JP2006165395A - プローブクリーニングフィルム及びプローブクリーニング部材 - Google Patents

プローブクリーニングフィルム及びプローブクリーニング部材 Download PDF

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Kazuhisa Kodama
和寿 小玉
Masanori Suzuki
昌則 鈴木
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等 藤山
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R3/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture or maintenance of measuring instruments, e.g. of probe tips

Abstract

【課題】 プローブ先端のクリーニング性能に優れると共に、クリーニングを繰り返してもプローブの先端が磨耗され難く、プローブの寿命を長い間保つことができるプローブクリーニングフィルム及びプローブクリーニング部材を提供する。
【解決手段】 本発明のクリーニングフィルム1は、弾性母材122中に研磨粒子121を含有する研磨層12と、該研磨層12の表面に形成された異物除去層11と、を備える。上記異物除去層11は、ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び極性基変性オレフィン系重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体、並びに該重合体成分の合計100質量部に対して50〜5000質量部の鉱物油系軟化剤を含むエラストマー組成物で構成される層である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プローブクリーニングフィルム及びプローブクリーニング部材に関する。更に詳しくは、本発明は、プローブカードに配設されたプローブのクリーニング性能に優れると共に、クリーニングを繰り返してもプローブの先端が磨耗され難く、プローブの寿命を長い間保つことができるプローブクリーニングフィルム及びプローブクリーニング部材に関する。
半導体ウェハを用いた半導体装置の製造工程において、例えば、半導体ウェハの製造工程が完成した後、個々のチップに切断される前に、通常、プローブカードでウェハの性能試験が行われる。この性能試験は、プローブカードに配設された複数のプローブを、ウェハの所定箇所(測定部)に接触させて行われる。この性能試験により、ウェハの電気的特性及び動作状況が評価される。
この性能試験が長期に渡って行われると、プローブの先端に金属又は酸化物等からなる微粒子等の異物が付着することがある。付着した異物の量が多くなると、性能試験の精度が低下し、最終製品の品質に影響を及ぼす。従って、プローブカードを一定回数使用した後に、プローブの先端に付着した異物(「debris」とも言われる。)を除去する必要がある。
この異物の除去方法として、従来より、粘着材を用いる方法及び洗浄液等による洗浄方法等が知られている。その他に、クリーニング部材に接触させて不純物を除去する方法も知られている。かかる不純物を除去するクリーニング部材として、例えば、(1)弾性母材中に研磨材を混入してなる研磨部材と、この表面に形成した異物除去膜を備えるクリーニング部材(下記特許文献1)、(2)弾力性を有する母材(ウレタンゴム等)に微粉の研磨材を混入又は付着させた研磨部材(下記特許文献2)、(3)基板と、該基板の表面に設けられた弾性シートと、該弾性シート表面に設けられ、微粉研磨材を含有するクリーニング用薄膜とからなるプローブ先端クリーニングシート(下記特許文献3)、並びに(4)基材上に微粒子の研磨砥粒層を配設した研磨層と、弾性及び緩衝性を有するクッション層とからなるプローブカード針先研磨材(下記特許文献4)等が知られている。
特開平11−87438号公報 特開平7−244074号公報 特開平11−238768号公報 特開平10−300777号公報
しかし、粘着剤を含む粘着シートを用いる方法では、クリーニング後、上記プローブの先端部に粘着剤が残存するおそれがある。また、この方法では、上記プローブの先端に軽く付着している異物であれば容易に除去することができるが、上記プローブの先端に強固に付着している異物は十分に除去できない場合がある。一方、洗浄液等により洗浄する方法では、使用した洗浄液を完全に除去する工程が新たに必要となり、コストの拡大を招くという問題がある。
また、従来のクリーニング部材を用いるクリーニング方法では、クリーニング部材の構成によっては、複数回のクリーニングを行うと、プローブの先端が削られるおそれがある。通常、プローブの先端は検査の目的にあわせて半球状や針状に形成されているが、この先端が研磨材等により研磨され、初期の形状から大幅に変化するおそれがある。先端が変形したプローブでは、被検査体(パッド)に対して適切に接触することが困難であり、接触抵抗の変化や、被検査体の削り量が多くなる等の問題が生じる。その結果、ユーザーは、先端が変形したプローブを廃棄しなければならず、プローブの寿命を長く保つことが困難になる。
本発明は、プローブ先端のクリーニング性能に優れると共に、クリーニングを繰り返してもプローブの先端が磨耗され難く、プローブの寿命を長い間保つことができるプローブクリーニングフィルム及びプローブクリーニング部材を提供することを目的とする。
本発明は以下に示される。
〔1〕研磨粒子を含有する弾性母材により構成される研磨層と、該研磨層の表面に形成され、樹脂及び/又はエラストマーにより構成される異物除去層と、を備えることを特徴とするプローブクリーニングフィルム。
〔2〕上記弾性母材のJIS K6253で測定したショアA硬度は10〜98である上記〔1〕記載のプローブクリーニングフィルム。
〔3〕上記研磨層中の上記研磨粒子の体積比率は30〜80体積%である上記〔1〕又は〔2〕記載のプローブクリーニングフィルム。
〔4〕上記異物除去層は、ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び極性基変性オレフィン系重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むエラストマー組成物で構成される層である上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載のプローブクリーニングフィルム。
〔5〕上記ジエン系ブロック重合体の水素添加物は、共役ジエンのブロック重合体の水素添加物又は共役ジエン及び芳香族ビニル化合物で構成されるブロック共重合体の水素添加物である上記〔4〕記載のプローブクリーニングフィルム。
〔6〕上記ジエン系ブロック重合体の水素添加物は、ビニル結合含量が25%未満であるブタジエン重合体ブロック(I)と、共役ジエン単位(a1)及び他の単量体単位(a2)の質量割合が(a1)/(a2)=(100〜50)/(0〜50)であり、ビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロック(II)とを、それぞれ分子中に少なくとも1つ有するジエン系ブロック重合体中の、オレフィン性不飽和結合が水素添加されたものである上記〔4〕又は〔5〕記載のプローブクリーニングフィルム。
〔7〕上記エラストマー組成物は、液状材料を含み、且つ該液状材料の含有量は、重合体成分の合計100質量部に対して50〜5000質量部である上記〔4〕乃至〔6〕のいずれかに記載のプローブクリーニングフィルム。
〔8〕上記極性基変性オレフィン系重合体は、極性基変性エチレン・α−オレフィン共重合体及び極性基変性エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種であり、且つ、上記エラストマー組成物は、金属イオン及び/又は金属化合物を含む上記〔4〕記載のプローブクリーニングフィルム。
〔9〕上記〔1〕乃至〔8〕のいずれかに記載のプローブクリーニングフィルムが支持層上に配設されてなることを特徴とするプローブクリーニング部材。
本発明のプローブクリーニングフィルムは、上記構成を有することにより、プローブの先端等に付着した異物を良好に除去することができる。
また、上記弾性母材の弾性率を特定範囲とすることにより、上記研磨層の柔軟性を適度に保つことができ、その結果、異物を良好に除去することができる。
更に、上記研磨粒子の範囲を特定範囲とすることにより、より良好に異物を除去することができる。
また、上記異物除去層を、ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び極性基変性オレフィン系重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むエラストマー組成物で構成される層とすることにより、より良好に異物を除去することができる。
更に、上記ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び上記極性基変性オレフィン系重合体として特定の重合体を用いると、特に柔軟性及び強度に優れ、より良好に異物を除去することができる。
また、上記エラストマー組成物が特定量の液状材料を含むと、上記異物除去層の柔軟性をより向上させることができ、その結果、より良好に異物を除去することができる場合がある。
本発明のプローブクリーニング部材によると、本発明のプローブクリーニングフィルムを備えることにより、プローブの先端等に付着した異物を良好に除去することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
(1)研磨層
本発明のプローブクリーニングフィルムは、弾性母材中に研磨粒子を含有する研磨層を有する。本発明のプローブクリーニングフィルムは、上記研磨層を有することにより、プローブ先端等に強固に付着した異物を除去することができる。本発明の研磨層の材質、構成、形態及び物性には特に限定はないが、クリーニング工程中、半導体ウェハテスト時のプローブ先端の針圧より低い針圧で刺し通すことができ、また、突刺・引抜時のプローブ先端との摺動や付着している異物との衝突で破損しない性質を有することが好ましい。
上記研磨層を構成する上記弾性母材は、弾性を有する限り、その材質、物性、形状について特に限定はない。上記弾性母材の弾性として具体的には、例えば、JIS K6253で測定したショアA硬度が10〜98、好ましくは30〜95、さらに好ましくは40〜90とすることができる。
上記弾性母材を構成する材料は、樹脂及び/又はエラストマーが好ましい。上記弾性母材は樹脂又はエラストマーのいずれか一方のみで構成されてもよく、樹脂及びエラストマーを併用してもよい。上記弾性母材を構成する材料としては、例えば、ウレタンゴム及びシリコーンゴム等が挙げられる。また、上記弾性母材として、具体的には、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び極性基変性オレフィン系重合体等が挙げられる。弾性母材として特に好ましくは、ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び極性基変性オレフィン系重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むエラストマー組成物である。これらの材料を用いると、上記異物除去層を接着剤等を用いることなく接着することができ、その結果、接着剤等の塗布ムラに起因して、本発明のプローブクリーニングフィルムを構成する上記異物除去層に凹凸が形成されることを防ぎ、正確なクリーニングを実現することができるので好ましい。また、一般に、プローブカードでのウェハの性能試験は低温域で行われることから、上記弾性母材は、低温域でも優れた弾性を有する材料が好ましく、上記樹脂の他、ウレタンゴム及びシリコーンゴムをも使用することができる。上記エラストマー組成物は、低温域でも優れた弾性を有することから、上記エラストマー組成物を用いると、温度を変更することなく、性能試験とプローブのクリーニングとを連続的に行うことができるので好ましい。
更に、上記弾性母材は、樹脂又はエラストマーの発泡体でもよい。上記母材を発泡体とすると、上記研磨層の柔軟性を高めることができる。その結果、針先を磨耗させることなく異物を除去し易いので好ましい。
上記研磨粒子の材質、形状は、プローブをクリーニングできる性質を備える限り特に限定はない。上記研磨粒子の材質としては、例えば、無機粒子、有機粒子及び有機・無機複合粒子等が挙げられる。尚、本発明では、1種の研磨粒子のみを用いてもよく、異なる材質、形状の2種以上の研磨粒子を用いてもよい。例えば、無機粒子、有機粒子及び有機・無機複合粒子から選択される2種以上を用いてもよく、あるいは材質の異なる無機粒子、有機粒子又は有機・無機複合粒子を2種以上用いてもよい。
上記無機粒子としては、例えば、ダイヤモンド粉、Si等の金属、SiC等の炭化物、Si、Al、Ti、Ce、Cr、Mn、Fe、Zr等から選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物、Si、Al、Ti等から選ばれる少なくとも1種の元素を含む窒化物、BaCO等の炭酸塩等が挙げられる。
上記有機粒子としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン系共重合体、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィン、オレフィン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂や、スチレン、メチルメタクリレート等と、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート等とを共重合させて得られる架橋構造を有する共重合樹脂、更に、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
上記有機・無機複合粒子は、無機粒子と有機粒子とが、研磨中に容易に分離しない程度に一体化されていればよい。ここで無機粒子及び有機粒子としては、上記で例示した上記無機粒子及び上記有機粒子が例示される。上記有機・無機複合粒子として具体的には、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等の重合体粒子の存在下、アルコキシシラン、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド等を重縮合させ、重合体粒子の少なくとも表面に、ポリシロキサン等が結合されてなる粒子を使用することができる。尚、生成する重縮合体は、重合体粒子が有する官能基に直接結合されていてもよいし、シランカップリング剤等を介して結合されていてもよい。また、上記有機・無機複合粒子としては、重合体粒子等の有機粒子の表面に、シリカ、アルミナ等の無機微粒子を付着させた粒子を用いることもできる。これらは静電気的に保持されていてもよいし、無機微粒子が有するヒドロキシル基等の官能基とシランカップリング剤等により有機粒子に化学的に結合されていてもよい。更に、上記有機・無機複合粒子としては、符号の異なるゼータ電位を有する有機粒子と無機粒子とを含む水分散体において、これら粒子が静電力により結合されてなる粒子を使用することもできる。
また、上記研磨粒子としては、天然のガーネット(ざくろ石)、エメリー、フリント(珪石)等を粉砕した粒子を用いることもできる。
上記研磨粒子の形状については特に限定はなく、目的、用途に応じて、種々の形状の研磨粒子を選択することができる。上記研磨粒子の形状は、例えば、繊維状でもよく、球状でもよい。上記研磨粒子が球状の場合、その平均粒子径は、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.1〜10μm、更に好ましくは0.1〜5μmである。また、上記研磨粒子が繊維状の場合、そのアスペクト比が1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。
上記研磨層中の上記研磨粒子の体積比率は、上記研磨層を100体積%とした場合、好ましくは30〜80体積%、更に好ましくは35〜70体積%、より好ましくは40〜70体積%である。上記研磨粒子の含有量を上記範囲とすることにより、良好な研磨性を維持し、優れた洗浄性を発揮すると共に、実用上、容易に上記研磨層を製造することができるので好ましい。
上記研磨粒子は、通常は、上記研磨層中に完全に埋没した状態で含まれているが、その一部が上記研磨層の表面から露出している状態で含まれていてもよい。この場合、上記研磨層表面における上記研磨粒子の露出率は、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下、更に好ましくは50%以下である。上記露出率が高すぎると、本発明のプローブクリーニングフィルムの使用時に、上記研磨粒子が脱離して被洗浄部に付着したり、被洗浄部を傷付けてしまう場合がある。一方、上記露出率が低すぎると、被洗浄部にこびりついた汚れが十分に除去されない場合がある。
上記研磨層の厚さは、必要に応じて適宜選択することができる。上記研磨層の厚さは、通常10〜2000μm、好ましくは50〜1000μm、更に好ましくは100〜600μmである。
また、上記研磨層は、1層のみで構成される単層構造でもよいが、必要に応じて2層以上の多層構造とすることができる。この場合、同一又は異なる上記研磨層を2層以上有する構成でもよく、あるいは、上記研磨層の1種以上と、他の層を1層以上有する構成でもよい。
(2)異物除去層
本発明のプローブクリーニングフィルムは、上記研磨層の表面に異物除去層を有する。本発明のプローブクリーニングフィルムは、上記異物除去層を有することにより、被洗浄部に付着した付着物を除去すると共に、クリーニング工程中に弾性母材や研磨粒子が微粉として脱落し、被洗浄部に付着したり、外部に放出されることを防ぐことができる。尚、上記研磨層の「表面」とは、プローブが突刺する側の表面である。
上記異物除去層の厚さについても特に限定はなく、必要に応じて様々な厚さとすることができる。上記異物除去層の厚さは通常1〜500μm、好ましくは10〜300μm、更に好ましくは10〜100μmである。例えば、上記異物除去層の厚さを30μmとすることができる。上記異物除去層の厚さを上記範囲とすることにより、プローブが十分に上記研磨層に到達させることができ、また、上記異物除去層としての機能を良好に発揮させることができるので好ましい。また、上記異物除去層は単層のみでもよく、あるいは、材質又は物性の異なる2層以上の層が積層してなる多層構造でもよい。
上記異物除去層を構成する材料は、樹脂及び/又はエラストマーである。即ち、樹脂又はエラストマーのいずれか一方のみでもよく、両者を併用してもよい。上記異物除去層を構成する材料として具体的には、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び極性基変性オレフィン系重合体等が挙げられる。上記異物除去層の材料として好ましくは、ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び極性基変性オレフィン系重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むエラストマー組成物である。上記エラストマー組成物は、粘着性に優れることから、異物除去性に優れる。特に、上記エラストマー組成物の有する自己粘着性は、各種物体と粘着させた後に、容易に且つ形状を維持したまま、変形せずに剥離することができる程度のものであり、しかも、粘着剤を含まないことから、物体との接触から剥離する際、あるいは、被洗浄部をクリーニングした後にも、被接触部における糊残り等は全く発生しない。更に、上記エラストマー組成物は、柔軟性、引張強度及び引張伸びに優れている。また、各種製品の製造工程によっては、室温よりも低温の環境でプローブ先端のクリーニングを行う必要があるが、上記エラストマー組成物は、低温から高温に至るまでの幅広い温度範囲で柔軟性を有するので、低温の環境で使用しても、プローブの先端等の被洗浄部を傷めることがない。
上記ジエン系ブロック重合体の水素添加物は、ジエン系ブロック重合体の水素添加物であれば特に限定されない。このジエン系ブロック重合体は、共役ジエンのブロック共重合体であってもよいし、共役ジエンと1種以上の他の単量体とからなるブロック共重合体であってもよい。従って、上記ジエン系ブロック重合体のブロック構造としては、(A−B)A、(B−A)B、(A−B−A)、(B−A−B)等が挙げられる。また、上記ジエン系ブロック重合体のブロック構造としては、(A−B)X、(B−A)X、(A−B−A)X、(B−A−B)X等のように、カップリング剤残基Xを介して重合体分子鎖が延長又は分岐された構造でもよい。各一般式において、「A」は共役ジエン単位を主体とするブロック、「B」は他の共役ジエン単位又は他の単量体単位を主体とするブロック、mは1以上の整数である。
上記共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらのうち、1,3−ブタジエン、イソプレン及び1,3−ペンタジエンが好ましく、特に1,3−ブタジエン及びイソプレンが好ましい。尚、上記例示した化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの共役ジエンを用いたブロック共重合体としては、2以上のブタジエン重合体ブロックを有するポリブタジエン、2以上のイソプレン重合体ブロックを有するポリイソプレン等が挙げられる。
また、上記他の単量体としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン等の芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;ビニルピリジン等の窒素原子含有ビニル化合物等が挙げられる。これらのうち、芳香族ビニル化合物が好ましく、中でも、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。尚、上記例示した化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記ジエン系ブロック重合体が共役ジエンと他の単量体とからなるブロック共重合体である場合、共役ジエン単位は、ランダム、テーパー(分子鎖に沿って共役ジエン単位の割合が増加又は減少するもの)及び一部ブロックから選ばれる分布であってよい。
共役ジエンと1種以上の他の単量体とからなるブロック共重合体としては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・イソプレンブロック共重合体、イソブチレン・イソプレンブロック共重合体、アクロルニトリル・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
上記ジエン系ブロック重合体としては、ビニル結合含量が25%未満であるブタジエン重合体ブロック(I)と、共役ジエン単位(a1)及び他の単量体単位(a2)の質量割合が(a1)/(a2)=(100〜50)/(0〜50)であり、ビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロック(II)とを、それぞれ分子中に少なくとも1つ有するジエン系ブロック重合体(以下、「重合体(P)」という。)が好ましい。
上記ブタジエン重合体ブロック(I)において、ビニル結合(1,2−ビニル結合)の含量は、好ましくは25%未満、より好ましくは5〜20%、更に好ましくは7〜19%である。従って、上記ブタジエン重合体ブロック(I)は、水素添加によりエチレン・ブテン共重合体に類似した構造を示す結晶性のブロックとなる。ビニル結合含量を上記範囲とすることにより、成形体の力学的性質及び形状保持性を向上させることができる。
また、上記重合体ブロック(II)は、共役ジエン単位のみからなるブロックであってもよいし、共役ジエン単位(a1)と他の単量体単位(a2)とからなるブロックであってもよい。共役ジエン単位(a1)及び他の単量体単位(a2)の質量割合(a1)/(a2)は、好ましくは(100〜50)/(0〜50)であり、より好ましくは(100〜70)/(0〜30)、更に好ましくは(100〜90)/(0〜10)である。このような範囲とすることにより、粘弾性に優れた成形体を得ることができる。尚、上記重合体ブロック(II)において、ビニル結合(1,2−ビニル結合及び3,4−ビニル結合)の含量は、好ましくは25〜95%であり、より好ましくは25〜90%、更に好ましくは30〜85%である。
従って、上記重合体(P)としては、ブタジエン重合体ブロック(I)を「A」、重合体ブロック(II)を「B」とした場合、(A−Bm1、(A−Bm2−A、(B−Am3−B等で表される重合体を用いることができる。各一般式において、m1〜m3は1以上の整数を示す。また、上記重合体(P)は、トリブロック以上のブロックを有する共重合体であれば、水素添加物とした場合に、形状保持性及び力学的性質により優れる成形体を得ることができるので好ましい。従って、上記一般式において、m1は、2以上の整数であることが好ましい。
尚、上記重合体(P)は、上記ブタジエン重合体ブロック(I)及び上記重合体ブロック(II)をそれぞれ分子中に少なくとも1つ有していればよく、その他、他のブロック、例えば、共役ジエン単位以外の他の単量体単位からなるブロックを有する重合体でもよい。
上記重合体(P)を構成する上記ブタジエン重合体ブロック(I)及び上記重合体ブロック(II)の含有割合(I)/(II)は、好ましくは(70〜10)/(30〜90)、より好ましくは(50〜10)/(50〜90)、更に好ましくは(40〜15)/(60〜85)である。上記各ブロックの含有割合を上記範囲とすることにより、形状保持性及び力学的性質に特に優れた成形体を得ることができる。
尚、上記重合体(P)は、(A−BX、(B−AX、(A−B−AX、(B−A−BX等のように、カップリング剤残基Xを介して重合体分子鎖が延長又は分岐された構造でもよい。各一般式において、nは2以上の整数を示す。また、上記各一般式において、nが3以上の場合、形状保持性、ホットメルト粘・接着性に優れた成形体を得ることができる。上記カップリング剤としては、1,2−ジブロモエタン、メチルジクロロシラン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアナート、トリレンジイソシアナート、エポキシ化1,2−ポリブタジエン、エポキシ化アマニ油、テトラクロロゲルマニウム、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ブチルトリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン等が挙げられる。
上記重合体(P)の水素添加物は、特開平2−133406号公報、特開平3−128957号公報、特開平5−170844号公報等に開示される方法等によって得ることができる。得られる水素添加物の水添率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である。水添率が高いほど、成形体とした場合の形状保持性及び力学的性質を向上させることができる。
上記エラストマー組成物がジエン系ブロック共重合体の水素添加物を主成分とする場合、成形体の柔軟性に影響を与えない限り、他の重合体を含有してもよい。該他の重合体は樹脂であってもよいし、エラストマー(ゴムを含む)であってもよい。更には、該他の重合体は、樹脂及びエラストマーを組み合わせてもよい。該他の重合体としては、水添重合体ではない、即ち水素添加されていないジエン系重合体、アクリル系重合体、ウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体、塩化ビニル系重合体、フッ素系重合体、シリコーン系重合体等が挙げられる。これらは、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ジエン系重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・イソプレン共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合体、アクロルニトリル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚、上記イソブチレン・イソプレン共重合体は、一般に「ブチルゴム(IIR)」として知られるものであるが、イソブチレン及びイソプレンと、更に他の単量体、例えば極性基を有する化合物(以下、「極性基含有化合物」ともいう。)との共重合体あるいはこれらの部分架橋共重合体であってもよい。
上記極性基含有化合物としては、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、ニトリル基等から選ばれる少なくとも1種を有する有機化合物を用いることができる。また、上記部分架橋共重合体は、これらの極性基含有化合物に多官能性不飽和結合を有する化合物を共重合することにより得られる。この化合物としては、多価アリル化合物、多価(メタ)アクリレート化合物、ジビニル化合物、ビスマレイミド化合物、ジオキシム化合物等が挙げられる。
上記ブチルゴムとしては、イソブチレン・イソプレン共重合体等がハロゲン化された塩素化イソブチレン・イソプレン共重合体、臭素化イソブチレン・イソプレン共重合体等であってもよい。
上記アクリル系重合体としては、アクリル酸アルキルエステルを含む単量体から得られる重合体等が挙げられる。
上記アクリル酸アルキルエステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メチルペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、シアノメチルアクリレート、1−シアノエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、1−シアノプロピルアクリレート、2−シアノプロピルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、4−シアノブチルアクリレート、6−シアノヘキシルアクリレート、2−エチル−6−シアノヘキシルアクリレート、8−シアノオクチルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系重合体は、アクリル系アクリルエステルと他の単量体との共重合体、例えば、アクリルゴムでもよく、その場合には、アクリル酸アルコキシアルキルエステル、エチレン性不飽和化合物、架橋性化合物等を他の単量体として用いることができる。
上記アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エチルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プロピルアクリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルアクリレート等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有する化合物;1,1−ジヒドロペルフルオロエチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,5−トリヒドロペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,7−トリヒドロペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロデシル(メタ)アクリレート等の含フッ素アクリル酸エステル;1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の第3級アミノ基を有する単量体;メチルメタクリレート、オクチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;メチルビニルケトン等のアルキルビニルケトン;ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテル等のビニル及びアリルエーテル;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルフマレート等が挙げられる。
上記架橋性化合物としては、ジエン系化合物、ジヒドロジシクロペンタジエニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物、活性ハロゲン含有エチレン性不飽和化合物、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物、活性水素基を有するエチレン性不飽和化合物等が挙げられる。
上記ウレタン系重合体としては、有機ジイソシアネート、高分子ジオール及び鎖伸長剤を反応させて得られるもの等が挙げられる。上記有機ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート類等が挙げられる。これらの有機ジイソシアネートは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記高分子ジオールとしては、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルポリカーボネートジオール、ポリエステルポリエーテルジオール等が挙げられる。これらのうち、ポリエステルジオールとしては、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体の反応により得られた脂肪族ポリエステルジオール、脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸又はそれらのエステル形成性誘導体の反応により得られた芳香族ポリエステルジオール等が挙げられる。また、ポリエーテルジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール又はそれらのブロック共重合体等が挙げられる。更に、ポリカーボネートジオールとしては、脂肪族ジオールとカーボネート化合物との反応により得られたポリカーボネートジオール、ビスフェノールA等の芳香族ジオールとカーボネート化合物との反応により得られたポリカーボネートジオール等が挙げられる。これらの高分子ジオールは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記鎖伸長剤としては、従来から公知の鎖伸長剤を用いることができ、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリコール等のジオール類;ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジン及びその誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジン、イソフタル酸ジヒドラジン等のジアミン類、アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコール等のアミノアルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリアミド系重合体としては、ポリアミドからなるハードセグメントと、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエステル・ポリエーテル等からなるソフトセグメントとから構成される共重合体等が挙げられる。
上記ポリアミドセグメントとしては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等の炭素数が6以上のアミノカルボン酸から誘導されるセグメント;カプロラクタム、ラウリロラクタム等のラクタムから誘導されるセグメント;エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、シクロヘキサンジアミン等のジアミン成分と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等のジカルボン酸成分とから誘導されるセグメント等が挙げられる。
上記ポリエステルセグメントとしては、ω−オキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸から誘導されるセグメント;ε−カプロラクトン等のラクトンから誘導されるセグメント;グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等のジカルボン酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等のジオール成分とから誘導されるセグメント等が挙げられる。
また、上記ポリエーテルセグメントとしては、ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のセグメント等が挙げられる。
更に、上記ポリエステルポリエーテルセグメントとしては、上記したポリエステルセグメントのジカルボン酸成分と、ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のジオール成分とから誘導されるセグメント等が挙げられる。
上記ポリエステル系重合体としては、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルをハードセグメントとし、ポリテトラメチレングリコールエーテル(PTMG)、PTMEGT(PTMGとテレフタル酸との縮合物)等のポリエーテルをソフトセグメントとするポリエステル・ポリエーテル型重合体;ポリエステルをハードセグメントとし、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステル・ポリエステル型重合体等が挙げられる。
上記フッ素系重合体としては、フッ化ビニリデンを含む単量体から得られる重合体等が挙げられる。他の単量体としては、パーフルオロビニルエーテル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、架橋性化合物等が挙げられる。
上記以外に、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン系重合体、ポリカーボネート、ポリアセタール、エポキシ系重合体等の重合体を用いることもできる。
上記他の重合体の含有量は、上記ジエン系ブロック重合体の水素添加物100質量部に対し、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは1〜90質量部、更に好ましくは1〜80質量部である。
上記異物除去層が、上記極性基変性オレフィン系重合体を主とするエラストマー組成物で構成される層である場合、上記ジエン系ブロック共重合体の水素添加物を含む重合体は架橋されていてもよいし、架橋されていなくてもよい。上記ジエン系ブロック共重合体の水素添加物が架橋されていると、エラストマー組成物の少なくとも一部がその架橋構造による三次元骨格を形成し、柔軟性、強度、剥離性及び耐熱性に優れた成形体を形成することができる。その結果、粘着剤を含有させなくても、被洗浄部を良好に清浄化することができる。
上記架橋を形成する方法には特に限定はない。上記架橋を形成する方法としては、例えば、公知の架橋剤を用いる方法、紫外線、電子線等の放射線照射による方法等が挙げられる。上記架橋剤を用いる場合には、例えば、有機過酸化物、硫黄、硫黄含有化合物等を用いることができる。上記有機過酸化物としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ベイゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−イソプロピルカーボナート、t−ブチルパーオキシアリルカーボナート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
次に、極性基変性オレフィン系重合体について説明する。上記極性基変性オレフィン系重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体等に極性基を有するもの等が挙げられ、これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記極性基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、スルホン酸基、ニトリル基等が挙げられる。これらの極性基は1分子に1種のみ有してもよいし、2種以上有してもよい。
尚、上記エチレン・α−オレフィン共重合体及びエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体におけるα−オレフィンは、エチレンを除くα−オレフィンであるものとする。このα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等が挙げられ、炭素数が3〜12であるα−オレフィンが好ましく、特に、プロピレン及び1−ブテンが好ましい。尚、上記例示したα−オレフィンは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ペンテン共重合体、エチレン・3−メチル−1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・3−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・3−エチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−デセン共重合体、エチレン・1−ウンデセン共重合体等が挙げられる。これらのうち、エチレン・プロピレン共重合体及びエチレン・1−ブテン共重合体が好ましい。尚、上記例示したエチレン・α−オレフィン共重合体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体とする場合の非共役ジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、5−メチル−1,8−ノナジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体としては、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚、上記エチレン・α−オレフィン共重合体及び上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体に上記極性基を含有させるには、各重合体の形成の際に、上記極性基を有する不飽和化合物を単量体として用いればよい。このような不飽和化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記不飽和化合物の使用量は、単量体全量に対して、好ましくは0.01〜10モル%、より好ましくは0.1〜5モル%である。
カルボキシル基を有する不飽和化合物としては、例えば、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸、及び下記一般式(1)で表される環式化合物等を用いることができる。
(上記一般式(1)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、Y、Y及びYは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又は−COOHであり、Y、Y及びYのうち少なくとも1つは−COOHであり、また、Y、Y及びYのうち2つ以上が−COOHである場合は、それらは互いに連結して形成された酸無水物(−CO−(O)−CO−)であってもよい。pは0〜2の整数であり、qは0〜5の整数である。)
上記環式化合物としては、5,6−ジメチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジメチル−5,6−ビス(カルボキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5,6−ジエチル−5,6−ビス(カルボキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−エチル−5−カルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−カルボキシ−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−メチル−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、5−エチル−5−カルボキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、8,9−ジメチル−8,9−ジカルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジエチル−8,9−ジカルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチル−8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(1)で表される化合物の使用量は、単量体全量に対して、好ましくは0.01〜5モル%、より好ましくは0.01〜4モル%である。
上記一般式(1)で表される化合物を共重合させて得られた極性基変性エチレン・α−オレフィン共重合体又は極性基変性エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、ランダム共重合体であることが好ましい。また、これらのランダム共重合体の、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは、好ましくは1,000〜3,000,000、より好ましくは3,000〜1,000,000、更に好ましくは5,000〜700,000である。
上記エラストマー組成物が上記極性基変性オレフィン系重合体を主成分とする場合、成形体の柔軟性に影響を与えないものであれば、他の重合体を含有してもよい。該他の重合体は樹脂であってもよいし、エラストマー(ゴムを含む)であってもよい。更には、樹脂及びエラストマーを組み合わせてもよい。上記他の重合体としては、上記において例示したものを用いることができる。これら他の重合体を用いる場合の含有量は、上記極性基変性オレフィン系重合体100質量部に対し、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは1〜90質量部、更に好ましくは1〜80質量部である。
上記異物除去層が、上記極性基変性オレフィン系重合体を主とするエラストマー組成物で構成される層である場合、上記極性基変性オレフィン系重合体は架橋されていることが好ましい。上記極性基変性オレフィン系重合体が架橋されている場合には、エラストマー組成物の少なくとも一部がその架橋構造による三次元骨格を形成し、柔軟性、強度、剥離性及び耐熱性に優れた成形体を形成することができる。その結果、粘着剤を含有させなくても、被洗浄部を良好に清浄化することができる。上記極性基変性オレフィン系重合体を用いる場合、金属イオン、金属化合物等で架橋させるほか、更に、紫外線、電子線等を照射する方法、有機過酸化物を用いる方法等によって共有結合による架橋を形成させてもよい。
上記一般式(1)で表される環式化合物を用いて得られた共重合体に化学的架橋構造又はそれと類似した拘束点を有する構造を形成させる場合には、例えば、金属イオン、金属化合物等を用いることができる。この金属イオンは、以下に例示する元素のイオン及びこの元素を含む金属化合物のイオンも意味する。この金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セシウム、ストロンチウム、ルビジウム、チタン、亜鉛、銅、鉄、錫、鉛、ジルコニウム等周期表第I〜VIII族の元素等が挙げられる。これらの元素を含むイオンは、上記で得られたランダム共重合体中の官能基に対するイオン結合あるいは静電的な結合により共重合体どうしの間に架橋構造を形成することもできる。尚、上記金属化合物のイオンとするための物質としては、各金属の酸化物、水酸化物、塩、錯体(金属カルボキシレート、金属アセチルアセトナート等)、金属元素を含む有機化合物(炭素数が1〜8から選ばれ、且つ、金属元素を含むアルコキシド等)等が挙げられる。
上記金属イオンにより化学的架橋構造(アイオノマー構造)を形成するための金属化合物の使用量は、上記一般式(1)で表される環式化合物を用いて得られた共重合体を構成する環式化合物より形成された単位の1当量に対し、好ましくは0.01〜10当量、より好ましくは0.05〜5当量、特に好ましくは0.05〜2当量である。上記使用量が少なすぎると、得られる成形体は、架橋密度又は拘束点密度が低く、機械的強度及び耐熱性に劣る傾向がある。一方、使用量が多すぎると、得られる成形体は、架橋密度又は拘束点密度が高くなり、硬度が高すぎて脆くなることがある。
更に、上記一般式(1)で表される環式化合物を用いて得られた共重合体に対する、上記金属化合物等の混和性及び得られる成形体の耐熱性を向上させるために、活性剤としてカルボン酸等の有機酸の金属塩を添加してもよい。このカルボン酸の金属塩としては、炭素数3〜23、好ましくは3〜20、更に好ましくは5〜20の1価あるいは2価のカルボン酸の金属塩を用いることが好ましい。また、上記カルボン酸の金属塩を構成する金属元素としては、例えば、上記化学的架橋構造(アイオノマー構造)を形成するのに必要な金属元素から選択することができる。上記カルボン酸の金属塩としては、上記化学的架橋構造(アイオノマー構造)を形成するのに必要な金属元素と同種の金属元素を含むカルボン酸の金属塩を用いることが好ましい。
本発明では、より柔軟性が向上した成形体とするために、上記エラストマー組成物に液状材料を含有させることができる。特に、上記エラストマー組成物がジエン系ブロック共重合体の水素添加物を主とする場合、柔軟性に優れた成形体とすることができるので好ましい。この液状材料としては特に限定されないが、40℃における動粘度が500mm/s(1mm/s=1cSt)以下であるものが好ましい。より好ましい動粘度は400mm/s以下、更に好ましくは0.1〜100mm/sである。このような液状材料としては、軟化剤、可塑剤、滑剤、液状重合体等を好適に用いることができる。
上記軟化剤としては、例えば、パラフィン系油等の石油系軟化剤、鉱油、エチレン・α−オレフィン系オリゴマー、ギルソナイト等の鉱物油系軟化剤、オレイン酸、リシノール酸等の脂肪酸等が挙げられる。また、上記可塑剤としては、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テトラヒドロフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、セバシン酸誘導体、フマル酸誘導体、クエン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、リン酸誘導体、マレイン酸誘導体等の各種脂肪酸の誘導体等が挙げられる。更に、上記滑剤としては、パラフィン系滑剤、炭化水素系滑剤、金属セッケン等が挙げられる。また、上記液状重合体としては、液状ポリブタジエン、液状スチレン・ブタジエンゴム等の液状ゴム、ポリイソブチレン、シリコーンオイル等が挙げられる。上記例示した液状材料は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記液状材料は、前述の如くジエン系ブロック重合体を主成分とする場合に使用されることが好ましい。その場合、上記液状材料の使用量は、上記エラストマー組成物に含有される重合体の全量を100質量部とした場合、好ましくは50〜5000質量部、より好ましくは50〜3000質量部、更に好ましくは50〜800質量部、特に好ましくは50〜500質量部である。上記液状材料の配合量が50質量部未満であると、所望の弾性率を有する成形体が得られない場合がある。一方、上記液状材料の配合量が5000質量部を超えると、成形体から液状材料がにじみ出ることがある。
上記エラストマー組成物で構成される上記異物除去層は、優れた強度及び柔軟性を有する。具体的には、例えば、30℃、1Hzの条件下、動的粘弾性測定により得られる剪断貯蔵弾性率(G’)は、好ましくは1〜1010dyn/cm、より好ましくは1〜5×10dyn/cm、更に好ましくは1〜10dyn/cmとすることができる。また、上記エラストマー組成物で構成される上記異物除去層は、耐熱性にも優れており、好ましくは−50〜150℃において、柔軟性及び形状保持性を併せ持つ。従って、本発明において、上記エラストマー組成物で構成される上記異物除去層を備えるクリーニングフィルムとすると、常温のみならず、0℃以下の低温時においても好適に使用できる。
上記エラストマー組成物が、ジエン系ブロック共重合体の水素添加物又は上記極性基変性オレフィン系重合体を主とする場合、エラストマー組成物を構成する他の成分(軟化剤あるいは金属イオン等)との含有割合を変化させることにより、得られるクリーニンングフィルムの柔軟性、自己粘着性等の物性を調節することができる。
上記エラストマー組成物で構成される上記異物除去層を得る方法には特に限定はない。かかる異物除去層は、例えば、上記エラストマー組成物を用い、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成型、真空成形、積層成形、カレンダー成形、キャスト成形、コーター成形、ロール成形、Tダイコーター、Tダイ押出成形、注入成形等の公知の方法によって、所望の形状に成形することにより得ることができる。
上記異物除去層を上記研磨層表面に設ける方法には特に限定はない。例えば、上記研磨層表面又は上記異物除去層表面に接着剤を塗布し、張り合わせることにより、上記異物除去層を上記研磨層表面に設けることができる。また、上記異物除去層及び上記研磨層の弾性母材が同じ材料であれば、特に接着剤等を用いなくても、単に上記研磨層表面に上記異物除去層を載置し、上記異物除去層を上記研磨層表面に容易に設けることができる。
(3)プローブクリーニングフィルム
本発明のプローブクリーニングフィルムの概略図を図1に示す。図1に示すプローブクリーニングフィルム1は、均一な厚さであり、且つ、表面が平坦なフィルムである。尚、図1に示すプローブクリーニングフィルムは本発明の一例であり、これに限定されるものではない。
本発明のプローブクリーニングフィルムは、弾性母材122中に研磨粒子121を含有する研磨層12と、該研磨層12の表面に形成された異物除去層11と、を備える。本発明のクリーニングフィルムは、上記異物除去層を有することにより、被洗浄部に付着した付着物を除去すると共に、上記研磨層を有することにより、プローブ先端等の被洗浄部に強く付着した異物を除去することができる。また、本発明のクリーニングフィルムは、上記異物除去層を有することにより、クリーニング工程中に弾性母材や研磨粒子が微粉として脱落し、新たな異物を発生させる場合があったとしても、これらが被洗浄部に付着したり、外部に放出されることを防ぐことができる。よって、従来のクリーニングフィルムと比べて、優れた清浄性を有する。
本発明のプローブクリーニングフィルムの形状及び厚さは特に限定はない。本発明のクリーニングフィルムの形状は、長尺状であってもよいし、ロール状であってもよい。また、本発明のクリーニングフィルムの形状は、円形、角形(三角形、四角形等の多角形)、星形、ランダム形状等の所定形状に調整されたものであってもよい。更に、本発明のクリーニングフィルムの厚さとして好ましくは20〜2500μm、より好ましくは60〜1300μm、特に好ましくは110〜700μmである。
本発明のプローブクリーニングフィルムは、被洗浄部の汚染防止等のために、そのフィルム内に含まれる金属成分(イオンを含む)、陰イオン等の濃度が小さいことが好ましい。上記金属成分としては、ナトリウムイオン等の陽イオンが挙げられる。また、陰イオンとしては、塩素イオン等が挙げられる。これらの濃度は、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは50ppm以下、更に好ましくは20ppm以下である。但し、架橋されたエラストマー組成物を用いる場合のように、架橋の目的で配合された金属イオン等は上記濃度に含まれないものとする。
尚、本発明のプローブクリーニングフィルムを構成する上記研磨層及び上記異物除去層には、本発明の作用効果を損なわない範囲で、各種添加剤を含有させることができる。該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、熱安定剤、抗菌剤、防かび剤、耐候剤、粘着付与剤、造核剤、充填剤、研磨粒子、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、着色剤(顔料、染料)等が挙げられる。上記添加剤は1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記老化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノ、ビス、トリス、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダードフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、及びリン酸系の老化防止剤等が挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のプローブクリーニングフィルムの物性は特に限定はなく、必要に応じて適宜の物性とすることができる。具体的には、例えば、30℃、1Hzの条件下、動的粘弾性測定により得られる剪断貯蔵弾性率(G’)は、好ましくは1〜1010dyn/cm、より好ましくは1〜5×10dyn/cm、更に好ましくは1〜10dyn/cmとすることができる。また、本発明のクリーニングフィルムは、−50〜150℃において、柔軟性及び形状保持性を併せ持つものとすることができる。本発明のクリーニングフィルムは、かかる性質を有することにより、常温のみならず0℃以下の低温でも好適に使用できる。
本発明のプローブクリーニングフィルムの表面は、通常は図1に示すように平面構造であるが、目的、用途等に応じて、多様な表面構造又は断面構造とすることができる。例えば、本発明のクリーニングフィルムの上記研磨層側表面及び上記異物除去層側表面の少なくとも1面に、凸部、凹部、溝部、切り込み部等の部位を設けることができる。これらの各部位の形状は特に限定されず、上記部位が凸部及び凹部の場合、円形、角形(三角形、四角形等の多角形)、星形、ランダム形状等とすることができる。これらの形状とした場合の開口部の長さ(最大長さ等)や、凸部の場合では高さ等、凹部の場合では深さ等も特に限定されない。また、上記部位が溝部の場合、直線状、曲線状等から任意に選択又は組み合わせた形状とすることができる。溝部の断面形状も角形、U字形等目的、用途に応じた形状とすることができる。更に、溝部の幅、深さ等も特に限定されない。更に、上記部位が切り込み部の場合、点であってもよいし、線(直線、曲線、十字型等)であってもよい。また、切り込みは、フィルム本体に対し、垂直方向でもよいし、斜め方向でもよい。
本発明のプローブクリーニングフィルムの表面に設けられた上記部位は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。上記部位を複数備える場合、各部位の形状、サイズ等は同一であってもよいし、異なってもよい。更には、隣り合う上記部位同士の間隔等も特に限定されない。
上記部位を備える本発明のプローブクリーニングフィルムを、断面図(図2〜図6)をもって例示する。図2は、一面が波線状となった平面を有するプローブクリーニングフィルムを示す概略図である。図3は、一面がジグザグ平面を有するプローブクリーニングフィルムを示す概略図である。図4は、一面に複数の凸部13を有するプローブクリーニングフィルムを示す概略図である。図5は、1面に複数の凹部(又は溝部)14を有するプローブクリーニングフィルムを示す概略図である。また、図6は、一面に複数の切り込み部15を有するプローブクリーニングフィルムを示す概略図である。
本発明のプローブクリーニングフィルムは、上記研磨層及び上記異物除去層に加え、更に他の部材を備えていてもよい。例えば、本発明のクリーニングフィルムは、その少なくとも1面に保護フィルムを有していてもよい。即ち、本発明のクリーニングフィルムの片面又は両面に保護フィルムを備えてもよい。上記保護フィルムは、使用の際に剥離する等のために備えるものである。また、上記保護フィルムは、単層でもよく、多層でもよい。
上記保護フィルムの構成材料は特に限定されない。上記保護フィルムの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、アイオノマー等のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また、この保護フィルムの厚さは、通常、10〜1000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは10〜100μmである。
上記保護フィルムの本発明のプローブクリーニングフィルムとの接触面は、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理等の化学処理がされていてもよい。かかる化学処理をすることにより、上記保護フィルムと異物除去層との密着力を適切に調節することができる。更に、上記保護フィルムの剥離を容易にするために、上記保護フィルムと本発明のクリーニングフィルムとの間に、シリコーン系又はフッ素系の剥離コート層を設けることができる。更に、上記保護フィルムが設けられる本発明のクリーニングフィルムの表面は、凹凸を有してもよい。
本発明のプローブクリーニングフィルムは、それ自身で用いることもできるし、装置等に配設して用いることもできる。
(4)プローブクリーニング部材
本発明のプローブクリーニング部材は、本発明のプローブクリーニングフィルムが支持層上に配設されてなることを特徴とする。本発明のプローブクリーニング部材の一例を図7に示す。本発明のプローブクリーニング部材2は、支持層21の表面に、本発明のプローブクリーニングフィルム1が配設された構造を有する。尚、本発明のプローブクリーニング部材2は、図8に示すように、所定形状に調整されたプローブクリーニングフィルム1が、支持層21の表面に配設されたものでもよい。
上記支持層は、単層構造でもよく、2層以上の多層構造でもよい。また、上記支持層の厚さは、好ましくは10〜1000μm、より好ましくは10〜500μmである。
上記支持層を構成する材料に特に限定はない。上記支持層を構成する材料は、目的及び用途、並びに本発明のプローブクリーニングフィルムと上記支持層との粘着力を考慮して適宜選択することができる。上記支持層を構成する材料としては、例えば、無機材料(金属、合金、セラミックス等)及び有機材料(紙、布、樹脂組成物等)が挙げられる。好ましい材料は紙、布又は樹脂組成物等の有機材料であり、樹脂組成物等で構成されるフィルムが特に好ましい。また、上記支持層を構成する材料は、中実体でもよく、発泡体でもよい。
本発明のプローブクリーニングフィルムを上記支持層上に配設する方法には特に限定はない。例えば、単に上記支持層表面に本発明のプローブクリーニングフィルムを載置するだけでもよい。また、本発明のプローブクリーニングフィルムの上記研磨層表面又は上記支持層表面に接着剤を塗布したり、両面粘着フィルムで貼り合わせることにより配設することもできる。また、上記研磨層が上記エラストマー組成物、シリコーンゴム又はウレタンゴム等であれば、特に接着剤等を用いなくても、単に上記支持層表面に本発明のプローブクリーニングフィルムを載置するのみで、本発明のプローブクリーニングフィルムを上記支持層表面に固定することができる。
本発明のプローブクリーニング部材は、それ自身で用いることもできるし、装置に配設して用いることもできる。
(5)クリーニング方法
本発明のプローブクリーニング部材を用いたクリーニング方法としては、本発明のプローブクリーニング部材を汚れ等が付着している部分(あるいは面)に接触させればよい。接触の程度は、汚れ等の量、固着度等を考慮すればよく、加圧して一定時間保持する方法、フィルムが変形、劣化あるいは溶融しない程度に加熱する方法等が挙げられる。また、プローブ又はプローブクリーニング部材を回転・振動させる等動的方法等も挙げられる。
本発明のプローブクリーニング部材の使用方法を以下に例示する。但し、使用方法は、これらに限定されない。
半導体ウェハ等の性能試験に用いられるプローブカードは、使用回数、時間が蓄積すると、プローブカードに配設されたプローブの特に先端部に不純物が付着する。図9(A)に示すように、先端部に不純物が付着したプローブ3を、本発明のプローブクリーニングフィルム1に突刺して引き上げることを繰り返す。図9(B)に示すように、上記プローブ3の先端は、本発明のプローブクリーニングフィルム1を構成する上記異物除去層11と接することにより、先端に付着した不純物を除去することができる。また、上記プローブ3の先端は、本発明のプローブクリーニングフィルム1を構成する上記研磨層12の内部に突刺されると、上記研磨層12内の研磨粒子121により、上記プローブ3に強固に付着している不純物を除去することができる。尚、上記プローブは、片持梁型に限らず、垂直型、コブラ型、L型のプローブやインサ−キットテスター等で使用されるプランジャ−型のプローブであってもよい。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り質量基準である。
<1>エラストマー組成物の調製
以下に示すエラストマー組成物、研磨剤及び架橋助剤を用いた。
(1)極性基変性オレフィン系重合体含有エラストマー組成物A1
エチレンに由来する構造単位を75.1モル%、プロピレンに由来する構造単位を22.8モル%、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位を1.8モル%、及び8−メチル−8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する構造単位を0.3モル%含み、重量平均分子量(Mw)が16.0×10である官能基含有オレフィン系共重合体(a1)100部をトルエン1000部に溶解した。次いで、官能基含有オレフィン系共重合体中の官能基1モル%に対して、0.25モル%のジルコニウム(IV)ブトキシド(85%の1−ブタノール溶液(和光純薬工業社製)を使用)を用いて80℃で2時間架橋し、その後、トルエンを乾燥除去して、極性基変性オレフィン系重合体含有エラストマー組成物A1を得た。
(2)ジエン系ブロック共重合体の水素添加物含有エラストマー組成物A2
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン25kg、テトラヒドロフラン1g、1,3−ブタジエン1500g及びn−ブチルリチウム3.9gを投入し、70℃で重合を開始した。反応完結後、反応溶液の温度を40℃とし、テトラヒドロフラン100gを、次いで、1,3−ブタジエン3500gを添加して更に断熱重合した。30分後、メチルジクロロシラン2.7gを添加し、15分間反応を行い、反応を完結させた。次に、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、反応溶液を撹拌しながら、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと20分間反応させ、水素添加リチウムとした。その後、反応溶液を80℃とし、水添触媒であるチタノセンジクロリドを加え、水素ガスの圧力を1.0MPaで維持しながら2時間反応させた。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出した。次いで、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、目的とするジエン系ブロック共重合体の水素添加物a2を得た。得られたジエン系ブロック共重合体の水素添加物a2の水素添加率は99%、GPCによる重量平均分子量は34万、水素添加前ポリマーの1段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は14%、水素添加前ポリマーの2段目のブタジエン重合体ブロックのビニル結合含量は49%であった。
続いてジエン系ブロック共重合体の水素添加物a2を100部と、40℃における動粘度が30.85mm/sである鉱物油系軟化剤(出光興産社製、商品名「PW−32」)400部とを窒素雰囲気下、150℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、ジエン系ブロック共重合体の水素添加物含有エラストマー組成物A2を得た。
(3)研磨剤
以下に記載のC1〜C7を使用した。これらはいずれもアルミナである。
C1;昭和電工社製「A−50−K」 平均粒径=1μm 不定形
C2;昭和電工社製「A−42−3」 平均粒径=3μm 不定形
C3;昭和電工社製「A−42−6」 平均粒径=6μm 不定形
C4;キンセイマテック社製「セラフ YFY00610」平均粒径=0.7μm 板状
C5;キンセイマテック株式会社製「セラフ YFY02050」平均粒径=1.4μm 板状
C6;アドマテックス社製「アドマファイン AO−802」平均粒径0.7μm 球状
C7;アドマテックス社製「アドマファイン AO−809」平均粒径11μm 球状
(4)架橋助剤
トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業社製「NKエステル」)
<2>プローブクリーニングフィルム及びプローブクリーニング部材の作製
上記極性基変性オレフィン系重合体含有エラストマー組成物A1をトルエンに溶解させ、10%溶液を調製した。該溶液を100μm厚のPETフィルム上に塗工した後、90℃で乾燥し、30μm厚の異物除去層を得た。次に、上記極性基変性オレフィン系重合体含有エラストマー組成物A1及び上記研磨剤C1を、以下の表1記載の割合でトルエンに溶解・分散させ、40%溶液を調製した。そして、該溶液を上記異物除去層表面に重ねて塗工した後、90℃で乾燥し、150μm厚の研磨層を有する実施例1のプローブクリーニングフィルム(研磨層及び異物除去層の膜厚の合計180μm)を得た。次いで、両面テープ(50μm厚PETフィルム基材、粘着層を含め110μm厚)を使用して、上記プローブクリーニングフィルムを6インチシリコンウェハー上に貼り合わせ、実施例1のプローブクリーニング部材を得た。実施例1のプローブクリーニング部材は、Siウェハー/両面テープ/研磨層/異物除去層/PETフィルムの順で積層された構成である。
また、配合及び厚みを以下の表1記載の通りとした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2〜9及び比較例1〜2の各プローブクリーニングフィルム及び各プローブクリーニング部材を得た。実施例2〜9及び比較例1のプローブクリーニング部材もまた、Siウェハー/両面テープ/研磨層/異物除去層/PETフィルムの順で積層された構成である。
上記極性基変性オレフィン系重合体含有エラストマー組成物A2をトルエンに溶解させ、20%溶液を調製した。該溶液を100μm厚のPETフィルム上に塗工した後、90℃で乾燥し、30μm厚の異物除去層を得た。次に、上記極性基変性オレフィン系重合体含有エラストマー組成物A2及び上記研磨剤C2を、以下の表1記載の割合でトルエンに溶解・分散させ、50%溶液を調製した。そして、該溶液を上記異物除去層に重ねて塗工した後、90℃で乾燥し、150μm厚の研磨層を有する積層体を得た。更に、該積層体に対して500kVの照射電圧で20Mradの電子線照射を行い、実施例10のプローブクリーニングフィルムを得た。次いで、両面テープ(50μm厚PETフィルム基材、粘着層を含め110μm厚)を使用して、上記プローブクリーニングフィルムを6inchシリコンウェハー上に貼り合わせ、実施例10のプローブクリーニング部材を得た。実施例10のプローブクリーニング部材もまた、Siウェハー/両面テープ/研磨層/異物除去層/PETフィルムの順で積層された構成である。
<3>プローブクリーニングフィルムの性能評価
上記実施例1〜10及び比較例1〜2の各プローブクリーニング部材を使用して、以下の方法で性能を評価した。その結果を以下の表1に示す。
(1)異物除去性試験
16本のカンチレバータイプのプローブを有するプローブカードを使用した。該プローブカードを、Al−Cu膜を有するSiウェハーに、オーバードライブ=70μmで3000回接触させて、プローブの針先を汚染させた。この時のプローブの針先を図10に示す。図10に示すように、プローブの針先には、固着異物が付着している(図10の丸で囲った部分)。次に、上記プローブカードを、PETフィルムを剥離した上記実施例1〜10及び比較例1〜2の各プローブクリーニング部材の異物除去層側へオーバードライブ=70μmで20回接触させて、異物除去を試みた。その後、16本のプローブの針先を顕微鏡で観察し、針先固着異物が除去されている本数を計測することにより、異物除去性を評価した。表1の記載は、16本のプローブ中、針先固着異物が除去されていたプローブの本数を示す。
(2)異物再付着防止性試験
上記異物除去性試験と同じ方法で、プローブ先端の異物除去を試みた。その後、16本のプローブの針先を顕微鏡で観察し、ヒゲ状異物(図11参照)を含めて異物が再付着していない本数を計測することにより、異物再付着防止性を評価した。表1の記載は、16本のプローブ中、ヒゲ状異物が再付着していたプローブの本数を示す。
<4>結果
表1より、実施例1〜10の各プローブクリーニングフィルムで構成されるプローブクリーニング部材を使用した結果、16本全てのプローブでヒゲ状異物及び針先固着異物共に除去されており、また、ヒゲ状異物の再付着も見られなかった。その一例を図12に示す。図12は図10のプローブを実施例3のプローブクリーニング部材によりクリーニングした後の針先を示す図である。図12に示すように、実施例3のプローブクリーニング部材によりクリーニングした後では、ヒゲ状異物及び針先固着異物共に除去されており、また、ヒゲ状異物の再付着も見られなかったことが分かる(図12の丸で囲った部分)。
一方、比較例1のプローブクリーニングフィルムで構成されるプローブクリーニング部材を使用した場合には、ヒゲ状異物は16本全てで除去されているものの、針先固着異物は全く除去されていなかった。また、比較例2のプローブクリーニングフィルムで構成されるプローブクリーニング部材を使用した場合には、針先固着異物は除去されているが、3本のプローブの針先にヒゲ状異物が再付着していた。
本発明のクリーニングフィルム及びクリーニング部材は、半導体ウェハ等の基板、該基板等の表面に形成された配線部、形成後の未配線部、該基板等に配設される実装部品(チップ等)等の電子部品及びその電極あるいは端子の性能評価に用いるプローブカードのプローブに付着又は形成された異物の除去に好適に用いることができる。
クリーニングフィルムの一例を示す概略断面図である。 クリーニングフィルムの他の一例を示す概略断面図である。 クリーニングフィルムの他の一例を示す概略断面図である。 クリーニングフィルムの他の一例を示す概略断面図である。 クリーニングフィルムの他の一例を示す概略断面図である。 クリーニングフィルムの他の一例を示す概略断面図である。 クリーニング部材の1例を示す概略断面図である。 クリーニング部材の1例を示す概略斜視図である。 プローブの汚れを本発明のプローブクリーニング部材により除去する方法を示す説明概略図である。 クリーニング前のプローブの針先を撮影した写真を示す図である。 ヒゲ状異物が付着したプローブの針先を撮影した写真を示す図である。 図10に示すプローブを実施例3のプローブクリーニング部材でクリーニングした後の針先を撮影した写真を示す図である。
符号の説明
1;プローブクリーニングフィルム、11;異物除去層、12;研磨層、121;研磨粒子、122;弾性母材、13;凸部、14;凹部又は溝部、15;切り込み部、2;プローブクリーニング部材、21;支持層、3;プローブ。

Claims (9)

  1. 研磨粒子を含有する弾性母材により構成される研磨層と、該研磨層の表面に形成され、樹脂及び/又はエラストマーにより構成される異物除去層と、を備えることを特徴とするプローブクリーニングフィルム。
  2. 上記弾性母材のJIS K6253で測定したショアA硬度は10〜98である請求項1記載のプローブクリーニングフィルム。
  3. 上記研磨層中の上記研磨粒子の体積比率は30〜80体積%である請求項1又は2記載のプローブクリーニングフィルム。
  4. 上記異物除去層は、ジエン系ブロック重合体の水素添加物及び極性基変性オレフィン系重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体を含むエラストマー組成物で構成される層である請求項1乃至3のいずれかに記載のプローブクリーニングフィルム。
  5. 上記ジエン系ブロック重合体の水素添加物は、共役ジエンのブロック重合体の水素添加物又は共役ジエン及び芳香族ビニル化合物で構成されるブロック共重合体の水素添加物である請求項4記載のプローブクリーニングフィルム。
  6. 上記ジエン系ブロック重合体の水素添加物は、ビニル結合含量が25%未満であるブタジエン重合体ブロック(I)と、共役ジエン単位(a1)及び他の単量体単位(a2)の質量割合が(a1)/(a2)=(100〜50)/(0〜50)であり、ビニル結合含量が25〜95%である重合体ブロック(II)とを、それぞれ分子中に少なくとも1つ有するジエン系ブロック重合体中の、オレフィン性不飽和結合が水素添加されたものである請求項4又は5記載のプローブクリーニングフィルム。
  7. 上記エラストマー組成物は、液状材料を含み、且つ該液状材料の含有量は、重合体成分の合計100質量部に対して50〜5000質量部である請求項4乃至6のいずれかに記載のプローブクリーニングフィルム。
  8. 上記極性基変性オレフィン系重合体は、極性基変性エチレン・α−オレフィン共重合体及び極性基変性エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体から選ばれる少なくとも1種であり、且つ、上記エラストマー組成物は、金属イオン及び/又は金属化合物を含む請求項4記載のプローブクリーニングフィルム。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のプローブクリーニングフィルムが支持層上に配設されてなることを特徴とするプローブクリーニング部材。
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