JP2006170914A - 角速度検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 振動体を共振周波数で振動させることにより、角速度の検出精度を向上することができる角速度検出装置を提供する。
【解決手段】 導電性を有する振動体102と、振動体102との間に静電容量を生じさせる駆動用電極103と、駆動用電極103へ周期信号を供給することにより振動体102を振動させる駆動信号発生器7と、振動体102に角速度が印加された場合に振動体102に作用するコリオリ力に基づいて角速度を検出する角速度検出部と、周期信号とは逆極性の反転信号を出力する反転器8と、振動体102が振動して静電容量が変化することにより振動体102に誘起される誘起信号に反転信号を重畳させて重畳信号を生成するキャパシタC1とを備えた。そして、駆動信号発生器7は、キャパシタにより生成される重畳信号の位相を90度ずらした信号を周期信号として駆動用電極へ供給するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、規定の振動を与えている振動体に外力による角速度が作用したときのコリオリ力を計測することによって角速度を計測する角速度検出装置に関する。
近年、自動車におけるサスペンションやエアバッグの制御装置、航空機における慣性航法システム、カメラの手ぶれ補正装置などにおいて、ジャイロセンサを用いた角速度検出装置が用いられている。この種の角速度検出装置として、規定の振動を与えている質量体に外力による角速度が作用したときのコリオリ力を計測することによって角速度を計測する振動式ジャイロセンサが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図8は、背景技術に係るジャイロセンサの構成を説明するための概念図である。図8に示すジャイロセンサ101は、略直方体形状の導電体から構成された振動体102と、図8に示すように振動体102の一辺と平行方向にX軸をとると、振動体102の一辺と間隔を有してX軸方向に対向配置される駆動用電極103と、X軸と直交するY軸方向に振動体102を間に挟んで対向配置される検出用電極105及び106と、を備えている。駆動用電極103、検出用電極105,106は、それぞれ振動体102の一辺と間隔を有して対向配置され、振動体102との間に静電容量C103,C105,C106が形成されている。
図9は、ジャイロセンサ101の動作を説明するための説明図である。図8に示すジャイロセンサ101において、駆動用電極103に交流電圧を印加すると、振動体102と駆動用電極103との間に周期的な静電気力が発生し、振動体102がX軸方向に沿って振動する。この状態で、ジャイロセンサ101に紙面に垂直方向の軸まわりに角速度Rが印加されるとY軸方向にコリオリ力が発生し、コリオリ力に応じて振動体102がY軸方向に変位する。振動体102がY軸方向に変位すると、振動体102と検出用電極105及び106との間の静電容量C105及びC106が変化する。従って、静電容量C105及びC106は、振動体102の振動速度が一定であれば、ジャイロセンサ101に印加された角速度に応じて変化する。
ここで、角速度によって生じたコリオリ力によるY軸方向の変位は、X軸方向の振動速度に比例するため、振動体102の振動速度を大きく且つ一定の速度に保つことが必要である。そのためには、振動体102を固有の共振周波数で振動させることが望ましい。一般に、物体の変位を表す信号波形から90度位相がずれた信号を用いて物体を振動させることにより、その物体を共振周波数で振動させうることが知られている。そこで、従来、振動体102を振動させた場合におけるX軸方向の振動体102の機械的変位を示す検出信号を、90度位相シフトして駆動用電極103へ駆動用電圧として供給することにより、振動体102を共振周波数で共振させるようにしている。
図10は、背景技術に係る角速度検出装置の電気的構成を示すブロック図である。図10において、ジャイロセンサ101は等価回路で示されている。図10に示す角速度検出装置100は、ジャイロセンサ101、キャリア発生回路111、I/V変換器112、バンドパスフィルタ(以下、BPFと略称する)113、アンプ114、同期検波回路115、BPF116、及び駆動信号発生器117を備えている。
駆動信号発生器117は、静電容量C103へ振動体102における共振周波数の交流電圧を駆動用電圧として供給することにより、振動体102を振動させる。振動体102の共振周波数は、例えば1〜9kHz程度である。キャリア発生回路111は、静電容量検出用の所定の周波数、例えば100kHzの周波数を有するキャリア信号を、静電容量C105及びC106へ互いに位相を180度異ならせて供給する。図10に示すジャイロセンサ101の等価回路において、静電容量C103,C105,C106は振動体102に接続されており、振動体102はI/V変換器112に接続されている。
そして、静電容量C105とC106とが等しい場合、すなわち振動体102が検出用電極105及び106の中央に位置する場合、キャリア発生回路111から静電容量C105を介してI/V変換器112へ流れる電流I105と静電容量C106を介してI/V変換器112へ流れる電流I106とが相殺され、ゼロになるようにされている。また、ジャイロセンサ101に角速度が印加され振動体102の位置がコリオリ力によって変位すると、振動体102と検出用電極105及び106との間の距離が変化して静電容量C105とC106との間に差異が生じる結果、電流I105と電流I106との間に差異が生じ、電流I105と電流I106との差分に相当する検出電流I1がI/V変換器112へ流れるようにされている。すなわち、I/V変換器112へ流れる検出電流I1に基づいて、振動体102のコリオリ力による変位量を検出することができるようになっている。
一方、駆動信号発生器117から駆動用電極103へ駆動用電圧が供給されることにより、駆動信号発生器117から振動体102へ静電容量C103を介して電流I103が流れる。この場合、電流I103は、振動体102が振動して振動体102と駆動用電極103との間隔が変化し、従って静電容量C103が変化することにより重畳される信号成分、すなわち振動体102を振動させた場合におけるX軸方向の振動体102の機械的変位を示す信号成分(以下、振動成分と称する)と、駆動用電圧が静電容量C103を通過することにより生じる信号成分(以下、駆動電圧成分と称する)と、を含んでいる。
そして、検出電流I1と、電流I103とを加算した電流が、I/V変換器112によって電圧信号に変換され、BPF113によってキャリア信号の周波数例えば100kHzの周波数成分、すなわち検出電流I1に応じた周波数成分がアンプ114へ出力され、アンプ114により増幅され、同期検波回路115によってキャリア信号に基づき同期検波されて、振動体102の変位量すなわちジャイロセンサ101に印加された角速度を表す検出信号Soutが出力される。
一方、I/V変換器112の出力信号は、BPF116によって振動体102の共振周波数(例えば2kHz)付近の周波数成分、すなわち電流I103に応じた周波数成分が振動体102の変位を示す振動検出信号Sdとして駆動信号発生器117へ出力され、さらに駆動信号発生器117により振動検出信号Sdが90度位相をずらして駆動用電極103へ駆動用電圧として供給されることにより、振動体102が共振周波数で振動されるようになっている。
特開平8−247767号公報
ところで、上述のように構成された角速度検出装置では、電流I103に基づき得られた振動検出信号Sdの位相を90度ずらして駆動用電極103へ駆動用電圧として供給するので、駆動用電極103へ供給される駆動用電圧にも、電流I103に含まれる振動成分と駆動電圧成分とが含まれることとなる。
図11は、上述のように構成された角速度検出装置100において検出される振動検出信号Sdを説明する信号波形図である。図11において、振動検出信号Sdにおける振動成分を実線の振動成分信号121で示し、振動検出信号Sdにおける駆動電圧成分を破線の駆動電圧成分信号122で示している。図11に示すように、振動成分信号121と駆動電圧成分信号122とは、周波数が等しく、位相が異なる信号となる。また、振動検出信号Sdは、振動成分信号121と駆動電圧成分信号122とが合成された信号となる。
図12は、振動成分信号121の周波数特性を示す図である。図12(a)は、振動成分信号121の周波数と振動体102の振幅変位量との関係を示し、図12(b)は、振動成分信号121における周波数と位相変位量との関係を示している。図12(a)に示すように、振動成分信号121の周波数が振動体102の共振周波数f0となった場合に振動体102の振幅変位量が最大となる。また、図12(b)に示すように、振動成分信号121の位相は振動成分信号121の周波数に応じて変化し、振動成分信号121の周波数が振動体102の共振周波数f0となった場合に位相変位量が90度となる。従って、振動成分信号121の位相を90度ずらして駆動用電極103へ駆動用電圧として供給することにより、振動体102を共振周波数で振動させることができる。
図13は、駆動電圧成分信号122の周波数特性を示す図である。図13(a)は、駆動電圧成分信号122の周波数と振動体102の振幅変位量との関係を示し、図13(b)は、駆動電圧成分信号122における周波数と位相変位量との関係を示している。図13(a)及び(b)に示すように、振動成分信号121の周波数が変化しても振動体102の振幅変位量及び位相変化量は一定である。従って、駆動電圧成分信号122と振動体102の共振周波数f0との間には相関関係が無く、駆動電圧成分信号122の位相を90度ずらして駆動用電極103へ駆動用電圧として供給したとしても振動体102を共振周波数で振動させることはできない。
従って、振動体102を共振周波数で安定して振動させるためには、振動体102を振動させた場合におけるX軸方向の振動体102の機械的変位を示す検出信号、すなわち振動成分信号121を90度位相をシフトして駆動用電極103へ駆動用電圧として供給する必要がある。
ところが、振動検出信号Sdには、振動成分信号121と駆動電圧成分信号122とが含まれているので、振動検出信号Sdを90度位相シフトして駆動用電圧として駆動用電極103へ供給したとしても、振動体102を安定して共振周波数で振動させることができず、従って振動体102に印加された角速度に基づくコリオリ力によるY軸方向の変位量が安定せず、Y軸方向の変位量に応じて出力される角速度を表す検出信号Soutの精度が低下してしまうという不都合があった。
この場合、振動検出信号Sdからフィルタを用いて振動成分信号121を分離することが考えられるが、振動成分信号121と駆動電圧成分信号122とは、周波数が同一であるため振動検出信号Sdからフィルタを用いて振動成分信号121を分離することが困難である。
本発明は、このような問題に鑑みて為された発明であり、振動体を共振周波数で振動させることにより、角速度の検出精度を向上することができる角速度検出装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る角速度検出装置は、電極と、前記電極と対向配置されて静電容量を生じる振動体と、前記電極へ周期信号を供給することにより前記振動体を振動させる駆動信号発生部と、前記振動体に角速度が印加された場合に前記振動体に作用するコリオリ力に基づいて前記角速度を検出する角速度検出部と、前記周期信号とは逆極性の反転信号を出力する反転信号出力部と、前記振動体が振動して前記静電容量が変化することにより前記振動体に誘起される誘起信号に前記反転信号を重畳させて重畳信号を生成するキャパシタと、を備え、前記駆動信号発生部は、前記キャパシタにより生成される重畳信号の位相を90度ずらした信号を前記周期信号として前記電極へ供給することを特徴としている。
また、上述の角速度検出装置において、前記キャパシタは、前記静電容量と略同一の静電容量を有することを特徴としている。
そして、上述の角速度検出装置において、前記反転信号出力部は、前記反転信号の増幅率が可変にされていることを特徴としている。
さらに、上述の角速度検出装置において、前記反転信号出力部における前記増幅率を設定する増幅率設定部をさらに備え、前記増幅率設定部は、前記キャパシタにより生成される重畳信号のレベルを最少にするべく前記反転信号出力部における増幅率を設定する設定動作を行うことを特徴としている。
また、上述の角速度検出装置において、前記増幅率設定部は、前記設定動作を行う場合、前記駆動信号発生部により供給される周期信号の周波数を前記振動体の共振周波数とは異なる周波数にさせることを特徴としている。
そして、上述の角速度検出装置において、前記キャパシタにより生成された重畳信号を増幅して前記駆動信号発生部へ供給する重畳信号増幅部をさらに備え、前記駆動信号発生部は、前記重畳信号増幅部により増幅された信号の位相を90度ずらした信号を前記周期信号として前記電極へ供給し、前記重畳信号増幅部は、前記増幅率設定部により前記設定動作が実行された後、前記重畳信号を増幅する増幅率を増大させることを特徴としている。
このような構成の角速度検出装置は、駆動信号発生部によって電極へ周期信号を供給することにより生じる静電気力によって振動体が振動し、このように振動体が振動して電極との間の静電容量が変化することにより、静電容量を介して振動体に印加される周期信号に振動体の機械的変位を示す信号成分が重畳された信号が、振動体に誘起信号として誘起される。そして、キャパシタによって、周期信号とは逆極性の反転信号が振動体に誘起された誘起信号に重畳されることにより誘起信号に含まれる周期信号成分が差し引かれ、振動体の機械的変位を示す信号成分を有する重畳信号が生成される。さらに、駆動信号発生部によって、この振動体の機械的変位を示す重畳信号の位相を90度ずらした信号が周期信号として電極へ供給されることにより、振動体が共振周波数で振動する。振動体が共振周波数で振動すると、振動体の振動速度が安定化され、振動体に角速度が印加された場合に振動体に作用するコリオリ力の安定性が向上するので、角速度検出部によってコリオリ力に基づいて検出される角速度の精度を向上することができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る角速度検出装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す角速度検出装置1は、I/V変換器2、バンドパスフィルタ(以下、BPFと略称する)3、アンプ4、同期検波回路5、BPF6、駆動信号発生器7、キャパシタC1、反転信号出力部の一例である反転器8、キャリア発生回路9、及びジャイロセンサ101を備えている。図1において、ジャイロセンサ101は等価回路で示されている。また、I/V変換器2、BPF3、アンプ4、同期検波回路5、駆動信号発生器7、キャリア発生回路9、及びジャイロセンサ101によって、振動体102に角速度が印加された場合に振動体102に作用するコリオリ力に基づいて角速度を検出する角速度検出部の一例が構成されている。また、図8に示すジャイロセンサ101における駆動用電極103は、請求項における電極の一例に相当している。ジャイロセンサ101の構成は、図8及び図10に示すジャイロセンサ101と同様であるので、その説明を省略する。
駆動信号発生器7は、例えばオールパスフィルタを用いた位相シフト回路やPLL(Phase-Locked Loop)回路等を用いて構成され、BPF6から出力された振動検出信号Sdの位相を90度シフトして駆動用電極103(静電容量C103)へ供給することにより振動体102における共振周波数の交流電圧である駆動用電圧Vd(周期信号)を生成し、振動体102を共振周波数で振動させる。振動体102の共振周波数は、例えば2.3kHzである。また、駆動信号発生器7は、駆動用電圧Vdを反転器8へ出力する。キャリア発生回路9は、静電容量検出用の所定の周波数、例えば100kHzの周波数を有するキャリア信号を、検出用電極105及び106(静電容量C105及びC106)へ互いに位相を180度異ならせて供給する。また、振動体102はI/V変換器2に接続されている。
反転器8は、駆動信号発生器7から静電容量C103へ供給される駆動用電圧Vdの極性を反転(位相を180度シフト)して、キャパシタC1を介して振動体102とI/V変換器2との接続点へ出力する。キャパシタC1は、静電容量C103と略同等の静電容量を有する。I/V変換器2は、入力された電流を電圧に変換し、電圧信号SvとしてBPF3及び6へ出力する。
BPF3は、I/V変換器2から出力された電圧信号Svのうちキャリア発生回路9から出力されるキャリア信号の周波数、例えば100kHzの周波数成分(振動体102に印加された角速度が反映された周波数成分)を選択的に通過させてアンプ4へ出力する。アンプ4は、BPF3から出力された信号を増幅して同期検波回路5へ出力する。同期検波回路5は、アンプ4から出力された信号を、キャリア発生回路9から出力されるキャリア信号に基づき同期検波し、振動体102の変位量すなわちジャイロセンサ101に印加された角速度を表す検出信号Soutを出力する。
BPF6は、I/V変換器2から出力された電圧信号Svのうち駆動信号発生器7から出力される駆動用電圧Vdの周波数(振動体102の共振周波数)、例えば2.3kHzの周波数成分を振動検出信号Sdとして駆動信号発生器7へ出力する。
次に、上述のように構成された角速度検出装置1の動作を説明する。まず、駆動信号発生器7は、任意の周波数信号を駆動用電圧Vdとして駆動用電極103(静電容量C103)へ供給する。そうすると、振動体102は、駆動用電極103との間に生じる静電気力によって振動すると共に、駆動信号発生器7から振動体102へ静電容量C103を介して電流I103が流れる。この場合、振動体102が振動して振動体102と駆動用電極103との間隔が変化することにより静電容量C103が変化するので、電流I103には、静電容量C103が変化することにより重畳される信号成分すなわち振動体102を振動させた場合におけるX軸方向の振動体102の機械的変位を示す振動成分と、駆動用電圧Vdが静電容量C103を通過することにより生じる駆動電圧成分とが含まれている。この場合、電流I103が請求項における誘起信号に相当している。
次に、反転器8によって、駆動信号発生器7から静電容量C103へ供給される駆動用電圧Vdの極性を反転(位相を180度シフト)した反転信号がキャパシタC1を介して振動体102とI/V変換器2との接続点へ出力される。そうすると、キャパシタC1は静電容量C103と略同等の静電容量を有するので、キャパシタC1に流れる電流IC1は、電流I103における駆動電圧成分と略同等であって流れる方向が逆方向の電流にされる。従って、振動体102からI/V変換器2へ流れる電流I103から電流IC1、すなわち駆動電圧成分に相当する電流が差し引かれ、振動成分を示す電流I2がI/V変換器2へ供給される。これにより、電流I103から駆動電圧成分を差し引いて、振動成分を示す電流I2をI/V変換器2へ供給することができる。この場合、電流I2は重畳信号の一例に相当している。
次に、I/V変換器2によって電流I2が電圧に変換され、電圧信号SvとしてBPF3及び6へ出力される。そして、BPF6によって、I/V変換器2から出力された電圧信号Svのうち振動体102の共振周波数、例えば2.3kHzの周波数成分が振動検出信号Sdとして駆動信号発生器7へ出力され、振動検出信号Sdが駆動信号発生器7によって90度位相がずらされて駆動用電圧Vdとして駆動用電極103(静電容量C103)へ供給されることにより、振動体102が共振周波数で振動する。
この場合、反転器8とキャパシタC1とによって電流I103から駆動電圧成分が差し引かれて振動成分を示す電流I2が生成され、この電流I2応じて生成された振動成分を示す電圧信号Svの位相が90度ずらされて駆動用電圧Vdとして駆動用電極103(静電容量C103)へ供給されるので、振動体102を安定して共振周波数で振動させることができる。
次に、振動体102が共振周波数で振動している状態で、キャリア発生回路9から、例えば100kHzのキャリア信号が検出用電極105及び106(静電容量C105及びC106)へ互いに位相を180度異ならせて供給される。そして、ジャイロセンサ101に角速度が印加され振動体102の位置がY軸方向にコリオリ力によって変位すると、振動体102と検出用電極105及び106との間の距離が変化して静電容量C105とC106との間に差異が生じる結果、電流I105と電流I106との間に差異が生じ、電流I105と電流I106との差分に相当する検出電流I1がI/V変換器2へ流れる。従って、検出電流I1と電流I2とを合成した電流(I1+I2)がI/V変換器2に入力され、I/V変換器2によって電流(I1+I2)が電圧に変換され、電圧信号SvとしてBPF3及び6へ出力される。
次に、BPF3によって、I/V変換器2から出力された電圧信号Svのうちキャリア発生回路9から出力されるキャリア信号の周波数、例えば100kHzの周波数成分が通過され、アンプ4へ出力される。これにより、電圧信号Svのうち電流I1に基づく信号成分、すなわちジャイロセンサ101に印加された角速度が反映されている信号成分がBPF3からアンプ4へ出力される。
そして、BPF3から出力された角速度が反映されている信号が、アンプ4によって増幅されて同期検波回路5へ出力され、同期検波回路5によってアンプ4から出力された信号がキャリア発生回路9から出力されるキャリア信号に基づき同期検波され、振動体102の変位量すなわちジャイロセンサ101に印加された角速度を表す検出信号Soutが出力される。
この場合、振動体102を安定して共振周波数で振動させた状態で、振動体102に印加された角速度に応じて振動体102に作用するコリオリ力に基づく電流I1を検出することができ、電流I1に基づいて角速度を表す検出信号Soutが生成されるので、振動体102の共振周波数による振動を安定化し、角速度の検出精度を向上することができる。
なお、ジャイロセンサ101は、図8に示すように水平面内に振動体102、駆動用電極103、及び検出用電極105,106を配置して振動体102を水平方向に振動させる例を示したが、図2に示すように駆動用電極103を振動体102の下部に配置して、振動体102を垂直方向(Z軸方向)に振動させるようにしてもよい。角速度Rが印加された場合における図2に示すジャイロセンサ101aに作用するコリオリ力Fは、下記式(1)によって示される。
F=2mv×R ・・・(1)
ただし、mは振動体102の質量、vは振動体102の変位速度である。
式(1)から、コリオリ力Fは、振動体102の質量mに比例する。従って、質量mを大きくするほど振動体102に作用するコリオリ力を増大させ、振動体102の変位量を増大させることができるので、角速度Rに応じて得られる検出電流I1を増大させることができる結果、角速度の検出精度を向上させることができる。
一方、図2に示すように駆動用電極103を振動体102の下部に配置する構成とすれば、駆動用電極103の面積を増大させて駆動用電極103と振動体102との間の静電容量C103を増大させ、静電気力による振動体102の駆動力を増大させることが容易となる。従って、図2に示すジャイロセンサ101aの構成によれば、駆動用電極103による振動体102の駆動力を増大させ、振動体102の質量を増大させることにより検出電流I1を増大させて角速度の検出精度を向上させることが容易となる。
この場合、静電容量C103を増大させると、静電容量C103を流れる電流I103における駆動電圧成分が増大することとなる。しかし、図1に示す角速度検出装置1においては、図2に示すジャイロセンサ101aを用いて静電容量C103を増大させた場合であってもキャパシタC1の静電容量を静電容量C103と略同一にすることにより、電流I103における駆動電圧成分を除去することができるので、駆動電圧成分の影響を排除して振動体102の共振周波数による振動を安定化し、角速度の検出精度を向上することが容易である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る角速度検出装置について説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る角速度検出装置1aの構成の一例を示すブロック図である。図3に示す角速度検出装置1aと図1に示す角速度検出装置1とでは、下記の点で異なる。すなわち、図3に示す角速度検出装置1aでは、反転器8aにおける反転信号の増幅率が可変にされている。その他の構成は図1に示す角速度検出装置1と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の特徴的な点について説明する。
図3に示す角速度検出装置1aでは、図1に示す角速度検出装置1と同様に、反転器8aによって駆動用電圧Vdの極性を反転した反転信号がキャパシタC1を介して振動体102とI/V変換器2との接続点へ出力されることにより、振動体102からI/V変換器2へ流れる電流I103から電流IC1、すなわち駆動電圧成分に相当する電流が差し引かれ、振動成分を示す電流I2がI/V変換器2へ供給されるようになっている。この場合、電流I103から駆動電圧成分に相当する電流を差し引くためにはキャパシタC1の静電容量と静電容量C103とを略同一にすることが望ましい。
しかし、静電容量C103は、振動体102と駆動用電極103との間の距離や駆動用電極103の面積などの影響を受けるので、ジャイロセンサ101の加工精度によりバラツキを生じやすい。そこで、キャパシタC1の静電容量が静電容量C103より小さい場合には反転器8aの増幅率を増大させ、キャパシタC1の静電容量が静電容量C103より大きい場合には反転器8aの増幅率を減少させることにより、キャパシタC1の静電容量と静電容量C103との間に差異が生じた場合であっても電流I103から駆動電圧成分に相当する電流を差し引く精度を向上させ、駆動電圧成分の影響を排除して振動体102の共振周波数による振動を安定化し、角速度の検出精度を向上することができる。
反転器8aの増幅率は、例えばジャイロセンサ101に所定の角速度を与えた場合に当該角速度を示す検出信号Soutが得られるように、設定すればよい。
図4は、図3に示す反転器8aの構成の一例を示す回路図である。図4に示す反転器8aは、いわゆる反転増幅回路であり、演算増幅器81の非反転入力端子がグラウンドに接続され、駆動用電圧Vdが抵抗R1を介して演算増幅器81の反転入力端子に入力され、帰還抵抗として可変抵抗器VR1が用いられている。図4に示す反転器8aによれば、可変抵抗器VR1の抵抗値を設定することにより、反転信号の増幅率を可変にすることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る角速度検出装置について説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係る角速度検出装置1bの構成の一例を示すブロック図である。図5に示す角速度検出装置1bと図3に示す角速度検出装置1aとでは、下記の点で異なる。すなわち、図5に示す角速度検出装置1bは、反転器8aの代わりに反転信号の増幅率が可変にされたオートゲインコントローラ(以下、AGCと称する)8b(反転信号出力部)を備え、AGC8bにおける増幅率を設定する増幅率設定部11をさらに備える。
増幅率設定部11は、BPF6から出力される振動検出信号Sdのレベル、すなわちキャパシタC1により生成される電流I2を最少にするべくAGC8bにおける増幅率を設定する。また、増幅率設定部11は、AGC8bにおける増幅率を設定する場合、駆動信号発生器7により供給される駆動用電圧Vdの周波数を振動体102の共振周波数とは異なる周波数にさせるべく、BPF6から駆動信号発生器7へ供給される振動検出信号Sdの信号経路を遮断する。
その他の構成は図3に示す角速度検出装置1aと同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の特徴的な点について説明する。図5に示す増幅率設定部11は、全波整流回路12と、キャパシタC2と、比較部13と、モード切替部14と、スイッチSW1とを備えている。全波整流回路12は、BPF6から出力された振動検出信号Sdを全波整流する全波整流回路である。キャパシタC2は、全波整流回路12から出力された信号を平滑して信号Saを生成する。なお、増幅率設定部11は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成されていてもよく、図5に示す増幅率設定部11の構成に限定されない。
モード切替部14は、AGC8bにおける増幅率を設定するための設定モードと角速度を測定する測定モードとを切り替えるための制御回路で、制御信号を出力して比較部13の動作を制御することによりモード切替を行う。比較部13は、モード切替部14から設定モードを指示する制御信号が出力された場合、信号Saの信号レベルと予め設定された所定の基準レベルVref1とを比較し、その比較結果に応じて増幅率を変化させるべく制御信号をAGC8bへ出力すると共に、スイッチSW1をオフすべくモード信号SbをローレベルでスイッチSW1へ出力する。また、比較部13は、モード切替部14から測定モードを指示する制御信号が出力された場合、AGC8bの増幅率を保持させると共に、スイッチSW1をオンすべくモード信号Sbをハイレベルにする。なお、モード信号Sbは、設定モードでローレベル、測定モードでハイレベルにされる信号である。
スイッチSW1は、BPF6と駆動信号発生器7との間に介設されており、BPF6から駆動信号発生器7へ供給される振動検出信号Sdの信号経路を比較部13からのモード信号Sbに応じて開閉する。AGC8bは、比較部13からの制御信号に応じて信号増幅率を変化させる。
その他の構成は図3に示す角速度検出装置1aと同様であるのでその説明を省略し、以下、図5に示す角速度検出装置1bの動作について説明する。まず、例えばユーザが図略の電源スイッチをオンすることにより、角速度検出装置1bの各部に動作用電源電圧が供給されると、モード切替部14により設定モードに切り替えるべく制御信号が比較部13へ出力され、比較部13からのモード信号SbがローレベルにされてスイッチSW1がオフされる。そうすると、BPF6から駆動信号発生器7へ供給される振動検出信号Sdの信号経路が遮断されることにより駆動信号発生器7によって振動検出信号Sdの位相を90度ずらした信号が駆動用電圧Vdとして駆動用電極103へ供給されることがなくなるので、駆動信号発生器7から駆動用電極103へ振動体102の共振周波数f0とは異なる周波数の駆動用電圧Vdが供給され、共振周波数f0とは異なる周波数で振動体102が振動する。
次に、振動体102が共振周波数f0とは異なる周波数で振動体102が振動すると、振動体102の変位量が減少するため振動体102からI/V変換器2へ流れる電流I103における振動成分が減少する。この場合、駆動信号発生器7は、電流I103における振動成分が略ゼロとなる周波数の信号を駆動用電圧Vdとして出力することが望ましい。そして、電流I103における振動成分が略ゼロとなれば、電流I103はすなわち駆動電圧成分に相当するので、電流I103を最少にするべくAGC8bの増幅率を設定することにより、電流I103から駆動電圧成分に相当する電流を差し引く精度を向上させることができる。
そこで、増幅率設定部11は、電流I103に基づきI/V変換器2及びBPF6により得られた振動検出信号Sdを最少にするべくAGC8bの増幅率を設定する。図6は、増幅率設定部11の動作を説明するための信号波形図である。まず、図6におけるタイミングT1において、設定モードで駆動信号発生器7から駆動用電極103(静電容量C103)へ共振周波数f0とは異なる周波数で駆動用電圧Vdが供給され、振動体102から振動成分が略ゼロの電流I103が出力される。この状態では、AGC8bの増幅率が設定されていないので、AGC8bから駆動用電圧Vdを反転増幅した信号ScがキャパシタC1へ供給されても電流I103を十分相殺することができない。そのため電流I103から電流IC1を差し引いた電流I2に基づきI/V変換器2及びBPF6で生成された振動検出信号Sdの信号レベルは高いレベルになっている。
次に、振動検出信号Sdが、全波整流回路12で全波整流されキャパシタC2で平滑されて、振動検出信号Sdの実効値電圧が信号Saとして比較部13に入力される。そうすると、比較部13によって、信号Saのレベルは基準レベルVref1より高いと判断されてAGC8bの増幅率が増大され、AGC8bから出力される信号Scの信号レベルが増大されて電流IC1が増加し、電流I2が減少して振動検出信号Sdのレベルが低下する。以上のように、比較部13による振動検出信号Sdの比較処理とAGC8bの増幅率設定処理とが繰り返されることにより、徐々に振動検出信号Sdのレベルが低下すると共に信号Saの信号レベルが低下する。
次に、信号Saの信号レベルが低下して基準レベルVref1以下になると、比較部13によって電流I103がAGC8bから出力される信号Scによって十分相殺され、AGC8bの増幅率が適当な値に設定されたと判断され、比較部13からAGC8bの増幅率を保持させる旨の制御信号が出力されると共にモード信号SbがハイレベルにされてスイッチSW1がオンされ、測定モードに移行する。
測定モードにおいては、AGC8bの増幅率は設定モードにおいて設定された増幅率が保持され、以降、図3に示す角速度検出装置1aと同様の動作により角速度が検出され、検出された角速度を示す検出信号Soutが出力される。
これにより、環境変化、例えば温度変化や経年劣化によりジャイロセンサ101やAGC8b等の内部回路の特性が変化し、電流I103から駆動電圧成分を十分除去できなくなった場合であっても、増幅率設定部11によって駆動電圧成分を十分除去するべくAGC8bの増幅率が設定されるので、電流I103から駆動電圧成分に相当する電流を差し引く精度を向上させ、駆動電圧成分の影響を排除して振動体102の共振周波数による振動を安定化し、角速度の検出精度を向上することができる。
なお、モード切替部14は、例えばユーザによる設定モードの指示を受け付ける操作スイッチを備え、設定モードの指示が受け付けられた場合に設定モードに切り替える構成としてもよい。また、モード切替部14は、ジャイロセンサ101に角速度が印加されない状態において、例えば角速度検出装置1bが起動された後一定の期間内において、比較部13によって信号Saのレベルが基準レベルVref1を超えたことが検知された場合に設定モードに切り替える構成としてもよい。あるいは、モード切替部14は、タイマー機能を備えて一定期間毎に測定モードから設定モードへと切り替える構成としてもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る角速度検出装置について説明する。図7は、本発明の第4の実施形態に係る角速度検出装置1cの構成の一例を示すブロック図である。図7に示す角速度検出装置1cと図5に示す角速度検出装置1bとでは、下記の点で異なる。すなわち、図7に示す角速度検出装置1cは、BPF6から出力される振動検出信号Sdを増幅して振動検出信号Sd2として、全波整流回路12及びスイッチSW1へ出力するAGC15をさらに備えている。AGC15は、比較部13から出力されたモード信号Sbに応じて振動検出信号Sdの増幅率を変化させる増幅回路で、モード信号Sbがハイレベルになった場合、すなわち設定モードにおいてAGC8bの増幅率が設定された後に測定モードに移行した場合、振動検出信号Sd2の信号レベルを飽和させない程度に振動検出信号Sdの増幅率を増大させる。
その他の構成は図5に示す角速度検出装置1bと同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の動作について説明する。まず、測定モード時には、BPF6から出力される振動成分を示す振動検出信号Sdは非常に微少な信号であるため、駆動信号発生器7において信号振幅が小さい振動検出信号Sdをそのまま用いて90度位相シフトさせる信号処理を行うと、駆動用電圧Vdにおける位相シフトの精度が低下してしまい、振動体102の共振振動の安定性が損なわれる。そこで、測定モード時には、AGC15の増幅率を増大し、振動検出信号Sd2の信号振幅を飽和させない範囲で十分増大させてから駆動信号発生器7において位相シフト等の信号処理を行うことが望ましい。
そこで、まず、図5に示す角速度検出装置1bと同様に、例えばユーザが図略の電源スイッチをオンすることにより、角速度検出装置1cの各部に動作用電源電圧が供給されると、モード切替部14により設定モードに切り替えるべく制御信号が比較部13へ出力され、比較部13によりモード信号SbがローレベルにされてスイッチSW1がオフされる。そして、駆動信号発生器7から駆動用電極103(静電容量C103)へ共振周波数f0とは異なる周波数で駆動用電圧Vdが供給され、振動体102から振動成分が略ゼロの電流I103が出力される。この状態では、AGC8bの増幅率が設定されていないので、AGC8bから駆動用電圧Vdを反転増幅した信号ScがキャパシタC1へ供給されても電流I103を十分相殺することができない。そのため電流I103に基づきI/V変換器2で電圧変換され、BPF6でフィルタリングされた振動検出信号Sdのレベルは高レベルになっている。
一方、比較部13によりモード信号Sbがローレベルにされ設定モードになると、AGC15は、予め設定された所定の増幅率αで振動検出信号Sdを増幅し、振動検出信号Sd2として全波整流回路12及びスイッチSW1へ出力する。この場合、上述したように、AGC8bの増幅率が設定されていない状態では、振動検出信号Sdのレベルは高いレベルになっているので、増幅率αは、例えば振動検出信号Sd2を飽和させない程度の低増幅率にされている。
次に、図5に示す角速度検出装置1bと同様にして増幅率設定部11によりAGC8bの増幅率が設定されると、振動検出信号Sdから駆動電圧成分が除去されて信号レベルが低下する。そこで、増幅率設定部11によりAGC8bの増幅率が設定された後、比較部13によりモード信号Sbがハイレベルにされ、すなわち測定モードにされると、駆動信号発生器7における90度位相をシフトさせる信号処理の精度を向上させるべくAGC15の増幅率が増大され、振動検出信号Sd2の信号振幅が増大される。この場合、AGC15の増幅率は、例えば振動検出信号Sd2を飽和させない範囲で最大の増幅率になるように設定される。
これにより、測定モードにおいて、振動検出信号Sd2の信号振幅を増大させて駆動信号発生器7における90度位相をシフトさせる信号処理の精度を向上させることができるので、駆動用電圧Vdにおける位相シフトの精度を向上させ、振動体102の共振振動における安定性を向上させることにより、角速度の検出精度を向上することができる。
なお、本願発明者は、図7に示す角速度検出装置1cによって、実験的に測定モード時におけるAGC8bの増幅率を設定モード時におけるAGC8bの増幅率に対し、100倍増大させることができ、これにより駆動用電圧Vdを共振周波数に一致させる精度を向上させて振動体102の共振振動における安定性が向上されることを確認した。
本発明の第1の実施形態に係る角速度検出装置の構成の一例を示すブロック図である。 図1に示すジャイロセンサの変形例を示す概念図である。 本発明の第2の実施形態に係る角速度検出装置の構成の一例を示すブロック図である。 図3に示す反転器の構成の一例を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態に係る角速度検出装置の構成の一例を示すブロック図である。 図5に示す増幅率設定部の動作を説明するための信号波形図である。 本発明の第4の実施形態に係る角速度検出装置の構成の一例を示すブロック図である。 背景技術に係るジャイロセンサの構成を説明するための概念図である。 図8に示すジャイロセンサの動作を説明するための説明図である。 背景技術に係る角速度検出装置の電気的構成を示すブロック図である。 図10に示す角速度検出装置において検出される振動検出信号を説明する信号波形図である。 図11に示す振動成分信号の周波数特性を示す図である。 図11に示す駆動電圧成分信号の周波数特性を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c 角速度検出装置
2 I/V変換器
3,6 BPF
4 アンプ
5 同期検波回路
7 駆動信号発生器
8,8a 反転器
9 キャリア発生回路
11 増幅率設定部
12 全波整流回路
13 比較部
14 モード切替部
81 演算増幅器
101,101a ジャイロセンサ
102 振動体
103 駆動用電極
105,106 検出用電極
C1,C2 キャパシタ
C103,C105,C106 静電容量
SW1 スイッチ
VR1 可変抵抗器

Claims (6)

  1. 電極と、
    前記電極と対向配置されて静電容量を生じる振動体と、
    前記電極へ周期信号を供給することにより前記振動体を振動させる駆動信号発生部と、
    前記振動体に角速度が印加された場合に前記振動体に作用するコリオリ力に基づいて前記角速度を検出する角速度検出部と、
    前記周期信号とは逆極性の反転信号を出力する反転信号出力部と、
    前記振動体が振動して前記静電容量が変化することにより前記振動体に誘起される誘起信号に前記反転信号を重畳させて重畳信号を生成するキャパシタと、
    を備え、
    前記駆動信号発生部は、前記キャパシタにより生成される重畳信号の位相を90度ずらした信号を前記周期信号として前記電極へ供給することを特徴とする角速度検出装置。
  2. 前記キャパシタは、前記静電容量と略同一の静電容量を有することを特徴とする請求項1記載の角速度検出装置。
  3. 前記反転信号出力部は、前記反転信号の増幅率が可変にされていることを特徴とする請求項1又は2記載の角速度検出装置。
  4. 前記反転信号出力部における前記増幅率を設定する増幅率設定部をさらに備え、
    前記増幅率設定部は、前記キャパシタにより生成される重畳信号のレベルを最少にするべく前記反転信号出力部における増幅率を設定する設定動作を行うことを特徴とする請求項3記載の角速度検出装置。
  5. 前記増幅率設定部は、前記設定動作を行う場合、前記駆動信号発生部により供給される周期信号の周波数を前記振動体の共振周波数とは異なる周波数にさせることを特徴とする請求項4記載の角速度検出装置。
  6. 前記キャパシタにより生成された重畳信号を増幅して前記駆動信号発生部へ供給する重畳信号増幅部をさらに備え、
    前記駆動信号発生部は、前記重畳信号増幅部により増幅された信号の位相を90度ずらした信号を前記周期信号として前記電極へ供給し、
    前記重畳信号増幅部は、前記増幅率設定部により前記設定動作が実行された後、前記重畳信号を増幅する増幅率を増大させることを特徴とする請求項4又は5記載の角速度検出装置。
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