JP2006166942A - 腹腔鏡手術用穿刺型電気メスの電極針およびその製造方法 - Google Patents

腹腔鏡手術用穿刺型電気メスの電極針およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 腹腔鏡を用いて電気凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針であり、その絶縁性と剥離強度を更に向上させたもの、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 腹腔鏡下で患部組織を電気エネルギーで凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針とその製造方法である。外径4〜8mmの長さ110〜440mm棒状金属材の片端から長さ10〜40mmの電極接続部を残し、該電極接続部以外の部分を研削または電気分解による加工方法により、外径4〜8mm,長さ10〜40mmの電極接続部と同軸芯の外径1〜3mm,長さ100〜400mmの長針部との一体連結部材を得る第1ステップと、前記長針部をDLCで被覆する第2ステップと、前記長針部先端より10mm以内のチップ部分を、DLC被覆部分の除去を伴って鉤型形状に加工する第3ステップとを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内視鏡下外科手術、特に腹腔鏡下外科手術において、手術部位の組織を電気エネルギーで熱凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針に関するものである。
腹腔鏡(Laparoscope)は体内に挿入され、患部の画像情報を得るための光ファイバイメージガイド、照明用ライトガイドを内蔵したものである。腹腔鏡と共に、腹壁に貫通させたポートに施術マニピュレータである鉗子や電気メス等を通し、腹腔鏡下で患部組織を切開、凝固止血しながら除去する等の鏡視下手術が行われている。
このような腹腔鏡下手術では、電気,超音波,またはレーザのエネルギーを患部に集中し、発熱凝固で切開除去する方法が取られている。そして、電気エネルギーによる方法は、神経刺激が少ない高周波電流を患部に流し、凝固止血、切開し除去するものである。
そして、電気エネルギーを与える電気メス等の先端部には、モノポーラ(monopolar)電極式とバイポーラ(bipolar)電極式がある。モノポーラ式では、施術部位から離れた患者体表に固定電極を設け、電気メス等の先端から施術部位を含む人体を通して固定電極に電流を流す方式である。バイポーラ式は、把持鉗子型またはハサミ型の2つの電極をもつ器具で狙った施術部を挟み、その部位だけに通電する方式である。特に、モノポーラ式では通電する単極先端部以外は確実に絶縁する必要があり、絶縁が不完全であると、他の部位で発熱して危険である。
モノポーラ電極またはバイポーラ電極の先端部を長い内視鏡チューブを通し、患部に到達させ、内視鏡画像で見ながら、先端をマニピュレートして切開除去手術が行われる。この場合、電源より先端部に達する内視鏡チューブ以上の長さの導線を必要とする。
腹腔鏡を用いた外科手術の電気エネルギー切開除去方法では、内視鏡の一種である腹腔鏡は、炭酸ガス注入または腹腔の牽引で形成された腹腔内空間に挿入される。ここで、電気エネルギーを与える先端電極は必ずしも腹腔鏡チューブに挿入されるものでなくてもよく、例えば特許文献1,特許文献2の器具でもよい。
特許文献1には、モノポーラ式の使い捨てできる電気手術刃が開示されており、利用例は扁桃摘除(tonsillectomy)である。特許文献2には、バイポーラ式電気手術システムの電気メスが開示されており、先端に吸引孔が配備され、手術中に血液等の吸引除去を要する手術に用いられる。両者はポートに挿入されるものではないが、本発明と構造または製造上の類似点があるので、ここに挙げる。
また、本願の発明者の一人は、先に簡便で有効な腹腔鏡下外科手術法を開発・出願している(特願2003−165890)。これは、穿刺針をモノポーラ電極とする方法である。穿刺針は腹腔鏡とは独立に別のルートで腹腔穿刺される(図示6参照)。この穿刺針モノポーラ電極を利用すれば、自由な場所から外套(トロカール:trocar)なしで腹壁を穿刺し先端を患部に接触させ、凝固切開を行える。従って、接触操作の自由度が高いので手術の成功確率が高い。
このような電極針は、機械強度と耐食性からステンレスが望ましいが、数mmの細径で長さが200mm以上、かつまた、その数mm径より太い径の電源接続部をもった特殊な形状のものが必要であった。
米国特許USP6511479 米国特許USP6558379
特許文献1の問題点は、シリコーンによる絶縁被覆であるため、耐熱性、剥離強度が不十分であった。200℃を越える電気エネルギーが局所的に集中するからである。
特許文献2の問題点は、バイポーラ式であり、ポート挿入タイプでない。従って、自由な場所から外套なしで腹壁を穿刺できなかった。
また、上記本発明者による開発・出願中の電極針は、モノポーラ電極として用いるため、電気的絶縁が不完全で電流リークがあると、施術中の事故を誘発するという問題に対し、先端部以外を確実に絶縁できるものとしたである。しかし、更なる絶縁性の向上が要請された。
本発明は上記課題を解決し、腹腔鏡を用いて電気凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針であって、更に絶縁性と剥離強度を向上させたもの、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の課題解決手段の電極針は、腹腔鏡下で患部組織を電気エネルギーで凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針であって、電源電極孔に挿入される円柱状接続部と、該円柱状接続部と一体連結された同軸芯の長針部とを含み、前記長針部の先端より露出部を除く長針部表面がダイヤモンドライクカーボン(DLC)で被覆されていることである。
本発明の第2課題解決手段の電極針は、腹腔鏡下で患部組織を電気エネルギーで凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針であって、電源電極孔に挿入される外径4〜8mm,長さ10〜40mmの円柱状接続部と、該円柱状接続部と一体連結された同軸芯の外径1〜3mm,長さ100〜400mmの長針部とを含み、前記長針部の先端より10mm以内の露出部を除く長針部表面がダイヤモンドライクカーボン(DLC)で被覆されていることである。
本発明の第3課題解決手段の電極針は、第1または第2課題解決手段に加え、前記長針部先端の露出部は、鉤型形状に加工されたことである。
本発明の第4課題解決手段の電極針は、第1または第2またと第3課題解決手段に加え、前記DLC被覆の膜厚が30〜150μmであることである。
本発明の第5課題解決手段の電極針は、第1または第2またと第3課題解決手段に加え、前記DLC被覆の膜厚が10〜30μmであることである。
本発明の第6課題解決手段の電極針の製造方法は、腹腔鏡下で患部組織を電気エネルギーで凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針の製造方法であって、外径4〜8mmの長さ110〜440mm棒状金属材の片端から長さ10〜40mmの電極接続部を残し、該電極接続部以外の部分を研削または電気分解による加工方法により、外径4〜8mm,長さ10〜40mmの電極接続部と同軸芯の外径1〜3mm,長さ100〜400mmの長針部との一体連結部材を得る第1ステップと、前記長針部をDLCで被覆する第2ステップと、前記長針部先端より10mm以内のチップ部分を、DLC被覆部分の除去を伴って鉤型形状に加工する第3ステップとを含むことである。
本発明の第7課題解決手段の電極針の製造方法は、腹腔鏡下で患部組織を電気エネルギーで凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針の製造方法であって、摩擦圧接の方法により、外径4〜8mm,長さ10〜40mmの電極接続部に対し、それと同芯で外径1〜3mm,長さ100〜400mmの長針部を連結して一体連結部材を得る第1ステップと、前記長針部をDLCで被覆する第2ステップと、前記長針部先端より10mm以内のチップ部分を、DLC被覆部分の除去を伴って鉤型形状に加工する第3ステップとを含むことである。
ここで、本発明でのDLC被覆ステップにおいて、被覆(コーティング)対象となる電極針(基材)を炭化水素系ガスで満たされた真空容器内に設置し、基材にパルスRF電圧と、負極性の高電圧DCパルス電圧を交互に印加し、パルスRF電圧の印加終了後にDCパルス電圧を印加し、前記DCパルス電圧の波高値電圧を、グロー放電に移行するしきい値電圧に設定する場合がある。この場合には、コーティングされた基材の残留応力が0〜0.5GPa、または0.1〜0.5GPaとなり、DLC被覆厚を厚くしても容易に剥離しないのである。
このように、本発明でのDLC成膜物の製造方法は、少なくとも一以上の炭化水素系ガスを用いて、パルスプラズマによる、イオン注入プロセスと成膜プロセスとを組み合わせた複合プロセスによって、基材表面にDLC膜を成膜する。また、その複合プロセスの前にパルスプラズマによる表面調整プロセスを設けてもよい。
プラズマ発生用高周波電源と高電圧パルス発生用電源とを、共通のフィールドスルーを介してチャンバー内の基材に接続しておき、前記プラズマ発生用高周波電源から基材に高周波パルス(パルスRF電圧)を印加し、基材の外形に沿って周囲にプラズマを発生させるのである。
そして、そのプラズマ中またはアフターグロープラズマ中に、高電圧パルス発生用電源から基材に、負の高電圧パルス(DCパルス電圧)を少なくとも1回印加し、かつ、これら高周波パルスの印加と負の高電圧パルスの印加とを繰り返し行うのである。なお、この高周波パルスの印加と高電圧パルスの印加との繰り返し数は、例えば100回/秒〜5000回/秒程度である。
本発明によれば、負極性の高電圧DCパルス電圧の波高値電圧の大きさを、DCパルス電圧によりグロー放電が生じるしきい値電圧と一致させることで、DLC膜の残留応力を極めて小さくすることができるとともに、10μm以上の厚膜コーティングやDLCとの親和性が良くない基材へのコーティングも可能となる。
本発明の電極針(穿刺針)は腹腔鏡とは独立に別のルートで腹腔穿刺される。この穿刺針モノポーラ電極を利用すれば、自由な場所から外套(トロカール:trocar)なしで腹壁を穿刺し先端を患部に接触させ、凝固切開を行える。即ち、接触操作の自由度が高いので手術の成功確率が高い。
本発明のDLC被覆は表面が堅く滑らかで、かつ剥離が容易に生じないので、耐久性に優れている(例えば10回以上の使用にも十分耐え得る)ものである。
DLCは高い絶縁性を有すると共に硬く緻密な被膜で耐破壊と400℃までの耐熱性を有する。さらに表面の粗さが小さく潤滑性に優れ、かつ、生体とも融和し易い性質を有する。
以下に本発明の一実施例を図面にもとづき説明する。
図1,2,3において、腹腔鏡下で患部組織を電気エネルギーで凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針Aが示されている。電源電極孔に挿入される外径4〜8mm,長さ10〜40mmの導電性円柱状接続部A2と、該円柱状接続部と一体連結された同軸芯の外径1〜3mm,長さ100〜400mmの導電性で円形断面の長針部A3とからなる。前記長針部の先端より10mm以内の露出部を除く長針部表面がダイヤモンドライクカーボン(DLC)被覆A4で覆われている。このDLC被覆の膜厚は100μmである。 前記長針部先端のDLC被覆のない露出部A3aは、鉤型形状に加工されている。
次に図4において、電極針の製造方法を説明する。先ず第1ステップとして、外径4〜8mmの長さ110〜440mm棒状金属材A1(図4a)の片端から、長さ10〜40mmの電極接続部を残し、該電極接続部以外の部分を研削または電気分解による加工方法により、外径4〜8mm,長さ10〜40mmの電極接続部A2と、同軸芯の外径1〜3mm,長さ100〜400mmの長針部A3との一体連結部材を得る(図4b)。
次に、前記長針部A3をDLCで被覆するのが第2ステップ(図4c)、前記長針部先端より10mm以内のチップ部分A3aを、DLC被覆部分の除去を伴って鉤型形状に加工するのが第3ステップ(図4d)である。
ここで、前記第2ステップ(DLC絶縁被覆)の方法の実施には多くの技術要素の開示を要するので、前記第3ステップ(被覆除去と鉤型形状加工)(図4d)の詳細を先に説明する。先端のチップ部は、図2,3の先端拡大図のように、非対称で、かつ、また施術部の組織が引っ掛かり易い鉤(hook)状の形状であるのが好適である。従って、円柱形状の先端部をプレスで偏平断面に加工し、次いで小型ヤスリで鉤型に削出し、紙ヤスリで研磨し仕上げる。
この第3ステップにより先端のチップ部に導体を露出させ、モノポーラ電極とする。露出は、先端より10mm以内のごく狭い部分とすることで、電流密度を高くする。電流密度が高くなればなるほど、所望の凝固切開するのに必要な電源パワーを相対的に下げることができ、より安全である。好適には、先端より3mm程度のごく狭い部分を露出するのがよい。
さて、先ず使用に当たり図5に示すように、電気エネルギー供給電線B2の先端にメス型電源電極(接続端子)B1が連結され、その接続孔B11に、前記完成した電極針Aの電極接続部A2が着脱自在に挿入される。ここで、前記接続孔B11の内部には、導電性の保証と確実な把持のため、弾性変形に富む導電性部材からなる筒状チャックB12が内蔵されている。この筒状チャックB12の一部分が弾性変形により、電極接続部A2の挿入時に内径を拡大し、抜き取り時に内径を縮小する。
そして手術に際し、図6に示すように、腹腔鏡(エンドスコープ)Cで見ながら、電極針Aを腹腔内の患部組織Dに近づけ、その根元に差し込み、電線B2を通して電気エネルギーを供給し、患部組織Dを切除するのである。この場合、長さの異なる数本の穿刺針を用意し、腹腔内の患部までの穿刺深さに応じたものを選択的に装着して用いる。本発明の穿刺針は交換が容易で、廃棄処分可能(デスポーザブル)である。
さてここで、前記第2ステップ(DLC絶縁被覆)の方法と装置の実施態様を図7〜11に示す一実施例に基づき説明する。図7において、本装置では真空容器11の内部で、フィードスルー16を上下に貫通した電導体7の上端に、電導体からなる基材(電極針A)支持具21が設置されている。この基材支持具21は、電源12a,12bに接続された電導体7の上端に、電気的に接続された状態で、台柱21aの上端に円環状の吊持治具21bが固定され、これに導電性ワイヤ21cと導電性クリップ21dを介して、基材たる電極針Aが吊り下げられる。
このとき、電極針Aの電極接続部A2に成膜されぬよう、絶縁フィルムA5(ビニールのテープ,シート,チューブなど)で覆う(図4c)(成膜後にこれを剥がし除去する)。そして、この部分を下側にし、長針部A3の先端部を上側にしてそこをクリップ21dで挟む。これにより、電極針Aは電導体7に続く電源に接続されたことになる。
真空容器11にはガス供給槽17から、原料ガスとなる炭化水素系ガスがに供給され、真空容器11の内部はガス圧力が0.1〜2Paの範囲に設定されている。フィードスルー16には整合器13を介してパルスRF電圧を発生するパルスRF電源12aが接続され、基材Aに負極性のDCパルス電圧を印加するための高電圧パルス電源12bがフィルタ14を介して接続されている。ここで、フィルタ14はパルスRF電圧が高電圧パルス電源12bに侵入しないように保護するためのものである。パルスRF電源12aと高電圧パルス電源12bの動作は同期信号発生器15により制御される。
図8に示すように、重畳装置9は、フィードスルー16と高電圧パルス発生用電源
12bとの間を結合すると共に、パルスRF電源(プラズマ発生用電源)12aと高電圧パルス電源(高電圧パルス発生用電源)12bとの相互干渉を阻止する結合・相互干渉阻止回路19と、プラズマ発生用の電源12aと基材Aとのインピーダンスを整合する整合回路部17とから構成されている。
結合・相互干渉阻止回路19は、高電圧パルスによりアーク放電を生じさせ、回路を導通するためのギャップG1,プラズマ発生用電源12aからの高周波電力が高電圧パルス発生用電源12bに影響するのを阻止するためのダイオードDおよびコイルL1,更に高電圧パルス発生用電源12bの高電圧パルスがプラズマ発生用電源12aに影響しないようにするための抵抗Rおよび保護ギャップG2を有する。
なお、前記ギャップG1は、パルス印加電圧が低い場合には、短絡して使用することがある。この重畳装置9における結合・相互干渉阻止回路19は、ダイオードDのカソード側が高電圧パルス発生用電源12bに接続されている。また、抵抗Rの非接地側端が同軸ケーブル18により、プラズマ発生用電源12aに接続されている。また、前記ダイオードDは省略しても良い。
整合回路部17は、共振用可変コンデンサC1と、インピーダンス変換用コンデンサC2と、高耐圧コンデンサC3と、コイルL2とから構成される。前記コンデンサC2は前記抵抗Rに並列に接続されているので、非接地側端がやはり同軸ケーブル18により、プラズマ発生用電源12aに接続されている。高耐性コンデンサC3のギャップG1側における端子は、フィードスルー16および基材1側のギャップG1導体に接続される。
前記プラズマ発生用電源12aは、CPU(整合器)13による制御に基づいて基材1に高周波パルスを印加するものである。また高電圧パルス発生用電源12bは、CPU13による制御に基づいて基材Aに負の高電圧パルスを印加するものである。
DLCの成膜操業条件は次ぎの通りであつた。
(1)対象物:ステンレス鋼(SUS304),寸法は図1,2,3に示したもの。
(2)成膜プロセス条件
DC高電圧パルスバイアス:−10KV
ガス種/流量:アセチレン(C22)/30cc/min
真空度:0.5Pa
パルスRF電源のRF幅:50μs
DC高電圧パルス幅:1.5μs
成膜所要時間:720時間
成膜温度:33.9℃
(3)DLC膜厚:約100μm
電源供給条件は図9に示すように、パルスRF電圧の入力電圧,電力およびパルス幅がそれぞれ1〜2kV,50Wおよび50μsであり、DCパルス電圧のパルス幅が1.5μsであった。また、パルスRF電圧の出力周波数13.56MHz,繰り返し発振周波数500Hzであり、DCパルス電圧はパルスRF電圧の立ち下がりから50μs後に印加した。そして、パルスRF電圧の印加と、DCパルス電圧の印加との組を12.96億回にわたり、繰り返した(合計720時間)。ここで、成膜時の温度に注意を払い、成膜時の平均温度は37℃〜40℃である。そのためのパラメータとして、RF電力50W,DCパルス幅1.5μm,繰り返し500Hzとした。
さてここで、図10から分かるように、DLC膜の残留応力σはDCパルス電圧の波高値電圧VPPを変化させると、|VPP|が0から5kVまでの領域で、残留応力σは0.27GPaからほぼ直線的に0.2,0.1と低下し、5kV〜7kVの領域では残留応力σは零(0)となり、もしくは限りなく零に近づく。
即ち、|VPP|<7kVの領域(イオン注入領域)では、VPPの絶対値が増加するに伴って減少し、VPP=−5kVではσ=0GPaとなった。一方、|VPP|>7kVの領域(グロー放電領域)になると、VPPの絶対値が大きくなるとともに残留応力σも増大した。この領域では、基材近傍でのプラズマの挙動において、シース領域で起こるイオンの加速作用によるイオン電流よりも、基材から放出される二次電子による電子電流量の方が大きくなるため、基材近傍でグロー放電が生じてシースに加わる電圧が低下し、イオン注入の効果が減少する。
図11は、横軸にガス圧力pg(Pa),縦軸にしきい値電圧Vsh(kV)をとったグラフである。これから、ガス圧力を0.2Paから2Paまで増加させると、しきい値電圧は、ほぼ|12|kVから|0.1|kVまで減少することが分かる。このグラフ線よりも上方は、グロー放電領域、下方はイオン注入領域と考えられる。そして、このグラフ線の近傍領域(境界領域)で、イオン注入効率が最も良い。
このように、基材(電極針)の表面にDLC膜が直接成膜されたDLC成膜物では、基材の表面から所定深さまでに炭素原子が注入され、基材とDLC膜との界面には注入原子と炭素原子との傾斜層が形成され、前記基材中の注入原子とDLC膜の炭素原子とが共有結合されており、DLC膜中の炭素原子が整列されている。
前記のように、本発明でのDLC被覆は残留応力が極めて小さくでき、更に零(0)となり、もしくは限りなく零に近づく。従って、被覆厚さを厚くしても剥離が容易に生じないので、耐久性に優れ、10回以上の使用にも十分耐え得るものである。しかも、被覆は表面が堅く滑らかである。また、DLCは高い絶縁性を有すると共に、硬く緻密な被膜で耐破壊と400℃までの耐熱性を有する。さらに表面の粗さが小さく潤滑性に優れ、かつ、生体とも融和し易い性質を有する。
なお、電極針の製造方法の第1ステップの他の実施例は次のものである。即ち、摩擦圧接の方法により、外径4〜8mm,長さ10〜40mmの電極接続部A2に対し、それと同芯で外径1〜3mm,長さ100〜400mmの長針部A3を連結して一体連結部材を得るのである。
本発明は前記した実施例や実施態様に限定されず、特許請求の範囲および範囲を逸脱せずに種々の変形を含む。
本発明は、腹腔鏡手術用穿刺型電気メスの電極針およびその製造方法に利用される。
本発明の電極針の一実施例の正面図である。 図1の要部拡大図である。 図2の側面図である。 本発明の電極針の製造方法の工程図である。 本発明の電極針を電線接続端子に接続する説明図である。 本発明の電極針と腹腔鏡を用いて患部組織を切開凝固する手術イメージ図である。 本発明のDLC絶縁被覆方法の一実施例に係る装置構成の全体図である。 図7の要部の電気回路図である。 本発明のDLC絶縁被覆方法の一実施例に係る動作シーケンス図である。 本発明の実施例に係る残留応力のパルス電圧依存性グラフ例図である。 本発明の一実施例に係る放電特性グラフ例図である。
符号の説明
A 電極針(基材)
A1 棒状金属線材
A2 電極接続部
A3 長針部
A31 鉤型加工部
A4 DLC被覆
B1 メス型電源電極
B2 電子エネルギー供給電線
10 DLC成膜装置
11 真空容器
12a パルスRF電源
12b 高電圧パルス電源
13 整合器
14 フィルタ
15 同期信号発生器
16 フィードスルー
17 炭化水素系ガスボンベ



Claims (7)

  1. 腹腔鏡下で患部組織を電気エネルギーで凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針であって、電源電極孔に挿入される円柱状接続部と、該円柱状接続部と一体連結された同軸芯の長針部とを含み、前記長針部の先端より露出部を除く長針部表面がダイヤモンドライクカーボン(DLC)で被覆されている腹腔鏡手術用穿刺型電気メスの電極針。
  2. 腹腔鏡下で患部組織を電気エネルギーで凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針であって、電源電極孔に挿入される外径4〜8mm,長さ10〜40mmの円柱状接続部と、該円柱状接続部と一体連結された同軸芯の外径1〜3mm,長さ100〜400mmの長針部とを含み、前記長針部の先端より10mm以内の露出部を除く長針部表面がダイヤモンドライクカーボン(DLC)で被覆されている腹腔鏡手術用穿刺型電気メスの電極針。
  3. 前記長針部先端の露出部は、鉤型形状に加工された請求項1または2記載の腹腔鏡手術用穿刺型電気メスの電極針。
  4. 前記DLC被覆の膜厚が30〜150μmである請求項1または2または3記載の腹腔鏡手術用穿刺型電気メスの電極針。
  5. 前記DLC被覆の膜厚が10〜30μmである請求項1または2または3記載の腹腔鏡手術用穿刺型電気メスの電極針。
  6. 腹腔鏡下で患部組織を電気エネルギーで凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針の製造方法であって、外径4〜8mmの長さ110〜440mm棒状金属材の片端から長さ10〜40mmの電極接続部を残し、該電極接続部以外の部分を研削または電気分解による加工方法により、外径4〜8mm,長さ10〜40mmの電極接続部と同軸芯の外径1〜3mm,長さ100〜400mmの長針部との一体連結部材を得る第1ステップと、前記長針部をDLCで被覆する第2ステップと、前記長針部先端より
    10mm以内のチップ部分を、DLC被覆部分の除去を伴って鉤型形状に加工する第3ステップとを含む腹腔鏡手術用穿刺型電気メスの電極針の製造方法。
  7. 腹腔鏡下で患部組織を電気エネルギーで凝固切開する手術に用いる穿刺型電気メスの電極針の製造方法であって、
    摩擦圧接の方法により、外径4〜8mm,長さ10〜40mmの電極接続部に対し、それと同芯で外径1〜3mm,長さ100〜400mmの長針部を連結して一体連結部材を得る第1ステップと、前記長針部をDLCで被覆する第2ステップと、前記長針部先端より10mm以内のチップ部分を、DLC被覆部分の除去を伴って鉤型形状に加工する第3ステップとを含む腹腔鏡手術用穿刺型電気メスの電極針の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008237302A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Shizuoka Prefecture 骨検体採取・修復治具セット及び骨検体採取・修復方法
JP2010524613A (ja) * 2007-04-27 2010-07-22 アムブー アクティーゼルスカブ コーティングされた針電極を製造するための方法
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JP2017159002A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 株式会社iMott 医療用処置具
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