JP2006170933A - 位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】送信側素子部21から弾性表面波を接触表面260に超音波として伝播させて受信側素子部22により受信することで、接触表面に接触した接触物の接触表面における位置を検出する位置検出装置10であって、接触表面を有する基材201と、基材201上にコーティングされた硬質膜250とを有する。
【選択図】図2
Description
また、ペン状のスタイラスが接触面積の小さい先端形状を備えていても、超音波をほとんど吸収しない硬質の材料を使用した従来のペン等では超音波を吸収しないため入力自体を行うことが不可能であった。
このため、超音波方式の位置検出装置はペン等による分解能の良い手書き入力が行えないため、ペンコンピューターやPDA(携帯情報端末)等では電磁誘導式もしくは抵抗膜式タッチパネルを採用し、超音波式は採用されていなかった。
そこで、スタイラスは、超音波を吸収可能な超音波吸収材料を含む先端部を有する構造とすることで、超音波方式でのペン入力を可能にしている(特許文献1)。
そこで本発明は上記課題を解消し、特別な構造のスタイラスのような接触物を用いなくても、分解能の高い位置の検出を行うことができ、しかも基材の接触表面の傷等の損傷をも防ぐことができる位置検出装置を提供することを目的としている。
第1の発明の構成によれば、基材は接触表面を有する。この基材の上には硬質膜がコーティングされている。
これにより、送信側素子部から供給される弾性表面波は、超音波として硬質膜および基材を伝わり、受信側素子部に対して確実に受信することができ、受信側素子部により電気信号として取り出すことができる。この場合に、超音波吸収材料等の軟質の材料を含むような特別な構造の接触物を用いなくても各種の接触物を使用することが可能である。
また、接触表面が硬質膜でコーティングされていることにより、接触表面の損傷を生じないように保護を行うことができる。接触表面に損傷が生じないことから損傷による位置の誤検出を防止することができる。
第2の発明の構成によれば、硬質膜は基材よりも硬いダイヤモンド膜である。
これにより、ダイヤモンド膜を基材にコーティングするだけで、接触物の接触表面における位置の検出を確実に行うことができるとともに、接触表面の損傷を防ぐことができる。
第3の発明の構成によれば、硬質膜は基材よりも硬いダイヤモンドライクカーボン膜である。
これにより、ダイヤモンドライクカーボン膜を基材にコーティングするだけで、接触物の接触表面における位置の検出を確実に行うことができるとともに、接触表面の損傷を防ぐことができる。
第4の発明の構成によれば、硬質膜は基材よりも硬いサファイヤ膜である。
これにより、サファイヤ膜を基材にコーティングするだけで、接触物の接触表面における位置の検出を確実に行うことができるとともに、接触表面の損傷を防ぐことができる。
第5の発明の構成によれば、送信側素子部と受信側素子部は間隔をおいて対向して配置されている。送信側素子部と受信側素子部は、それぞれ複数の櫛歯電極を並べることで構成されている。
これにより、送信側素子部の複数の櫛歯電極は、外部電源から電圧を加えることにより弾性表面波を励起する。励起された弾性表面波は、超音波として硬質膜および基材を伝わり、受信側素子部の複数の櫛歯電極により受信し電気信号として取り出すことができる。
したがって、送信側素子部と受信側素子部の間において、接触物が接触表面に触れると、弾性表面波が接触物により吸収されて、受信側素子部において電気信号の減衰として検出することができる。
第6の発明の構成によれば、第1組の送信側素子部と受信側素子部とは、第1方向に沿って間隔をおいて対向して配置されている。第2組の送信側素子部と受信側素子部とは、第2方向に沿って間隔をおいて対向して配置されている。
これにより、接触表面に接触した接触物の位置は、第1方向と第2方向に関して検出することができる。
第7の発明の構成によれば、基材は平面型の表示装置の一部であり、基材はガラス基材である。
これにより、送信側素子部が発生した弾性表面波は、超音波として硬質膜およびガラス基材を伝わり、受信側素子部において電気信号として取り出すことができる。
図1は、本発明の位置検出装置の好ましい実施形態を示す平面図である。この位置検出装置10は、超音波式位置検出装置とも呼ぶことができる。
図2は、図1のA−A線における位置検出装置10の断面構造例を示している。図3は、図1のB−B線における位置検出装置10の断面構造例を示している。図2と図3に示す断面構造例はほぼ同じ構造である。
図4は、図1に示す位置検出装置10と駆動電圧発生部100と検出信号処理部101を示している。
図2に示す表示装置200は、たとえば液晶表示装置(LCD)である。この表示装置200の表示面側には、透明の基材201が設けられている。この基材201は、たとえば透明のガラス板である。この基材201は、図1に示すようにたとえば長方形状を有していて、第1辺部211、第2辺部212、第3辺部213、そして第4辺部214を有している。
第1辺部211と第2辺部212は、平行であり、第3辺部213と第4辺部214は平行である。第1辺部211と第2辺部212はY方向に平行な方向であり、第3辺部213と第4辺部214はX方向に平行である。第1辺部211と第2辺部212は、第3辺部213と第4辺部214に比べて長くなっている。
第1送信側素子部、第1受信側素子部、第2送信側素子部および第2受信側素子部は、それぞれ弾性表面波素子部とも呼ぶことができる。
第2送信側櫛歯電極群31は、複数の櫛歯電極81を有している。第2受信側櫛歯電極群32は、複数の櫛歯電極91を有している。
図2に示すように、櫛歯電極61は、圧電体130の上に形成され、櫛歯電極71は圧電体131の上に形成されている。図3に示すように、櫛歯電極81は圧電体132の上に形成されている。櫛歯電極91は圧電体133の上に形成されている。
圧電体130ないし133としては、ZnO,AlN,タンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム,ニオブ酸カリウム,PZT(圧電性薄膜)等の圧電作用を持つものであれば良い。これらの圧電体130ないし133は、図1において長方形状の枠体形状を形成している。つまりこの圧電体130ないし133は、図2と図3に示す基材201と硬質膜250の上で、外枠部分において形成されている。硬質膜250と基材201は、非圧電材料である。
図5と図6に示す櫛歯電極61,71,81,91の形状は、この実施形態では同じものを採用している。
櫛歯電極61,71,81,91は、それぞれ上述した圧電体(圧電膜ともいう)の表面に対してたとえばAlやAl−Cu膜等の導体金属を蒸着もしくはスパッタリング等により薄膜状に形成した上で、たとえばAlやフォトリソグラフィ等によりすだれ状になるように形成されている。
第1受信側櫛歯電極群22と第2受信側櫛歯電極群32の各櫛歯電極は、送られてくる弾性表面波としての超音波を受信して、機械的振動を検出信号処理部101が電気信号として取り出して必要な信号処理をするようになっている。
このような硬質膜250が基材201の接触表面260の上に形成されていると、次のようなメリットがある。
送信側素子部から供給される弾性表面波である超音波は、硬質膜250および基材201を伝わり、受信側素子部に対して確実に受信することができ、受信側素子部により電気信号として取り出すことができる。この場合に、超音波吸収材料等の軟質の材料を含むような特別な構造の接触物を用いなくても各種の接触物を使用することが可能である。つまり、接触表面260に硬質膜250がコーティングされていると、接触物は、その先端部が尖っているペン状のものであれば、特に材質を制限されずに使用することができる。
また、接触表面が硬質膜でコーティングされていることにより、接触表面の損傷を生じないように保護を行うことができる。接触表面に損傷が生じないことから損傷による位置の誤検出を防止することができる。
図1と図4に示すように、駆動電圧発生部100が、第1送信側櫛歯電極群21の各櫛歯電極61と、第2送信側櫛歯電極群31の各櫛歯電極81に対して電圧を加える。これによって、第1送信側櫛歯電極群21と第2送信側櫛歯電極群31の各櫛歯電極61,81は、弾性表面波を励起する。
励起された弾性表面波350,360は、図1と図4では、図示の簡単化のために1本の波線で示している。弾性表面波350は、図2に示す第1送信側櫛歯電極群21の櫛歯電極61から硬質膜250と基材201を超音波として伝わり、反対側の第1受信側櫛歯電極群22の櫛歯電極71において受信される。櫛歯電極71は、機械的振動を電気信号に変換して、図4に示す検出信号処理部101が電気的な信号処理を行う。
同様にして、弾性表面波360は、図4に示す第2送信側櫛歯電極群32の図3に示す櫛歯電極81から硬質膜250と基材201を超音波として伝わり、第2受信側櫛歯電極群32の櫛歯電極91において受信される。櫛歯電極91は、機械的振動を電気信号に変換して、図4に示す検出信号処理部101が電気的な信号処理を行う。
このようにスタイラスの先端部401に対応する図5に示す送信側櫛歯電極61と受信側櫛歯電極71との間におけるY方向に関する位置と、図6に示す送信側櫛歯電極81と受信側櫛歯電極91との間におけるX方向に関する位置の交差した点が、図2と図3に示す接触位置Pの位置になり、この接触位置Pは、図4に示す検出信号処理部101により高い分解能で検出することができる。
しかし、本発明の実施形態では、基材201の上に硬質膜250が形成されていることから、基材201の接触表面260は直接スタイラスの先端部に触れないので、このような基材201の傷等の損傷を確実に防ぐことができる。
図7(A)と図7(B)を比較して分かるように、スタイラスの先端部が接触していない状態ではある周波数における挿入部分500の挿入損失に比べて、図7(B)の部分510で示すようにある周波数の領域において、弾性表面波(超音波)の挿入損失が、変化していることを示している。
図示の実施形態では、X方向とY方向に第1組の送信側櫛歯電極群と受信側櫛歯電極群と、第2組の送信側櫛歯電極群と受信側櫛歯電極群を搭載している。
しかしこれに限らず、本発明の位置検出装置としては、1組の送信側櫛歯電極群と受信側櫛歯電極群だけを設ける形式のものも採用することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
Claims (7)
- 送信側素子部から弾性表面波を接触表面に超音波として伝播させて受信側素子部により受信することで、前記接触表面に接触した接触物の前記接触表面における位置を検出する位置検出装置であって、
前記接触表面を有する基材と、
前記基材上にコーティングされた硬質膜と、を有することを特徴とする位置検出装置。 - 前記硬質膜は前記基材よりも硬いダイヤモンド膜であることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
- 前記硬質膜は前記基材よりも硬いダイヤモンドライクカーボン膜であることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
- 前記硬質膜は前記基材よりも硬いサファイヤ膜であることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
- 前記送信側素子部と前記受信側素子部は間隔をおいて対向して配置されており、前記送信側素子部と前記受信側素子部は、それぞれ複数の櫛歯電極を並べることで構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の位置検出装置。
- 第1組の前記送信側素子部と前記受信側素子部とは、第1方向に沿って間隔をおいて対向して配置され、第2組の前記送信側素子部と前記受信側素子部とは、第1方向とは直交する第2方向に沿って間隔をおいて対向して配置されていることを特徴とする請求項5に記載の位置検出装置。
- 前記基材は平面型の表示装置の一部であり、前記基材はガラス基材であることを特徴とする請求項6に記載の位置検出装置。
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