JP2006169927A - 現場接着連結によるプレハブ式鋼床版鋼桁橋 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の鋼橋は、工場内で各部材を製作し、それらを架設現場に運搬し、現場に予め構築された支保工や足場の上に、クレーンなどを使って、運搬された各部材を設置し、多数の高力ボルトなどを用いて、各部材を組み立てるので、多くの日時と費用を必要とする。
また、現場に予め支保工や足場を構築しなければならないので、鋼橋架設現場が山岳地の深い谷の場合には、支保工や足場などの構築に多くの日時と費用を必要とする。
【解決手段】本発明の鋼床版鋼裄橋においては、デッキプレートと横リブと縦桁より成る鋼床版と複数の鋼主桁とを、縦桁下フランジと鋼主桁上フランジとの現場接着連結により、プレハブ式に現場架設するので、支保工や足場などを予め架設現場に構築しなくてもよく、また、現場架設が非常に速いので、現場施工費が非常に安い。
【選択図】図１

Description

本発明は、鋼橋上部工の架設技術に関する。
 発明が解決しようとする課題
従来の鋼橋は、工場内で各部材を製作し、それらを架設現場に運搬し、現場に予め構築された支保工や足場の上に、クレーンなどを使って、運搬された各部材を設置し、多数の高力ボルトなどを用いて、各部材を組み立てるので、多くの費用と時間を必要とする。
また、従来の鋼橋は、その現場架設において、現場に予め支保工や足場を構築しなければならないから、架設現場が山岳地の深い谷の場合には、支保工や足場などに多くの費用と時間を必要とする。
課題を解決するための手段
本発明の鋼床版鋼桁橋はプレハブ式橋梁であり、その横断面図を図１に、上から見た平面図を図２に、縦桁下フランジ５と鋼主桁上フランジ６との現場接着連結を図３に示す。
図１にみられるように、本発明の鋼床版鋼桁橋は、デッキプレート１と横リブ２と縦桁３とより成る鋼床版と、複数の鋼主桁より成る。
また、図２にみられるように、鋼床版のデッキプレート１は、運搬可能幅ａ、すなわち３．５ｍ未満に分割されて工場製作される。すなわち鋼床版は３．５ｍ未満のブロックごとにプレハブ化される。
また、同時に、工場内においては、複数の鋼主桁も製作される。
工場内で製作された複数の鋼主桁と複数の鋼床版ブロックは、トレーラーなどに積まれて現場に運搬されて現場架設されるが、その要領を図４の橋梁側面図と図５の橋梁平面図を用いて説明しよう。
まず、図４において、現場では、左橋台と右橋台がすでに完成しているとする。そこに、複数の鋼主桁と複数の鋼床版ブロックが搬入される。
まず、複数の鋼主桁７が、クレーンを用いて左右橋台の上に設置される。
次に、複数の鋼主桁７の上フランジ６の上に複数の鋼床版ブロック８の縦桁下フランジ５が設置され、図３のように現場接着連結される。現場接着にはエポキシ樹脂系接着剤を一般に用いる。
続いて、図５にみられるように、複数の鋼床版ブロックのデッキプレート同士を、現場突合せ溶接により連結し、現場架設を終了する。
発明の効果
図４と図５において述べたように、複数の鋼主桁７と複数の鋼床版ブロック８が現場に搬入されてから、現場架設が終了するまでの効果は、次のとおりである。
本発明はプレハブ式橋梁で、クレーンを用いて架設するので、支保工や足場などの構築が要らないから、工費が安い。
左右橋台の上に複数の鋼主桁を設置し、その上に複数の鋼床版ブロックを設置して、現場接着連結し、続いて、デッキプレート同士を現場突合せ溶接して架設を終了するが、その現場施工の日時は短く、工費も安い。
横リブ２は、図６のＵ型横リブ、図７のＩ型横リブ、図８の逆Ｔ型横リブの３種類があり、横リブ支間、すなわち主桁間隔の大きさに従って使い分ける。例えば、主桁間隔が３ｍ程度であればＩ型横リブを使い、主桁間隔が４ｍ程度であればＵ型横リブを使い、主桁間隔が６ｍ程度であれば逆Ｔ型横リブを使う。
次に、図３の縦桁下フランジと鋼主桁上フランジとの現場接着連結の場合の接着幅ｂの求め方を、次の図９と図１０を使って説明しよう。
図９にみられるように、先般、接着面のせん断試験を行った。接着剤はエポキシ樹脂系接着剤である。このときのせん断破壊荷重は４２トンであったから、接着面のせん断応力度は１平方ｃｍ当たり１２０ｋｇｆであり、これを安全率３でわると、接着面許容せん断応力度は１平方ｃｍ当たり４０ｋｇｆとなる。
そこで、図１０にみられるように、鋼主桁ウエブにＳＭ４００クラスの鋼材を使うとすると、その許容せん断応力度は１平方ｃｍ当たり８００ｋｇｆであり、図９の接着面許容せん断応力度の２０倍である。したがって、接着幅ｂは、鋼主桁ウエブ厚ｔの２０倍以上とすればよいことになる。例えば、鋼主桁ウエブ厚ｔを０．８ｃｍで設計するときには、接着幅ｂはその２０倍の１６ｃｍ以上とすればよい。
この接着幅ｂを求める計算公式は、本発明に伴って生まれた新しい計算公式であって、工業技術上大きな利用価値のあるものである。
本発明の鋼床版鋼桁橋の横断面図 同平面図 同縦桁下フランジと鋼主桁上フランジとの現場接着連結 同橋梁側面図 同橋梁平面図 同Ｕ型横リブ 同Ｉ型横リブ 同逆Ｔ型横リブ 同接着面のせん断試験 同接着幅の計算法
符号の説明
１ デッキプレート
２ 横リブ
３ 縦桁
４ 鋼主桁
５ 縦桁下フランジ
６ 鋼主桁上フランジ
７ 鋼主桁
８ 鋼床版ブロック

Claims (1)

  1. デッキプレートと横リブと縦桁より成る鋼床版と複数の鋼主桁とを、縦桁下フランジと鋼主桁上フランジとの現場接着連結により、支保工や足場などなしで、短時間で現場架設するプレハブ式鋼床版鋼桁橋。
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