JP2006170129A - 筒内噴射式内燃機関 - Google Patents

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泰介 白石
Hirobumi Tsuchida
博文 土田
Daisuke Tanaka
大輔 田中
Yasuhito Suzuki
康仁 鈴木
Tomohiko Tatara
知彦 多々良
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Abstract

【課題】直上噴射型の筒内噴射式内燃機関において、燃料が内側キャビティに噴射された場合に、スモーク等が点火プラグに付着するのを回避して、くすぶりの発生を防止する。
【解決手段】ピストンの冠面において、冠面中央部に内側キャビティ1211を、その周囲に外側キャビティ1212を形成するとともに、内側キャビティ1211の外縁eでこのキャビティ1211の壁面に接する直線として定められる外縁方向線nを、ピストン12の中心軸(m)に対し、この外縁eよりも下方で交差するものとして設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、筒内噴射式内燃機関に関し、詳細には、ピストンの冠面にキャビティを設けるとともに、燃料供給用のインジェクタをこのキャビティの上方に設置した筒内噴射式内燃機関に関する。
燃料供給用のインジェクタを燃焼室に臨ませて設置し、所定の運転領域での燃焼に際し、このインジェクタにより圧縮行程中に燃料を噴射させ、混合気を層状に形成する内燃機関が知られている。この筒内噴射式内燃機関によれば、低負荷域及び中負荷域で混合気を層状化することで、これらの運転領域での燃料消費量を大幅に削減することができる。
従来、筒内噴射式内燃機関として、次のものが知られている。すなわち、ピストンの冠面に比較的に深底な内側キャビティが形成されるとともに、この内側キャビティの周囲に内側キャビティよりも浅底な外側キャビティが形成される一方、シリンダヘッドにおいて、これらのキャビティの上方に、ピストンの冠面に対向させてインジェクタが設置されたものである(特許文献1)。
特開昭63−227920号公報(図2)
しかしながら、上記の筒内噴射式内燃機関には、次のような問題がある。すなわち、このものでは、燃料の噴霧を内側キャビティ内に積極的に保持するため、内側キャビティの周面が底面に対してほぼ垂直な又はこれに対してオーバーハングした急な角度で形成されるのが一般的であり、周面がこのような急な角度で形成された場合は、内側キャビティ内において、周面と底面とで囲まれた狭い空間が形成される。この内側キャビティに向けて燃料が噴射された場合は、この狭い空間内で噴霧の流れが停滞し易く、この停滞した噴霧によりスモーク等の原因となる過濃混合気が形成される。また、膨張行程において、燃焼ガスがこの急な周面に沿って案内されることにより直上へ巻き上がり、点火プラグの方向に向かうことで、スモーク及び未燃HCが点火プラグに付着して、ディポジットが形成される。点火プラグにディポジットが形成されることで、正常な点火動作が妨げられ、失火を引き起こすことは、くすぶりの問題としてよく知られたところである。
本発明は、ピストンの冠面にキャビティとして内側及び外側キャビティが形成され、インジェクタがこのキャビティの上方に設置された筒内噴射式内燃機関において、燃料が内側キャビティに噴射された場合に、スモーク等が点火プラグに付着するのを可及的に回避して、くすぶりの発生を防止することを目的とする。
本発明は、筒内噴射式内燃機関を提供する。本発明に係る装置は、冠面にキャビティを有するピストンと、このキャビティの上方に設置され、かつ燃料の噴射方向がこのピストンの移動方向に対して平行であるインジェクタと、このインジェクタにより噴射された燃料を着火させるための点火プラグとを含んで構成される。ピストンは、前記キャビティとして、冠面中央部に形成された内側キャビティと、この内側キャビティの周囲に形成された外側キャビティとを有し、ピストンの中心軸を含む平面による断面において、内側キャビティに関し、内側キャビティの外縁でこの内側キャビティの壁面に接する直線として定められる外縁方向線が、ピストンの中心軸に対してこの外縁よりも下方で交差するものとして設定される。
本発明によれば、内側キャビティに関して定められる外縁方向線を、ピストンの中心軸に対して内側キャビティの外縁よりも下方で交差するものとして設定したことで、内側キャビティがこの外縁で外側に開かれた形状となるので、燃焼ガスが点火プラグに向けて巻き上がるのを抑制し、スモーク等が点火プラグに付着するのを回避することができる。また、本発明において、内側キャビティの壁面を球面に沿った形状等とすることで、内側キャビティ内で噴霧の円滑な流れを形成し、過濃混合気の形成を防止して、スモーク等の発生自体を抑制することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る筒内噴射式内燃機関(以下「エンジン」という。)1の構成を示している。
シリンダブロック11には、ピストン12が挿入されており、ピストン12の冠面とシリンダヘッド13の下面との間に形成される空間が、燃焼室14となる。シリンダヘッド13には、気筒中心軸mを基準とした一側に吸気ポート15が形成されており、吸気ポート15は、図示しない吸気マニホールドと接続して、吸気通路を形成している。吸気ポート15は、吸気弁16により開放及び遮断される。一方、気筒中心軸mを基準とした他側に排気ポート17が形成されており、排気ポート17は、図示しない排気マニホールドと接続して、排気通路を形成している。排気ポート17は、排気弁18により開放及び遮断される。吸気ポート15及び排気ポート17は、各気筒について2つずつ、気筒配列方向に並設されている。吸気弁16及び排気弁18は、各弁16,18の上方に設置された図示しない吸気カム及び排気カムにより夫々駆動される。
また、シリンダヘッド13には、燃焼室14の上部略中央に臨ませて燃料供給用のインジェクタ19が設置されるとともに、このインジェクタ19に隣接させて、2つの排気ポート17,17の間に点火プラグ20が設置されている。
本実施形態では、インジェクタ19は、気筒中心軸m上に設置されている。インジェクタ19は、先端のノズル部において、周方向に複数の噴孔が設けられたマルチホール型のインジェクタであり、各噴孔から噴射された燃料は、全体として中空のコーン状噴霧Sを形成する。このコーンの中心線をインジェクタ19の噴射方向線とした場合に、この噴射方向線は、気筒中心軸mに対して平行に設定されている(本実施形態では、噴射方向線と気筒中心軸mとが一致している。)。なお、ここでいう「平行」とは、完全な平行に限らず、実質的な平行を含む概念である。すなわち、噴射方向線は、気筒中心軸mに対して平行又はこれに近い状態にあり、ピストン12のキャビティ121により噴霧を案内して、縦方向の循環流を形成するという、後述する作用が得られる状態にあればよい。インジェクタ19へは、燃料ポンプ21により加圧された燃料が、燃料配管22を介して規定圧力で供給される。燃料ポンプ21は、図示しないカムシャフトに連結され、エンジン1の出力により駆動される。
ピストン12の冠面には、インジェクタ19により噴射された燃料の噴霧(以下、単に「噴霧」という。)Sを案内するためのキャビティ121が形成されている。このキャビティ121として、冠面中央部に比較的に深底の内側キャビティ1211が形成されるとともに、その周囲に内側キャビティ1211よりも浅底の外側キャビティ1212が形成されている。本実施形態では、内側キャビティ1211は、気筒中心軸mに垂直な平面による断面で円形に形成されており、その中心は、気筒中心軸mと一致している。他方、外側キャビティ1212は、同じ断面で内側キャビティ1211と同心の環状に形成されている。また、内側キャビティ1211の底面は、球面に沿って形成されており、このため、この底面は、気筒中心軸mを含む平面による図1の断面で弧状に形成されている。本実施形態に関し、内側キャビティ1211の「外縁方向線」nは、内側キャビティ1211の外縁eにおける前記円弧の接線として与えられ、ピストン12の中心軸(本実施形態では、気筒中心軸mと一致する。)に対し、ピストン12の移動方向に関してこの外縁eよりも下方で交差している。他方、外側キャビティ1212の底面は、気筒中心軸mに対して傾斜させて形成されており、気筒中心軸mから径方向に遠ざかるほど深さが増大している。外側キャビティ1212の壁面は、このように傾斜させて形成された底面から、気筒中心軸mに対して平行に形成された周面に接続している。内側キャビティ1211の底面最深部を外側キャビティ1212の底面最深部よりも下方に設定することで、内側キャビティ1211の壁面までの噴霧の到達距離を確保している。図1では、両底面の間の距離を符号dで示している。
なお、点火プラグ20は、ピストン12が上死点にある状態で、外縁方向線nと気筒中心軸mとの間に配置されている。
エンジン1の運転は、エンジンコントロールユニット(以下「ECU」という。)31により統合的に制御される。エンジン1には、吸入空気量Qaを検出するエアフローメータ41からの信号、アクセル開度APOを検出するアクセルセンサ42からの信号、クランク角センサ43からの信号(これをもとに、エンジン回転数NEを算出する。)、及び冷却水温度Twを検出する温度センサ44からの信号等が入力されるとともに、燃料配管22に設置された燃料圧力センサ45からの信号が入力される。ECU31は、これらの信号をもとに、インジェクタ19の燃料噴射量及び噴射時期と、点火プラグ20の点火時期とを演算し、設定する。
本実施形態では、エンジン1の運転状態(主に、負荷)に応じ、拡散燃焼と成層燃焼との間で燃焼形態を切り換える。図7は、燃焼形態のマップを示している。負荷の指標であるアクセル開度APOにより燃焼形態を切り換えることとし、各エンジン回転数NEにおいて、アクセル開度APOが所定の値よりも大きいときに拡散燃焼を選択する一方(領域C)、この所定の値以下であるときに成層燃焼を選択する(領域A,B)。拡散燃焼では、空燃比を理論空燃比に設定するとともに、燃料の噴射時期を吸気行程中に設定し、噴霧を燃焼室14全体に拡散させて混合気を形成する。成層燃焼では、空燃比を理論空燃比よりも大きな値に設定するとともに、燃料の噴射時期を圧縮行程中に設定し、燃焼室14の中央部付近に噴霧を集中させ、混合気を層状に形成する。また、本実施形態では、成層燃焼を行わせる場合に、比較的に低負荷側の領域Aと、これよりも高負荷側の領域Bとで成層燃焼の形態を更に切り換える。なお、本実施形態に関し、領域Aが「第1の領域」に相当し、領域Bが「第2の領域」に相当する。
次に、本実施形態に係る成層燃焼について、図2,3により概念的に説明する。
図2は、低負荷側の領域Aにおける成層燃焼(以下、特に「スプレーガイド燃焼」という。)を説明するためのものであり、筒内の状態を時系列で示している。
領域Aでは、クランク角に関して比較的に遅い、上死点近傍の時期に燃料の噴射時期が設定される(図2a)。本実施形態では、この領域Aにおける噴射時期として、噴霧Sが内側キャビティ1211に向かう時期を採用している。噴射後、噴霧Sが内側キャビティ1211に向け、拡散しながら燃焼室14内を移動するのに対し、点火時期は、この噴霧Sが内側キャビティ1211の底面に衝突する前の時期に設定される(図2b)。点火により燃料が着火し、燃焼するが、発生した燃焼ガスCは、内側キャビティ1211の底面に衝突するとともに、この底面により内側キャビティ1211内を外向きに案内される。本実施形態では、外縁方向線nが気筒中心軸mに対して前述のように傾斜させて設定され、内側キャビティ1211の底面が球面に沿って形成されているため、燃焼ガスCは、内側キャビティ1211内を停滞することなく円滑に流れ、外縁eにおいて、内側キャビティ1211から外側キャビティ1212に向けた外方に流出する(図2cの符号f1)。外側キャビティ1212に流出した燃焼ガスCが、このキャビティ1212の周面により受け止められることで、燃焼ガスCの拡散が抑制され、出力の損失が低減される。
図3は、高負荷側の領域Bにおける筒内の状態を時系列で示している。
領域Bでは、領域Aにおけるよりもクランク角に関して早い時期に燃料の噴射時期が設定される(図3a)。本実施形態では、この領域Bにおける噴射時期として、噴霧Sが外側キャビティ1212に向かう時期を採用している。噴射後、噴霧Sは、外側キャビティ1212の底面に衝突するとともに、この底面及び外側キャビティ1212の周面により案内されて、外側キャビティ1212から上方に巻き上がる(図3bの符号f2)。内側キャビティ1211に対し、外側キャビティ1212は、周面が気筒中心軸mに対して平行に形成されているため、噴霧Sは、点火プラグ20が近接させて設置された燃焼室14の上部略中央の領域に向けて積極的に巻き上がる。その後、噴霧Sが拡散しながら燃焼室14内を上昇し、点火プラグ20付近に到達することで、燃料が燃焼室14の広い範囲に分布した、比較的に大きな混合気塊Mが形成される。領域Bでは、点火は、この大きな混合気塊Mに対して行われる。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、内側キャビティ1211の外縁方向線nを、気筒中心軸mに対して内側キャビティ1211の外縁eよりも下方で交差するものとして設定することとした。このため、内側キャビティ1211がこの外縁eで外側に開かれた形状となり、燃焼ガスCを内側キャビティ1211から外側キャビティ1212に向けた外方に逃がすことができるので、燃焼ガスCが積極的に点火プラグ20に向けて巻き上がるのを防止し、スモーク等が点火プラグ20に付着して、ディポジットが形成されるのを回避することができる。
また、本実施形態では、内側キャビティ1211の壁面を球面に沿った形状として形成することとした。このため、内側キャビティ1211内での噴霧Sの流れを円滑なものとし、過濃混合気の形成を防止して、スモーク等の発生自体を抑制することができる。
更に、本実施形態では、内側キャビティ1211を深底に形成し、このキャビティ1211の底面までの噴霧Sの到達距離を確保することとした。このため、この底面に燃料が付着し、燃料の液膜が形成されるのを抑制することができる。
更に、本実施形態では、エンジン1の運転状態に応じ、拡散燃焼と成層燃焼との間で燃焼形態を切り換えるとともに、成層燃焼領域内で更に形態を切り換え、比較的に低負荷側の領域Aでは、スプレーガイド燃焼を採用し、領域Aよりも高負荷側の領域Bでは、外側キャビティ1212により比較的に大きな混合気塊Mを形成して成層燃焼を行わせることとした。このため、広い運転領域で安定した成層燃焼を行わせることができ、燃料消費量と出力との両立を図ることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図4は、本実施形態に係るエンジン1の構成を示している。
このエンジン1が先の実施形態に係るエンジン(図1)に対して構造上相違する点及び特徴的な点は、次の通りである。
第1に、内側キャビティ1211の底面122が気筒中心軸m(ピストン12の中心軸と一致する。)に対して垂直に形成されるとともに、このキャビティ1211の周面123が底面122に連続して、倒立切頭円錐の側面に沿って形成されている点である。このため、外縁方向線nは、気筒中心軸mを含む平面による図4の断面で内側キャビティ1211の周面と一致しており、気筒中心軸mに対し、内側キャビティ1211の外縁eよりも下方で交差している。
第2に、この図4の断面において、外縁方向線nと燃焼室14を形成するシリンダヘッドの下面131との交点をaとし、気筒中心軸mとこの下面131との交点をbとし、外縁方向線nと気筒中心軸mとの交点をcとして表した場合に、2つの辺ab,acのなす角αが鈍角である点である。
第3に、点火プラグ20が、ピストン12が上死点にある状態で、幾何学上、外縁方向線nと気筒中心軸mとの間に配置されている点である(この点は、先の実施形態におけると同様である。)。
次に、本実施形態に係る成層燃焼について、図5,6により概念的に説明する。
本実施形態では、エンジン1の運転状態に応じて拡散燃焼と成層燃焼との間で燃焼形態を切り換えるとともに、成層燃焼領域を更に負荷に応じた3つの領域に分け、各領域A,B1,B2で成層燃焼の形態を切り換える。図8は、燃焼形態のマップを示している。成層燃焼領域A〜B2のうち、比較的に高負荷側の領域B2では、外側キャビティ1212に向けて燃料を噴射し、大きな混合気塊Mを形成して燃焼させる形態を選択する。他方、この領域B2よりも低負荷側の領域A,B1では、内側キャビティ1211に向けて燃料を噴射する。この領域A,B1のうち、特に低負荷側の領域Aでは、内側キャビティ1211の壁面に衝突する前の噴霧に対して点火が行われるスプレーガイド燃焼を選択する。他方、これ以外の領域B1では、内側キャビティ1211を利用して比較的に小さな混合気塊Mを形成し、この混合気塊Mに対して点火が行われる形態を選択する。なお、本実施形態に関し、領域A,B1が「第1の領域」に相当し、領域B2が「第2の領域」に相当する。
図5は、領域Aにおける筒内の状態を時系列で示している。
領域Aにおいて、燃料は、噴霧Sが内側キャビティ1211に向かう比較的に遅い時期に噴射される(図5a)。噴射後、噴霧Sが燃焼室14内を内側キャビティ1211に向けて移動するのに対し、この噴霧Sが内側キャビティ1211の底面122に衝突する前の時期に点火が行われる(図5b)。燃焼ガスCは、内側キャビティ1211の底面122に衝突するとともに、この底面122及び周面123により内側キャビティ1211内を外向きに案内されて、内側キャビティ1211から外側キャビティ1212に向けた外方に流出する(図5cの符号f3)。なお、流出した燃焼ガスCが外側キャビティ1212の周面により受け止められることで、出力の損失が低減されることは、既述の通りである。
図6は、領域B1における筒内の状態を時系列で示している。
領域B1において、燃料は、噴霧Sが内側キャビティ1211に向かう時期に設定される(図6a)。噴射後、噴霧Sは、内側キャビティ1211の底面122に衝突するとともに、この底面122及び周面123により案内されて、内側キャビティ1211から上方に巻き上がる(図6bの符号f4)。本実施形態では、外縁方向線nの設定とともに、内側キャビティ1211の周面123自体が気筒中心軸mに対して外向きに傾斜させて形成されている。このため、噴霧Sは、点火プラグ20が近接する燃焼室14の上部略中央の領域を避け、比較的に緩やかな角度で巻き上がる。その後、噴霧Sは、燃焼室14内を上昇し、シリンダヘッド13の下面131に衝突するが、外縁方向線nとこの下面131との交点aに形成される角αが鈍角に設定されているため、噴霧Sは、この下面131により前記上部略中央の領域に向けて案内される(図6cの符号f5)。領域Bでは、このようにして点火プラグ20周辺に比較的に小さな混合気塊が形成され、この小さな混合気塊に対して点火が行われる。
なお、領域B2における成層燃焼は、先の実施形態における領域B(図7)と同様に、外側キャビティ1212を利用して大きな混合気塊を形成することにより行われる。
本実施形態によれば、特に、次のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、内側キャビティ1211の壁面を底面122と、気筒中心軸mに対して傾斜させて形成した周面123とで構成することとした。このため、このキャビティ1211を利用してより小さな混合気塊を形成し(図6c)、低負荷側での成層燃焼をより安定して行わせることができる。
また、本実施形態では、点火プラグ20を、図4の断面で外縁方向線nと気筒中心軸mとの間に設置することとした。このため、内側キャビティ1211から巻き上がる燃焼ガスCが点火プラグ20に直接吹き付けられるのを回避することができる。
更に、本実施形態では、外縁方向線nとシリンダヘッド13の下面131との交点aに形成される角αを鈍角に設定することとした。このため、内側キャビティ1211により案内された噴霧Sを点火プラグ20の方向に積極的に指向させて、点火プラグ20周りに集中させ、適度な大きさ及び空燃比の混合気塊を形成することができる。
更に、本実施形態では、成層燃焼領域のうち、低負荷側の領域A,B1で内側キャビティ1211に向けて燃料を噴射するとともに、特に負荷が低い領域Aでスプレーガイド燃焼を行わせる一方、比較的に負荷が高い領域B1で内側キャビティ1211を利用して小さな混合気塊を形成することによる成層燃焼を行わせることとした。このため、外側キャビティ1212を利用した成層燃焼を併用して、成層燃焼領域全体でより安定した成層燃焼を行わせることができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの構成 同上実施形態に係るスプレーガイド燃焼の概念 外側キャビティを利用した成層燃焼の概念 本発明の他の実施形態に係るエンジンの構成 同上実施形態に係るスプレーガイド燃焼の概念 内側キャビティを利用した成層燃焼の概念 燃焼形態選択マップの一例 燃焼形態選択マップの他の例
符号の説明
1…エンジン、11…シリンダブロック、12…ピストン、121…キャビティ、1211…内側キャビティ、1212…外側キャビティ、122…内側キャビティの底面、123…内側キャビティの周面、13…シリンダヘッド、14…燃焼室、15…吸気ポート、16…吸気弁、17…排気ポート、18…排気弁、19…インジェクタ、20…点火プラグ、31…コントロールユニット、41…エアフローメータ、42…アクセルセンサ、43…クランク角センサ、44…冷却水温度センサ、45…燃料圧力センサ、S…噴霧、M…混合気塊、C…燃焼ガス、m…気筒中心軸、n…外縁方向線、e…内側キャビティの外縁。

Claims (9)

  1. 冠面にキャビティを有するピストンと、
    前記キャビティの上方に設置され、かつ燃料の噴射方向が前記ピストンの移動方向に対して平行であるインジェクタと、
    前記インジェクタにより噴射された燃料を着火させるための点火プラグと、を含んで構成され、
    前記ピストンは、前記キャビティとして、冠面中央部に形成された内側キャビティと、この内側キャビティの周囲に形成された外側キャビティとを有し、
    前記ピストンの中心軸を含む平面による断面において、前記内側キャビティに関し、前記内側キャビティの外縁でこの内側キャビティの壁面に接する直線として定められる外縁方向線が、前記ピストンの中心軸に対して前記外縁よりも下方で交差する筒内噴射式内燃機関。
  2. 前記内側キャビティの壁面が球面に沿って形成された請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関。
  3. 前記内側キャビティの壁面が底面と、この底面に接続し、かつ前記外縁方向線を含む倒立切頭円錐の側面に沿って形成された周面とを含んで構成される請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関。
  4. 前記点火プラグが、シリンダヘッドにおいて、前記外縁方向線と前記ピストンの中心軸との間に配置された請求項1〜3のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関。
  5. 燃焼室がペントルーフ型の形状である場合に、
    前記断面において、前記外縁方向線と前記燃焼室を形成するシリンダヘッドの下面との交点aと、前記ピストンの中心軸と前記シリンダヘッドの下面との交点bと、前記外縁方向線と前記ピストンの中心軸との交点cとして、2つの辺ab,acのなす角が鈍角である請求項4に記載の筒内噴射式内燃機関。
  6. 前記ピストンの頂点を基準として、前記内側キャビティが前記外側キャビティよりも深い請求項1〜5のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関。
  7. 前記インジェクタの噴射時期を制御するコントローラを更に含んで構成され、
    前記コントローラは、燃料を圧縮行程中に噴射して混合気を層状に形成する運転領域のうち、比較的に低負荷側の第1の領域において、前記噴射時期として、噴射された燃料の噴霧が前記内側キャビティに向かう時期を設定する一方、この第1の領域よりも高負荷側の第2の領域において、前記噴射時期として、噴射された燃料の噴霧が前記外側キャビティに向かう時期に設定する請求項1〜6のいずれかに記載の筒内噴射式内燃機関。
  8. 前記コントローラは、前記点火プラグの点火時期を制御し、前記第1の領域において、機関の負荷が所定の負荷よりも小さいときは、前記点火時期として、前記内側キャビティの壁面との衝突前の噴霧に対して点火が行われる時期を設定する一方、機関の負荷がこの所定の負荷以上であるときは、前記点火時期として、前記内側キャビティにより案内された噴霧が形成する混合気塊に対して点火が行われる時期を設定する請求項7に記載の筒内噴射式内燃機関。
  9. 冠面にキャビティを有するピストンと、
    前記キャビティの上方に位置し、かつ燃料の噴射方向が前記ピストンの移動方向と平行であるインジェクタと、
    前記インジェクタにより噴射された燃料を着火させるための点火プラグと、を含んで構成され、
    前記ピストンは、前記キャビティとして、冠面中央部に形成された内側キャビティと、この内側キャビティの周囲に形成された外側キャビティとを有し、
    前記内側キャビティの、前記ピストンの中心軸に垂直な断面における面積が、前記内側キャビティの外縁から下方に向かうに従い縮小する筒内噴射式内燃機関。
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