JP2006162794A - 光学デバイスの製造方法、光学デバイス、映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

光学デバイスの製造方法、光学デバイス、映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】 ホログラムの完成度を落とすことなく、ホログラムの作製に要する時間全体を短縮する。
【解決手段】 少なくとも定着工程と、接合工程とを経て、光学デバイスとしての接眼光学系が製造される。定着工程では、一方の透明基材上に貼り付けられ、レーザー光によりホログラムが記録されたホログラム感光材料に紫外線を照射することによって、ホログラム感光材料を定着させる。接合工程では、一方の透明基材と他方の透明基材との接合面に紫外線硬化型接着剤を塗布し、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射してこれを硬化させることにより、両透明基材をホログラム感光材料を挟むように接合する。このとき、接合工程での光照射時に生じる光エネルギーでホログラム感光材料を定着できる分だけ、定着工程での紫外線照射時間を短縮して紫外線照射を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホログラム感光材料を用いて製造される光学デバイスの製造方法と、その光学デバイスと、その光学デバイスを用いた映像表示装置と、その映像表示装置を用いたヘッドマウントディスプレイとに関するものである。
ホログラム、ハーフミラーコート、ビームスプリッタ層などの光学素子は、透明基材内に埋め込んで(2個の透明基材で挟み込んで)使用すれば、湿度や酸素などの外部環境の影響を受けることがないことから、例えばヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイなどのコンバイナとして非常に有用である。
ここで、ホログラムの一般的な作製方法としては、例えば非特許文献1に開示されている。非特許文献1では、レーザー光でホログラム感光材料を露光する露光工程と、紫外線照射によってホログラム感光材料を定着させる定着工程と、ホログラム感光材料を熱処理するベイク工程とを経ることにより、ホログラムを完成させている。
"Display Holograms in DuPont's OmniDex films "(SPIE vol.1461, p.41-50 (1991))
ところで、上述した一般的なホログラムの作製方法においては、ホログラム感光材料を露光した後の紫外線照射による定着工程に非常に多くの時間を要する。これは、ホログラム感光材料に含まれる感光色素の分解に多くの時間を要するためである。なお、定着工程を完全に行わないと、光によりさらにホログラムが追記されてしまうだけでなく、色素の発色によりホログラムの透明性が悪くなる。
また、上述したベイク工程にも非常に多くの時間を要する。これは、ベイク処理が不十分であると、ホログラムの回折効率が十分に高くならないためである。特に、透明基材に例えばプラスチック基材を用いた場合は、プラスチック基材の耐熱性が低いため、ベイク可能な温度が低くなり、必然的に長時間のベイクが必要となる。
このように、従来のホログラムの作製方法では、定着工程やベイク工程に非常に多くの時間を要するため、最終的にホログラムを完成させるまでに非常に多くの時間を要するという問題が生ずる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ホログラムの完成度を落とすことなく、ホログラムの作製に要する時間全体を短縮することができる光学デバイスの製造方法と、その光学デバイスと、その光学デバイスを備えた映像表示装置と、その映像表示装置を備えたヘッドマウントディスプレイとを提供することにある。
本発明の光学デバイスの製造方法は、一方の透明基材上に貼り付けられ、レーザー光によりホログラムが記録されたホログラム感光材料に光(例えば紫外線)を照射することによって、上記ホログラム感光材料を定着させる定着工程と、上記一方の透明基材と他方の透明基材との接合面に光硬化型接着剤(例えば紫外線硬化型接着剤)を塗布し、上記光硬化型接着剤に光(例えば紫外線)を照射してこれを硬化させることにより、上記両透明基材を上記ホログラム感光材料を挟むように接合する接合工程とを有する光学デバイスの製造方法であって、上記定着工程では、上記接合工程での光照射時に生じる光エネルギーで上記ホログラム感光材料を定着できる分だけ光照射時間を短縮して光照射を行うことを特徴としている。
また、本発明の光学デバイスは、一方の透明基材上に貼り付けられ、レーザー光によりホログラムが記録されたホログラム感光材料に光を照射することによって、上記ホログラム感光材料を定着させる定着工程と、上記一方の透明基材と他方の透明基材との接合面に光硬化型接着剤を塗布し、上記光硬化型接着剤に光を照射してこれを硬化させることにより、上記両透明基材を上記ホログラム感光材料を挟むように接合する接合工程とを経て製造される光学デバイスであって、上記ホログラム感光材料は、上記接合工程での光照射時に生じる光エネルギーで定着できる分だけ、上記定着工程での光照射時間を短縮して光照射されていることを特徴としている。
定着工程では、光照射によってホログラム感光材料中の感光色素が分解されることにより、ホログラム感光材料が定着される。そして、接合工程では、光照射によって光硬化型接着剤が硬化されることにより、一方の透明基材と他方の透明基材とが光硬化型接着剤で接合される。このとき、両透明基材の接合面には、ホログラム感光材料が挟まれている。
ここで、定着工程では、接合工程での光照射時に生じる光エネルギーでホログラム感光材料を定着できる分だけ光照射時間を短縮して光照射を行うので、定着工程において光照射時間の短縮によってホログラム感光材料の定着が不十分となっていても、その分は接合工程にて補うことができる。つまり、接合工程での光照射時に生じる光エネルギーでホログラム感光材料の定着を促進させることができ、上記光エネルギーでホログラム感光材料を完全に定着させることができる。
したがって、定着工程の時間は、定着工程でホログラム感光材料を完全に定着させる場合よりも短くなるので、定着工程と接合工程とを有する光学デバイスの製造に要する時間を全体として短くすることができる。このとき、接合工程での光照射時に生じる光エネルギーによって、最終的には、ホログラム感光材料は完全に定着するので、ホログラムの完成度が落ちることはない。
本発明の光学デバイスの製造方法は、一方の透明基材上に貼り付けられ、レーザー光によりホログラムが記録されたホログラム感光材料を熱処理する熱処理工程と、上記一方の透明基材と他方の透明基材との接合面に光硬化型接着剤(例えば紫外線硬化型接着剤)を塗布し、上記光硬化型接着剤に光(例えば紫外線)を照射してこれを硬化させることにより、上記両透明基材を上記ホログラム感光材料を挟むように接合する接合工程とを有する光学デバイスの製造方法であって、上記熱処理工程では、上記接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーで上記ホログラム感光材料を熱処理できる分だけ熱処理時間を短縮して熱処理を行うことを特徴としている。
また、本発明の光学デバイスは、一方の透明基材上に貼り付けられ、レーザー光によりホログラムが記録されたホログラム感光材料を熱処理する熱処理工程と、上記一方の透明基材と他方の透明基材との接合面に光硬化型接着剤を塗布し、上記光硬化型接着剤に光を照射してこれを硬化させることにより、上記両透明基材を上記ホログラム感光材料を挟むように接合する接合工程とを経て製造される光学デバイスであって、上記ホログラム感光材料は、上記接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーで熱処理できる分だけ、上記熱処理工程での熱処理時間を短縮して熱処理されていることを特徴としている。
熱処理工程では、ホログラムの回折効率を上げるために、ホログラム感光材料が熱処理される。そして、接合工程では、光照射によって光硬化型接着剤が硬化することにより、一方の透明基材と他方の透明基材とが光硬化型接着剤で接合される。このとき、両透明基材の接合面には、ホログラム感光材料が貼り付けられている。
ここで、熱処理工程では、接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーでホログラム感光材料を熱処理できる分だけ熱処理時間を短縮して熱処理を行うので、熱処理工程において熱処理時間の短縮によってホログラム感光材料の熱処理が不十分となっていても、その分は接合工程にて補うことができる。つまり、接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーでホログラム感光材料の熱処理を促進させることができ、上記熱エネルギーでホログラム感光材料を十分に熱処理することができる。
したがって、熱処理工程の時間は、熱処理工程でホログラム感光材料を完全に熱処理する場合よりも短くなるので、熱処理工程と接合工程とを有する光学デバイスの製造に要する時間を全体として短くすることができる。このとき、接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーによって、最終的には、ホログラム感光材料は完全に熱処理されるので、ホログラムの完成度が落ちることはない。
ここで、本発明の光学デバイスの製造方法および光学デバイスにおいて、ホログラム感光材料は、フォトポリマーであることが望ましい。フォトポリマーは、可視光の広い波長範囲に感度を有するので、ホログラム感光材料を例えばレーザー光で露光してホログラムを作製することが容易となる。また、フォトポリマーを用いれば、ドライプロセスでホログラムを作製できるので簡便である。
また、本発明の光学デバイスの製造方法および光学デバイスにおいて、両透明基材は、安価で軽量な透明プラスチック基材で構成されていることが望ましいが、特に、アクリル系樹脂で構成されていることが望ましい。この場合、両透明基材において、優れた透明性および成型性を得ることができる。また、一方の透明基材とホログラム感光材料との密着性を良好にすることができるとともに、これらの屈折率を非常に近く合わせることができ、良好な光学特性を得ることができる。
また、本発明の光学デバイスの製造方法および光学デバイスにおいて、接合工程では、両透明基材の接合面の両面から光を照射することが望ましい。透明プラスチック基材は、紫外線を吸収するため、光硬化型接着剤は、光が照射された側から内部へと順に硬化する。したがって、上記接合面の両面から光を照射することにより、光硬化型接着剤を両側から均一に早く硬化させることができる。
また、本発明の光学デバイスの製造方法および光学デバイスにおいて、接合工程では、光硬化型接着剤に照射される光のうち、波長300nm以下の光をフィルタでカットすることが望ましい。透明プラスチック基材は、波長300nm以下の光を吸収して劣化するため、上記光をフィルタでカットすることにより、基材の劣化を防止することができる。
また、本発明の光学デバイスの製造方法および光学デバイスにおいて、接合工程では、光硬化型接着剤に照射される光のうち、両透明基材における紫外線吸収端の波長以下の光をフィルタでカットすることが望ましい。なお、紫外線吸収端の波長とは、両透明基材において光透過率がゼロとなる紫外領域の波長の最大値またはその最大値付近の波長を指し、例えば370〜380nm前後の波長を想定することができる。
透明プラスチック基材は、紫外線吸収端の波長以下の光を吸収すると、熱によって変形しやすくなり、特に波長300nm以下の光を吸収すると、材料自体が劣化する。そこで、照射光のうちで紫外線吸収端の波長以下の光をフィルタでカットすることにより、両透明基材の熱による変形を防止することができるとともに、材料の劣化を防止することができる。
また、本発明の光学デバイスの製造方法および光学デバイスにおいて、接合工程では、光硬化型接着剤に照射される光のうち、赤外線をフィルタでカットすることが望ましい。透明プラスチック基材は、赤外線を吸収すると、発熱・変形を起こす。そこで、照射光に含まれる赤外線をフィルタでカットすることで、両透明基材の発熱・変形を防止することができる。
また、本発明の光学デバイスの製造方法および光学デバイスにおいては、接合工程では、両透明基材を、それらの温度が100℃以下となるように冷却することが望ましい。これにより、透明プラスチック基材からなる両透明基材の変形を防止することができる。
本発明の映像表示装置は、上述した本発明の光学デバイスと、映像を表示して上記光学デバイスに提供する映像表示素子とを備えていることを特徴としている。この構成により、観察者は、映像表示素子から提供される映像を光学デバイスを介して観察することができるのと同時に、光学デバイスを介してシースルーで外界像を観察することもできる。
このとき、上記光学デバイスの光学素子は、体積位相型の反射型ホログラムであることが望ましい。この場合、映像表示素子から提供される映像光を上記ホログラムにて観察者の方向に反射させることにより、観察者に虚像を観察させることができる。しかも、体積位相型の反射型ホログラムは、外界像の光の透過率が高いので、観察者は外界像を明瞭に観察することができる。
また、上記光学デバイスの光学素子は、上記映像表示素子から提供される映像と外界像とを同時に観察者の目に導くコンバイナであってもよい。この場合、観察者は、上記光学素子を介して、映像表示素子から提供される映像と外界像とを同時に観察することができる。
また、上記光学デバイスは、上記映像表示素子に表示される映像を拡大して観察者の目に虚像として導く接眼光学系を構成していてもよい。この場合、観察者は、映像表示素子に表示される映像を虚像として十分に視認することができる。また、接眼光学系は、映像表示素子の表示映像を拡大虚像として観察者に提供するので、接眼光学系を構成する光学デバイスの小型化、軽量化が可能となり、映像表示装置の小型化、軽量化が可能となる。
また、上記接眼光学系は、非軸対称な(正の)光学パワーを有していることが望ましい。この場合、接眼光学系を小型にしても、良好に収差補正された映像を観察者に提供することができる。
また、上記光学デバイスの透明基材は、上記映像表示素子から提供される映像の光を内部で全反射させて上記光学素子に導く構成が望ましい。この構成によれば、映像表示素子から提供される映像光を無駄なく利用して、観察者に明るい映像を提供することができる。また、映像表示素子を光学デバイスから離れた位置に配置することも可能となり、観察者の外界に対する視野を広く確保することができる。
また、上記光学デバイスの光学素子の透過率は、10%以上であることが望ましい。この場合、観察者は、光学素子を介しても外界像をシースルーで十分に観察することができる。
本発明のヘッドマウントディスプレイは、上述した映像表示装置と、上記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持手段とを備えていることを特徴としている。この構成によれば、映像表示装置が支持手段によって観察者の眼前で支持されるので、観察者は、ハンズフリーとなり、外界像および映像表示素子での表示映像を虚像として観察しながら、空いた手で所望の作業を行うことができる。また、観察者の観察方向が一方向に定まるので、観察者は暗環境でも表示映像を探しやすいという利点もある。
本発明によれば、接合工程での光照射時に生じる光エネルギーや熱エネルギーを利用して、ホログラム感光材料の定着工程や熱処理工程に要する時間を短縮するので、ホログラムの完成度を落とすことなく、全体としてホログラムの作製に要する時間を短縮することができる。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図2(a)は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと略称する)の概略の構成を示す平面図であり、図2(b)は、HMDの側面図であり、図2(c)は、HMDの正面図である。HMDは、映像表示装置1と、それを支持する支持手段2とを有しており、全体として、一般の眼鏡から一方(例えば左目用)のレンズを取り除いたような外観となっている。
映像表示装置1は、観察者に外界像をシースルーで観察させるとともに、映像を表示して観察者にそれを虚像として提供するものである。図2(c)で示す映像表示装置1において、眼鏡の右目用レンズに相当する部分は、後述する2つの透明基材22・23(図4参照)の貼り合わせによって構成されている。なお、映像表示装置1の詳細な構成については後述する。
支持手段2は、映像表示装置1を観察者の眼前(例えば右目の前)で支持するものであり、ブリッジ3と、フレーム4と、テンプル5と、鼻当て6と、ケーブル7とを有している。なお、フレーム4、テンプル5および鼻当て6は、左右一対設けられているが、これらを左右で区別する場合は、右フレーム4R、左フレーム4L、右テンプル5R、左テンプル5L、右鼻当て6R、左鼻当て6Lのように表現するものとする。
映像表示装置1の一端は、ブリッジ3に支持されている。このブリッジ3は、映像表示装置1のほかにも左フレーム4Lおよび鼻当て6を支持している。左フレーム4Lは、左テンプル5Lを回動可能に支持している。一方、映像表示装置1の他端は、右フレーム4Rに支持されている。右フレーム4Rにおいて映像表示装置1の支持側とは反対側端部は、右テンプル5Rを回動可能に支持している。ケーブル7は、外部信号(例えば映像信号、制御信号)や電力を映像表示装置1に供給するための配線であり、右フレーム4Rおよび右テンプル5Rに沿って設けられている。
観察者がHMDを使用するときは、右テンプル5Rおよび左テンプル5Lを観察者の右側頭部および左側頭部に接触させるとともに、鼻当て6を観察者の鼻に当て、一般の眼鏡をかけるようにHMDを観察者の頭部に装着する。この状態で、映像表示装置1にて映像を表示すると、観察者は、映像表示装置1の映像を虚像として観察することができるとともに、この映像表示装置1を介して外界像をシースルーで観察することができる。
なお、HMDは、映像表示装置1を1個だけ備えたものには限られない。例えば、図3(a)は、HMDの他の構成を示す平面図であり、図3(b)は、上記HMDの側面図であり、図3(c)は、上記HMDの正面図である。これらの図に示すように、HMDは、観察者の両目の前に配置される2個の映像表示装置1を備えた構成であってもよい。この場合、左目の前に配置される映像表示装置1は、ブリッジ3と左フレーム4Lとによってその間で支持される。また、ケーブル7は、両方の映像表示装置1と接続され、ケーブル7を介して外部信号等が両方の映像表示装置1に供給される。
次に、上述した映像表示装置1の詳細について説明する。
図4は、映像表示装置1の概略の構成を示す断面図である。映像表示装置1は、映像表示素子11と、接眼光学系21とで構成されている。
映像表示素子11は、光源12と、一方向拡散板13と、集光レンズ14と、LCD15とを有している。なお、光源12と、一方向拡散板13と、集光レンズ14とで、LCD15を照明する照明光学系が構成されている。
光源12は、中心波長が例えば465nm、520nm、635nmとなる3つの波長帯域の光を発するRGB一体型のLEDで構成されている。なお、光源12は、白色光を発する白色光源であっても構わない。
一方向拡散板13は、光源12からの照明光を拡散させるものであるが、その拡散度は、方向によって異なっている。より詳細には、一方向拡散板13は、HMDを観察者が装着したときの左右方向に対応する方向(図4の紙面に垂直な方向)には、入射光を約40゜拡散させ、HMDを観察者が装着したときの上下方向(図4の紙面に平行な方向)には、入射光を約2゜拡散させる。
集光レンズ14は、一方向拡散板13にて拡散された光を集光するものである。集光レンズ14は、上記拡散光が効率よく光学瞳Eを形成するように配置されている。LCD15は、映像信号に基づいて入射光を変調することにより、映像を表示する表示手段である。
一方、接眼光学系21は、2つの透明基材22・23と、光学素子24とを有している。この接眼光学系21は、透明基材22・23の接合面を介して外界像がシースルーで観察される光学デバイスを構成しているとともに、映像表示素子11に表示される映像を拡大して観察者の目に虚像として導く光学デバイスを構成している。また、接眼光学系21は、非軸対称な正の光学パワーを有しており、内部に入射した映像光が良好に収差補正される。
透明基材22・23は、例えばアクリル系樹脂で構成されており、これらは接着剤で接合されている。このときの透明基材22は、平行平板の下端部を下端に近くなるほど薄くして楔状にし、その上端部を上端に近くなるほど厚くした形状で構成されている。透明基材23は、平行平板の上端部を透明基材22の下端部に沿った形状とすることによって、透明基材22と一体となって略平行平板となるように構成されている。
例えば、透明基材22に透明基材23を接合させない場合、外界像の光が透明基材22の楔状の下端部を透過するときに屈折するので、透明基材22を介して観察される外界像に歪みが生じる。しかし、透明基材22に透明基材23を接合させて一体的な略平行平板を形成することで、外界像の光が透明基材22の楔状の下端部を透過するときの屈折を透明基材23でキャンセルすることができる。その結果、シースルーで観察される外界像に歪みが生じるのを防止することができる。
光学素子24は、特定の入射角で入射する例えば465±10nm、520±10nm、635±10nmの3つの波長帯域の光を回折させる体積位相型の反射型ホログラムで構成されている。光学素子24は、透明基材22の下端部の傾斜面に貼り付けられており、この結果、透明基材22・23で挟まれている。この光学素子24の透過率は、10%以上に設定されている。
光学素子24の材料となるホログラム感光材料24a(図6参照)としては、フォトポリマー、銀塩材料、重クロム酸ゼラチンなどが挙げられるが、中でもドライプロセスで製造できるフォトポリマーが望ましい。
このような映像表示装置1の構成により、映像表示素子11の光源12から出射された光は、一方向拡散板13にて拡散され、集光レンズ14にて集光されてLCD15に入射する。LCD15に入射した光は、映像信号に基づいて変調され、映像光として出射される。このとき、LCD15には、その映像自体が表示される。
LCD15からの映像光は、接眼光学系21の透明基材22の内部にその上端面から入射し、対向する2つの面で複数回全反射されて、光学素子24に入射する。光学素子24に入射した光は、反射されて光学瞳Eに達する。光学瞳Eの位置では、観察者は、LCD15に表示された映像の拡大虚像を観察することができる。光学瞳Eから虚像までの距離は数m程度であり、また、虚像の大きさはLCD15に表示された映像の10倍以上である。
一方、透明基材22・23および光学素子24は、外界からの光をほとんど全て透過させるので、観察者は外界像を観察することができる。したがって、LCD15に表示された映像の虚像は、外界像の一部に重なって観察されることになる。以上のことから、光学素子24は、映像表示素子11から提供される映像と外界像とを同時に観察者の目に導くコンバイナとして機能していると言える。
以上のように、映像表示装置1では、LCD15から出射される映像光を、透明基材22内での全反射によって光学素子24に導く構成としている。これにより、映像表示素子11を観察者の眼の直前から大きく離れた位置に配置することができ、観察者の外界に対する視野を広く確保することができる。また、通常の眼鏡レンズと同様に透明基板22・23の厚さを3mm程度にすることができ、映像表示装置1を小型化、軽量化することができる。
また、光学素子24は、上述したように特定入射角の特定波長の光のみを回折させるので、透明基材22・23および光学素子24を透過する外界像の光に影響を与えることがない。それゆえ、観察者は、透明基材22・23および光学素子24を介して外界像を通常通り観察することができる。また、光学素子24の透過率は、10%以上に設定されているので、観察者は透明基材22・23および光学素子24を介して外界像を十分に観察することができる。
次に、透明基材22・23の詳細について説明する。
図5(a)は、透明基材22(第1の透明基材)の平面図を示し、図5(b)は、透明基材22の正面図を示している。また、図5(c)は、透明基材23(第2の透明基材)の平面図を示し、図5(d)は、透明基材23の正面図を示している。さらに、図5(e)は、透明基材22・23を接合させた接眼光学系21の平面図を示している。
透明基材22は、全体として略四角錐台の形状をしており、その上面および下面は、4つの側面で連結されている。この4つの側面は、図5(a)の平面図において、上面を中心として反時計回りに配置される面22a・22b・22c・22dで構成されている。これらの面22a・22b・22c・22dは、その法線方向が互いに異なっている。また、これらのうちの一側面(例えば面22d)には、上記上面よりも上方に突出する突出部22eが形成されている。また、光学素子24は、透明基材22の例えば面22bに貼り付けられている。
一方、透明基材23は、透明基材22が接合することで平行平板が形成されるような形状となっている。つまり、透明基材23は、平行平板から透明基材22の形状をくり抜いた形状をしている。ここで、透明基材23において、透明基材22と接合したときに、透明基材22の面22a・22b・22cと対向する面を、それぞれ23a・23b・23cと称することにする。これらの面23a・23b・23cは、その法線方向が互いに異なっている。
このように光学素子24を貼り付けた一方の透明基材22に他方の透明基材23を、光学素子24を挟むように接着剤を介して接合することにより、図5(e)に示すように、接眼光学系21が形成される。この接眼光学系21は、平面視で眼鏡のレンズのような形状をしている。この接眼光学系21を用いることにより、透明基材22・23の接合面(面22a・22b・22c、面23a・23b・23c)を介して、シースルーで外界像を観察することが可能となる。
次に、光学デバイスとしての接眼光学系21の製造方法について説明する。
接眼光学系21の製造工程は、貼付工程、露光工程、定着工程、ベイク(熱処理)工程、接合工程の5つの工程からなっている。より詳細に説明すると、以下の通りである。
図6に示すように、一方の透明基材22上に、例えばフォトポリマーからなるホログラム感光材料24aを貼り付ける(貼付工程)。そして、レーザー光の2光束干渉により、透明基材22上のホログラム感光材料24aを露光し、これにホログラムを記録する(露光工程)。続いて、ホログラム感光材料24aに紫外線を照射することによって、ホログラム感光材料24aを定着させる(定着工程)。
その後、透明基材22上に貼り付けられたホログラム感光材料24aをベイクし、回折効率の高いホログラム(光学素子24)を形成する(ベイク工程)。そして、最後に、一方の透明基材22と他方の透明基材23との接合面に光硬化型接着剤である紫外線硬化型接着剤を塗布し、上記紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射してこれを硬化させることにより、両透明基材22・23をホログラム感光材料24a(光学素子24)を挟むように接合する(接合工程)。
なお、上記のベイク処理により、ホログラムの回折効率が上がる理由は、以下の通りである。ホログラム感光材料24aを露光すると、干渉縞ができて、ホログラムに屈折率の高い部分と低い部分とが形成される。しかし、ホログラム感光材料24aとしてのフォトポリマーは重合性材料であり、このような露光だけでは屈折率の高い部分と低い部分とにおける屈折率の差が小さい。そこで、ベイク処理によりホログラム感光材料24aに熱を加えると、ホログラム感光材料24aにおける未反応のモノマーなどの拡散可能な成分が熱で拡散され、疎密の差が激しくなる。これにより、ホログラムにおける屈折率の差が広がり、回折効率が上がるようになる。
ここで、上記の定着工程の定着時間としては、紫外線を出射する光源の強度にも依存するが、一般的に120分程度である。このように定着時間に非常に多くの時間を要するのは、ホログラム感光材料24aに含まれる感光色素の分解に多くの時間を要するためである。なお、定着工程を完全に行わないと、光によりさらにホログラムが追記されてしまい、所望の再生光の回折効率が低くなるだけでなく、ホログラム感光材料24a内の色素の発色により、ホログラムの透明性が悪くなる。一方、透明基材22・23の接合に紫外線硬化型接着剤を用いる場合には、その接合工程にて紫外線硬化型接着剤に照射される紫外線は、同時にホログラム感光材料24aにも照射される。
そこで、本実施形態では、接合工程での光照射時に生じる光エネルギーを利用して、ホログラム感光材料24aの透明基材24aへの定着を行うようにしている。
より詳細には、図1(a)に示すように、定着工程に要する本来の時間をA(例えば120分)とし、接合工程での光照射(紫外線照射)時に生じる光エネルギーでホログラム感光材料24aを定着できる時間をA2(例えば60分)とすると、本実施形態では、定着時間Aを時間A1(=A−A2)に短縮して、定着工程での光照射(紫外線照射)を行う。つまり、接合工程での光照射(紫外線照射)時に生じる光エネルギーでホログラム感光材料24aを定着できる分(時間A2に相当)だけ光照射時間Aを短縮して光照射を行う。なお、ベイク工程および接合工程には、本来それらの処理に必要な時間Bおよび時間Cをかければよい。
このように、定着工程では、その後の接合工程での光照射時に生じる光エネルギーでホログラム感光材料24aを定着できる分(本実施形態では時間A2)だけ光照射時間を短縮して光照射を行うので、定着工程において光照射時間の短縮によってホログラム感光材料24aの定着が不十分となっていても、その分は接合工程にて補うことができる。つまり、接合工程での光照射時に生じる光エネルギーでホログラム感光材料24aの定着を促進させることができるので、定着工程でのホログラム感光材料24aの定着が不十分であっても、上記光エネルギーでホログラム感光材料24aを完全に定着させることができる。
したがって、定着工程の時間(本実施形態ではA1)は、定着工程でホログラム感光材料24aを完全に定着させる場合(本来必要な時間A)よりも短くなるので、少なくとも定着工程と接合工程とを有する接眼光学系21の製造に要する時間を全体として短くすることができる。すなわち、接眼光学系21の製造時間を全体として時間A2だけ短くすることができる。なお、接合工程での光照射時に生じる光エネルギーによって、最終的には、ホログラム感光材料24aは完全に定着するので、本実施形態の手法を採っても、ホログラムの完成度が落ちることはない。
なお、可能であるなら、定着工程を省いてもよい。すなわち、接合工程での光照射時に生じる光エネルギーだけでホログラム感光材料24aの定着を行ってもよい。しかし、実際には、ベイク工程の前に、それ以上ホログラムが追記されない状態にまで、ホログラム感光材料24aをある程度定着させることが望ましい。より具体的には、ホログラム感光材料24aに含まれている感光色素の70%以上が分解された状態まで、定着工程で紫外線照射することが望ましい。なお、感光色素の分解された量は、ホログラム感光材料24aの分光透過率を測定することで検出することができる。
ところで、ベイク処理によりホログラムの回折効率が上がることから、回折効率の高いホログラムを作製するには、ベイク工程に多くの時間を要する。例えば、100℃以上の温度で120分程度ベイクする必要がある。特に、透明基材22にプラスチック基材を用いた場合などは、プラスチック基材の耐熱性が低いため、ベイク可能な上限温度が低くなり、その分、必然的に長時間のベイクが必要となる。
一方、図7は、透明基材22・23の接合に用いる接着剤として紫外線硬化型接着剤を用いた場合に一般的によく用いられる紫外線照射光源である例えばメタルハライドランプの照射光スペクトルを示すグラフである。同図に示すように、メタルハライドランプの出射光には、紫外線以外にも可視光、さらには赤外線(図示せず)なども多く含まれる。このため、その後の接合工程で紫外線照射を行うと、透明基材22が発熱し、高温になる。
そこで、本実施形態では、接合工程での発熱を積極的に利用して、ホログラム感光材料24aのベイク処理を行うようにしている。
より詳細には、図1(b)に示すように、ベイク工程に要する本来の時間をB(例えば30分)とし、接合工程での光照射(紫外線照射)時に生じる熱エネルギーでホログラム感光材料24aをベイクできる時間をB2(例えば10分)とすると、本実施形態では、ベイク時間Bを時間B1(=B−B2)に短縮してベイク処理を行う。つまり、接合工程での光照射(紫外線照射)時に生じる熱エネルギーでホログラム感光材料24aをベイクできる分(時間B2に相当)だけベイク時間Bを短縮して光照射を行う。なお、定着工程および接合工程には、本来それらの処理に必要な時間Aおよび時間Cをかければよい。
このように、ベイク工程では、その後の接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーでホログラム感光材料24aをベイクできる分(本実施形態では時間B2)だけベイク時間を短縮してベイク処理を行うので、ベイク工程においてベイク時間の短縮によってホログラム感光材料24aのベイクが不十分となっていても、その分は接合工程にて補うことができる。つまり、接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーでホログラム感光材料24aのベイクを促進させることができるので、ベイク工程でのホログラム感光材料24aのベイクが不十分であっても、上記熱エネルギーでホログラム感光材料24aを十分にベイク処理することができる。
したがって、ベイク工程の時間(本実施形態ではB1)は、ベイク工程でホログラム感光材料24aを十分にベイク処理する場合(本来必要な時間B)よりも短くなるので、少なくともベイク工程と接合工程とを有する接眼光学系21の製造に要する時間を全体として短くすることができる。すなわち、接眼光学系21の製造時間を全体として時間B2だけ短くすることができる。なお、接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーによって、最終的には、ホログラム感光材料24aは十分にベイクされるので、本実施形態の手法を採っても、ホログラムの完成度が落ちることはない。
なお、可能であるなら、ベイク工程を省いてもよい。すなわち、接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーだけでホログラム感光材料24aのベイク処理を行ってもよい。また、接合工程での発熱によって、ベイク工程にて必要な温度上昇が得られなかったとしても、低温でも時間をかけることにより増感(回折効率が増大する現象)は進行するので、一定の効果を得ることができる。ただし、すでにベイク工程で十分に増感が達成されていれば、それ以上の効果はない。
以上では、接眼光学系21の製造工程のうちで、定着工程に要する時間Aのみを短縮する、あるいはベイク工程に要する時間Bのみを短縮する例について説明したが、定着工程に要する時間とベイク工程に要する時間との両方を短縮するようにしてもよい。つまり、定着工程では、接合工程での光照射時に生じる光エネルギーでホログラム感光材料24aを定着できる分だけ光照射時間を短縮して光照射を行い、ベイク工程では、接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーでホログラム感光材料24aをベイクできる分だけベイク時間を短縮してベイク処理を行うようにしてもよい。この場合、少なくとも定着工程とベイク工程と接合工程とを有する接眼光学系21の製造に要する時間を全体としてさらに短縮することができる。
ところで、接眼光学系21を構成する透明基材22・23としては、安価・軽量であり、接眼光学系21を眼前に配置したときの安全性などの観点から、透明プラスチック基材で構成されることが望ましい。中でも、アクリル系の樹脂材料は、透明性および成型性に優れ、かつホログラム感光材料24aとの密着性が良好で、屈折率もこれらで非常に似通っているため、透明基材22・23は、アクリル系樹脂で構成されることがより望ましい。このようなアクリル系樹脂としては、例えば、三菱レイヨン製のアクリペットや、旭化成ケミカルズ製のデルペットなどがある。
また、図8は、透明プラスチック基材で構成される透明基材22・23の分光透過率を示している。透明プラスチック基材は、同図に示すように、波長300〜400nmの領域の紫外線を吸収するため、紫外線硬化型接着剤は、紫外線が照射される側から内部へと順に硬化する。このため、紫外線硬化型接着剤をより均一に早く硬化させるには、接合工程において、両透明基材22・23の接合面の両面から光(紫外線)を照射することが望ましい。
また、一般的に、紫外線照射に用いられる光源としてのメタルハライドランプの出射光には、図7に示したように、接着剤の硬化に必要な波長300〜450nmの光以外にも、波長300nm以下の光や、可視光さらには赤外線(図示せず)なども含まれている。一方、例えばアクリル系樹脂からなる透明プラスチック基材に波長300nm以下の光が照射されると、図8に示すように、透明プラスチック基材がその光を吸収して発熱するだけでなく、一般的に材料の劣化がおこる。このため、透明基材22・23が透明プラスチック基材で構成されている場合には、接合工程において、紫外線硬化型接着剤に照射される光のうち、波長300nm以下の光をフィルタでカットする、あるいは、波長300nm以下の光を発しない光源を用いることが望ましい。なお、このことは、接合工程だけでなく、定着工程においても同様に言えることである。
特に、両透明基材22・23における紫外線吸収端の波長以下の光をフィルタでカットすることがより望ましい。なお、紫外線吸収端の波長とは、両透明基材22・23において光透過率がゼロとなる紫外領域の波長の最大値またはその最大値付近の波長を指す。より具体的には、図8のグラフにおいて、光透過率が0%から90%に急激に変化するときの光透過率40%から50%あたりの変曲点にて接線を引いたときに、その接線が光透過率0%となる横軸と交わる点を考えることができる。本実施形態では、例えば370〜380nm前後の波長を想定することができる。
実際、透明プラスチック基材が吸収する波長領域の紫外線は、紫外線硬化型接着剤には到達せず、接着剤の硬化にはほとんど寄与しない。さらに、透明プラスチック基材が紫外線吸収端の波長以下の光を吸収することで、基材の発熱・変形・劣化などが生じる原因となる。したがって、図8のような分光特性をもつ材料ならば、約370〜380nm以下の波長の光をフィルタでカットして紫外線硬化型接着剤に照射することが望ましい。ただし、紫外線硬化型接着剤の硬化には紫外線が必要なので、必要以上に長波長の光までカットすることは望ましくない。
また、接合工程では、紫外線硬化型接着剤に照射される光のうちで、赤外線を赤外カットフィルタでカットして照射することが望ましい。この場合、透明プラスチック基材からなる透明基材22・23が赤外線を吸収して、発熱・変形を起こすのを防ぐことができる。ただし、照射強度、照射時間がそれほど大きくなく、基材の発熱が問題にならない程度であれば、カットせずにその発熱を用いてホログラム感光材料24aのベイクを促進させてもよい。
このとき、接合工程において、基材の発熱が問題になるかどうかは、基材の耐熱性に影響するが、一般的に光学材料として用いられるアクリルのような材料では、透明基材22・23の温度は、100℃以下の環境になることが望ましい。つまり、接合工程においては、冷却手段(例えば冷却ファン)を設けて、両透明基材22・23を、それらの温度が100℃以下となるように冷却することが望ましい。これにより、透明基材22・23の発熱による変形を防止することができる。
なお、本実施形態では、透明基材22・23の接合面は、平面である場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、例えば曲面であってもよい。
なお、本実施形態では、映像表示装置1をHMDに適用した例について説明したが、例えばヘッドアップディスプレイに適用することも可能である。
なお、本実施形態では、透明基材22・23として、平板上のものを用いているが、曲率を有するものであってもよい。この場合、接眼光学系21に矯正眼鏡レンズとしての機能を持たせることもできる。
(a)は、本発明の実施の一形態に係るヘッドマウントディスプレイに用いられる映像表示装置の接眼光学系の製造工程における時間配分の一例を模式的に示す説明図であり、(b)は、上記時間配分の他の例を示す説明図である。 (a)は、上記ヘッドマウントディスプレイの概略の構成を示す平面図であり、(b)は、上記ヘッドマウントディスプレイの側面図であり、(c)は、上記ヘッドマウントディスプレイの正面図である。 (a)は、上記ヘッドマウントディスプレイの他の構成を示す平面図であり、(b)は、上記ヘッドマウントディスプレイの側面図であり、(c)は、上記ヘッドマウントディスプレイの正面図である。 上記映像表示装置の概略の構成を示す断面図である。 (a)は、上記接眼光学系を構成する2種の透明基材のうちの一方の概略の構成を示す平面図であり、(b)は、上記透明基材の正面図であり、(c)は、他方の透明基材の概略の構成を示す平面図であり、(d)は、上記透明基材の正面図であり、(e)は、上記接眼光学系の平面図である。 上記接眼光学系の製造工程を模式的に示す説明図である。 メタルハライドランプの照射光スペクトルを示すグラフである。 上記透明基材の分光透過率を示すグラフである。
符号の説明
1 映像表示装置
2 支持手段
11 映像表示素子
21 接眼光学系(光学デバイス)
22 透明基材
23 透明基材
24 光学素子
24a ホログラム感光材料

Claims (28)

  1. 一方の透明基材上に貼り付けられ、レーザー光によりホログラムが記録されたホログラム感光材料に光を照射することによって、上記ホログラム感光材料を定着させる定着工程と、
    上記一方の透明基材と他方の透明基材との接合面に光硬化型接着剤を塗布し、上記光硬化型接着剤に光を照射してこれを硬化させることにより、上記両透明基材を上記ホログラム感光材料を挟むように接合する接合工程とを有する光学デバイスの製造方法であって、
    上記定着工程では、上記接合工程での光照射時に生じる光エネルギーで上記ホログラム感光材料を定着できる分だけ光照射時間を短縮して光照射を行うことを特徴とする光学デバイスの製造方法。
  2. 一方の透明基材上に貼り付けられ、レーザー光によりホログラムが記録されたホログラム感光材料を熱処理する熱処理工程と、
    上記一方の透明基材と他方の透明基材との接合面に光硬化型接着剤を塗布し、上記光硬化型接着剤に光を照射してこれを硬化させることにより、上記両透明基材を上記ホログラム感光材料を挟むように接合する接合工程とを有する光学デバイスの製造方法であって、
    上記熱処理工程では、上記接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーで上記ホログラム感光材料を熱処理できる分だけ熱処理時間を短縮して熱処理を行うことを特徴とする光学デバイスの製造方法。
  3. 上記ホログラム感光材料は、フォトポリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学デバイスの製造方法。
  4. 上記両透明基材は、透明プラスチック基材で構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  5. 上記両透明基材は、アクリル系樹脂で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の光学デバイスの製造方法。
  6. 上記接合工程では、上記両透明基材の接合面の両面から光を照射することを特徴とする請求項4または5に記載の光学デバイスの製造方法。
  7. 上記接合工程では、上記光硬化型接着剤に照射される光のうち、波長300nm以下の光をフィルタでカットすることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  8. 上記接合工程では、上記光硬化型接着剤に照射される光のうち、上記両透明基材における紫外線吸収端の波長以下の光をフィルタでカットすることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  9. 上記接合工程では、上記光硬化型接着剤に照射される光のうち、赤外線をフィルタでカットすることを特徴とする請求項4から8のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  10. 上記接合工程では、上記両透明基材を、それらの温度が100℃以下となるように冷却することを特徴とする請求項4から9のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  11. 一方の透明基材上に貼り付けられ、レーザー光によりホログラムが記録されたホログラム感光材料に光を照射することによって、上記ホログラム感光材料を定着させる定着工程と、
    上記一方の透明基材と他方の透明基材との接合面に光硬化型接着剤を塗布し、上記光硬化型接着剤に光を照射してこれを硬化させることにより、上記両透明基材を上記ホログラム感光材料を挟むように接合する接合工程とを経て製造される光学デバイスであって、
    上記ホログラム感光材料は、上記接合工程での光照射時に生じる光エネルギーで定着できる分だけ、上記定着工程での光照射時間を短縮して光照射されていることを特徴とする光学デバイス。
  12. 一方の透明基材上に貼り付けられ、レーザー光によりホログラムが記録されたホログラム感光材料を熱処理する熱処理工程と、
    上記一方の透明基材と他方の透明基材との接合面に光硬化型接着剤を塗布し、上記光硬化型接着剤に光を照射してこれを硬化させることにより、上記両透明基材を上記ホログラム感光材料を挟むように接合する接合工程とを経て製造される光学デバイスであって、
    上記ホログラム感光材料は、上記接合工程での光照射時に生じる熱エネルギーで熱処理できる分だけ、上記熱処理工程での熱処理時間を短縮して熱処理されていることを特徴とする光学デバイス。
  13. 上記ホログラム感光材料は、フォトポリマーであることを特徴とする請求項11または12に記載の光学デバイス。
  14. 上記両透明基材は、透明プラスチック基材で構成されていることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の光学デバイス。
  15. 上記両透明基材は、アクリル系樹脂で構成されていることを特徴とする請求項14に記載の光学デバイス。
  16. 上記接合工程では、上記両透明基材の接合面の両面から光が照射されていることを特徴とする請求項14または15に記載の光学デバイス。
  17. 上記接合工程では、上記光硬化型接着剤に照射される光のうち、波長300nm以下の光がフィルタでカットされていることを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の光学デバイス。
  18. 上記接合工程では、上記光硬化型接着剤に照射される光のうち、上記両透明基材における紫外線吸収端の波長以下の光がフィルタでカットされていることを特徴とする請求項14から17のいずれかに記載の光学デバイス。
  19. 上記接合工程では、上記光硬化型接着剤に照射される光のうち、赤外線がフィルタでカットされていることを特徴とする請求項14から18のいずれかに記載の光学デバイス。
  20. 上記接合工程では、上記両透明基材は、それらの温度が100℃以下となるように冷却されていることを特徴とする請求項14から19のいずれかに記載の光学デバイス。
  21. 請求項11から20のいずれかに記載の光学デバイスと、
    映像を表示して上記光学デバイスに提供する映像表示素子とを備えていることを特徴とする映像表示装置。
  22. 上記光学デバイスの光学素子は、体積位相型の反射型ホログラムであることを特徴とする請求項21に記載の映像表示装置。
  23. 上記光学デバイスの光学素子は、上記映像表示素子から提供される映像と外界像とを同時に観察者の目に導くコンバイナであることを特徴とする請求項21または22に記載の映像表示装置。
  24. 上記光学デバイスは、上記映像表示素子に表示される映像を拡大して観察者の目に虚像として導く接眼光学系を構成していることを特徴とする請求項21から23のいずれかに記載の映像表示装置。
  25. 上記接眼光学系は、非軸対称な光学パワーを有していることを特徴とする請求項24に記載の映像表示装置。
  26. 上記光学デバイスの透明基材は、上記映像表示素子から提供される映像の光を内部で全反射させて上記光学素子に導くことを特徴とする請求項21から25のいずれかに記載の映像表示装置。
  27. 上記光学デバイスの光学素子の透過率は、10%以上であることを特徴とする請求項21から26のいずれかに記載の映像表示装置。
  28. 請求項21から27のいずれかに記載の映像表示装置と、
    上記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持手段とを備えていることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
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