JP2006170246A - 可撓管及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内面ゴムにフッ素コーティングを施すといった基本性能に優れる技術を改良し、多大な工数を要するバフ掛け処理を行うことなく、十分に長期的な結合力があって耐久性を有する可撓管、並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】補強層bが埋設されるゴム製の管本体層aの内側にフッ素コーティングを行う可撓管の製造方法において、管本体層aを成形するためのマンドレル8として、その成形面8aに表面粗度が20μm以下となるクロメートめっき12が施された精密マンドレルを用意し、その精密マンドレル8を離型剤を伴うことなく用いて管本体層aを成形してから精密マンドレル8を脱型する管本体層成形工程と、その脱型によって露呈される管本体層aの内周面2aにフッ素コーティングを行う保護層形成工程とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、可撓管及びその製造方法に係り、詳しくは、ゴムと樹脂等のエラストマーと、合成繊維等による補強層とを有して構成される変位吸収継手等に用いられる可撓管、並びのその製造方法に関するものである。
この種の可撓管は、ポンプ周りの振動、圧力変動等の繰り返し変位が発生する配管や、地盤の不同沈下や配管の熱収縮等で大きな変位が発生するような配管、或いは前述の変位吸収継手のホース等のように、屈曲状に配策したり、繰り返し変位が作用するような箇所に用いられるものであり、例えば特許文献1において開示されたものが知られている。特許文献1においては、表面をコロナ放電処理して活性化させたHDPE(ハイデンシティポリエチレン)の上に未加硫ゴムを積層し、そして加熱することにより、HDPEとゴムを加硫させて強固に結合する技術(ポリエチレンコーティング技術)を開示している。
しかしながら、このような単純なコーティング技術では可撓性に乏しい(5%以下)性質があり、伸長歪みに十分追従することができない問題がある。実用に適すべく10%以上の伸長歪み追従できる仕様とするには、コーティング形状をコルゲート状とする必要があるが、それでは流体の通過抵抗が増加するとともに、製造工程や管の端部処理が複雑化してコストアップを招く不利がある。加えて、コルゲート形状の製造設備を新たに導入しなければならないとか、HDPEの加工温度が高い点で円滑な作業が行い難いといった問題もあり、実現は難しい。
これに対して、加硫が完了した製品(可撓管)の内層表面をバフ掛け研削して活性化させ、フッ素コーティング剤を直接塗布し、焼付け処理する技術(ゴム+フッ素コーティング技術)が考えられる。この技術では、許容弾性歪みに関しては、前述のポリエチレンコーティング技術よりは大きく改善され、その歪みが30%まで許容される点で望ましい技術である。しかしながら、長期的には結合力が不足気味であり、水道水循環雰囲気では数ヶ月で剥離する傾向があるとともに、内層表面をバフ掛けするには多大な工数を必要とする等、幾つかの難点がある。
特開2003−161389号公報
このように、前者及び後者のいずれの技術においても種々の解決課題を有しているが、後者の技術には改善の余地がある。即ち、フッ素コーティング技術による可撓管においては、弾性歪みの点では及第点にあるとともに、内面ゴムに耐熱性、耐薬品性に富むフッ素コーティングすることにより、ゴム中の配合薬品が可撓管内を流れる流体に析出することが防止でき、また、接液流体中の薬品類がゴム自体を腐食するのを防止できるという、優れた性質を持つからである。
そこで本発明の目的は、内面ゴムにフッ素コーティングを施すといった基本性能に優れる技術、即ち、管本体層に補強層を有する構造に関する技術を改良し、多大な工数を要するバフ掛け処理を行うことなく、十分に長期的な結合力があって耐久性を有する可撓管、並びにその製造方法を提供する点にある。
請求項1に係る発明は、可撓管において、ゴム又は合成樹脂製の管本体層aと、この管本体層aに埋設又は外装される補強層bと、前記管本体層aの内径側に積層される保護層cとを有し、前記管本体層aは、表面粗度が20μm以下となる表面処理が施されたマンドレル8を離型剤が伴われることなく用いる成形手段によって形成されたものであることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、可撓管において、ゴム又は合成樹脂製の管本体層aと、この管本体層aに埋設又は外装される補強層bと、前記管本体層aの内径側に積層される保護層cとを有し、前記管本体層aは、表面粗度が10μm以下となる表面処理が施されたマンドレル8を離型剤が伴われることなく用いる成形手段によって形成されたものであることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の可撓管において、前記保護層cがフッ素系コーティング剤で形成されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、補強層bが埋設又は外装されるゴム又は合成樹脂製の管本体層aの内側に保護層cを積層する可撓管の製造方法において、
前記管本体層aを成形するためのマンドレル8として、その成形面8aに表面粗度が20μm以下となる表面処理12が施された精密マンドレルを用意し、その精密マンドレル8を離型剤を伴うことなく用いて管本体層aを成形してから前記精密マンドレル8を脱型する管本体層成形工程と、その脱型によって露呈される管本体層aの内周面2aに前記保護層cをコーティングする保護層形成工程とを有することを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、補強層bが埋設又は外装されるゴム又は合成樹脂製の管本体層aの内側に保護層cを積層する可撓管の製造方法において、
前記管本体層aを成形するためのマンドレル8として、その成形面8aに表面粗度が10μm以下となる表面処理12が施された精密マンドレルを用意し、その精密マンドレル8を離型剤を伴うことなく用いて管本体層aを成形してから前記精密マンドレル8を脱型する管本体層成形工程と、その脱型によって露呈される管本体層aの内周面2aに前記保護層cをコーティングする保護層形成工程とを有することを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に記載の可撓管の製造方法において、前記表面処理12がクロメートめっきであることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項4〜6の何れか一項に記載の可撓管の製造方法において、前記保護層形成工程は、脱型によって露呈される管本体層aの内周面2aに厚さ1〜30μmにプライマー塗布することによる弾性層10を形成する弾性層形成工程と、それによって形成された弾性層10の内周面10aへのコーティングによって保護層cを形成する仕上げ工程とから成ることを特徴とするものである。
請求項8に係る発明は、請求項4〜7の何れか一項に記載の可撓管の製造方法において、前記保護層cをフッ素系合成樹脂剤のコーティングによって形成することを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、詳しくは実施形態の項において述べるが、表面粗度が20μm以下となる精密マンドレルを用いることで、離型剤を用いなくても管本体層から精密マンドレルを抜き出すことが可能になり、多大な工数を要するバフ掛け処理を行う必要が無いようになる。それによって、接着性を阻害する離型剤の膜が生成されないので、マンドレルの脱型後に管本体層の内周面に保護層を塗布及び硬化させ強固に接着することができる。その結果、保護層が長期に亘って剥離することのない安定的なコーティング状態に維持でき、耐久性や信頼性に富みながらも廉価で生産性に優れる可撓管を提供することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明におけるマンドレルの表面粗度をより精密な10μm以下としたものであり、マンドレルの脱型処理がより円滑となり、より安定的なコーティングが行えて、耐久性、信頼性、廉価で優れる生産性等の前記効果をより強化し得る可撓管を提供することができる。
請求項3の発明によれば、管本体層の内面にコーティングされる保護層が、高温や腐蝕性の強い薬液にもよく対応できるフッ素系コーティング剤で形成されているので、高温に耐え、且つ、耐薬品性にも富み、用途範囲を拡大できる利点を有する可撓管を提供することができる。
請求項4の発明によれば、可撓管を製作するに用いるマンドレルの表面粗度を精密仕上げすることによって、離型剤を用いることなくマンドレルの脱型が可能となる方法であり、請求項1の発明による作用効果と同等の作用効果を奏することが可能な可撓管の製造方法を提供することができる。
請求項5の発明によれば、請求項4の発明におけるマンドレルの表面粗度をさらに精密な10μm以下とする方法であり、請求項2による前記作用効果と同等の作用効果を得ることができる。
請求項6の発明によれば、マンドレル表面を粗度を20μm以下、或いは10μm以下とすることを、一般的に普及している表面処理手段であるクロメートめっきによって達成することができるので、廉価で生産性の良く経済性に優れるものとしながら、請求項4又は5による前記作用効果が得られる利点がある。
請求項7の発明によれば、管本体層と保護層との間に介在される厚さ1〜30μmのプライマーによる弾性層の存在により、管本体層の歪みが弾性層で緩和されて保護層に伝わるようになって、保護層のクラック等の不都合が生じ難くなる。その結果、より大きな伸長歪みにも追従できるように改善される可撓管の製造方法を提供することができる。
請求項8の発明によれば、請求項3の発明による作用効果と同等の作用効果を奏することが可能な可撓管の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明による可撓管及びその製造方法の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明による可撓管を用いた変位吸収継手の縦断面図、図2は図1の部分横断面図、図3は可撓管の製造方法の要部を示す作用図、図4はマンドレルが脱型された状態の可撓管の部分断面図、図5はマンドレル外周部の断面図、図6は可撓管の従来品と本発明品との各種特性を示す図表である。
〔実施例1〕
実施例1による可撓管Aは、図1、図2に示すように、変位吸収継手Tの構成部品として用いられているものである。この変位吸収継手Tは、可撓管Aと、これの長手方向の両端部に装着された金属製の接続端部である一対の口金具1とから構成されている。可撓管Aは、ゴム(又は合成樹脂)製の管本体層aと、この管本体層aに埋設(又は外装)される補強層bと、管本体層aの内径側に積層される保護層cとを有した多重層構造の管に構成されており、管本体層aは、表面粗度が20μm以下となる表面処理が施されたマンドレル8を離型剤が伴われることなく用いる成形手段(図3参照)によって形成されたものである。管本体層aは、三つのゴム層2,6,9から成り、補強層bは二つの補強コード層3,5と一つの金属補強層4とから成り、保護層cはコーティング層11から成る。また、保護層cと管本体層a即ち内面ゴム層2との間には弾性層10が介在されている。
可撓管Aは、一対の口金具1の間において、内面ゴム層2の外表面に巻回された第1補強コード層(補助補強コード層)5の外周に、金属製補強具の1種であるスパイラル状の硬鋼線(コイルワイヤー)4が巻回されており、硬鋼線4の外側に第2補強コード層(主補強コード層)3が巻回され、さらにその外側に外面ゴム層6で被覆された多層構造のものとされている。補助補強コード層5、硬鋼線4、主補強コード層3は、いずれも補強層を構成しており、硬鋼線4のピッチ間にはゴムが充填されており、それによって中間ゴム層9が形成されている。また、口金具1の開口端側根元部には主補強コード層3で折り返し被覆された鋼製のソリッドリング7が装着され、口金具1の外周側にはボルトを挿通自在な貫通孔1aが形成されている。
各層の材質や厚み等は次のようである。内面ゴム層2:NR又はCR又はEPDM等で厚さ5mm、第1補強コード層5:ナイロン又はすだれ状のポリエステル等55°で1プライ、硬鋼線4:SWC又はSWB等で直径5m、中間ゴム層9:NR又はCR又はEPDM等で厚さ5mm、第2補強コード層3:ナイロン又はすだれ状のポリエステル等50°で2プライ、外面ゴム層6:NR又はCR又はEPDM等で厚さ5mmである。弾性層10は、ポリオレフィン系プライマーを内面ゴム層2の表面である内周面2aに厚さ1〜30μmに塗布することで形成されており、保護層cであるコーティング層11は、弾性層10の内周面(表面)10aにウレタン系のフッ素コーティング剤を程よい厚み、即ち、厚さ1〜30μmに塗布することで形成されている。
保護層cをフッ素コーティング剤製のコーティング層11として、そのアンダーコート材としてポリオレフィン系プライマー製の弾性層10を塗布する構成としてあるので、コーティング層11の内面ゴム層2に対する接着力が大きく向上し、ゴム中の配合物の析出防止と伸長歪み追従性に威力を発揮するものとなっている。この場合、保護層cの膜厚は厚過ぎると伸長歪みに追従できなくなり、薄過ぎるとゴム中の配合物の析出防止ができないので、前述したような程よい厚みに設定することが肝要である。また、管本体層aと保護層cとの間に介在される厚さ1〜30μmのプライマーによる弾性層10の存在により、管本体層aの歪みが弾性層10で緩和されて保護層cに伝わるようになって、保護層cのクラック等の不都合が生じ難くなる。その結果、より大きな伸長歪みにも追従できるように改善される可撓管Aの提供に寄与することが可能である。
さて、上記の「程よい厚み」について考えてみる。内面ゴム層2の内表面に塗布するコーティング層(樹脂膜層)11は、これ単体で塗布した場合の膜厚、或いは、弾性層(バインダー層)10を併用する場合における弾性層10との厚み比率と膜厚が適合範囲内になっていないと、可撓管Aが伸長や圧縮等を変位吸収する際の歪みに追従できず、早期の剥離や破壊の原因となる。そこで、コーティング層11、及びこれと内面ゴム層2との間に塗布される弾性層10の膜厚並びに両者11,10の比率を所定の範囲に設定することにより、50〜100%程度の大きな歪みが可撓管Aに発生した場合でも、その歪みに追従することができて剥離や破損が生じないようになる。従って、剥離した膜が可撓管A内の流体に混入したり、内面ゴム層2の配合剤が流体に析出したりする不都合を低減、或いは解消することが可能になる。
配合薬品の浸出防止に必要な試作や浸出試験結果からは膜厚は5μm以上必要であることが知見された。保護層cのサンプルでの実験結果では、膜厚が10μmを超える部分では、その部分が伸びに追従しないか、或いはその周辺部分に局部歪みが発生するためかにより、伸長追従性が50%以下となることがある。マンドレル8の表面粗さが20μmである場合は、コーティング液が溜まる部分の深さは10μm以下になることが知見された。このことからも、マンドレル8の表面粗さは20μm以下とするのが良いことが分かる。
実例を挙げてみると、(イ)可撓管Aの内面ゴム層2の表面が十分平滑な面であるCR系ゴムを溶剤で油分を十分に除去した後に、市販のオレフィン系バインダーを20μmの厚みに塗布し、乾燥後、ウレタン系フッ素コーティング剤を20μmの厚みに塗布し、140℃で1時間の焼付け処理を行う。それによる製品に伸長歪みを与えたところ、約100%歪みに達するまではコーティング層11にクラックは発生しなかった。
また、別の例では、CR/EPDM系の内面ゴム層2の表面に市販のオレフィン系バインダーとフッ素コーティング剤を厚み5μmずつで塗布したところ、上記(イ)と同様な処理をした製品では、約300%伸長歪みになるまでコーティング層11にクラックは発生しなかった。
次に、ゴム内面層2に保護層cを形成する方法(可撓管の製造方法)について説明する。図3、図5に示すように、管本体層aを成形するためのマンドレル8として、その成形面である外周面8aに表面粗度が20μm以下となる表面処理12が施された精密マンドレルを用意し、その精密マンドレル8を、離型剤を伴うことなく用いて管本体層aを成形する成形工程、及び、成形後に精密マンドレル8を管本体層aから抜き出す〔脱型(脱芯)する〕脱型工程で成る管本体層成形工程(図3参照)と、その精密マンドレル8の脱型によって露呈される管本体層aの内周面1a(図4参照)に保護層cをコーティングする保護層形成工程とを有する製造方法である。尚、表面処理12の一例としてはクロメートめっき(クロームめっき、ハードクロームめっき)が挙げられる。
脱型工程においては、従来、マンドレル8を管本体層aから円滑に脱型するためには予め離型剤をマンドレル8の表面に塗っておく前処理が為されるので、脱型工程後における管本体層aの内面、すなわち内面ゴム層2の内周面には離型剤が加硫によって焼き付けられて残った状態になっている。そのままの状態で保護層cをコーティングすると接着力が不安定になるので、内面ゴム層2の内周面の全体に亘ってバフ掛け等の研削処理を行ってからコーティングする工程が採られる。これが〔0004〕項において言う「多大な工数を必要とする」ことであり、コストアップを招くこととなっている。
これに対して本発明による製造方法によれば、上記の如くクロメートめっきによって表面粗度が20μm以下となる精密マンドレル8を用いているので、離型剤を用いなくても管本体層aから抜き出す脱型工程が行えるようになる。従って、接着性を阻害する離型剤の膜が生成されないので、脱型工程後に内面ゴム層2の内周面2aに保護層cを単に塗布及び硬化させるだけで強固に接着することができ、長期に亘って剥離することのない安定的なコーティング状態が維持できるようになる。実施例1においては、先にウレタン系のプライマーによる弾性層(前述)10を形成してからウレタン系のフッ素コーティング剤によるコーティング層11形成してあるので、より大きな伸長歪みにも追従できる保護層cが形成されている。なお、精密マンドレル8の表面粗度が20μm以下であることの根拠は、保護層cに関する塗膜調査の結果、即ち、ユニクロームめっきやクロームめっきの粗度を種々に変えたサンプルの表面凹凸と、マンドレルの脱型の可否並びにし易さとの関係から求まる値が20μm(実験データは、20μm以下で、かつ、10μm超となる範囲)であること(図6参照)に因る。
参考に、上述の製造方法によって作成された可撓管Aにおいて、内面ゴム層2の内周面2aの表面処理の違いによる各種データを図6に示す。尚、図6において、「通常のコーティング」とは、プライマー等のバインダーを使用することなくフッ素コーティングを施すことであり、「本発明品」とは、表面が滑らかなマンドレルを使用し、かつ、プライマーとフッ素コーティングとが施されたものである。
さて、図6から、保護層cを持たない可撓管では、伸長歪みに関しては優れているが、当然ながら浸出性能試験はクリアできず、通常コーティング(従来の保護層)が施された可撓管では、浸出性能試験はクリアできるが伸長歪みには問題がある。これらに対して本発明品では、浸出性能試験をより高次元でクリアしつつ、伸長歪み及び接着性に関しても全く問題無いレベルの値を示していることが理解できる。しかるに、本発明品によれば、耐薬品性の向上、摩擦係数の低減、内層材中の配合物が可撓管A内の流体に析出することの防止が図れる。各ゴム層2,6,9中の配合物(老防、加硫剤等)は浸出性能に悪影響を与えると思われるが、内面ゴム層2の表面にフッ素コーティングを行うことにより、色度、臭気、濁度、過マンガン酸カリ消費量、残留塩素の消費量といった浸出性能規格にある各項目を容易にクリアできる利点がある。
尚、実施例1において、マンドレル8の表面粗度を10μm以下(実験データは、10μm以下で、かつ、5μm以上となる範囲であり、図6参照)とすれば、マンドレルの脱型のし易さがさらに円滑なものとなり、マンドレルの脱型後における管本体層の内周面に保護層を塗布及び硬化させての接着強度がさらに増す。図6から分かるように、破壊伸長歪みの項目においてより改善が見られる。その結果、より保護層が長期に亘って剥離しないよう安定的なコーティングが行え、耐久性や信頼性に富みながらも廉価で生産性に優れる効果を安定して得られる可撓管を提供することができる。
〔実施例2〕
実施例2による可撓管Aは、実施例1による可撓管Aと材料や厚み等が異なるものである。即ち、内面ゴム層2:NR又はCR又はEPDM等で厚さ4mm、第1補強コード層5:ナイロン又はすだれ状のポリエステル等55°で2プライ、硬鋼線4:SWC又はSWB等で直径3m、中間ゴム層9:NR又はCR又はEPDM等で厚さ3mm、第2補強コード層3:ナイロン又はポリエステル平織りで1プライ、外面ゴム層6:NR又はCR又はEPDM等で厚さ3mmである。
〔実施例3〕
実施例3よる可撓管Aは、実施例1による可撓管Aと材料や厚み等が異なるとともに、積層自体も異なるものである。即ち、内面ゴム層2:NR又はCR又はEPDM等で厚さ4mm、第1補強コード層5:ナイロン又はすだれ状のポリエステル等55°で2プライ、中間ゴム層9:NR又はCR又はEPDM等で厚さ6mm、外面ゴム層6:NR又はCR又はEPDM等で厚さ3mmであり、硬鋼線と第2補強コード層とを有さないワイヤレス仕様である。
〔その他の実施例〕
弾性層10としては、ウレタン系プライマーの他、塩素化ポリオレフィン成分と溶剤とMEK(メチルエチルケトン)とから成るプライマー等でも可能である。また、コーティング層11としては、ポリエチレンやナイロン樹脂等も可能であり、弾性層10を用いずに直接に内面ゴム層2の内周面2aにコーティングする構成(方法)も可能である。
可撓管を用いた変位吸収継手の構造を示す縦断面図(実施例1) 図1の可撓管を示す部分横断面図 図1の可撓管の製造方法における脱型工程を示す作用図 マンドレルが脱型された状態における可撓管の部分断面図 マンドレルの部分断面図 可撓管の従来品と本発明品との各種特性を示す図表
符号の説明
2 内面ゴム層
2a 管本体層の内周面
3 第2補強コード層
4 硬鋼線
5 表面処理
6 外面ゴム層
8 マンドレル、精密マンドレル
8a 成形面
9 中間ゴム層
10 弾性層
10a 弾性層の内周面
12 表面処理
a 管本体層
b 補強層
c 保護層
A 可撓管
T 変位吸収継手

Claims (8)

  1. ゴム又は合成樹脂製の管本体層と、この管本体層に埋設又は外装される補強層と、前記管本体層の内径側に積層される保護層とを有し、前記管本体層は、表面粗度が20μm以下となる表面処理が施されたマンドレルを離型剤が伴われることなく用いる成形手段によって形成されたものである可撓管。
  2. ゴム又は合成樹脂製の管本体層と、この管本体層に埋設又は外装される補強層と、前記管本体層の内径側に積層される保護層とを有し、前記管本体層は、表面粗度が10μm以下となる表面処理が施されたマンドレルを離型剤が伴われることなく用いる成形手段によって形成されたものである可撓管。
  3. 前記保護層がフッ素系コーティング剤で形成されている請求項1又は2に記載の可撓管。
  4. 補強層が埋設又は外装されるゴム又は合成樹脂製の管本体層の内側に保護層を積層する可撓管の製造方法であって、
    前記管本体層を成形するためのマンドレルとして、その成形面に表面粗度が20μm以下となる表面処理が施された精密マンドレルを用意し、その精密マンドレルを離型剤を伴うことなく用いて管本体層を成形してから前記精密マンドレルを脱型する管本体層成形工程と、その脱型によって露呈される管本体層の内周面に前記保護層をコーティングする保護層形成工程とを有する可撓管の製造方法。
  5. 補強層が埋設又は外装されるゴム又は合成樹脂製の管本体層の内側に保護層を積層する可撓管の製造方法であって、
    前記管本体層を成形するためのマンドレルとして、その成形面に表面粗度が10μm以下となる表面処理が施された精密マンドレルを用意し、その精密マンドレルを離型剤を伴うことなく用いて管本体層を成形してから前記精密マンドレルを脱型する管本体層成形工程と、その脱型によって露呈される管本体層の内周面に前記保護層をコーティングする保護層形成工程とを有する可撓管の製造方法。
  6. 前記表面処理は、クロメートめっき工程を含むものである請求項4又は5に記載の可撓管の製造方法。
  7. 前記保護層形成工程は、脱型によって露呈される管本体層の内周面に厚さ1〜30μmにプライマー塗布することによる弾性層を形成する弾性層形成工程と、それによって形成された弾性層の内周面へのコーティングによって保護層を形成する仕上げ工程とから成る請求項4〜6の何れか一項に記載の可撓管の製造方法。
  8. 前記保護層をフッ素系合成樹脂剤のコーティングによって形成する請求項4〜7の何れか一項に記載の可撓管の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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