JP2006169582A - 耐熱応力割れ性に優れるディスクブレーキ用ステンレス鋼板 - Google Patents

耐熱応力割れ性に優れるディスクブレーキ用ステンレス鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱応力割れ性に優れたディスクブレーキ用ステンレス鋼板を提案する。
【解決手段】mass%で、C:0.10%未満、Si:1.0%以下、Mn:2.5%以下、P:0.04%以下、 S:0.01%以下、Cr:11.5%超15.0%以下、Ni:1.0%以下、Al:0.10%以下、N:0.10%以下、Nb:0.02〜0.6%、W:0.02〜2.0%を、0.03≦(C+N−(13/93)Nb)≦0.10、 5Cr+10Si+15Mo+20Nb+35V+5W−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C≦45 (ここに、Cr、Si、Mo、Nb、V、W、Ni、Mn、Cu、N、C:各元素の含有量(mass%))を満足するように含有する。これにより、靭性と焼戻し後の耐食性とともに、耐熱応力割れ性に優れたディスクブレーキ用ステンレス鋼板となる。さらに、V:0.02〜0.3%、および/またはCu:0.05〜2.0%、Mo:0.01〜2.0%、Co:0.01〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有してもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、オートバイ、自動車、自転車等のディスクブレーキのディスク(回転体)用として好適なステンレス鋼板に係り、とくに適正な焼入れ硬さが得られ、しかも制動時の摩擦熱とその後の冷却により、高温加熱と冷却の熱履歴を繰返し受けても、割れが発生しない耐熱応力割れ性に優れたディスクブレーキ用ステンレス鋼板に関する。なお、本発明でいう鋼板には鋼帯をも含むものとする。
オートバイ、自動車、自転車等のディスクブレーキの機能は、ブレーキディスクとブレーキパッドとの摩擦により車輪の回転を抑え、車両を制動することにある。このため、ブレーキディスクには、適正硬さを有することが望まれている。硬さが軟らかいとブレーキの利きが弱くなると共にブレーキパッドとの摩擦により速く摩耗し、一方、硬すぎるとブレーキ鳴きが発生するという問題がある。ブレーキディスクの適正硬さとしては、HRC32〜38の硬さ範囲が推奨されている。ここで、HRCは、JIS Z 2245に規定されるロックウェル硬さ(Cスケール)である。
ブレーキディスク用材料としては、従来から、硬さと耐食性の観点から、マルテンサイト系ステンレス鋼板が使用されてきた。一時、SUS 420J2などの、炭素量が0.3%と高いマルテンサイト系ステンレス鋼板に、焼入れ焼戻し処理を施して使用されることもあったが、製造上の負荷が大きく、近年では、特許文献1や、特許文献2に示されるような、焼入れままで使用できる、低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板がブレーキディスク用材料として多く使用されるようになっている。
近年、地球環境保全の観点からオートバイや自動車等の燃費向上が要望されている。燃費向上には車体重量の軽量化が有効であり、車両の軽量化が指向されている。制動装置であるディスクブレーキも例外ではなく車両の更なる軽量化のために、ブレーキディスクの小型化、厚みの低減(薄肉化)等が図られている。
しかし、このブレーキディスクの小型化、薄肉化は、熱容量の低下を招き、制動時の摩擦熱によるブレーキディスクの温度上昇がより大きくなる。このため、このような小型化、薄肉化傾向に伴い、制動時のブレーキディスク温度が一時的に600℃程度となることが考えられ、従来の材料では、ブレーキディスクが焼戻されて軟化し耐久性が低下するとともに耐食性も低下することが懸念され、耐熱性および耐食性に優れたブレーキディスク用材料が要望されている。
このような要望に対し、例えば、特許文献3には、Ti、Nb、V、Zrのうちの1種または2種以上を適正量含有した、低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板が提案されている。また、特許文献4にはNb、あるいはNbに加えてさらにTi、V、Bを複合して適正量添加したディスクブレーキ用ステンレス鋼が提案されている。また、特許文献5には、鋼中のC、N、Ni、Cu、Mn、Cr、Si、Mo、V、TiおよびAlの含有量の関係式であるGP値を50(%)以上に調整するとともに、Nb、Vを適正量とした、安価なディスクブレーキロータ用鋼が提案されている。また、特許文献6には、C+N量を特定範囲に制限し、オーステナイト形成元素であるMn、Ni、Cuを適量、さらにNbを適量含有し、Zr、Ti、Taのうちの1種又は2種以上を含有した、制動発熱軟化抵抗の高いディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼が提案されている。また、特許文献7には、C+N量を特定範囲に制限し、さらにSi、Mnを適正値に調整し、Cr:10〜15%を含み、さらにW:0.1〜2.0%、V:0.1〜1.0%、Mo:0.1〜2.0%のうちの1種又は2種以上を含有し、特殊なパラメータγpが85以上を満足する組成のディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼が提案されている。
特開昭57-198249号公報 特開昭60-106951号公報 特開2002-146489号公報 特許第3315974号公報 特開2002−121656号公報 特開2001−192779号公報 特開2001−3141号公報
最近、主として大型バイクに用いられる径の大きなブレーキディスクでは、熱変形を避ける目的から、パッドが当たる部分である摺動部(ディスクの外周側)と取付け部(ディスクの内周側)とを別部品として、両者をピンでフレキシブルに連結させた構造が採用されている。しかし、このような構造では、二つの円盤をピンで絡ぐため生産性が低く、摺動部と取付け部を一体化した一体型の大型ディスクが要望されている。
しかし、上記した特許文献1〜特許文献7に記載された技術で製造された鋼板を用いて一体型のブレーキディスクを製造すると、使用時にブレーキディスクに割れが発生し、耐久性が低下する場合がある。通常、ブレーキディスクの摺動部には、制動時に発生する摩擦熱の放散や、摩耗生成物の除去を目的として、複数個の円孔が設けられている。上記した従来の低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板製のブレーキディスクでは、これらの円孔を起点として割れが発生する場合がある。この割れは、論文「大型二輪用一体型ブレーキディスクの円孔からのき裂発生に関する研究」(笹田昌弘ら:機械学会論文集(C編)、66巻、646号(2000-6)、p2016〜2023)に記載されているように、ブレーキディスクが制動時(使用時)に高温加熱と冷却の熱履歴を繰返し受けて発生する、円孔近傍の熱応力に起因する割れであると考えられ、このような割れが発生しない耐熱応力割れ性に優れたディスクブレーキ用ステンレス鋼板が要望されている。
本発明は、このような要望に応えるべく成されたものであり、耐熱応力割れ性に優れたディスクブレーキ用ステンレス鋼板を提供することを目的とする。また、本発明は、こうした従来技術の問題を有利に解決し、適正焼入れ硬さを確保できるとともに、耐熱応力割れ性に優れたディスクブレーキ用ステンレス鋼板を提案することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成するために、マルテンサイト系ステンレス鋼板の耐熱応力割れ性におよぼす合金元素の影響について鋭意検討した。その結果、NbおよびWを適正量含有することにより、適正焼入れ硬さを確保できしかも複数の円孔を有するディスクに加工されたのち、高温加熱と冷却が繰返される熱履歴により発生する円孔周辺の熱応力が低減され、ブレーキ用ディスクにおける割れの発生が抑制されることを知見した。この割れの発生が抑制される機構については、まだ十分に解明されたわけではないが、本発明者らは、Nbの適正量含有により強度が増加すること、およびWの含有により熱膨張係数が低下することにより熱応力が軽減されることによると推定している。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
(1)mass%で、C:0.10%未満、Si:1.0%以下、Mn:2.5%以下、P:0.04%以下、 S:0.01%以下、Cr:11.5%超15.0%以下、Ni:1.0%以下、Al:0.10%以下、N:0.10%以下、Nb:0.02〜0.6%、W:0.02〜2.0%を、次(1)式および(2)式
0.03≦(C+N−(13/93)Nb)≦0.10 ………(1)
5Cr+10Si+15Mo+20Nb+35V+5W−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C≦45 ……(2)
(ここに、Cr、Si、Mo、Nb、V、W、Ni、Mn、Cu、N、C:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする耐熱応力割れ性に優れたディスクブレーキ用ステンレス鋼板。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、V:0.02〜0.3%を含有する組成とすることを特徴とするディスクブレーキ用ステンレス鋼板。
(3)(1)又は(2)において、前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:0.05〜2.0%、Mo:0.01〜2.0%、Co:0.01〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とするディスクブレーキ用ステンレス鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかに記載のディスクブレーキ用ステンレス鋼板を素材として、950〜1200℃の範囲の温度に加熱し焼入れしてなるブレーキ用ディスク。
本発明によれば、HRC32〜38という適正焼入れ硬さを確保でき、かつ耐熱応力割れ性に優れたブレーキディスク用ステンレス鋼板を容易にしかも安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。本発明によれば、耐久性に優れた、オートバイ、自動車、自転車、スノーモービル等のディスクブレーキ用ディスク(回転体)を安価に製造できるという効果もある。
まず、本発明のブレーキディスク用ステンレス鋼板の組成限定理由について説明する。なお、以下、組成におけるmass%は、単に%と記す。
C:0.10%未満
Cは、焼入れ後の硬さを決定する元素であり、HRC32〜38の範囲の適正焼入れ硬さを確保するために、本発明では、0.03%以上含有することが望ましい。一方、0.10%以上含有すると、制動時の摩擦熱で高温に達した際に、粗大なCr炭化物を形成するため、発錆の起点となり、耐食性を低下させるとともに、靭性を低下させる。このため、Cは0.10%未満に限定した。なお、耐食性の観点から、好ましくは0.05%未満である。
Si:1.0%以下
Siは、脱酸剤として作用する元素であり、本発明では0.05%以上含有することが望ましいが、Siはフェライト相を安定化する元素であり、1.0%を超える過剰な含有は焼入れ硬さを低下させ、さらには靭性を低下させる。このため、Siは1.0%以下に限定した。なお、靭性の観点から、好ましくは0.3%以下である。
Mn:2.5%以下
Mnは、高温でのフェライト相の生成を抑制し、焼入れ性を向上させ、安定した焼入れ硬さを得るために有用な元素であり、0.5%以上含有することが望ましい。一方、2.5%を超える過剰な含有は、耐食性を低下させる。このため、Mnは2.5%以下に限定した。なお、耐食性の観点から、好ましくは2.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満である。
P:0.04%以下
Pは、熱間加工性を低下させる元素であり、できるだけ低減することが望ましいが、過剰な低減は製造コストの高騰を招くため0.04%を上限とした。なお、製造性の観点からは好ましくは0.02%以下である。
S:0.01%以下
Sは、Pと同様に、熱間加工性を低下させる元素であり、できるだけ低減することが望ましいが、過剰な低減は製造コストの高騰を招くため0.01%を上限とした。なお、製造性の観点からは好ましくは0.005%以下である。
Cr:11.5%超15.0%以下
Crは、ステンレス鋼の特徴である耐食性を向上させる有用な元素であり十分な耐食性を確保するためには、11.5%を超える含有を必要とする。一方、15.0%を超える含有は、加工性、靭性を低下させる。このため、Crは11.5%超15.0%以下に限定した。なお、耐食性の観点から好ましくは12.0%以上、靭性の観点から好ましくは13.5%以下である。
Ni:1.0%以下
Niは、耐食性を向上させる元素であり、0.1%以上含有することが好ましいが、1.0%を超える含有は、Crの拡散速度を低下させ、熱延板の軟化焼鈍に長時間を必要とするようになり、生産性が低下する。このため、本発明ではNiは1.0%以下に限定した。なお、好ましくは耐食性の観点から0.5%以上、生産性の観点から0.8%以下である。
Al:0.10%以下
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、製鋼上脱酸剤として添加するが、鋼中に過剰に残留させると、靭性を低下させる。このため、Alは0.10%以下に限定した。なお、好ましくは0.01%未満である。
N:0.10%以下
Nは、Cと同様に、焼入れ後の硬さを決定する元素である。また、固溶Nは耐食性を向上させる効果を有する。さらに、Nは制動時の摩擦熱で到達する500〜700℃の温度範囲で微細なCr窒化物を形成し、析出強化作用により強度を上昇させ、鋼板(ディスク)の耐熱応力割れ性を向上させる。また、焼戻し時に析出するCr炭化物は粗大であり、発錆の起点となるが、Cr窒化物は微細であり、発錆の起点とならず、焼戻し後の耐食性の低下が少ない。したがって、高N化し、相対的に低C化した方が同じ焼入れ硬さであっても、耐熱応力割れ性、耐食性は優れることになる。このような効果を得るためには、Nは0.03%を超えて含有することが好ましい。一方、0.10%を超える含有は、靭性の低下を招く。このため、本発明ではNは0.10%以下に限定した。なお、耐熱応力割れ性および耐食性の観点から、より好ましくは0.040%以上である。
Nb:0.02〜0.6%
Nbは、C、Nと強い結合力を有し、Nb炭化物、Nb窒化物を形成し、析出強化により鋼の強度を向上させ、本発明では耐熱応力割れ性向上のために必須の元素である。とくに焼入れ後600℃付近の温度に保持された際に生じる、焼入れ時に導入された歪の回復を抑制し、焼戻し軟化抵抗を増加させ耐熱応力割れ性を改善する。このような効果を得るためには、0.02%以上含有する必要があるが、0.6%を超えて含有すると、靭性が低下する。このため、Nbは0.02〜0.6%の範囲に限定した。なお、耐熱応力割れ性の観点から、好ましくは、0.08%超、より好ましくは0.11%以上である。また、靭性の観点からは、0.20%以下にすることが好ましい。
W:0.02〜2.0%
Wは、耐熱応力割れ性を向上させる、本発明においては重要な元素である。Wは、熱膨張係数を低減する作用があると推定され、そのため高温加熱と冷却による膨張と収縮を低減させ熱応力の発生を緩和する。このような効果は0.02%以上の含有で顕著となるが、2.0%を超える含有は、靭性を低下させる。このため、Wは0.02〜2.0%の範囲に限定した。なお、耐熱応力割れ性の観点から、好ましくは0.1%以上であり、より好ましくは0.4%以上%である。
本発明では、上記した基本成分範囲としたうえで、さらに選択成分として必要に応じ、V:0.02〜0.3%、および/または、Cu:0.05〜2.0%、Mo:0.01〜2.0%、Co:0.01〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有できる。
V:0.02〜0.3%
Vは、制動時の摩擦熱で到達する600〜700℃の温度範囲で微細な炭化物(VC)、窒化物(VN)を形成し、析出強化により強度を向上させ、耐熱応力割れ性を改善する元素であり、本発明では含有させる場合、0.02%以上含有させることが好ましい。一方、0.3%を超える含有は、靭性を低下させる。このため、Vは0.02〜0.3%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは、耐熱応力割れ性の観点から0.05%以上、より好ましくは0.10%以上である。
Cu:0.05〜2.0%、Mo:0.01〜2.0%、Co:0.01〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
Cu、Mo、Coはいずれも耐食性を向上させる元素であり、必要に応じ選択して1種又は2種以上を含有できる。
Cuは、耐食性を向上させる元素であり、含有する場合は0.05%以上とすることが好ましい。一方、2.0%を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となる。このため、Cuは0.05〜2.0%の範囲に限定することが好ましい。
Mo、Coも耐食性を向上させる元素であり、含有する場合には、Mo、Coとも0.01%以上含有することが好ましい。一方、Moが2.0%、Coが2.0%を超えて含有しても、耐食性向上効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となる。このため、Moは0.01〜2.0%、Coは0.01〜2.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、耐食性の観点からはMo、Coとも0.1%以上1.0%未満で十分な効果が得られる。
本発明では、上記した基本成分、あるいはさらに選択成分を上記した範囲内で、かつ次(1)式、(2)式
0.03≦(C+N−(13/93)Nb)≦0.10 ………(1)
5Cr+10Si+15Mo+20Nb+35V+5W−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C≦45 ……(2)
(ここに、Cr、Si、Mo、Nb、V、W、Ni、Mn、Cu、N、C:各元素の含有量(mass%))
を満足するように含有する。なお、(2)式の左辺値の計算においては、V含有量が0.02%未満、Mo含有量が0.01%未満、Cu含有量が0.05%未満の場合には、零として計算するものとする。
(1)式は、焼入れ硬さを所定の適正範囲内の硬さとするための条件である。焼入れ硬さはC、N量と強い相関がある。一方、C、NがNbと結合しNb炭化物、Nb窒化物を形成すると、硬さには寄与しなくなる。そのため、焼入れ後の硬さは、鋼中のC、N量からNb析出物となり消費されたC、N量を差し引いた値で考える必要がある。なお、VおよびWの炭窒化物は、焼入れ加熱時に固溶するため、V、Wは焼入れ硬さに影響するC、Nを消費することはない。(1)式の中間項が0.03未満では、焼入れ硬さが所定の適正範囲の下限値(HRC32)未満となり、一方、0.10を超えて大きくなると、上限値(HRC38)を超えて高くなる。このため、(1)式の中間項の値を0.03〜0.10の範囲に限定した。
(2)式は、優れた焼入れ安定性を確保するための条件である。ここでいう「焼入れ安定性に優れた」とは、950〜1200℃の温度範囲での焼入れ加熱時にオーステナイト相が80体積%以上生成し、空冷以上の冷却による焼入れに際し、マルテンサイト相に変態し安定して所定の焼入れ硬さが確保できることを意味する。(2)式の左辺が45超えでは、焼入れ加熱時にオーステナイト相が80体積%以上生成する温度範囲が狭くなり、安定した焼入れ硬さを確保できなくなる。このため、(2)式の右辺値を45以下に限定した。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、Na等のアルカリ金属、Mg、Ba等のアルカリ土類金属、Y、La等の希土類元素、Hf等の遷移元素が、それぞれ0.05%以下程度含有されていても、本発明の効果を何ら妨げるものではない。
なお、本発明のステンレス鋼板は、熱延鋼板あるいは冷延鋼板のいずれでもよい。
本発明のステンレス鋼板の製造方法は、とくに限定されず、一般に採用されているマルテンサイト系ステンレス鋼板の製造方法がいずれも適用できるが、例えば、つぎのような製造方法とすることが好ましい。
上記した組成の溶鋼を、転炉、電気炉等で溶製し、さらに溶鋼にVOD(Vacuum Oxygen Decarburization)、AOD(Argon Oxygen Decarburization)等の二次精錬を施したのち、公知の鋳造方法で鋼素材とされる。鋳造方法としては連続鋳造法とすることが、生産性および品質の観点から好ましい。
ついで、鋼素材は、好ましくは1100〜1250℃に加熱され、熱間圧延により所定板厚の熱延鋼板とされる。ブレーキディスク用としては板厚3〜8mm程度とすることが好ましい。熱延鋼板は、さらに熱延板焼鈍を施され、さらに必要に応じショットブラスト、酸洗等により脱スケールされ、ブレーキディスク用素材材料とすることが好ましい。なお、熱延板焼鈍は750℃超〜900℃の温度で8h程度保持したのち、50℃/h未満の冷却速度で少なくとも200℃程度まで徐冷することが好ましい。この焼鈍により、硬さをHRB(ロックウェル硬さBスケール)で84以下とすることが好ましい。
なお、ブレーキディスクの厚さが薄い場合には、上記した熱延鋼板にさらに冷間圧延を施し、焼鈍と、さらに必要に応じ酸洗を行いブレーキディスク用素材材料とすることができる。
なお、ブレーキディスクの製造手順は通常、つぎのとおりである。
上記したステンレス鋼板を素材材料として、該ステンレス鋼板から所定寸法の円盤を打抜き加工し、ブレーキディスク用素材とする。ついで、このブレーキディスク用素材に、制動時に発生する摩擦熱を逃がす等の役割を有する円孔をあける、などの加工を施したのち、ブレーキディスク用素材の所定領域、すなわちブレーキパッドが当たる部分である摺動部に、高周波誘導加熱等により所定の焼入れ加熱温度に加熱したのち空冷以上の冷却速度で冷却する、焼入れ処理を施し、所定領域(摺動部)を所望の硬さに調整する。
なお、本発明のステンレス鋼板では、オーステナイト相の生成量がもっとも多くなる温度が1100℃程度であり、焼入れ加熱温度は950〜1200℃の範囲の温度とすることが好ましい。焼入れ加熱温度が950℃未満または1200℃超では、フェライト相の割合が増加するため好ましくない。
ついで、必要に応じ、焼入れ処理で形成された酸化スケール等を研削等により除去し、あるいはさらに必要に応じ摺動部以外の領域に塗装を施したのち、摺動面等を研磨して製品(ブレーキディスク)とする。
以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。
表1に示す組成の溶鋼を高周波炉で溶解し、重量100kgfの鋼塊(鋼素材)とした。ついで、これら鋼素材を通常の熱間圧延により、熱延板(板厚:5mm)とした。さらにこれら熱延板に800℃で8h保持したのち、20℃/hで200℃まで徐冷し、その後空冷する熱延板焼鈍を施した。ついでこれら熱延板に酸洗処理を施し、表面のスケールを除去して、ブレーキディスク用素材材料とした。
これら素材材料(焼鈍坂)について、表面の硬さHRBを測定した。ついで、これら素材材料から、試験材(大きさ:5mm厚×300×300mm)を採取し、表2に示す焼入れ加熱温度に加熱(保持:1min)したのち、空冷する焼入れ処理を施した。焼入れ処理は各温度で2枚ずつ処理した。焼入れ処理後、1枚から焼入れ安定性試験、靭性試験、耐食性試験用の試験片を、もう1枚から耐熱応力割れ性試験用試験片を採取し各試験を実施した。試験方法はつぎのとおりとした。
(1)焼入れ安定性試験
焼入れ後の試験片(大きさ:5mm×30×30mm)に、研削により表面のスケールを除去したのち、JIS Z 2245の規定に準拠してロックウェル硬度計で表面硬さHRCを5点測定し、その平均値をその材料の焼入れ硬さとした。焼入れ硬さがHRCで32〜38の場合を○、HRCで32〜38以外の場合を×として焼入れ安定性を評価した。950〜1200℃の範囲内のいずれの温度で焼入れても焼入れる硬さがHRCで32〜38の場合を、「焼入れ安定性に優れる」と評価した。
(2)靭性試験
焼入れ後の試験材からJIS Z 2202の規定に準拠してVノッチサブサイズ試験片(大きさ:5×10×50mm)各5本を採取し、JIS Z 2242に準拠して試験温度0℃でシャルピー衝撃試験を実施し、衝撃値を求めた。各5本の衝撃値の平均値をその材料の靭性として、衝撃値が50J/cm2以上であれば十分な靭性を有すると評価した。
(3)耐食性試験
焼入れ後の試験材から、試験片(大きさ:70×150mm)を採取し、600℃で1h保持後、空冷する焼戻し処理を施した。その表面を#320エメリー研磨紙で湿式研磨したのち、JIS Z 2371の規定に準拠して塩水噴霧試験を24h実施した。試験後、試験片表面を目視で観察し、発錆点の数を測定した。発錆点なしを○、1〜4個を△、5個以上を×として評価した。△、○を耐食性に優れたものとして評価した。
また、焼入れ後の試験材(大きさ:300×300mm)から、図1に示す形状のディスク(外径280mmφ、内径120mmφ)形状の試験片を放電加工により採取し、該ディスクに打抜き加工により8個の円孔(10mmφ)をあけ、表面を研磨加工して試験片とし、該試験片に次に示す熱応力割れ試験を実施した。
(4)熱応力割れ試験
ディスク形状の試験片に、600℃に加熱(保持:1min)したのち水冷する熱処理を50回繰返し施し、円孔周辺に発生する割れの長さを10倍のルーペで観察した。各試験片の8個の円孔のうち、長さ1mm以上の割れが発生した円孔の個数で耐熱応力割れ性を評価した。個数:0個を○、1個又は2個の場合を△、3〜8個の場合を×として評価した。
得られた結果を表2に示す。
本発明例はいずれも、950〜1200℃の範囲内の温度に加熱し焼入れした際の焼入れ硬さがHRC32〜38の範囲内にあり、焼入れ安定性に優れ、さらに焼入れ後の靭性、焼戻し処理後の耐食性にも優れ、耐熱応力割れ性に優れている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、950〜1200℃の範囲内のいずれかの温度で焼入れした際に、焼入れ硬さがHRC32〜38の範囲を外れるか、あるいは耐熱応力割れ性が劣化しているか、あるいは焼入れ後の靭性、または焼戻し処理後の耐食性が低下している。
耐熱応力割れ試験で用いたディスク形状試験片の平面形状を模式的に示す説明図である。

Claims (4)

  1. mass%で、
    C:0.10%未満、 Si:1.0%以下、
    Mn:2.5%以下、 P:0.04%以下、
    S:0.01%以下、 Cr:11.5%超15.0%以下、
    Ni:1.0%以下、 Al:0.10%以下、
    N:0.10%以下、 Nb:0.02〜0.6%、
    W:0.02〜2.0%
    を、下記(1)式および(2)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする耐熱応力割れ性に優れたディスクブレーキ用ステンレス鋼板。

    0.03≦(C+N−(13/93)Nb)≦0.10 ………(1)
    5Cr+10Si+15Mo+20Nb+35V+5W−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C≦45 ……(2)
    ここに、Cr、Si、Mo、Nb、V、W、Ni、Mn、Cu、N、C:各元素の含有量(mass%)
  2. 前記組成に加えてさらに、mass%で、V:0.02〜0.3%を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ用ステンレス鋼板。
  3. 前記組成に加えてさらに、mass%で、Cu:0.05〜2.0%、Mo:0.01〜2.0%、Co:0.01〜2.0%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ用ステンレス鋼板。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のディスクブレーキ用ステンレス鋼板を素材として、950〜1200℃の範囲の温度に加熱し焼入れしてなるブレーキ用ディスク。
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