JP2006163259A - 光学接続構造及びその作製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 プリント基板5上に設けられ、このプリント基板5に対して垂直方向に光入出射口3Aを有する面発光レーザ素子3と光ファイバ1との光学接続構造において、光ファイバ1を保持する保持部材2が、面発光レーザ素子3の光入出射口3Aを取り囲むようにプリント基板5上に設置された位置固定部材4に挿置されることにより、光ファイバ1と光入出射口3Aとの相対的な位置決めがなされ、光ファイバ1と面発光レーザ素子3とが光学接続される。
【選択図】 図1
Description
また、上記方法において、プリント基板上の光学部品に光伝送媒体を装着する場合、光伝送媒体と光学部品とを接触させなければならないが、これにより、光学部品が破損してしまうおそれがあった。また、プリント基板上に接続面がプリント基板面に垂直方向に向いて設けられた光学部品と光伝送媒体との接続に関しては、レンズ等を用いて非接触で、光学接続させることも可能であるが、部品点数が多くなるとともに各々のレンズと個々の光学部品、並びに光伝送媒体との位置合わせが必要であり、接続時間が長くなり、高コストになっていた。
前記光伝送媒体を保持する保持部材が、前記光学部品の光入出射口を取り囲むように前記基板上に設置された位置固定部材に挿置されることにより、前記光伝送媒体と前記光入出射口との相対的な位置決めがなされ、前記光伝送媒体と前記光学部品とが光学接続されることを特徴とする。
また、基板表面近傍で光伝送媒体の位置合わせを行うため、フェルール等を位置合わせする割りスリーブ等の長い部材を使う必要がなくなり、従来の光コネクタよりも小型化でき、構造が簡単となって部品点数も削減することができる。これにより、構成の小型化及び簡素化が可能となりコストを削減することができる。さらには、基板上の占有スペースを小さくすることが可能となる。
図1及び図2に示すように、第1実施形態の光学接続構造51においては、プリント基板5(基板)上の所定の位置に、光学部品として面発光レーザ素子3が光入出射口3Aをプリント基板5に対し垂直に向けて予め実装されている。そして、面発光レーザ素子3の光入出射口3Aを取り囲むようにして、位置固定部材4がプリント基板5上に固定されている。この位置固定部材4は円柱状を成しており、中心部には、上面4Aから厚さ方向に所定の深さで凹む円錐状の固定穴11(空隙部)が形成されている。この固定穴11は、下方に行くにつれて径が小さくなるように形成されており、その中心部には、面発光レーザ素子3を挿通可能な光部品収納孔13が形成されている。この光部品収納孔13の深さは、面発光レーザ素子3の高さ寸法と同等あるいはそれ以上の長さで形成されている。尚、固定穴11は、円錐状としたが球状でも構わない。
さらに、光ファイバ保持部33の下面33bには、保持穴部33Bよりも大径かつ光ファイバ保持部33よりも小径を成す略円柱状の位置決め部34が設けられており、この位置決め部34の先端部34Bは半球状を呈している。この先端部34Bは、光学的に透明な材料からなっている。さらに、位置決め部34の中央部には、軸方向に貫通する貫通孔34Aが形成されている。この貫通孔34Aの先端部34aは、先端に行くにつれて径が大きくなっており、いわゆる円錐状の広がりを成している。そして、その開口部34bは、軸方向に対して直交している。このとき、開口部34bは、貫通孔34Aよりも大径かつ位置決め部34の直径よりも小径となる円形状を呈しており、位置決め部34の先端部34Bの外周面は、この開口部34bへと繋がるように球面状に形成されている。また、開口部34bは、面発光レーザ素子3の上面よりも大きい。
これにより、保持部材2は、プリント基板5に対して垂直に設けられ、かつ位置固定部材4に適度な押圧で載置される。
図6に示すように、まず、プリント基板5上の所定の位置に面発光レーザ素子3を実装する。この面発光レーザ素子3の上方から、光学部品収納孔13内に面発光レーザ素子3を挿通させながら位置固定部材4をプリント基板5上に固定する。そして、図7に示すように、この位置固定部材4を取り囲むようにして、保持固定部材7をプリント基板5上に固定する。すなわち、保持固定部材7は、保持部材用貫通孔12内に位置固定部材4を挿入させながらプリント基板5上に固定される。このとき、位置固定部材4と保持固定部材7とは、互いに隙間のない状態である。
そして、コイル状ばね20とばね固定蓋27とから成る押圧機構28で、保持部材2に対してプリント基板5の方向への押圧を加えることにより、保持部材2が位置固定部材4上に安定して設けられるとともに、光ファイバ1は面発光レーザ素子3と隙間をあけて空間的に光学接続された状態で維持される。面発光レーザ素子3から直接放射されるパワーと光学接続構造51により光ファイバ1に入射されたパワーとを比較すると、接続損失は2.5dBであった。
第2実施形態の光学接続構造52は、図5に示すような光ファイバ1を保持した保持部材2を、上記のような押圧手段28を用いずに、例えば、光透過性を有する固定樹脂23(樹脂)を用いて保持固定部材7に固定し、光ファイバ1と面発光レーザ素子3との接続を可能にしたものである。具体的には、図10及び図11に示すように、保持部材2と保持固定部材7との隙間に充填された固定樹脂23(図11参照)によって、保持部材2が保持固定部材7及び位置固定部材4へと固定されている。この固定樹脂23は、保持固定部材7の上面7aと面一となるように充填されている。
図10に示すように、光ファイバ1を設けた保持部材2を保持固定部材7内に挿入し、プリント基板5に設けられた位置固定部材4の固定穴11に保持部材2を載置させた後、図11に示すように、保持部材2と保持固定部材7と位置固定部材4との隙間を埋めるようにして固定樹脂23を充填させた後、固化させる。これにより、保持部材2、保持固定部材7、位置固定部材4は互いに固定され、光ファイバ1は面発光レーザ素子3と空間的に光学接続される。
このように、固定樹脂23を用いて、保持部材2、保持固定部材7、位置固定部材4を固定することにより、光ファイバ1と面発光レーザ素子3との接続状態を確実に維持することができる。このとき、面発光レーザ素子3から直接放射されるパワーと、この光学接続構造52により光ファイバ1に入射されたパワーとを実際に比較すると、接続損失は2.3dBと良好であった。
光学接続構造53は、図5に示すような光ファイバ1を保持した保持部材2を、保持固定部材7及び押圧機構28を用いることなく、固定樹脂23のみを用いてプリント基板5に固定したものである。具体的には、図12に示すように、保持部材2とプリント基板5とが固定樹脂23によって連結固定されている。この固定樹脂23は、プリント基板5上の位置固定部材4の全体と、保持部材2の位置決め部34の下部とを覆うようにして固着されている。
保持部材2の位置決め部34をプリント基板5に設けた位置固定部材4の固定穴11に載置させた後、図12に示すように、保持部材2の位置決め部34の下部からプリント基板5にかけて固定樹脂23を塗布して固化させる。
これにより、より少ない部品で保持部材2をプリント基板5上に固定することができる。そして、保持部材2及びプリント基板5は固定樹脂23によって連結固定され、光ファイバ1と面発光レーザ素子3とが空間的に光学接続される。このとき、面発光レーザ素子3から直接放射されるパワーと、この光学接続構造53により光ファイバ1に入射されたパワーとを実際に比較すると、接続損失は2.0dBと良好であった。
第4実施形態においては、図13に示すように、断面V字状のV溝15(空隙部)が形成された位置固定部材40を用いている。この位置固定部材40は、その上面40aにおいて、幅方向中央部に位置し且つ長さ方向に沿うようにしてV字状のV溝15が形成されている。このV溝15は、上記位置固定部材4の固定穴11と同様の深さ及び傾斜角度で形成されている。さらに、このV溝15に開口し且つ谷部15Aの一部を含むようにして、位置固定部材40の厚さ方向に貫通する光部品収納孔36がV溝15の底部に形成されている。この光部品収納孔36内に面発光レーザ素子3が収納される。
上記のような位置固定部材40には、図14に示すような保持部材29が載置される。この保持部材29は、断面視矩形の略直方体形状で、その先端部44は円筒面となっており、詳しくは、断面半円状となっている。また、中央部には、保持部材29の高さ方向に貫通する断面視矩形状のファイバ用貫通孔91が形成されている。ファイバ用貫通孔91の下方開口部91Aの中心部は、先端部44の頂部44Aと水平方向で一致するとともに、その頂部44Aの一部を含むようにして形成される。このファイバ用貫通孔91内に光ファイバ1が保持される。
このような保持部材29を上記位置固定部材40に載置させることで、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
このように構成される光学接続構造54の場合、図15から図16に示すように、保持部材29をV溝15に沿って横方向へ移動させることが可能となるため、組み立て後の微調節が可能となる。このとき、保持固定部材71は、位置固定部材40に沿った形状となっている。
これにより、レンズ等を用いた進行方向の制御をする必要がなくなり、各々のレンズと個々の面発光レーザ素子3、並びに光ファイバ1との位置合わせ等の工程が必要なくなる。さらには、面発光レーザ素子3に対して光ファイバ1の端面の角度調節を行うことが可能となるため、反射減衰量を大きくして戻り光による光学的なノイズ発生や、面発光レーザ素子3の破損等の不具合を軽減することができる。したがって、面発光レーザ素子3と光ファイバ1とを適正に接続することができる。
また、プリント基板5表面近傍で光ファイバ1の位置合わせを行うため、フェルール等を位置合わせする割りスリーブ等の長い部材を使う必要がなくなり、従来の光コネクタよりも小型化でき、構造が簡単となって部品点数も削減することができる。これにより、構成の小型化及び簡素化が可能となりコストを削減することができる。さらには、プリント基板5上の占有スペースを小さくすることが可能となる。
また、図21のように、穴部31内に屈折率整合材24またはUV接着剤16を満たすことで、光ファイバ1と穴部31との間には保持部材2と光ファイバ1との間での光散乱や反射がなくなり、図22に示すような接続状態を良好に保つことができる。
また、保持固定部材7は、保持部材2を面発光レーザ素子3の上方に安定的に位置させることができれば、如何なる形状でも構わない。例えば、保持部材用貫通孔12の代わりに溝であってもよく、さらには、コイル状ばね20と保持固定部材7とが一体成形されていてもよい。
また、上記のように、面発光レーザ3と光ファイバ1との位置合わせを行った後、各部材を安定させるために、固定樹脂23を光ファイバ1の周辺に流入し、硬化させて保持部材2、光ファイバ1、プリント基板5を一体固定してもよい。
保持部材2を黄銅、リン青銅、ステンレス、ニッケル等の金属で作製した場合、保持部材2とプリント基板5、または金属製の位置固定部材4または保持固定部材7とハンダで固定することが可能となり、光ファイバ1をプリント基板5上またはプリント基板5から引き出す際に面発光レーザ素子3の実装と同工程で光ファイバ1を接続することが可能となる。
また、光ファイバ1の代わりに、光導波路22を保持部材2に固定することで、光導波路22と面発光レーザ素子3とを位置合わせ及び接続させることも可能である。その際の光導波路22は、材料を問わず、石英、シリコン等の無機系でも接続可能であるが、好ましくは、ポリイミド、アクリル、エポキシ等の高分子系材料で作製されたものを使用することができる。
1A 被覆部
1B 光ファイバ素線
2,29 保持部材
3 面発光レーザ素子(光学部品)
3A 光入出射口
4,40 位置固定部材
4A 上面
5 プリント基板(基板)
7 保持固定部材
7a 上面
7b 下面
9 ファイバ用貫通孔(貫通孔)
11 固定穴(空隙部)
12 保持部材用貫通孔
13 光部品収納孔
14 先端
15 V溝(空隙部)
15A 谷部
16 UV接着剤
17 金属部材
20 コイル状ばね(押圧手段)
22 光導波路
23 固定樹脂(樹脂)
24 屈折率整合材
26 レンズ状物
27 ばね固定蓋(押圧手段)
27a 貫通孔
27A 蓋部
27B 壁部
28 押圧機構(押圧手段)
30 樹脂
31 穴部
33 光ファイバ保持部
33a 上面
33b 下面
33c 底面
33A 貫通孔
33B 保持穴部
34 位置決め部
34a 先端部
34b 開口部
34A 貫通孔
34B 先端部
36 光部品収納孔
40a 上面
44 先端部
44A 頂部
θ 角度
51,52,53,54 光学接続構造
71 保持固定部材
91 貫通孔
91A 開口部
Claims (16)
- 基板上に設けられ、前記基板に対して垂直方向に光入出射口を有する光学部品と光伝送媒体との光学接続構造において、
前記光伝送媒体を保持する保持部材が、前記光学部品の光入出射口を取り囲むように前記基板上に設置された位置固定部材に挿置されることにより、前記光伝送媒体と前記光入出射口との相対的な位置決めがなされ、前記光伝送媒体と前記光学部品とが光学接続されることを特徴とする光学接続構造。 - 前記保持部材が円柱状の孔を有しており、前記円柱状の孔に前記光伝送媒体が挿入され、固定されることを特徴とする請求項1に記載の光学接続構造。
- 前記円柱状の孔が貫通孔であることを特徴とする請求項2に記載の光学接続構造。
- 前記貫通孔の先端が円錐状に拡がっていることを特徴とする請求項3に記載の光学接続構造。
- 前記貫通孔に挿入された前記光伝送媒体の先端と前記光学部品の光入出射口との間が光学的に透明な樹脂で満たされていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光学接続構造。
- 前記保持部材の先端の形状が球状であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学接続構造。
- 前記保持部材の少なくとも先端部は光学的に透明な材料からなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学接続構造。
- 前記保持部材が前記基板に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学接続構造。
- 押圧手段により前記保持部材を前記基板の方向に押圧してなることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の光学接続構造。
- 前記位置固定部材が球状、円錐状、V溝状から選択される一形状の空隙部を有しており、前記空隙部に前記保持部材の先端が挿入されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光学接続構造。
- 前記光学部品に対する前記保持部材の角度を操作し、前記光伝送媒体の端面を前記光入出射口に対して傾斜させて固定することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学接続構造。
- 前記光伝送媒体が単心又は多心の光ファイバであることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の光学接続構造。
- 基板上に設けられ、前記基板に対して垂直方向に光入出射口を有する光学部品と光伝送媒体との光学接続構造の作製方法において、
前記光伝送媒体を保持部材に保持する光伝送媒体保持工程と、
前記光学部品の光入出射口を取り囲むように前記基板上に位置固定部材を設置する位置固定部材設置工程と、
前記位置固定部材に前記保持部材を挿置することにより、前記光伝送媒体と前記光入出射口との相対的な位置決めを行なって前記光伝送媒体と前記光学部品とを光学接続させる位置決め工程とを有することを特徴とする光学接続構造の作製方法。 - 前記光学部品に対する前記保持部材の角度を操作し、前記光伝送媒体の端面を前記光入出射口に対して傾斜させて配設する保持部材傾斜配設工程を有することを特徴とする請求項13に記載の光学接続構造の作製方法。
- 前記保持部材を前記基板に固定する保持部材固定工程を有することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の光学接続構造の作製方法。
- 押圧手段によって前記保持部材を前記基板の方向に押圧する保持部材押圧工程を有することを特徴とする請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の光学接続構造の作製方法。
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JP2004358197A JP2006163259A (ja) | 2004-12-10 | 2004-12-10 | 光学接続構造及びその作製方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2009025587A (ja) * | 2007-07-20 | 2009-02-05 | Sanwa Denki Kogyo Co Ltd | 光サブアッセンブリ構造 |
WO2018146806A1 (ja) * | 2017-02-13 | 2018-08-16 | オリンパス株式会社 | 光モジュールおよび内視鏡 |
-
2004
- 2004-12-10 JP JP2004358197A patent/JP2006163259A/ja active Pending
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