JP2006162933A - プリズムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射面の面精度を確保でき、製造コストを削減する上で有利なプリズムおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】プリズム10は光入射面12と、この光入射面12からその内部に入射された光を内部に向けて反射させる単一の反射面14を有している。プリズム10は合成樹脂製のプリズム本体20と紫外線硬化樹脂層30とを備えている。紫外線硬化樹脂層30は、プリズム本体20の外面2006に紫外線硬化樹脂31が接着され硬化されることで構成され均一の厚さで形成されている。紫外線硬化樹脂層30は、外面2006に接触する内面部3002と、内面部32と反対側に位置する外面部34とを有し、外面部34が内面部32に対向する面により反射面14が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明はプリズムおよびその製造方法に関する。
プリズムは各種機器や装置の光学的機構を有する箇所に用いられている。
例えば、近年、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置のファインダに使われるプリズムとして、ガラス製プリズムよりも安価な合成樹脂製プリズムが提供されている。
しかしながら、合成樹脂製プリズムは、光学的な機能を果たすために、厚みが不均一の所謂偏肉形状と、厚みが厚い所謂ボテ肉形状を有していることから、成形時の収縮により金型形状に対して誤差が生じやすく、高精度の部品を得る上で不利がある。
そのため、精度を得ようとして、成形時間を長くして合成樹脂製部品としてはコスト高になったり、あるいは、成形時間を短縮するためにプリズムの体積が制約されることから、このような合成樹脂製プリズムをファインダに適用した場合に倍率が低く、アイリリーフの短い覗きにくい光学設計を余儀なくされるといった問題がある。
また、プリズムで反射面として使用する面は、透過面に比べて数倍の面精度が必要となることから、合成樹脂製プリズムの製造をより困難なものにしていた。
このような問題を解消するために、例えば、精度の悪い合成樹脂製プリズムの各面に、精度の高いガラス板を接着剤で貼ることにより、透過面および反射面をガラス板の精度で確保し、面精度の悪い合成樹脂表面は、合成樹脂と屈折率の近い接着剤で埋めて、成形精度の悪さが光学的に影響しないようにすることが提案されている(特許文献1)。
また、切削加工された合成樹脂レンズの表面に、このレンズを透して紫外線を照射して紫外線硬化樹脂層を形成し、形状精度と表面粗度を良くする手段が示されており、ミラーやプリズムへの応用も示唆されている(特許文献2)。
また、ガラスレンズの表面に紫外線硬化樹脂層を形成する際、型をガラス等の透明材質でつくり、透明な型を透して紫外線を照射することが開示されている(特許文献3)。
特公昭43−30896号公報 特公平5−52481号公報 特開2001−300944号公報
しかしながら、特許文献1の従来技術では、プリズムの基材となる合成樹脂と反射面または透過面を形成するガラスとの線膨張係数の違いにより、高温や低温でガラス表面の平面精度が崩れたり、使用環境温度の急激な変化で接着剤が剥れたりするなど温度変化の影響を受けやすいという問題がある。
また高精度の平面を保つために、ガラス板には、その表面積に応じて十分な厚みが必要であり、その厚いガラス板を貼り付けるためにプリズムの小型化に制約が生じ、小型のファインダ等を設計できないという欠点がある。
さらにペンタゴナルダハプリズムなどのダハ面にガラス板を貼り付けて反射面にする場合、2つの反射面が稜線を挟んでなす角度を精度良く90度にする必要があり、特許文献1に示されたようなコリメータ等を用いて角度を測定しながら貼り付けることが必要であり、製造コストがかかる問題がある。
また、特許文献2の従来技術では、切削加工された合成樹脂を基材とするので製造コストがかかる問題を有している。
また、特許文献2の従来技術では、合成樹脂基材を透して紫外線を照射することが重要な要件であるが、合成樹脂基材の種類によっては紫外線を吸収する材料があり、この成形手段が不可能な場合がある。複屈折が少なく、最も安価で、レンズやプリズムに多用される合成樹脂であるPMMA(ポリメチルメタアクリレート)では紫外線の透過率が低く、合成樹脂を透して紫外線硬化樹脂に紫外線を照射することは極めて困難であるという問題がある。
また、特許文献3の従来技術ではでは、ガラスレンズを基材とすることが前提になっており、製造コストを削減する上で不利がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、反射面の面精度を確保でき、製造コストを削減する上で有利であり、小型化を図る上で有利であり、温度変化による影響を受けにくいプリズムおよびその製造方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明は、光入射面からその内部に入射された光を内部に向けて反射させる反射面を有するプリズムであって、前記プリズムは、当該プリズムの外形を構成する合成樹脂製のプリズム本体と紫外線硬化樹脂層とを備え、紫外線硬化樹脂層は前記プリズム本体の複数の外面のうちの少なくとも一つの外面に紫外線硬化型樹脂が接着され硬化されることで構成され、前記紫外線硬化樹脂層は、前記複数の外面のうちの少なくとも一つの外面に接触する内面部と、前記内面部と反対側に位置する外面部とを有し、前記反射面は、前記外面部が前記内面部に対向する面により形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、合成樹脂製のプリズム本体の複数の外面のうちの少なくとも一つの外面に、内部に入射された光を内部に向けて反射させる反射面を構成する紫外線硬化型樹脂からなる紫外線硬化樹脂層が設けられたプリズムの製造方法であって、前記紫外線硬化樹脂層が設けられる前記プリズム本体の外面の箇所で対向する縁部箇所に、均一の高さでそれぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部を突出形成し、平坦な載置面を有する載置台を用意し、前記載置台の載置面に、前記一対の壁部を載せて前記プリズム本体の外面の箇所を前記載置面に対向させ、前記一対の壁部の間で前記プリズム本体の外面の箇所と前記載置面との間の空隙に前記紫外線硬化型樹脂を充填し、前記充填された前記紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させ、前記紫外線硬化樹脂層を得るようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、合成樹脂製のプリズム本体の複数の外面のうちの少なくとも一つの外面に、内部に入射された光を内部に向けて反射させる反射面を構成する紫外線硬化型樹脂からなる紫外線硬化樹脂層が設けられたプリズムの製造方法であって、前記紫外線硬化樹脂層が設けられる前記プリズムの外面の箇所で対向する縁部箇所に均一の高さでそれぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部を均一の高さで突出形成すると共に、それら2つの縁部箇所を接続する1つの縁部箇所に、前記一対の壁部と同じ高さで前記一対の壁部の端部間を接続する壁部を突出形成し、平坦な載置面を有する載置台を用意し、前記載置台の載置面に、前記3つの壁部を載せて前記プリズム本体の外面の箇所を前記載置面に対向させ、前記3つの壁部の内側で前記プリズム本体の外面の箇所と前記載置面との間の空隙に前記紫外線硬化型樹脂を充填し、前記充填された前記紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させ、前記紫外線硬化樹脂層を得るようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、合成樹脂製のプリズム本体の複数の外面のうち1つの稜線を境に直角に交わる2つの外面に、内部に入射された像の左右を反転させて反射させるダハ面を構成する紫外線硬化型樹脂からなる紫外線硬化樹脂層がそれぞれ設けられたプリズムの製造方法であって、前記各外面を縁取る稜線のうち前記1つの稜線の両端に交差する各外面の2つの稜線に沿ってそれぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部を均一の高さで突出形成し、直角に交わる平坦な2つの載置面を有する載置台を用意し、前記載置台の載置面に、前記各外面の一対の壁部を載せて前記プリズム本体の2つの外面の箇所を前記載置面に対向させ、前記一対の壁部の間で前記プリズム本体の各外面の箇所と前記各載置面との間の空隙にそれぞれ前記紫外線硬化型樹脂を充填し、前記充填された前記紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させ、前記紫外線硬化樹脂層を得るようにしたことを特徴とする。
本発明のプリズムによれば、プリズム本体の外面に接着され硬化された紫外線硬化樹脂層の外面部のうち内面部に対向する面により反射面が形成されているので、プリズム本体の成形時における収縮などにより外面の面精度が確保できない場合であっても、プリズム本体の成形時における収縮などの後に紫外線硬化樹脂層を形成できるので、反射面の面精度を高精度に維持することができる。
したがって、プリズム本体が合成樹脂で構成されていても、反射面の精度をガラス製プリズムや合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成した場合と同等に確保することができ、しかも、プリズムが安価な合成樹脂と紫外線硬化樹脂で構成されているので、ガラス製プリズムや合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成した場合に比べてプリズムの製造コストを削減する上で有利となる。
また、合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成する場合に比べて紫外線硬化樹脂層が占有するスペースはごく僅かで済むため、プリズムの小型化を図る上で有利である。
また、プリズム本体を構成する合成樹脂と、紫外線硬化樹脂層を構成する紫外線硬化樹脂とは線膨張係数がほぼ同等であるため、合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成する場合と異なり、温度変化が生じても、プリズム本体と紫外線硬化樹脂層の線膨張係数の違いによって反射面の平面精度の悪化が生じることがなく、また、急激な温度変化により接着剤が剥れたりすることもなく、プリズムが温度変化の影響を受けにくい点で有利となる。
本発明の製造方法によれば、載置台の載置面の表面精度が紫外線硬化樹脂層の外面部にそのまま転写されるので、載置台の載置面に壁部を載せ、壁部の内側でプリズム本体の外面の箇所と載置面との間の空隙に紫外線硬化型樹脂を充填するといった簡単な作業により、面精度が確保された平坦な反射面を簡単に得ることができる。
したがって、レンズ面を形成する場合のように光軸を合わせるための心出し装置などの複雑で高価な製造装置が不要となり、製造コストを低減する上で有利となる。
本発明のプリズムは、プリズム本体の外面に接着され硬化された紫外線硬化樹脂層の外面部のうち内面部に対向する面により反射面を形成することによって上記目的を実現した。
また、本発明のプリズムの製造方法は、紫外線硬化樹脂層が設けられるプリズム本体の外面の箇所で対向する縁部箇所に、均一の高さでそれぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部を突出形成し、載置台の載置面に、一対の壁部を載せてプリズム本体の外面の箇所を載置面に対向させ、一対の壁部の間でプリズム本体の外面の箇所と載置面との間の空隙に紫外線硬化型樹脂を充填して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、紫外線硬化樹脂層を得ることによって上記目的を実現した。
また、本発明のプリズムの製造方法は、紫外線硬化樹脂層が設けられるプリズムの外面の箇所で対向する縁部箇所に均一の高さでそれぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部を均一の高さで突出形成すると共に、それら2つの縁部箇所を接続する1つの縁部箇所に、一対の壁部と同じ高さで一対の壁部の端部間を接続する壁部を突出形成し、載置台の載置面に、3つの壁部を載せてプリズム本体の外面の箇所を載置面に対向させ、3つの壁部の内側でプリズム本体の外面の箇所と載置面との間の空隙に紫外線硬化型樹脂を充填して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、紫外線硬化樹脂層を得ることによって上記目的を実現した。
また、本発明のプリズムの製造方法は、合成樹脂製のプリズム本体の各外面を縁取る稜線のうち1つの稜線の両端に交差する各外面の2つの稜線に沿ってそれぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部を均一の高さで突出形成し、載置台の載置面に、各外面の一対の壁部を載せてプリズム本体の2つの外面の箇所を載置面に対向させ、一対の壁部の間でプリズム本体の各外面の箇所と各載置面との間の空隙にそれぞれ紫外線硬化型樹脂を充填して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、紫外線硬化樹脂層を得ることによって上記目的を実現した。
次に本発明の実施例について図面を参照して説明する。
まず実施例1から説明すると、実施例1はプリズムに関するもので、図1は実施例1のプリズム10の平面図、図2はプリズム本体20の斜視図、図3、図4はプリズム10の要部断面図である。
図1に示すように、プリズム10は光入射面12と、この光入射面12からその内部に入射された光を内部に向けて反射させる単一の反射面14と、この反射面14で反射された光を外部に透過する光出射面16とを有している。
プリズム10は、当該プリズム10の外形を構成する合成樹脂製のプリズム本体20と紫外線硬化樹脂層30とを備えている。
プリズム本体20は例えば射出成形によって形成され、プリズム本体20を構成する合成樹脂として、例えば、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)が挙げられる。このようなプリズム本体20を構成する合成樹脂と、紫外線硬化樹脂層30を構成する紫外線硬化樹脂31とは線膨張係数がほぼ同等である。
プリズム本体20は複数の外面を有し、複数の外面のうちの1つの面2002によって光入射面12が構成され、複数の外面のうちの別の1つの面2004によって光出射面16が構成されている。
本実施例では、光入射面12はプリズム本体20の内方に窪む凹状の回転対称な曲面で形成されることで光を発散方向に屈折させるレンズの機能を有している。
また、光出射面16はプリズム本体20の外方に膨出する凸状の回転対称な曲面で形成されることで光を収束方向に屈折させるレンズの機能を有している。
図1に示すように、紫外線硬化樹脂層30は、プリズム本体20の複数の外面のうちの1つの外面2006に、本実施例では光入射面12と光出射面16とで挟まれる外面に、紫外線硬化樹脂31が接着され硬化されることで構成され、均一の厚さで形成されている。
紫外線硬化樹脂31はプリズム本体20を構成する合成樹脂の屈折率と近似した屈折率を有している。
本実施例では、図2に示すように、外面2006は矩形を呈し、前記矩形の互いに対向する2組の辺のうちの1組の辺に対応する箇所に、それぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部22が突出形成され、かつ、前記矩形の互いに対向する2組の辺のうちの残りの1組の辺のうちの一方の辺に対応する箇所に、前記一対の壁部22の各端部に連結する壁部22が突出形成されている。
本実施例では、3つの壁部22は均一の高さで形成されている。
前記矩形の互いに対向する2組の辺のうちの1組の辺に対応する箇所に形成された一対の壁部22は、前記一組の辺に近接した箇所でそれらの辺に平行して延在し、残りの1組の辺のうちの一方の辺に対応する箇所に形成された壁部22は、プリズム本体20の稜線2007に沿って延在している。
紫外線硬化樹脂層30は、それら3つの壁部22の内側で外面2006箇所全域にわたって均一の厚みで設けられている。
図4に示すように、紫外線硬化樹脂層30は、プリズム本体20の外面2006に接触する内面部3002と、内面部32と反対側に位置する外面部34とを有している。
紫外線硬化樹脂層30の外面部34が内面部32に対向する面により、プリズム本体20の内部に入射された光を内部に向けて反射させる反射面14が形成されている。
なお、紫外線硬化樹脂層30の厚さは、好ましくは0.025mm以上、0.5mm以下であり、より好ましくは0.2mmである。
紫外線硬化樹脂層30の厚さが0.025mm未満であると、プリズム本体20の成形時に生じた収縮によって生じる外面2006のうねり(湾曲)を紫外線硬化樹脂層30で吸収する上で不利であり、紫外線硬化樹脂層30の厚さが0.5mmを超えると紫外線硬化樹脂層30が硬化する際に生じる収縮により反射面14の面精度を確保する上で不利である。
実施例1によれば、プリズム本体20の外面2006に接着され硬化された紫外線硬化樹脂層30の外面部34が内面部32に対向する面により反射面14が形成されているので、プリズム本体20の成形時における収縮などにより外面2006の面精度が確保できない場合であっても、プリズム本体20の成形時における収縮などの後に紫外線硬化樹脂層30を形成できるので、反射面14の面精度を高精度に維持することができる。
したがって、プリズム本体20が合成樹脂で構成されていても、反射面14の精度をガラス製プリズムや合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成した場合と同等に確保することができ、しかも、プリズム10が安価な合成樹脂と紫外線硬化樹脂31で構成されているので、ガラス製プリズムや合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成した場合に比べてプリズム10の製造コストを削減する上で有利となる。
また、合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成する場合に比べて紫外線硬化樹脂層30が占有するスペースはごく僅かで済むため、プリズム10の小型化を図る上で有利である。
また、プリズム本体20を構成する合成樹脂と、紫外線硬化樹脂層30を構成する紫外線硬化樹脂31とは線膨張係数がほぼ同等であるため、合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成する場合と異なり、温度変化が生じても、プリズム本体20と紫外線硬化樹脂層30の線膨張係数の違いによって反射面14の平面精度の悪化が生じることがなく、また、急激な温度変化により接着剤が剥れたりすることもなく、プリズム10が温度変化の影響を受けにくい点で有利となる。
また、図4に示すように、プリズム本体20の外面2006に凹凸がある場合であっても、凹凸を有する外面2006に、紫外線硬化樹脂層30の内面部32が侵入し、紫外線硬化型樹脂31はプリズム本体20を構成する合成樹脂の屈折率と近似した屈折率を有するものであるため、反射面14の面精度を高精度に維持することができる。
次に、実施例2について説明する。
実施例2はプリズム10の製造方法であり、図5はプリズム10の製造方法の説明図である。
上述のように、紫外線硬化樹脂層30が設けられるプリズム本体20の外面2006の箇所で対向する縁部箇所に均一の高さでそれぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部22を突出形成すると共に、それら2つの縁部箇所を接続する1つの縁部箇所に、前記一対の壁部22と同じ高さで前記一対の壁部22の端部間を接続する壁部22を突出形成する。
次に、図5に示すように、平坦な載置面102を有する載置台100を用意する。
載置台100の載置面102に、3つの壁部22を載せてプリズム本体20の外面2006の箇所を載置面102に対向させる。
この際、リズム本体20の外面2006にはあらかじめプリズム本体20と紫外線硬化樹脂31とを結びつきやすくするプライマー等を塗布しておくとともに、載置面102には紫外線硬化樹脂31が離れやすくなる離型材等を塗布しておくことが望ましい。
3つの壁部22の内側でプリズム本体20の外面2006の箇所と載置面102との間の空隙に紫外線硬化型樹脂31を充填する。
充填された紫外線硬化型樹脂31に紫外線UVを照射して紫外線硬化型樹脂30を硬化させ、均一の厚さの紫外線硬化樹脂層30を得る。
なお、充填された紫外線硬化型樹脂31への紫外線UVの照射は、プリズム本体20が紫外線UVの透過率が高い材料で形成されている場合には、プリズム本体20を通して紫外線UVを紫外線硬化樹脂31に照射すればよく、また、プリズム本体20が紫外線の透過率が低い材料で形成されている場合には、載置台100を紫外線UVの透過率が高い材料で形成し載置台100を通して紫外線UVを紫外線硬化樹脂31に照射すればよい。
このようなプリズム10の製造方法によれば、載置台100の載置面102の表面精度が紫外線硬化樹脂層30の外面部34にそのまま転写されるので、載置台100の載置面102に3つの壁部22を載せ、3つの壁部22の内側でプリズム本体20の外面2006の箇所と載置面102との間の空隙に紫外線硬化型樹脂31を充填するといった簡単な作業により、面精度が確保された平坦な反射面14を簡単に得ることができる。
したがって、レンズ面を形成する場合のように光軸を合わせるための心出し装置などの複雑で高価な製造装置が不要となり、製造コストを低減する上で有利となる。
例えば、多数の載置台100を用意しておき、各載置台100の載置面102の上に載置されたプリズム本体20と載置面102の間に紫外線硬化樹脂30を充填したものをベルトコンベア等で低速で移動させつつ紫外線照射を行えば、人手も高価な装置も必要なく、低コストで大量に高精度な反射面14を有するプリズム10を製造することが可能である。
また、プリズム本体20の成形時における収縮などにより外面2006の面精度が確保できない場合であっても、プリズム本体20の成形時における収縮などの後に紫外線硬化樹脂層30を形成できるので、反射面14の面精度を高精度に維持することができる。
また、プリズム10が安価な合成樹脂と紫外線硬化樹脂31で構成されているので、ガラス製プリズムや合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成した場合に比べてプリズム10の製造コストを削減する上で有利となる。
また、合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成する場合に比べて紫外線硬化樹脂層30が占有するスペースはごく僅かで済むため、プリズム10の小型化を図る上で有利である。
また、プリズム本体20を構成する合成樹脂と、紫外線硬化樹脂層30を構成する紫外線硬化樹脂31とは線膨張係数がほぼ同等であるため、温度変化が生じても反射面14の平面精度の悪化が生じることがなく、また、急激な温度変化により接着剤が剥れたりすることもなく、プリズム10が温度変化の影響を受けにくい点で有利となる。
また、図4に示すように、プリズム本体20の外面2006に凹凸がある場合であっても、凹凸を有する外面2006に、紫外線硬化樹脂層30の内面部32が侵入し、紫外線硬化型樹脂31はプリズム本体20を構成する合成樹脂の屈折率と近似した屈折率を有するものであるため、反射面14の面精度を高精度に維持することができる。
なお、壁部22を設ける位置によって、紫外線硬化樹脂31の充填時に溢れ出る紫外線硬化樹脂31の向きを制御することができる。
例えば、紫外線硬化樹脂層30が設けられるプリズム本体20の外面2006に、光学的に使用する外面が隣接している場合、壁部22を、紫外線硬化樹脂層30が設けられる外面2006と、前記光学的に使用する外面との境をなす稜線に沿って延在させると、前記光学的に使用する外面に向けて紫外線硬化樹脂31が溢れ出ることが防止される。
また、紫外線硬化樹脂層30が設けられるプリズム本体20の外面2006に、光学的に使用しない外面が隣接している場合、紫外線硬化樹脂層30が設けられかつ壁部22が設けられていない外面の縁部を、紫外線硬化樹脂層30が設けられる外面2006と、前記光学的に使用しない外面との境の稜線に沿って延在させると、前記光学的に使用しない外面に向けて紫外線硬化樹脂31を溢れ出させることができる。
次に実施例3について説明する。
実施例3はプリズム10とその製造方法に関するものである。
図6、図7は実施例3のプリズム10の製造方法の説明図である。なお、以下の説明では実施例1、2と同様な箇所、部材に同一の符号を付して説明する。
実施例3のプリズム10では、紫外線硬化樹脂層30が接着されるプリズム本体20の外面2006に、多数の微細な凹凸2020が形成されている。他の箇所については実施例1,2と同様であるのでその説明を省略する。
図6に示す例では、プリズム本体20を射出成形する際に用いる金型のうち外面2006に対応する金型表面の粗度を著しく粗くしておくことで所謂梨地になるように加工したものである。これにより、プリズム本体20の外面2006に、規則性の無い粗度の荒い面とすることで多数の微細な凹凸2020が形成され、外面2006が平坦面で形成されている場合に比べて外面2006の表面積が拡大されている。
図7に示す例では、プリズム本体20を射出成形する際に用いる金型のうち外面2006に対応する金型表面に多数の突起を形成し、これにより、プリズム本体20の外面2006に多数の溝2022が形成されることで多数の凹凸2020が形成され、外面2006が平坦面で形成されている場合に比べて外面2006の表面積が拡大されている。
図6、図7のように、プリズム本体20の外面2006の表面積が拡大されると、載置面1002が平滑面であるため、紫外線硬化樹脂30が外面2006と載置面1002との間に充填され紫外線の照射により硬化される際に、紫外線硬化樹脂30はプリズム本体20の外面2006側と強く結びつき、載置面1002からの離型性が良くなる。
この場合には、プリズム本体20の外面2006に形成された凹凸2020と紫外線硬化樹脂30との境界面における光の屈折を抑制するために、プリズム本体20を構成する合成樹脂と紫外線硬化樹脂30は、d線における屈折率の差が0.015以下になる材質を使用することが好ましい。
このようなプリズム10およびその製造方法によれば、プリズム本体20の外面2006が平坦面で形成されている場合に比較して、外面2006の表面積を拡大することができるため、紫外線硬化樹脂30がプリズム本体20の外面2006側と強く結びつき、載置面1002からの離型性が良くなるので、プリズム10の製造が容易となり、製造コストを削減する上でより有利となる。
次に実施例4について説明する。
実施例4はプリズム10Aに関するものである。
図8(A)、(B)は実施例4のプリズム10Aの構成を示す斜視図である。
実施例4のプリズム10Aは、90度の角度で交差する2つの反射面(ダハ面)14を有するダハプリズムで構成され、これら2つの反射面14に本発明が適用されている。他の箇所については実施例1,2と同様であるのでその説明を省略する。
図8(A)、(B)に示すように、プリズム本体20Aは複数の外面を有し、複数の外面のうちの1つの面2002によって光入射面12が構成され、複数の外面のうちの別の1つの面2004によって光出射面16が構成されている。
本実施例では、光入射面12と光出射面16とは45度の角度をなして交差している。光入射面12と光射出面16とは透過だけでなく反射面としても使われるため比較的高い面精度が必要となる。
図8(A)に示すように、プリズム本体20の複数の外面のうちの1つの稜線1501を共通とした2つの外面2006は、本実施例では光入射面12と光出射面16とで挟まれる2つの外面2006は、単一の稜線1501を共通とした矩形(台形)を呈している。
各外面2006,2008において、稜線1501の両端から稜線1501に対して交差する方向に延在する2つの稜線部分に沿って、それぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部22が突出形成され、一対の壁部22は各外面2006から均一の高さで形成されている。
そして、図8(B)に示すように、それら一対の壁部22の内側の2つの外面2006に、紫外線硬化樹脂31が接着され硬化されることで紫外線硬化樹脂層30がそれぞれ均一の厚さで形成されている。
紫外線硬化樹脂31はプリズム本体20を構成する合成樹脂の屈折率と近似した屈折率を有している。
各紫外線硬化樹脂層30は、図3に示すように、プリズム本体20の外面2006に接触する内面部3002と、内面部32と反対側に位置する外面部34とを有している。
2つの紫外線硬化樹脂層30の各外面部34が内面部32に対向する面により、プリズム本体20の内部に入射された光を内部に向けて反射させる2つの反射面14が形成されている。
2つの反射面14は、90度の角度をなし、映像画面を二分して反射させるダハ面を構成するので、平面精度とともに90度に対して±数十秒の角度精度が要求される。また、2つの反射面14の共通の稜線1501はルーペで拡大しても見えないほどにナイフエッジとなっている必要がある。
実施例4によれば、プリズム本体20Aの成形時における収縮などにより外面2006の面精度が確保できない場合であっても、プリズム本体20Aの成形時における収縮などの後に紫外線硬化樹脂層30を形成できるので、ダハ面を構成する2つの反射面14の面精度を高精度に維持することができる。
また、プリズム10Aが安価な合成樹脂と紫外線硬化樹脂31で構成されているので、ガラス製プリズムや合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成した場合に比べてダハ面を有するプリズム10Aの製造コストを削減する上で有利となる。
また、合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成する場合に比べて紫外線硬化樹脂層30が占有するスペースはごく僅かで済むため、ダハ面を有するプリズム10Aの小型化を図る上で有利である。
また、プリズム本体20Aを構成する合成樹脂と、紫外線硬化樹脂層30を構成する紫外線硬化樹脂31とは線膨張係数がほぼ同等であるため、温度変化が生じても反射面14の平面精度の悪化が生じることがなく、また、急激な温度変化により接着剤が剥れたりすることもなく、ダハ面を有するプリズム10Aが温度変化の影響を受けにくい点で有利となる。
また、図5に示すように、プリズム本体20Aの外面2006に凹凸がある場合であっても、凹凸を有する外面2006に、紫外線硬化樹脂層30の内面部32が侵入し、紫外線硬化型樹脂31はプリズム本体20Aを構成する合成樹脂の屈折率と近似した屈折率を有するものであるため、ダハ面を構成する2つの反射面14の面精度を高精度に維持することができる。
次に、実施例5について説明する。
実施例5はプリズム10Aの製造方法であり、図9はプリズム10Aの製造方法の説明図である。
上述のように、紫外線硬化樹脂層30が設けられるプリズム本体20Aの各外面2006において、稜線1501の両端から稜線1501に対して交差する方向に延在する2つの稜線部分に沿って、それぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部22が均一の高さで突出形成される。
次に、図9に示すように、90度で交差する2つの載置面102を有する載置台100Aを用意する。
載置台100Aの載置面102に各外面2006の一対の壁部22を載せ、プリズム本体20Aの各外面2006の箇所をそれぞれ各載置面102に対向させる。
この際、プリズム本体20Aの各外面2006にあらかじめプリズム本体20と紫外線硬化樹脂31とを結びつきやすくするプライマー等を塗布するとともに、載置面102には紫外線硬化樹脂31が離れやすくなる離型材等を塗布しておくことが望ましいことは実施例2と同様である。
一対の壁部22の内側でプリズム本体20の外面2006の箇所と載置面102との間の空隙に紫外線硬化型樹脂31を充填する。
充填された紫外線硬化型樹脂31に紫外線UVを照射して紫外線硬化型樹脂30を硬化させ、均一の厚さの紫外線硬化樹脂層30を得る。
なお、充填された紫外線硬化型樹脂31への紫外線UVの照射は、プリズム本体20Aが紫外線UVの透過率が高い材料で形成されている場合には、プリズム本体20Aを通して紫外線UVを紫外線硬化樹脂31に照射すればよく、また、プリズム本体20Aが紫外線の透過率が低い材料で形成されている場合には、載置台100Aを紫外線UVの透過率が高い材料で形成し下方や側方から載置台100Aを通して紫外線UVを紫外線硬化樹脂31に照射すればよい。
このようなプリズム10Aの製造方法によれば、載置台100Aの各載置面102の表面精度が紫外線硬化樹脂層30の各外面部34にそのまま転写されるので、載置台100Aの各載置面102に一対の壁部22を載せ、一対の壁部22の内側でプリズム本体20の各外面2006の箇所と各載置面102との間の空隙に紫外線硬化型樹脂31を充填するといった簡単な作業により、面精度が確保された平坦なダハ面を構成する2つの反射面14を簡単に得ることができる。
また、2つの載置面102がなす角度を90度に精密に設定することで、稜線1501をナイフエッジ状に形成できるとともに、2つの反射面14がなす角度を精密に90度に合わせることができ、これにより高精度なダハ面を得ることができる。
したがって、レンズ面を形成する場合のように光軸を合わせるための心出し装置などの複雑で高価な製造装置が不要となり、製造コストを低減する上で有利となる。
例えば、多数の載置台100Aを用意しておき、各載置台100Aの各載置面102の上に載置されたプリズム本体20Aと2つの載置面102の間に紫外線硬化樹脂30を充填したものをベルトコンベア等で低速で移動させつつ紫外線照射を行えば、人手も高価な装置も必要なく、低コストで大量に高精度なダハ面を有するプリズム10Aを製造することが可能である。
次に実施例6について説明する。
実施例6はプリズム10Bに関するものである。
図10は実施例6のプリズム本体20Bの構成を示す斜視図、図11は実施例6のプリズム10Bの構成を示す斜視図である。
実施例6のプリズム10Bは、90度の角度で交差する2つの反射面(ダハ面)14と、1つの反射面17を有するペンタゴナルダハプリズムで構成され、これら3つの反射面のうち2つの反射面14に本発明が適用されている。
図10に示すように、プリズム本体20Bは複数の外面を有し、複数の外面のうちの1つの面2002によって光入射面12が構成され、複数の外面のうちの別の1つの面2004によって光出射面16が構成されている。
本実施例では、光入射面12と光出射面16とは90度の角度をなして交差している。
図10に示すように、プリズム本体20の複数の外面のうちの1つの稜線1501を共通とした2つの外面2006は、本実施例では光入射面12と光出射面16とで挟まれる2つの外面2006は、単一の稜線1501を共通とした矩形(台形)を呈している。
各外面2006,2008において、稜線1501の両端から稜線1501に対して交差する方向に延在する2つの稜線部分に沿って、それぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部22が突出形成され、一対の壁部22は各外面2006から均一の高さで形成されている。
そして、図11に示すように、それら一対の壁部22の内側の2つの外面2006に、紫外線硬化樹脂31が接着され硬化されることで紫外線硬化樹脂層30がそれぞれ均一の厚さで形成されている。
紫外線硬化樹脂31はプリズム本体20を構成する合成樹脂の屈折率と近似した屈折率を有している。
各紫外線硬化樹脂層30は、図3に示すように、プリズム本体20の外面2006に接触する内面部3002と、内面部32と反対側に位置する外面部34とを有している。
2つの紫外線硬化樹脂層30の各外面部34が内面部32に対向する面により、プリズム本体20の内部に入射された光を内部に向けて反射させる2つの反射面14が形成されている。
2つの反射面14は、90度の角度をなし、映像画面を二分して反射させるダハ面を構成するので、平面精度とともに90度に対して±数十秒の角度精度が要求される。また、2つの反射面14の共通の稜線1501はルーペで拡大しても見えないほどにナイフエッジとなっている必要がある。
さらに、本実施例では、各外面部34が外部に臨む面に、すなわち、各外面部34の表面に、真空蒸着などによって金属反射膜40がそれぞれ形成されることで2つ反射面14の反射率を上げている。これはプリズム10Bがペンタゴナルダハプリズムであることから光が全反射する角度で2つの反射面14に入射しないため、2つの反射面14の反射率を確保する必要があるためである。
また、本実施例では、残りの1つの反射面17は、従来と同様に、光出射面16に対向する外面2010に金属反射膜が形成されたガラスミラー18を紫外線硬化型接着剤などを用いて貼り付けることで形成されている。
この反射面17は、2つの反射面14で反射された像を光出射面16に向けて反射するように構成されている。
なお、この反射面17も他の2つの反射面14と同様に紫外線硬化樹脂層30と金属反射膜40で構成してもよい。
実施例6によれば、プリズム本体20Bの成形時における収縮などにより外面2006,2008の面精度が確保できない場合であっても、プリズム本体20Bの成形時における収縮などの後に紫外線硬化樹脂層30を形成できるので、ダハ面を構成する2つの反射面14の面精度を高精度に維持することができる。
また、プリズム10Bが安価な合成樹脂と紫外線硬化樹脂31で構成されているので、ガラス製プリズムや合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成した場合に比べてダハ面を構成する2つの反射面14と1つの反射面17を有するプリズム10Bの製造コストを削減する上で有利となる。
また、合成樹脂製プリズムにガラス板を貼り付けて構成する場合に比べて紫外線硬化樹脂層30が占有するスペースはごく僅かで済むため、ダハ面を構成する2つの反射面14と1つの反射面17を有するプリズム10Bの小型化を図る上で有利である。
また、プリズム本体20Bを構成する合成樹脂と、紫外線硬化樹脂層30を構成する紫外線硬化樹脂31とは線膨張係数がほぼ同等であるため、温度変化が生じても反射面14の平面精度の悪化が生じることがなく、また、急激な温度変化により接着剤が剥れたりすることもなく、ダハ面を構成する2つの反射面14と1つの反射面17を有するプリズム10Bが温度変化の影響を受けにくい点で有利となる。
また、図5に示すように、プリズム本体20Bの外面2006に凹凸がある場合であっても、凹凸を有する外面2006に、紫外線硬化樹脂層30の内面部32が侵入し、紫外線硬化型樹脂31はプリズム本体20Bを構成する合成樹脂の屈折率と近似した屈折率を有するものであるため、ダハ面を構成する2つの反射面14の面精度を高精度に維持することができる。
また、一眼レフカメラ等に使われるペンタゴナルダハプリズムをガラス製プリズムで構成した場合には、特にダハ面の精度を確保するために高度な加工技術を駆使して、熟練した作業者が時間をかけて加工するために大変高価な部品となってしまう。
そのため、コスト低減の目的で、プリズムではなくミラーで各反射面を構成して、プラスチック成形によりペンタダハミラー光学系を採用した一眼レフカメラもあるが、プリズムに比べてファインダ倍率が低くなってしまう欠点がある。
これに対して実施例6のプリズム10Bは、製造コストを大幅に削減しつつ高精度なダハ面を得ることができ、しかも、ミラーで各反射面を構成する場合と異なりファインダ倍率を確保する上でも有利となる。
なお、実施例では、紫外線硬化樹脂層30で反射面14を構成する場合について説明したが、紫外線硬化樹脂層30が透過面を構成していてもよいことは無論である。
また、実施例では、紫外線硬化樹脂層30を合成樹脂製のプリズムの外面に形成した場合について説明したが、紫外線硬化樹脂層30を形成する部材は合成樹脂製のプリズムに限定されるものではなく、例えば、合成樹脂製のレンズにも適用可能である。
また、実施例では、単一の反射面を有するプリズム、ダハ面を有するダハプリズム、ダハ面を構成する2つの反射面と1つの反射面を有するペンタゴナルダハプリズムについて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、実像式光学ファインダに使われるポロプリズム、あるいは、ダハ面よりさらに高度な角度精度が要求されるコーナーキューブ等に適用可能である。
実施例1のプリズム10の平面図である。 プリズム本体20の斜視図である。 プリズム10の要部断面図である。 プリズム10の要部断面図である。 プリズム10の製造方法の説明図である。 実施例3のプリズム10の製造方法の説明図である。 実施例3のプリズム10の製造方法の説明図である。 (A)、(B)は実施例4のプリズム10Aの構成を示す斜視図である。 プリズム10Aの製造方法の説明図である。 実施例6のプリズム本体20Bの構成を示す斜視図である。 実施例6のプリズム10Bの構成を示す斜視図である。
符号の説明
10、10A、10B……プリズム、12……光入射面、14……反射面、20、20A、20B……プリズム本体、2006……外面、30……紫外線硬化樹脂層、31……紫外線硬化型樹脂、32……内面部、34……外面部、22……壁部、100……載置台、102……載置面。

Claims (20)

  1. 光入射面からその内部に入射された光を内部に向けて反射させる反射面を有するプリズムであって、
    前記プリズムは、当該プリズムの外形を構成する合成樹脂製のプリズム本体と紫外線硬化樹脂層とを備え、
    紫外線硬化樹脂層は前記プリズム本体の複数の外面のうちの少なくとも一つの外面に紫外線硬化型樹脂が接着され硬化されることで構成され、
    前記紫外線硬化樹脂層は、前記複数の外面のうちの少なくとも一つの外面に接触する内面部と、前記内面部と反対側に位置する外面部とを有し、
    前記反射面は、前記外面部が前記内面部に対向する面により形成されている、
    ことを特徴とするプリズム。
  2. 前記紫外線硬化樹脂層は、均一の厚さで形成されていることを特徴とする請求項1記載のプリズム。
  3. 前記紫外線硬化型樹脂は、前記プリズム本体を構成する合成樹脂の屈折率と近似した屈折率を有することを特徴とする請求項1記載のプリズム。
  4. 前記紫外線硬化樹脂層が接着される前記プリズム本体の外面には多数の微細な凹凸が形成され、前記紫外線硬化型樹脂は、前記プリズム本体を構成する合成樹脂の屈折率と近似した屈折率を有することを特徴とする請求項1記載のプリズム。
  5. 前記プリズム本体を構成する合成樹脂と前記紫外線硬化樹脂は、d線における屈折率の差が0.015以下であることを特徴とする請求項4記載のプリズム。
  6. 前記紫外線硬化樹脂層が設けられる前記プリズム本体の外面の箇所で対向する縁部箇所には、それぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部が突出形成され、前記紫外線硬化樹脂層は前記一対の壁部の間に設けられていることを特徴とする請求項1記載のプリズム。
  7. 前記一対の壁部は、均一の高さで延在していることを特徴とする請求項6記載のプリズム。
  8. 前記プリズム本体の外面は矩形を呈し、前記一対の壁部は前記矩形の互いに対向する辺に対応した縁部箇所に形成され、前記矩形の残りの2辺のうちの1辺に対応する縁部箇所に、前記一対の壁部の端部間を接続するように壁部が設けられていることを特徴とする請求項6記載のプリズム。
  9. 前記壁部は、均一の高さで前記プリズムの稜線に沿って延在していることを特徴とする請求項6記載のプリズム。
  10. 紫外線硬化樹脂層は、前記プリズム本体の複数の外面のうち1つの稜線を境に直角に交わる2つの外面に紫外線硬化型樹脂が接着され硬化されることでそれぞれ構成され、前記各紫外線硬化樹脂層の前記外面部が前記内面部に対向する面により前記反射面がそれぞれ形成され、前記2つの反射面はダハ面を構成していることを特徴とする請求項1記載のプリズム。
  11. 前記1つの稜線を境に直角に交わる2つの外面はそれぞれ矩形を呈し、各外面を縁取る稜線のうち前記1つの稜線の両端に交差する各外面の2つの稜線に沿ってそれぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部が均一の高さで突出形成され、前記紫外線硬化樹脂層は前記2つの外面において前記一対の壁部の間に設けられていることを特徴とする請求項10記載のプリズム。
  12. 前記外面部が外部に臨む面に金属反射膜が形成されていることを特徴とする請求項1記載のプリズム。
  13. 前記紫外線硬化樹脂層の厚さは、0.025mm以上、0.5mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載のプリズム。
  14. 前記プリズム本体を構成する合成樹脂と、前記紫外線硬化樹脂とは線膨張係数がほぼ同等であることを特徴とする請求項1記載のプリズム。
  15. 合成樹脂製のプリズム本体の複数の外面のうちの少なくとも一つの外面に、内部に入射された光を内部に向けて反射させる反射面を構成する紫外線硬化型樹脂からなる紫外線硬化樹脂層が設けられたプリズムの製造方法であって、
    前記紫外線硬化樹脂層が設けられる前記プリズム本体の外面の箇所で対向する縁部箇所に、均一の高さでそれぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部を突出形成し、
    平坦な載置面を有する載置台を用意し、
    前記載置台の載置面に、前記一対の壁部を載せて前記プリズム本体の外面の箇所を前記載置面に対向させ、
    前記一対の壁部の間で前記プリズム本体の外面の箇所と前記載置面との間の空隙に前記紫外線硬化型樹脂を充填し、
    前記充填された前記紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させ、前記紫外線硬化樹脂層を得るようにした、
    ことを特徴とするプリズムの製造方法。
  16. 合成樹脂製のプリズム本体の複数の外面のうちの少なくとも一つの外面に、内部に入射された光を内部に向けて反射させる反射面を構成する紫外線硬化型樹脂からなる紫外線硬化樹脂層が設けられたプリズムの製造方法であって、
    前記紫外線硬化樹脂層が設けられる前記プリズムの外面の箇所で対向する縁部箇所に均一の高さでそれぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部を均一の高さで突出形成すると共に、それら2つの縁部箇所を接続する1つの縁部箇所に、前記一対の壁部と同じ高さで前記一対の壁部の端部間を接続する壁部を突出形成し、
    平坦な載置面を有する載置台を用意し、
    前記載置台の載置面に、前記3つの壁部を載せて前記プリズム本体の外面の箇所を前記載置面に対向させ、
    前記3つの壁部の内側で前記プリズム本体の外面の箇所と前記載置面との間の空隙に前記紫外線硬化型樹脂を充填し、
    前記充填された前記紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させ、前記紫外線硬化樹脂層を得るようにした、
    ことを特徴とするプリズムの製造方法。
  17. 合成樹脂製のプリズム本体の複数の外面のうち1つの稜線を境に直角に交わる2つの外面に、内部に入射された像の左右を反転させて反射させるダハ面を構成する紫外線硬化型樹脂からなる紫外線硬化樹脂層がそれぞれ設けられたプリズムの製造方法であって、
    前記各外面を縁取る稜線のうち前記1つの稜線の両端に交差する各外面の2つの稜線に沿ってそれぞれ互いに対向しつつ延在する一対の壁部を均一の高さで突出形成し、
    直角に交わる平坦な2つの載置面を有する載置台を用意し、
    前記載置台の載置面に、前記各外面の一対の壁部を載せて前記プリズム本体の2つの外面の箇所を前記載置面に対向させ、
    前記一対の壁部の間で前記プリズム本体の各外面の箇所と前記各載置面との間の空隙にそれぞれ前記紫外線硬化型樹脂を充填し、
    前記充填された前記紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化型樹脂を硬化させ、前記紫外線硬化樹脂層を得るようにした、
    ことを特徴とするプリズムの製造方法。
  18. 前記載置台は、紫外線の透過率が高い材料で形成され、前記紫外線は、前記載置台の下方から該載置台を透過させて前記紫外線硬化型樹脂に照射されることを特徴とする請求項15乃至17に何れか1項記載のプリズムの製造方法。
  19. 前記紫外線硬化樹脂層が設けられる前記プリズム本体の外面に、光学的に使用する外面が隣接しており、前記壁部は、前記紫外線硬化樹脂層が設けられる外面と、前記光学的に使用する外面との境をなす稜線に沿って延在していることを特徴とする請求項15乃至17記載のプリズムの製造方法。
  20. 前記紫外線硬化樹脂層が設けられる前記プリズム本体の外面に、光学的に使用しない外面が隣接しており、前記紫外線硬化樹脂層が設けられかつ前記壁部が設けられていない前記外面の縁部は、前記紫外線硬化樹脂層が設けられる外面と、前記光学的に使用しない外面との境の稜線に沿って延在していることを特徴とする請求項15乃至17に何れか1項記載のプリズムの製造方法。
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