JP2006166537A - 磁石可動型リニアモータ - Google Patents

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佳樹 三谷
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Abstract

【課題】断面形状のコンパクト化を図ることができる磁石可動型リニアモータを提供する。
【解決手段】アウタレール2内を上下に仕切る仕切壁5を一体に形成することにより、アウタレール2自身の剛性が高まる。アウタレール2の上下方向中間位置に仕切壁5を一体に形成このアウタレール2の中空部6に固定子ユニット11を収納固定することで、固定子ユニット11の剛性として、固定子コイル13と可動子永久磁石24間の吸引力により固定子ユニット11が撓まないような高い剛性が必要でなくなり、固定子ユニット11のヨーク12として平板状のものを使用でき、固定子ユニット11、延いてはリニアモータ全体の断面形状のコンパクト化を図ることができる。また、中空部6に固定子ユニット11が収納固定されていることで、リニアモータの防塵性能を向上でき、防塵のため固定子ユニット11を樹脂カバーで覆う必要がなくなり、部品点数の削減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁石可動型リニアモータに関するものである。
特開2003−111380号公報に示すように、従来の磁石可動型リニアモータは、アウタレールの上部壁に形成したネジ挿通孔から挿通した皿ネジを、固定子ユニットの上側に位置するヨークに螺合して、該固定子ユニットをアウタレールの上部壁に固定していた。磁石可動型リニアモータは、通電時に固定子コイルと可動子の永久磁石間に強い吸引力が作用する。この吸引力が作用しても固定子ユニットが撓まないように、断面形状が略U字形のヨークを用いて固定子ユニットの剛性を高めていた。
しかしながら、固定子ユニット単独で剛性を高めるのではなく、全体構造の中で固定子ユニットの撓みを防止することができれば、固定子ユニットの剛性として従来のものほど高い剛性が必要でなくなる。これにより、固定子ユニット形状のコンパクト化、延いては磁石可動型リニアモータの断面形状のコンパクト化を図ることができる。
特開2003−111380号公報
本発明は上記した点に着目してなされたもので、断面形状のコンパクト化を図ることができる磁石可動型リニアモータを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1に記載の磁石可動型リニアモータは、上部壁と該上部壁の左右両側から垂下する側壁とからなる断面略逆U字形のアウタレールと、ヨーク及び該ヨークに整列配置された複数のコイルからなり、前記アウタレール内において該アウタレールに固定された固定子ユニットと、複数の永久磁石を備え、前記固定子ユニットに対応して前記アウタレール内に移動可能に配設された可動子ユニットからなる磁石可動型リニアモータであって、前記固定子はそのヨークを平板状に形成し、また、前記アウタレールの上下方向中間位置には、該アウタレール内を上下に仕切る仕切壁を一体に形成し、それにより形成される中空部に固定子ユニットを収納固定したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の磁石可動型リニアモータは、請求項1に記載の構成において、前記固定子ユニットが、前記アウタレールの上部壁と固定子ユニットのヨーク間に介装され、該固定子ユニットをアウタレールの仕切壁に押し付ける押し付け手段によりアウタレールの中空部に固定されていることを特徴とする。
請求項1に記載の磁石可動型リニアモータによれば、固定子はヨークが平板状に形成されている。また、アウタレールの上下方向中間位置には、該アウタレール内を上下に仕切る仕切壁が一体に形成され、それにより形成される中空部に固定子ユニットが収納固定されている。アウタレールの上下方向中間位置に仕切壁を一体に形成することにより、アウタレール自身の剛性が高まる。このアウタレールの中空部に固定子ユニットを収納固定することで、固定子ユニットの剛性として、従来のもののように固定子コイルと可動子永久磁石間の吸引力により固定子ユニットが撓まないような高い剛性が必要でなくなり、固定子ユニットのヨークとして平板状のものを使用でき、固定子ユニット、延いてはリニアモータ全体の断面形状のコンパクト化を図ることができる。また、アウタレールの中空部に固定子ユニットが収納固定されていることで、リニアモータの防塵性能の向上、及び従来必要であった固定子ユニットの樹脂カバー廃止による部品点数の削減効果がある。
請求項2に記載の磁石可動型リニアモータによれば、固定子ユニットが、アウタレールの上部壁と固定子ユニットのヨーク間に介装され、該固定子ユニットをアウタレールの仕切壁に押し付ける押し付け手段によりアウタレールの中空部に固定されている。従って、アウタレールの仕切壁と固定子ユニット間の隙間がなくなることで、通電時に作用する固定子コイルと可動子永久磁石間の吸引力に起因するガタ音を防止できる。また、固定子コイルと可動子永久磁石間の距離が縮まるため、リニアモータの推力を高められる。さらに、固定子ユニットとアウタレールの仕切壁が接触することにより、固定子コイルの放熱効果が向上する。
断面形状のコンパクト化を図ることができる磁石可動型リニアモータを提供するという目的を、固定子のヨークを平板状に形成し、また、アウタレールの上下方向中間位置に該アウタレール内を上下に仕切る仕切壁を一体に形成し、それにより形成される中空部に固定子ユニットを収納固定することにより実現した。
本発明の実施例について添付図面を参照して説明する。図1は、本実施例に係る磁石可動型リニアモータ(以下、単にリニアモータという。)1の断面図である。リニアモータ1のアウタレール2は、アルミ等非磁性体の押出し一体成形品である。その断面形状は、上部壁3と該上部壁3に続く対向側壁4,4を有する全体が断面略逆U字形に形成されている。そして、アウタレール2の上下方向中間位置には、該アウタレール2内を上下に仕切る仕切壁5が一体に形成され、アウタレール2内に中空部6が形成されている。また、対向側壁4,4の下端部には、それぞれ内側に折曲するガイドレール部7,7が形成されている。さらに、上部壁3には、後述する固定子ユニット11の平板状ヨーク12の装入ガイド8,8が長手方向に形成されている。
固定子ユニット11は、平板状ヨーク12を装入ガイド8,8で案内してアウタレール2の中空部6内に装入される。固定子ユニット11は図1及び図2に示すように、平板状ヨーク12の下面に鉄芯入りのコイル13を長手方向に複数個整列させて固定するとともに、これらコイル13の側面に配置した基板14に磁気センサ15を配置したものである。平板状ヨーク12には、長手方向の両端部にそれぞれ皿モミ穴16が穿設されている。アウタレール2の固定子ユニット11固定位置には、皿モミ穴16に対応して上部壁3にタッピングによるねじ立て17が施されている。このねじ立て17に六角穴付き止めねじ(とがり先)18をねじ込んで、固定位置に装入された固定子ユニット11をアウタレール2の仕切壁5の上面に押し付けて固定する。この六角穴付き止めねじ18が、請求範囲に記載の押し付け手段に相当する。
アウタレール2の仕切壁5の下面には、可動子ユニット21が装入されている。可動子ユニット21は、アルミ等非磁性体製の可動子ケース22に永久磁石ブロック23を収納したものである。永久磁石ブロック23は、厚み方向に着磁された複数の永久磁石24を隣り合うものどうしで極性を互いに異ならせてヨーク25に接着して一体としたものである。可動子ケース22には、アウタレール2のガイドレール部7,7上を走行するローラ26,26が取付けられている。該ローラ26,26により、可動子ユニット21が仕切壁5の下面で移動自在に保持される。また、可動子ケース22の下面の所定位置には、六角スタッドボルト27が取付けられ、可動子ユニット21により牽引される引戸を吊持するハンガー等を固定できるようになっている。
上記に説明したリニアモータ1は、固定子ユニット11のヨーク12を平板状に形成し、また、アウタレール2の上下方向中間位置に、該アウタレール2内を上下に仕切る仕切壁5を一体に形成し、それにより形成される中空部6に固定子ユニット11を収納固定するもので、アウタレール2の上下方向中間位置に仕切壁5を一体に形成することにより、アウタレール2自身の剛性が高まる。このアウタレール2の中空部6に固定子ユニット11を収納固定することで、固定子ユニット11の剛性として、従来のもののように固定子コイル13と可動子永久磁石24間の吸引力により固定子ユニット11が撓まないような高い剛性が必要でなくなり、固定子ユニット11のヨーク12として平板状のものを使用でき、固定子ユニット11、延いてはリニアモータ全体の断面形状のコンパクト化を図ることができる。また、アウタレール2の中空部6に固定子ユニット11が収納固定されていることで、リニアモータの防塵性能を向上できる。これにより、防塵のため固定子ユニット11を樹脂カバーで覆う必要がなくなり、部品点数を削減できる。
また、固定子ユニット11が、アウタレール2の上部壁3と固定子ユニット11のヨーク12間に介装され、該固定子ユニット11をアウタレール2の仕切壁5に押し付ける押し付け手段18によりアウタレール2の中空部6に固定されていることにより、アウタレール2の仕切壁5と固定子ユニット11間の隙間がなくなる。これにより、通電時に作用する固定子コイル13と可動子永久磁石24間の吸引力に起因するガタ音を防止できる。また、固定子コイル13と可動子永久磁石24間の距離が縮まるため、リニアモータの推力を高められる。さらに、固定子ユニット11とアウタレール2の仕切壁5が接触することにより、固定子コイル13の放熱効果が向上する。
リニアモータの断面図である。 固定子ユニットの正面図である。 可動子ユニットの一部切欠正面図である。
符号の説明
1 リニアモータ
2 アウタレール
3 上部壁
4,4 対向側壁
5 仕切壁
6 中空部
11 固定子ユニット
12 平板状ヨーク
21 可動子ユニット

Claims (2)

  1. 上部壁と該上部壁の左右両側から垂下する側壁とからなる断面略逆U字形のアウタレールと、ヨーク及び該ヨークに整列配置された複数のコイルからなり、前記アウタレール内において該アウタレールに固定された固定子ユニットと、複数の永久磁石を備え、前記固定子ユニットに対応して前記アウタレール内に移動可能に配設された可動子ユニットからなる磁石可動型リニアモータであって、
    前記固定子はそのヨークを平板状に形成し、
    また、前記アウタレールの上下方向中間位置には、該アウタレール内を上下に仕切る仕切壁を一体に形成し、それにより形成される中空部に固定子ユニットを収納固定したことを特徴とする磁石可動型リニアモータ
  2. 前記固定子ユニットが、前記アウタレールの上部壁と固定子ユニットのヨーク間に介装され、該固定子ユニットをアウタレールの仕切壁に押し付ける押し付け手段によりアウタレールの中空部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の磁石可動型リニアモータ。
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