JP2006170015A - エンジン排気系の異常検出装置 - Google Patents

エンジン排気系の異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 検出のためにエンジンの運転状態を変更することなく、異常を検出することができるエンジン排気系の異常検出装置を提供する。
【解決手段】 本発明のエンジン排気系の異常検出装置は、エンジン排気系の異常を検出する検出装置であって、エンジン(1)の運転状態が、エンジン排気系の異常の検出に適する状態であるか否かを判断する運転状態判断手段(50)と、エンジンのシリンダ内で燃焼される混合気の空燃比に対応する量を検出するように、エンジン排気系に設けられたセンサ(28)と、運転状態判断手段が異常の検出に適する状態であると判断した場合において、センサによって検出された空燃比に対応する量が、エンジンの排気脈動と同期して、リーン空燃比に対応する値に変化しているとき、エンジン排気系に異常があると判定する異常判定手段(52)と、この異常判定手段が異常ありと判定すると警告を発する警告手段(54)と、を有することを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明はエンジン排気系の異常検出装置に係わり、特に、エンジン排気系の漏れ等を検出するエンジン排気系の異常検出装置に関する。
近年、自動車等の排気ガスに関する規制は、益々強化される傾向にあり、排気ガスを浄化するために三元触媒等の装置が広く採用されている。自動車にこれらの排気ガス浄化装置が備えられていたとしても、エンジンの排気系に漏れ等の異常がある場合には、それらの浄化装置を通過しない排気ガスが大気に放出されることになるので、所期の目的を達成することはできない。そこで、エンジン排気系の漏れ等の異常を検出する異常検出装置の必要性が高くなっている。
特開2002−317678号公報には、内燃機関の排気系異常検出装置が記載されている。この異常検出装置では、排気系の異常の有無を検出する際に、理論空燃比よりもリッチな混合気を強制的にエンジンに供給し、この時のエンジン排気中の酸素濃度をセンサにより測定する。このように、混合気を強制的にリッチにしたとき、センサにより測定される酸素濃度がリッチな混合気に対応した酸素濃度とならない場合には、エンジン排気系に異常があると判定される。
特開2002−317678号公報
しかしながら、特開2002−317678号公報に記載された異常検出装置では、異常検出を行う際に混合気を強制的にリッチにする必要があるため、この空燃比のリッチ化により燃料が浪費され、また、排気ガスの清浄性が悪化するという問題がある。さらに、混合気を強制的にリッチにすると、それにより一時的にエンジンの出力トルクが増大するので、トルクショックが発生し、自動車の乗り心地が悪化するという問題がある。
本発明は、検出のためにエンジンの運転状態を変更することなく、異常を検出することができるエンジン排気系の異常検出装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明のエンジン排気系の異常検出装置は、エンジン排気系の異常を検出する検出装置であって、エンジンの運転状態が、エンジン排気系の異常の検出に適する状態であるか否かを判断する運転状態判断手段と、エンジンのシリンダ内で燃焼される混合気の空燃比に対応する量を検出するように、エンジン排気系に設けられたセンサと、運転状態判断手段が異常の検出に適する状態であると判断した場合において、センサによって検出された空燃比に対応する量が、エンジンの排気脈動と同期して、リーン空燃比に対応する値に変化しているとき、エンジン排気系に異常があると判定する異常判定手段と、この異常判定手段が異常ありと判定すると警告を発する警告手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、エンジンの運転状態が、異常の検出に適する状態であると運転状態判断手段によって判断されると、エンジン排気系の異常検出が行われる。異常判定手段は、酸素濃度等の、混合気の空燃比に対応する量を検出するセンサによって検出された値が、エンジンの排気脈動と同期して変化しているか否かによって、エンジン排気系の異常の有無を判定する。異常判定手段によって異常ありと判定された場合には、警告手段によって警告が発せられる。
このように構成された本発明によれば、検出のためにエンジンの運転状態を変更することなく、エンジン排気系の異常を検出することができる。
本発明において、好ましくは、エンジン排気系には、エンジンの排気を浄化する触媒が配置され、センサは、この触媒の上流側に配置されている。
このように構成された本発明によれば、エンジンの排気脈動の影響が、触媒で減衰されることなくセンサに及びやすいので、排気脈動との同期を正確に検出することができる。
本発明において、好ましくは、センサが、空燃比に対応する量にほぼ比例した信号を出力するリニアセンサである。
このように構成された本発明によれば、空燃比に対応する量の変化を正確に測定することができるので、排気脈動との同期を正確に検出することができる。
本発明のエンジン排気系の異常検出装置によれば、検出のためにエンジンの運転状態を変更することなく、エンジン排気系の異常を検出することができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態によるエンジン排気系の異常検出装置を備えたエンジンの概略断面図である。ここでは、4気筒直噴ガソリンエンジンに本実施形態のエンジン排気系の異常検出装置を適用した場合について説明する。図1に示すように、エンジン1は、上方に燃焼室2を構成するシリンダ3と、このシリンダ3内で往復運動するピストン4と、このピストン4に連結されたコネクティングロッド6と、このコネクティングロッド6に連結されたクランクシャフト8と、を有する。さらに、エンジン1は、燃焼室2に開口した吸気ポート10と、この吸気ポート10を開閉する吸気弁12と、吸気ポート10に接続された吸気マニホールド14と、吸気マニホールド14を介して吸気ポート10から導入される空気量を調整するスロットル弁16と、導入される空気量を測定するエアフローセンサ18と、を有する。また、吸気弁12は、可変動弁機構12aによって開閉されるように構成されている。
また、エンジン1は、燃焼室2に開口した排気ポート20と、この排気ポート20を開閉する排気弁22と、排気ポート20に接続された排気マニホールド24と、この排気マニホールド24に接続された排気管26と、を有する。また、排気弁22は、可変動弁機構22aによって開閉されるように構成されている。さらに、排気マニホールド24の、各シリンダ3(1つのみ図示)からの排気が集合された部分には、センサであるリニアO2センサ28が設けられている。また、排気管26の途中には触媒コンバータ30が設けられ、この触媒コンバータ30の下流側の排気管26には、ラムダO2センサ32が設けられている。なお、排気ポート20、排気マニホールド24、排気管26、及び触媒コンバータ30は、エンジン1の排気系を構成する。
また、エンジン1は、燃焼室2内に燃料を噴射するインジェクタ34と、このインジェクタ34に燃料を送り込む高圧ポンプ36と、燃料を燃料タンク(図示せず)から高圧ポンプ36に送り込む燃料供給系38と、を有する。さらに、エンジン1は、燃焼室2内の混合気に点火する点火プラグ40と、この点火プラグ40に接続された点火回路42と、を有する。
さらに、エンジン1は、エンジン制御ユニット(ECU)44を有し、エンジン制御ユニット44は、エンジン回転数センサ46、アクセル開度センサ48、エアフローセンサ18、リニアO2センサ28、ラムダO2センサ32等の検出信号に基づいて、エンジンの作動を制御する。また、エンジン制御ユニット44は、エンジン排気系の異常の検出の検出に適する状態であるか否かを判断する運転状態判断手段50と、リニアO2センサ28の出力信号に基づいて、エンジン排気系の異常の有無を判定する異常判定手段52と、を内蔵している。さらに、エンジン1は、異常判定手段52がエンジン排気系に異常ありと判定すると、その旨を使用者に警告する警告手段54を有する。なお、エンジン1において、リニアO2センサ28、運転状態判断手段50、異常判定手段52、及び警告手段54は、本発明の実施形態によるエンジン排気系の異常検出装置を構成する。
エンジン制御ユニット44は、アクセル開度センサ48によって測定されたアクセル開度に基づいて、スロットル弁16を開閉させるように構成されている。スロットル弁16の開閉により増減される吸入空気量は、エアフローセンサ18によって測定され、測定された信号はエンジン制御ユニット44に送られる。スロットル弁16を通って吸入された空気は、吸気マニホールド14の入口端に形成されたサージタンク14aを通って吸気マニホールド14に入り、吸気マニホールド14で4つに分岐されて各シリンダ3(1つのみ図示)に導入されるように構成されている。
各燃焼室2(1つのみ図示)内で燃焼された排気ガスは、各燃焼室2の排気ポート20に接続された排気マニホールド24の各入口端から排気マニホールド24に入り、排気マニホールド24内で合流されて、排気管26に導かれるように構成されている。リニアO2センサ28は、排気マニホールド24の合流部よりも下流の部分に配置されており、排気マニホールド24内を流れる排気ガス中の酸素濃度を測定するように構成されている。リニアO2センサ28は、ジルコニア素子(図示せず)をヒーター(図示せず)によって加熱して所定温度に維持し、排気ガス中の酸素濃度に応じた起電力を発生させるように構成されている。リニアO2センサ28の出力信号は、排気ガス中の酸素濃度にほぼ比例し、エンジン制御ユニット44に送られてエンジン制御及びエンジン排気系の異常検出に使用される。
排気マニホールド24を通過した排気ガスは、排気管26に入り、排気管26の途中に配置された触媒コンバータ30で浄化されて大気に放出されるように構成されている。触媒コンバータ30は、CO、HC、NOxを浄化する三元触媒を、排気浄化用触媒として備えている。
ラムダO2センサ32は、触媒コンバータ30の下流の排気管26に設けられており、触媒コンバータ30によって浄化された排気ガス中の酸素濃度を検出するように構成されている。ラムダO2センサ32の出力信号は、所定の酸素濃度を境に急激に変化するように構成されている。即ち、ラムダO2センサ32は、理論空燃比よりもリッチな混合気を燃焼させた場合に生成される排気ガスの酸素濃度では、約1ボルトの電圧を出力し、理論空燃比よりもリーンな混合気を燃焼させた場合に生成される排気ガスの酸素濃度では、約0ボルトの電圧を出力するように構成されている。従って、ラムダO2センサ32の出力信号により、シリンダ3に供給されている混合気が、理論空燃比に対してリッチであるか、リーンであるかを判別することができる。
次に、エンジン1の作用を説明する。まず、エンジン1のアイドリング状態において、運転者がアクセルペダル(図示せず)を踏むと、アクセルペダルの動きをアクセル開度センサ48が検出して、エンジン制御ユニット44に信号を送る。アクセル開度センサ48からの信号を受けると、エンジン制御ユニット44は、開度を大きくする方向にスロットル弁16を作動させる。吸気弁12の可変動弁機構22aは、吸気工程となる所定のタイミングで、吸気弁12を開放する。吸気工程では、ピストン4がシリンダ3内で下降し、吸気弁12の開放により、スロットル弁16を介して空気がシリンダ3の中に導入される。スロットル弁16を通過した空気の量は、エアフローセンサ18によって検出され、エンジン制御ユニット44に送られる。
また、吸気工程において、燃料供給系38、高圧ポンプ36、及びインジェクタ34を介して、燃料がシリンダ3内に噴射される。通常運転時においては、インジェクタ34によって噴射される燃料の量は、シリンダ3内の混合気が理論空燃比である14.7になるように、エンジン制御ユニット44によって制御される。クランクシャフト8が回転してピストン4が上昇に転じると、吸気工程から圧縮工程に移り、点火回路42が所定のタイミングで点火プラグ40に火花を発生させ、燃焼室2内の混合気を燃焼させる。
混合気が燃焼される燃焼行程では、燃焼室2内の混合気が燃焼により膨張して、ピストン4を押し下げ、コネクティングロッド6を介してクランクシャフト8に回転力を作用させる。クランクシャフト8が回転してピストン4が上昇に転じると、燃焼工程から排気工程に移り、排気工程では、所定のタイミングで排気弁の可変動弁機構22aが排気弁22を開放させる。排気弁22が開放されると、燃焼室2内での混合気の燃焼によって生成された排気ガスが、排気ポート20を介して排気マニホールド24に排出される。排気マニホールド24内を流れる排気ガス中の酸素濃度は、リニアO2センサ28によって測定され、出力信号がエンジン制御ユニット44に送られる。
シリンダ3内にリーン混合気、即ち、理論空燃比よりも燃料が少ない混合気が吸入されていた場合には、燃焼によって消費される酸素量が少ないので、リニアO2センサ28によって測定される酸素濃度は高くなる。逆に、シリンダ3内にリッチ混合気が吸入されていた場合には、リニアO2センサ28によって測定される酸素濃度は低くなる。従って、排気ガス中の酸素濃度は、エンジンのシリンダ3内で燃焼される混合気の空燃比に対応した量となる。
排気マニホールド24を通過した排気ガスは、排気管26の途中に設けられた触媒コンバータ30に入り、排気ガス中のCO、HC、NOxが除去され、浄化されて、大気に放出される。触媒コンバータ30を通過した排気ガス中の酸素濃度は、ラムダO2センサ32によって検出される。ラムダO2センサ32の検出信号は、エンジン制御ユニット44に入力される。ラムダO2センサ32の出力信号は、シリンダ3内にリッチ混合気が吸入されていた場合には、酸素濃度が低いので約1ボルトとなり、シリンダ3内にリーン混合気が吸入されていた場合には、酸素濃度が高いので約0ボルトになる。従って、ラムダO2センサ32の出力信号は、シリンダ3内に理論空燃比の混合気が吸入されていた場合を境界に、ほぼ二値的に変化する。
図2は、点火プラグ40による点火のタイミングと、リニアO2センサ28付近の排気ガスの圧力変動を示すグラフである。上記の説明では、エンジン1の単一のシリンダ3における各工程を説明したが、エンジン1は4気筒であるため、クランクシャフト8が2回転する間に、各気筒で1回ずつ合計4回の燃焼行程が所定の順序で行われる。
図2の上段のグラフは点火信号を示しており、4つのパルス波が、各気筒の点火に対応している。図2の中段のグラフは、リニアO2センサ28付近の排気ガスの圧力変動を示すグラフであり、各気筒の点火と同期して圧力が変動していることがわかる。図2に示した圧力変動のグラフは、エンジン1を低負荷、低回転で運転した場合のものであり、この場合には、排気管内の圧力が、大気圧よりも低い負圧になる瞬間があることがわかる。また、エンジン1を高負荷、高回転で運転した場合には、排気管内の圧力は全体に高くなり、負圧となる瞬間も存在しなくなる。図2の下段のグラフは、リニアO2センサ28によって測定される酸素濃度を示すグラフである。なお、図2の下段のグラフは、エンジン排気系に異常がない場合を実線で、漏れ等の異常がある場合を破線で示している。
次に、エンジン制御ユニット44による空燃比の制御作用を説明する。エンジン回転数センサ46で測定されたエンジン回転数、アクセル開度センサ48で測定されたアクセル開度、エアフローセンサ18で測定された吸入空気量、及びリニアO2センサ28及びラムダO2センサ32で測定された酸素濃度の各信号は、エンジン制御ユニット44に入力される。エンジン制御ユニット44は、エンジン回転数、アクセル開度、吸入空気量等の情報に基づいて、負荷及び回転数等のエンジンの運転状態を判断し、各運転状態について予め決められている基準燃料噴射量を求める。次に、エンジン制御ユニット44は、リニアO2センサ28及びラムダO2センサ32で測定された酸素濃度等に基づいて、基準燃料噴射量を補正して実際の燃料噴射量を決定する。エンジン制御ユニット44は、決定された燃料噴射量に基づいてインジェクタ34に信号を送り、所定量の燃料をシリンダ3内に噴射させる。
次に、図3を参照して、燃料噴射量の補正手順を説明する。図3は、燃料噴射量の補正量を算出する手順を示すブロック図である。まず、図3のステップS1において、エンジン制御ユニット44は、エンジンの運転状態に応じて適切な目標空燃比を設定する。この目標空燃比は、通常の走行状態においては、理論空燃比である14.7に設定され、高負荷、高回転状態でエンジンが運転されている場合には、理論空燃比よりもリッチな値に設定される。また、減速時、上述した高回転状態よりも更に回転数が高い状態でエンジンが運転されている場合には燃料噴射がカットされる。次に、設定された目標空燃比は、ステップS2において、ラムダO2センサ32の出力等に基づいて補正される。この補正については後述する。ステップS3では、ステップS2で補正された目標空燃比と、リニアO2センサ28の出力信号に基づいて求められた実際の混合気の空燃比の偏差が計算される。次いで、ステップS4では、ステップS3で求めた空燃比の偏差に基づいて、基準燃料噴射量を補正すべき量(フロントF/B補正量)が計算される。
一方、ステップS5においては、ステップS4で計算された補正量が、エンジンの運転状態毎に所定回数分平均され、各運転状態毎の平均値は、ステップS6において運転状態毎に学習値としてメモリ(図示せず)に記憶される。この運転状態毎の学習値は、次に基準燃料噴射量を決定するときに加味され、次に燃料噴射量を決定する際には、学習値を加味した燃料噴射量が、その運転状態における基準燃料噴射量として採用される。即ち、学習値を加味して基準燃料噴射量を決定することにより、補正前の基準燃料噴射量によって得られる空燃比が、目標空燃比に近づくので、ステップS4において計算される補正量は減少する。
次に、ラムダO2センサ32による補正を説明する。まず、ステップS8において、ラムダO2センサ32の出力信号と、ステップS7で設定される理論空燃比である目標空燃比に対応する信号が比較される。ステップS9では、ステップS8における比較結果に基づいて、先に説明したステップS2において目標空燃比を補正する補正量(リヤF/B補正量)が計算される。即ち、ステップS8において、ラムダO2センサ32によって測定された空燃比が理論空燃比よりもリーンであると判定された場合には、従前のリヤF/B補正量を所定量増加させた量を新たなリヤF/B補正量とする。また、ステップS8において、リッチであると判定された場合には、従前のリヤF/B補正量を所定量減少させた量を新たなリヤF/B補正量とする。ステップS10においては、ステップS9で計算された補正量が、エンジンの運転状態毎に所定回数分平均され、各運転状態毎の平均値は、ステップS11において運転状態毎に学習値としてメモリ(図示せず)に記憶される。
次に、図2及び図4を参照して、本発明の実施形態によるエンジン排気系の異常検出装置の作用を説明する。図4は、本発明の実施形態によるエンジン排気系の異常検出装置の作用を示すアルゴリズムである。
本発明の実施形態によるエンジン排気系の異常検出装置による異常検出は、エンジン1の運転中、所定時間毎に繰り返し実行される。即ち、エンジン1の運転中、所定時間毎に、図4に示す異常検出アルゴリズムが起動される。
まず、図4のステップS41において、エンジン制御ユニット44の運転状態判断手段50によって、エンジン回転数センサ46からエンジン回転数が、エアフローセンサ18から吸入空気量が読み込まれる。次いで、ステップS42において、読み込まれたエンジン回転数及び吸入空気量に基づいて、エンジン排気系の異常を検出することができる運転状態であるか否かが判断される。本実施形態によるエンジン排気系の異常検出装置では、エンジン1が低負荷、低回転数で運転されている状態が、エンジン排気系の異常検出に適する状態であると判断される。
本実施形態では、運転状態判断手段50は、(1)エンジン回転数センサ46によって測定されるエンジン回転数が2000rpm以下であり、(2)吸気充填効率Ceが0.3よりも小さく、(3)エンジンが定常運転されている場合にエンジン排気系の異常検出に適する状態であると判断する。また、エンジン1の定常運転状態は、エンジン回転数の変化、吸入空気量の変化、及びスロットル弁16開度の変化が、所定値よりも小さいか否かによって判断される。また、本実施形態では、吸気充填効率Ceが0.3よりも小さい場合に異常検出を行っているが、この値は、排気圧力に負圧が現れるように、例えば0.3乃至0.4程度に任意に設定することができる。なお、吸気充填効率Ceとは、ある回転数で運転されているエンジンによって1秒間に実際に吸入された空気の質量を、その回転数のエンジンが標準空気密度の空気を吸入したとすれば1秒間に吸入されるであろう空気の質量で除した値である。
ステップS42において、エンジン排気系の異常検出に適さない運転状態であると判断された場合には、図4のフローチャートの1回の処理を終了する。また、ステップS42において、エンジン排気系の異常検出に適する運転状態であると判断された場合には、ステップS43に進む。ステップS43では、異常判定手段52によって、リニアO2センサ28によって検出された酸素濃度が読み込まれる。ステップS43において、異常判定手段52によって読み込まれる酸素濃度は、図2の下段に示すグラフのように変化する。
ここで、酸素濃度を測定するリニアO2センサ28付近の排気圧力は、エンジン1が低負荷、低回転状態で運転されている場合には、図2の中段に示すグラフのようになる。このグラフに示すように、低負荷、低回転状態では、排気圧力はエンジン1のサイクルに応じて脈動し、瞬間的に排気圧力が大気圧よりも低くなる。これは、エンジン1が低負荷、低回転の状態では、各排気ポート20から排気される排気ガスの量が少ないためであり、高負荷、高回転状態では、排気圧力が大気圧よりも低くなることはない。また、エンジン排気系の異常検出に適する運転状態では、エンジン1は定常運転されているため、排気圧力が脈動する周期はほぼ一定になる。
リニアO2センサ28によって測定される酸素濃度は、エンジン排気系に異常がない場合には、排気圧力の脈動とは無関係にほぼ一定の値となる。これに対して、エンジン排気系に漏れ等の異常がある場合には、排気圧力の脈動とほぼ同一の周期で酸素濃度にピーク値(リーン混合比のピーク値に対応する)が現れる。即ち、酸素濃度は、排気圧力の脈動とほぼ同一の周期で、リーン空燃比に対応する値に変化する。これは、エンジン排気系に異常がある場合には、排気圧力が負圧になる瞬間に、エンジン排気系の漏れのある箇所から外気が吸引され、排気マニホールド24内の酸素濃度が上昇するためである。
この現象を利用してエンジン排気系の異常を検出するために、ステップS44では、異常判定手段52によって、リニアO2センサ28によって測定される酸素濃度の時系列波形が解析される。即ち、ステップS44においては、酸素濃度の時系列波形に現れるピークが抽出され、このピークが現れる周期が計算される。次に、ステップS45では、異常判定手段52によって、酸素濃度の時系列波形から抽出されたピークの値が、所定の値よりも大きいか否かが判断される。酸素濃度のピークの値が所定の値よりも小さい場合には、ステップS48に進み、エンジン排気系に異常なしと判断される。酸素濃度のピークの値が所定の値よりも小さい場合には、そのピークは、エンジン排気系の漏れ等に起因するものではなく、測定ノイズ等であると考えられるからである。酸素濃度のピークの値が所定の値よりも大きい場合には、ステップS46に進む。
ステップS46では、異常判定手段52によって、酸素濃度の時系列波形に現れたピークの周期が、エンジン回転数に応じた所定の周期と近似しているか否かが判断される。図2の中段のグラフに示す排気圧力の脈動周期は、エンジン回転数に応じて変化する。例えば、4気筒4サイクルエンジンが、600rpmで回転する場合には50msec周期、1200rpmで回転する場合には25msec周期の脈動が現れる。ステップS46では、この脈動の周期と、酸素濃度の時系列波形に現れるピークの周期が比較される。これらの周期の差が所定値以上の場合には、排気圧力の脈動と酸素濃度のピークは無関係であると考えられるため、ステップS48に進み、異常判定手段52によって、エンジン排気系に異常なしと判断される。一方、排気圧力の脈動の周期と、酸素濃度のピークの周期との差が所定値未満である場合には、酸素濃度のピークは排気圧力の脈動に起因するものであると考えられるため、ステップS47に進み、異常判定手段52によって、エンジン排気系に漏れ等の異常があると判断される。
エンジン排気系に異常があると判断されると、警告手段54によって、エンジン排気系に異常があることが運転席の表示パネル(図示せず)に表示され、エンジン排気系の異常が運転者に報知される。
本発明の実施形態のエンジン排気系の異常検出装置によれば、検出のためにエンジンの運転状態を変更することなく、エアの吸い込み、排気漏れ等のエンジン排気系の異常を検出することができる。
また、本発明の実施形態のエンジン排気系の異常検出装置によれば、触媒コンバータの上流側に配置されたリニアO2センサによってエンジン排気系の異常を検出しているので、排気圧力の脈動の影響が確実に反映され、酸素濃度の時系列波形に現れるピークを正確に検出することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、本発明のエンジン排気系の異常検出装置をガソリンエンジンに適用していたが、本発明は、ディーゼルエンジン等、種々のエンジンに適用することができる。
また、上述した実施形態では、リニアO2センサによって酸素濃度の時系列波形を測定し、その波形に基づいてエンジン排気系の異常を検出していたが、変形例として、例えば、ラムダO2センサのように、所定の値を境界に出力が二値的に変化するセンサを使用して異常を検出することもできる。この場合には、酸素濃度等の、空燃比に対応する量の波形が、パルス状の時系列波形になるので、このパルス波形の周期に基づいてエンジン排気系の異常を検出することができる。
本発明の実施形態によるエンジン排気系の異常検出装置を備えたエンジンの概略断面図である。 点火プラグによる点火のタイミングと、リニアO2センサ付近の排気ガスの圧力変動を示すグラフである。 燃料噴射量の補正量を算出する手順を示すブロック図である。 本発明の実施形態によるエンジン排気系の異常検出装置の作用を示すアルゴリズムである。
符号の説明
1 エンジン
2 燃焼室
3 シリンダ
4 ピストン
6 コネクティングロッド
8 クランクシャフト
10 吸気ポート
12 吸気弁
12a 可変動弁機構
14 吸気マニホールド
16 スロットル弁
18 エアフローセンサ
20 排気ポート
22 排気弁
22a 可変動弁機構
24 排気マニホールド
26 排気管
28 リニアO2センサ
30 触媒コンバータ
32 ラムダO2センサ
34 インジェクタ
36 高圧ポンプ
38 燃料供給系
40 点火プラグ
42 点火回路
44 エンジン制御ユニット(ECU)
46 エンジン回転数センサ
48 アクセル開度センサ
50 運転状態判断手段
52 異常判定手段
54 警告手段

Claims (3)

  1. エンジン排気系の異常を検出する検出装置であって、
    エンジンの運転状態が、エンジン排気系の異常の検出に適する状態であるか否かを判断する運転状態判断手段と、
    エンジンのシリンダ内で燃焼される混合気の空燃比に対応する量を検出するように、エンジン排気系に設けられたセンサと、
    上記運転状態判断手段が異常の検出に適する状態であると判断した場合において、上記センサによって検出された空燃比に対応する量が、エンジンの排気脈動と同期して、リーン空燃比に対応する値に変化しているとき、上記エンジン排気系に異常があると判定する異常判定手段と、
    この異常判定手段が異常ありと判定すると警告を発する警告手段と、
    を有することを特徴とするエンジン排気系の異常検出装置。
  2. 上記エンジン排気系には、エンジンの排気を浄化する触媒が配置され、上記センサは、この触媒の上流側に配置されている請求項1記載のエンジン排気系の異常検出装置。
  3. 上記センサが、空燃比に対応する量にほぼ比例した信号を出力するリニアセンサである請求項1又は2記載のエンジン排気系の異常検出装置。
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