JP2006170332A - 車両用懸架装置の油圧式減衰器 - Google Patents
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Abstract
【課題】伸長した状態で安定した減衰力を応答性よく発生させる。
【解決手段】油圧シリンダ6のピストン15に設けられた減衰力発生用の第1の絞り7を備える。油圧シリンダ6のロッドカバー13に支持されたリバウンドスプリング18を備える。リバウンドスプリング18の先端部に支持された可動隔壁33を備える。可動隔壁33は、油圧シリンダ6のシリンダチューブ11とピストンロッド14とにそれぞれ液密状態で移動自在に嵌合する。可動隔壁33によって画成された二つの油室(第1の油室4と第2の油室45)を互いに連通する連通孔46,47を有する。この連通孔に設けられた減衰力発生用の第2の絞り8とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】油圧シリンダ6のピストン15に設けられた減衰力発生用の第1の絞り7を備える。油圧シリンダ6のロッドカバー13に支持されたリバウンドスプリング18を備える。リバウンドスプリング18の先端部に支持された可動隔壁33を備える。可動隔壁33は、油圧シリンダ6のシリンダチューブ11とピストンロッド14とにそれぞれ液密状態で移動自在に嵌合する。可動隔壁33によって画成された二つの油室(第1の油室4と第2の油室45)を互いに連通する連通孔46,47を有する。この連通孔に設けられた減衰力発生用の第2の絞り8とを備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、伸長量が予め定めた量より大きい状態で減衰力が相対的に増大する車両用懸架装置の油圧式減衰器に関するものである。
自動車などの車両においては、例えば車体が大きく左右方向に傾斜した場合には、懸架装置の伸長側の油圧式減衰器によって大きな減衰力を発生させることが車体の傾斜を抑制するうえで有効である。しかし、油圧式減衰器を上述したような大きな減衰力が常に発生する構造にすると、油圧式減衰器の変位が相対的に少なくなるような走行時にも不必要に大きい減衰力が発生するため、この油圧式減衰器を装備した車両は乗り心地が悪くなってしまう。
このような使用条件を満たす油圧式減衰器としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。
この特許文献1に示された油圧式減衰器は、ピストンに設けられた第1の絞りと、ピストンロッドにおける前記ピストンから突出する先端部に設けられた第2の絞りとを選択的に使用することによって、発生する減衰力の異なる二つの使用形態を採ることができるように構成されている。
この特許文献1に示された油圧式減衰器は、ピストンに設けられた第1の絞りと、ピストンロッドにおける前記ピストンから突出する先端部に設けられた第2の絞りとを選択的に使用することによって、発生する減衰力の異なる二つの使用形態を採ることができるように構成されている。
前記ピストンは、シリンダチューブ内をヘッドカバー側油室とロッドカバー側油室とに画成している。
前記第1の絞りは、前記ピストンに両油室を連通するように形成された連通孔を開閉する逆止弁によって構成されている。この第1の絞りは、第2の絞りに較べて発生する減衰力が大きくなるものであって、油圧式減衰器が延びきった位置またはその近傍まで伸長している状態(以下、このような状態を以下においては単に限界伸長状態という)で必要な減衰力が発生するように構成されている。
前記第1の絞りは、前記ピストンに両油室を連通するように形成された連通孔を開閉する逆止弁によって構成されている。この第1の絞りは、第2の絞りに較べて発生する減衰力が大きくなるものであって、油圧式減衰器が延びきった位置またはその近傍まで伸長している状態(以下、このような状態を以下においては単に限界伸長状態という)で必要な減衰力が発生するように構成されている。
前記第2の絞りは、例えば舗装路を積載重量が少ない状態で走行するような一般的な走行状態(以下、この状態を通常走行状態という)を採るときに必要充分な大きさの減衰力が発生するものが用いられている。この第2の絞りは、前記ヘッドカバー側油室とロッドカバー側油室とをピストンロッドの内部を使用して連通するバイパス通路に設けられている。
このバイパス通路におけるロッドカバー側油室に開口する一端部は、ピストンロッドに装着された弁によって開閉される。この弁は、ピストンロッドに移動自在に保持された筒状の弁体と、この弁体のピストン側の端面が接離する円板からなりピストンロッドに固定された弁座と、前記弁体を弁座から離間した位置に保持する保持用ばねとから構成されている。この弁は、前記弁体と弁座との間に隙間が形成されることにより、この隙間を介してピストンロッド内のバイパス通路とロッドカバー油室とを連通させ、弁体が弁座に着座し前記隙間が閉じることによって、バイパス通路とロッドカバー側油室との連通部分を遮断する。
前記弁体には、リバウンドスプリングがロッドカバー側へ突出するように設けられている。このリバウンドスプリングは、油圧式減衰器がいわゆる延びきった状態に達するときの衝撃を緩和するためのもので、前記通常走行状態ではロッドカバーから離間し、弁体と、弁座およびピストンロッドとともにシリンダチューブ内を往復動する。このため、前記弁は前記通常走行状態で開く。
また、リバウンドスプリングは、油圧式減衰器が通常走行状態から伸長することにより、ロッドカバー側端部がロッドカバーに接触し、ピストンロッドに対する移動が規制される。この状態でピストンロッドがさらに伸長方向へ移動することにより、弁体に弁座が当接する。すなわち、弁は前記限界伸長状態では閉じる。
前記弁が開く状態(通常走行状態)において、作動油は、相対的に流れるときの抵抗が小さい第2の絞りを有するバイパス通路を通って前記両油室の間を流れる。このため、通常走行状態では発生する減衰力が相対的に小さくなる。一方、前記弁が閉じる状態(限界伸長状態)では、作動油は主に第1の絞りを通るようになり、通常走行状態に較べて大きな減衰力が発生する。
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
特開2001−241485号公報(第4−6頁、第1図)
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
しかしながら、上述したように構成された従来の油圧式減衰器の弁は、筒状の弁体の端縁が円板からなる弁座に着座することによって閉じるものであり、閉じた状態でも前記端縁の全周にわたって完全な液密状態とすることは難しく、加工精度によってはピストン速度が相対的に低い場合に作動油が漏洩することが考えられる。
そのような場合、この種の弁を備えた油圧式減衰器は、前記限界伸長状態において、ピストン速度が相対的に遅いと必要な大きさの減衰力を発生させることができない。このような油圧式減衰器を使用した車輌は、コーナリング走行時に車体が浮き上がることを抑えることができず、減衰力が不足することが原因で不快な振動が発生したり、挙動が不安定になる。
また、前記弁は、弁体と弁座との相対的な移動により開閉するものであるから、この弁を備えた従来の油圧式減衰器は、減衰力を増大させたり減少させるに当たり、前記弁の開閉に必要な時間だけ遅れが生じることも考えられる。その場合、この油圧式減衰器を装備した車両は、コーナリング時にリバウンドスプリングの作動開始から遅れて減衰力が増大するために挙動が不安定になる。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、伸長した状態で安定した減衰力が応答性よく発生する車両用懸架装置の油圧式減衰器を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る車両用懸架装置の油圧式減衰器は、車輪側と車体側との間に介装された油圧シリンダのピストンに設けられた減衰力発生用の第1の絞りと、前記油圧シリンダのロッドカバーに支持され前記ピストン側へ延びるリバウンドスプリングと、このリバウンドスプリングの先端部に支持された可動隔壁とを備え、この可動隔壁は、前記油圧シリンダのシリンダチューブとピストンロッドとにそれぞれ液密状態で移動自在に嵌合し、この可動隔壁によって画成された二つの油室を互いに連通する連通路と、この連通路に設けられた減衰力発生用の第2の絞りとを備えているものである。
請求項2に記載した発明に係る車両用懸架装置の油圧式減衰器は、請求項1に記載した車両用懸架装置の油圧式減衰器において、、第1の絞りは、ピストンに設けられた連通路の開口部を開閉する板ばねによって構成され、第2の絞りは、可動隔壁に設けられた連通路の開口部を開閉する板ばねによって構成されているものである。
請求項3に記載した発明に係る車両用懸架装置の油圧式減衰器は、請求項2に記載した車両用懸架装置の油圧式減衰器において、可動隔壁は、ピストンロッドに移動自在に嵌合する円筒部を有しかつピストンと対向する受圧壁が形成された支持部材と、前記円筒部に一端部が螺着されるとともに他端部がリバウンドスプリングに取付けられた取付用部材と、前記円筒部の外周部分に嵌合するとともに油圧シリンダのシリンダチューブに嵌合する環状の隔壁本体とを備え、この隔壁本体の両側に第2の絞り用の板ばねを配設し、これらの板ばねと隔壁本体とを前記受圧壁と取付用部材とに挟持させたものである。
本発明によれば、ピストンが可動隔壁から離間した状態でシリンダチューブ内を移動する状態では、作動油は、第1の絞りを通り、ピストンによって画成されたヘッドカバー側油室とロッドカバー側油室との間を流れる。このとき、可動隔壁は、シリンダチューブに対して移動することはなく、第2の絞りを作動油が通ることはない。
本発明に係る油圧式減衰器の可動隔壁がピストンによってロッドカバー側へ押され、リバウンドスプリングの弾発力がピストンに作用するときには、作動油は、ピストンの第1の絞りと、可動隔壁の第2の絞りとを通る。このため、本発明に係る減衰器においては、このように可動隔壁がシリンダチューブに対して移動する状態では、前記第1および第2の絞りを作動油が通るために、発生する減衰力は相対的に大きくなる。
このため、本発明によれば、作動油が流れる絞りを選択するための弁を使用することなく、伸長時に相対的に大きな減衰力を発生させ、その他の状態では相対的に小さい減衰力を発生させることができる。
したがって、この車両用懸架装置の油圧式減衰器においては、延びきった状態に近くなるような伸長時に安定した減衰力が応答性よく発生するようになる。詳述すると、リバウンドスプリングの作動と同時に減衰力を増大させることができるようになり、しかも、製造時における寸法のばらつきや経時変化の影響もなく高い精度で所定の減衰力特性を得ることができる。
したがって、この車両用懸架装置の油圧式減衰器においては、延びきった状態に近くなるような伸長時に安定した減衰力が応答性よく発生するようになる。詳述すると、リバウンドスプリングの作動と同時に減衰力を増大させることができるようになり、しかも、製造時における寸法のばらつきや経時変化の影響もなく高い精度で所定の減衰力特性を得ることができる。
本発明に係る油圧式減衰器を使用して構成された車両は、コーナリング時などで車体の浮き上がる挙動が抑制されるとともに、減衰力が不足することに起因して不快な振動が発生したり、不安定な挙動をとることもない。
加えて、この発明に係る油圧式減衰器は、作動油が流れる絞りを選択するための弁を使用していないから、この弁を使用する従来の油圧式減衰器に較べて部品数を低減することができる。
加えて、この発明に係る油圧式減衰器は、作動油が流れる絞りを選択するための弁を使用していないから、この弁を使用する従来の油圧式減衰器に較べて部品数を低減することができる。
請求項2記載の発明によれば、第1の絞りと第2の絞りの減衰力は、板ばねの弾発力の大きさに対応して増減する。このため、この発明によれば、板ばねのばね定数、形状、大きさ、厚み、枚数などを変えることによって所望の減衰力特性を容易に言えることができる。
請求項3記載の発明によれば、隔壁本体と板ばねとを共締めによって取付用部材と支持部材とに固定することができるから、組立作業が容易な車両用懸架装置の油圧式減衰器を提供することができる。
以下、本発明に係る車両用懸架装置の油圧式減衰器の一実施の形態を図1ないし図3によって詳細に説明する。
図1は本発明に係る車両用懸架装置の油圧式減衰器の縦断面図、図2は要部を拡大して示す断面図、図3は動作を説明するための構成図で、同図(a)は通常走行状態を示し、同図(b)はピストンが受圧壁に当接した状態を示し、同図(c)は延びきった状態を示す
図1は本発明に係る車両用懸架装置の油圧式減衰器の縦断面図、図2は要部を拡大して示す断面図、図3は動作を説明するための構成図で、同図(a)は通常走行状態を示し、同図(b)はピストンが受圧壁に当接した状態を示し、同図(c)は延びきった状態を示す
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態による油圧式減衰器2を有するクッションユニット1を示す。このクッションユニット1は、図示していない自動車の懸架装置に用いられるもので、本発明に係る油圧式減衰器2と、懸架用圧縮コイルばね3などによって構成されている。このクッションユニット1の上端部は、従来からよく知られているように、マウントインシュレータ4を介して車体フレームに取付けられ、クッションユニット1の下端部(油圧式減衰器2の下端部)は、図示していない車輪側の部材に連結されている。前記圧縮コイルばね3は、前記マウントインシュレータ4と油圧式減衰器2のばね座5との間に弾装されている。
前記油圧式減衰器2は、油圧シリンダ6と、この油圧シリンダ6内に設けられた第1、第2の絞り7,8とによって構成されている。前記油圧シリンダ6は、シリンダチューブ11と、このシリンダチューブ11の両端部を閉塞するヘッドカバー12およびロッドカバー13と、ピストンロッド14と、このピストンロッド14の先端部に取付けられたピストン15と、このピストン15と前記ヘッドカバー12との間に設けられたフリーピストン16などによって構成されている。
前記ヘッドカバー12は、図示していない懸架装置の例えばロアアームなどの車輪側部材に枢支される連結用ボス12aを備え、シリンダチューブ11の下端部に溶接されている。
前記ロッドカバー13は、シリンダチューブ11の上端部に固定され、後述するストッパー17の移動を規制することができるように構成されている。
前記ストッパー17は、この油圧シリンダ6が延びきった状態に伸長したときにピストン側の部材が当接するもので、円筒状に形成され、これを貫通するピストンロッド14に移動自在に保持されている。このストッパー17とロッドカバー13との間には、ゴムによって形成された緩衝用のディスク17aが配置されている。このディスク17aは、ピストンロッド14に移動自在に保持させるか、またはロッドカバー13とストッパー17とのうちいずれか一方に固着させる。
前記ロッドカバー13は、シリンダチューブ11の上端部に固定され、後述するストッパー17の移動を規制することができるように構成されている。
前記ストッパー17は、この油圧シリンダ6が延びきった状態に伸長したときにピストン側の部材が当接するもので、円筒状に形成され、これを貫通するピストンロッド14に移動自在に保持されている。このストッパー17とロッドカバー13との間には、ゴムによって形成された緩衝用のディスク17aが配置されている。このディスク17aは、ピストンロッド14に移動自在に保持させるか、またはロッドカバー13とストッパー17とのうちいずれか一方に固着させる。
また、このストッパー17は、リバウンドスプリング18を支持している。このリバウンドスプリング18は、前記ストッパー17よりピストン15側へ(図中下方へ)延びる所定の長さに形成された圧縮コイルばねからなり、前記ストッパー17の上端部の外周部分が圧入嵌合された状態でストッパー17に固定されている。
前記ピストン15は、シリンダチューブ11内をヘッドカバー側油室21とロッドカバー側油室22とに画成している。また、前記フリーピストン16は、ピストン15とヘッドカバー12との間を前記ヘッドカバー側油室21と高圧ガス室23とに画成している。この高圧ガス室23には、高圧のN2 ガスが充填されている。
前記ピストン15は、図1および図2に示すように、円環状に形成され、軸心部にピストンロッド14が嵌合されており、このピストンロッド14に、円環板状の押圧部材24と、後述する第1の絞り7の板ばね25,26とともにナット27によって固定されている。このピストン15の外周部には、シリンダチューブ11との間をシールするためのシール部材28が装着されている。
前記第1の絞り7は、従来からよく知られている懸架装置用ショックアブソーバなどで使用されているものと同等の構造のもので、ピストン15に穿設された連通孔29,30に設けられており、この連通孔29,30の一端部の開口を開閉する前記板ばね25,26を備えた逆止弁31,32によって構成されている。この実施の形態では、ピストン15によってシリンダチューブ11内に画成されたヘッドカバー側油室21からロッドカバー側油室22へ一方向に板ばね25の弾発力に抗して作動油が流れる第1の逆止弁31と、ロッドカバー側油室22からヘッドカバー側油室21へ一方向に板ばね26の弾発力に抗して作動油が流れる第2の逆止弁32とが設けられている。
前記第2の絞り8は、図1および図2に示すように、前記ピストン15とロッドカバー13との間に位置する可動隔壁33に設けられている。
この可動隔壁33は、ピストンロッド14に移動自在に装着された円筒部34を有する支持部材35と、この支持部材35の上端部に螺着された取付用部材36と、前記円筒部34に嵌合する隔壁本体37とから構成されている。
この可動隔壁33は、ピストンロッド14に移動自在に装着された円筒部34を有する支持部材35と、この支持部材35の上端部に螺着された取付用部材36と、前記円筒部34に嵌合する隔壁本体37とから構成されている。
前記支持部材35の下端部には、前記ピストン15側の押圧部材24に対向する円環状の受圧壁38が一体に形成されている。また、この支持部材35の円筒部34の内周面には、ピストンロッド14との間が略液密となるように円筒面が形成されている。
前記取付用部材36は、ピストンロッド14が遊嵌状態で嵌合する円筒状に形成されており、前記リバウンドスプリング18の内周部に圧入嵌合した状態で固定されている。すなわち、この取付用部材36は、リバウンドスプリング18を介して前記ストッパー17に接続されている。
前記取付用部材36は、ピストンロッド14が遊嵌状態で嵌合する円筒状に形成されており、前記リバウンドスプリング18の内周部に圧入嵌合した状態で固定されている。すなわち、この取付用部材36は、リバウンドスプリング18を介して前記ストッパー17に接続されている。
前記隔壁本体37は、前記シリンダチューブ11と前記支持部材35の円筒部34とに嵌合する円環板状に形成されており、図2に示すように、後述する第2の絞り8の板ばね41,42とともに前記受圧壁38と取付用部材36とによって挟持されている。この隔壁本体37の外周部には、シリンダチューブ11との間をシールするためのシール部材43が設けられている。このように隔壁本体37がシリンダチューブ11内に嵌合することによって、前記ロッドカバー側油室22は、ピストン15側に位置する第1の油室44とロッドカバー13側に位置する第2の油室45とに画成される。
前記第2の絞り8は、前記第1の絞り7と同等の構成が採られており、前記隔壁本体37に穿設された連通孔46,47に設けられ、この連通孔46,47の一端部の開口を開閉する前記板ばね41,42を備えた逆止弁48,49によって構成されている。この実施の形態では、隔壁本体37によってシリンダチューブ11内に画成された第1の油室44から第2の油室45へ一方向に板ばね41の弾発力に抗して作動油が流れる第1の逆止弁48と、第2の油室45から第1の油室44へ一方向に板ばね42の弾発力に抗して作動油が流れる第2の逆止弁49とが設けられている。
この第2の絞り8が設けられた可動隔壁33は、作動油が第2の絞り8を通って第1の油室44と第2の油室45との間で流れることがない限りシリンダチューブ11内の一定の位置に保持される。すなわち、この可動隔壁33がシリンダチューブ11内で移動するためには、作動油が前記第1の逆止弁48または第2の逆止弁49の弾発力に抗して連通路46または連通路47を通らなければならない。
このように構成された可動隔壁33のシリンダチューブ11内の位置は、図3(a)に示す車両静止状態において、ピストン15側の押圧部材24と前記受圧壁38との間に間隔d1が形成されるように位置付けられている。また、この油圧式減衰器2においては、図3(a)に示す前記車両静止状態で可動隔壁33の前記取付用部材36と前記ストッパー17との間に前記間隔d1より広い間隔d2が形成されるように構成されている。
上述したように構成された油圧式減衰器2は、図3(a)に示す車両静止状態から油圧シリンダ6が収縮する場合、同図中に二点鎖線で示すように、第1の絞り7を作動油が通過することによりピストン15がシリンダチューブ11に対して下方に移動する。この収縮時に前記可動隔壁33は、第2の油室45の容積が変化しないためにシリンダチューブ11に対して移動することなく一定の位置に保持される。
このため、このような収縮行程では、前記第1の絞り7の板ばね25の弾発力に抗して作動油がヘッドカバー側油室21からロッドカバー側油室22に流れることによって、相対的に小さい減衰力が発生する。
このため、このような収縮行程では、前記第1の絞り7の板ばね25の弾発力に抗して作動油がヘッドカバー側油室21からロッドカバー側油室22に流れることによって、相対的に小さい減衰力が発生する。
このように収縮した油圧シリンダ6が伸長する行程では、ピストン15側の押圧部材24が可動隔壁33の受圧壁38に当接するまでは第1の絞り7の板ばね26の弾発力に抗して作動油がロッドカバー側油室22からヘッドカバー側油室21に流れることによって相対的に小さい減衰力が発生する。この伸長行程において、図3(b)に示すように、前記押圧部材24が前記受圧壁38に当接し、これを上方へ押圧するようになると、可動隔壁33の第2の逆止弁49の弾発力に抗して作動油が第2の油室45から第1の油室44に流入し、可動隔壁33がピストン15とともに上方へ移動する。
この場合は、ピストン15の第1の絞り7によって発生する減衰力と、可動隔壁33の第2の絞り8によって発生する減衰力との総和からなる相対的に大きな減衰力が発生する。この伸長行程で油圧シリンダ6は、図3(c)に示すように、可動隔壁33の取付用部材36がロッドカバー13側に位置するストッパー17に当接するまで伸長する。この伸長行程では、リバウンドスプリング18が圧縮され、リバウンドスプリング18によって緩衝されることにより、前記取付用部材36が前記ストッパー17に当たるときの衝撃が小さくなる。
油圧シリンダ6が前記延びきった状態から収縮する行程では、可動隔壁33はリバウンドスプリング18の弾発力によってピストン15側に押し戻される。すなわち、ピストン15が図3において下側へ高速で移動する場合、可動隔壁33の移動速度は、リバウンドスプリング18の弾発力の大きさに依存して決まり、移動初期には相対的に速く、弾発力の低下に伴って徐々に低下する。可動隔壁は、上記収縮行程においてはリバウンドスプリング18の弾発力によって最終的に図3(a)に示す初期位置に戻される。このため、この収縮行程では、第1の絞り7を作動油が通過することによって相対的に小さな減衰力が発生する。
したがって、この実施の形態による油圧式減衰器2によれば、作動油が流れる絞りを選択するための弁を使用することなく、伸長時に相対的に大きな減衰力が発生するように減衰力の大きさを大小に切換えることができる。
したがって、この実施の形態による油圧式減衰器2によれば、延びきった状態に近くなるような伸長時に安定した減衰力が応答性よく発生するようになる。詳述すると、この油圧式減衰器2によれば、リバウンドスプリング18の作動と同時に減衰力を増大させることができるようになり、しかも、製造時における寸法のばらつきや経時変化の影響もなく高い精度で所定の減衰力特性を得ることができる。
したがって、この実施の形態による油圧式減衰器2によれば、延びきった状態に近くなるような伸長時に安定した減衰力が応答性よく発生するようになる。詳述すると、この油圧式減衰器2によれば、リバウンドスプリング18の作動と同時に減衰力を増大させることができるようになり、しかも、製造時における寸法のばらつきや経時変化の影響もなく高い精度で所定の減衰力特性を得ることができる。
この実施の形態による油圧式減衰器2を使用して構成された車両は、コーナリング時などで車体の浮き上がる挙動が抑制されるとともに、減衰力が不足することに起因して不快な振動が発生したり、不安定な挙動をとることもない。
また、この実施の形態による油圧式減衰器2は、作動油が流れる絞りを選択するための弁を使用していないから、この弁を使用する従来の油圧式減衰器に較べて部品数を低減することができた。
また、この実施の形態による油圧式減衰器2は、作動油が流れる絞りを選択するための弁を使用していないから、この弁を使用する従来の油圧式減衰器に較べて部品数を低減することができた。
この実施の形態による油圧式減衰器2の第1の絞り7と第2の絞り8とは、ピストン15または可動隔壁33に設けられた連通孔29,30,46,47の開口部を開閉する板ばね25,26,41,42によって構成されている。このため、これらの絞り7,8の減衰力は、板ばねの弾発力の大きさに対応して増減する。したがって、この実施の形態による油圧式減衰器2は、前記板ばねのばね定数、形状、大きさ、厚み、枚数などを変えることによって所望の減衰力特性を容易に得ることができる。
さらに、この実施の形態による油圧式減衰器2は、隔壁本体37と板ばね25,26,41,42とを共締めによって取付用部材36と支持部材35とに固定することができるから、容易に組立てることができる。
さらに、この実施の形態による油圧式減衰器2は、隔壁本体37と板ばね25,26,41,42とを共締めによって取付用部材36と支持部材35とに固定することができるから、容易に組立てることができる。
2…油圧式減衰器、6…油圧シリンダ、7…第1の絞り、8…第2の絞り、11…シリンダチューブ、12…ヘッドカバー、13…ロッドカバー、14…ピストンロッド、15…ピストン、25,26,41,42…板ばね、18…リバウンドスプリング、21…ヘッドカバー側油室、22…ロッドカバー側油室、24…押圧部材、29,30,46,47…連通孔、31,48…第1の逆止弁、32,49…第2の逆止弁、33…可動隔壁、34…円筒部、35…支持部材、36…取付用部材、37…隔壁本体、38…受圧壁、44…第1の油室、45…第2の油室。
Claims (3)
- 車輪側と車体側との間に介装された油圧シリンダのピストンに設けられた減衰力発生用の第1の絞りと、前記油圧シリンダのロッドカバーに支持され前記ピストン側へ延びるリバウンドスプリングと、このリバウンドスプリングの先端部に支持された可動隔壁とを備え、この可動隔壁は、前記油圧シリンダのシリンダチューブとピストンロッドとにそれぞれ液密状態で移動自在に嵌合し、この可動隔壁によって画成された二つの油室を互いに連通する連通路と、この連通路に設けられた減衰力発生用の第2の絞りとを備えていることを特徴とする車両用懸架装置の油圧式減衰器。
- 請求項1記載の車両用懸架装置の油圧式減衰器において、第1の絞りは、ピストンに設けられた連通路の開口部を開閉する板ばねによって構成され、第2の絞りは、可動隔壁に設けられた連通路の開口部を開閉する板ばねによって構成されている車両用懸架装置の油圧式減衰器。
- 請求項2に記載した車両用懸架装置の油圧式減衰器において、可動隔壁は、ピストンロッドに移動自在に嵌合する円筒部を有しかつピストンと対向する受圧壁が形成された支持部材と、前記円筒部に一端部が螺着されるとともに他端部がリバウンドスプリングに取付けられた取付用部材と、前記円筒部の外周部分に嵌合するとともに油圧シリンダのシリンダチューブに嵌合する環状の隔壁本体とを備え、この隔壁本体の両側に第2の絞り用の板ばねを配設し、これらの板ばねと隔壁本体とを前記受圧壁と取付用部材とに挟持させてなる車両用懸架装置の油圧式減衰器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2004-12-16 JP JP2004364119A patent/JP2006170332A/ja active Pending
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