以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明に係る遊技用システム1,1’は、図1に示すように、記録媒体(ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域,精算カード5,カードR/W制御部26’のRAM)の記録情報から特定される有価価値の大きさ(残額)を管理する有価価値管理部(管理装置50,カードR/W制御部26’)と、該有価価値の大きさを使用して遊技媒体(パチンコ玉)を貸与するための貸与処理(玉貸処理)を行う貸与制御部(カードユニット20,ユニット制御部21)と、を備えるものであり、特に有価価値管理部で管理している有価価値の大きさが(前述したノイズ等により)誤って更新された旨を遊技場の店員が把握して、迅速な対応を取ることが可能なことを特徴とするものである。
この遊技用システムには、有価価値管理部である管理装置50及び貸与制御部であるカードユニット20を備える第1実施形態に係る遊技用システム1と、有価価値管理部であるカードR/W制御部26’及び貸与制御部であるユニット制御部21を備える第2実施形態に係る遊技用システム1’とが含まれる。以下においては、まず第1実施形態について説明し、次に第2実施形態について第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。なお、以下においては、リーダ/ライタを「R/W」,データベースを「DB」,ステップを「S」と略記する。
[1.第1実施形態に係る遊技用システム1]
まず図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る遊技用システム1の構成について説明する。遊技用システム1は、図1に示すように、パチンコ機10に対応して設けられるカードユニット20と、複数のカードユニット20に接続されている管理装置50とを備える。なお各カードユニット20は、各カードユニット20においてパチンコ玉の貸与に使用された使用額(即ち売上)を管理するホールコンピュータ60とも接続されている。
この遊技用システム1では、図1及び図2(b)に示すように、紙幣2,硬貨3,及び精算カード5が使用される。まず紙幣2は貨幣の一例であって、1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣の4種類の紙幣である。また硬貨3も貨幣の一例であって、ここでは100円硬貨,及び500円硬貨の2種類の硬貨である。
精算カード5は記録媒体の一例であって、遊技媒体(ここではパチンコ玉)の貸与に使用可能な有価価値の大きさ(ここでは残額)を特定可能な情報が記録されたものであり、ここでは該情報として、各精算カード5を個々に識別可能な情報であるカードIDが予め記録されていると共に、有価価値の大きさである残額自体も記録される。この精算カード5は、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、カードID及び残額等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路を搭載したICカードである。
この精算カード5は、予めカードIDが記録されている状態で遊技場に納入され、該遊技場の店員から遊技者に対して手渡され、該遊技者が、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域に残額が記憶されている状態のカードユニット20のカードR/W25に挿入することにより、該残額が記録されて発行される。このようにして発行された精算カード5は、遊技者が、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域に残額が記憶されていない状態のカードユニット20のカードR/W25に挿入することにより、使用可能である。
カードユニット20は貸与制御部の一例であって、図1及び図2(a)に示すように、後述する貸与処理(ここでは玉貸処理)を行うものであり、ここではパチンコ機10に対応して(パチンコ機10の左側に隣接して)設けられる。このパチンコ機10は遊技機の一例であって、遊技場における遊技島(図示外)において機種等に従って所定の位置に配置され、遊技媒体であるパチンコ玉を遊技領域に打ち込むことにより遊技を行うものであり、ここでは対応するカードユニット20と通信可能であり、該カードユニット20との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて玉貸処理が行われる、いわゆるCR式のパチンコ機である。
このパチンコ機10は、図2(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、カードユニット20の後述する玉貸通信部22と通信可能に接続され、パチンコ機10とカードユニット20との間における通信を司るものである。これにより、玉貸処理が行われる場合に、パチンコ機10とカードユニット20との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。さらに払出制御基板12は、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16とも接続されている。玉払出装置13は、玉貸処理が行われて遊技者に貸与されたパチンコ玉や、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。ここで残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16は、パチンコ機10の前面に配置されているものであるが、前記払出制御基板12を介してカードユニット20と通信可能に接続されているため、カードユニット20に属するものである。
残度数表示器14は、後述するユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域に記憶されている残額に相当する残度数を表示するための表示器であり、例えば3桁の7セグメント表示器である。ここで残度数は、残額が所定の比率で変換されたもの(例えば100円=1度数)である。この残度数表示器14で表示される残度数は、後述する玉貸処理において、1度数分の玉貸が行われる毎に玉貸用記憶領域に記憶されている残額が1度数分ずつ減算更新されるのに伴って、1度数ずつ減算表示される。
玉貸ボタン15は、後述するユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域に記憶されている残額を使用した玉貸操作を受け付けるボタンである。カード返却ボタン16は、後述するカードR/W25で受け付けている精算カード5を遊技者に返却するための返却操作を受け付けるボタンであり、ユニット制御部21の制御により、原則として、玉貸処理が開始されると返却操作が無効化され、玉貸処理が終了すると返却操作が有効化される(即ち玉貸処理中は返却操作が無効化される)が、後述する図6及び図10に示すときには、例外として、玉貸処理が終了又は中断しても返却操作の無効化が継続される。
なおパチンコ機10において、玉貸処理に異常が発生(例えば玉詰まり等)が発生し、玉詰まりセンサ(図示外)等により該異常の発生が検出されると、該異常の発生を示す玉貸異常発生信号が、遊技制御基板11から出力される。また該玉貸処理の異常が解消すると、該異常の解消を示す玉貸異常解消信号が、遊技制御基板11から出力される。これら玉貸異常発生信号及び玉貸異常解消信号は、遊技制御基板11から出力され、払出制御基板12から玉貸通信部22を介して、カードユニット20のユニット制御部21に入力される。
カードユニット20は、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図2(a)に示すように、その前面に多機能ランプ28,紙幣挿入口23a,硬貨挿入口24a,硬貨返却ボタン24e,表示部29,硬貨返却口24f,及びカード挿入口25a等を備え、図2(b)に示すように、その内部に紙幣識別機23,ユニット制御部21,玉貸通信部22,硬貨識別機24,カードR/W25,カードR/W制御部26,及び外部通信部27等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。なおカードユニット20は、図示しないが、その側部に、ユニット制御部21に接続され、リセット操作を受け付けるリセットボタンを備えている。このカードユニット20は、ユニットIDにより、各カードユニット20を個々に識別可能とされている。
ユニット制御部21は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、図1に示すように該ユニット制御部21に接続される玉貸通信部22,紙幣識別機23,硬貨識別機24,カードR/W制御部26,多機能ランプ28,及び表示部29の動作を制御して各種の処理を行うものであるが、その機能の詳細については後述する。玉貸通信部22は、ユニット制御部21に設けられており、前述の如くパチンコ機10の払出制御基板12と通信可能に接続されている。
紙幣識別機23は貨幣受付手段の一例であって、貨幣を受け付けるものであり、ここでは図2(b)に示すように、紙幣挿入口23aから前記4種類の紙幣2を受け付けて、該受け付けた紙幣2を識別する識別機である。なお紙幣識別機23により受け付けられた紙幣2は、紙幣通路23bを通じてカードユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた紙幣搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。
硬貨識別機24も貨幣受付手段の一例であって、貨幣を受け付けるものであり、ここでは図2(b)に示すように、硬貨挿入口24aから前記2種類の硬貨3を受け付けて、硬貨通路24bを通じて搬送された硬貨3を識別する識別機である。なお硬貨識別機24により受け付けられた硬貨3も、硬貨通路24cを通じてカードユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた硬貨搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。硬貨返却ボタン24eは、硬貨通路24bや硬貨識別機24において詰まった硬貨3の返却操作を受け付けるためのボタンであり、遊技者により硬貨返却ボタン24eが操作されると、該詰まった硬貨3が硬貨通路24dを通じて硬貨返却口24fに戻る。
これら貨幣受付手段は、後述するユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域が零であるときに、貨幣を受付可能である。
カードR/W25は記録媒体受付手段の一例であって、精算カード5を外部から受け付けるものであり、ここではカード挿入口25aから精算カード5を受け付けて、該受け付けた精算カード5の記録情報を読みとると共に、該受け付けた精算カード5に対して残額を記録する(書き込む)ものであり、前記ICカードである精算カード5に対応したICカードR/Wを備えている。
カードR/W制御部26は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、図1に示すように該カードR/W制御部26に接続されるカードR/W25,及び外部通信部27の動作を制御するものである。外部通信部27は、カードR/W制御部26に設けられており、管理装置50の後述する通信部51,及びホールコンピュータ60と通信可能に接続されており、カードユニット20と管理装置50との間,及びカードユニット20とホールコンピュータ60との間における通信を司るものである。なお外部通信部27から送信される各種の要求には、前記ユニットIDが含まれる。
多機能ランプ28は、予め定められた複数の色のうちのいずれかの色で点灯又は点滅することによってカードユニット20の状態を報知するランプである。この多機能ランプ28は、例えば精算カード5を受け付けていないときには青色に点灯してその旨を報知し、精算カード5を受け付けているときには緑色に点灯してその旨を報知し、残額に異常が発生しているときには赤色で点滅してその旨を報知する。表示部29は、各種の情報を表示するための表示デバイスであり、ここでは4桁の7セグメント表示器である。この表示部29は、例えば残額に異常が発生しているときに、後述する有価価値減算手段(ユニット制御部21)による減算後の残額を表示する。
ここでユニット制御部21のRAMには、玉貸処理に使用される残額を記憶する玉貸用記憶領域が設けられている。この玉貸用記憶領域は記録媒体の一例であって、遊技媒体(ここではパチンコ玉)の貸与に使用可能な有価価値の大きさ(ここでは残額)を特定可能な情報が記録されるものであり、ここでは該情報として、貨幣受付手段(紙幣識別機23又は硬貨識別機24)により受け付けた貨幣の金額(即ち受付額)が残額として記憶される。また玉貸用記憶領域では、カードR/W25により精算カード5を受け付けたときには、管理装置50から照合OK通知が送信されてきたことを条件として、該受け付けた精算カード5から読み取った残額が記憶される。
またユニット制御部21のRAMには、後述する有価価値減算手段(ユニット制御部21)による減算対象となる残額を記憶する判定用記憶領域が設けられている。この判定用記憶領域は有価価値記憶手段の一例であって、記録媒体(ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域,精算カード5)の記録情報から特定される有価価値の大きさ(残額)を取得して記憶するものである。具体的には、貨幣受付手段(紙幣識別機23又は硬貨識別機24)により貨幣を受け付けたときには、該受け付けた貨幣の金額(即ち受付額)が残額として記憶される。またカードR/W25により精算カード5を受け付けたときには、管理装置50から照合OK通知が送信されてきたことを条件として、該受け付けた精算カード5から読み取った残額が記憶される。
またユニット制御部21は、記録媒体(ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域,精算カード5)の記録情報から特定される有価価値の大きさ(即ち前記玉貸用記憶領域で記憶している残額)の範囲内における所定の大きさに相当する遊技媒体(パチンコ玉)を貸与するための貸与処理(玉貸処理)を行うものである。具体的には、玉貸操作を受け付けたときに、前記玉貸用記憶領域で記憶している残額と、予め設定されている玉貸設定金額(例えば500円)とを比較して、残額≧玉貸設定金額であれば該玉貸設定金額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行い、残額<玉貸設定金額であれば該残額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行う。
この玉貸処理においては、1度数分の玉貸が行われる毎に、前記玉貸用記憶領域に記憶されている残額が1度数分ずつ減算更新される。具体的には、該残額≧玉貸設定金額であれば該玉貸設定金額を使用額として、玉貸用記憶領域で記憶している残額から該使用額を1度数分ずつ減算する処理を行い、残額<玉貸設定金額であれば該残額を使用額として、玉貸用記憶領域で記憶している残額から該使用額を1度数分ずつ減算する処理を行う(即ち残額が零になる)。
このカードユニット20において玉貸処理が行われるときには、該カードユニット20と対応するパチンコ機10との間で、以下のような信号のやり取りが行われる。
まずカードユニット20は、1度数に相当するパチンコ玉数(例えば消費税を考慮しないのであれば25個、消費税を考慮するのであれば消費税率に応じて24個,23個…等の、具体的な玉数であり、予め管理装置50等により設定されてカードユニット20に配信されている)である払出要求玉数のパチンコ玉の払出を要求する払出要求信号をパチンコ機10の払出制御基板12に対して送信する。
該払出要求信号を受信したパチンコ機10は、前記払出要求玉数のパチンコ玉の払出を指示する払出信号を払出制御基板12から玉払出装置13に対して出力し、これに基づいて、玉払出装置13から払出要求玉数分のパチンコ玉の払出を行い、該払出の終了に基づいて、実際に払い出したパチンコ玉の数である払出結果玉数を示す払出結果信号をカードユニット20のユニット制御部21に対して送信する。
該払出結果信号を受信したカードユニット20は、前記払出要求信号に示される払出要求玉数と、該払出結果信号に示される払出結果玉数とを照合し、照合OKである場合には、1度数分の前記減算として、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域に記憶されている残額からパチンコ玉の貸与に使用された1度数に相当する金額を減算すると共に、残度数表示器14に表示された残度数から1度数を減算する。そしてカードユニット20は、これら1度数分の玉貸を前記使用額分(即ち残額≧玉貸設定金額であれば該玉貸設定金額分,また残額<玉貸設定金額であれば該残額分)だけ繰り返し、該使用額分の玉貸の終了に基づいて、玉貸終了信号をパチンコ機10の払出制御基板12に対して送信し、玉貸処理を終了する。
なおパチンコ機10において、玉払出装置13から払い出されたパチンコ玉は、上皿に供給され、発射ハンドルの操作により遊技領域の内部に打ち込まれて、遊技が行われる。そして該打ち込まれたパチンコ玉が、遊技領域に形成された入賞口に入賞すると、払出制御基板12から発せられる払出信号に基づいて、賞球として玉払出装置13からパチンコ玉が払い出されて、上皿又は下皿に供給される。
またユニット制御部21は有価価値減算手段の一例であって、遊技媒体の貸与に使用される有価価値の大きさ(前記使用額)を前記有価価値記憶手段(ユニット制御部21のRAMの判定用記憶領域)で記憶している有価価値の大きさ(残額)から減算するものである。
またユニット制御部21は更新要求送信手段の一例であって、遊技媒体の貸与に使用される有価価値の大きさ(使用額)を有価価値管理部(管理装置50)で管理されている有価価値の大きさ(残額)から減算更新するための更新要求を前記有価価値管理部に対して送信するものであり、ここでは玉貸処理の終了(「今回の玉貸操作に基づく前記使用額分の玉貸の終了」をいう。以下同じ。)を待たずに、該更新要求を送信する。具体的には、玉貸操作を受け付けたときに、玉貸処理の開始に先立って、精算カード5の受付中でなければ前記使用額とユニットIDを含む更新要求,精算カード5の受付中であれば該精算カード5から読み取ったカードIDと前記使用額とユニットIDを含む更新要求を、カードR/W制御部26及び外部通信部27を介して管理装置50に送信する。
なおユニット制御部21は、玉貸処理の終了後に、前記使用額を含む売上情報を、カードR/W制御部26及び外部通信部27を介してホールコンピュータ60に送信し、該売上情報を受信したホールコンピュータ60は、該売上情報に含まれる使用額を売上として管理する。
またユニット制御部21は判定手段の一例であって、後述する有価価値返信手段(管理装置50の通信部51)から返信されてきた有価価値の大きさ(即ち管理装置50で管理されている残額から使用額を減算更新後の残額)と前記有価価値減算手段(ユニット制御部21)による減算後の有価価値の大きさ(即ちユニット制御部21のRAMの判定用記憶領域で記憶している残額から前記使用額を減算後の残額)とが一致するか否かを判定(残額一致判定)するものである。ここで正常時には、カードユニット20から管理装置50に対して送信された更新要求に含まれる使用額に基づき、管理装置50において正しく残額の減算更新が行われるので、管理装置50から返信されてきた減算更新後の残額と、ユニット制御部21による減算後の残額とが一致して、残額一致と判定されるが、カードユニット20から管理装置50に対して送信された更新要求に含まれる使用額がノイズ等により変化(例えば使用額が、本来は500円であるところ、ノイズ等により1000円に変化)した異常時には、その変化した使用額に基づき、管理装置50において誤って減算更新が行われるので、管理装置50から返信されてきた減算更新後の残額と、ユニット制御部21による減算後の残額とが一致せず、残額不一致と判定される。なお判定手段により一致しない(残額不一致)と判定されても、玉貸処理は継続して行われる。
またユニット制御部21は異常報知処理手段の一例であって、前記判定手段により一致しない(残額不一致)と判定されたときに、異常が発生した旨を報知するための異常報知処理を行うものであり、ここでは該判定手段により一致しない(残額不一致)と判定されても、玉貸処理が継続して行われ、該玉貸処理が終了した後に、異常報知処理を行う。この異常報知処理は、例えば前記多機能ランプ28を赤色で点滅させる処理や、残額異常通知をカードR/W制御部26及び外部通信部27を介して管理装置50に送信する処理等である。
また異常報知処理手段として機能するユニット制御部21は、前記異常報知処理として、カードR/W25により受け付けた精算カード5の返却を禁止するための返却禁止処理を行うものであり、具体的には、本来であれば玉貸処理が終了すると前記返却操作が有効化されるところ、玉貸処理が終了しても返却操作の無効化を継続する処理を行う。
さらに異常報知処理手段として機能するユニット制御部21は、前記異常報知処理として、前記有価価値減算手段による減算後の有価価値の大きさ(即ちユニット制御部21のRAMの判定用記憶領域で記憶している残額から前記使用額を減算後の残額)を表示するための表示処理を行うものであり、具体的には、判定用記憶領域で記憶されている残額を表示部29に表示させる処理を行う。なお、この場合には既に玉貸処理が終了しているため、玉貸用記憶領域で記憶されている残額を表示部29に表示させる処理を行うようにしても良い。
またユニット制御部21は異常発生検出手段の一例であって、前記玉貸処理における異常の発生を検出するものであり、具体的には、前述の如く遊技制御基板11から出力された玉貸異常発生信号の入力を検出すると、玉貸異常の発生を検出する。またユニット制御部21は貸与処理中断手段の一例であって、該異常発生検出手段により前記玉貸処理における異常の発生を検出したときに当該玉貸処理を中断するものであり、具体的には、パチンコ機10に対する前記払出要求信号の送信を停止する。またユニット制御部21は返却禁止処理手段の一例であって、前記異常発生検出手段により前記玉貸処理における異常の発生を検出したときに、カードR/W25により受け付けた精算カード5の返却を禁止するための返却禁止処理を行うものであり、具体的には、本来であれば玉貸異常の発生により玉貸処理が中断すると前記返却操作が有効化されるところ、玉貸処理が中断しても返却操作の無効化を継続する処理である。
さらにユニット制御部21は異常解消検出手段の一例であって、前記玉貸処理における異常の解消を検出するものであり、具体的には、前述の如く遊技制御基板11から出力された玉貸異常解消信号の入力を検出すると、玉貸異常の解消を検出する。そしてユニット制御部21は、該異常解消検出手段により玉貸処理における異常の解消を検出したときに、前記貸与処理中断手段により中断された玉貸処理を再開(具体的には、パチンコ機10に対する前記払出要求信号の送信を開始)し、該玉貸処理が終了した後に、前記返却禁止処理手段による精算カード5の返却禁止を解除する処理(具体的には、継続されている返却操作の無効化を解除して、返却操作を有効化する処理)を行う。
管理装置50は有価価値管理部の一例であって、記録媒体(ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域,精算カード5)の記録情報から特定される有価価値の大きさ(残額)を管理するものである。この管理装置50は、遊技場内の所定箇所(例えば管理事務所等)に設けられるものであり、図1に示すように接続される通信部51,制御部52,及びハードディスク53等を備えている。
ハードディスク53は、記録媒体の記録情報から特定される有価価値の大きさを記憶することにより管理している。具体的には、図1に示すように、残額管理DBにおいて、記録媒体であるユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域に記憶されている残額を、該ユニット制御部21が備えられるカードユニット20のユニットIDと対応付けて記憶していると共に、記録媒体である精算カード5に記録されている残額を、該精算カード5のカードIDと対応付けて記憶している。
制御部52は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ハードディスク53に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、管理装置50に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
この制御部52は有価価値更新手段の一例であって、前記更新要求送信手段(カードユニット20のユニット制御部21)から送信されてきた更新要求に応じて、パチンコ玉の貸与に使用される有価価値の大きさ(使用額)を前記管理している有価価値の大きさ(残額)から減算更新するものであり、ここでは前記玉貸処理の終了に拘わらず、該減算更新を行う。具体的には、カードユニット20から使用額とユニットIDを含む更新要求が送信されてきたときには、該更新要求に含まれる使用額を、該更新要求に含まれるユニットIDと対応付けてハードディスク53で記憶している残額から減算更新する。またカードユニット20からカードIDと使用額とユニットIDを含む更新要求が送信されてきたときには、該更新要求に含まれる使用額を、該更新要求に含まれるカードIDと対応付けてハードディスク53で記憶している残額から減算更新する。
通信部51は、前述の如くカードユニット20の外部通信部27と通信可能に接続されており、管理装置50とカードユニット20との間における通信を司るものである。この通信部51は有価価値返信手段の一例であって、前記有価価値更新手段による減算更新後の有価価値の大きさ(残額)を前記貸与制御部(カードユニット20)に対して返信するものである。
次に図3〜図6を参照して、第1実施形態に係る遊技用システム1の作用について説明する。この第1実施形態では、カードユニット20におけるユニット制御部21の作用とカードR/W制御部26の作用をまとめて図示する。
図3は、貨幣(紙幣2,硬貨3)が受け付けられた場合における正常時の処理の一例を表す図である。カードユニット20は、精算カード5を受け付けていない状態で貨幣を受け付けると(S101)、該受け付けた貨幣の金額である受付額とユニットIDを含む記憶要求を管理装置50に対して送信する(S102)。該記憶要求を受信した管理装置50は、該記憶要求に含まれるユニットIDと対応付けて、該記憶要求に含まれる受付額を残額としてハードディスク53で記憶し(S103)、記憶完了通知を前記ユニットIDのカードユニット20に対して送信する(S104)。該記憶完了通知を受信したカードユニット20は、前記受付額を残額としてユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域及び判定用記憶領域で記憶する(S105)。
次にカードユニット20は、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域で残額を記憶している状態で玉貸操作(即ち玉貸ボタン15の押圧操作)を受け付けると(S111)、玉貸処理の開始に先立って、玉貸処理に使用される使用額とユニットIDを含む更新要求を管理装置50に対して送信すると共に(S112)、該使用額をユニット制御部21のRAMの判定用記憶領域で記憶している残額から減算し(S113)、該使用額分の玉貸処理を開始する(S114)。なお図示しないが、玉貸用記憶領域に記憶されている残額は、1度数分の玉貸が行われる毎に1度数分ずつ減算更新され、それに伴って残度数表示器14に表示されている残額は、1度数ずつ減算表示される。
S112の更新要求を受信した管理装置50は、該更新要求に含まれる使用額を該更新要求に含まれるユニットIDと対応付けてハードディスク53で記憶している残額から減算更新し(S115)、減算更新後の残額を前記ユニットIDのカードユニット20に対して返信する(S116)。このように、玉貸処理の終了を待たずに、残額の更新要求がカードユニット20から管理装置50に対して送信され、該更新要求に応じて、管理装置50で管理している残額が減算更新されるので、玉貸処理の終了後にカードユニット20と管理装置50との間における通信を不能(例えばオフラインにする等)として管理装置50で管理している残額の減算更新を阻止するような不正を防止できる。
該減算更新後の残額を受信したカードユニット20は、管理装置50から返信されてきた該減算更新後の残額と、S113の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)とが一致するか否かを判定し(S120)、残額一致と判定すると(S121)、玉貸処理の終了後に(S122)、S111の玉貸操作を待機する状態になる。
次にカードユニット20は、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域で残額を記憶している状態で精算カード5を受け付けると(S141)、該受け付けた精算カード5から読み取ったカードIDと当該玉貸用記憶領域で記憶している残額とユニットIDを含む精算要求を管理装置50に対して送信する(S142)。該精算要求を受信した管理装置50は、該精算要求に含まれるカードIDと対応付けて、該精算要求に含まれる残額をハードディスク53で記憶すると共に(S143)、該精算要求に含まれるユニットIDと対応付けてハードディスク53で記憶している残額を消去し(S144)、精算完了通知を前記ユニットIDのカードユニット20に対して返信する(S145)。該精算完了通知を受信したカードユニット20は、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域で記憶している残額を精算カード5に記録し(S146)、玉貸用記憶領域及び判定用記憶領域で記憶している残額を消去して(S147)、該精算カード5をカード挿入口25aから排出して遊技者に返却する(S148)。
図4は、貨幣(紙幣2,硬貨3)が受け付けられた場合における異常時の処理の一例を表す図である。カードユニット20は、前記S120で残額不一致と判定すると(S151)、玉貸処理の終了後に(S152)、S153〜S155の異常報知処理を行って、リセット操作の待機状態となる。このように、管理装置50で減算更新された残額とユニット制御部21で減算された残額とが一致しない(即ち異常である)と判定されても玉貸処理を中断せずに継続するので、異常であると判定されたときに玉貸処理を中断する場合に比べて、該異常が解消した後に残りの玉貸処理を再開する等の処理が必要なくなり、処理が簡素化される。またホールコンピュータ60で管理している売上の修正を要求する処理を行う必要がない。
S153では、異常報知処理として、前記S113の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)を表示部29に表示するための表示処理を行う。これにより、遊技場の店員が真の残額を把握して、管理装置50で管理している残額を更新する等の対応が可能となる。
S154では、多機能ランプ28を赤色で点滅させる処理を行い、S155では、残額異常通知を管理装置50に対して送信する処理を行う。そして遊技場の店員は、リセット操作を行って、例えば管理装置50の残額を前記S113の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)に書き換える等の対応を取り、残額不一致の異常を解消する。
以上に説明した遊技用システム1によれば、管理装置50で減算更新された残額とユニット制御部21で減算された残額とが一致しないと判定されたときに、異常が発生した旨を報知するための前記異常報知処理が行われるので、管理装置50で管理されている残額が誤って更新された旨を遊技場の店員が把握して、迅速な対応を取ることが可能となる。
またカードユニット20は、玉貸処理の開始後に(S114)、玉貸異常の発生を検出すると(S171)、玉貸処理を中断して(S172)、精算カード5の受付を禁止し(S173)、玉貸異常の解消を検出すると(S174)、玉貸処理を再開して(S175)、玉貸処理の終了後に(S176)、精算カード5の受付禁止を解除する(S177)。このように、玉貸処理における異常の発生を検出したときに精算カード5の受付を禁止する処理が行われるので、管理装置50で管理している残額が減算更新されているにも拘わらず、該減算更新された残額に相当するパチンコ玉の貸与を受けることなく遊技者がユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域で記憶している残額を精算カード5に記録して持ち去ってしまい、該遊技者が損をすることを防止できる。なお図示しないが、前記S120の残額一致判定は、S114〜S176までの間において行われる。
図5は、精算カード5が受け付けられた場合における正常時の処理の一例を表す図である。カードユニット20は、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域で残額を記憶していない状態で精算カード5を受け付けると(S201)、該精算カード5から読み取ったカードID及び残額とユニットIDを含む残額照合要求を管理装置50に対して送信する(S202)。該残額照合要求を受信した管理装置50は、該残額照合要求に含まれる残額と、該残額照合要求に含まれるカードIDと対応付けてハードディスク53で記憶している残額とが一致するか否かを照合し(S203)、照合一致の場合には、照合OK通知をカードユニット20に対して送信する(S204)。該照合OK通知を受信したカードユニット20は、精算カード5から読み取った残額をユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域及び判定用記憶領域で記憶する(S205)。なおS203で照合不一致の場合には、照合NG通知をカードユニット20に対して送信し、該照合NG通知を受信したカードユニット20は、精算カード5をカード挿入口25aから排出して遊技者に返却する。
次にカードユニット20は、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域で残額を記憶している状態で玉貸操作(即ち玉貸ボタン15の押圧操作)を受け付けると(S211)、玉貸処理の開始に先立って、精算カード5から読み取ったカードIDと玉貸処理に使用される使用額とユニットIDを含む更新要求を管理装置50に対して送信すると共に(S212)、該使用額をユニット制御部21のRAMの判定用記憶領域で記憶している残額から減算し(S213)、該使用額分の玉貸処理を開始する(S214)。なお図示しないが、玉貸用記憶領域に記憶されている残額は、1度数分の玉貸が行われる毎に1度数分ずつ減算更新され、それに伴って残度数表示器14に表示されている残額は、1度数ずつ減算表示される。
S212の更新要求を受信した管理装置50は、該更新要求に含まれる使用額を該更新要求に含まれるカードIDと対応付けてハードディスク53で記憶している残額から減算更新し(S215)、減算更新後の残額を前記ユニットIDのカードユニット20に対して返信する(S216)。このように、玉貸処理の終了を待たずに、残額の更新要求がカードユニット20から管理装置50に対して送信され、該更新要求に応じて、管理装置50で管理している残額が減算更新されるので、玉貸処理の終了後にカードユニット20と管理装置50との間における通信を不能(例えばオフラインにする,あるいは精算カード5を引き抜く等)として管理装置50で管理している残額の減算更新を阻止するような不正を防止できる。
該減算更新後の残額を受信したカードユニット20は、管理装置50から返信されてきた該減算更新後の残額と、S213の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)とが一致するか否かを判定し(S220)、残額一致と判定すると(S221)、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域で記憶している残額を精算カード5に記録し(S222)、玉貸処理の終了後に(S223)、S211の玉貸操作を待機する状態になる。
次にカードユニット20は、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域で残額を記憶している残額が零である状態で貨幣を受け付けると(S231)、精算カード5から読み取ったカードIDと該受け付けた貨幣の金額である受付額とユニットIDを含む記憶要求を管理装置50に対して送信する(S232)。該記憶要求を受信した管理装置50は、該記憶要求に含まれるカードIDと対応付けて、該記憶要求に含まれる受付額を残額としてハードディスク53で記憶し(S233)、記憶完了通知を前記ユニットIDのカードユニット20に対して送信する(S234)。該記憶完了通知を受信したカードユニット20は、前記受付額を残額としてユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域及び判定用記憶領域で記憶し(S235)、玉貸判定用記憶領域で記憶している残額を精算カード5に記録して(S236)、S211の玉貸操作を待機する状態になる。
次にカードユニット20は、返却操作(即ちカード返却ボタン16の押圧操作)を受け付けると(S241)、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域及び判定用記憶領域で記憶している残額を消去して(S242)、精算カード5をカード挿入口25aから排出して遊技者に返却する(S243)。
図6は、精算カード5が受け付けられた場合における異常時の処理の一例を表す図である。カードユニット20は、前記S220で残額不一致と判定すると(S251)、玉貸処理の終了後に(S252)、S253〜S256の異常報知処理を行って、リセット操作の待機状態となる。このように、管理装置50で減算更新された残額とユニット制御部21で減算された残額とが一致しない(即ち異常である)と判定されても玉貸処理を中断せずに継続するので、異常であると判定されたときに玉貸処理を中断する場合に比べて、該異常が解消した後に残りの玉貸処理を再開する等の処理が必要なくなり、処理が簡素化される。またホールコンピュータ60で管理している売上の修正を要求する処理を行う必要がない。
S253では、異常報知処理として、精算カード5の返却を禁止するための返却禁止処理、具体的には返却操作の無効化を継続する処理を行う。これにより、遊技者が異常の発生に気づかず、遊技場の店員による対応の前に精算カード5を返却して持ち去ってしまうことを防止できる。
S254では、異常報知処理として、前記S213の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)を表示部29に表示するための表示処理を行う。これにより、遊技場の店員が真の残額を把握して、管理装置50で管理している残額を更新する等の対応が可能となる。
S255では、多機能ランプ28を赤色で点滅させる処理を行い、S256では、残額異常通知を管理装置50に対して送信する処理を行う。そして遊技場の店員は、リセット操作を行って、例えば管理装置50の残額を前記S213の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)に書き換える等の対応を取り、残額不一致の異常を解消する。
以上に説明した遊技用システム1によれば、管理装置50で減算更新された残額とユニット制御部21で減算された残額とが一致しないと判定されたときに、異常が発生した旨を報知するための前記異常報知処理が行われるので、管理装置50で管理されている残額が誤って更新された旨を遊技場の店員が把握して、迅速な対応を取ることが可能となる。
またカードユニット20は、玉貸処理の開始後に(S214)、玉貸異常の発生を検出すると(S271)、玉貸処理を中断して(S272)、精算カード5の返却を禁止するための返却禁止処理、具体的には返却操作の無効化を継続する処理を行い(S273)、玉貸異常の解消を検出すると(S274)、玉貸処理を再開して(S275)、玉貸処理の終了後に(S276)、精算カード5の返却禁止を解除する処理、具体的には返却操作を有効化する処理を行う(S277)。このように、玉貸処理における異常の発生を検出したときに精算カード5の返却を禁止するための返却禁止処理が行われるので、管理装置50で管理している残額が減算更新されているにも拘わらず、該減算更新された残額に相当するパチンコ玉の貸与を受けることなく遊技者が精算カード5を返却して持ち去ってしまい、該遊技者が損をすることを防止できる。なお図示しないが、前記S220の残額一致判定は、S214〜S276までの間において行われる。
[2.第2実施形態に係る遊技用システム1’]
次に図1及び図2を参照して、第2実施形態に係る遊技用システム1’の構成について説明する。遊技用システム1’は、図1に示すように、前記カードユニット20に代えてカードユニット20’を備える点と、前記管理装置50に代えて管理装置50’を備える点が、第1実施形態と異なる。なおカードユニット20’がパチンコ機10に対応して設けられる点や、各カードユニット20’がホールコンピュータ60とも接続されている点や、紙幣2,硬貨3,及び精算カード5が使用される点は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態に係るカードユニット20’は、第1実施形態に係るカードユニット20と比較して、ユニット制御部21が前記貸与制御部として機能する点と、カードR/W制御部26に代えてカードR/W制御部26’を備える点のみが異なり、その他の点は同様である。カードR/W制御部26’は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、図1に示すように該カードR/W制御部26’に接続されるカードR/W25,及び外部通信部27の動作を制御するものである。
このカードR/W制御部26’のRAMは記録媒体の一例であって、遊技媒体(ここではパチンコ玉)の貸与に使用可能な有価価値の大きさ(ここでは残額)を特定可能な情報が記録されるものであり、ここでは該情報として、貨幣受付手段(紙幣識別機23又は硬貨識別機24)により受け付けた貨幣の金額(即ち受付額)が残額として記憶される。またRAMでは、カードR/W25により精算カード5を受け付けたときには、管理装置50から照合OK通知が送信されてきたことを条件として、該受け付けた精算カード5から読み取った残額が記憶される。
またカードR/W制御部26’は有価価値管理部の一例であって、記録媒体(カードR/W制御部26’のRAM,精算カード5)の記録情報から特定される有価価値の大きさ(残額)を管理するものである。具体的には、記録媒体であるRAMで記憶している残額と、カードR/W25により受け付けた記録媒体である精算カード5に記録されている残額の管理を行う。
またカードR/W制御部26’は有価価値更新手段の一例であって、前記更新要求送信手段(カードユニット20’のユニット制御部21)から送信されてきた更新要求に応じて、パチンコ玉の貸与に使用される有価価値の大きさ(使用額)を前記管理している有価価値の大きさ(残額)から減算更新するものであり、ここでは前記玉貸処理の終了に拘わらず、該減算更新を行う。具体的には、カードユニット20’から使用額を含む更新要求が送信されてきたときに、該更新要求に含まれる使用額を、RAMで記憶している残額から減算更新すると共に、カードR/W25により精算カード5を受け付けている場合には、前記使用額を、該受け付けている精算カード5に記録されている残額から減算更新する。
さらにカードR/W制御部26’は有価価値返信手段の一例であって、前記有価価値更新手段による減算更新後の有価価値の大きさ(残額)を前記貸与制御部(ここではカードユニット20’のユニット制御部21)に対して返信するものである。
第2実施形態に係る管理装置50’は、第1実施形態に係る管理装置50と比較して、有価価値管理部,有価価値更新手段,及び有価価値返信手段として機能しない点が異なり、その他の点は同様である。
次に図7〜図10を参照して、第2実施形態に係る遊技用システム1’の作用について説明する。この第2実施形態では、カードユニット20’におけるユニット制御部21の作用とカードR/W制御部26’の作用を分けて図示する。
図7は、貨幣(紙幣2,硬貨3)が受け付けられた場合における正常時の処理の一例を表す図である。ユニット制御部21は、精算カード5を受け付けていない状態で貨幣を受け付けると(S301)、該受け付けた貨幣の金額である受付額を含む記憶要求をカードR/W制御部26’に対して送信し(S302)、該記憶要求を受信したカードR/W制御部26’は、前記受付額とユニットIDを含む記憶要求を管理装置50’に対して送信する(S303)。該記憶要求を受信した管理装置50’は、該記憶要求に含まれるユニットIDと対応付けて、該記憶要求に含まれる受付額を残額としてハードディスク53で記憶し(S304)、記憶完了通知を前記ユニットIDのカードユニット20’に備えられるカードR/W制御部26’に対して送信する(S305)。該記憶完了通知を受信したカードR/W制御部26’は、前記受付額を残額としてRAMで記憶し(S306)、記憶完了通知をユニット制御部21に対して送信する(S307)。該記憶完了通知を受信したユニット制御部21は、前記受付額を残額としてRAMの玉貸用記憶領域及び判定用記憶領域で記憶する(S308)。
次にユニット制御部21は、RAMの玉貸用記憶領域で残額を記憶している状態で玉貸操作(即ち玉貸ボタン15の押圧操作)を受け付けると(S311)、玉貸処理の開始に先立って、玉貸処理に使用される使用額を含む更新要求をカードR/W制御部26’に対して送信すると共に(S312)、該使用額をRAMの判定用記憶領域で記憶している残額から減算し(S313)、該使用額分の玉貸処理を開始する(S314)。なお図示しないが、玉貸用記憶領域に記憶されている残額は、1度数分の玉貸が行われる毎に1度数分ずつ減算更新され、それに伴って残度数表示器14に表示されている残額は、1度数ずつ減算表示される。
S312の更新要求を受信したカードR/W制御部26’は、該更新要求に含まれる使用額をRAMで記憶している残額から減算更新し(S315)、減算更新後の残額をユニット制御部21に対して返信する(S316)。このように、玉貸処理の終了を待たずに、残額の更新要求がユニット制御部21からカードR/W制御部26’に対して送信され、該更新要求に応じて、カードR/W制御部26’で管理している残額が減算更新されるので、玉貸処理の終了後にユニット制御部21とカードR/W制御部26’との間における通信を不能(例えば電断にする等)としてカードR/W制御部26’で管理している残額の減算更新を阻止するような不正を防止できる。
該減算更新後の残額を受信したユニット制御部21は、カードR/W制御部26’から返信されてきた該減算更新後の残額と、S313の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)とが一致するか否かを判定し(S320)、残額一致と判定すると(S321)、玉貸処理の終了後に(S322)、S311の玉貸操作を待機する状態になる。
次にカードR/W制御部26’は、RAMで残額を記憶している状態で精算カード5を受け付けると(S341)、該受け付けた精算カード5から読み取ったカードIDとRAMで記憶している残額とユニットIDを含む精算要求を管理装置50’に対して送信する(S342)。該精算要求を受信した管理装置50’は、該精算要求に含まれるカードIDと対応付けて、該精算要求に含まれる残額をハードディスク53で記憶すると共に(S343)、該精算要求に含まれるユニットIDと対応付けてハードディスク53で記憶している残額を消去し(S344)、精算完了通知を前記ユニットIDのカードユニット20’に備えられるカードR/W制御部26’に対して送信する(S345)。該精算完了通知を受信したカードR/W制御部26’は、該精算完了通知をユニット制御部21に対して送信すると共に(S346)、RAMで記憶している残額を精算カード5に記録し(S347)、当該RAMで記憶している残額を消去して(S348)、該精算カード5をカード挿入口25aから排出して遊技者に返却する(S349)。またS346の精算完了通知を受信したユニット制御部21は、RAMの玉貸用記憶領域及び判定用記憶領域で記憶している残額を消去する(S350)。
図8は、貨幣(紙幣2,硬貨3)が受け付けられた場合における異常時の処理の一例を表す図である。ユニット制御部21は、前記S320で残額不一致と判定すると(S351)、玉貸処理の終了後に(S352)、S353〜S355の異常報知処理を行って、リセット操作の待機状態となる。このように、カードR/W制御部26’で減算更新された残額とユニット制御部21で減算された残額とが一致しない(即ち異常である)と判定されても玉貸処理を中断せずに継続するので、異常であると判定されたときに玉貸処理を中断する場合に比べて、該異常が解消した後に残りの玉貸処理を再開する等の処理が必要なくなり、処理が簡素化される。またホールコンピュータ60で管理している売上の修正を要求する処理を行う必要がない。
S353では、異常報知処理として、前記S313の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)を表示部29に表示するための表示処理を行う。これにより、遊技場の店員が真の残額を把握して、カードR/W制御部26’で管理している残額を更新する等の対応が可能となる。
S354では、多機能ランプ28を赤色で点滅させる処理を行い、S355では、残額異常通知をカードR/W制御部26’を介して管理装置50’に対して送信する処理を行う。そして遊技場の店員は、リセット操作を行って、例えばカードR/W制御部26’の残額を前記S313の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)に書き換える等の対応を取り、残額不一致の異常を解消する。
以上に説明した遊技用システム1’によれば、カードR/W制御部26’で減算更新された残額とユニット制御部21で減算された残額とが一致しないと判定されたときに、異常が発生した旨を報知するための前記異常報知処理が行われるので、カードR/W制御部26’で管理されている残額が誤って更新された旨を遊技場の店員が把握して、迅速な対応を取ることが可能となる。
またユニット制御部21は、玉貸処理の開始後に(S314)、玉貸異常の発生を検出すると(S371)、玉貸処理を中断して(S372)、精算カード受付禁止通知をカードR/W制御部26’に対して送信し(S373)、玉貸異常の解消を検出すると(S374)、玉貸処理を再開して(S375)、玉貸処理の終了後に(S376)、精算カード受付禁止解除通知をカードR/W制御部26’に対して送信する(S377)。このように、玉貸処理における異常の発生を検出したときに精算カード5の受付を禁止する処理が行われるので、カードR/W制御部26’で管理している残額が減算更新されているにも拘わらず、該減算更新された残額に相当するパチンコ玉の貸与を受けることなく遊技者が該カードR/W制御部26’のRAMで記憶している残額を精算カード5に記録して持ち去ってしまい、該遊技者が損をすることを防止できる。なお図示しないが、前記S320の残額一致判定は、S314〜S376までの間において行われる。
図9は、精算カード5が受け付けられた場合における正常時の処理の一例を表す図である。カードR/W制御部26’は、RAMで残額を記憶していない状態で精算カード5を受け付けると(S401)、該受け付けた精算カード5から読み取ったカードID及び残額とユニットIDを含む残額照合要求を管理装置50’に対して送信する(S402)。該残額照合要求を受信した管理装置50’は、該残額照合要求に含まれる残額と、該残額照合要求に含まれるカードIDと対応付けてハードディスク53で記憶している残額とが一致するか否かを照合し(S403)、照合一致の場合には、照合OK通知を前記ユニットIDのカードユニット20’に備えられるカードR/W制御部26’に対して送信する(S404)。該照合OK通知を受信したカードR/W制御部26’は、精算カード5から読み取った残額をRAMで記憶し(S405)、該残額をユニット制御部21に対して送信する(S406)。該残額を受信したユニット制御部21は、該残額をRAMの玉貸用記憶領域及び判定用記憶領域で記憶する(S407)。なおS403で照合不一致の場合には、照合NG通知をカードR/W制御部26’に対して送信し、該照合NG通知を受信したカードR/W制御部26’は、精算カード5をカード挿入口25aから排出して遊技者に返却する。
次にユニット制御部21は、RAMの玉貸用記憶領域で残額を記憶している状態で玉貸操作(即ち玉貸ボタン15の押圧操作)を受け付けると(S411)、玉貸処理の開始に先立って、玉貸処理に使用される使用額を含む更新要求をカードR/W制御部26’に対して送信すると共に(S412)、該使用額をRAMの判定用記憶領域で記憶している残額から減算し(S413)、該使用額分の玉貸処理を開始する(S414)。なお図示しないが、玉貸用記憶領域に記憶されている残額は、1度数分の玉貸が行われる毎に1度数分ずつ減算更新され、それに伴って残度数表示器14に表示されている残額は、1度数ずつ減算表示される。
S412の更新要求を受信したカードR/W制御部26’は、該更新要求に含まれる使用額をRAMで記憶している残額から減算更新すると共に(S415)、当該使用額を精算カード5に記録されている残額から減算更新し(S416)、減算更新後の残額をユニット制御部21に対して返信する(S417)。このように、玉貸処理の終了を待たずに、残額の更新要求がユニット制御部21からカードR/W制御部26’に対して送信され、該更新要求に応じて、カードR/W制御部26’で管理している残額(即ち精算カード5に記録されている残額)が減算更新されるので、玉貸処理の終了後にユニット制御部21とカードR/W制御部26’との間における通信を不能(例えば電断にする,精算カード5を引き抜く等)としてカードR/W制御部26’で管理している残額の減算更新を阻止するような不正を防止できる。
該減算更新後の残額を受信したユニット制御部21は、カードR/W制御部26’から返信されてきた該減算更新後の残額と、S413の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)とが一致するか否かを判定し(S420)、残額一致と判定すると(S421)、玉貸処理の終了後に(S422)、S411の玉貸操作を待機する状態になる。
次にユニット制御部21は、精算カード5の残額が零である状態で貨幣を受け付けると(S431)、該受け付けた貨幣の金額である受付額を含む記憶要求をカードR/W制御部26’に対して送信する(S432)。該記憶要求を受信したカードR/W制御部26’は、該記憶要求に含まれる受付額を残額としてRAMで記憶すると共に(S433)、当該受付額を精算カード5に記録して(S444)、記憶完了通知をユニット制御部21に対して送信する(S435)。該記憶完了通知を受信したユニット制御部21は、前記受付額を残額としてRAMの玉貸用記憶領域及び判定用記憶領域で記憶して(S436)、S411の玉貸操作を待機する状態になる。
次にユニット制御部21は、返却操作(即ちカード返却ボタン16の押圧操作)を受け付けると(S441)、返却要求をカードR/W制御部26’に対して送信し(S442)、該返却要求を受信したカードR/W制御部26’は、精算カード5から読み取ったカードIDとRAMで記憶している残額とユニットIDを含む返却要求を管理装置50’に対して送信する(S443)。該精算要求を受信した管理装置50’は、該返却要求に含まれるカードIDと対応付けてハードディスク53で記憶している残額を、該返却要求に含まれる残額に更新し(S444)、返却完了通知を前記ユニットIDのカードユニット20’に備えられるカードR/W制御部26’に対して返信する(S445)。該返却完了通知を受信したカードR/W制御部26’は、該返却完了通知をユニット制御部21に対して送信すると共に(S446)、RAMで記憶している残額を消去して(S447)、精算カード5をカード挿入口25aから排出して遊技者に返却する(S448)。またS446の返却完了通知を受信したユニット制御部21は、RAMの玉貸用記憶領域及び判定用記憶領域で記憶している残額を消去する(S449)。
図10は、精算カード5が受け付けられた場合における異常時の処理の一例を表す図である。ユニット制御部21は、前記S420で残額不一致と判定すると(S451)、玉貸処理の終了後に(S452)、S453〜S456の異常報知処理を行って、リセット操作の待機状態となる。このように、カードR/W制御部26’で減算更新された残額とユニット制御部21で減算された残額とが一致しない(即ち異常である)と判定されても玉貸処理を中断せずに継続するので、異常であると判定されたときに玉貸処理を中断する場合に比べて、該異常が解消した後に残りの玉貸処理を再開する等の処理が必要なくなり、処理が簡素化される。またホールコンピュータ60で管理している売上の修正を要求する処理を行う必要がない。
S453では、異常報知処理として、精算カード5の返却を禁止するための返却禁止処理、具体的には返却操作の無効化を継続する処理を行う。これにより、遊技者が異常の発生に気づかず、遊技場の店員による対応の前に精算カード5を返却して持ち去ってしまうことを防止できる。
S454では、異常報知処理として、前記S413の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)を表示部29に表示するための表示処理を行う。これにより、遊技場の店員が真の残額を把握して、カードR/W制御部26’で管理している残額を更新する等の対応が可能となる。
S455では、多機能ランプ28を赤色で点滅させる処理を行い、S456では、残額異常通知を管理装置50’に対して送信する処理を行う。そして遊技場の店員は、リセット操作を行って、例えばカードR/W制御部26’の残額を前記S413の減算後の残額(即ち判定用記憶領域で記憶している残額)に書き換える等の対応を取り、残額不一致の異常を解消する。
以上に説明した遊技用システム1’によれば、カードR/W制御部26’で減算更新された残額とユニット制御部21で減算された残額とが一致しないと判定されたときに、異常が発生した旨を報知するための前記異常報知処理が行われるので、カードR/W制御部26’で管理されている残額が誤って更新された旨を遊技場の店員が把握して、迅速な対応を取ることが可能となる。
またユニット制御部21は、玉貸処理の開始後に(S414)、玉貸異常の発生を検出すると(S471)、玉貸処理を中断して(S472)、精算カード5の返却を禁止するための返却禁止処理、具体的には返却操作の無効化を継続する処理を行い(S473)、玉貸異常の解消を検出すると(S474)、玉貸処理を再開して(S475)、玉貸処理の終了後に(S476)、精算カード5の返却禁止を解除する処理、具体的には返却操作を有効化する処理を行う(S477)。このように、玉貸処理における異常の発生を検出したときに精算カード5の返却を禁止するための返却禁止処理が行われるので、カードR/W制御部26’で管理している残額が減算更新されているにも拘わらず、該減算更新された残額に相当するパチンコ玉の貸与を受けることなく遊技者が精算カード5を返却して持ち去ってしまい、該遊技者が損をすることを防止できる。なお図示しないが、前記S420の残額一致判定は、S414〜S476までの間において行われる。
[3.変形例]
最後に、本発明の変形例について説明する。
上記の実施形態では、図1に示すように、カードユニット20,20’と管理装置50,50’とが直接的に通信可能に接続されている例について説明したが、これに限らず、両者の間に台端末や中継コンピュータを介在させ、両者が間接的に通信可能に接続されるようにしても良い。また両者は有線で通信可能とされるものには限られず、無線で通信可能とされるものであっても良い。
上記の実施形態では、図2に示すように、紙幣識別機23にて受付可能な紙幣2の種類が1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣の4種類である例について説明したが、これに限らず、受付可能な紙幣2の種類は、該4種類のうちの任意の1種類又は2種類以上でも良い。同様に、上記の実施形態では、硬貨識別機24にて受付可能な硬貨3の種類が100円硬貨,及び500円硬貨の2種類である例について説明したが、これに限らず、受付可能な硬貨3の種類は、該2種類のうちの任意の1種類でも良い。なお貨幣として紙幣2及び硬貨3の双方を受け付けるものには限られず、紙幣2又は硬貨3のいずれか一方のみを受け付けるものでも良い。
上記の実施形態では、図2に示すように、貨幣受付手段(紙幣識別機23、硬貨識別機24)により受け付けられた貨幣(紙幣2,硬貨3)がカードユニット20,20’の外部に排出されて、紙幣搬送機構,硬貨搬送機構により搬送される例について説明したが、これに限らず、該受け付けられた貨幣は、カードユニット20,20’の内部に貯留されるようにしても良い。
上記の実施形態では、図2に示すように、貨幣受付手段(紙幣識別機23、硬貨識別機24)において、有体物である貨幣(紙幣2,硬貨3)を受け付ける例について説明したが、これに限らず、無体物である貨幣(例えば電子マネー等の貨幣金額に相当する金額データや、クレジットカードから特定される与信金額や、デビットカードから特定される預金金額等)を接触又は非接触で受け付けるようにしても良い。
上記の第1実施形態では、受付額が記録される記録媒体がユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域であり、上記の第2実施形態では、受付額が記録される記録媒体がカードR/W制御部26’のRAMである例について説明したが、これに限らず、該受付額が記録される記録媒体は、例えばカードR/W25の内部に指触不能に封入されている封入型カードや、外部からカードR/W25に挿入されたカードや、カードユニット20,20’の内部にストックされてカードR/W25に供給されるカードであっても良い。
上記の実施形態において、記録媒体である精算カード5に代えて、会員登録を行った会員遊技者に対して発行される会員カードや、会員登録を行っていないビジタ遊技者に対して発行されるビジタカードを使用するようにしても良い。この場合には、会員カードについてのみ、2000円以上の高額入金を可能とし、ビジタカードについては、1000円以下の低額入金のみを可能としても良い。
上記の実施形態では、記録媒体(精算カード5)が非接触式のICカードである例について説明したが、これに限らず、該記録媒体は、接触式の集積回路,磁気,二次元コード(例えばバーコード),三次元コード,又は光干渉(例えばホログラム)等により情報を記録するものでも良い。また記録媒体の形状はカード型には限られず、コイン型であっても良い。
上記の実施形態では、玉貸処理に使用されなかった残額を遊技者に対して返却するときに、カードユニット20,20’の外部から挿入された精算カード5に該残額が記録される例について説明したが、これに限らず、カードユニット20,20’の内部に精算カード5をストックしておき、返却操作の受付(即ちカード返却ボタン16の押圧操作)により、該ストックされている精算カード5に残額が記録されて排出されるようにしても良い。この場合には、貨幣の受付時にストックされている精算カード5をカードR/W25に供給して該精算カード5に受付額を記録するようにしても良く、また貨幣の受付時にはユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域やカードR/W制御部26’のRAMで受付額を記憶する一方で返却操作時にストックされている精算カード5をカードR/W25に供給して該精算カード5に残額を記録するようにしても良い。
上記の実施形態では、精算カード5にカードID及び残額が記録される例について説明したが、これに限らず、カードID又は残額のいずれか一方のみが記録されるようにしても良い。ここでカードIDのみが記録される場合には、該カードIDに基づいて、該カードIDと対応付けて管理装置50,50’で記憶されている残額が特定される。また残額のみが記録される場合には、該残額が読み取られて特定される。即ち精算カード5には、残額を特定可能な情報が記録されていれば良い。
上記の実施形態では、有価価値の大きさとして金額自体が記憶・管理されている例について説明したが、これに限らず、該有価価値の大きさとして、該金額が所定の比率で換算された残度数や点数等が記憶・管理されるようにしても良い。
上記の実施形態では、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、例えば遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシン,遊技媒体としてパチンコ玉を使用するスロットマシンであるパチロット,遊技媒体であるパチンコ玉が指触不能に封入された封入式のパチンコ機,パチンコ玉やメダルを用いることなく得点データを使用して遊技可能なパチンコ機やスロットマシン,遊技領域やパチンコ玉が画像にて表示される画像式のパチンコ機,リールが画像にて表示される画像式のスロットマシン等であっても良い。
上記の第1実施形態では、カードユニット20において、ユニット制御部21とカードR/W制御部26とが別個に設けられている例について説明したが、これに限らず、両者の機能を備える1つの制御部を設けるようにしても良い。
上記の実施形態では、外部通信部27がカードR/W制御部26,26’と接続されている例について説明したが、これに限らず、該外部通信部27は、ユニット制御部21と接続されるものであっても良い。
上記の実施形態では、カードユニット20,20’において貸与処理が行われるときに、1度数に相当するパチンコ玉数(例えば消費税を考慮しないのであれば25個、消費税を考慮するのであれば消費税率に応じて24個,23個…等の、具体的な玉数)である払出要求玉数のパチンコ玉の払出を要求する払出要求信号がパチンコ機10に対して送信される例について説明したが、該貸与処理は、例えば以下の変形例1又は変形例2に示す如く行われるようにしても良い。
まず変形例1として、パチンコ機10において、カードユニット20,20’からの1回の払出要求に応じて払い出すパチンコ玉の数(以下「単位払出数」という。)を設定変更可能に構成すると共に、カードユニット20,20’において、該設定された単位払出数を予め記憶可能に構成した場合には、以下のようにして貸与処理を行う。まずカードユニット20,20’は、玉貸ボタン15の操作をユニット制御部21により検出すると、パチンコ玉の払出を要求する払出要求信号(具体的な払出要求玉数は示さない信号)を払出制御基板12に対して送信する。該払出要求信号を受信したパチンコ機10は、前記単位払出数のパチンコ玉の払出を指示する払出信号を払出制御基板12から玉払出装置13に対して出力し、これに基づいて、玉払出装置13から単位払出数分のパチンコ玉の払出を行い、該払出の終了に基づいて、実際に払い出したパチンコ玉の数である払出結果玉数を示す払出結果信号をユニット制御部21に対して送信する。該払出結果信号を受信したカードユニット20,20’は、前記予め記憶している単位払出数と、該払出結果信号に示される払出結果玉数とを照合し、照合OKである場合には、前記1度数分の減算処理を行い、その後、前記玉貸設定度数分の貸与処理を行う。
ここで払出結果玉数を示す払出結果信号は、パチンコ機10の払出制御基板12から出力されるようにしても良いし、払い出されたパチンコ玉の数を検出する図示しない払出検出センサから出力されるようにしても良い。またカードユニット20,20’において予め記憶しておく単位払出数は、カード会社の管理装置や遊技場の管理装置50,50’で設定し、カードユニット20,20’に配信して記憶するようにすれば良い。そして、例えば前記単位払出数と払出結果玉数との照合NGの場合に、カードユニット20,20’を不能動化するように構成すれば、遊技場が実際の申告よりも小さい単位払出数をパチンコ機10において設定するような不正を防止できる。
また変形例2として、前記単位払出数が一定(例えば25個)である場合には、以下のようにして貸与処理を行う。まずカードユニット20,20’は、玉貸ボタン15の操作をユニット制御部21により検出すると、パチンコ玉の払出を要求する払出要求信号(具体的な払出要求玉数は示さない信号)を払出制御基板12に対して送信する。該払出要求信号を受信したパチンコ機10は、玉払出装置13からパチンコ玉の払出が可能であるか否かを確認し、該確認結果が可能である場合には、玉貸準備信号をユニット制御部21に対して送信する。該玉貸準備信号を検出したカードユニット20,20’は、玉貸指令信号を払出制御基板12に対して送信し、該玉貸指令信号を受信したパチンコ機10は、前記単位払出数のパチンコ玉の払出を指示する払出信号を払出制御基板12から玉払出装置13に対して出力し、これに基づいて、玉払出装置13から単位払出数分のパチンコ玉の払出を行い、該払出の終了に基づいて、1度数分の貸与処理の完了を示す玉貸完了信号をユニット制御部21に対して送信する。該払出結果信号を受信したカードユニット20,20’は、前記1度数分の減算処理を行い、その後、前記玉貸設定度数分の貸与処理を行う。
上記の実施形態では、遊技媒体を貸与するための貸与処理が、パチンコ玉を貸与する玉貸処理である例について説明したが、これに限らず、該貸与処理は、前記メダルを貸与するメダル貸出処理や、前記画像式のパチンコ機やスロットマシンにおいて有価価値の大きさを遊技媒体としての得点に変換して遊技に使用させる処理等でも良い。
上記の実施形態では、貸与処理が行われた場合に、カードユニット20,20’と遊技機(パチンコ機10)との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて、該遊技機に設けられた玉払出装置13からパチンコ玉が払い出されて貸与される例について説明したが、これに限らず、カードユニット20,20’に設けられた図示しない玉払出装置からパチンコ玉が払い出されて貸与されるようにしても良い。
上記の実施形態では、図2に示すように、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16が遊技機(パチンコ機10)に設けられ、カードユニット20,20’と接続されている例について説明したが、これに限らず、これら残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16の一部又は全部をカードユニット20,20’に設けるようにしても良い。
上記の実施形態では、ユニット制御部21のRAMの玉貸用記憶領域で記憶している残額が零である状態で貨幣(紙幣2及び/又は硬貨3)を受付可能である例について説明したが、これに限らず、該残額が所定額(例えば1000円)以下であるときに貨幣を受付可能であるようにしても良く、また該残額の多少によらずに貨幣を受付可能であるようにしても良い。
上記の実施形態では、カードユニット20,20’と管理装置50,50’とが通信可能な状態(オンライン状態)における貨幣の受付(入金)について説明したが、両者がオフライン状態である場合には、例えば1000円以下の低額入金のみを可能とし、玉貸操作の受付(即ち玉貸ボタン15の押圧操作)によらずに、受付額分の玉貸処理を一括して行うようにしても良い。
上記の実施形態では、玉貸処理において、記録媒体の記録情報から特定される有価価値の大きさの減算が1度数分ずつ行われるため、玉貸用記憶領域と判定用記憶領域とを別個に設ける例について説明したが、玉貸処理の終了を待たずに(残額外一致するか否かの判定前に)該減算が使用額分一括して行われるようにした場合には、両記憶領域の機能を兼ね備える有価価値記憶手段を1つだけ設けるようにしても良い。また上記の実施形態では、有価価値管理部から受信した残額と判定用記憶領域で記憶されている残額が一致するか否かの判定が玉貸処理の途中で行われるため、玉貸用記憶領域と判定用記憶領域とを別個に設ける例について説明したが、該判定が玉貸処理の終了後に行われるようにした場合には、両記憶領域の機能を兼ね備える有価価値記憶手段を1つだけ設けるようにしても良い。
上記の実施形態では、貸与制御部から有価価値管理部に対して送信される更新要求に使用額が含まれる例について説明したが、これに限らず、該更新要求に、有価価値減算手段による減算後の残額が含まれるようにしても良い。
上記の実施形態では、更新要求の送信が、貸与処理の開始に先立って行われる例について説明したが、これに限らず、該更新要求の送信が、貸与処理の途中(例えば500円分の玉貸処理中における100円分の玉貸処理の終了後)に行われるようにしても良い。即ち更新要求の送信は、貸与処理の終了を待たずに行われれば良い。
上記の実施形態では、更新要求の送信が、貸与処理の終了を待たずに行われる例について説明したが、これに限らず、該更新要求の送信が、貸与処理の終了後に行われるようにしても良い。
上記の実施形態では、図3のS142及び図7のS342に示す精算要求にカードIDと残額とユニットIDとが含まれる例について説明したが、これに限らず、該精算要求にカードIDとユニットIDとが含まれる(即ち残額が含まれない)ようにしても良い。この場合には、該精算要求を受信した管理装置50は、精算要求に含まれるユニットIDと対応付けてハードディスク53で記憶している残額を特定し、該残額を消去すると共に、該残額を精算要求に含まれるカードIDと対応付けてハードディスク53で記憶するようにすれば良い。
上記の第2実施形態では、図9のS415及びS416に示すように、精算カード5が受け付けられている場合における残額の管理として、カードR/W制御部26’のRAMで記憶されている残額からの減算更新(S415)と、精算カード5に記録されている残額からの減算更新(S416)の両方が行われる例について説明したが、これに限らず、後者の精算カード5に記録されている残額からの減算更新だけであっても、本発明に言う残額の管理に相当する。
上記の第2実施形態では、精算カード5を受け付けたとき(図7のS341),及び返却操作を受け付けたとき(図8のS441)に、管理装置50’において残額の更新が一括して行われる例について説明したが、これに限らず、玉貸処理が行われる毎に、管理装置50’において残額の更新が行われるようにしても良い。
上記の実施形態において、更新要求の送信(S112,S212,S312,S412)と、使用額の記憶残額からの減算(S113,S213,S313,S413)と、玉貸処理の開始(S114,S214,S314,S414)とは、各々の実行順序が入れ替わっても良い。
上記の実施形態では、有価価値減算手段による減算が、残額一致判定の前に予め行われている例について説明したが、これに限らず、該有価価値減算手段による減算が、残額一致判定のときに行われるようにしても良い。
上記の実施形態において、異常報知処理は、返却禁止処理,表示処理,多機能ランプ28の赤点滅,及び管理装置50,50’に対する残額異常通知のうちのいずれか1つ又は複数であっても良い。
上記の実施形態では、貸与制御部(カードユニット20,ユニット制御部21)において、パチンコ機10から出力される玉貸異常発生信号の入力に基づいて玉貸処理の異常の発生を検出し、パチンコ機10から出力される玉貸異常解消信号の入力に基づいて玉貸処理の異常の解消を検出する例について説明したが、これに限らず、パチンコ機10に対して払出要求信号を送信してから予め定められた所定時間を経過しても該パチンコ機10から払出結果信号が送信されてこないことに基づいて玉貸処理の異常の発生を検出し、その後に該払出結果信号が送信されてきたことに基づいて玉貸処理の異常の解消を検出するようにしても良い。