JP2006166122A - 固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、各行毎に画素の撮像動作を遅延させることで、対数変換領域の電気信号を保持することができるメカシャッターを備えた固体撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 固体撮像装置2にマトリクス状に備えられた各画素が、各行毎に、埋込型フォトダイオードに光電荷を蓄積する動作を、メカシャッター1aの第1幕及び第2幕の移動状態に同期して行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 固体撮像装置2にマトリクス状に備えられた各画素が、各行毎に、埋込型フォトダイオードに光電荷を蓄積する動作を、メカシャッター1aの第1幕及び第2幕の移動状態に同期して行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、入射光に対する電気信号を出力する画素を備える固体撮像装置に関するもので、特に構成される各画素がトランジスタによって構成される固体撮像装置に関する。
種々の用途に供されている固体撮像装置は光電変換素子で発生した光電荷を読み出す(取り出す)手段によってCCD型とCMOS型に大きく分けられる。CCD型は光電荷をポテンシャルの井戸に蓄積しつつ、転送するようになっており、ダイナミックレンジが狭いという欠点がある。一方、CMOS型はフォトダイオードのpn接合容量に蓄積した電荷をMOSトランジスタを通して直接読み出すようになっていた。
又、従来のCMOS型の固体撮像素子として、入射光量に対して対数変換する対数変換動作を行うものがある(特許文献1参照)。この固体撮像素子においては、そのダイナミックレンジが5〜6桁と広いため、少々広い輝度範囲の輝度分布を構成する被写体を撮像しても、輝度分布内の全輝度情報を電気信号に変換して出力することができる。しかしながら、被写体の輝度分布に対してその撮像可能領域が広くなるので、撮像可能領域内の低輝度領域又は高輝度領域において、輝度データの無い領域ができてしまう。
これらに対して、本出願人は、上述の線形変換動作と対数変換動作とを切り換えることが可能なCMOS型の固体撮像装置を提案している(特許文献2参照)。又、本出願人は、このような線形変換動作と対数変換動作とが自動的に切り換えるために、光電変換動作を行うフォトダイオードに接続されたトランジスタのポテンシャル状態を適当な状態に設定するCMOS型の固体撮像装置を提案している(特許文献3参照)。この特許文献3による固体撮像装置は、トランジスタのポテンシャル状態を変更することにより、その光電変換動作が線形変換動作から対数変換動作に切りかわる変極点を切り換えることができる。
又、従来の固体撮像装置として、図16のような埋込型フォトダイオードPDが用いられた画素を備える固体撮像装置が提供されている。この図16の画素は、P型基板30上に形成されたP型ウェル層31に対してP型層20をその表面に形成してN型埋込層21を埋め込むことによって構成される埋込型フォトダイオードPDと、埋込型フォトダイオードPDが構成される領域に隣接する領域表面に絶縁膜22を介して構成されたゲート電極23を備える転送ゲートTGと、転送ゲートTGが構成される領域と隣接する領域に形成されるN型浮遊拡散層FDと、を備える。
この図16のような構成部分を備える画素において、転送ゲートTGにおけるポテンシャル状態を決定するゲート電極23でのゲート電圧を中間電位とすることで、入射光量に対して線形的に電気信号を変化させる線形変換動作と、入射光量に対して対数的に電気信号を変化させる対数変換動作とを、切り換えて動作させることができる。このとき、画素における埋込型フォトダイオードPD及び転送ゲートTG及びN型浮遊拡散層FDのポテンシャル状態の関係を、図17(a)に示す。
埋込型フォトダイオードPDに光が入射されると、光電荷が発生するために、発生した光電荷に応じて埋込型フォトダイオードPDのポテンシャルが上がる。ここで、被写体の輝度が低いとき、埋込型フォトダイオードPDに現れるポテンシャルが、入射光量の積分値に対して線形的に比例した値となる。又、被写体の輝度が高いとき、埋込型フォトダイオードPDのポテンシャルが高くなって転送ゲートTGのポテンシャルとの差が閾値に近づくと、制御ゲートTGがサブスレッショルド領域で動作し、埋込型フォトダイオードPDより電流が流れる。そして、図17(a)のように、埋込型フォトダイオードPDに現れるポテンシャルが光電変換で発生する電流の対数値に比例するように変化する。
そして、このように埋込型フォトダイオードPDのポテンシャルが入射光量に応じて変化すると、ゲート電極23のゲート電圧を低くすることによって、図17(b)のように、転送ゲートTGのポテンシャルを高くする。このようにすることで、埋込型フォトダイオードPDのポテンシャルが、図17(b)のように保持されることとなる。その後、この保持された埋込型フォトダイオードPDのポテンシャルによる電圧が、転送ゲートTGを通じて、N型浮遊拡散層FDに転送されるとともに、この転送された電圧による電気信号が画像信号として出力される。
上述のような構成の固体撮像装置を備える撮像装置において、機械式のフォーカルプレーンシャッター(以下、「メカシャッター」とする)を備えるものがある。このメカシャッターは、第1幕と第2幕とによって構成され、第1幕が降りてシャッターが開いた後、第2幕が下りてシャッターが閉じる。即ち、第1幕によりシャッターが開いてから第2幕によりシャッターが閉じられるまでの間、メカシャッターが開いた状態となり、固体撮像装置に露光される。このように、メカシャッターが用いられたとき、第1幕及び第2幕それぞれが固体撮像装置の前を1行目、2行目、…の順に移動する。
このとき、固体撮像装置に備えられる各画素が同時に撮像動作を行うため、各画素がn行m列のマトリクス状に配列されるとき、1行目を第1幕が通過する直前からn行目まで第2幕が通過する直後の間において、m×n個の全ての画素における転送ゲートTGのポテンシャルが中間電位とされる。即ち、全ての画素の転送ゲートTGのポテンシャルが中間電位とされた後、第1幕が固体撮像装置の1行目を通過して、メカシャッターが開き始める。そして、第1幕に遅れて第2幕が固体撮像装置を覆うように移動し、n行目の画素を第2幕が通過して、メカシャッターが閉じられると、転送ゲートTGのポテンシャルを高くして、各画素における埋込型フォトダイオードPDのポテンシャルを保持させる。
特開平11−313257号公報
特開2002−77733号公報
特開2002−300476号公報
このようなメカシャッターを用いた固体撮像装置に備えられる全画素を同時に撮像動作させたとき、メカシャッターを開いて露光開始してから転送ゲートTGのポテンシャルを高くして転送ゲートTGを閉じるまでの間、固体撮像装置の各行に配置される画素とメカシャッターの第1幕及び第2幕の移動する時間との関係が、図18のように表される。尚、図18において、直線La,Lbそれぞれが第1幕及び第2幕の移動状態を示すとともに、又、斜線領域が第1幕又は第2幕によって遮光された状態を示す時間を示す。
この図18のようにメカシャッターの第1幕及び第2幕が移動するため、固体撮像装置の各行の画素毎に、その露光時間がずれる。よって、固体撮像装置の上側の行に位置する画素については、第2幕が閉じて遮光されてからしばらくして、転送ゲートTGが閉じられることとなる。そのため、転送ゲートTGのポテンシャルが中間電位のままで遮光された状態となり、図17(c)のように、蓄積性のない対数変換領域で埋込型フォトダイオードPDより発生した光電荷が転送ゲートTGを超えてN型浮遊拡散層FDに流れてしまう。よって、固体撮像装置の上側の行に位置する画素は、転送ゲートTGを閉じたときには、線形変換領域で埋込型フォトダイオードPDで発生した光電荷のみしか残留しないこととなる。
このような問題を鑑みて、本発明は、各行毎に画素の撮像動作を遅延させることで、対数変換領域の電気信号を保持することができるメカシャッターを備えた固体撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、入射光量に応じた光電荷を発生して内部に蓄積する光電変換素子を有する画素がマトリクス状に配置された固体撮像装置と、当該固体撮像装置の前記画素への露光及び遮光を制御する機械的なシャッターとを備える撮像装置において、前記画素がそれぞれ、前記光電変換素子に隣接した領域に形成されるゲートを備えるとともに、制御電極及び第1電極及び第2電極を備え、前記ゲートを前記制御電極とするとともに前記光電変換素子を前記第1電極とするトランジスタを構成し、前記ゲートの電圧値を第1電圧値として、前記光電変換素子への入射光の少なくとも一部の輝度範囲に対して、前記トランジスタがサブスレッショルド領域で動作した後、前記ゲートの電圧値を前記第1電圧値から第2電圧値として、前記ゲートを非導通状態とすることで前記光電変換素子への入射光に応じた光電荷を保持し、前記画素における前記ゲートの電圧を前記第1電圧から前記第2電圧に切り換えるタイミングを、現在露光されている前記画素を通過する前記シャッターにより遮光されるタイミングに同期させることを特徴とする。
このように構成されるとき、前記画素それぞれが前記シャッターにより遮光された直後に前記ゲートの電圧を前記第1電圧から前記第2電圧に切り換えることで、対数変換領域の光電変換素子のポテンシャル状態を保持することができる。又、前記ゲートの電圧を前記第1電圧から前記第2電圧に切り換えるタイミングは、前記シャッターが等速度運動により遮光を行う場合は、各行毎に同一周期とする。又、前記シャッターが等加速度運動により遮光を行う場合は、各行毎に当該等加速度運動に応じた周期としても構わないし、各行毎に当該等加速度運動に近似させた周期としても構わない。
このような撮像装置において、前記画素が、前記ゲートが転送ゲートであるとともに、該転送ゲートを介して前記光電変換素子より転送される電荷を蓄積する浮遊拡散層を備え、前記転送ゲートの電圧値を前記第2電圧値から第3電圧値として、前記転送ゲートを導通状態とすることで前記光電変換素子に保持された光電荷を前記浮遊拡散層に転送し、該浮遊拡散層に転送した光電荷に応じた電気信号を画像信号として出力するものとしても構わない。
このとき、前記画素が、前記浮遊拡散層をリセットするリセットゲートを備えるとともに、前記転送ゲートの電圧値を前記第2電圧値として前記光電変換素子の入射光に応じた光電荷を保持したとき、前記リセットゲートを導通させることによって前記浮遊拡散層をリセットして、当該浮遊拡散層をリセットしたときの電気信号をノイズ信号として出力した後、前記転送ゲートの電圧値を前記第2電圧値から第3電圧値として、前記転送ゲートを導通状態とすることで前記光電変換素子に保持された光電荷を前記浮遊拡散層に転送し、該浮遊拡散層に転送した光電荷に応じた電気信号を画像信号として出力するものとしても構わない。
又、前記画素が、前記ゲートが前記光電変換素子をリセットするリセットゲートであるとともに、前記リセットゲートの電圧値を前記第2電圧値としたとき、前記光電変換素子に保持した光電荷に応じた電気信号を画像信号として出力した後、前記リセットゲートの電圧値を前記第2電圧値から第3電圧値として、前記リセットゲートを導通状態とすることで前記光電変換素子をリセットし、当該光電変換素子をリセットしたときの電気信号をノイズ信号として出力するものとしても構わない。
上述の撮像装置において、前記画素における前記ゲートの電圧を前記第1電圧から前記第2電圧に切り換えるタイミングが、1行毎又は複数行毎に設定されるものとしても構わない。又、上述の撮像装置それぞれにおいて、前記画素での撮像動作を垂直ブランク期間で行うものとしても構わないし、更に、前記画素からの信号の読み出し動作を水平ブランク期間で行うものとしても構わない。
本発明によると、埋込型フォトダイオードにおける光電荷の保持動作をシャッターの動作に同期させて行うことによって、トランジスタがサブスレッショルド領域で動作する輝度範囲における光電荷が流出してしまうことを防ぐことができる。よって、全輝度範囲における光電荷の保持を確実に行うことができる。又、リセットゲートを備えるとともに、ノイズ信号と画像信号とを読み出すようにすることで、ノイズ信号に基づいて画像信号の補正処理を行うことによる各画素における感度バラツキを抑制することができる。更に、リセットゲートと転送ゲートとを備えるとともに、ノイズ信号を読み出した後に画像信号を読み出すものとすることで、リセット動作などが原因となるKTCノイズを確実に除去することができ、各画素の感度バラツキを更に抑制することができる。
本発明の実施形態について、以下に、図面を参照して説明する。
<撮像装置の構成>
本実施形態の撮像装置は、図1に示すように、複数のレンズから構成される光学系1と、光学系1への露光時間を決定するメカシャッター1aと、光学系1を通じて入射される光の入射光量を電気信号に変換して画像信号として出力する固体撮像装置2と、固体撮像装置2から出力される画像信号をデジタル信号に変換するA/D変換部3と、A/D変換部3でデジタル信号に変換された画像信号に対して各種画像処理を施す画像処理部4と、固体撮像装置2における各信号の電圧値の制御を行う信号制御部5と、を備える。
本実施形態の撮像装置は、図1に示すように、複数のレンズから構成される光学系1と、光学系1への露光時間を決定するメカシャッター1aと、光学系1を通じて入射される光の入射光量を電気信号に変換して画像信号として出力する固体撮像装置2と、固体撮像装置2から出力される画像信号をデジタル信号に変換するA/D変換部3と、A/D変換部3でデジタル信号に変換された画像信号に対して各種画像処理を施す画像処理部4と、固体撮像装置2における各信号の電圧値の制御を行う信号制御部5と、を備える。
このように構成される撮像装置において、メカシャッター1aが開くことによって、光学系1を通じて固体撮像装置2に被写体からの光が入射される。そして、固体撮像装置2が撮像動作を行うことで得られた画像信号がA/D変換部3に出力されて、デジタル信号に変換される。このように動作するとき、固体撮像装置2には、信号制御部5より各信号が与えられることで、固体撮像装置2内の水平走査回路及び垂直走査回路が動作することで、各画素の画像信号が順にA/D変換部3に出力される。このA/D変換部3でデジタル信号に変換された画像信号が画像処理部4に与えられて、エッジ強調処理やホワイトバランス処理などの画像処理が施される。
<固体撮像装置の構成>
まず、本実施形態の固体撮像装置について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態である二次元のMOS型固体撮像装置(以下、「エリアセンサ」とする)の一部の構成を概略的に示している。
まず、本実施形態の固体撮像装置について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態である二次元のMOS型固体撮像装置(以下、「エリアセンサ」とする)の一部の構成を概略的に示している。
図2において、G11〜Gmnは行列配置(マトリクス配置)された画素を示している。11は垂直走査回路であり、各画素に信号φVを与える行(ライン)13−1、13−2、・・・、13−nを順次走査していく。12は水平走査回路であり、画素から出力信号線14−1、14−2、・・・、14−mに導出された光電変換信号を画素ごとに水平方向に順次読み出す。15は電源ラインである。各画素に対し、上記ライン13−1〜13−nや出力信号線14−1〜14−m、電源ライン15だけでなく、他のライン(例えば、クロックラインやバイアス供給ライン等)も接続されるが、図2ではこれらについて省略する。
又、出力信号線14−1〜14−mのそれぞれには、定電流源16−1〜16−mが接続されるとともに、出力信号線14−1〜14−mのそれぞれを介して与えられる画素G11〜Gmnから与えられる画像信号とノイズ信号をサンプルホールドする選択回路17−1〜17−mが設けられる。そして、補正回路18に選択回路17−1〜17−mから画像信号及びノイズ信号が順に送出されると、この補正回路18で補正処理が行われて、ノイズ除去された画像信号が外部に出力される。尚、定電流源16−1〜16−mの一端に直流電圧VPSが印加される。
このような固体撮像装置2において、画素Gab(a:1≦a≦mの自然数、b:1≦b≦nの自然数)からの出力となる画像信号及びノイズ信号が、それぞれ、出力信号線14−aを介して出力されるとともに、この出力信号線14−aに接続された定電流源17−aによって増幅される。そして、画素Gabから出力された画像信号及びノイズ信号が順番に選択回路17−aに送出されるとともに、この選択回路17−aにおいて、送出された画像信号及びノイズ信号がサンプルホールドされる。
その後、選択回路17−aより、サンプルホールドされた画像信号が補正回路18に送出された後、同じくサンプルホールドされたノイズ信号が補正回路18に送出される。補正回路18では、選択回路17−aより与えられた画像信号を、同じく選択回路17−aより与えられたノイズ信号に基づいて補正処理して、ノイズ除去した画像信号を外部に出力する。尚、選択回路17−1〜17−m及び補正回路18それぞれの構成の一例として、本出願人が特開平2001−223948号公報において提示した構成などが挙げられる。又、選択回路17−1〜17−mの構成位置に、補正回路を設けるようにしても構わない。
又、このような固体撮像装置2に対して、信号制御部5より垂直走査回路11に信号φVS,φV1,φV2が与えられる。この信号φVS,φV1,φV2が動作することにより、各行の画素の転送ゲートを閉じるタイミングが設定される信号が垂直走査回路11から出力される。又、信号制御部5から他の信号が垂直走査回路11に与えられることにより、画素G11〜Gmnが撮像動作を開始するタイミングと画像信号及びノイズ信号の出力タイミングとを設定するための信号が垂直走査回路11より出力される。更に、信号制御部5から水平走査回路12に信号が与えられることにより、選択回路17−1〜17−mから画像信号及びノイズ信号が補正回路18に出力されるタイミングを設定するための信号が水平走査回路12より出力される。
尚、上述した構成及び動作は、以下に示す各実施形態で共通の構成及び動作である。よって、以下の各実施形態では、固体撮像装置2に備えられる画素G11〜Gmnの構成と、固体撮像装置2における動作とを説明する。
<第1の実施形態>
図2に示した構成の固体撮像装置2内に設けられる画素に適用される第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図3は、本実施形態における固体撮像装置の画素の構成を示す回路図であり、又、図4は、図3に示す画素の光電変換部分における各素子の構成を示す断面図である。尚、図4の構成において、図16の画素構成と同一の部分及び素子については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図2に示した構成の固体撮像装置2内に設けられる画素に適用される第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図3は、本実施形態における固体撮像装置の画素の構成を示す回路図であり、又、図4は、図3に示す画素の光電変換部分における各素子の構成を示す断面図である。尚、図4の構成において、図16の画素構成と同一の部分及び素子については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図3に示す画素は、感光素子として働く埋込型フォトダイオードPDと、埋込型フォトダイオードPDのアノードにソースが接続されるMOSトランジスタT1と、MOSトランジスタT1のドレインにソースが接続されたMOSトランジスタT2と、MOSトランジスタT1のドレイン及びMOSトランジスタT2のソースの接続ノードにゲートが接続されるMOSトランジスタT3と、MOSトランジスタT3のソースにドレインが接続されたMOSトランジスタT4と、を備える。このMOSトランジスタT1〜T4は、NチャネルのMOSトランジスタである。
そして、フォトダイオードPDのカソード及びMOSトランジスタT1〜T4のバックゲートに直流電圧VPSが印加されるとともに、MOSトランジスタT1,T3のドレインに直流電圧VPDが印加される。又、MOSトランジスタT1,T2,T4のゲートに信号φTX,φRS,φVが入力される。更に、MOSトランジスタT4のソースに出力信号線14(図1の出力信号線14−1〜14−mに相当する)が接続される。
このように構成される画素は、図4に示すように、図16と同様の構成の埋込型フォトダイオードPD及び転送ゲートTG及びN型浮遊拡散層FDを備えるとともに、リセットゲートRG及びN型拡散層Dをも備えた構成となる。即ち、P型ウェル層31とP型層20とN型埋込層21とから構成される埋込型フォトダイオードPDと、埋込型フォトダイオードPDが構成される領域に隣接する領域表面に絶縁膜22を介して構成されたゲート電極23を備える転送ゲートTGと、転送ゲートTGが構成される領域と隣接する領域に形成されるN型浮遊拡散層FDと、N型浮遊拡散層FDに隣接する領域表面に絶縁膜24を介して構成されたゲート電極25を備えるリセットゲートRGと、リセットゲートRGが構成される領域と隣接する領域に形成されるN型拡散層Dと、を備える。
このとき、埋込型フォトダイオードPDにおいて、N型埋込層21の表面に高濃度のP型層20が形成される。又、N型埋込層21とN型浮遊拡散層FDと転送ゲートTGとによってMOSトランジスタT1が構成されるとともに、N型浮遊拡散層FD及びN型拡散層Dと転送ゲートRGとによってMOSトランジスタT2が構成される。そして、このように埋込型フォトダイオードPDを画素内に構成することで、P型層20の表面における電位が、この埋込型フォトダイオードPD周囲のP型層より成るチャンネルストッパ層と同一の電位に固定される。そして、N型浮遊拡散層FDにMOSトランジスタT3のゲートが接続される。
本実施形態における固体撮像装置2を構成する各画素において、転送ゲートTGに与える信号φTXが、3値の電圧値VH,VM,VL(VH>VM>VL)の間で変化させる信号である。このとき、信号φTXの電圧値VMを適切な値に設定することで、MOSトランジスタT1に、埋込型フォトダイオードPDにより発生する光電荷量がある値より大きくなるときに、サブスレッショルド領域で動作させることができ、入射光量に応じて光電変換動作を線形変換動作と対数変換動作とに切りかわるようにすることができる。又、信号φTXの電圧値VMを変化させることで、埋込型フォトダイオードPDとMOSトランジスタT1とによる光電変換動作が線形変換動作から対数変換動作に切りかわる変極点を切り換えることができる。以下に、本実施形態の固体撮像装置における画素の動作を説明する。
図3及び図4のような構成の画素の動作について、図5〜図8を参照して説明する。図5は、本実施形態の固体撮像装置2の動作を説明するための各信号の状態とメカシャッター1aの状態とを示すタイミングチャートである。又、図6〜図8は、本実施形態の画素における各チャンネルのポテンシャル状態を示す図である。尚、固体撮像装置2に備えられた画素G11〜Gmnに対して垂直走査回路11から各行毎に与えられる信号φTXを、信号φTX1〜φTXnとする。即ち、信号φTX1が画素G11〜Gm1に、信号φTX2が画素G12〜Gm2に、…、信号φTXnが画素G1n〜Gmnに、それぞれ与えられる。又、信号φTX1〜φTXnは、垂直走査回路11に入力される信号φVSがハイとされた後、同様に垂直走査回路11に入力されるパルス信号φV1,φV2の入力回数に応じて、その電圧がVMからVLに切り替わる。
即ち、パルス信号φV1,φV2それぞれが1回ずつ入力されると、信号φTX1の電圧がVMからVLに切り替わり、そして、更にパルス信号φV1,φV2が1回ずつ入力されて、パルス信号φV1,φV2それぞれが2回ずつ入力されると、信号φTX2の電圧がVMからVLに切り替わる。このようにして、パルス信号φV1,φV2が1回ずつ入力される毎に、信号φTX1,φTX2,…,φTXnの電圧が順番に、VMからVLに切り替わる。
この垂直走査回路11から信号が与えられて動作する画素G11〜Gmnにおいて、まず、図5(a)によって全画素を垂直ブランク期間で同時に撮像動作させる際の各信号の変遷について説明する。図5(a)には、垂直走査回路11に入力される信号φVS,φV1,φV2の変遷及びメカシャッター1aの開閉動作についても示す。このとき、まず、垂直走査回路11から各行の画素に与えられる信号φRSがローとされるとともに、信号φTX1〜φTXn全てをローとする。よって、画素G11〜GmnそれぞれのMOSトランジスタT1,T2をOFFとする。このとき、メカシャッター1aを閉じた状態とする。
その後、信号φRSを同時にハイとして、全ての画素G11〜GmnにおけるリセットゲートRGのポテンシャルを図6(a)のように低くした後、送信号φTX1〜φTXnの電圧値を同時にVHとして、全ての画素G11〜Gmnにおける転送ゲートTGのポテンシャルを図6(b)のように低くする。このようにすることで、画素G11〜GmnそれぞれのN型浮遊拡散層FD及び埋込型フォトダイオードPDそれぞれの初期化を行う。そして、信号φTX1〜φTXnの電圧値を同時にVMとして、画素G11〜Gmnそれぞれにおいて、埋込型フォトダイオードPD、N型浮遊拡散層FD、転送ゲートTG及びリセットゲートRGそれぞれのポテンシャル状態を図6(c)のような関係にするとともにメカシャッター1aを開く。
このとき、まず、メカシャッター1aの第1幕が固体撮像装置2の1行目から順番に移動していくことで、メカシャッター1aが固体撮像装置2の1行目から順番に開いて、画素G11〜Gm1,G12〜Gm2,…,G1n〜Gmnの順に露光が開始する。そして、メカシャッター1aの第2幕が固体撮像装置2の1行目から順番に移動していくことで、メカシャッター1aが固体撮像装置2の1行目から順番に閉じて、画素G11〜Gm1,G12〜Gm2,…,G1n〜Gmnの順に露光が終了する。尚、図5のタイミングチャートにおいては、メカシャッター1aの第1幕が1行目の画素G11〜Gm1を通過する直前から、メカシャッター1aの第2幕がn行目の画素G11〜Gm1を通過した直後までを、メカシャッター1aが開いた状態であるものとして示す。
このようにして、メカシャッター1aを開いて固体撮像装置2の1行目から順に露光動作が開始されると、垂直走査回路11にハイとなる信号φVSが入力された後、ハイとなるパルス信号φV1,φV2が交互に垂直走査回路11に入力される。このとき、垂直走査回路11内には、信号φVSが入力されるとともに各行の画素に与える信号φTX1〜φTXnの電圧をVMからVLに切り換えるための信号を出力するシフトレジスタが構成されている。
このシフトレジスタは、図9のように、1行目の信号φTX1の電圧値を切り換えるために、信号φVSが入力されるととともに信号φV1によってスイッチング動作を行うスイッチS1−1と、スイッチS1−1を介して与えられる信号をバッファするインバータI1−1と、インバータI1−1の出力側と接続されるととともに信号φV2によってスイッチング動作を行うスイッチS2−1と、スイッチS2−1を介して与えられる信号をバッファするインバータI2−1と、を備える。
このように構成されるとき、信号φVSがハイとなった後にハイとなる信号φV1が与えられると、スイッチS1−1がONとなってインバータI1−1にハイとなるパルス信号φVSが入力されるため、インバータI1−1の出力側がローとなる。その後、ハイとなるパルス信号φV2がスイッチS2−1に与えられると、インバータI1−1からのローとなる出力がインバータI2−1に入力されるため、インバータI2−1からの出力がハイとなり、1行目の画素G11〜Gm1に与える信号φTX1の電圧値をVLとする。
又、このインバータI2−1の出力側とスイッチS1−2が接続されるとともに、スイッチS1−1,S2−1及びインバータI1−1,I2−1と同様にスイッチS1−2,S2−2とインバータI1−2,I2−2とが交互に接続されることで、インバータI2−2から出力される信号に基づいて、2行目の信号φTX2の電圧値が切り換えられる。即ち、インバータI2−1の出力がハイとなった後に、ハイとなるパルス信号φV1,φV2が与えられて、インバータI2−2からの出力がハイとなるとき、2行目の画素G12〜Gm2に与える信号φTX2の電圧値をVLとする。
このように、垂直走査回路11では、信号φTXx(x:1≦x≦nの自然数)の電圧値をVMからVLに切り換えるための信号を出力するために、スイッチS1−xとインバータI1−xとスイッチS2−xとインバータI2−xのように、スイッチとインバータが交互に接続されたシフトレジスタが構成される。そして、各行毎に構成されたシフトレジスタの入力側に前の行のシフトレジスタの出力側が接続されることで、各行毎の信号φTX1〜φTXnの電圧値が順番にVMからVLに切り換えられる。
よって、メカシャッター1aが開いた後、垂直走査回路11に入力される信号φVSがハイとされるとともに、ハイとなるパルス信号φV1,φV2が交互にn回ずつ垂直走査回路11に入力される。このとき、1回目のハイとなるパルス信号φV2が入力されたとき、図9の構成のシフトレジスタにおけるインバータI2−1の出力がハイとなるため、画素G11〜Gm1に与えられる信号φTX1の電圧値がVMからVLとされる。このように動作することで、図10のタイミングチャートに示すように、信号φTX1の電圧値がVMとされた状態で、メカシャッター1aの第1幕が画素G11〜Gm1を通過して露光が開始された後、メカシャッター1aの第2幕が画素G11〜Gm1を通過して遮光されるとともに、信号φTX1の電圧値がVMからVLとされる。尚、図10は、各行における、メカシャッター1aの第1幕が通過したときからメカシャッター1aの第2幕が通過するまでの露光時間と、信号φTXとの関係を示す。
そして、同様に、2回目のハイとなるパルス信号φV2が入力されたとき、図9の構成のシフトレジスタにおけるインバータI2−2の出力がハイとなるため、画素G12〜Gm2に与えられる信号φTX2の電圧値がVMからVLとされる。このように動作することで、図10のタイミングチャートに示すように、信号φTX2の電圧値がVMとされた状態で、メカシャッター1aの第1幕が画素G12〜Gm2を通過して露光が開始された後、メカシャッター1aの第2幕が画素G12〜Gm2を通過して遮光されるとともに、信号φTX2の電圧値がVMからVLとされる。このとき、信号φVSがハイのままであり、図9の構成のシフトレジスタにおけるインバータI2−1の出力がハイのままとなるため、インバータI2−1,I2−2の出力がハイとなり、画素G11〜Gm1,G12〜Gm2に与えられる信号φTX1,φTX2の電圧値がVLとなる。
その後、ハイとなるパルス信号φV1,φV2が繰り返し与えられることで、x回目のハイとなるパルス信号φV2が入力されたとき、図9の構成のシフトレジスタにおけるインバータI2−1,I2−2,…,I2−xの出力がハイとなるため、画素G11〜Gm1,G12〜Gm2,…,G1x〜Gmxに与えられる信号φTX1,φTX2,…,φTXxの電圧値がVLとされる。よって、信号φTXxの電圧値がVMとされた状態で、メカシャッター1aの第1幕が画素G1x〜Gmxを通過して露光が開始された後、メカシャッター1aの第2幕が画素G1x〜Gmxを通過して遮光されるとともに、信号φTXxの電圧値がVMからVLとされる。
このように、メカシャッター1aの第2幕が通過して遮光されるタイミングに応じて、各行の画素G11〜Gm1,G12〜Gm2,…,G1n〜Gmnに与える信号φTX1,φTX2,…,φTXnの電圧値を順番にVMからVLに切り換える。このとき、x行目の画素G1x〜Gmxそれぞれでは、メカシャッター1aの第1幕が通過して外部から光が入射されると、埋込型フォトダイオードPDでの露光動作が開始する。ここで、被写体の輝度が低いとき、埋込型フォトダイオードPDに光電荷が蓄積されて、図7(a)のように、埋込型フォトダイオードPDのポテンシャルが入射光量の積分値に対して線形的に変化する。又、被写体の輝度が高いとき、埋込型フォトダイオードPDのポテンシャルが高くなって転送ゲートTGのポテンシャルとの差が閾値に近づくと、図7(b)のように、転送ゲートTGを含むMOSトランジスタT1がサブスレッショルド領域で動作し、電流が流れる。よって、埋込型フォトダイオードPDに現れるポテンシャルが光電変換で発生する電流の対数値に比例するように変化する。
このようにして露光動作が行われた後に所定期間が経過すると、メカシャッター1aの第2幕が通過して遮光されるととともに信号φTXxがVLとなるため、図7(c)のように、転送ゲートTGのポテンシャルが高くなり、埋込型フォトダイオードPDにおいて光電変換で発生した光電荷によるポテンシャルが埋込型フォトダイオードPDで保持される。このとき、各行毎に転送ゲートTGが閉じられるため、メカシャッター1aによって遮光されると同時に転送ゲートTGが閉じられる。よって、転送ゲートTGが閉じられたときに、埋込型フォトダイオードPDが対数変換動作を行うことで得られたポテンシャルについても保持することができる。
このようにして、メカシャッター1aが開いているときに、画素G11〜Gmnにおいて、1行目から順番に転送ゲートTGを閉じていくことにより、露光終了直前のポテンシャル状態を埋込型フォトダイオードPDに保持することができる。そして、垂直ブランク期間で全画素の撮像動作が行われると、固体撮像装置2の各行毎に与える信号φTX1〜φTXn、φRS、φVを水平ブランク期間毎に図5(b)のように変遷することで、画像信号とノイズ信号が各行毎に順次出力される。尚、図5(b)には、x行目の画素G1x〜Gmxに対する信号φTXx、φRS、φVの関係を示す。
このとき、まず、信号φRSをローとして、図8(a)のように、リセットゲートRGのポテンシャルを高くする。その後、信号φTXxの電圧値をVLとしたままの状態で、ハイとなるパルス信号φVをMOSトランジスタT4のゲートに与えてノイズ信号を出力する。よって、画素G1x〜Gmxそれぞれのノイズ信号が、出力信号線14−1〜14−mを介して選択回路17−1〜17−mに出力される。そして、
次に、信号φTXxの電圧値をVHとして、図8(b)のように、転送ゲートTGのポテンシャルを低くすることで、N型浮遊拡散層FDのポテンシャルを入射光量に応じたポテンシャルに変化させる。その後、信号φTXxの電圧値をVLとして、図8(c)のように、転送ゲートTGのポテンシャルを高くすることで、N型浮遊拡散層FDに入射光量に応じたポテンシャルを保持させる。このようにN型浮遊拡散層FDに入射光量に応じたポテンシャルを保持させると、ハイとなるパルス信号φVをMOSトランジスタT4のゲートに与えて画像信号を出力する。よって、画素G1x〜Gmxそれぞれの画像信号が、出力信号線14−1〜14−mを介して選択回路17−1〜17−mに出力される。
<第2の実施形態>
図2に示した構成の固体撮像装置2内に設けられる画素に適用される第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図11は、本実施形態における固体撮像装置の画素の構成を示す回路図であり、又、図12は、図11に示す画素の光電変換部分における各素子の構成を示す断面図である。尚、図11及び図12それぞれの構成において、図3及び図4の画素構成と同一の部分及び素子については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図2に示した構成の固体撮像装置2内に設けられる画素に適用される第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図11は、本実施形態における固体撮像装置の画素の構成を示す回路図であり、又、図12は、図11に示す画素の光電変換部分における各素子の構成を示す断面図である。尚、図11及び図12それぞれの構成において、図3及び図4の画素構成と同一の部分及び素子については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図11に示す画素は、図3に示す画素の構成からMOSトランジスタT1を省いた構成とされるとともに、MOSトランジスタT2のゲートに信号φRSが入力される。尚、このようにMOSトランジスタT2のゲートに入力される信号φRSは、第1の実施形態における信号φTXと同様、VH、VM、VLの3値で変化するものであり、各行ごとに信号φRS1〜φRSnが与えられる。そして、この各行に与えられる信号φRS1〜φRSnの電圧値がVMからVLに切り換えられるとき、図9のような構成のシフトレジスタからの出力に従って動作する。
又、埋め込み型フォトダイオードPDの代わりにフォトダイオードPD1とされ、MOSトランジスタT2のソースとフォトダイオードPD1のアノードとの接続ノードにMOSトランジスタT3が接続された構成となる。よって、図12に示すように、図4の構成からMOSトランジスタT1を構成するN型浮遊拡散層FDと転送ゲートTGとが省略されることで、フォトダイオードPD1を構成するためのN型埋込層21に隣接する領域に絶縁膜24を介して構成されたゲート電極25を備えるリセットゲートRGが形成される。又、N型埋込層21の表面に形成されるP型層21も除去され、N型埋込層21とP型ウェル層31とによってフォトダイオードPD1が構成される。更に、N型埋込層21とN型拡散層DとリセットゲートRGとによってMOSトランジスタT2が構成されるとともに、N型埋込層21にMOSトランジスタT3のゲートが接続される。
このように画素G11〜Gmnが構成されるとき、MOSトランジスタT2を構成するリセットゲートRGが、第1の実施形態におけるMOSトランジスタT1を構成する転送ゲートTGと類似した役割を果たす。即ち、リセットゲートRGに与えられる信号φRSの電圧値がVMとなるとき、フォトダイオードPD1において、入射光量に応じて線形変換動作と対数変換動作とに切りかわる光電変換動作を行う。そして、リセットゲートRGに与えられる信号φRSの電圧値をVLとすることで、光電変換動作によって得られたポテンシャル電圧を埋込型フォトダイオードPDに保持する。
以下に、この図11及び図12のような構成の画素の動作について、図13〜図15を参照して説明する。図13は、本実施形態の固体撮像装置2の動作を説明するための各信号の状態とメカシャッター1aの状態とを示すタイミングチャートである。又、図14及び図15は、本実施形態の画素における各チャンネルのポテンシャル状態を示す図である。尚、第1の実施形態と同様、固体撮像装置2に備えられた画素G11〜Gmnに対して垂直走査回路11から各行毎に与えられる信号φRSを、上述したように、信号φRS1〜φRSnとする。
この垂直走査回路11から信号が与えられて動作する画素G11〜Gmnにおいて、まず、図13(a)によって全画素を垂直ブランク期間で同時に撮像動作させる際の各信号の変遷について説明する。図13(a)には、垂直走査回路11に入力される信号φVS,φV1,φV2の変遷及びメカシャッター1aの開閉動作についても示す。このとき、まず、垂直走査回路11から各行の画素に与えられる信号φRS1〜φRSn全ての電圧値をVHとして、画素G11〜GmnそれぞれのMOSトランジスタT2をONとする。このとき、メカシャッター1aを閉じた状態とする。
その後、信号φRS1〜φRSn全ての電圧値を同時にVMとして、全ての画素G11〜GmnにおけるフォトダイオードPD1及びリセットゲートRGそれぞれのポテンシャル状態を図14(a)のような関係にするとともにメカシャッター1aを開く。このとき、まず、メカシャッター1aの第1幕が固体撮像装置2の1行目から順番に移動していくことで、画素G11〜Gm1,G12〜Gm2,…,G1n〜Gmnの順に露光が開始するとともに、メカシャッター2aの第2幕が固体撮像装置2の1行目から順番に移動していくことで、画素G11〜Gm1,G12〜Gm2,…,G1n〜Gmnの順に露光が終了する。
このようにして、メカシャッター1aが開いた後、垂直走査回路11に入力される信号φVSがハイとされるとともに、ハイとなるパルス信号φV1,φV2が交互にn回ずつ垂直走査回路11に入力される。よって、パルス信号φV2が与えられるたびに、信号φRS1,φRS2,…,φRSnが順に、その電圧値がVMからVLに切り替わる。即ち、メカシャッター1aの第2幕が通過して遮光されるタイミングに応じて、各行の画素G11〜Gm1,G12〜Gm2,…,G1n〜Gmnに与える信号φRS1,φRS2,…,φRSnの電圧値を順番にVMからVLに切り換える。
このとき、x行目の画素G1x〜Gmxそれぞれでは、メカシャッター1aの第1幕が通過して外部から光が入射されると、フォトダイオードPD1での露光動作が開始する。ここで、被写体の輝度が低いとき、フォトダイオードPD1に光電荷が蓄積されて、図14(b)のように、フォトダイオードPD1のポテンシャルが入射光量の積分値に対して線形的に変化する。又、被写体の輝度が高いとき、図14(c)のように、リセットゲートRGを含むMOSトランジスタT2がサブスレッショルド領域で動作して、フォトダイオードPD1に現れるポテンシャルが光電変換で発生する電流の対数値に比例するように変化する。
このようにして露光動作が行われた後に所定期間が経過すると、メカシャッター1aの第2幕が通過して遮光されるとともに、信号φRSxがVLとなるため、図15(a)のように、リセットゲートRGのポテンシャルが低くなり、フォトダイオードPD1で発生した光電荷によるポテンシャルが保持される。このとき、メカシャッター1aによって遮光されると同時にリセットゲートRGが閉じられることで、露光終了直前のポテンシャル状態をフォトダイオードPD1に保持する。
そして、垂直ブランク期間で全画素の撮像動作が行われると、固体撮像装置2の各行毎に与える信号φRS1〜φRSn、φVを水平ブランク期間毎に図13(b)のように変遷することで、画像信号とノイズ信号が各行毎に順次出力される。尚、図13(b)には、x行目の画素G1x〜Gmxに対する信号φRSx、φVの関係を示す。このとき、まず、図15(a)のように、信号φRSxの電圧値をVLのままとして、ハイとなるパルス信号φVをMOSトランジスタT4のゲートに与えて、画素G1x〜Gmxそれぞれの画像信号を、出力信号線14−1〜14−mを介して選択回路17−1〜17−mに出力する。
その後、信号φRSxの電圧値をVHとして、MOSトランジスタT2をONとすることで、図15(b)のように、リセットゲートRGのポテンシャルを低くすることで、フォトダイオードPD1のポテンシャル状態を初期化する。そして、ハイとなるパルス信号φVをMOSトランジスタT4のゲートに与えて、初期化後のフォトダイオードPD1のポテンシャル状態に応じた電圧信号を、画素G1x〜Gmxそれぞれのノイズ信号として、出力信号線14−1〜14−mを介して選択回路17−1〜17−mに出力する。
尚、上述の各実施形態において、MOSトランジスタT1〜T4それぞれをNチャネルのMOSトランジスタによって構成されるものとした。このように、MOSトランジスタT1〜T4それぞれがNチャネルのMOSトランジスタで構成されるとき、P型ウェル層又はP型サブストレートに構成される。又、各実施形態において、MOSトランジスタT1、T2をNチャネルのMOSトランジスタに構成するとともに、MOSトランジスタT3、T4をPチャネルのMOSトランジスタに構成するものとしても構わない。
上述の各実施形態において、メカシャッター1aが加速度運動によって開閉動作が行われるとき、垂直走査回路11に与えられるパルス信号φV1,φV2の周期を一定にするものとしても構わない。又、メカシャッター1aが等加速度運動によって開閉動作が行われるとき、垂直走査回路11に与えられるパルス信号φV1,φV2の周期が、メカシャッター1aの等加速度運動に合うように変化させるものとしても構わない。このとき、メカシャッター1aが等加速度運動によって開閉動作が行われるとき、垂直走査回路11に与えられるパルス信号φV1,φV2の各周期を、メカシャッター1aの等加速度運動に近似させた期間で設定するものとしても構わない。
更に、上述の各実施形態において、メカシャッター1aの開閉動作に応じて1行毎に転送ゲートTG又はリセットゲートRGが閉じられるものとしたが、複数行毎に転送ゲートTG又はリセットゲートRGが閉じられるものとしても構わない。
1 光学系
1a シャッター
2 固体撮像装置
3 A/D変換部
4 画像処理部
5 信号制御部
13−1〜13−n ライン
14−1〜14−m 出力信号線
15 電源ライン
16−1〜16−m 定電流源
17−1〜17−m 選択回路
18 補正回路
20 P型層
21 N型埋込層
22,24 絶縁膜
23,25 ゲート電極
30 P型基板
31 P型ウェル層
FD N型浮遊拡散層
D N型拡散層
PD 埋込型フォトダイオード
T1〜T4 MOSトランジスタ
TG 転送ゲート
RG リセットゲート
1a シャッター
2 固体撮像装置
3 A/D変換部
4 画像処理部
5 信号制御部
13−1〜13−n ライン
14−1〜14−m 出力信号線
15 電源ライン
16−1〜16−m 定電流源
17−1〜17−m 選択回路
18 補正回路
20 P型層
21 N型埋込層
22,24 絶縁膜
23,25 ゲート電極
30 P型基板
31 P型ウェル層
FD N型浮遊拡散層
D N型拡散層
PD 埋込型フォトダイオード
T1〜T4 MOSトランジスタ
TG 転送ゲート
RG リセットゲート
Claims (5)
- 入射光量に応じた光電荷を発生して内部に蓄積する光電変換素子を有する画素がマトリクス状に配置された固体撮像装置と、当該固体撮像装置の前記画素への露光及び遮光を制御する機械的なシャッターとを備える撮像装置において、
前記画素がそれぞれ、
前記光電変換素子に隣接した領域に形成されるゲートを備えるとともに、
制御電極及び第1電極及び第2電極を備え、前記ゲートを前記制御電極とするとともに前記光電変換素子を前記第1電極とするトランジスタを構成し、
前記ゲートの電圧値を第1電圧値として、前記光電変換素子への入射光の少なくとも一部の輝度範囲に対して、前記トランジスタがサブスレッショルド領域で動作した後、前記ゲートの電圧値を前記第1電圧値から第2電圧値として、前記ゲートを非導通状態とすることで前記光電変換素子への入射光に応じた光電荷を保持し、
前記画素における前記ゲートの電圧を前記第1電圧から前記第2電圧に切り換えるタイミングを、現在露光されている前記画素を通過する前記シャッターにより遮光されるタイミングに同期させることを特徴とする撮像装置。 - 前記画素が、前記ゲートが転送ゲートであるとともに、該転送ゲートを介して前記光電変換素子より転送される電荷を蓄積する浮遊拡散層を備え、
前記転送ゲートの電圧値を前記第2電圧値から第3電圧値として、前記転送ゲートを導通状態とすることで前記光電変換素子に保持された光電荷を前記浮遊拡散層に転送し、該浮遊拡散層に転送した光電荷に応じた電気信号を画像信号として出力することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記画素が、前記浮遊拡散層をリセットするリセットゲートを備えるとともに、
前記転送ゲートの電圧値を前記第2電圧値として前記光電変換素子の入射光に応じた光電荷を保持したとき、
前記リセットゲートを導通させることによって前記浮遊拡散層をリセットして、当該浮遊拡散層をリセットしたときの電気信号をノイズ信号として出力した後、
前記転送ゲートの電圧値を前記第2電圧値から第3電圧値として、前記転送ゲートを導通状態とすることで前記光電変換素子に保持された光電荷を前記浮遊拡散層に転送し、該浮遊拡散層に転送した光電荷に応じた電気信号を画像信号として出力することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記画素が、前記ゲートが前記光電変換素子をリセットするリセットゲートであるとともに、
前記リセットゲートの電圧値を前記第2電圧値としたとき、
前記光電変換素子に保持した光電荷に応じた電気信号を画像信号として出力した後、
前記リセットゲートの電圧値を前記第2電圧値から第3電圧値として、前記リセットゲートを導通状態とすることで前記光電変換素子をリセットし、当該光電変換素子をリセットしたときの電気信号をノイズ信号として出力することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記画素における前記ゲートの電圧を前記第1電圧から前記第2電圧に切り換えるタイミングが、1行毎又は複数行毎に設定されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の撮像装置。
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JP2004355713A JP2006166122A (ja) | 2004-12-08 | 2004-12-08 | 固体撮像装置 |
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JP2004355713A JP2006166122A (ja) | 2004-12-08 | 2004-12-08 | 固体撮像装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008306439A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Konica Minolta Holdings Inc | 撮像素子および撮像装置 |
JP2009206825A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Canon Inc | 撮像装置、及び撮像装置の制御方法 |
CN107833896A (zh) * | 2016-09-15 | 2018-03-23 | 精工爱普生株式会社 | 固体摄像装置和电子设备 |
-
2004
- 2004-12-08 JP JP2004355713A patent/JP2006166122A/ja active Pending
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