JP2006170084A - 燃料噴射装置の支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動による音の不快さを低減した燃料噴射装置の支持装置を提供する。
【解決手段】シリンダヘッド5に設けられる座面10と、シリンダヘッド5に取り付けられるノズルサポート11のインジェクタ挿圧面15と、の間でインジェクタ3を狭持する、多気筒エンジンの燃料噴射装置の支持装置において、各気筒のインジェクタ3からシリンダヘッド5への振動伝達経路中に、それぞれアクチュエータ9を配設する。各気筒のインジェクタ3から、座面10およびインジェクタ挿圧面15を介して所定位置26に伝達される所定周波数の音もしくは振動のばらつきを低減するように、各気筒のインジェクタ3の加振力Fiに合わせて各気筒のアクチュエータ9を制御する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、燃料噴射装置の支持装置に関する。特に、多気筒エンジンに用いる燃料噴射装置の振動を抑制するための構成に関する。
従来、直射ディーゼルエンジンなどにおいて、高圧に加圧された燃料を燃料噴射装置であるインジェクタによって燃焼室内に直接噴射する燃料供給システムが知られている。
インジェクタは、気筒中心軸におよそ合わせてシリンダヘッドに形成されたインジェクタ取付孔に挿入され、この挿入状態で保持部材であるノズルサポートによりシリンダヘッドに対して燃焼室方向に挿圧固定されている。ノズルサポートは、シリンダヘッド側からインジェクタに掛け渡され、一端側に形成された支持点において、ボルトによって締結されることによりシリンダヘッド本体に支持される。ボルトの軸力は、ノズルサポートの他端側に形成されたフォーク状のインジェクタ挿圧部に伝わり、これに係合するインジェクタ受圧部に燃焼室方向の圧力を与えている(例えば、特許文献1、参照。)。
特開平8−200179号公報
上述したインジェクタは、一般的に、内部に可動部品、例えば針弁を有しており、これが運動してシート部に着座及び離座することで、燃料の停止及び噴射が制御される。そのため、インジェクタは、原理的に、衝突による衝撃力(加振力)を発生する構造となっている。
インジェクタ内部で発生した加振力は、インジェクタが接続されるノズルサポートやシリンダヘッドを介して他のエンジン部品に伝達されて振動を励起し、エンジン騒音の悪化の要因となる。多気筒エンジンは、音の発信源から所定位置(音の観測点)までの振動伝達特性を複数有するので、所定位置で観測される音の大きさが気筒毎にばらついたものとなる。各気筒の燃料噴射装置で発生する加振力が同じであっても、所定位置に伝達されるまでの伝達経路が異なり、観測者(車両運転者等)にとって不快な音になり易いといった問題があった。
そこで本発明は、上記問題を鑑みて、観測点での音の不快さを低減できる燃料噴射装置の支持装置を提供することを目的とする。
本発明は、シリンダヘッドに設けられる座面と、前記シリンダヘッドに取り付けられる保持部材の燃料装置挿圧面と、の間で燃料噴射装置を狭持する、多気筒エンジンの燃料噴射装置の支持装置において、前記各気筒の燃料噴射装置からシリンダヘッドへの振動伝達経路中に、それぞれアクチュエータを配設し、前記各気筒の燃料噴射装置から、前記座面および前記燃料噴射装置挿圧面を介して所定位置に伝達される所定周波数の音もしくは振動のばらつきを低減するように、前記各気筒の燃料噴射装置の加振力に合わせて前記各気筒のアクチュエータを制御する。
または、シリンダヘッドに設けられる座面と、前記シリンダヘッドに取り付けられる保持部材の燃料装置挿圧面との間で燃料噴射装置を狭持するエンジンの燃料噴射装置の支持装置において、前記燃料噴射装置からシリンダヘッドへの振動伝達経路中にアクチュエータを配設し、前記燃料噴射装置の加振力に起因して前記座面と前記燃料噴射装置挿圧面を介して伝達される前記所定周波数の音もしくは振動とが、前記所定位置で互いに打ち消しあうように、前記燃料噴射装置の加振力に合わせて前記アクチュエータを制御する。
座面および燃料噴射装置挿圧面を介して所定位置に伝達される所定周波数の音もしくは振動のばらつきを低減するように、各気筒の燃料噴射装置の加振力に合わせて各気筒のアクチュエータを制御する。これにより、所定位置で観測される音の不快さを低減することができる。
また、座面と燃料噴射装置挿圧面を介して伝達される所定周波数の音もしくは振動とが、所定位置で互いに打ち消しあうように、燃料噴射装置の加振力に合わせてアクチュエータを制御する。これにより、座面を介して伝わる音と、燃料噴射装置挿圧面を介して伝わる音が打ち消されるので、所定位置で観測される音の不快さを低減することができる。
第1の実施形態について説明する。エンジンの燃料供給系の構成を図1に示す。
図1には、自動車に搭載される直噴型四気筒ディーゼルエンジンの燃料供給系を示す。ディーゼルエンジンに適用されるコモンレール式燃料供給系においては、内部部品が高圧の燃料で駆動されるなどの理由から、燃料噴射動作に伴って大きな衝撃力(加振力)が働く。そこで、本実施形態では、この加振力により生じる音の不快さを低減するべく、各気筒の振動を制御する。
図1に示すように、燃料供給系は燃料タンク31を備える。また、燃料タンク31から燃料を取り出す低圧ポンプ33と、取り出された燃料を高圧に調整する高圧サプライポンプ1を備える。また、高圧サプライポンプ1で高圧状態に調整された燃料を所定の圧力に制御するコモンレール2を備える。高圧サプライポンプ1において高圧状態とされた燃料は、コモンレール2に供給され、コモンレール2に備えた圧力センサの出力に応じて燃料の一部が、図示しないレギュレータを介して燃料タンク31に還流され、コモンレール2内の圧力が所望の圧力に制御される。
また、コモンレール2に接続する複数のインジェクタ(燃料噴射装置)3を備える。コモンレール2で所定の高圧状態に制御された燃料がそれぞれのインジェクタ3に供給され、インジェクタ3を開弁駆動することにより各気筒のシリンダ内に直接燃料が噴射される。ここでは、四つのシリンダを有する四気筒のエンジンとするが、この限りではなく、その他の複数気筒のエンジンに適用することもできる。
また、インジェクタ3の動作を制御するエンジンコントロールユニット(ECU)4を備える。ECU4は、センサによって検出されたエンジン負荷(アクセルペダル踏み込み量等)とエンジン回転速度に基づいて燃料噴射時期と燃料噴射量を決定し、これらに対応する開弁指令信号をインジェクタ3へ出力する。また、エンジン負荷とエンジン回転速度に基づいて燃料噴射圧力を決定し、コモンレール2内の燃料圧力が決定した燃料噴射圧力と一致するように高圧サプライポンプ1のレギュレータを制御する。
図2は、インジェクタ3が取り付けられたシリンダヘッド5を、エンジン前方(クランク軸方向)から見た断面図である。なお、シリンダヘッド5はヘッドボルト6により図示しないシリンダブロックに固定される。
各気筒のインジェクタ3は、シリンダ中心軸Aと同軸のインジェクタ取付孔7に挿入され、インジェクタ取付孔7の底面(シリンダヘッド5に設けられた座面)10とノズルサポート(保持部材)11のインジェクタ押圧面15とに狭持される。なお、インジェクタ3の先端側に設けられた着座面とシリンダヘッド5の座面10との間には、力センサ8とアクチュエータ9を備え、インジェクタ3の基端側に設けられた受圧面17とノズルサポート11のインジェクタ押圧面15との間には力センサ16を備える。アクチュエータ9は圧電素子の薄板を軸方向に積層したものであり、印加する電圧に応じて軸方向の寸法が伸縮する。
インジェクタ3をシリンダヘッド5に固定するノズルサポート11は、シリンダヘッド5の側壁24近傍に埋め込まれた支持点ピン12により、一端が回動(傾動)自在に支持され(支持点13)、一方のカムシャフト14を跨いだ反対側の他端にインジェクタ押圧面15が形成される。さらにノズルサポート11は、支持点ピン12との当接面とインジェクタ押圧面15との間であってカムシャフト14より支持点ピン12側の中間位置にボルト挿入孔18を備える。ボルト挿入孔18に挿入した締結用ボルト19を、さらに、シリンダヘッド5のボルト孔にねじ込むことで、インジェクタ3を固定するための押圧力をインジェクタ挿圧面15に発生させる。すなわち、締結用ボルト19の軸力が支持点ピン12との当接面とインジェクタ挿圧面15に分散され、これらのうちインジェクタ挿圧面15により分担される成分がインジェクタ3の受圧面17に伝わり、インジェクタ3を燃焼室方向に押し付ける。
次に、インジェクタ3の断面を図3に示す。
インジェクタ3は、針弁21の上方に燃圧室が、下方に燃焼噴射室が設けられる。インジェクタ3内部の電磁弁20が閉じられているとき、針弁21は燃圧室の圧力によってシート部22に押し付けられ、閉弁状態が維持される。電磁弁20が開かれると燃圧室が開放されて燃圧室内の圧力が低下し、燃料噴射室の圧力によって針弁21が上方へシフトして噴射孔23が開かれる。再度、電磁弁20が閉じられると、燃圧室の圧力が回復して針弁21が下方に移動し、針弁21がシート部22に着座すると燃料噴射が終了する。着座の際に針弁21がシート部22に衝突するので、その衝突による衝撃力(加振力)が発生する。
この加振力は、インジェクタ3を下方に変位させ、それに伴いシリンダヘッド座面10を介してシリンダヘッド5に伝わるとともに、インジェクタ挿圧面15を介してノズルサポート11へ伝わり、支持点ピン12及び締結用ボルト19からシリンダヘッド5へ伝達される。この振動がさらにシリンダブロックやヘッドカバー等に伝達されて音が発生する。
このとき、多気筒エンジンでは、音の観測点(例えば、図5の所定位置26)までの振動伝達特性が、各気筒で異なるので、各気筒のインジェクタ3で発生する衝撃加振力が同じであったとしても、観測点で観測される音の大きさが気筒毎にばらついたものとなり、観測者(車両運転者等)にとって不快な音となり易い。
そこで、シリンダヘッド5に伝わる振動を低減することで、発生する音の大きさを低減するととともに、気筒毎の音のバラツキを小さくして音質を向上させるように各気筒のアクチュエータ9を制御する。なお、ここでは、騒音として問題となる周波数範囲(例えば800Hz〜3kHz)の音についてその大きさ(音のエネルギー和)と気筒間のばらつきを低減する。
先ず、発生する音の大きさを低減する制御について説明する。
インジェクタ3の振動は、前述したように、シリンダヘッド座面10とインジェクタ挿圧面15を介してシリンダヘッド5に伝達される。ここで、ノズルサポート11を支持する支持ピン12は、比較的肉厚の薄いシリンダヘッド側壁24の近傍に設置されているため、インジェクタ挿圧面15を介してシリンダヘッド5へ伝達される振動の方が音になり易い。そこで、インジェクタ挿圧面15を介して伝わる振動を低減または無くすことにより、所定位置で観測される音を小さくする。
インジェクタ3の支持構造は、インジェクタ3の質量Miがシリンダヘッド座面10側のばねとインジェクタ挿圧面15側のばねの二つで支持されている振動系と考えることができる。シリンダヘッド座面10側のばねのばね定数Khは、シリンダヘッド座面10付近(衝撃加振力を受けて弾性変形する部分)の剛性により定まり、インジェクタ挿圧面15側のばねのばね定数Kfは、ノズルサポート11の剛性によって決まる。本実施形態では、さらに、インジェクタ3先端側の着座面とシリンダヘッド座面10との間にアクチュエータ9が介装されており、このアクチュエータ9のばね定数をKpとする。このように各ばね定数を設定すると、インジェクタ支持構造は図4のようにモデル化できる。
このようなインジェクタ支持構造において、インジェクタ挿圧面15に伝わる振動を無くすには、加振力に合わせてアクチュエータ9を伸縮させることにより力を発生させてインジェクタ挿圧面15の位置(インジェクタ質量の位置)が変動しないようにすればよい。図4のモデルにおいて、インジェクタ3から加振力Fiが発生したときにインジェクタ挿圧面15の変位を0にする、つまりインジェクタ質量の変位x1を0にする条件は(1)式で与えられる。
Figure 2006170084
ここでFpはアクチュエータ発生力、Fiはインジェクタ加振力、Kpはアクチュエータばね定数、Khはシリンダヘッド座面10付近の支持剛性(ばね定数)とする。
アクチュエータばね定数Kpとシリンダヘッド座面10付近のばね定数Khは、予め実験等により知ることが可能である、インジェクタ加振力Fiは二つの力センサ8、16の検出値から算出することができる。算出したFiを使って(1)式からアクチュエータ発生力Fpを算出し、これに基づいてアクチュエータ9を制御すれば、インジェクタ挿圧面15の変動が抑えられる。
このとき、アクチュエータ9から発生した力Fpの反力がシリンダヘッド座面10に加わるので、シリンダヘッド座面10の位置の変動はアクチュエータ9を制御しない場合よりも大きくなるが、シリンダヘッド座面10側からシリンダヘッド5に伝わる振動は音になりにくいので、発生する音の大きさは最小となる(図6の#1気筒参照)。
なお、本実施形態で低減する音は、特定周波数範囲(800Hz〜3kHz)の音なので、インジェクタ挿圧面15の位置変動から取り除く所定周波数を特定周波数範囲とするようにアクチュエータ発生力Fpを決定してもよい。または、インジェクタ挿圧面15の位置変動から取り除く所定周波数を、全周波数としてもよい。
次に、気筒間の音のばらつきを小さくする制御について説明する。
全ての気筒に対して上記制御(インジェクタ挿圧面15を変動させない制御)を実施した場合、各気筒で発生する音の大きさはそれぞれ最小になるが、所定位置(例えば、図5の観測点)26で観測される音の気筒間のばらつきは解消されない。
そこで、インジェクタ挿圧面15を変動させない制御を実施した場合に所定位置26で観測される音が他の気筒より大きくなる気筒(騒音最大気筒)について上記制御を実施し、他の気筒については、インジェクタ挿圧面15の変動(特定周波数範囲の変動)が多少残るようにアクチュエータ9を制御する。残存させる変動の大きさを適切に設定することで、インジェクタ挿圧面15側の振動伝達経路から発生する音とシリンダヘッド座面10側の振動伝達経路から発生する音の和を騒音最大気筒の音の大きさに一致させることができる。
図6に示す例では、#1気筒が騒音最大気筒であり、#4気筒、#3気筒、#2気筒の順で音(インジェクタ挿圧面15を変動させない制御を実施した場合に所定位置26で観測される音)が小さくなる。そこで、#1気筒についてインジェクタ挿圧面15の変動をなくし、#4気筒の変動を僅かに残し、#3気筒の変動をより大きく残し、#2気筒の変動を最も大きくする。これにより、全気筒の音の大きさを騒音最大気筒(#1気筒)の音の大きさに一致させることができる。
なお、図6の#2気筒では、インジェクタ挿圧面15側の振動伝達経路から発生する音が、制御前よりも大きくなっている(すなわち、インジェクタ挿圧面15の変動をアクチュエータ9の制御により増大させている)が、これは極端な例であり、基本的には、全ての気筒についてインジェクタ挿圧面15の変動を低減しつつ、音の大きさをそろえる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
シリンダヘッド5に設けられる座面10と、シリンダヘッド5に取り付けられるノズルサポート11のインジェクタ挿圧面15と、の間でインジェクタ3を狭持する、多気筒エンジンの燃料噴射装置の支持装置において、各気筒のインジェクタ3からシリンダヘッド5への振動伝達経路中に、それぞれアクチュエータ9を配設する。各気筒のインジェクタ3から、座面10およびインジェクタ挿圧面15を介して所定位置26に伝達される所定周波数の音もしくは振動のばらつきを低減するように、各気筒のインジェクタ3の加振力Fiに合わせて各気筒のアクチュエータ9を制御する。このように、伝達経路の異なる各気筒からの音もしくは振動のばらつきを低減することで、所定位置26に伝わる音を均一にすることができ、音の不快さを低減することができる。
アクチュエータ9を制御することにより、加振力Fiに起因してインジェクタ挿圧面15に発生する変動を低減する。このように、インジェクタ挿圧面15に発生する変動を低減することで、音を小さくすることができる。音のばらつきを低減する際に、より音の発生しやすい伝達経路に伝わる振動を抑制することで、音の不快さに加えて大きさも抑制することができる。
座面10を介して所定位置26に伝達される所定周波数の音もしくは振動が大きくなる気筒ほど、インジェクタ挿圧面15に発生する変動を低減するように、アクチュエータ9を制御する。これにより、効率的に音を低減できるとともに、音のばらつきを小さくすることができる。
各気筒のインジェクタ3から、座面10およびインジェクタ挿圧面15を介して所定位置26に伝達される所定周波数の音もしくは振動の大きさが、気筒間で略同一となるように、各気筒のアクチュエータ9を制御する。これにより、所定位置26に伝達される音のばらつきを略ゼロとすることができるので、音の不快さを効果的に低減することができる。
少なくとも一つの気筒において、インジェクタ挿圧面15に発生する変動が、略ゼロとなるようにアクチュエータ9を制御する。インジェクタ3の振動による音は、インジェクタ挿圧面15に発生する変動から発生しやすい。そこで、少なくとも一つの気筒でこの変動を略ゼロとなるように制御し、その他の気筒については、音のばらつきが生じないように振動を低減することにより、効果的に音質を向上することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
ここでは、図7に示すように力センサ8、16を省略する。インジェクタ加振力Fiを予め実験により測定しておき、その情報をECU4内のメモリに記憶させておくことで、高価な力センサを不要とする。
インジェクタ加振力Fiの測定結果を図8に示す。メモリから読み出したインジェクタ加振力Fiと(1)式から、アクチュエータ発生力Fpを算出し、針弁21が着座する時期に合わせてアクチュエータ9から力Fpを発生させると、インジェクタ3の作動に起因して発生する音が最小になる。所定位置26で観測される音の気筒毎のばらつきを低減するには、音を最小にする制御を気筒毎に行って所定位置26で音を測定し、各気筒の測定結果に応じて各気筒に対する補正値を決定しておき、(1)式から得られるアクチュエータ発生力Fpを気筒毎の補正値で補正して、各気筒のアクチュエータ9を制御する。
なお、針弁21が着座する時期は、燃料噴射の制御パラメータ(燃料噴射時期、燃料噴射量、燃料噴射圧)から求めることが可能であり、開弁指令信号から推定することもできる。また、燃料の圧力で針弁21を駆動するインジェクタ3では、燃料噴射圧が大きいほどインジェクタ加振力Fiが大きくなるので、燃料噴射圧に対応させてインジェクタ加振力Fiを記憶させておくとよい。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
予め記憶した加振力Fiに応じて、アクチュエータ9の発生力Fpを制御する。ここでは、燃料噴射圧に対応させた加振力Fiに応じて発生力Fpを制御する。これにより、効果な力センサを用いることなく、音の低減および音質の向上を行うことができる。
次に、第3の実施形態について説明する。以下、第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
特定周波数範囲の音の大きさに基づいて、各気筒のアクチュエータ9を制御する代わりに、特定周波数範囲の音を複数の周波数範囲に分け、各範囲の音の大きさに基づいて各気筒のアクチュエータ発生力Fpを決定する。
特定周波数範囲を低温周波数範囲と、高温周波数範囲とに分ける例で説明すると、まず、第1または第2の実施形態と同様に、低周波数範囲の音について騒音最大気筒を特定する。インジェクタ挿圧面15の位置変動から低周波数範囲の変動を取り除くように騒音最大気筒のアクチュエータ発生力Fplを決定するとともに、他の気筒についてはインジェクタ挿圧面15の位置変動に、低周波数範囲の変動が適度に残るようにアクチュエータ発生力Fplを決定する。同様に、高周波数範囲の音について騒音最大気筒を特定し、インジェクタ挿圧面15の位置変動から高周波数範囲の変動を取り除くように騒音最大気筒のアクチュエータ発生力Fphを決定するとともに、他の気筒についてはインジェクタ挿圧面15の位置変動に、高周波数範囲の変動が適度に残るようにアクチュエータ発生力Fphを決定する。
以上のようにして得られる低周波数範囲用のアクチュエータ発生力Fplと高周波数範囲用のアクチュエータ発生力Fphとを、気筒毎に加算して最終的なアクチュエータ発生力Fpを求め、各気筒のアクチュエータ9を制御する。このような制御によれば、低周波数範囲の音の大きさと、高周波数範囲の音の大きさについて、それぞれ気筒間ばらつきを小さくすることができる。図9は、さらに細かく周波数範囲を分けて上記のような制御を実施した例を示しており、全ての周波数の音について気筒間ばらつきがなくなっている。換言すると、所定位置26で観測される各気筒の音が周波数特性まで含めて等しくなる。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第2の実施形態の効果とは異なる効果のみを説明する。
複数の所定周波数範囲毎に、音のばらつきを低減する。これにより、より確実に音のばらつきが低減され、音質を向上することができる。
次に、第4の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
インジェクタ挿圧面15側の振動伝達経路から発生する音と、シリンダヘッド座面10側の振動伝達経路から発生する音と、が互いに打ち消しあうように各気筒のアクチュエータ9を制御する。
ここでは、インジェクタ支持構造は、第1の実施形態と同様とするが、各ばね要素での減衰も考慮して図10のようにモデル化する。この振動モデルにおいて、インジェクタ3から加振力Fiが発生したときのインジェクタ挿圧面15の変位x1およびシリンダヘッド座面10の変位x2は(2)、(3)式で与えられる。
Figure 2006170084
Figure 2006170084
ここでFpはアクチュエータ発生力、Fiはインジェクタ加振力、Miはインジェクタ質量、Kpはアクチュエータばね定数、Khはシリンダヘッド座面10付近の支持剛性(ばね定数)、Kfはノズルサポートのバネ定数、Cpはアクチュエータ減衰定数、Chはシリンダヘッド座面10付近の減衰定数、Cfはノズルサポートの減衰定数、ωは角振動数とする。
変位x1、x2によって発生する音の所定位置26における音圧Pは(4)式で与えられる。
Figure 2006170084
ここでHfはノズルサポートから観測点までの伝達関数、Hhはシリンダヘッド座面10から観測点までの伝達関数とする。
インジェクタ加振力Fi(二つの力センサ8、16から算出)に対して、所定位置26での音圧Pが0になるようなアクチュエータ発生力Fpは(5)式で与えられる。
Figure 2006170084
このアクチュエータ発生力Fpに基づいてアクチュエータ9を制御することにより、所定位置26での音圧Pを0にすることができる。上式中の伝達関数Hf、Hhは気筒毎に異なるので、気筒毎に(5)式のアクチュエータ発生力Fpを算出し、各気筒のアクチュエータ9を制御する。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
シリンダヘッド5に設けられる座面10とシリンダヘッド5に取り付けられるノズルサポータ11のインジェクタ挿圧面15との間でインジェクタ3を狭持するエンジンの燃料噴射装置の支持装置において、インジェクタ3からシリンダヘッド5への振動伝達経路中にアクチュエータ9を配設する。インジェクタ3の加振力に起因して座面10とインジェクタ挿圧面15を介して伝達される所定周波数の音もしくは振動とが、所定位置で互いに打ち消しあうように、インジェクタ3の加振力Fiに合わせてアクチュエータ9を制御する。このように、座面10を介して伝わる音と、インジェクタ挿圧面15を介して伝わる音が打ち消しあうように制御することで、各気筒から発生する音が略ゼロとなり、音が低減されるとともに、ばらつきも略ゼロとなる。これにより、インジェクタ3の振動による音の不快さを低減することができる。
なお、第1〜第4の実施形態において、音の観測点である所定位置26を車外に設定しているがこの限りではない。例えば、図11に示すように、所定位置26を車両の車室内の運転席耳位置に設定すると効果的である。
このように、本発明は、上記発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を為し得ることはいうまでもない。
本発明は、複数の振動源を有する装置の支持装置に適用することができる。特に、多気筒エンジンの燃料噴射装置の支持装置に適用することで、適切な効果を得ることができる。
第1の実施形態に用いる燃料供給系の概略図である。 第1の実施形態に用いるシリンダヘッドの断面図である。 第1の実施形態に用いるインジェクタの断面図である。 第1の実施形態による支持装置の振動発生状態をモデル化した図である。 第1の実施形態における音の観測点の例を示す図である。 第1の実施形態による騒音のばらつきの低減効果を示す図である。 第2の実施形態に用いるシリンダヘッドの断面図である。 加振力とアクチュエータ発生力との関係を示す図である。 第3の実施形態における本発明を用いない場合の周波数毎の騒音のばらつきを示す図である。 第3の実施形態における周波数毎の騒音のばらつきの低減効果を示す図である。 第4の実施形態による支持装置の発生状態をモデル化した図である。 音の観測点の例を示す図である。
符号の説明
3 インジェクタ(燃料噴射装置)
5 シリンダヘッド
9 アクチュエータ
10 座面
11 ノズルサポータ
12 支持ピン
13 支点
15 インジェクタ挿圧面(燃料噴射装置挿圧面)
26 所定位置

Claims (8)

  1. シリンダヘッドに設けられる座面と、前記シリンダヘッドに取り付けられる保持部材の燃料装置挿圧面と、の間で燃料噴射装置を狭持する、多気筒エンジンの燃料噴射装置の支持装置において、
    前記各気筒の燃料噴射装置からシリンダヘッドへの振動伝達経路中に、それぞれアクチュエータを配設し、
    前記各気筒の燃料噴射装置から、前記座面および前記燃料噴射装置挿圧面を介して所定位置に伝達される所定周波数の音もしくは振動のばらつきを低減するように、
    前記各気筒の燃料噴射装置の加振力に合わせて前記各気筒のアクチュエータを制御することを特徴とする燃料噴射装置の支持装置。
  2. 前記アクチュエータを制御することにより、前記加振力に起因して前記燃料噴射装置挿圧面に発生する変動を低減する請求項1に記載の燃料噴射装置の支持装置。
  3. 前記座面を介して所定位置に伝達される所定周波数の音もしくは振動が大きくなる気筒ほど、前記燃料噴射装置挿圧面に発生する変動を低減するように、前記アクチュエータを制御する請求項2に記載の燃料噴射装置の支持装置。
  4. 前記各気筒の燃料噴射装置から、前記座面および前記燃料噴射装置挿圧面を介して前記所定位置に伝達される所定周波数の音もしくは振動の大きさが、前記気筒間で略同一となるように、前記各気筒のアクチュエータを制御する請求項2または3に記載の燃料噴射装置の支持装置。
  5. 少なくとも一つの気筒において、前記燃料噴射装置挿圧面に発生する変動が、略ゼロとなるように前記アクチュエータを制御する請求項2から4のいずれか一つに記載の燃料噴射装置の支持装置。
  6. シリンダヘッドに設けられる座面とシリンダヘッドに取り付けられる保持部材の燃料装置挿圧面との間で燃料噴射装置を狭持するエンジンの燃料噴射装置の支持装置において、
    前記燃料噴射装置からシリンダヘッドへの振動伝達経路中にアクチュエータを配設し、
    前記燃料噴射装置の加振力に起因して前記座面と前記燃料噴射装置挿圧面を介して伝達される前記所定周波数の音もしくは振動とが、前記所定位置で互いに打ち消しあうように、前記燃料噴射装置の加振力に合わせて前記アクチュエータを制御することを特徴とする燃料噴射装置の支持装置。
  7. 前記所定位置を、前記エンジンを搭載した車両の外部に設定する請求項1から6のいずれか一つに記載の燃料噴射装置の支持装置。
  8. 前記所定位置を、前記エンジンを搭載した車両の室内に設定する請求項1から6のいずれか一つに記載の燃料噴射装置の支持装置。
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