JP2006171479A - 変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ナノメートルサイズの素子を集積化して構成される光デバイスの入力部に、安定して高効率に、かつ小型に光を結合できる変換素子を提供する。
【解決手段】 変換素子101は、透明基板10とプラズモン導波路11とレンズ12とを備えている。プラズモン導波路11は、100nm以下の大きさをもつ厚み金、銀、アルミなどの金属材料による金属ナノドット13を、透明基板10の片側表面に等間隔に並べて構成されている。レンズ12は、プラズモン導波路11の端部の金属ナノドット13にレーザ光を集光する集光光学系として機能する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、レーザ光のエネルギーを高効率に金属ナノドットに存在するエネルギーに変換する変換素子に関する。
伝播光を用いた光デバイスは、回折限界という空間的制約が存在するため、波長より小さな領域で制御することが困難である。回折限界の制約を克服して光の波長以下の領域で光制御を行うため、ナノメートルサイズの領域で近接場光を制御する機能素子を集積したナノ光集積回路が提案されている。ナノ光集積回路は、ナノメートルサイズのドットを配列し、適宜ドットの材質、大きさ、配置等を選択して導波路やスイッチ等の機能素子を実現する。半導体集積回路(IC)が大きな入出力ピンを必要とするのと同様に、ナノ光集積回路は、入出力部に伝播光と結合する変換素子を必要とする。
非特許文献1及び非特許文献2には、金、銀等の金属膜と、金属膜の表面に例えば直径100nm以下の半球状の微小な金属ナノドットを円弧状に配列したプラズモンレンズと、プラズモンレンズの円弧の中心付近の集光点に一端を配置して金属ナノドットを並べたプラズモン導波路とを備え、金属膜に対して伝播光を斜めに照射して金属膜の表面に表面プラズモンを発生させて、プラズモンレンズの凸側から入射させ、プラズモンレンズの金属ナノドットで表面プラズモンを散乱して集光点に集光させ、集光点に表面プラズモンと連動して近接場光も集中させ、近接場を媒介させてプラズモン導波路にエネルギー伝播を発生させる方法が提案されている。
I. I. Smolyaninov他、「独立した表面欠陥における表面プラズモン散乱の実験(Experimental study of surface-plasmon scattering by individual surface defects)」、フィジカル・レビュー・ビー(RHYSICAL REVIEW B)、(米国)、アメリカン・フィジカル・ソサイエティ(The American Physical Society)、1997年7月15日、第56巻、第3号、p.1601-p.1611 八井崇 他、「伝搬光・近接場光変換素子の開発」、第63回応用物理学関係連合講演 講演予稿集、2002年、25p-D-9
ここで、例えば、通信用の信号処理デバイス等において、外部の光ファイバを伝播する伝播光をナノメートルサイズのプラズモン導波路に結合させる際には、伝播光を安定して高効率に、かつ小型に結合する必要があり、かかる変換素子はいまだ提案されていない。
本発明は、ナノメートルサイズの素子を集積化して構成される光デバイスの入力部に、安定して高効率に、かつ小型に光を結合できる変換素子を提供することを目的とする。
この発明の第1の変換素子は、レーザ光のエネルギーをレーザ光の波長以下のサイズで透明基板上に配置された金属ナノドットに存在するエネルギーに変換する変換素子であって、透明基板側から照射されるレーザ光を金属ナノドットに集光する集光光学系を備える。
第1の変換素子の集光光学系は、透明基板と一体化された半球形状のレンズを有したり、透明基板と一体化された反射型のレンズを有するとよい。
この発明の第2の変換素子は、レーザ光のエネルギーをレーザ光の波長以下のサイズで透明基板上に配置された金属ナノドットに存在するエネルギーに変換する変換素子であって、金属膜と反射面とプラズモンレンズとを備え、金属膜は、透明基板上に設けられ、反射面は、透明基板側においてレーザ光を金属膜に向けて反射し、金属膜に表面プラズモンを発生させる入射角で金属膜に斜入射させ、プラズモンレンズは、表面プラズモンを金属ナノドットに集中させる。
第2の変換素子は、レーザ光を金属膜に集光する集光光学系を備えるとよく、集光光学系は、透明基板と一体化されたレンズを有するとよい。また、第2の変換素子の反射面は、誘電体多層膜を有するとよい。第2の変換素子の金属膜は、レーザ光が照射される領域にグレーティングを有するとよい。
上記いずれかの変換素子の金属ナノドットは、プラズモン導波路の一端に設けられているとよい。上記いずれかの変換素子は、レーザ光を出射する光ファイバを固定できる光コネクタを備えるとよく、さらに、光コネクタは、光ファイバから出射されたレーザ光を透過するレンズを有するとよく、また、光ファイバは、偏波保持ファイバであるとよい。
この発明の第1の変換素子によれば、集光光学系を備えることにより、金属ナノドットに局所的にレーザ光が照射され、レーザ光のエネルギーから高効率に金属ナノドットに存在するエネルギーを発生させることができる。また、集光光学系が透明基板と一体化された半球形状のレンズを有することにより、レーザ光を空気中の波長より小さく集光できるようになり、より局所的にレーザ光を照射することができる。また、集光光学系が透明基板と一体化された反射型のレンズを有することにより、レーザ光を空気中の波長より小さく集光できるようになり、より局所的にレーザ光を照射することができるとともに、製造工程を簡略化できる。
この発明の第2の変換素子によれば、反射面を備えることにより、省スペースで金属ナノドットに存在するエネルギーを発生させることができる。また、集光光学系を備えることにより、金属膜に局所的にレーザ光が照射され、レーザ光のエネルギーから高効率に表面プラズモンを発生させることができる。また、透明基板と一体化されたレンズを備えることにより、境界面における光の伝搬損失を低減することができるとともに、製造工程を簡略化できる。また、反射面に誘電体多層膜を有することにより、高効率にレーザ光が反射され、平面波でない入射光もほぼ全反射されるため、高効率に表面プラズモンを発生させることができる。また、金属膜にグレーティングを有することにより、素子の組み付け誤差や、経時的な素子の変形等により、入射光が表面プラズモンを最大の強度で励起できる入射角からずれて金属膜へ入射する場合でも、効率よく表面プラズモンを発生できるため、精密な入射角の調整を不要として簡単に歩留まりよく製造できるとともに、長期間安定して動作できる。
さらに、金属ナノドットがプラズモン導波路の一端に設けられていることにより、レーザ光のエネルギーをプラズモン導波路を伝わるエネルギーに容易に変換することができる。また、光コネクタを備えることにより、高精度な位置決めを必要とするレーザ光と金属ナノドットとの相対的な位置決定を、簡易な接続手段により行うことができる。また、光コネクタがレンズを有することにより、光ファイバの伝播状態を容易に変換して、光ファイバから出射される光を効率よく金属層に照射できる。光ファイバが偏波保持ファイバであることにより、金属ナノドットに存在させる所望の電磁場の振動方向に応じた振動方向のレーザ光のみを出力し、不要な振動方向の電磁場の発生を防止し、レーザ光のエネルギーを金属ナノドットに存在するエネルギーに高効率に変換することができる。
第1の実施形態の変換素子101は、図1の側面図に示すように、透明基板10とプラズモン導波路11とレンズ12とを備えている。透明基板10は、ガラス等の透明な材料で形成されている。
プラズモン導波路11は、100nm以下の大きさをもつ厚み金、銀、アルミなどの金属材料による金属ナノドット13を、透明基板10の片側表面に等間隔に並べて構成されている。金属ナノドット13の材質、大きさ、間隔などは、入射レーザ光の波長に合うように選択される。具体的には、例えば、波長500nm付近のレーザ光を用いる場合、プラズモン導波路11は、金で形成した直径50nmの半球形状の金属ナノドット13を75nmピッチで配列して構成する。プラズモン導波路11は、透明基板10に設けた金属膜を上に金属ナノドット13を配置したものなど構成をもつものであってもよく、透明基板10に直接金属ナノドット13を配置したものに限られるものではない。
レンズ12は、プラズモン導波路11の端部の金属ナノドット13にレーザ光を集光する集光光学系として機能する。レーザ光は、なるべく一つの金属ナノドットに局所的に照射されることが望ましいため、レンズ12は、ガラス基板中で回折限界近くまで集光できることが好ましく、例えば、開口数0.95であることが好ましい。
プラズモン導波路11には、一般に、エネルギー伝播の方向に対して垂直な電界成分が支配的なモードと、エネルギー伝播の方向に対して平行な電界成分が支配的なモードの2つのモードが存在し、複合モードも存在する。これらのモードは、偏光したレーザ光を金属ナノドット13に照射し、各モードを形成する分極を励起することによって行われる。外部から入射するレーザ光によりどのようなモードを励起するかは、プラズモン導波路11を伝播した後にどのような機能を有した素子が配置されているかにより決定される。
例えば、図2(a)の平面図に示すような、金属ナノドット13をT字型に配置させ、入力1と入力2とに基づいて出力3を出力するスイッチ14において、入力2にプラズモン導波路11を接続した場合、入力1と入力2の伝播モードが互いに異なるようにしておく必要がある。例えば、図2(a)の平面図に示すように、入力1が伝播方向に直交する電界振動モードである場合には、入力2は伝播方向に平行な電界振動モードでなければならないため、図2(b)の側面図に示すように、レーザ光は、プラズモン導波路11の伝播方向に沿って電界が振動するような偏光をもつ必要がある。一方、図2(c)の平面図に示すように、入力1が伝播方向に平行な電界振動モードの場合には、入力2は伝播方向に直交する電界振動モードでなければならないため、図2(d)の側面図に示すように、レーザ光は、プラズモン導波路11の伝播方向に直交する方向に電界が振動するような偏光をもつ必要がある。
第1の実施形態の変換素子101によれば、簡易な構造で、金属ナノドット13に局所的にレーザ光を照射し、高効率に、レーザ光のエネルギーから金属ナノドット13に存在するエネルギーを発生させ、プラズモン導波路11を伝播するエネルギーに変換することができる。
第2の実施形態の変換素子102は、図3の側面図に示すように、第1の実施形態の変換素子101にさらに、半球形レンズ15を備えている。
半球形レンズ15は、レンズ12とともに金属ナノドット13にレーザ光を集光する集光光学系として機能する。半球形レンズ15は、例えばガラスなどの透明基板10と同じ材料で形成され、マイクロレンズのように透明基板10と一体化されている。レンズ12と半球形レンズ15との2つのレンズを組み合わせた集光光学系を構成することにより、レンズ12で集光されたレーザ光が透明基板10に入射される際に広がることを防止し、透明基板10の屈折率に準じた回折限界のサイズまでレーザ光を集光することができる。例えば、透明基板10が、例えばガラスなど、屈折率入射波長に対して1.5である場合、空気中における波長の1.5分の1程度のサイズにまでレーザ光を集光させることができる。
第2の実施形態の変換素子102によれば、金属ナノドット12に対して、より局所的にレーザ光を照射することができ、より高効率でレーザ光のエネルギーから金属ナノドット13に存在するエネルギーを発生させ、プラズモン導波路11を伝播するエネルギーに変換することができる。
第3の実施形態の変換素子103は、図4(a)の側面図及び図4(b)の平面図に示すように、第1の実施形態の変換素子101と同様の透明基板10とプラズモン導波路11とを備え、さらに、反射型レンズ16を備えている。
反射型レンズ16は、回転楕円体の一部を切り出したような形状をもち、例えばガラスなどの透明基板10と同じ材料で透明基板と一体化して形成され、反射面に銀、アルミなどの金属材料による反射膜が形成されている。反射型レンズ16は、回転楕円体のある一つの断面から入射されるレーザ光を反射しながら、他のある一つの断面側にある金属ナノドット13に集光する集光光学系として機能し、プラズモン導波路11に所望のエネルギー伝播を発生させるように構成されている。反射型レンズ16を備えることにより、少ないレンズ構成で、透明基板10の屈折率に準じた回折限界のサイズまでレーザ光を集光し、入射されるレーザ光のエネルギーを効率よくプラズモン導波路11上のエネルギー伝播に変換することができる。
レーザ光は、透明基板10のプラズモン導波路11が形成されている平面に対して平行に進行し、回転楕円体の断面から反射型レンズ16に入射させることができるため、透明基板10の平面に直交するように入射させる構成に比べ、より小型な構成でレーザ光のエネルギーをプラズモン導波路11のエネルギー伝播に変換することができる。
第3の実施形態の変換素子103によれば、透明基板と平行な方向から入射されるレーザ光を、基板の屈折率に従う回折限界まで集光することができるようになるので、小型で高効率な変換素子を実現できる。
第4の実施形態の変換素子104は、図5の内部の側面図に示すように、第3の実施形態の変換素子103に、さらに、ケース17と光コネクタ18とを備えている。
ケース17は、金属またはプラスチックで形成され、変換素子104の各部材を囲んでいる。光コネクタ18は、ケース17に固定されており、光ファイバ19に設けた差込側の光コネクタ20を接続できる受け側の構成をもつ。光コネクタ18の種類には特に限定はなく、FC型、SC型、ST型、LC型など様々なもので構成することができる。光ファイバ19側の光コネクタ20を、変換素子104の光コネクタ18に取り付けることによって、特別な光軸等の調節を行わずに光ファイバ19からレーザ光を反射型レンズ16を介して金属ナノドット13に集光して照射できるように構成されている。
第4の実施形態の変換素子104によれば、入射されるレーザ光が光ファイバの形態で提供される場合において、光ファイバを簡単に取り付けられることができる。
第5の実施形態の変換素子105は、図6の内部の側面図に示すように、第4の実施形態の変換素子104に、さらに、セルフォックレンズ21と支持体22とを備えている。
セルフォックレンズ21は、ケース17に固定された光コネクタ18の、反射型レンズ16側に装着されており、光ファイバ19から放射される光を平行光に変換して反射型レンズ16に入射させる。平行光に変換されたレーザ光は、反射型レンズ16によりプラズモン導波路11の端部の金属ナノドット13に集光される。支持体22は、プラスチックなどを用いて構成され、プラズモン導波路11やその他の機能素子をケース17上に支える。セルフォックレンズ21と反射型レンズ16とは直接接続されておらず、ケース17や支持体22を介して互いにつながった構造をもつ。
第5の実施形態の変換素子105によれば、光コネクタ18にセルフォックレンズ21を装着し、光ファイバ19から放射される光を平行光に変換することにより、透明基板10と光コネクタ18との位置関係のずれがある場合、例えば、光軸のずれや距離の変化がある場合であっても、安定した動作を実現することができる。
第6の実施形態の変換素子106は、図7(a)の内部の側面図に示すように、第5の実施形態の変換素子105に接続される光ファイバ19を偏波保持ファイバ23としている。
偏波保持ファイバ23は、伝播する光の偏光方向を所定の偏光状態に保って伝播させる。例えば、図7(b)のような断面構造を有する偏波保持ファイバ23は、コア24を挟んで水平に並んだ2つの応力付与部25に対して垂直方向に電界の振動を有した偏光成分が伝播する。偏波保持ファイバ23の光コネクタ18への取り付けは、プラズモン導波路11上の必要なエネルギー伝播モードに合わせてされる。例えば、図7(a)に示すようにプラズモン導波路11に対してエネルギーの伝播方向に平行な電界振動のモードを励起させる場合には、図7(a)に矢印で示すような透明基板10の平面に直交する偏光方向(電界の振動方向)に、図7(b)に矢印で示される偏波保持ファイバ23の偏光方向を一致させる。
第6の実施形態の変換素子106によれば、光ファイバから入射されるレーザ光の偏光方向を、プラズモン導波路11に励起したい伝播モードに合わせて設定できるようになり、変換効率を安定させることができるとともに、より変換効率を向上させることができる。
第7の実施形態の変換素子107は、図8(a)の側面図及び図8(b)の平面図に示すように、透明基板30と金属膜31とプラズモンレンズ32とプラズモン導波路33とを備える。
透明基板30は、ガラス等の透明な材料で形成されおり、金属膜31を設ける平坦な面34と、平坦な面34に直交する入射面35と、平坦な面34及び入射面35に対して傾斜した反射面36とを有する。レーザ光は入射面35から入射され、反射面36で反射されて平坦な面34に設けられた金属膜31を照射する。
金属膜31は、例えば、厚み金、銀、アルミなどにより透明基板30の平坦な面34に設けられ、外部から所定の角度で入射されるレーザ光によって表面プラズモンを励起させる。金属膜31に励起された表面プラズモンは、金属膜31上を伝播してプラズモンレンズ32に入射される。
入射面35から入射するレーザ光の偏光方向(電界の振動方向)は、金属膜31に斜入射される際に、金属膜31に垂直な入射面内に電界の振動をもつP偏光となるようにされている。反射面36は、誘電体多層膜などの透明基板30に対する反射率を増加させるものではなく、透明基板30による全反射条件内でレーザ光が入射される構成となっている。例えば、厚み53nmの銀薄膜で形成された金属膜31に、空気中での波長633nmのレーザを斜入射させる場合、表面プラズモンを効率よく励起するための金属膜31に垂直な軸に対する入射角は43度付近となる。金属膜31に入射角43度付近で入射させるためには、金属膜31に平行な方向から入射されるレーザ光を、反射面36に対して入射角約64.5度で入射させるとよく、反射面36に対する入射角約64.5度は波長633nmの光に対して全反射の条件の範囲に含まれている。
プラズモンレンズ32は、金属膜31の上に金属ナノドット37を円弧状に複数個配置して構成され、金属膜31に励起されて伝播する表面プラズモンを円弧の中心付近に、近接場を伴って集光させる。金属ナノドット37は、例えば、厚み金、銀、アルミなどの材料を用いて形成され、金属膜31と同一材料でなくてもよい。具体的には、プラズモンレンズ32は、例えば図9に示すように、厚み50nmの金による金属膜31の上に直径約100nmの金による半球形状の金属ナノドットを、半径2μmの円弧上に7個配置して構成する。
プラズモン導波路33は、金属ナノドット37を近接して配置することにより形成されている。プラズモン導波路33の端部の金属ナノドット37は、プラズモンレンズ32の円弧の中心付近に配置され、プラズモンレンズ32により集光された表面プラズモン及び近接場光をプラズモン導波路33に結合する。プラズモン導波路33は、後段に接続されるスイッチなどの近接場光及びプラズモンを利用した信号処理部分へとエネルギー伝播を行う。プラズモン導波路11は、透明基板10に直接金属ナノドット13を配置したものなど他の構成をもつものであってもよく、透明基板10に設けた金属膜を上に金属ナノドット13を配置したものに限られるものではない。
第7の実施形態の変換素子107によれば、金属膜31に対して平行に入射されるレーザ光を反射面36で反射し、金属膜31に斜入射させることにより、表面プラズモンを発生させるための斜入射光学系及び変換素子107全体を簡単かつ小型に構成できる。
第8の実施形態の変換素子108は、図10の側面図に示すように、第7の実施形態の変換素子7において、さらに、レンズ38を備える。
レンズ38は、反射面36よりも入射側に配置されており、外部から変換素子108へ入射されるレーザ光を、金属膜31上に集光させる。レンズ38の集光スポットの大きさは、プラズモンレンズ32の大きさにより決められる。例えば、プラズモンレンズ32の幅、すなわち、プラズモンレンズ32の両端の金属ナノドット間の距離が2μmである場合、レンズ38の集光スポットを2〜4μm程度の直径とすることが好ましい。レーザ光はビームとして伝播する光であるため、レーザ光の直径は数mm程度必要であり、レーザ光の直径はプラズモンレンズ32の大きさに対して極端に大きい。レーザ光をレンズ38で集光させ、集光スポットをプラズモンレンズ32の大きさに近づけることにより、表面プラズモンを局所的に励起し、エネルギー変換効率の高い変換素子を構成することができる。
第8の実施形態の変換素子108によれば、レーザ光を集光して金属膜31に照射することにより、入射するレーザ光のエネルギーに対して、実質的にプラズモンレンズ32に入射されるエネルギーの割合を向上させることができるため、変換効率を向上させることができる。
第9の実施形態の変換素子109は、図11の側面図に示すように、第8の実施形態の変換素子8において、レンズ38を透明基板30に一体化したものである。第9の実施形態の変換素子109によれば、レーザ光を集光して金属膜31に照射することにより、入射するレーザ光のエネルギーに対して、実質的にプラズモンレンズ32に入射されるエネルギーの割合を向上させることができるため、変換効率を向上させることができる。
第10の実施形態の変換素子110は、図12の側面図に示すように、第9の実施形態の変換素子9において、反射面36に誘電体多層膜39を設けたものである。誘電体多層膜39は、二酸化珪素(SiO2)と二酸化チタン(TiO2)とを交互に積層させた多層膜など、一般的な多層膜で構成される。第1の実施形態の変換素子101のように、傾斜した透明基板10による反射面36のみでは、ガウスビームなど均一強度分布以外の光に対して完全な全反射とすることができない。第10の実施形態の変換素子110は、反射面36に誘電体多層膜39を設けることにより、ガウスビームなど均一強度分布以外の光が入射された場合においても高い反射率を得ることができる。
第11の実施形態の変換素子111は、図13の内部の側面図に示すように、第10の実施形態の変換素子110に、さらに、ケース40と光コネクタ41とを備えている。
ケース40は、金属またはプラスチックで形成され、変換素子111の各部材を囲んでいる。光コネクタ41は、ケース40に固定されており、光ファイバ42に設けた差込側の光コネクタ43を接続できる受け側の構成をもつ。光コネクタ41の種類には特に限定はなく、FC型、SC型、ST型、LC型など様々なもので構成することができる。光ファイバ42側の光コネクタ43を、変換素子111の光コネクタ41に取り付けることによって、特別な光軸等の調節を行わずに光ファイバ42からレーザ光を反射面36を介して金属膜31に集光して照射できるように構成されている。
第11の実施形態の変換素子111によれば、入射されるレーザ光が光ファイバの形態で提供される場合において、光ファイバを簡単に取り付けることができる。
第12の実施形態の変換素子112は、図14の内部の側面図に示すように、第11の実施形態の変換素子111に、さらに、セルフォックレンズ44と支持体45とを備えている。
セルフォックレンズ44は、ケース40に固定された光コネクタ41の、反射面36側に装着されており、光ファイバ42から放射される光を平行光に変換してレンズ38に入射させる。平行光に変換されたレーザ光は、レンズ38により金属膜31に集光される。支持体45は、プラスチックなどを用いて構成され、プラズモン導波路33やその他の機能素子をケース40上に支える。セルフォックレンズ44とレンズ38とは直接接続されておらず、ケース40や支持体45を介して互いにつながった構造をもつ。
第12の実施形態の変換素子112によれば、光コネクタ41にセルフォックレンズ44を装着し、光ファイバ42から放射される光を平行光に変換することにより、透明基板30と光コネクタ41との位置関係のずれがある場合、例えば、光軸のずれや距離の変化がある場合であっても、安定した動作を実現することができる。
第13の実施形態の変換素子113は、図15(a)の内部の側面図に示すように、第12の実施形態の変換素子112に接続される光ファイバ42を偏波保持ファイバ46としている。
偏波保持ファイバ46は、伝播する光の偏光方向を所定の偏光状態に保って伝播させる。例えば、図15(b)のような断面構造を有する偏波保持ファイバ46は、コア47を挟んで水平に並んだ2つの応力付与部48に対して垂直方向に電界の振動を有した偏光成分が伝播する。偏波保持ファイバ46の光コネクタ41への取り付けは、プラズモン導波路11上の必要なエネルギー伝播モードに合わせてされる。例えば、図15(a)に示すようにプラズモン導波路33に対してエネルギーの伝播方向に平行な電界振動のモードを励起させる場合には、図15(a)に矢印で示すような透明基板30の平面に直交する偏光方向(電界の振動方向)に、偏波保持ファイバ46の偏光方向を一致させる。
第13の実施形態の変換素子113によれば、光ファイバから入射されるレーザ光の偏光方向を、プラズモン導波路33に励起したい伝播モードに合わせて設定できるようになり、変換効率を安定させることができるとともに、より変換効率を向上させることができる。
第14の実施形態の変換素子114は、図16の側面図に示すように、第10の実施形態の変換素子110において、金属膜31のレーザ光が照射される位置にグレーティング(回折格子)49を設けたものである。
グレーティング49は、金属膜と同じ材質でレーザ光が照射されるガラス基板側とは反対の金属膜上に設けられ、長手方向をプラズモンレンズ32に入射させる表面プラズモンの伝播方向に直交させるように配置されている。長手方向の長さは、プラズモンレンズ32に入射される表面プラズモンが平面波となるように、プラズモンレンズ32の幅、すなわち、プラズモンレンズ32の両端の金属ナノドット37の距離より長くなるように構成されている。グレーティング49のピッチは、透明基板30側から斜めに照射されるレーザ光の、金属膜31に平行な成分の波長と一致するように構成されている。グレーティング49により、表面プラズモンが効率よく発生される。
第14の実施形態の変換素子114によれば、金属膜にレーザ光を照射させる際の入射角が、グレーティングを用いない場合に最も効率よく表面プラズモンを発生させる角度からずれて組みつけられた場合でも、効率よく表面プラズモンを発生させることができるため、金属膜のみの場合のような精密な入射角調整を必要としないとともに、長期間において安定した動作を得ることができ、さらに、量産時の歩留まりを向上させることができる。
第1の実施形態の変換素子の側面図である。 プラズモン導波路を伝播させる電界の振動方向とレーザ光の偏光方向との関係を示す図である。 第2の実施形態の変換素子の側面図である。 第3の実施形態の変換素子の側面図及び平面図である。 第4の実施形態の変換素子の側面図である。 第5の実施形態の変換素子の側面図である。 第6の実施形態の変換素子の側面図及び偏波保持ファイバの断面図である。 第7の実施形態の変換素子の側面図である。 プラズモンレンズの構成を示す平面図である。 第8の実施形態の変換素子の側面図である。 第9の実施形態の変換素子の側面図である。 第10の実施形態の変換素子の側面図である。 第11の実施形態の変換素子の側面図である。 第12の実施形態の変換素子の側面図である。 第13の実施形態の変換素子の側面図である。 第14の実施形態の変換素子の側面図である。
符号の説明
101;変換素子、102;変換素子、103;変換素子、104;変換素子、
105;変換素子、106;変換素子、10;透明基板、11;プラズモン導波路、
12;レンズ、13;金属ナノドット、14;スイッチ、15;半球形レンズ、
16;反射型レンズ、17;ケース、18;光コネクタ、19;光ファイバ、
20;光コネクタ、21;セルフォックレンズ、22;支持体、
23;偏波保持ファイバ、24;コア、25;応力付与部、107;変換素子、
108;変換素子、109;変換素子、110;変換素子、111;変換素子、
112;変換素子、113;変換素子、114;変換素子、30;透明基板、
31;金属膜、32;プラズモンレンズ、33;プラズモン導波路、34;平坦な面、
35;入射面、36;反射面、37;金属ナノドット、38;レンズ、
39;誘電体多層膜、40;ケース、41;光コネクタ、42;光ファイバ、
43;光コネクタ、44;セルフォックレンズ、45;支持体、
46;偏波保持ファイバ、47;コア、48;応力付与部、49;グレーティング。

Claims (12)

  1. レーザ光のエネルギーを前記レーザ光の波長以下のサイズで透明基板上に配置された金属ナノドットに存在するエネルギーに変換する変換素子であって、
    前記透明基板側から照射されるレーザ光を前記金属ナノドットに集光する集光光学系を備えることを特徴とする変換素子。
  2. 前記集光光学系は、前記透明基板と一体化された半球形状のレンズを有する請求項1に記載の変換素子。
  3. 前記集光光学系は、前記透明基板と一体化された反射型のレンズを有する請求項1に記載の変換素子。
  4. レーザ光のエネルギーを前記レーザ光の波長以下のサイズで透明基板上に配置された金属ナノドットに存在するエネルギーに変換する変換素子であって、
    金属膜と反射面とプラズモンレンズとを備え、
    前記金属膜は、前記透明基板上に設けられ、
    前記反射面は、前記透明基板側において前記レーザ光を前記金属膜に向けて反射し、前記金属膜に表面プラズモンを発生させる入射角で前記金属膜に斜入射させ、
    前記プラズモンレンズは、前記表面プラズモンを前記金属ナノドットに集中させることを特徴とする変換素子。
  5. 前記レーザ光を前記金属膜に集光する集光光学系を備える請求項4に記載の変換素子。
  6. 前記集光光学系は、前記透明基板と一体化されたレンズを有する請求項5に記載の変換素子。
  7. 前記反射面は、誘電体多層膜を有する請求項4から請求項6のいずれかに記載の変換素子。
  8. 前記金属膜は、レーザ光が照射される領域にグレーティングを有する請求項4から請求項7のいずれかに記載の変換素子。
  9. 前記金属ナノドットは、プラズモン導波路の一端に設けられている請求項1から請求項8のいずれかに記載の変換素子。
  10. 前記レーザ光を出射する光ファイバを固定できる光コネクタを備える請求項1から請求項9のいずれかに記載の変換素子。
  11. 前記光コネクタは、前記光ファイバから出射されたレーザ光を透過するレンズを有する請求項10に記載の変換素子。
  12. 前記光ファイバは、偏波保持ファイバである請求項10または請求項11に記載の変換素子。
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