JP2006165078A - 電磁波吸収パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
第1誘電体層12、第2誘電体層14、第3誘電体層16および電磁波反射層20を積層して電磁波吸収パネル10を構成する。スペーサ材14Aにより第1誘電体層12の背面と第3誘電体層16の前面との間に厚さd2の領域14Bを画成し、第1誘電体層12と第3誘電体材料16とを互いに平行に保持する第2誘電体層14を構成する。第1誘電体層12の厚さd1を第3誘電体層16厚さd3の85%以下にする。
【選択図】図1
Description
そこで、本出願人は、珪酸カルシウム板や、モルタル板、石膏ボード等の一般建材を使用した特許文献1の電磁波吸収パネルを提案した。この電磁波吸収パネル10は、電波整合層12と電磁波反射層14とから構成される。電波整合層12は、第1誘電体層1202と、第2誘電体層1204と、第3誘電体層1206とから構成される。第2誘電体層1204は、比誘電率がほぼ1である低誘電率材料から構成され、第1および第3誘電体層1202、1206は、比誘電率が従来の低誘電率材料よりも高い一般建材、例えば珪酸カルシウム板、モルタル板、石膏ボードから構成され、電磁波反射層14は、例えば金属箔で構成されている。
このように電磁波吸収パネルを構成すると、前記第1および第3の誘電体層の含水率が通常の設置環境、例えば室内環境下で変動した場合でも、必要な電磁波吸収性能を維持することができる。したがって、従来の透湿防止材料や防水フィルム等を用いることなく、良好な電波吸収性能を有する電磁波吸収パネルを提供することができる。
前記第1誘電体層の厚さd1が前記第3誘電体層の厚さd3の85%を超えると、前記第1および第3の誘電体層の含水率の変動が大きくなり、これらの比誘電率の変動も大きくなり、所望の電磁波吸収パネルの所望の周波数の電磁波の吸収性能が低下する。
このように電磁波吸収パネルを構成すると、前記第1および第3の誘電体層の含水率が通常の設置環境、例えば室内環境下で変動した場合でも、必要な電磁波吸収性能を維持することができる。したがって、従来の透湿防止材料や防水フィルム等を用いることなく、良好な電波吸収性能を有する電磁波吸収パネルを提供することができる。
前記第1誘電体層の厚さd1が前記第1、第2および第3誘電体層の厚さd1、d3およびd3の合計値の45%以下を超えると、前記第1および第3の誘電体層の含水率の変動が大きくなり、これらの比誘電率の変動も大きくなり、所望の電磁波吸収パネルの所望の周波数の電磁波の吸収性能が低下する。
図1は、実施の形態の電磁波吸収パネルの構成を示す分解斜視図である。また、図2は、図1に示される電磁波吸収パネルの断面図である。
第1誘電体層14は、第1誘電体材料で形成した厚さd1の板材から構成される。第3誘電体層16は、第3誘電体材料で形成した厚さd3の板材から構成される。
第1誘電体層12と第3誘電体材料16との間には、スペーサ材14Aが介装されている。スペーサ材14Aは、第1誘電体層12の背面と第3誘電体層16の前面との間に厚さd2の空気の領域14Bを画成し、第1誘電体層12と第3誘電体材料16とを互いに平行に保持している。スペーサ材14Aおよび領域14Bは、第2誘電体層14を構成する。
一方、前面側(図2で見て左側)から入射する電波は、第1誘電体層12および第3誘電体層16により、反射して戻される電波が、後に入射された電波との干渉によりかなりの反射損失を伴って減衰される。反射損失の値は電波の周波数によって異なり、即ち周波数依存性を有しており、それについては後に詳述する。
また、セメント板、モルタル板、繊維セメント板、それに繊維モルタル板などのセメント系材料の板状建材なども好ましい材料であり、繊維セメント板の一種であるフレキシブルボードなどは、加工性に優れている点で特に好適な材料である。また、壁面用の電磁波吸収パネルにも使用可能であるが、特に天井用の電磁波吸収パネルに使用するのに適した材料として、石膏ボードや岩綿成型板(岩綿吸音板、岩綿保温板、等々)などの内装建材がある。
さらに、外観性や装飾性をも兼ね備えた好適な材料として、素焼タイル、陶器タイル、磁器タイルなどの内装用タイルや、テラコッタなどの内装用れんがをはじめとする種々の窯業系の板状材料がある。また、同じく外観性及び装飾性に優れた材料として、ガラスタイルや内装用板ガラスなどの様々なガラス内装材、それに人造大理石などの様々なプラスチック内装材も使用可能である。
第2誘電体層14は、その体積の大部分が空気から成り、空気の特性インピーダンスは自由空間の特性インピーダンスに略等しい。しかもスペーサ材14Aの材料が、第2層14の特性インピーダンスに大きな影響を及ぼさないプラスチック材料であることから、第2誘電体層14の特性インピーダンスが、自由空間の特性インピーダンスに略等しくなっている。
スペーサ材14Aを金属材料製とした場合には、第2層14の特性インピーダンスに比較的大きな影響を及ぼすことになるため、金属材料を使用することはあまり好ましくないが、ただし、金属材料は一般的に高強度であるため、第2誘電体層14に占めるスペーサ材の体積の割合を極めて小さくできる可能性があり、それが可能であるならば、金属材料の使用も排除されるものではない。
なお、プラスチック材料以外にも、特性インピーダンスに比較的小さな影響しか及ぼさない公知の材料が幾つも存在しており、それら材料は、スペーサ材14Aの好適な材料である。
変形例の電磁波吸収パネル100は、図1及び図2に示される電磁波吸収パネル10の電磁波反射層20の背面側に第3誘電体層16、第2誘電体層14、第1誘電体層12を積層し、電磁波吸収パネル100の両面のいずれの側から入射した電磁波をも減衰させて反射させるようした両面型の電磁波吸収パネルである。
なお、図1および図2に示される電磁波吸収パネル10の各構成要素と同一の構成には、同じ参照番号が付されている。
電磁波吸収パネル10の吸収周波数特性を決定する要因には、第1誘電体層12の比誘電率ε1、第3誘電体層16の比誘電率ε3、第1誘電体層12の厚さd1、第2誘電体層14の厚さd2、第3誘電体層16の厚さd3があり、さらに、第2誘電体層14の特性インピーダンスZc2が自由空間の特性インピーダンスから比較的大きく偏位している場合には、第2誘電体層14の特性インピーダンスZc2ないし比誘電率ε2も考慮することになる。
以下に、電磁波吸収パネル10の吸収周波数特性が、それら要因によってどのように定まるかについて説明する。
この背面インピーダンスZ1(λ,θ)の値は、上述した各層の特性インピーダンスZc1(θ)、Zc2(θ)、Zc3(θ)の値と、伝播定数γ1(λ,θ)、γ2(λ,θ)、γ3(λ,θ)の値と、厚さd1、d2、d3の値とから、以下の式4、式5、式6に従って求めることができる。
これらの式においてZ2(λ,θ)は、第1層12と第2層14との境界面(すなわち、第1層12の背面)の背面インピーダンスの値であり、Z3(λ,θ)は、第2層14と第3層16との境界面(すなわち、第3層16の前面)の背面インピーダンスの値である。
本発明においては、これとは逆に、電磁波吸収パネル10に所望の吸収周波数特性を付与することができるように、第1層12の比誘電率ε1、第2層の比誘電率ε2、第3層16の比誘電率ε3、第1層12の厚さd1、第2層14の厚さd2、第3層16の厚さd3を適切に定めるようにしている。これは、以下の方法に従って行う。
ただし、それらを同一材料とすれば、定尺に形成した電磁波吸収パネルを設置個所の寸法に合わせて切断加工する際に、その加工が容易であるという利点が得られる。両者の材質が大きく異なると、切断工具が良好に対応できないことがあるからである。また、それら材料が一般的なものであって、それらの比誘電率を示したデータが既に存在する場合には、そのデータを参照することでそれらの比誘電率を求めることができる。そのようなデータが入手できない場合には、公知の誘電率測定方法を用いて、測定によって比誘電率を求めればよい。
本発明に係る電磁波吸収パネルは、後に実施例として例示するように、第1層12及び第3層16の材料を、珪酸カルシウム板やモルタル板などの無機バインダーを主材料とする一般建材とし、且つ、第1層12の厚さd1、第2層14の厚さd2、第3層16の厚さd3を3mm〜45mmの範囲内の値としたとき、その吸収周波数特性が1GHz〜10GHzの周波数領域において複数のピークを持つように設計することができる。そして、それらピークの位置は、3つの厚さd1、d2、d3の値に応じて変化する。そこで、算出した吸収周波数特性が、上述の周波数特性条件を満足していなかった場合には、それら3つの厚さd1、d2、d3の値を変えて上述の計算を反復することによって、上述の周波数特性条件を満足する3つの厚さd1、d2、d3の値の組合せ(d1、d2、d3)を求める。
ここでいう強度条件とは、第1層12の厚さd1及び第3層16の厚さd3が、実用上充分な強度を備えるために必要な最小厚さ(材料強度や、スペーサ材14Aの形態などによって異なるが、例えば3mm程度)以上でなければならないという条件である。
また、寸法条件とは、最終的に完成したときの電磁波吸収パネル10の厚さが、実用上許容される最大厚さ(電磁波吸収パネルの設計者が任意に設定することのできる厚さであり、例えば90mm程度、好ましくは45mm程度)以下でなければならないという条件である。
これら周波数特性条件、強度条件、及び寸法条件のすべてを満足する3つの厚さの値の組合せ(d1、d2、d3)は、通常幾つも見出すことができ、それらのうちから総合的に判断して最適と思われる組合せを選択するようにする。
ここで、ピークが周波数帯をカバーするというのは、そのピークが存在することによって、カバーしようとする周波数帯の全域において損失反射の値が目標レベル以上になることを意味する。
損失反射の目標レベルは、必要とする通信品質に応じて決められる。従来は、20dBが損失反射の目標レベルとされることが多かったが、近年は通信機器の性能が向上したこともあり、損失反射の目標レベルは6dB程度でも充分なことがある。本発明に係る電磁波吸収パネルは、損失反射の目標レベルを、6dBより充分に高い15dBに設定した場合でも、その目標レベルを容易に達成することができる。
無線LANの周波数帯としては、2.4〜2.5GHzと、5.15〜5.25GHzとの、2つの周波数帯が割り当てられている。そこで、電磁波吸収パネルの吸収周波数特性が、少なくとも2つのピークを持ち、それらのうちの1つのピークが2.4〜2.5GHzの周波数帯をカバーし、もう1つのピークが5.15〜5.25GHzの周波数帯をカバーするようにすれば、それら両方の周波数帯に対応した電磁波吸収パネルを構成することができる。
そのためには、算出した吸収周波数特性が、それら2つの所望の周波数帯を各々カバーする2つのピークを有するという条件を満足しているか否かを判定し、もし満足していなければ、3つの厚さd1、d2、d3の値を変えて計算を反復することで、この条件を満足するそれら3つの厚さの値の組合せ(d1、d2、d3)を求め、こうして求めた値の組合せを用いて電磁波吸収パネルを製作するようにすればよい。
本発明に係る電磁波吸収パネルによれば、このような吸収周波数特性条件を満足する値の組合せ(d1、d2、d3)を求める。
を持ち、それらピークがPHSの1つの周波数帯と無線LANの2つの周波数帯とをカバーするようにすればよい。
ただし、この条件を満足する3つの厚さの値の組合せ(d1、d2、d3)を見出すことは、1つないし2つだけの周波数帯をカバーすればよい場合と比べて、一層困難度が増大することになる。
第1は、電磁波吸収パネル10を製作する過程で算出した吸収周波数特性におけるピーク(以下、算出ピークという)の位置と、実際に製作した電磁波吸収パネル10の吸収周波数特性におけるピーク(以下、実ピークという)の位置とのずれを小さくする。
第2は、電磁波吸収パネル10の使用中に発生する実ピーク位置の変動を小さくする。
第3は、含水率の変動により吸収周波数特性が大きく劣化しない条件を見出す。本発明は、この条件として、特に、第1層12および第3層16の厚さd1およびd3に注目した。
このピーク位置のずれを減少させるには、実際にスペーサ材14Aによって画成される第2層14の特性インピーダンスの値を予め計測等によって求め、その求めた特性インピーダンスの値を用いて、前掲の式1及び式2の中のZc2(θ)の値に補正を加えればよい。これによって算出ピーク位置が実ピーク位置に近付くため、より急峻なピークによって所望の周波数帯をカバーすることが可能になり、反射損失レベルを高めることができる。
第1層12および第3層16をこの種の材料で形成した場合には、電磁波吸収パネル10の供用中に第1層12および第3層16の含水率が変化することによって、その比誘電率ε1、ε3が変動し、その結果、実ピーク位置が変動する。
上述したように、ピークの形状をなだらかなものとしておけば、実ピーク位置が変動しても所望の周波数帯をカバーし続けることができるが、そのためには反射損失レベルの低下を甘受しなければならず、従って、実ピーク位置の変動を抑制することが望まれる。
そこで、一般建材として珪酸カルシウム板、モルタル板、繊維強化セメント板(以下、それぞれCS板、MO板、LFともいう)の実験レベルの検討を行った。
ここで、電磁波吸収パネル10の目標吸収性能値を−12dBとした。
また、厚さ(d1、d2、d3)の合計値Aで表すものとする。
まず、珪酸カルシウム板およびモルタル板について、第1層12及び第3層16が同材料で含水率変動も同じであると仮定し、各層の厚さ(d1、d2、d3)と含水率(WC)との4つの変数により電磁波吸収パネル10の吸収性能を計算した。
ここで、2.4〜2.5GHzと、5.15〜5.25GHzの電磁波を良好に吸収する4つの変数を求めた。この結果を表1に示す。
MO板の場合には、厚さd1は、厚さd3の8%以下が好ましく、または、厚さの合計値Aの6%以下が好ましい。
CS板の場合には、厚さd1は、厚さd3の27%以下が好ましく、または、厚さの合計値Aの9%以下が好ましい。
ここで、2.4〜2.5GHzと、5.15〜5.25GHzの電磁波を良好に吸収する5つの変数を求めた。この結果を表2に示す。
表2において、例えば、第1層12がCS板、第3層16がMO板のときには、電磁波吸収パネル10をCSMO板(Absorber)で表している。
MOMO板の場合には、厚さd1は、厚さd3の15%以下が好ましく、または、厚さの合計値Aの12%以下が好ましい。
MOCS板の場合には、厚さd1は、厚さd3の87%以下が好ましく、または、厚さの合計値Aの44%以下が好ましい。
CSMO板の場合には、厚さd1は、厚さd3の42%以下が好ましく、または、厚さの合計値Aの29%以下が好ましい。
CSCS板の場合には、厚さd1は、厚さd3の83%以下が好ましく、または、厚さの合計値Aの36%以下が好ましい。
ここで、2.4〜2.5GHzと、5.15〜5.25GHzの電磁波を良好に吸収する5つの変数を求めた。この結果を表3に示す。
FLFL板の場合には、厚さd1は、厚さd3の21%以下が好ましく、または、厚さの合計値Aの16%以下が好ましい。
図4は、表2のMOMO板の含水率(WC1、WC3)の分布の一例を示す図である。
図4において、d1=2mm、d3=27mmである。
図5は、表2のCSMO板の含水率(WC1、WC3)の分布の一例を示す図である。
図5において、d1=4mm、d3=28mmである。
図6は、表2のCSMO板の含水率(WC1、WC3)の分布の一例を示す図である。
図6において、d1=26mm、d3=10mmである。
図7は、表2のCSCS板の含水率(WC1、WC3)の分布の一例を示す図である。
図7において、d1=26mm、d3=12mmである。
図8は、表3のFLFL板の含水率(WC1、WC3)の分布の一例を示す図である。
図8において、d1=3mm、d3=29mm、31mmおよび33mmである。
図4および図5は、厚さd1が厚さd3より大きい場合の例である。この場合、厚さd1を厚さd3との相対的な大きさで設定する。
図6〜図8は、厚さd1が厚さd3より小さい場合の例である。この場合、厚さd1を厚さd1、d2およびd3の合計値Aとの相対的な大きさで設定する。
さらに、第1層12および第3層16がセメント系材料から構成される場合には、上述の一般的なセメント材料の特性を勘案すると、厚さd1が厚さd3の25%以下の厚さで構成されることが好ましく、または、厚さd1は、前記合計値の17%以下の厚さで構成されることが好ましい。
その代表例を図9〜図11に示す。
図9は、CSCS板の一実験例を示す図である。
図9において、Cal.は計算値、Exp.は実験値である。
また、電磁波パネル10は、200mm角とし、厚さd1=15.6mm、厚さd2=9mm、厚さd3=17.9mmとした。含水率WC1の平均値は5.6%に、含水率WC3の平均値は12.8%になるようにした。
この結果、計算値と実験値とは、ピーク部分の絶対値部に相違があるものの、ほぼ一致した良好な吸収性能が得られた。
図10において、Cal.は計算値、Exp.は実験値である。
また、電磁波吸収パネル10は、200mm角とし、厚さd1=23.5mm、厚さd2=30mm、厚さd3=9mmとした。含水率WC1の平均値は5.6%に、含水率WC3の平均値は6.5%になるようにした。
この結果、計算値と実験値とは、周波数の低いピーク値と2番目のピーク値の位置がずれているものの、ほぼ一致した良好な吸収性能が得られた。
図11において、Cal.は計算値、Mea.1およびMea.2は実験値である。
また、電磁波パネル10は、200mm角とし、厚さd1=3.1mm、厚さd2=3.2mm、厚さd3=29.3mmとした。
Mea.1は、含水率WC1の平均値は5.9%に、含水率WC3の平均値は9.5%になるようにした。Mea.2は、Mea.1に対し含水率WC1の平均値を1%上げて6.9%にした。
この結果、実験値Mea.2は、実験値Mea.1に比べ、やや吸収性能が低下するものの、計算値と実験値とは、3つのピーク値を含め、ほぼ一致した良好な吸収性能が得られた。
200mm角、3mm厚の繊維強化セメント板(FL板)に対し、18℃50%、23℃70%、15℃20%、30℃65%の環境下におけるその20℃60%の基準環境下からの重量変化を測定した。
図12に示すように、含水率の変動はほぼ1%の範囲内にある。すなわち、室内の湿度は、20%〜40%が変化した場合、FL板の含水率の変動は1%の範囲内にあることがわかる。したがって、電磁波吸収パネル10は、含水率の1%程度の変動に対し、良好な電磁波吸収性能を発揮すればよい。表1〜3から導出される各層の厚さ(d1、d2、d3)の電磁波吸収パネル10は、含水率の1%程度の変動に対し、十分な電磁波吸収性能を発揮する。
Claims (6)
- 比誘電率が材料中の含水率に応じて変動する第1誘電体材料で形成された厚さd1の第1誘電体層と、
前記第1の誘電体の背面に積層され、比誘電率が略1の第2誘電率を有する厚さd2の第2誘電体層と、
前記第2誘電体層の背面に積層され、比誘電率が材料中の含水率に応じて変動する第3誘電体材料で形成された厚さd3の第3誘電体層と、
前記第3誘電体層の背面に積層された電磁波反射層とから構成される電磁波吸収パネルであって、
前記厚さd1は、前記第1誘電体層の強度を維持するために必要な厚さ以上で、かつ、前記厚さd3の85%以下の厚さで構成される、
ことを特徴とする電磁波吸収パネル。 - 前記第3誘電体材料は、セメント系材料から構成され、
前記厚さd1は、前記厚さd3の50%以下の厚さで構成されることを特徴とする請求項1記載の電磁波吸収パネル。 - 前記第1および第3誘電体材料は、セメント系材料から構成され、
前記厚さd1は、前記厚さd3の25%以下の厚さで構成されることを特徴とする請求項1記載の電磁波吸収パネル。 - 比誘電率が材料中の含水率に応じて変動する第1誘電体材料で形成された厚さd1の第1誘電体層と、
前記第1の誘電体の背面に積層され、比誘電率が略1の第2誘電率を有する厚さd3の第2誘電体層と、
前記第2誘電体層の背面に積層され、比誘電率が材料中の含水率に応じて変動する第3誘電体材料で形成された厚さd3の第3誘電体層と、
前記第3誘電体層の背面に積層され、前記第1、第2および第3誘電体層を通して入射される電磁波を反射する反射層とから構成される電磁波吸収パネルであって、
前記厚さd1は、前記第1誘電体層の強度を維持するために必要な厚さ以上で、かつ、前記厚さd1、d2およびd3の合計値の45%以下の厚さで構成される、
ことを特徴とする電磁波吸収パネル。 - 前記第3誘電体材料は、セメント系材料から構成され、
前記厚さd1は、前記合計値の30%以下の厚さで構成されることを特徴とする請求項5記載の電磁波吸収パネル。 - 前記第1および第3誘電体材料は、セメント系材料から構成され、
前記厚さd1は、前記合計値の17%以下の厚さで構成されることを特徴とする請求項5記載の電磁波吸収パネル。
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