JP2006171129A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】像担持体から転写材にトナー像を転写する時とは逆方向に像担持体を移動させる際に転写手段にトナーが付着することを防止することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体50と、像担持体50上のトナー像を転写材Sに転写するための転写手段52と、転写手段52にバイアスを出力するバイアス出力手段56と、を有する画像形成装置は、バイアス出力手段56が第1のバイアスを出力すると共に像担持体52が第1の方向に移動して像担持体52上のトナー像が転写材Sに転写される第1の動作と、バイアス出力手段56が第2のバイアスを出力すると共に像担持体52が第1の方向とは逆方向である第2の方向に移動する第2の動作と、を行い、第1のバイアスと第2のバイアスとは極性が異なる構成とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機等の画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置は、一般的に、電子写真感光体(感光体)から被転写体へトナー像を転写した後に感光体上に残ったトナー(転写残トナー)を掻き落とすために、クリーニングブレードを備えたクリーニング装置を有する。又、転写残トナーを、例えば現像装置によって回収することで、クリーニング装置を省略したクリーナレスシステムも提案されている。
そして、クリーニング装置を有する画像形成装置において、クリーニングブレードのエッジ部での転写残トナーの感光体への固着を防止するために、感光体を逆回転させること(特許文献1)、或いは2成分現像方式を用いたクリーナレス画像形成装置において、ジャム(紙詰まり)等の異常が発生した場合の緊急停止動作後、或いは電源瞬断(停電等により強制的に電源がオフされること。)後に帯電部などへ未転写トナーが付着するのを防止するために、復帰動作時に感光体を逆回転させること(特許文献2)などが提案されている。このように、必要に応じて感光体を逆回転させる場合がある。
又、感光体上の画像を一度中間転写体に転写した後に転写材に転写する中間転写方式の画像形成装置では、上述のような要求により感光体を逆回転させる場合、感光体と中間転写体の摺擦を防止するため、中間転写体も感光体の動作に合わせて逆回転させる場合がある。
しかしながら、感光体又は中間転写体を逆回転させると、感光体又は中間転写体上の通常の回転方向において転写部より下流側にある転写残トナー、或いはクリーニング部に蓄積された転写残トナーが、転写部に戻ってきてしまうことがある。そして、この転写部に戻ってきたトナーが、多くの場合スポンジローラ等が用いられている転写手段に付着し、その後の画像形成時に転写材の裏面等を汚すことがある。
この問題は、例えば中間転写体を用いた画像形成装置において、転写手段の対向部材が、中間転写体のクリーニング手段の対向部材を兼ねる構成等、転写部とクリーニング手段の距離が近い場合には、多量の転写残トナーが転写部に戻ってくるために特に深刻なものとなる虞がある。
例えば、感光体又は中間転写体から転写手段を離間する離間機構を設けることによって、感光体又は中間転写体を逆回転させる時に転写手段を離間させて、転写手段にトナーが付着することを防止することが可能であると考えられる。しかしながら、このような転写手段の離間機構を設けることは、装置のコストアップにつながる。
特開2003−015471号公報 特開2003−015481号公報
本発明の目的は、像担持体から転写材にトナー像を転写する時とは逆方向に像担持体を移動させる際に転写手段にトナーが付着することを防止することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写材に転写するための転写手段と、前記転写手段にバイアスを出力するバイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、前記バイアス出力手段が第1のバイアスを出力すると共に前記像担持体が第1の方向に移動して前記像担持体上のトナー像が転写材に転写される第1の動作と、前記バイアス出力手段が第2のバイアスを出力すると共に前記像担持体が前記第1の方向とは逆方向である第2の方向に移動する第2の動作と、を行い、前記第1のバイアスと前記第2のバイアスとは極性が異なることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、像担持体から転写材にトナー像を転写する時とは逆方向に像担持体を移動させる際に転写手段にトナーが付着することを防止することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
[画像形成装置の全体構成及び動作]
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面を示す。本実施例の画像形成装置100は、2成分現像方式、中間転写方式を採用したタンデム型の画像形成装置である。即ち、本実施例の画像形成装置100は、静電像が形成された後トナーが供給されることで形成されるトナー像を担持する潜像担持体としての第1の像担持体と、この第1の像担持体から転写されるトナー像を担持する中間転写体としての第2の像担持体とを有する。画像形成装置100は、画像形成装置本体に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器或いは画像読み取り装置からの画像情報信号に従って、電子写真方式により転写材(記録用紙、OHPシート、布等)にフルカラー画像を形成し得る。
画像形成装置100は、複数の像形成手段として、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像を形成する第1、第2、第3及び第4の画像形成部PY、PM、PC、PKを有する。本実施例では、各画像形成部の構成及び動作は、現像色が異なる以外は実質的に同一であるので、以下、特に区別を要しない場合は、何れかの色用の画像形成部に属する要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して総括的に説明する。
画像形成装置100は、各画像形成部Pにおいて、画像信号に基づいて、第1の像担持体としての円筒型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)1上に単色トナー像が形成され、この単色トナー像が第2の像担持体としてのベルト状の中間転写体(以下「中間転写ベルト」という。)50上で重ね合わされて多色トナー像が形成される。そして、この多色トナー像が中間転写ベルト50から転写材Sへと転写された後、その多色トナー像が転写材S上に定着される。
更に説明すると、画像形成部Pは、感光ドラム1の周囲に、帯電手段としての帯電器2、露光手段としてのレーザースキャナ3、現像手段としての現像器4を有する。そして、各画像形成部Pの感光ドラム1に対向するように中間転写ベルト50を備えた転写ユニット5が設けられている。
本実施例では、感光ドラム1は、アルミシリンダの外周に有機光導伝層を塗布して構成される。感光ドラム1は、駆動手段としての駆動モータ(図示せず)の駆動力が伝達されて回転する。駆動モータは、感光ドラム1を正逆回転させることが可能であり、通常の画像形成時、即ち、転写材Sに転写して出力すべき画像の形成時には、画像形成動作に応じて感光ドラム1を図示矢印F1方向(反時計周り)に回転(以下「順回転」という。)させる。
通常の画像形成時には、回転する感光ドラム1は、帯電器2により一様に帯電される。本実施例では、帯電器2は、感光ドラム1に接触して感光ドラム1の回転に対し従動回転する帯電ローラである。帯電ローラ2には、帯電バイアスとして所定の極性(本実施例では負極性)のDC電圧が、帯電バイアス電源(図示せず)から印加される。
帯電された感光ドラム1は、レーザースキャナ3により、画像信号に応じて走査露光される。これにより、感光ドラム1上に静電像(潜像)が形成される。露光光は、画像信号に基づいて画像処理部(図示せず)が変換した信号に応じて画像形成制御部(図示せず)により駆動されたレーザースキャナ3から送られる。この光により感光ドラム1の表面が選択的に露光されることで、感光ドラム1上に静電像が形成される。
感光ドラム1に形成された静電像は、現像器4によってトナー像として現像される。本実施例では、現像器4は、現像剤として非磁性トナー粒子(トナー)と、磁性キャリア粒子(キャリア)とを備えた2成分現像剤を収容している。又、現像器4は、現像剤担持体として回転自在に設けられた現像スリーブ41を有する。現像スリーブ41は、非磁性の金属で形成されており、磁界発生手段としてのマグネットロール(図示せず)を内蔵している。マグネットロールは、周面に沿って複数の磁極を有し、現像器4に対し固定配置されている。
現像器4内に収容された2成分現像剤は、マグネットロールの磁力によって現像スリーブ41の表面に担持される。現像スリーブ41上に担持された2成分現像剤は、現像剤規制部材(図示せず)によってその量が規制されると共に、現像スリーブ41の回転によって感光ドラム1と対向する領域(現像領域)に搬送される。マグネットロールが現像領域付近に有する磁極により形成された磁界によって、現像スリーブ41上の2成分現像剤は現像領域において穂立ち(磁気ブラシ)を形成する。本実施例では、この磁気ブラシを感光ドラム1に接触させる。又、現像スリーブ41には、所定の極性(本実施例では負極性)・電位のDC電圧と、AC電圧との両成分を重畳した現像バイアスが、現像バイアス電源(図示せず)から印加される。これによって、感光ドラム1上の静電像に応じて2成分現像剤中のトナーが感光ドラム1に供給される。
本実施例では、感光ドラム1上の静電像は、反転現像、即ち、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、感光ドラム1上の露光部(電位が減衰した部分)に付着させることにより現像される。又、現像器4は、画像形成装置本体に対して脱着可能に取り付けられている。現像器4には、画像形成装置本体に対して着脱可能な、補給現像剤容器としてのトナーカートリッジ11が接続されている。そして、現像により消費した量に相当するトナーを含む補給現像剤が、トナーカートリッジ11から現像器4に随時補給されるようになっている。
尚、本実施例の現像器4は、後述のように、感光ドラム1上の転写残トナーを除去するクリーニング手段を兼ねる。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写ユニット5が備える中間転写ベルト50に転写(一次転写)される。本実施例では、中間転写ベルト50は、3個のローラ53、54、55に掛け回されて、各画像形成部Pの感光ドラム1に接触して回転(周回移動)する。中間転写ベルト50は、駆動手段としての駆動モータ(図示せず)の駆動力が上記3個のローラのうち駆動ローラ53に伝達されることにより回転する。駆動モータは、駆動ローラ53を正逆回転させることで、中間転写ベルト50を正逆回転させることが可能であり、通常の画像形成時には、中間転写ベルト50を図示矢印F2方向(時計周り)に回転(以下「順回転」という。)させる。中間転写ベルト50を介して一次転写手段としての一次転写ローラ51が感光ドラム1に押圧され、中間転写ベルト50と感光ドラム1とが当接するニップ(一次転写部)n1が形成されている。
例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム1の回転に伴って中間転写ベルト50が回転すると共に、各一次転写ローラ51にトナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性(本実施例では正極性)のバイアス(一次転写バイアス)が、一次転写バイアス電源(図示せず)から印加される。これにより、各感光ドラム1上の単色トナー像が、一次転写部n1において順次に中間転写ベルト50に転写される。
その後、中間転写ベルト50上の多色トナー像は、転写材Sに一括して転写(二次転写)される。本実施例では、中間転写ベルト50と、二次転写手段としての二次転写ローラ52とで転写材Sを挟持搬送する。又、二次転写ローラ52にトナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性(本実施例では正極性)のバイアス(二次転写バイアス)が、二次転写バイアス電源56(図3)から印加される。これによって、中間転写ベルト50上の多色トナー像が、転写材Sに転写される。二次転写ローラ52は、中間転写ベルト50が張架されたローラのうち、対向部材としての対向ローラ53に対向して配置される。二次転写ローラ52は、常に中間転写ベルト50に向けて押圧されており、常時中間転写ベルト50と二次転写ローラ52とが当接するニップ(二次転写部)n2が形成されている。
ここで、転写材Sは、転写材供給部としてのカセット9a、或いは手差しトレイ9bから1枚ずつ送り出された後、レジストローラ10によって中間転写ベルト50上の多色トナー像と同期がとられて二次転写部n2に搬送されてくる。
多色トナー像が転写された転写材Sは、中間転写ベルト50から分離されて、定着手段としての定着部7に搬送される。定着部7は、転写材Sを加熱する定着ローラ71と、転写材Sを定着ローラ71に圧接させるための加圧ローラ72を備えている。両ローラ71、72は、中空状に形成され、それぞれヒータ73、74を内蔵する。定着部7は、転写材Sを定着ローラ71と加圧ローラ72とで挟持搬送することにより、転写材S上に転写された多色トナー像を溶融定着させる。即ち、多色トナー像を保持した転写材Sは、定着ローラ71と加圧ローラ72により搬送されると共に、熱及び圧力を加えられ、トナーが表面に定着される。
トナー像が定着された転写材Sは、その後、排出ローラ(図示せず)によって排出トレイ(図示せず)に排出される。
一次転写工程で感光ドラム1に残った転写残トナーは、現像器2によって現像同時クリーニングされる。つまり、一次転写工程で感光ドラム1に残った転写残トナーは、一次転写バイアスの影響を受けて、正極性に変化している。この転写残トナーは、帯電ローラ2と感光ドラム1との間に形成されたニップを通過する際に、帯電ローラ2に印加された帯電バイアスによって再び負極性に帯電される。そして、更に感光ドラム1の回転によって搬送されて現像領域を通過する際に現像バイアスによって、現像器4内のトナーと同様に、非画像部では現像スリーブ41側に戻り、画像部では感光ドラム1へ付着する。このように、本実施例では、現像器4に、転写残トナーを回収・再利用する機能を持たせることで、クリーナレスシステムが実現されている。即ち、本実施例では、現像領域が、感光ドラム1のクリーニング部CL1となる。
一方、二次転写工程で中間転写ベルト50に残った転写残トナーは、クリーニング手段としての中間転写体クリーナ8によってクリーニングされる。中間転写体クリーナ8は、中間転写ベルト50上の転写残トナーを掻き落とすクリーニング部材としてのクリーニングブレード81と、掻き落とされたトナーを捕集するすくいシート82とを有する。クリーニングブレード81は、自由端側のエッジ部が中間転写ベルト50の表面に当接し、中間転写ベルト50上の転写残トナーを掻き取る。即ち、本実施例では、クリーニングブレード81の中間転写ベルト50への当接部が、中間転写ベルト50のクリーニング部CL2となる。クリーニングブレード81により中間転写ベルト50から除去された転写残トナーは、廃トナー容器(図示せず)に蓄えられる。又、本実施例ではクリーニングブレード81は、常時中間転写ベルト50に向けて押圧されている。
尚、画像形成装置100は、所望の色用の単一若しくは複数の画像形成部を用いて、単色又はマルチカラー画像を形成することも当然可能である。
[復帰動作]
本実施例では、画像形成装置100は、ジャム(紙詰まり)等の異常が発生した場合に、緊急停止動作を行う。緊急停止動作としては、感光ドラム1、中間転写ベルト50の回転駆動停止、帯電ローラ2、現像スリーブ41、一次転写ローラ51、二次転写ローラ52などへのバイアス供給停止などが挙げられる。
そして、このような緊急停止動作後、或いは電源瞬断時(停電等による強制的に電源がオフされること。)後に、再び画像形成装置100が動作可能な状態になった際には、画像形成装置100は、所定の復帰動作を行った後に、画像形成を再開することが可能な状態となる。
つまり、ジャム(紙詰まり)等による緊急停止動作時、或いは電源瞬断時などに感光ドラム1が停止されると、図2(a)に示すように帯電ローラ2と一次転写ローラ51との間に未転写トナーtが残ることがある。このため、本実施例では、上述のような緊急停止動作後、或いは電源瞬断後の復帰動作時において、図2(b)に示すように感光ドラム1を通常の画像形成時とは逆方向である図示矢印B1方向(時計回り)に回転(以下「逆回転」という。)させると共に、現像器4の現像スリーブ41に回収バイアス(例えば、通常の画像形成時とは逆極性のバイアス)を印加して、未転写トナーを現像器4に回収する。これにより、帯電ローラ2に未転写トナーtが付着することを防止する。
ところで、上記復帰動作時には、感光ドラム1に当接して配置された中間転写ベルト50が感光ドラム1と摺擦することにより、感光ドラム1或いは中間転写ベルト50の表面が磨耗することなどを防ぐために、中間転写ベルト50も感光ドラム1の動きに合わせて、通常の画像形成時とは逆方向である図示矢印B2方向(反時計回り)に回転(以下「逆回転」という。)させる必要がある。
しかしながら、中間転写ベルト50の順回転方向F2における二次転写ローラ52からクリーニング部CL2までの距離をLとすると、中間転写ベルト50を距離L以上逆回転させた場合、中間転写体クリーナ8に蓄積されていた転写残トナーtが二次転写部n2に戻ってくる。
この時、特に二次転写ローラ52が中間転写ベルト50に常に当接している構成では、この二次転写部n2に戻ってきた転写残トナーtが二次転写ローラ52に付着し、その後の印字時に転写材Sの裏面を汚し易くなる。又、転写ベルト50を逆回転させる距離がL以下である場合も、中間転写ベルト50上に微量に残されていた転写残トナーtが二次転写ローラ52に付着することがある。
そこで、本実施例では、画像形成装置100は、二次転写ローラ52にバイアスを出力するバイアス出力手段としての二次転写バイアス電源56が第1のバイアスを出力すると共に中間転写ベルト50が第1の方向(順回転方向)F2に移動して中間転写ベルト50上のトナー像が転写材Pに転写される第1の動作と、二次転写バイアス電源56が第2のバイアスを出力すると共に中間転写ベルト50が第2の方向(逆回転方向)B2に移動する第2の動作と、を行い、第1のバイアスと第2のバイアスとの極性を異ならせる構成とする。
本実施例では、上記第1の動作は通常の画像形成時に行われ、この時転写バイアス電源56は、第1のバイアスとして通常の画像形成時の二次転写バイアス、即ち、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)のバイアス(以下「正規極性バイアス」という。)を出力する(図3)。一方、本実施例では、上記第2の動作は復帰動作時に行われ、この時転写バイアス電源56は、第2のバイアスとして通常の画像形成時の二次転写バイアスとは逆極性、即ち、トナーの正規の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)のバイアス(以下「逆極性バイアス」という。)を出力する(図4)。
更に説明すると、図3(a)は通常の画像形成時の二次転写部n2を示しており、図3(b)はその時の中間転写ベルト50の回転、二次転写ローラ52に印加するバイアスの概略制御チャートを示す。本実施例では、通常の画像形成時には、中間転写ベルト50は順回転(矢印F2方向)して、二次転写ローラ52には正規極性バイアス(本実施例では正極性)が印加される。
一方、図4(a)、(b)は復帰動作時において中間転写ベルト50を逆回転させる際の図3(a)、(b)と同様の図を示している。本実施例では、復帰動作時において、中間転写ベルト50を逆回転(矢印B2方向)させる時には、二次転写ローラ52に逆極性バイアス、即ち、トナーの正規の帯電極性と同極性であり、且つ、通常の画像形成時とは逆極性のバイアス(本実施例では負極性)が印加される。これによって、電気的反発力によって、転写残トナーtが二次転写ローラ52に付着することを抑制することができる。
ここで、図4(b)に示すように、中間転写ベルト50の逆回転を開始する前から逆極性バイアスの印加を開始し、逆回転終了後に逆極性のバイアスの印加を終了することが好ましい。これにより、より確実に転写残トナーが二次転写ローラ52に付着することを抑制することができる。
又、本実施例では、復帰動作において、次の画像形成動作に備えるために、上述のようにして感光ドラム1を逆回転させた後に、感光ドラム1を順回転させて準備動作を行う(例えば、感光ドラム1の数回転分、帯電、露光を行う。)。この時、上記同様の理由から、中間転写ベルト50も同様に順回転する。
図5(a)、(b)は、復帰動作時において中間転写ベルト50を逆回転させた後に順回転させる際の、図3(a)、(b)と同様の図を示している。本実施例では、復帰動作時において再び中間転写ベルト50を順回転させる時に、その順回転を開始した後所定時間以上は、二次転写ローラ52に逆極性バイアス(本実施例では負極性)が印加される。
つまり、本実施例では、復帰動作時に、中間転写ベルト50を逆回転させると共に転写バイアス電源56が第2のバイアス(逆極性バイアス)を出力する第2の動作と、この第2の動作の後に連続して中間転写ベルト50を順回転させる第3の動作とが行われる。そして、この第3の動作において、中間転写ベルト50の順回転が開始した後に所定時間以上は、転写バイアス電源56は第3のバイアス(逆極性バイアス)を出力する。
尚、中間転写ベルト50が逆回転する時に二次転写バイアス電源56が出力する第2のバイアスと、中間転写ベルト50が順回転する時に二次転写バイアス電源56が出力する第3のバイアスとの値は、同じであっても異なっていてもよい。
ここで、上記所定時間は、中間転写ベルト50を逆回転させることにより二次転写部n2を通過した転写残トナー(クリーニング部CL2から運ばれたもの等)が、中間転写ベルト50を再び順回転させることにより二次転写部n2を通過し終わるのに十分な時間以上であることが望ましい。つまり、上記所定時間は、好ましくは、上記第2の動作により中間転写ベルト50を逆回転させた距離だけ、上記第3の動作により中間転写ベルト50を順回転させるのに必要な時間である。
このように、中間転写ベルト50を逆回転させた後に順回転させる際に、その順回転を開始した後所定時間以上は、逆極性バイアス(本実施例では負極性)を二次転写ローラ52に印加する。これによって、一度、二次転写部n2よりも中間転写ベルト50の順回転方向F2において上流側に移動した転写残トナーが、中間転写ベルト50を順回転させることにより二次転写ローラ52に付着することを抑制することができる。
又、二次転写手段が本実施例のようにローラ形状である場合、上記所定時間を、ローラを1回転させるのに必要な時間以上とすることによって、仮に二次転写ローラ52の外周にトナーが付着している場合にも、そのトナーを電気的反発力により二次転写ベルト50に戻し、ローラの全周にわたり汚れを抑制することができる。
更に、図5(b)に示すように、中間転写ベルト50を逆回転させた後に順回転させる際に、その順回転を開始する前から逆極性バイアスの印加を開始することが好ましい。これにより、より確実に転写残トナーが二次転写ローラ52に付着することを抑制することができる。
本実施例では、制御手段として、画像形成装置100の動作を統括制御する画像形成制御部のコントローラ12が、感光ドラム1、中間転写ベルト50の回転、帯電ローラ2、現像スリーブ41、一次転写ローラ51、二次転写ローラ52へのバイアスの印加等を制御する。通常の画像形成時には、コントローラ12は、記憶手段としてのROMに記憶されている画像形成プログラムに従って、画像形成装置100の各部をシーケンス動作させることにより転写材Sに画像を形成して出力させる。コントローラ12は、通常の画像形成動作中にジャム(紙詰まり)等の異常を検知すると、画像形成装置100の動作を緊急停止する。そして、コントローラ12は、画像形成装置100が緊急停止する原因となった障害が除去されたことを検知した後に、ROMに記憶された復帰動作プログラムに従って、上述のような復帰動作を行う(例えば停電等により不意に電源が遮断された後に電源が再び投入された後も同様である。)。
コントローラ12は、復帰動作時には、駆動モータを制御することにより、所定のタイミングで感光ドラム1及び中間転写ベルト50を正逆回転させる。又、図3〜5に示すように、二次転写バイアス電源56は、出力するバイアスの極性を切り替えるための切り替え手段56aを有する。コントローラ12は、復帰動作時に、所定のタイミングで切り替え手段56aを作動させて、二次転写バイアス電源56が出力するバイアスの極性を切り替える。
尚、上述のように、中間転写ベルト50の順回転方向F2における二次転写ローラ52からクリーニング部CL2までの距離L以上中間転写ベルト50を逆回転させる際に、クリーニング部CL2から運ばれる転写残トナーtが二次転写ローラ52に到達することにより、二次転写ローラ52へのトナーの付着がより顕著となる。従って、例えば上述の復帰動作時において、中間転写ベルト50の逆回転量が可変とされている場合などには、中間転写ベルト50を距離L以上逆回転させるときのみ、二次転写ローラ52に逆極性バイアスを印加してもよい。この場合、二次転写ローラ52への逆極性バイアスの印加を開始するタイミングは、中間転写ベルト50の逆回転を開始する前の所定のタイミング、或いは中間転写ベルト50の逆回転を開始する際に中間転写体クリーナ8のクリーニング部CLにあった中間転写ベルト50上の位置が二次転写部n2に到達する前の所定のタイミング等とすることができる。
以上、本実施例によれば、中間転写ベルト50と二次転写ローラ52との離間機構を要することなく、簡易な構成で、ジャム(紙詰まり)後、或いは電源瞬断後の復帰動作時等に、中間転写ベルト50を逆回転させる時及びその後の順回転開始時の二次転写ローラ52の汚れを抑制することが可能となる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。図6は、本実施例の画像形成装置200の要部概略断面を示す。本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置100と実質的に同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施例の画像形成装置200は、1成分現像方式を採用している。即ち、現像器4は、実質的にトナー粒子のみから成る現像剤(外添剤等を含んでいてよい。)を用いて、感光ドラム1上に形成された静電像をトナー像として現像する。現像器4による現像動作は、実施例1と概略同様であり、現像剤担持体としての現像スリーブ41上にトナーを担持して現像領域に搬送することにより、感光ドラム1上の静電像に応じて感光ドラム1にトナーを供給し、静電像をトナー像として現像する。
又、本実施例の画像形成装置200は、感光ドラム1上の転写残トナーを掻き落とすクリーニング手段としての感光体クリーナ6を有している。本実施例では、感光体クリーナ6は、クリーニング部材として、感光ドラム1に当接するクリーニングブレード61を有する。クリーニングブレード61は、自由端側のエッジ部が感光ドラム1の表面に当接し、感光ドラム1上の転写残トナーを掻き取る。又、クリーニングブレード61によって掻き落とされた転写残トナーは、すくいシート62によって捕集される。本実施例では、感光体クリーナ6のクリーニングブレード61の感光ドラム1への当接部が、感光ドラム1のクリーニング部CL1となる。
更に、本実施例の画像形成装置200では、中間転写ベルト50は、2つのローラ53、54に掛け回されている。そして、本実施例では、二次転写ローラ52と中間転写クリーナ8とは、対向部材として中間転写ベルト50が張架されたローラのうち対向ローラ(対向部材)53に対向して配置されている。即ち、中間転写ベルト50上のトナー像を転写材Sに転写する二次転写ローラ52の対向部材が、中間転写ベルト50上の転写残トナーを掻き落とす中間転写体クリーナ8の対向部材を兼ねており、二次転写ローラ52と中間転写体クリーナ8とは、中間転写ベルト50を介して同一部材に対向する。本実施例では、二次転写ローラ52、及び中間転写体クリーナ8のクリーニングブレード81は、常時中間転写ベルト50に当接している。クリーニングブレード81の中間転写ベルト50への当接部が、中間転写ベルト50のクリーニング部CL2となる。
本実施例の画像形成装置200のその他の構成は、実質的に実施例1の画像形成装置100と同じである。
本実施例の画像形成装置200は、感光ドラム1上の転写残トナーtを感光体クリーナ6のクリーニングブレード61によって掻き落とすため、クリーニングブレード61のエッジ部の転写残トナーtが圧力を受けて凝集し、一定量の転写残トナーが滞留し続ける。こうして凝集した転写残トナーtは、感光ドラム1の動作を停止すると、図7(a)に示すように、そのままクリーニングブレード61のエッジ部に残ることとなる。特に、高温高湿環境等においては、この転写残トナーtは、クリーニングブレード61のエッジ部及び感光ドラム1に固着し易く、クリーニング不良や画像欠陥の原因となることがある。
上述のような感光体クリーナ6のクリーニングブレード61のエッジ部への転写残トナーtの固着を防ぐためには、画像形成動作の終了後に、図7(b)に示すように感光ドラム1を逆回転させ、クリーニングブレード61のエッジ部の圧力を解放し、転写残トナーtをならす動作(トナー固着防止動作)を行うことが効果的である。
又、転写残トナーをならす効果を増大させるために、感光ドラム1の逆回転の合間に、感光ドラム1を停止又は順回転させる動作を挟み、これを数回繰り返すこともできる。
尚、トナー固着防止動作は、画像形成動作の終了毎に行うこともできるが、定期的に行ったり、高温高湿環境であることを環境検知センサにより検知した際に行ったりすることもできる。
このように感光ドラム1の逆回転、更にはその逆回転の合間に停止又は順回転を行う際に、実施例1と同様、感光ドラム1、中間転写ベルト50の摺擦による摩耗等を防ぐために、中間転写ベルト50を感光ドラム1の動きに合わせて、逆回転、或いは逆回転及び停止若しくは順回転させる必要がある。
しかしながら、実施例1にて説明したように、中間転写ベルト50を逆回転させると、中間転写体クリーナ8に蓄積されていた転写残トナーtが二次転写部n2に戻ってくる。特に、本実施例のように、二次転写ローラ50と中間転写体クリーナ8とが同一の部材に対向し、二次転写部n2と中間転写体クリーナ8のクリーニング部CL2との間の距離が短くなっている場合には、中間転写ベルト50を逆回転させると、クリーニング部CL2から運ばれた転写残トナーtは直ぐに二次転写部n2に到達する。そのため、二次転写ローラ52が中間転写ベルト50に常に当接している構成では、二次転写ローラ52にこの転写残トナーtが付着することによって、その後の画像形成時に転写材Sの裏面を汚し易くなる。
そこで、本実施例の画像形成装置200では、実施例1と同様、二次転写ローラ52に逆極性バイアスを印加することにより、電気的反発力によって、転写残トナーが二次転写ローラ52に付着することを抑制する。
更に説明すると、本実施例では、上記トナー固着防止動作として、感光ドラム1及び中間転写ベルト50の逆回転と停止を複数回繰り返す。
そして、本実施例によれば、図8(a)、(b)に示すように、中間転写ベルト50を逆回転(矢印B2方向)させる時、及び中間転写ベルト50の逆回転の合間に挟まれる停止時に、二次転写ローラ52に逆極性バイアス、即ち、トナーの正規の帯電極性と同極性であり、且つ、通常の画像形成時とは逆極性のバイアス(本実施例では負極性)が印加される。本実施例では、中間転写ベルト50の逆回転及び停止を繰り返す一連の動作中、二次転写ローラ52に連続して逆極性バイアスが印加され続ける。これによって、転写残トナーtが二次転写ローラ52に付着することを抑制することができる。
即ち、本実施例では、二次転写バイアス電源56が第2のバイアス(逆極性バイアス)を出力すると共に中間転写ベルト50が第2の方向(逆回転方向)B2に移動する第2の動作は、トナー固着防止動作時に行われる。又、本実施例では、トナー固着防止動作時に、少なくとも2回の第2の動作を行う際に、第2の動作と第2の動作の間に連続して、中間転写ベルト50が停止又は順回転(本実施例では特に停止)する第4の動作を行い、この第4の動作において、二次転写バイアス電源56は上記第2のバイアス(逆極性バイアス)と同極性の第4のバイアスを出力する。
尚、中間転写ベルト50が逆回転する時に二次転写バイアス電源56が出力する第2のバイアスと、中間転写ベルト50が停止又は順回転(本実施例では特に停止)する時に二次転写バイアス電源56が出力する第4のバイアスとの値は、同じであっても異なっていてもよい。
又、図9(a)、(b)に示すように、実施例1と同様に、再び中間転写ベルト50を順方向に回転させる(第3の動作)時に、上記第2の動作により中間転写ベルト50を逆回転させた距離だけ中間転写ベルト50を順回転させるのに必要な時間以上、逆極性バイアス(本実施例では負極性)を二次転写ローラ52に印加することが好ましい。これによって、一度二次転写部n2よりも中間転写ベルト50の順回転方向F2において上流側に移動した転写残トナーが、二次転写ローラ52に付着することを抑制する。
本実施例では、上記第4の動作として中間転写ベルト50の逆回転の合間に中間転写ベルトを停止させたが、上記第4の動作として上記停止動作の代わりに若しくは加えて、中間転写ベルト50の逆回転の合間に中間転写ベルト50を順回転させることができる。
実施例1と同様に、本実施例では、制御手段として、画像形成装置100の動作を統括制御する画像形成制御部のコントローラ12が、感光ドラム1、中間転写ベルト50の回転、帯電ローラ2、現像スリーブ41、一次転写ローラ51、二次転写ローラ52へのバイアスの印加等を制御する。通常の画像形成時には、コントローラ12は、記憶手段としてのROMに記憶されている画像形成プログラムに従って、画像形成装置100の各部をシーケンス動作させることにより転写材Sに画像を形成して出力させる。又、コントローラ12は、通常の画像形成動作の終了後(例えば、1つのジョブ(一の画像形成開始指示による単数又は複数の転写材に対する一連の画像形成動作)が終了する毎)に、ROMに記憶されたトナー固着防止動作プログラムに従って、上述のような復帰動作を行う。
コントローラ12は、トナー固着防止動作時には、駆動モータを制御することにより、所定のタイミングで感光ドラム1及び中間転写ベルト50を正逆回転、又停止させる。又、コントローラ12は、トナー固着防止動作時に、所定のタイミングで切り替え手段56aを作動させて、二次転写バイアス電源56が出力するバイアスの極性を切り替える。
以上、本実施例によれば、中間転写ベルト50と二次転写ローラ52との離間機構を要することなく、簡易な構成で、トナー固着防止動作時等に中間転写ベルト50の逆回転時だけでなく逆回転動作の合間に挟まれる停止時にも逆極性バイアスを二次転写ローラ52に印加することによって、二次転写ローラ52の汚れを確実に抑制することができる。
実施例3
次に、本発明の更に他の実施例について説明する。
上記各実施例では、本発明を中間転写方式の画像形成装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、静電像が形成された後トナーが供給されることで形成されるトナー像を担持する潜像担持体である像担持体から転写材に直接トナー像が転写される画像形成装置においても等しく適用し得るものである。
例えば、図10は、転写部nにおいて感光ドラム1に対向して設けられた転写手段としての転写ローラ51に転写バイアスを印加することで、感光ドラム1から転写材Sにトナー像を直接転写する画像形成装置300の要部概略断面を示す。図10に示す画像形成装置300において、実施例1、2の画像形成装置100と実質的に同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
図10に示す画像形成装置300では、実施例2と同様に、感光ドラム1上の転写残トナーは、感光体クリーナ6においてクリーニングブレード61によって掻き落とされ、すくいシート62によって捕集される。本実施例では、感光体クリーナ6のクリーニングブレード61の感光ドラム1に対する当接部がクリーニング部CLとなる。
斯かる構成においては、実施例2と同様に、所定のタイミングでトナー固着防止動作を行うことで、転写残トナーが、クリーニングブレード61のエッジ部に固着するのを防止することができる。しかし、トナー固着防止動作において感光ドラム1を、通常の画像形成時の回転方向(矢印F方向)とは反対方向(矢印B方向)に逆回転させると、クリーニングブレード61のエッジ部から感光ドラム1上に戻された転写残トナーtが、転写ローラ51に付着し易い。これは、上記各実施例における二次転写部n2と同様に、特に、感光ドラム1の逆回転方向(矢印B方向)においてクリーニング部CLから転写部nまでの距離以上、感光ドラム1を逆回転させる場合に顕著となる。
そこで、本実施例においても、実施例2において、二次転写ローラ52に対して行ったのと同様にして、トナー固着防止動作時に、感光ドラム1を逆回転させる時に、転写ローラ51に逆極性バイアス、即ち、トナーの正規の帯電極性と同極性であり、且つ、通常の画像形成時とは逆極性のバイアス(本実施例では負極性)が、転写バイアス電源56から印加される。これにより、感光ドラム1から転写ローラ51に転写残トナーが付着するのを抑制することができる。
又、実施例2と同様に、感光ドラム1の逆回転の合間に停止又は順方向回転を挟む場合、その停止又は順回転動作時にも逆極性バイアス(本実施例では負極性)を転写ローラ51に印加することができる。これにより、より確実に転写ローラ51への転写残トナーの付着を抑制することができる。
図11は、感光ドラム1から転写材Sに直接トナー像を転写する画像形成装置の他の例を示す。図11の画像形成装置400では、転写ローラ51は、転写材搬送手段としての搬送ベルト90を介して感光ドラム1に押圧されている。そして、転写ローラ51によって押圧された搬送ベルト90と感光ドラム1とが当接する転写部nにおいて、転写ローラ51と搬送ベルト90とが転写手段を構成する。そして、転写バイアス電源56によって転写ローラ51、搬送ベルト90を介して印加される転写バイアスの作用により、感光ドラム1上のトナー像は搬送ベルト90上に担持された転写材S上に転写される。
斯かる構成の画像形成装置400においても、図10の画像形成装置300と同様、例えばトナー固着防止動作時に感光ドラム1が逆回転する時(この時搬送ベルト90も逆回転する。)、更には逆回転の合間の停止又は順回転動作時に、転写ローラ51に逆極性バイアス(本実施例では負極性)を印加することにより、搬送ベルト90への転写残トナーの付着を抑制することができる。
又、図11の画像形成装置400において、搬送ベルト60による転写材Sの搬送方向に沿って複数の画像形成部(感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置4、感光体クリーナ6、転写ローラ51、転写バイアス電源56等を備える。)を有している場合にも、各転写部nに関して本発明を等しく適用することができる。
尚、図10、11に示す画像形成装置300、400について、実施例1、2にて説明したその他の特徴、例えば、感光ドラム1の逆回転を開始する前に転写ローラ51への逆極性バイアスの印加を開始し、感光ドラム1の逆回転を停止した後に転写ローラ51への逆極性バイアスの印加を停止すること、或いは、感光ドラム1を逆回転させた後、再び順回転させる際に、所定時間以上は転写ローラ51に逆極性バイアスを印加することなども同様に適用することができる。
又、図10、11の画像形成装置300、400において、バイアス出力手段としての転写バイアス電源56は、実施例2における二次転写バイアス電源56と同様にして制御される。
上述より明らかなように、図10、11に示す画像形成装置300、400の転写ローラ51に対し行ったのと同様にして、実施例1、2の画像形成装置200の一次転写部n1においても、例えば復帰動作時或いはトナー固着防止動作時に、一次転写ローラ51に逆極性バイアスを印加してもよい。これにより、一次転写部n1において一次転写ローラ51を介して一次転写バイアスが印加されて転写手段を構成する中間転写ベルト50に未転写トナー、或いは転写残トナーが付着するのを抑制することができる。
以上、感光ドラム1から転写材Sに直接トナー像を転写する画像形成装置300、400においても、転写ローラ51にトナーが付着して、記録材Sの裏汚れ等が発生することを防止することができる。
以上、具体的な実施例に則して本発明を説明したが、本発明は上記各実施例の態様に限定されるものではない。例えば、上記各実施例においては、トナーの正規の帯電極性を負極性とし、通常の画像形成時の転写バイアスの極性を正極性として説明したが、トナーの正規の帯電極性が正極性である場合も本発明は当然適用可能であり、上記各実施例におけるバイアス制御を正負反転させることで同様の効果が得られる。
本発明を適用し得る画像形成装置の一実施例の概略断面図である。 復帰動作を説明するための模式図である。 通常の画像形成時の中間転写ベルトの回転動作及び二次転写バイアス電源の出力バイアスを説明するための模式図である。 復帰動作時の中間転写ベルトの回転動作及び二次転写バイアス電源の出力バイアスを説明するための模式図である。 復帰動作時の中間転写ベルトの回転動作及び二次転写バイアス電源の出力バイアスを説明するための模式図である。 本発明を適用し得る画像形成装置の他の実施例の要部概略断面図である。 トナー固着防止動作を説明するための模式図である。 トナー固着防止動作時の中間転写ベルトの回転動作及び二次転写バイアス電源の出力バイアスを説明するための模式図である。 トナー固着防止動作時の中間転写ベルトの回転動作及び二次転写バイアス電源の出力バイアスを説明するための模式図である。 本発明を適用し得る画像形成装置の他の実施例の要部概略断面図である。 本発明を適用し得る画像形成装置の他の実施例の要部概略断面図である。
符号の説明
1 感光ドラム(像担持体、第1の像担持体)
2 帯電ローラ(帯電手段)
3 レーザースキャナ(露光手段)
4 現像器(現像手段)
6 感光体クリーナ(クリーニング手段)
8 中間転写体クリーナ(クリーニング手段)
51 一次転写ローラ、転写ローラ(転写手段、一次転写手段)
52 二次転写ローラ(転写手段、二次転写手段)
50 中間転写ベルト(像担持体、第2の像担持体)
56 二次転写バイアス電源、転写バイアス電源(バイアス出力手段)

Claims (14)

  1. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体上のトナー像を転写材に転写するための転写手段と、前記転写手段にバイアスを出力するバイアス出力手段と、を有する画像形成装置において、
    前記バイアス出力手段が第1のバイアスを出力すると共に前記像担持体が第1の方向に移動して前記像担持体上のトナー像が転写材に転写される第1の動作と、前記バイアス出力手段が第2のバイアスを出力すると共に前記像担持体が前記第1の方向とは逆方向である第2の方向に移動する第2の動作と、を行い、前記第1のバイアスと前記第2のバイアスとは極性が異なることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2のバイアスの極性は、トナーの正規の帯電極性と同極性であることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 前記転写手段は、転写材の搬送手段を介して前記像担持体に当接することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記転写手段は、前記像担持体に常時当接していることを特徴とする請求項1、2又は3の画像形成装置。
  5. 前記第2の動作において、前記バイアス出力手段は、前記像担持体の前記第2の方向への移動が開始する前から前記第2のバイアスの出力を開始し、前記像担持体の前記第2の方向への移動が終了した後に前記第2のバイアスの出力を終了することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  6. 前記第2の動作の後に連続して、前記像担持体が前記第1の方向に移動する第3の動作を行い、該第3の動作において、前記像担持体の前記第1の方向への移動が開始した後所定時間以上、前記バイアス出力手段は前記第2のバイアスと同極性の第3のバイアスを出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  7. 前記所定時間は、前記第2の動作により前記像担持体が前記第2の方向に移動した距離だけ、前記第3の動作により前記像担持体を前記第1の方向に移動させるのに必要な時間であることを特徴とする請求項6の画像形成装置。
  8. 前記転写手段はローラ形状であり、前記所定時間は、該ローラ形状の転写手段を一回転させるのに必要な時間であることを特徴とする請求項6の画像形成装置。
  9. 前記第3の動作において、前記バイアス出力手段は、前記像担持体の前記第1の方向への移動が開始する前から前記第3のバイアスの出力を開始することを特徴とする請求項6、7又は8の画像形成装置。
  10. 前記第2の動作を少なくとも2回行う際に該第2の動作と第2の動作との間に連続して、前記像担持体が停止又は前記第1の方向に移動する第4の動作を行い、該第4の動作において、前記バイアス出力手段は前記第2のバイアスと同極性の第4のバイアスを出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  11. 更に、前記像担持体から転写材へのトナー像の転写部よりも前記第1の方向において下流側に位置するクリーニング部で、前記像担持体上からトナーを除去するクリーニング手段を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  12. 前記第2の動作により、前記像担持体は、前記第2の方向に前記クリーニング部と前記転写部との間の距離以上移動することを特徴とする請求項11の画像形成装置。
  13. 前記像担持体は、その上に静電像が形成された後トナーが供給されることで形成されるトナー像を担持する潜像担持体、又は前記潜像担持体から転写されるトナー像を担持する中間転写体であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  14. 前記像担持体は、その上に静電像が形成された後トナーが供給されることで形成されたトナー像を担持する潜像担持体から、トナー像が転写される中間転写体であり、前記転写手段と前記クリーニング手段とは、前記像担持体を介して同一部材に対向することを特徴とする請求項12又は13の画像形成装置。
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