板8の主表面上には反転層が形成されていない。これにより、選択メモリセルと非選択メモリセルとの間のアイソレーションが行なわれる。さらに、選択メモリセルにおけるドレインとなる反転層に接続されるビット線(上層配線4D)に、たとえば4.5V程度の電圧が印加される。ここで、選択メモリセルにおけるソースとなる反転層に接続されたビット線に、たとえば0V程度の電圧が印加される一方で、非選択メモリセルにおけるソースとなる反転層に接続されるビット線に、たとえば2V程度の電圧が印加される。これにより、選択メモリセルにおいてはドレインからソースに向かって書込み用の電流が流れ、ソース側の反転層に蓄積された電荷がゲート絶縁膜12を介してフローティングゲート電極20に注入される。一方で、非選択メモリセルにおいては、ドレインからソースに向かう電流は流れず、フローティングゲート電極20への電荷の注入は行なわれない。以上の動作により、所定のメモリセルに選択的にデータの書込みが行なわれる。
データ読み出し動作においては、上記書込み動作と逆の動作が行なわれる。ここでは、選択メモリセルが接続されるコントロールゲート電極2に、たとえば2〜5V程度の電圧が印加され、それ以外のコントロールゲート電極2に、たとえば−2V程度の電圧が印加される。また、選択メモリセルにおけるソース/ドレイン形成用のアシストゲート電極3に、たとえば4V程度の電圧が印加される。これにより、選択メモリセルにおけるソース/ドレインが形成される。一方、非選択メモリセルにおけるソース/ドレイン形成用のアシストゲート電極3に、たとえば−2V程度の電圧が印加される。これにより、非選択メモリセルにおいては、ソース/ドレインとなる反転層が形成されない。この結果、選択メモリセルと非選択メモリセルとのアイソレーションが実現される。ここで、選択メモリセルにおいてドレインとなる反転層が接続されるビット線に、たとえば1V程度の電圧が印加される。一方、他のビット線に、たとえば0V程度の電圧が印加される。さらに、選択メモリセルにおいてソースとなる反転層に接続されるビット線に、たとえば0V程度の電圧が印加される。ここで、フローティングゲート電極20の蓄積電荷の状態によって選択メモリセルの閾値電圧が変化する。したがって、選択メモリセルのソース−ドレイン間に流れる電流の状況から該メモリセルのデータを判別することができる。以上の動作により、多値記憶のメモリセルに対して読み出し動作を行なうことができる。
データ消去動作においては、選択対象のワード線に負電圧(たとえば−16V程度)が印加される一方で、半導体基板8(pウエル10A)に正の電圧が印加される。なお、アシストゲート電極3には0V程度の電圧が印加され、反転層は形成されない。これにより、フローティングゲート電極20から半導体基板8に電荷が放出される。該放出は、F−N(Fowlor Nordheim)トンネル放出により行なわれる。以上の動作により、複数のメモリセルのデータが一括で消去される。
このように、AG−AND型フラッシュメモリにおいては、ゲート絶縁膜12上のアシストゲート電極3が、ソース/ドレインとなる反転層を形成し、pウエル10Aとフローティングゲート電極20との間を行来する電荷はゲート絶縁膜12を通過する。したがって、ゲート絶縁膜12の信頼性が、半導体装置1全体の信頼性に大きく影響する。このため、上述したように、キャップ絶縁膜としてシリコン酸化膜13Aおよびシリコン窒化膜13Bの積層構造を採用したり、シリコン窒化膜13Bに不純物を注入したりしてゲート絶縁膜の信頼性を高めることが特に重要である。
本実施の形態の内容について要約すると、以下のようになる。
本実施の形態に係る半導体装置1は、主表面を有する半導体基板8と、半導体基板8の主表面上にゲート絶縁膜12を介して形成され、半導体基板8に反転層(図示せず)を形成するアシストゲート電極3(第1ゲート電極)と、半導体基板8の主表面上においてアシストゲート電極3と隣り合う位置に断続的に形成され、半導体基板8およびアシストゲート電極3と電気的に絶縁された孤立パターンであるフローティングゲート電極20(第2ゲート電極)と、アシストゲート電極3上にシリコン酸化膜13Aを介して形成され、不純物としてのゲルマニウムが注入されたシリコン窒化膜13Bと、シリコン窒化膜13B上からフローティングゲート電極20上に形成される絶縁膜15と、フローティングゲート電極20が位置する絶縁膜15上に設けられたコントロールゲート電極2(第3ゲート電極)とを備える。
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板8の主表面上にゲート絶縁膜12を介してアシストゲート電極3となる導電膜30(第1導電膜)を形成する工程(図5(a))と、導電膜30上にシリコン酸化膜13Aおよびシリコン窒化膜13Bの積層構造を形成する工程(図6(a))と、シリコン窒化膜13B上から不純物を注入する工程(図7(a))と、導電膜30およびシリコン窒化膜13Bをパターニングする工程(図8〜図10)と、導電膜30およびシリコン窒化膜13Bの側壁上に絶縁膜19(サイドウォール絶縁膜)を形成する工程と、絶縁膜19を覆うように半導体基板8上にフローティングゲート電極20となる導電膜(第2導電膜)を形成する工程(以上、図11)と、シリコン窒化膜13B上から第2導電膜上に絶縁膜15を形成する工程と、絶縁膜15上にコントロールゲート電極2となる導電膜(第3導電膜)を形成する工程と、第3導電膜をパターニングする工程とを備える。これにより、図3(a)に示されるメモリセル構造が得られる。
なお、本実施の形態においては、半導体装置の一例として、AG−AND型のフラッシュメモリについて説明したが、ゲート電極上に形成され、膜応力を緩和させるように不純物が注入された窒化膜は、任意の半導体装置に適用することが可能である。
(実施の形態2)
図13は、実施の形態2に係る半導体装置の製造工程における、ゲート電極上の窒化膜への不純物の注入工程を示した断面図である。
図13は、実施の形態2に係る半導体装置の製造工程における、ゲート電極上の窒化膜への不純物の注入工程を示した断面図である。
本実施の形態に係る半導体装置は、実施の形態1に係る半導体装置の変形例であって、基本的には、実施の形態1に係る半導体装置と同様の構成を有するが、アシストゲート電極3(導電膜30)上のキャップ絶縁膜において、シリコン酸化膜13Aが形成されない点で実施の形態1と異なる。なお、図13(a),(b)は、それぞれ、実施の形態1における図7(a),(b)に示される状態に相当する。
図13(a),(b)を参照して、本実施の形態においても、シリコン窒化膜13B上から、たとえばゲルマニウムなどの不純物がイオン注入(図13(a),(b)中の矢印)される。これにより、実施の形態1と同様の効果を奏する。
なお、本実施の形態において、上述した実施の形態1と同様の事項については、詳細な説明は繰り返されない。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した各実施の形態の特徴部分を適宜組合わせることは、当初から予定されている。また、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 半導体装置、1A メモリセルアレイ部、2 コントロールゲート電極、2A 導電膜、2B シリサイド膜、3 アシストゲート電極、3A,4A,6A コンタクト部、3B,4B,6B コンタクトホール、3C,4C,6C プラグ、3D,4D,6D 上層配線、4 共通ドレイン、5 選択MOS部、6 ゲート電極(選択MOS部)、7,7A 分離領域、8 半導体基板、9 n型埋込み領域、10A,10B pウエル、10C nウエル、11 n−不純物領域、12 ゲート絶縁膜、13A シリコン酸化膜、13B シリコン窒化膜、14,15,16,17,19 絶縁膜、18 層間絶縁膜、20 フローティングゲート電極、30 導電膜、40A,40C n+不純物領域、40B,40D n−不純物領域、40E p+不純物領域、40F p−不純物領域、41 レジスト膜。
Claims (6)
- 主表面を有する半導体基板と、
前記半導体基板の主表面上にゲート絶縁膜を介して形成され、前記半導体基板に反転層を形成する第1ゲート電極と、
前記主表面上において前記第1ゲート電極と隣り合う位置に断続的に形成され、前記半導体基板および前記第1ゲート電極と電気的に絶縁された孤立パターンである第2ゲート電極と、
前記第1ゲート電極上に形成され、不純物が注入された窒化膜と、
前記窒化膜上から前記第2ゲート電極上に形成される絶縁膜と、
前記第2ゲート電極が位置する前記絶縁膜上に設けられた第3ゲート電極とを備えた、半導体装置。 - 前記第1ゲート電極と前記窒化膜との間に形成される酸化膜をさらに備えた、請求項1に記載の半導体装置。
- 半導体基板の主表面上にゲート絶縁膜を介して第1導電膜を形成する工程と、
前記第1導電膜上に窒化膜を形成する工程と、
前記窒化膜に不純物を注入する工程と、
前記第1導電膜および前記窒化膜をパターニングする工程と、
前記第1導電膜および前記窒化膜の側壁上にサイドウォール絶縁膜を形成する工程と、
前記サイドウォール絶縁膜を覆うように前記半導体基板上に第2導電膜を形成する工程と、
前記窒化膜上から前記第2導電膜上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に第3導電膜を形成する工程と、
前記第3導電膜をパターニングする工程とを備えた半導体装置の製造方法。 - 前記第1導電膜と前記窒化膜との間に酸化膜を形成する工程をさらに備えた、請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
- 主表面を有する半導体基板と、
前記半導体基板の主表面上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極上に形成され、膜応力を緩和させるように不純物が注入された窒化膜とを備えた、半導体装置。 - 前記ゲート電極と前記窒化膜との間に形成される酸化膜をさらに備えた、請求項5に記載の半導体装置。
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ID=36673865
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101026588B1 (ko) | 2007-08-31 | 2011-04-04 | 가부시끼가이샤 도시바 | 메모리 셀이 공유하는 측면 전극을 구비한 nand 타입 비휘발성 반도체 메모리 디바이스 |
-
2004
- 2004-12-17 JP JP2004366221A patent/JP2006173469A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101026588B1 (ko) | 2007-08-31 | 2011-04-04 | 가부시끼가이샤 도시바 | 메모리 셀이 공유하는 측면 전극을 구비한 nand 타입 비휘발성 반도체 메모리 디바이스 |
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