JP2010112349A - 直接噴射式ディーゼルエンジン - Google Patents

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純一 山田
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Abstract

【課題】本発明は、EGR装置を適用してNOx量を低減する場合でも、燃費および煤の発生量を低く抑えることができる直接噴射式ディーゼルエンジンを提供する。
【解決手段】直接噴射式ディーゼルエンジン100は、燃焼室10と凹部20とEGR装置9とECU30とを備える。燃焼室10は、ピストン1の頂部1aに設けられる。凹部20は、燃焼室10よりも外側の頂部1aに燃焼室10と独立して設けられる。EGR装置9は、排気ガスの一部を吸気管101に還流させる。ECU30は、運転条件に応じてBSFCが最小となる燃料噴射時期を選択して燃料噴射ノズルNから燃料を噴射させ、EGR装置9のEGR率を空気過剰率λが1.2〜1.6の間となるように設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排気ガス再循環装置(EGR:exhaust gas recirculation system)を備える直接噴射式ディーゼルエンジンに関する。
直接噴射式ディーゼルエンジンの排気ガス中のNOx量を低減するための装置として、特許文献1に開示されたような排気ガス再循環(EGR)装置がある。EGR装置による再循環率を高めるとNOx量は低減される。特許文献1では燃料の噴射開始時期を−20°および−30°ATDC(After Top Dead Center:上死点後)とした場合に、排気ガスの還流率(EGR率)を約50%以上にすることで、NOx量をほぼゼロレベルに低減でき、かつ、スモーク排出量との相関関係は見受けられなかったと記載されている。
また、頂部に燃焼室が凹設されたピストンを有するディーゼルエンジンが特許文献2に開示されている。このエンジンのピストンは、燃焼室の外周に環状溝を有している。膨張行程において、シリンダヘッドとピストンの頂部との隙間(スキッシュエリア)に環状溝から空気を供給することによって、燃焼効率を改善している。このとき、排気中のNOxの濃度を低下させるために、燃料の噴射時期を遅延させても、燃焼効率が低下しないことを開示している。
特許第3979416号明細書 特開昭57−181926号公報
しかし、NOx量をゼロに近づけるために再循環率を高めると、燃焼室内における吸気中の酸素が不足する。このとき、燃料噴射時期を燃費が最も良くなる時期に設定すると、スモークの発生量も急激に増加する。そのため、実際にはNOx量とスモーク量とのバランスを見てEGR装置の再循環率および燃料噴射時期を設定しなければならない。
EGR装置は、NOx量を低減するために、排気ガスの一部を吸気系に再循環させて燃焼温度を下げる装置である。したがって、この点においてもEGR装置を適用する場合のエンジンのエネルギー効率は低下する。そして、特許文献1において、燃料噴射時期は、スモーク排出量の少ない噴射開示時期(約−30°〜−14°ATDC)の範囲内に設定することが記載されている。この範囲の燃料噴射時期は、燃費が最も良くなる時期から進角した位置である。つまり、燃費が最も良くなる範囲で燃料噴射が行えていない。
また、特許文献2にもあるように、燃料噴射時期を遅延させることで、NOx量を低減する方法も一般的に知られている。しかし、燃料噴射時期を遅延させるということは、燃費最良噴射時期からずれることであるから、燃費を低下させることとなる。また、燃料噴射時期を遅延させることによって低減されるNOx量は、EGR装置によって低減される量に比べて格段に少ない。また、NOx量を低減するために燃料噴射時期を遅延させなければならないという運転条件上の制約を受ける。したがって、積極的にNOx量を低減するために、EGR装置を適用することが多くなってきた。
そこで、本発明は、EGR装置を適用してNOx量を低減する場合でも、燃費およびスモークの発生量を低く抑えることができる直接噴射式ディーゼルエンジンを提供する。
本発明の直接噴射式ディーゼルエンジンは、燃焼室と凹部と排気ガス再循環装置と制御装置とを備える。燃焼室は、噴孔から噴射した勢いで燃料を霧化する燃料噴射ノズルに対応した形状にピストンの頂部に設けられる。凹部は、燃焼室よりも外側の頂部に燃焼室と独立して設けられる。排気ガス再循環装置は、排気ガスの一部を吸気管に還流させる。制御装置は、運転条件に応じて正味燃料消費率が最小となる燃料噴射時期を選択して燃料噴射ノズルから燃料を噴射させ、排気ガス再循環装置の再循環率を空気過剰率が1.2〜1.6の間となるように設定する。
この場合、凹部の容積は、燃焼室および凹部を足し合わせた総容積の10%以下とする。または、凹部の内周側の側壁は、ピストンの頂面に対して成す角度を鋭角にする。または、ピストンの半径方向に凹部の開口幅は、燃焼室の外周縁から頂部の外周までの距離の1/3とする。または、ピストンの半径方向に凹部の開口幅の中心は、燃焼室の外周縁から頂部の外周までの距離の半分の位置よりも燃焼室寄りとする。
本発明の直接噴射式ディーゼルエンジンによれば、排気ガス再循環装置(EGR)を積極的に使用し、空気過剰率が1.2〜1.6の間になるように再循環率を高めることによってNOx量を低減することができる。このとき、燃費が最も良くなる範囲に燃料噴射時期を設定すると、煤量が増加する傾向にある。本発明の直接噴射式ディーゼルエンジンは、燃焼室の外周部に凹部を設けている。したがって、凹部に確保されている空気によって煤の燃焼が促進される。その結果、本発明の直接噴射式ディーゼルエンジンは、正味燃料消費率(BSFC)が最適となる燃料噴射時期をずらすことなく、排気ガス中のNOx量および煤量がともに少なくなる。
凹部の容積を、燃焼室および凹部を足し合わせた総容積の10%以下にする本発明の直接噴射ディーゼルエンジンによれば、燃焼室の容積に比べて凹部の容積が小さいため、凹部を設けたことによる燃焼室の最高圧力の低下を抑えられる。また、燃焼室の圧力が低下しないようにその容積を小さくする割合を少なく抑えられる。ピストンの口径に対して燃焼室の容積が小さくなると、膨張行程において燃焼室の圧力および温度の降下速度が早くなり、一回の燃焼における燃焼効率が悪くなる。この直接噴射式ディーゼルエンジンの場合、凹部の容積が燃焼室の容積に比べて小さいので、燃焼室の燃焼時の圧力や温度に影響がほとんどなく、一回の燃焼における燃焼効率が低下しない。
ピストンの頂面に対して凹部の内周側の側壁が成す角度を鋭角にした、または、ピストンの半径方向に凹部の開口幅を燃焼室の外周縁から頂部の外周までの距離の1/3にした本発明の直接噴射式ディーゼルエンジンによれば、燃焼室側から拡散されてくる燃料噴霧が凹部に入り込みにくいので、膨張行程まで確実に凹部に空気を確保しておくことができる。したがって、燃費が最も良くなる燃料噴射時期にEGRを適用することによって増加する煤は、凹部から供給される空気によって燃焼が促進され、排気中に含まれるまでに減少する。
また、ピストンの半径方向に凹部の開口幅の中心を、燃焼室の外周縁から頂部の外周までの距離の半分の位置よりも燃焼室寄りにした本発明の直接噴射式ディーゼルエンジンは、燃焼室側から拡散されてくる燃料噴霧に対して、凹部に確保されている空気を早い段階で供給し、燃焼させてしまうことができる。そのため、未燃燃料やこれが煤となったものがシリンダ内壁に対して付着しにくい。
本発明に係る第1の実施形態の直接噴射式ディーゼルエンジン100は、図1から図6を参照して説明する。図1に示す直接噴射式ディーゼルエンジン100は、ピストン1の頂部1aに燃焼室10と凹部20とを備えるとともに、EGR(排気ガス再循環)装置9と、ECU(電子コントロールユニット)30とを備えている。
EGR装置9は、図1および図2に示すように、吸気排気系統の一部に設けられている。EGR装置9は、排気管102から吸気管101に排気ガスの一部を還流させる装置であって、還流経路91とEGRクーラ92とEGRバルブ93とを備えている。還流経路91の上流部は排気管102に接続され、還流経路91の下流はEGRバルブ93を介して吸気管101に接続されている。EGRクーラ92は、還流経路91の途中に配置されており、排気管102から流れてくる排気ガスの温度を下げる働きをする。EGRバルブ93は、ECU30に接続されて開度を制御される。吸気排気系統には、このほか図2に示すように、ターボチャージャ103、インタークーラ104、吸気スロットル105、排気ブレーキ106、後処理装置107を備えている。
ECU30は、制御装置であって、燃料噴射ノズルNから噴射する燃料の量および燃料噴射時期(θ°ATDC)、ならびにEGR装置9のEGR率をそれぞれ決定し、燃料供給ポンプ4およびEGR装置9を、運転条件に応じて制御する。本実施形態において、ECU30が運転条件として検出するものは、大気圧、吸気圧、アクセル開度、燃料供給ポンプ4における燃料温度、燃料供給ポンプ4の回転数、コモンレール5の燃料圧力、シリンダブロック6に流れる冷却水温度、エンジン回転数などである。
大気圧は、大気圧センサ31によって測定される。吸気圧は、吸気マニホールド101aに設置される圧力センサ32によって測定される。アクセル開度は、アクセルペダル7に設置されるアクセルセンサ71によって計測される。燃料供給ポンプ4における燃料温度は、燃料供給ポンプ4内に設けられる温度センサ41によって測定され、燃料供給ポンプ4の回転数は回転計42によって計測される。コモンレール5内の燃料圧力はコモンレール5に設置される圧力計51によって測定される。冷却水温度はシリンダブロック6に取り付けられる水温センサ61で測定され、エンジン回転数はタコメータなど回転計8によって計測される。なお、燃料供給ポンプ4によって燃料タンク40からコモンレール5に送られた燃料の余剰分、およびコモンレール5から燃料噴射ノズルNに供給された燃料の余剰分は、それぞれ燃料タンク40に回収される。
ECU30は、これらの計測器で検出した運転条件に基づいて、予め用意されているデータテーブルからその運転条件において最も燃費が良くなる燃料噴射時期、噴射量、ならびにEGR率を決定する。そして、ECU30は、燃料噴射時期および噴射量を制御するために、燃料供給ポンプ4と、燃料噴射ノズルNが内蔵する弁の開放時期および閉鎖時期とを制御する。また、ECU30は、EGR率を制御するために、EGR装置9のEGRバルブ93と、吸気管101に取り付けられた吸気スロットル105と、排気管102に取り付けられた排気ブレーキ106とを制御する。これにより、ECU30は、空気過剰率λが1.2〜1.6の間になるように、EGR装置9のEGR率を設定する。
図3に示すように、燃焼室10は、ピストン1の中心線Cに対して同軸に、ピストン1の頂部1aに形成されている。この燃焼室10は、噴孔Hから噴射した勢いで燃料を霧化する燃料噴射ノズルNに対応した形状である。具体的には、噴射された燃料が霧化した直後に燃焼室10の周壁11が位置するように、燃焼室10は形成されている。この燃焼室10は、いわゆるリエントラント形の燃焼室である。周壁11の上端部分は、ピストン1の頂部1aに対して鋭角となる角度αを成す。そして、燃焼室10の底壁12は、中央部分が燃料噴射ノズルNに向かって突出する円錐形状であり、ピストン1の中心線Cを通る断面において周壁11となだらかな円弧形状で接続されている。
燃料噴射ノズルNは、図3に示すように、ピストン1の中心線Cと同軸に配置されており、燃料を半径方向へ噴射する複数の噴孔H、本実施形態においては6つの噴孔H、を先端部の周囲に等配に有している。
凹部20は、図4に示すようにピストン1の中心線Cに対して同軸に設けられた燃焼室10よりもさらに外側の位置に同心円となる環状に形成されている。この凹部20は、燃焼室10と独立して設けられている。ここで、「独立」しているとは、ピストン1の頂面Tに対して窪んでいる部分(燃焼室10と凹部20)が互いにつながっていないことを意味する。
ピストン1の半径方向にこの凹部20の開口幅Wは、燃焼室10の外周縁13からピストン1の頂部1aの外周までの距離、いわゆるスキッシュエリア14、の幅の1/3以下である。また、凹部20の開口幅Wの中心Kは、スキッシュエリア14の幅の半分の位置Lよりも燃焼室10寄りになるように設けられている。
本実施形態の燃焼室10と同じ形状の燃焼室のみを頂部1aに有し、凹部20が形成されていないピストンの場合、燃料噴射ノズルNから噴射された燃料のうち90%が燃焼室10において燃焼し、残りの10%がピストン1の頂部1aとシリンダヘッド2の下面2aとの間に作られるスキッシュエリア14において燃焼することが解析などによって判明している。したがって、スキッシュエリア14で必要となる空気量もまた燃焼室10と足し合わせた全体の空気量の10%であると見積もることができる。つまり、凹部20に確保すべき空気量は、多くとも10%であることがわかる。そこで、本実施形態では、凹部20の容積は、燃焼室10および凹部20を足し合わせた総容積の10%以下にしている。
圧縮行程で燃料噴射ノズルNから燃料が噴射されると、図3に示すように、霧化した燃料噴霧Mのほとんどは、燃焼室10の周壁11によって燃焼室10の中心側に戻るように拡散される。そして、燃料噴霧Mの一部は、燃焼室10の外周縁13を越えて外側のスキッシュエリア14に拡散される。ピストン1は、燃料噴射ノズルNから噴射された燃料のうちスキッシュエリア14で燃焼される燃料に見合った酸素量を含む空気を凹部20に確保している。
したがって、スキッシュエリア14に拡散された燃料をその空気で燃焼させ、スキッシュエリア14に発生する煤量を減らすことができる。また、必要以上に凹部20を大きくしていないので、燃焼室10の容積を極端に減らすこともない。そのため、膨張行程における燃焼室10の圧力および温度の低下は、凹部20を有していない場合とほぼ同じであり、燃焼室10の燃焼状態を維持しやすい。
燃焼室10と凹部20とを足し合わせた総容積に対する凹部20の容積の割合と、燃焼室10に発生する煤量A1、および、スキッシュエリア14に発生する煤量A2の関係を図7に示す。また、この図6には、煤量A1と煤量A2とを足し合わせたものを一回の燃焼でシリンダ内に発生する総煤量A3として表示している。
図7によれば、スキッシュエリア14で燃焼される燃料噴霧Mの量に相当する容積比率である総容積の10%凹部20の容積を近づけることで、スキッシュエリア14に発生する煤量A2がゼロに近づくことがわかる。これとは反対に、凹部20の容積比率が大きくなる、すなわち燃焼室10の容積比率が小さくなると、燃焼室10内に発生する煤量A1が増加することが分かる。
そして、一回の燃焼でシリンダ内に発生する総煤量A3として評価した場合、総容積に対して凹部20の容積比率が3〜4%であるときに最も総煤量A3が少なくなっている。
特に、総容積に対して凹部20の容積比率が1〜7%の範囲である場合に、凹部20を設けたことによる総煤量A3の減量効果が現れている。なお、スキッシュエリア14に発生する煤量A2は、ピストンリングの固着や潤滑オイルの劣化などの原因になるので、極力少ないほうが良い。このことを考慮すると総容積に対する凹部20の容積比率は、4〜7%であることが好ましいと考えられる。
以上のように構成された直接噴射式ディーゼルエンジン100は、BSFC(Brake Specific Fuel Consumption:正味燃料消費率)が最も良くなる運転条件において、図5に示す結果を得ている。図5は、空気過剰率λに対するEGR率〔%〕とNOx量〔g/kWh〕と煤量〔μg〕との関係を、ピストン1に凹部20を有している場合と有していない場合とを比較して示している。各プロットは、EGR率を変化させたときの結果の値である。
ピストン1に凹部20を有している直接噴射式ディーゼルエンジン100のEGR率E1を変化させた場合のNOx量をG1、凹部20を有していない直接噴射式ディーゼルエンジンのEGR率E2を変化させた場合のNOx量をG2で示す。図5によれば、NOx量G1およびNOx量G2は、いずれも、EGR率E1,E2を高め空気過剰率λが小さくなるにつれてゼロに近づく。そして、空気過剰率λが1.2になると凹部20が有る無しに関わらずNOx量G1,G2はともにゼロになる。
また、凹部20がある場合の総煤量B1および凹部が無い場合の総煤量B2は、EGR率E1,E2を高めて空気過剰率λを小さくすると、徐々に増加する傾向にある。このとき、空気過剰率λが1.6以下になると両者に差が生じ始め、凹部20がある場合の総煤量B1は、凹部が無い場合の総煤量B2に比べて少ない。空気過剰率λが1.4以下になると、凹部20を有しているピストン1であっても煤が発生し始める。
つまり、空気過剰率λが1.2〜1.6となる範囲にEGR率E1を設定すると、NOx量G1および総煤量B1をともに少なくすることができる。
従来、BSFCが少し悪くなってもNOx量および煤量を低減するために、燃料噴射時期をずらした運転条件を採用していた。図5の結果から分かるように、凹部20を設けることによって、EGR装置9によってNOx量を低減させることに影響を与えることなく、総煤量を低減させることができることが今回わかった。
図6は、NOx量に対する煤量およびBSFCの関係を示す。図6に示すようにBSFCが最も良くなる運転条件の燃料噴射時期に設定することによって、発生するNOx量が増加(S1)しても、EGR装置9によってNOx量を積極的に低減する(S2)。そして、EGR装置9によって積極的にNOx量を減らすことによって増加してしまう煤量は、ピストン1の燃焼室10の外周に凹部20を設けたことによって相殺(S3)できている。その結果、EGR装置9および凹部20を有していない場合に比べて、NOx量も煤量も低減し、さらにBSFCも減らす(S4)ことができる、つまり、燃費を向上させることができる。
本発明に係る第2の実施形態の直接噴射式ディーゼルエンジン100は、図8を参照して説明する。なお、第2の実施形態の直接噴射式ディーゼルエンジン100は、ピストン1の頂部1aに設けられる凹部20の断面形状が第1の実施形態の直接噴射式ディーゼルエンジン100のものと異なっている。その他の構成は、第1の実施形態と同じであるので、図1から図7およびその説明を参照し、ここでの説明を省略する。また、凹部20の断面形状が異なることに起因して、燃料噴射時期、煤量、NOx量、BSFC、EGR率などは、絶対数において多少の差が生じるものの、数量の変化の傾向は第1の実施形態の場合と同じであるからここでの説明を省略する。
第2の実施形態の直接噴射式ディーゼルエンジン100に用いられるピストン1の凹部20において、内周側の側壁21は、ピストン1の頂面Tに対して成す角度αを鋭角に設けている。また、凹部20の外周側の側壁22は、頂面Tに対して直角に設けられている。したがって、ピストン1の半径方向に凹部20の開口幅Wは、凹部20の底壁23の幅よりも小さい。
内周側の側壁21がピストン1の頂面Tに対して成す角度αを鋭角に設けられた凹部20を有するピストン1であると、圧縮行程において、燃料噴霧Mの一部がスキッシュエリア14に拡散された場合でも、その燃料噴霧Mが凹部20の内部に侵入しにくい。つまり、凹部20は、膨張行程まで内部に空気を確保しやすい。したがって、燃焼室10と凹部20とを足し合わせた総容積に対して凹部20の容積比率を第1の実施形態の場合よりも小さめに設定しても、スキッシュエリア14で燃焼される燃料比率に応じた酸素量に相当する空気量を凹部20に確保しておくことができる。その結果、燃焼室10の容積比率を大きいままに維持できるので、燃焼室10内に発生する煤量や未燃燃料成分も少なくなる。
なお、ピストン1の半径方向に沿う凹部20の断面形状は、第1または第2の実施形態で示した形状に限定されない。例えば、底壁23が丸くなっていても良いし、頂面Tに対して内周側の側壁21および外周側の側壁22がともに鋭角を成し、開口幅Wが底壁23の幅よりも狭い台形であっても良い。また、内周側の側壁21が頂面Tに対して鋭角で、外周側の側壁22が頂面Tに対して鈍角に設けられていても良い。さらに、内周の側壁21が頂面Tに対して鋭角で、かつ凹部20全体はV字形状であっても良い。燃料噴射ノズルNの噴孔Hから噴射される燃料噴霧Mの濃度分布に対応させて、周方向に部分的な不連続の凹部20を配置してもよいし、そのときの各凹部20の深さが周方向位置での燃料噴霧Mの濃度分布に応じて変化していることも好ましい。
本発明に係る第1の実施形態の直接噴射式ディーゼルエンジンを示す図。 図1に示した直接噴射式ディーゼルエンジンの吸気排気系統を示す図。 図1に示した直接噴射式ディーゼルエンジンのピストンの断面図。 図2に示したピストンの平面図。 図1に示した直接噴射式ディーゼルエンジンの空気過剰率に対する煤量、NOx量、EGR率の関係を示す図。 図1に示した直接噴射式ディーゼルエンジンのNOx量に対する、正味燃料消費率および煤量の関係を示す図。 図1に示したピストンの燃焼室と凹部を足し合わせた総容積に対する凹部の容積の割合と、発生する煤量との関係を示す図。 本発明に係る第2の実施形態の直接噴射式ディーゼルエンジンのピストンの凹部を示す断面図。
符号の説明
1…ピストン、1a…頂部、9…EGR(排気ガス再循環)装置、10…燃焼室、20…凹部、21…(内周側の)側壁、22…(外周側の)側壁、30…ECU(制御装置)、100…直接噴射式ディーゼルエンジン、H…噴孔、K…(開口幅の)中心、L…(燃焼室の外周縁から頂部の外周までの距離の半分の)位置、N…燃料噴射ノズル、T…頂部、W…開口幅、α…(ピストンの頂面に対して凹部の内周側の側壁が成す)角度、λ…空気過剰率。

Claims (5)

  1. 噴孔から噴射した勢いで燃料を霧化する燃料噴射ノズルに対応した形状にピストンの頂部に設けられる燃焼室と、
    前記燃焼室よりも外側の前記頂部に前記燃焼室と独立して設けられた凹部と、
    排気ガスの一部を吸気管に還流させる排気ガス再循環装置と、
    運転条件に応じて正味燃料消費率が最小となる燃料噴射時期を選択して前記燃料噴射ノズルから燃料を噴射させ、空気過剰率が1.2〜1.6の範囲となるように前記排気ガス再循環装置の再循環率を設定する制御装置
    を備えることを特徴とする直接噴射式ディーゼルエンジン。
  2. 請求項1に記載された直接噴射式ディーゼルエンジンにおいて、
    前記凹部の容積は、前記燃焼室および前記凹部を足し合わせた総容積の10%以下であることを特徴とする。
  3. 請求項1または請求項2に記載された直接噴射式ディーゼルエンジンにおいて、
    前記凹部の内周側の側壁は、前記ピストンの頂面に対して成す角度が鋭角であることを特徴とする。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された直接噴射式ディーゼルエンジンにおいて、
    前記ピストンの半径方向に前記凹部の開口幅は、前記燃焼室の外周縁から前記頂部の外周までの距離の1/3であることを特徴とする。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された直接噴射式ディーゼルエンジンにおいて、
    前記ピストンの半径方向に前記凹部の開口幅の中心は、前記燃焼室の外周縁から前記頂部の外周までの距離の半分の位置よりも前記燃焼室寄りであることを特徴とする。
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