JP2006163169A - 光学フィルム、バックライトシステムおよび液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、バックライトシステムおよび液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 1/4波長板と、直線偏光分離板と、直線偏光板とが、この順で積層されている光学フィルムであって、光の利用効率がよく、かつ透過光の色相をニュートラルに近づけることができる光学フィルムを提供すること。
【解決手段】 1/4波長板と、直線偏光分離板と、直線偏光板とが、この順で積層されている光学フィルムであって、1/4波長板は、面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx、ny、nzとし、フィルム厚みをd(nm)とした場合に、波長550nmでの正面位相差(Δnd):(nx−ny)×dが、70〜95nmであり、かつ波長400nm、550nm、700nmにおける正面位相差(Δnd)を、それぞれλ(400)、λ(550)、λ(700)としたとき、λ(400)/λ(550)>1.1、λ(700)/λ(550)<1、を満足することを特徴とする光学フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、1/4波長板と、直線偏光分離板と、直線偏光板とを積層した光学フィルムに関する。かかる光学フィルムは、輝度向上偏光板などとして好適であり、バックライトシステムおよび液晶表示装置に好適に用いられる。
従来、液表表示装置には、両面に直線偏光板を配置した液晶セルとともに、光源が配置されている。直線偏光板、その透過軸に平行な振動面を有する偏光はそのまま透過させ、吸収軸に平行する振動面を有する偏光は吸収する機能を有し、その透過軸と吸収軸は互いに直交しているものである。光源としては、例えば、側面からの入射光を上下面の一方より出射する導光板を有するサイドライト型バックライトが知られている。当該導光板の光出射面側(上側)には、偏光板を介して液晶セルが配置されており、導光板の下側に反射板が設けられている。しかしながら、直線偏光板は、特定の振動面をもつ直線偏光のみを透過して他の光は吸収する偏光特性を有するため、液晶セルに入射させて表示に利用しうる光量は、導光板出射光の45%程度であり、理論的にも50%を超えることがない。そのため、光の利用効率に乏しくて液晶表示装置等の輝度向上を阻害する。
そこで、直線偏光板と導光板の間に、自然光より直線偏光を取り出す素子として直線偏光分離板が一般的に設けられている。直線偏光分離板は、透過軸に平行な振動面を有する偏光はその振動面を保ったまま透過させ、反射軸に平行な振動面を有する偏光は反射させる機能を有し、その透過軸と反射軸は互いに直交しているものである。直線偏光分離板としては、誘電体の薄膜を重畳した多層膜を介してブリュースター角により自然光を直線偏光からなる反射光と透過光に分離するようにしたものや、複屈折性誘電体の薄膜を重畳した多層膜を介して自然光を直線偏光からなる反射光と透過光に分離するものが知られている。
この直線偏光分離板の透過軸と直線偏光板の透過軸を合わせることにより、光源からの出射光は直線偏光分離板により、直線偏光からなる反射光と透過光に分離され、その透過光は直線偏光板も透過して利用される。一方、前記直線偏光分離板で分離された反射光は、光源に戻され下面側の反射板により反射反転して、直線偏光の振動面が変換されて直線偏光分離板を透過しうる直線偏光となり、直線偏光分離板に再入射して、最終的には直線偏光板を透過するようになる。その結果、当初の透過光に当該反射光の反転再入射光が加算された状態の出射光が得られて光の利用効率が向上する。
しかし、サイドライト型バックライトでは、通常、集光化のために、導光板上に、拡散板、プリズムシート等の集光板が用いられているため、直線偏光分離板で反射された直線偏光は、拡散板や集光板により偏光状態が乱される。その結果、直線偏光分離板での反射光は、そのままの偏光状態で反射板に到達するものではなくなるため、光の利用効率は十分ではなかった。この問題に対しては、直線偏光分離板の光源側に、1/4波長板を設けることが提案されている(特許文献1、特許文献2)。1/4波長板を設けることにより、直線偏光分離板により反射された直線偏光を円偏光とすることにより、拡散板や集光板による表面反射(偏光反転)を最大限に利用することができ、光の利用効率を向上させることができる。
一方、前記の光の利用効率とは別に、直線偏光分離板と直線偏光板を透過した光には、色相が若干黄色になるといった問題がある。この問題は、前記特許文献に記載のように1/4波長板を設けた場合にも、解消できていない。
特許第3303278号明細書 特許第3096851号明細書
本発明は、1/4波長板と、直線偏光分離板と、直線偏光板とが、この順で積層されている光学フィルムであって、光の利用効率がよく、かつ透過光の色相をニュートラルに近づけることができる光学フィルムを提供することを目的とする。
また本発明は、当該光学フィルムを用いたバックライトシステムを提供すること、さらには液晶表示装置を提供することすることを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記光学フィルムにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、1/4波長板と、直線偏光分離板と、直線偏光板とが、この順で積層されている光学フィルムであって、
1/4波長板は、面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx、ny、nzとし、フィルム厚みをd(nm)とした場合に、
波長550nmでの正面位相差(Δnd):(nx−ny)×dが、70〜95nmであり、
かつ波長400nm、550nm、700nmにおける正面位相差(Δnd)を、それぞれλ(400)、λ(550)、λ(700)としたとき、
λ(400)/λ(550)>1.1、λ(700)/λ(550)<1、
を満足することを特徴とする光学フィルム、に関する。
上記本発明の光学フィルムでは、1/4波長板と、直線偏光分離板と、直線偏光板とをこの順で積層したものであるから、直線偏光分離板により反射された直線偏光を円偏光とすることができ、これにより、拡散板や集光板による表面反射(偏光反転)を最大限に利用することができ、光の利用効率を向上させることができる。また円偏光とすることにより、深い角度での界面反射によるp偏光、s偏光の分離の影響も少なくすることができ、光の利用効率を向上させることができる。
また本発明では、1/4波長板として、波長550nmでの正面位相差(Δnd)が、70〜95nmのものを用いている。かかる正面位相差(Δnd)は、一般的な、1/4波長板の正面位相差(Δnd):100〜180nmよりも低い位相差値を有するものである。また、本発明の、1/4波長板は、波長分散が正に大きいものであり、前記のように、λ(400)/λ(550)>1.1、λ(700)/λ(550)<1、を満足するものを用いている。かかる1/4波長板を用いることで、短波長領域の光(青色の光)の利用効率を向上させることにより、黄色の色相を抑えて、ニュートラルに近づけることができる。
前記1/4波長板の波長550nmでの正面位相差(Δnd)は、70〜95nm、さらには75〜95nm、さらには80〜95nmであるものが好ましい。また波長分散性は、λ(400)/λ(550)>1.1、さらにはλ(400)/λ(550)>1.2であり、さらにはλ(400)/λ(550)>1.3、であるのが好ましい。なお、λ(400)/λ(550)の値が大きくなりすぎると、色相が青色を呈することが考えられるため、λ(400)/λ(550)<2、とするのが好ましい。また、λ(700)/λ(550)<1、さらにはλ(700)/λ(550)<0.95、さらにはλ(700)/λ(550)<0.9、であるのが好ましい。なお、λ(700)/λ(550)の値が小さくなりすぎると色相が青色を呈することが考えられるため、λ(700)/λ(550)>0.5であるのが好ましい。
前記光学フィルムにおいて、1/4波長板の光軸が、直線偏光分離板の透過軸に対して、30〜60度の角度で交差していることが好ましい。
1/4波長板は、直線偏光分離板により反射した直線偏光を円偏光に変換し、それが導光板の下側の反射板で反射されて再び1/4波長板に入射した際、円偏光を直線偏光に戻すが、その場合に直線偏光の振動面(偏光方向)を、直線偏光分離板を透過しやすい状態に変換するものと考えられる。かかる点より、当該反射光を、直線偏光分離板を透過しやすい状態に変換する点などより、1/4波長板の光軸は、直線偏光分離板の偏光軸(偏光透過軸または偏光反射軸)、すなわちその透過光または反射光の偏光方向に対して30〜60度、さらには35〜55度、特に40〜50度の角度で交差する状態に配置することが好ましい。
前記光学フィルムにおいて、1/4波長板は、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz係数が、−1<Nz<1.5、を満足することが好ましい。前記範囲のNz係数を有する1/4波長板は、透過光の着色を防止する点で好ましい。前記Nz係数は、−0.8<Nz<1.3、さらには−0.5<Nz<1、であるのが好ましい。
また本発明は、前記光学フィルムに、少なくとも光源を配置してなることを特徴とするバックライトシステム、に関する。
前記バックライトシステムにおいて、前記光学フィルムは、光源側から、1/4波長板、直線偏光分離板、直線偏光板の順で配置されているものが好適に用いられる。
また前記バックライトシステムとしては、光源が、側面からの入射光を上面より出射する導光板を有するサイドライト型バックライトであって、
導光板の下側には、反射板を有し、
導光板の上側には、拡散板、集光板、前記光学フィルムをこの順で有するものに好適に用いられる。
また本発明は、上記光学フィルムまたはバックライトシステムに、少なくとも液晶セルを配置してなることを特徴とする液晶表示装置、に関する。
以下に本発明を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の光学フィルム(A)の断面図であり、1/4波長板(1)、直線偏光分離板(2)、直線偏光板(3)が、この順で積層されている。
また、図2は、1/4波長板(1)の光軸(遅相軸)方向a、直線偏光分離板(2)の透過軸方向b、直線偏光板(3)の透過軸方向cの関係を示す。1/4波長板(1)には、直線偏光分離板(2)の透過軸方向bが、透過軸方向b´として投射されている。光軸方向aと透過軸の方向bの成す角度θは、前記の通り30〜60度とするのが好ましい。なお、角度θは、光軸方向aと透過軸の方向bの成す小さい方の角度である。また、透過軸方向bと透過軸cの成す角度は、0度±10度の範囲とするのが好ましい。
1/4波長板(1)は、波長550nmでの正面位相差(Δnd)、70〜95nmであり、前記のように、λ(400)/λ(550)>1.1、λ(700)/λ(550)<1、を満足する正の波長分散性を有するものを用いるものを特性制限なく用いることができる。1/4波長板(1)の材料は、透明な高分子系材料が好適に用いられる。
前記高分子系材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース系重合体、ポリアクリル系、エポキシ系またはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげられる。1/4波長板(1)は、高分子系材料のフィルムを延伸する方法により得られる。
また、1/4波長板(1)は、液晶材料により作製することができる。液晶材料による1/4波長板の製法は、例えば、配向基材上に液晶ポリマーまたは液晶モノマーを塗布、配向後に硬化して配向した液晶ポリマー層を形成させる方法、基材フィルム上に形成した液晶ポリマー層を配向基材に転写し、配向させる方法等を採用できる。
1/4波長板(1)の厚さは、正面位相差(Δnd)が、70〜95nmになるように適宜に決定されるが、柔軟性や薄型化などの点より1〜500μm程度が好ましく、さらには5〜400μm、さらには10〜300μmが好ましい。
直線偏光分離板(2)としては、グリッド型偏光子、屈折率差を有する2種以上の材料による2層以上の多層薄膜積層体、ビームスプリッターなどに用いられる屈折率の異なる蒸着多層薄膜、複屈折を有する2種以上の材料による2層以上の複屈折層多層薄膜積層体、複屈折を有する2種以上の樹脂を用いた2層以上の樹脂積層体を延伸したもの、直線偏光を直交する軸方向で反射/透過することで分離するものなどがあげられる。
例えばポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートに代表される延伸により位相差を発生する材料やポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル系樹脂、JSR社製のアートンに代表されるノルボルネン系樹脂等の位相差発現量の少ない樹脂を交互に多層積層体として一軸延伸して得られるものを用いることができる。直線偏光分離板(2)の具体例としては、3M社製のDBEF等があげられる。直線偏光分離板(2)の厚さは、通常、50〜200μm程度である。
直線偏光板(3)は、通常、偏光板と称されるものであり、偏光子またはその片側もしくは両側に保護フィルムを有するものが一般に用いられる。
偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
前記偏光子の片面または両面に設けられる透明保護フィルムを形成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。
また、保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=(nx−nz)・d(ただし、nxはフィルム平面内の遅相軸方向の屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーが好ましい。特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。前記偏光子と保護フィルムとは通常、水系粘着剤等を介して密着している。水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えば、サンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば、平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
1/4波長板(1)と、直線偏光分離板(2)と、直線偏光板(3)との積層は、いずれも、前記積層は、重ね置いただけでも良いが、作業性や、光の利用効率の観点より各層を接着剤や粘着剤を用いて積層することが望ましい。その場合、接着剤または粘着剤は透明で、可視光領域に吸収を有さず、屈折率は、各層の屈折率と可及的に近いことが表面反射の抑制の観点より望ましい。
各層および(粘)接着層には、必要に応じて拡散度合い調整用に更に粒子を添加して等方的な散乱性を付与することや、紫外線吸収剤、酸化防止剤、製膜時のレベリング性付与の目的で界面活性剤などを適宜に添加することができる。
接着剤や粘着剤としては特に制限されない。例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
前記接着剤や粘着剤にはベースポリマーに応じた架橋剤を含有させることができる。また接着剤には、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す接着剤層などであってもよい。
接着剤や粘着剤は、通常、ベースポリマーまたはその組成物を溶剤に溶解又は分散させた固形分濃度が10〜50重量%程度の接着剤溶液として用いられる。溶剤としては、トルエンや酢酸エチル等の有機溶剤や水等の接着剤の種類に応じたものを適宜に選択して用いることができる。
粘着層や接着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
(バックライトシステム)
前記光学フィルム(A)には、少なくとも光源を配置してバックライトシステムを構築できる。光学フィルム(A)は、光源側から、1/4波長板(1)、直線偏光分離板(2)、直線偏光板(3)の順で配置されていることが好ましい。
図3は、光源として、側面からの入射光を上面より出射する導光板(C)を有するサイドライト型バックライトである。サイドライト型バックライトは、導光板内の伝送光を拡散や反射、回折や干渉等により板の上面側に出射するようにしたものである。導光板(C)の側面には光源(L)を有する。図3では、導光板(C)の下側には、反射板(RF)を有し、導光板(C)の上側には、拡散板(D)、集光板(P)、光学フィルム(A)をこの順で有する場合の例である。図3では、集光板(P)は2枚用いられているが、1枚であってもよい。
導光板(C)としては、側面からの入射光を上面より出射する適宜なものを用いうる。かかる導光板は、例えば透明又は半透明の樹脂板の上面(光出射面)又は下面にドット状やストライプ状に拡散体を設けたものや、樹脂板の下面に凹凸構造、特に、プリズムアレイからなる凹凸構造を付与したものなどがあげられる。導光板は、通常、上面、それに対向する下面、及び上下面間の少なくとも一側端面からなる光入射側面を有する板状物からなる。導光板の形状、厚さは特に制限されず、適宜に決定できる。光散乱性導光体はウエッジ型導光体とすることができる。
上記導光板(C)の一側面には光源(L)を配置する。光源は、複数の側面に配置することもできる。光源としては適宜に選択して用いることができ、例えば(冷,熱)陰極管等の線状光源や発光ダイオード等の点光源、またはその線状または面状等のアレイ体などがあげられる。低消費電力性や耐久性等の点よりは冷陰極管が特に好ましい。
光源たる導光板の下側(液晶セルの配置面とは反対側)には反射板(RF)の配置が望ましい。好ましくは、金属反射層を付設することができる。かかる反射層は、プリズム状凹凸等を形成した下面からの漏れ光の発生を防止して出射効率の向上に有効である。また直線偏光分離板(2)層による反射光の偏光振動面を変換する手段としても機能する。
前記金属反射層は、アルミニウム、銀、金、銅又はクロムなどからなる高反射率の金属の少なくとも1種を含有する金属面を有するものである。導光板との密着性に優れる金属反射層は、バインダ樹脂による金属粉末の混入塗工層や、蒸着方式等による金属薄膜の付設層などとして形成することができる。金属反射層の片面又は両面には、必要に応じ反射率の向上や酸化防止等を目的とした適宜なコート層を設けることもできる。
なお、光源には、光源ホルダを設けることができる。光源ホルダとしては、高反射率金属薄膜を付設した樹脂シートや金属箔などが一般に用いられる。また反射板は、上記した反射板に代えて、またはその反射板と共に、導光板の下面に沿って反射シートを設けることもできる。
前記光学フィルム(A)と導光板(C)の間には適当な拡散板(D)を設置することが望ましい。拡散板(D)は、反射光線を導光体近傍にて散乱させ、光の再利用効率が高める。拡散板(D)は、表面凹凸形状による物の他、屈折率が異なる微粒子を樹脂中に包埋する等の方法で得られる。拡散板(D)は前記光学フィルム(A)と導光板(C)の間に挟み込んでも良いし、光学フィルム(A)に貼り合わせてもよい。
前記光学フィルム(A)を貼り合わせた液晶セルをバックライトと近接して配置する場合、フィルム表面とバックライトの隙間でニュートンリングが生じる恐れがあるが、前記光学フィルム(A)の導光板側表面に表面凹凸を有する拡散板を配置することによってニュートンリングの発生を抑制することができる。
集光板(P)は、出射光の方向制御を目的とするものであり、正面方向に集光性を示すレンズシートや、斜め光の光路を正面方向に変換するプリズムシートなどを適宜に選択して用いることができる。集光板(P)は、図3では、光学フィルム(A)と導光板(D)の間に設けられている。集光板(P)は、直線偏光分離板上(2)や、導光板(C)と直線偏光分離板(2)の間などに配置することもできる。集光板(P)は、2層以上を配置することができ、その場合プリズムシートを上下の層でプリズムアレイの配列方向が交差するように配置して面全体での光出射方向を制御し、輝度の均一化をはかることなども行うことができる。
(液晶表示装置)
液晶表示装置には、常法に従って、各種の光学層等が適宜に用いられて作製される。液晶セルの両側に偏光板が配置されている。上記光学フィルム(A)は、図3に示すように液晶セルの光源側に適用される。図3は、図1の光学フィルム(A)を液晶表示装置に適用した場合の断面図である。液晶セル(LC)の両側には直線偏光板(3)がそれらの透過軸が直交になるように配置されている。
液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと光学素子、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明の光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
さらに、液晶表示装置の形成に際しては、前記の通り、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
(その他の材料)
前記のほか実用に際して積層される光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板などの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、楕円偏光板または円偏光板に、更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板があげられる。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行なうことができる。
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した保護フィルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。また前記保護フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含有の保護フィルムは、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点なども有している。保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことができる。
反射板は前記の偏光板の保護フィルムに直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとして用いることもできる。なお反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が保護フィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用である。
また、偏光板は上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
上記の楕円偏光板や反射型楕円偏光板は、偏光板または反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せで積層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射型)偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することよって形成することができるが、予め積層して楕円偏光板等の光学フィルムとしたものは、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点がある。
位相差板は使用目的に応じた適宜な位相差板が用いられる。位相差板としては、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドの如き適宜なポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶ポリマーなどの液晶材料からなる配向フィルム、液晶材料の配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。位相差板(4)板の厚さは、通常0.5〜200μmであることが好ましく、特に1〜100μmであることが好ましい。
また位相差板を、視角補償フィルムとして偏光板に積層して広視野角偏光板として用いられる。視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフィルムである。
このような視角補償位相差板としては、他に二軸延伸処理や直交する二方向に延伸処理等された複屈折を有するフィルム、傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものなどが挙げられる。視角補償フィルムは、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的として適宜に組み合わせることができる。
また良視認の広い視野角を達成する点などより、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリアセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相差板が好ましく用いうる。
なお、位相差板は2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御することができる。2可視光域等の広い波長範囲でλ/4板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対してλ/4板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えばλ/2板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。
本発明の光学フィルム(A)には、粘着層または接着層を設けることもできる。粘着層は、液晶セルへの貼着に用いることができる他、光学層の積層に用いられる。前記光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。粘着層または接着層は前記例示のものを用いることができる。
粘着層等の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお本発明において、上記光学素子等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
正面位相差は、面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx、nyとして、550nmにおける屈折率nx、nyを自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製,自動複屈折計KOBRA21ADH)により計測した値と、厚さd(nm)から、正面位相差(Δnd):(nx−ny)×d、を算出した。またこれらから、Nz係数を算出した。また、波長400nm、550nm、700nmにおける正面位相差(Δnd)を、それぞれ測定し、λ(400)/λ(550)、λ(700)/λ(550)を算出した。
実施例1
(1/4波長板)
ポリカーボネートフィルムの延伸物(厚さ30μm)を用いた。正面位相差(Δnd)は90nm、波長分散性は、λ(400)/λ(550)=1.14、λ(700)/λ(550)=0.95、Nz係数は1であった。
(直線偏光分離板)
3M社製のDBEFを用いた。
(直線偏光板)
日東電工社製の直線偏光板(TEG1465DU)を用いた。
(光学フィルム)
上記1/4波長板と直線偏光分離板とを、1/4波長板の光軸(遅相軸)と直線偏光分離板の偏光軸(透過軸)のなす角度が45度となるように、アクリル系粘着剤(日東電工社製,厚み20μm)を介して貼り合わせた。次いで、直線偏光分離板の偏光軸(透過軸)と直線偏光板の偏光軸(透過軸)を同方向となるようにアクリル系粘着剤(日東電工社製,厚み20μm)を介して貼り合わせて、本発明の光学フィルムを得た。当該光学フィルムは、直線偏光板の側をガラス板にアクリル系粘着剤(日東電工社製,厚み20μm)で貼り合わせた。これをサンプルとした。サンプルの構成は、1/4波長板・直線偏光分離板・直線偏光板・ガラス板、である。
実施例2
(1/4波長板)
実施例1で用いた1/4波長板と、1/1波長板を、それぞれの光軸をそろえて、アクリル系粘着剤(日東電工社製,厚み20μm)を介して貼り合せたものを用いた。1/1波長板は、ポリカーボネートフィルムの延伸物(厚さ30μm)であり、正面位相差(Δnd)は590nm、波長分散性は、λ(400)/λ(550)=1.14、λ(700)/λ(550)=0.95である。前記貼り合わせて得られた1/4波長板は、正面位相差(Δnd)は90nm、λ(400)/λ(550)=1.42、λ(700)/λ(550)=0.85、Nz係数は、0.9であった。
(光学フィルム)
実施例1において、1/4波長板として、上記の貼り合わせて得られた1/4波長板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、サンプルを作成した。
比較例1
実施例1において、1/4波長板を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。
比較例2
実施例1において、1/4波長板として、ノルボルネン系フィルムの延伸物(厚さ30μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。ノルボルネン系フィルムには、日本ゼオン社製のゼオノアフィルムを用いた。正面位相差(Δnd)は100nm、波長分散性は、λ(400)/λ(550)=1.00、λ(700)/λ(550)=1.01である。
比較例3
実施例1において、1/4波長板として、正面位相差(Δnd)が140nmのポリカーボネート系フィルムの延伸物(厚さ30μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。
比較例4
実施例1において、1/4波長板として、正面位相差(Δnd)が60nmのポリカーボネート系フィルムの延伸物(厚さ30μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。
比較例5
実施例1において、1/4波長板の光軸(遅相軸)と直線偏光分離板の偏光軸(透過軸)のなす角度を65度としたこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。
(評価)
実施例および比較例で得られたサンプルを下記バックライト上に配置して、視野角測定装置 ELDIM製Ez−CONTRASTにて、輝度向上率、正面色相を測定した。結果を表1に示す。輝度向上率(%)は、直線偏光板のみをガラス板に貼り合わせたものをサンプルとして配置した場合の輝度を100%とし、これに対する輝度向上率を示す値である。バックライトは、反射板/導光板/拡散板/集光板/集光板という一般的なノートパソコン(IBM社製,Think Pad)に用いられているサイドライト型バックライトシステムを用いた。
Figure 2006163169
表1から、実施例では、輝度向上率が高く、また色相もニュートラルになっていることが分かる。
また実施例1と比較例1については、Ez−CONTRASTにて、透過率を測定した。結果を図4に示す。図4の横軸は、正面から倒していった角度、縦軸はそのときの透過率を示す。実施例1の方がより高い輝度(透過率)を示していることが分かる。また、評価サンプルの方位毎の透過率のデータを示す。実施例1の輝度が深い角度から透過率が安定しており、どの角度でも光の効率がよくなっていることが分かる。
本発明の光学フィルム(A)の断面図の一例である。 本発明の光学フィルム(A)の各光軸を示す概念図の一例である。 本発明の液晶表示装置の断面図の一例である。 実施例1と比較例1の透過率を示すグラフである。
符号の説明
1 1/4波長板
2 直線偏光分離板
3 直線偏光板
A 光学フィルム
C 導光板
D 拡散板
RF 反射板
P 集光板
LC 液晶セル
L 光源

Claims (7)

  1. 1/4波長板と、直線偏光分離板と、直線偏光板とが、この順で積層されている光学フィルムであって、
    1/4波長板は、面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx、ny、nzとし、フィルム厚みをd(nm)とした場合に、
    波長550nmでの正面位相差(Δnd):(nx−ny)×dが、70〜95nmであり、
    かつ波長400nm、550nm、700nmにおける正面位相差(Δnd)を、それぞれλ(400)、λ(550)、λ(700)としたとき、
    λ(400)/λ(550)>1.1、λ(700)/λ(550)<1、
    を満足することを特徴とする光学フィルム。
  2. 1/4波長板の光軸が、直線偏光分離板の透過軸に対して、30〜60度の角度で交差していることを特徴とする請求項1記載の光学フィルム。
  3. 1/4波長板は、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表されるNz係数が、
    −1<Nz<1.5、を満足することを特徴とする請求項1または2記載の光学フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルムに、少なくとも光源を配置してなることを特徴とするバックライトシステム。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルムが、光源側から、1/4波長板、直線偏光分離板、直線偏光板の順で配置されていることを特徴とする請求項4記載のバックライトシステム。
  6. 光源が、側面からの入射光を上面より出射する導光板を有するサイドライト型バックライトであって、
    導光板の下側には、反射板を有し、
    導光板の上側には、拡散板、集光板、請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルムをこの順で有することを特徴とする請求項4または5記載のバックライトシステム。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム、または請求項4〜6のいずれかに記載のバックライトシステムに、少なくとも液晶セルを配置してなることを特徴とする液晶表示装置。
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