JP2006161931A - 制動エネルギ回生装置及びその制御方法 - Google Patents

制動エネルギ回生装置及びその制御方法 Download PDF

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Abstract

【目的】車両などの運動体が有する運動エネルギを効率よく回収し、回収したエネルギを可及的損失なく有効利用できるようにする。
【構成】入出力軸1に連結される主軸2、該主軸の回転エネルギを蓄積するためのフライホイール14、該フライホイールと同方向に同調して回転するサンギア12、該サンギアと噛合する遊星ピニオン10、該遊星ピニオンが噛合するリングギア11、遊星ピニオンを回転自在に支持するピニオンキャリア9、該ピニオンキャリアと主軸との間で動力伝達を断続する手段、及び回転機を構成するリングギア制御手段20を備えた制動エネルギ回生装置である。制御手段20は、主軸2の回転エネルギをホイール14に蓄積する場合にギア11にキャリア9の回転方向と逆向きのトルクを与え、ホイール14に蓄積された回転エネルギを主軸2に出力する場合にはギア11にホイール14の回転方向と同方向のトルクを与える。
【選択図】図1

Description

本発明は制動エネルギ回生装置に係わり、詳しくは車両をはじめとする運動体の制動時に失われるエネルギを回収し、これを運動体の加速エネルギとして利用できるようにした制動エネルギ回生装置とその制御方法に関する。
一般に、車両などの運動体が持っている運動エネルギは、ブレーキ動作による摩擦熱などとして失われ、再利用されることは殆どないが、運動エネルギを油圧ポンプにより圧力エネルギに変換してアキュムレータに蓄圧し、これを油圧モータから再出力するという方法が公知となっている。
又、一部の車両では、電動機を発電機として用いることにより車両が有する運動エネルギを電気エネルギに変換し、これをバッテリに蓄電して電動機の電源に用いることも行われている。
しかし、運動エネルギを圧力や電気といった他のエネルギに変換するものは、低速域でのエネルギ回収が困難で、エネルギ変換効率が低い。又、回収したエネルギを蓄積するためのアキュムレータやバッテリは大型で重く、車両に搭載した場合には走行に必要なエネルギの多くを消費してしまう。
一方、走行車両が有する運動エネルギを回生するために、車両の減速時にその運動エネルギを遊星歯車機構を介してフライホイールに蓄積するという減速エネルギ回収装置も知られている(例えば、特許文献1)。
特公昭59−14633号公報
然しながら、特許文献1によれば、駆動軸が連結されるクランクシャフトに対してリングギア(インターナルギア)を固定し、駆動軸にサンギアと一体とされるフライホイールを回転自在に設けると共に、サンギアとフライホイールの間にピニオンキャリア(ディスク)を介在させ、そのピニオンキャリアが車両のブレーキ操作によって固定されるようにしている。
このため、ブレーキ操作が行われたときには、フライホイールが駆動軸とは逆向きに回転されて駆動軸の回転エネルギがフライホイールに蓄積されるが、フライホイールの回転数が上がるとブレーキ操作中にも拘らずフライホイールによって駆動軸が逆に駆動されるようになるので、これを防止するためにピニオンキャリアをブレーキ操作中に解放しなければならない。このため、駆動軸の回転エネルギを全て回収することはできず、エネルギ回収効率が悪い。
又、車両を加速する際にはピニオンキャリアが解放されるので、フライホイールに蓄積された回転エネルギは駆動軸に出力されず、ピニオンキャリアを回転させるにすぎない。
つまり、特許文献1はフライホイールに蓄積した回転エネルギをそのまま駆動軸に出力して再利用することはできない。よって、フライホイールに蓄積された回転エネルギは発電機により電気エネルギに変換されてバッテリに蓄電され、その電力をエンジン点火エネルギなどとして利用するようにしているので、エネルギ回収時における回転エネルギから電気エネルギへの変換、及びエネルギ放出時における電気エネルギから他のエネルギへの変換によりエネルギの損失が発生するという欠点がある。
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は車両などの運動体が有する運動エネルギ(回転エネルギ)を効率よく回収し、回収したエネルギを可及的損失なく有効利用できるようにすることにある。
本発明は上記目的を達成するため、外部入出力軸に連結される主軸と、該主軸の回転エネルギを蓄積するためのフライホイールと、該フライホイールと同方向に同調して回転するサンギアと、該サンギアと外接噛合する遊星ピニオンと、該遊星ピニオンが内接噛合するリングギアと、前記主軸と同心状に配されて前記遊星ピニオンを回転自在に支持するピニオンキャリアと、該ピニオンキャリアと前記主軸との間で動力伝達を断続する動力伝達断続手段とを備えた制動エネルギ回生装置であって、前記主軸から前記ピニオンキャリアへの動力伝達によって前記主軸の回転エネルギを前記フライホイールに蓄積する場合に前記リングギアに対してピニオンキャリアの回転方向と逆向きのトルクを与えると共に、前記フライホイールに蓄積された回転エネルギをピニオンキャリアから前記主軸に出力する場合には前記リングギアに対してフライホイールの回転方向と同方向のトルクを与えるリングギア制御手段を備えていることを特徴とする制動エネルギ回生装置を提供する。
又、上記装置において、動力伝達断続手段は、主軸からピニオンキャリアへ動力伝達するときに両者を連動可能に結合する第1クラッチと、前記ピニオンキャリアから前記主軸へ動力伝達するときに両者を連動可能に結合する第2クラッチとで構成されると共に、前記第1クラッチは前記ピニオンキャリアに対向して前記主軸の外周部に回転自在に設けられる原動ホイールと、この原動ホイールを前記主軸と同方向に回転させるホイール駆動部と、前記ピニオンキャリアと前記原動ホイールとの間で前記主軸の外周に設けられて一端が前記原動ホイールに係止されると共に他端がピニオンキャリアに係止される伝動コイルとを有し、前記ホイール駆動部による原動ホイールの回転により伝動コイルが主軸の外周に巻き付く構成とされることを特徴とする。
更に、ホイール駆動部が原動ホイールの回転速度を制御可能な可変速の制御モータとされることを特徴とする。
一方、外部入出力軸に連結される主軸と、該主軸の回転エネルギを蓄積するためのフライホイールと、該フライホイールと同方向に同調して回転するサンギアと、該サンギアと外接噛合する遊星ピニオンと、該遊星ピニオンが内接噛合するリングギアと、前記主軸と同心状に配されて前記遊星ピニオンを回転自在に支持するピニオンキャリアと、該ピニオンキャリアと前記主軸との間で動力伝達を断続する動力伝達断続手段とを備えた制動エネルギ回生装置の制御方法であって、前記リングギアを界磁束を発生するロータとし、その界磁束と作用して前記リングギアを回転させる磁界を発生するための電流が流される電機子巻線を有するステータを備えた回転機を用い、前記主軸から前記ピニオンキャリアへの動力伝達によって前記主軸の回転エネルギを前記フライホイールに蓄積する場合、前記電機子巻線に対してリングギアをピニオンキャリアの回転方向と逆向きに回転させるような電流を流すと共に、前記フライホイールに蓄積された回転エネルギをピニオンキャリアから前記主軸に出力する場合には、前記電機子巻線に対してリングギアをフライホイールの回転方向と同方向に回転させるような電流を流し、前記フライホイールの回転中に前記主軸の停止状態が所定時間継続した場合には、前記回転機を発電機として動作させることによりフライホイールの回転エネルギを電気エネルギに変換してバッテリに蓄電することを特徴とする。
本発明によれば、主軸の回転エネルギをフライホイールに蓄積し、これを他のエネルギに変換せずして主軸の加速エネルギとしてそのまま放出、出力するので、エネルギ変換により損失が少なく、エネルギの回生(回収、放出)効率が大幅に向上する。
又、主軸の外周に巻き付く伝動コイルを備えた第1クラッチにより主軸からピニオンキャリアへの動力伝達を行い、ピニオンキャリアから主軸への動力伝達を一方向クラッチにより行うようにしていることから、双方向の動力伝達をロスなく確実に行うことが可能になる。
更に、第1クラッチとして、伝動コイルの一端が係止される原動ホイールの回転速度を制御可能な可変速の制御モータを用いることにより、主軸に対する伝動コイルの巻付力や巻付速度を調整して主軸の回転エネルギを回収する際のブレーキトルクを適正に制御することが可能となる。
又、主軸が所定時間継続して停止したときにフライホイールの回転エネルギを電気エネルギに変換してバッテリに蓄電するようにしていることから、フライホイールに蓄積した回転エネルギを無駄なく使用することができる。
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。図1は、本発明に係る制動エネルギ回生装置の構造を示す。図1において、1は外部入出力軸(例えば自動車のドライブシャフト)であり、この入出力軸1に本願装置の主軸2が連結される構成とされる。尚、図1には入出力軸1に固定したプーリ3と、主軸2の一端に固定したプーリ4との間にタイミングベルト5を巻き掛けた構成とされるが、タイミングベルト5に代えてチェーンを用いたり、その種の巻掛伝動方式に代えて歯車伝動方式を採用してもよい。
6は主軸2が通されるハウジングであり、このハウジング6に取り付けられる複数の軸受により主軸2が両端部を回転自在に支持されている。主軸2は両端部よりも直径の大きい円柱状のドラム部2Aを形成し、ドラム部2Aの一端側にはギア部7が一体的に結合される。又、主軸2の他端側にはドラム部2Aを挟んでギア部7と対向する遊星歯車機構8が設けられる。
遊星歯車機構8は、ドラム部2Aに隣接する円盤状のピニオンキャリア9、このピニオンキャリアにより回転(自転)自在に支持される遊星ピニオン10、この遊星ピニオンが内接噛合するリングギア11、及び遊星ピニオンと外接噛合するサンギア12から構成される。遊星ピニオン10はピニオンキャリア9の周方向に等間隔で配されており、それらはピニオンキャリア9に固着されるピン13に軸受を介して取り付けられ、そのピン13を中心として各々回転自在とされると共に、ピニオンキャリア9の回転により各遊星ピニオン10がサンギア12の回りを旋回(公転)可能とされる。
一方、ピニオンキャリア9、リングギア11、及びサンギア12は何れも主軸2と同心であり、このうちサンギア12はフライホイール14と同心の一体構造とされている。そして、そのサンギア12とフライホイール14は、主軸2の外周部に軸受を介して回転自在に設けられる。又、ピニオンキャリア9は主軸2の外周部に一方向クラッチ15を介して設けられ、主軸2との相対的な回転が一方向に規制され、リングギア11はハウジング6に取り付けた軸受により回転自在に支持される。
以上のような遊星歯車機構8によれば、リングギア11に回転負荷(回転抵抗力)をかけた状態でピニオンキャリア9を一方向に回転させると、サンギア12と一体のフライホイール14がピニオンキャリア9と同方向に増速回転し、この状態でリングギア11をピニオンキャリア9及びフライホイール14の逆向きに回転させるとフライホイール14が更に加速する。
逆に、リングギア11に回転負荷をかけた状態でフライホイール14を一方向に回転させると、ピニオンキャリア9がフライホイール14と同方向に減速回転し、この状態でリングギア11をピニオンキャリア9及びフライホイール14と同方向に回転させるとピニオンキャリア9が加速する。
従って、主軸2をピニオンキャリア9に結合すれば、その回転エネルギをフライホイール14に蓄積しながら主軸2を減速できる一方、フライホイール14に蓄積された回転エネルギをピニオンキャリア9から主軸2に出力して主軸2を加速することができる。
しかし、主軸2とピニオンキャリア9とを常時結合させたままでは、入出力軸1や主軸2を等速で回転させるときに遊星歯車機構8やフライホイール14が回転負荷(回転抵抗力)となる。このため、主軸2とピニオンキャリア9との間には双方向の動力伝達を断続する動力伝達断続手段が設けられる。その手段として例えば摩擦クラッチを利用することが考えられるが、ピニオンキャリア9にクラッチディスクを対向させるような摩擦クラッチでは、主軸2とピニオンキャリア9の回転数の相違によって伝達動力が摩擦熱として失われる虞がある。
そこで、本例では、後述するような第1クラッチと上記の一方向クラッチ15から成る第2クラッチとにより動力伝達断続手段を構成している。
上記第1クラッチは、ピニオンキャリア9に対向して主軸2の外周部(ドラム部2A)に回転自在に設けられる原動ホイール16と、この原動ホイールを主軸2と同方向に回転させるホイール駆動部17と、ピニオンキャリア9と原動ホイール16との間で主軸2の外周に設けられる螺旋状の伝動コイル18とで構成される。
伝動コイル18は、両端に引張力を作用させることによって半径方向に縮小するコイルバネのような金属線で、ドラム部2Aの外周に2〜4つ設けられ、その各一端は原動ホイール16に係止されると共に他の各一端はピニオンキャリア9の部位(ピニオンキャリア9を貫通するピン13)に係止されている。
一方、本例において、ホイール駆動部17は主軸2に固着されるギア部7と噛合する従動ギア17A、この従動ギアを回転自在に支持する支軸17B、この支軸の軸方向に摺動可能に設けられるクラッチディスク17C、及び支軸に固定される出力ギア17Dとを有し、その出力ギア17Dが歯車状とされる原動ホイール16と外接噛合される構成としてある。
そして、以上のような第1クラッチによれば、入出力軸1からの伝達動力により主軸2が第2クラッチとしての一方向クラッチ15を入れない(動作させない)方向に回転されているとき、その主軸2で回転される従動ギア17Aに対してクラッチディスク17Cを押し付けると、従動ギア17Aによって出力ギア17Dが回転され、更にその出力ギア17Dにより原動ホイール16が主軸2と同方向に回転されるようになる。尚、このときの主軸2の回転方向を図1の左側からみて左回りとすると、伝動コイル18の巻方向は左巻きとされるのであり、このため伝動コイル18の一端には原動ホイール16による引張力が作用する。しかして、伝動コイル18がドラム部2Aの外周に巻き付き、その他端が係止するピニオンキャリア9に対して主軸2の回転方向と同方向のトルクを与える結果、主軸2からピニオンキャリア9への動力伝達が行われる。
このようにして、ピニオンキャリア9が主軸2と同方向に回転されると、上記のようにリングギア11に回転負荷がかけられた状態でフライホイール14が主軸2と同方向に回転し、この状態でリングギア11をフライホイール14の逆方向に回転させればフライホイール14が更に増速する。そして、その反力が主軸2を減速させるような制動力として作用するので、主軸2はやがて停止し、その回転エネルギの大部分が損失なくフライホイール14に蓄積される。
一方、フライホイール14の回転中にリングギア11に回転負荷をかけると、フライホイール14に蓄積された回転エネルギはピニオンキャリア9に与えられ、これによるピニオンキャリア9の回転が主軸2より高速であることを条件にフライホイール14の回転エネルギは一方向クラッチ15を介して主軸2に出力され、更にリングギア11をピニオンキャリア9と同方向に回転させてやれば主軸2が加速する。
ここで、20はリングギアにその回転を規制するような負荷(回転抵抗力)や正逆回転駆動のためのトルクを与えるリングギア制御手段であり、これはリングギア11の周囲にステータ21を配してリングギア11をロータとする電動機及び発電機の機能を有した回転機を構成する。
図1及び図2のように、リングギア11の外周縁には回転力を発生するのに必要な磁束(界磁束)を形成する永久磁石22が周方向に等間隔で固着されており、その各永久磁石22により回転形の界磁システムが構成されている。尚、各永久磁石22はリングギア11の軸方向に着磁されている。
一方、ステータ21は、両端が異なる磁極とされるコ字形のコア21Aに電機子巻線21Bを巻装して電磁石とし、その電磁石を永久磁石22が固着されたリングギア11の周囲に配して構成される。尚、ステータ21を構成する各電磁石は2つの磁極によりリングギア11の周縁を挟んだ状態でハウジング6に固定される。
そして、以上のようなステータ21によれば、電機子巻線21Bに電流を流すことにより、永久磁石22の界磁束と作用してリングギア11を回転させるための磁界(回転磁界)を発生することができる。特に、電機子巻線21Bに対する通電パターンを切り替えてリングギア11を正逆に回転させたり、リングギア11を回転規制するような負荷電流を流してリングギア11を固定することができる。
又、以上のようなリングギア制御手段20によれば、フライホイール14によりリングギア11が回転されるとき、電機子巻線21Bへの通電を遮断することにより発電機として利用することができる。
ここで、以上のように構成される制動エネルギ回生装置を車両に適用した場合の作用と制御方法ついて説明する。尚、図3はエネルギ回収時のフロー、図4はエネルギ放出時のフローを示す。
先ず、エネルギ回収時について説明すれば、車両の走行中に入出力軸1はエンジンからの伝達動力により所定方向(以下、CW方向とし、その逆をCCW方向とする)に回転されており、このため主軸2もCW方向に回転しているが、ピニオンキャリア9には第1クラッチ及び第2クラッチ(一方向クラッチ15)の不作動により、動力伝達は行われていない。この状態で車両のブレーキ操作が行われると、これが図示せぬセンサにより検知され、その検知信号(ブレーキ信号)に基づいてクラッチディスク17Cが従動ギア17Aの側面に圧着される。
すると、従動ギア17A、出力ギア17D、原動ホイール16、及び伝動コイル18を介して主軸2からピニオンキャリア9に動力伝達が行われてピニオンキャリア9がCW方向に回転する。このとき、ステータの電機子巻線21Bに通電されておらず、リングギア11にはコア21Aに対する永久磁石22の磁力により回転負荷が作用している。このため、遊星ピニオン10を介してフライホイール14(図3、図4においてFWに略称)がCW方向に回転し、その反力が主軸2を減速させるような制動力として作用するが、このときリングギア11もピニオンキャリア9による回転力で永久磁石22の磁力に抗してCW方向に回転し、これによって入力側への衝撃が緩和される。しかし、リングギア11がCW方向に回転したままではフライホイール14への回転エネルギの蓄積が良好に行われない。
そこで、フライホイール14の回転が開始された段階で電機子巻線21Bに負荷電流を供給し、これを徐々に増加させて永久磁石22と吸着し合うような磁界を形成し、リングギア11にフライホイール14の回転方向と逆向きのトルク(リングギア11を停止させる電磁的制動トルク)を与える。これにより、フライホイール14の加速が行われる。
しかして、フライホイール14が加速されると、それに反比例して主軸2及びこれに連結する入出力軸1を有する運動体(車両)は減速し、図5の主軸側速度カーブ(a)とフライホイール側速度カーブ(b)との交点おいて、主軸2及びピニオンキャリア9とフライホイール14の回転は両者間における規定の変速比ηをもって均衡する。つまり、主軸2は未だ回転状態にある。
そこで、更にリングギア11にフライホイール14の回転方向と逆向き(CCW方向)のトルクを与えるため、ステータの電機子巻線21Bに順次電流を流してCCW方向の回転磁界を発生させ、これによってリングギア11をCCW方向に高速回転させる(図5のリングギア速度カーブ(c))。これにより、フライホイール14はCW方向に更に加速され、これに反して主軸2は更に減速されてやがて停止する。
こうして、フライホイール14への回転エネルギの回収が終了すると、第1クラッチが切られるが、このときフライホイール14によってピニオンキャリア9がCW方向に回転されることがないように、ステータの電機子巻線21Bにリングギア11の回転を阻害しないような微弱電流を流してリングギア11をフライホイール14と同じ回転数でCCW方向に回転させ続ける。又、車両側では、既設のブレーキ装置により入出力軸1をロック(回転規制)する。尚、主軸2とフライホイール14の回転数は図示せぬセンサにより検知され、その検知信号に基づいて電機子巻線21Bに対する通電パターンや通電量が制御され、これによってリングギア11の回転数が制御可能とされる。
一方、フライホイール14がCW方向に回転されている状態で、車両のアクセルペダルの踏み込みによって入出力軸1のCW方向への始動又は加速が行われ、これが図示せぬ加速センサにより検知されると、その検知信号(加速信号)に基づいて電機子巻線21Bに負荷電流を供給し、これを徐々に増加させて永久磁石22と吸着し合うような磁界を発生させ、無負荷状態の下でフライホイール14によりCCW方向に回転されているリングギア11にフライホイール14の回転方向と同方向(CW方向)のトルク(リングギア11を停止させる電磁的制動トルク)を与える。これにより、フライホイール14の回転エネルギがピニオンキャリア9から一方向クラッチ15を介して主軸2に出力される。
しかして、主軸2がCW方向に加速されると、それに反比例してフライホイール14は減速し、図5の主軸側速度カーブ(a)とフライホイール側速度カーブ(b)との交点において、主軸2及びピニオンキャリア9とフライホイール14の回転は両者間における規定の変速比ηをもって均衡する。このとき、フライホイール14はCW方向に未だ回転して回転エネルギを保有している。その残エネルギを放出するため、更にリングギア11にフライホイール14の回転方向と同方向のトルクを与えるべく、ステータの電機子巻線21Bに順次電流を流してCW方向の回転磁界を発生させ、これによってリングギア11をCW方向に高速回転させる(図5におけるリングギア速度カーブ(d))。これにより、ピニオンキャリア9及び主軸2はCW方向に更に加速され、これに反してフライホイール14は更に減速されてやがて停止する。
こうして、フライホイール14への回転エネルギの回収が終了すると、電機子巻線21Bへの通電は遮断される。
尚、フライホイール14の回転中に主軸2の停止状態が所定時間継続した場合には、回転機を構成するリングギア制御手段20を発電機として動作させることによりフライホイール14の回転エネルギを電気エネルギに変換して図示せぬバッテリに蓄電する。
つまり、図示せぬタイマにより主軸2の停止状態が所定時間(例えば5〜10分)継続したと認められた場合、電機子巻線21Bへの通電を遮断し、永久磁石22の磁力に抗してリングギア11をCW方向に回転しているフライホイール14でCCW方向に回転させることにより、電機子巻線21Bに誘導電流を発生させ、これを電機子巻線21Bに接続する図示せぬバッテリに蓄電する。
これによれば、バッテリに蓄えた電力をリングギア11の固定及び回転させるエネルギとして利用することができる。
以上、本発明について説明したが、主軸とピニオンキャリアとの間における動力伝達断続手段として電磁クラッチや流体式クラッチを用いることもできる。又、上記のような第1クラッチにおいて、従動ギアとクラッチディスクに代え、図6のようにホイール駆動部として駆動軸に出力ギア17Dを固着した可変速の制御モータMを用いてもよく、これによれば制御モータMの速度制御により、主軸のドラム部に対する伝動コイルの巻付速度や巻付力を調整してエネルギ回収時におけるブレーキトルクを適正に制御することが可能になる。
本発明に係る制動エネルギ回生装置の構造図 リングギア制御手段を構成する回転機の一部を示す正面概略図 エネルギ回収時のフローチャート エネルギ放出時のフローチャート エネルギ回生時の各部の速度カーブを示す説明図 第1クラッチの変更例を示す説明図
符号の説明
1 外部入出力軸
2 主軸
7 ギア部
8 遊星歯車機構
9 ピニオンキャリア
10 遊星ピニオン
11 リングギア
12 サンギア
14 フライホイール
15 一方向クラッチ(第2クラッチ)
16 原動ホイール
17 ホイール駆動部
17A 従動ギア
17B 支軸
17C クラッチディスク
17D 出力ギア
18 伝動コイル
20 リングギア制御手段
21 ステータ
21A コア
21B 電機子巻線
22 永久磁石
M 制御モータ

Claims (4)

  1. 外部入出力軸に連結される主軸と、該主軸の回転エネルギを蓄積するためのフライホイールと、該フライホイールと同方向に同調して回転するサンギアと、該サンギアと外接噛合する遊星ピニオンと、該遊星ピニオンが内接噛合するリングギアと、前記主軸と同心状に配されて前記遊星ピニオンを回転自在に支持するピニオンキャリアと、該ピニオンキャリアと前記主軸との間で動力伝達を断続する動力伝達断続手段とを備えた制動エネルギ回生装置であって、
    前記主軸から前記ピニオンキャリアへの動力伝達によって前記主軸の回転エネルギを前記フライホイールに蓄積する場合に前記リングギアに対してピニオンキャリアの回転方向と逆向きのトルクを与えると共に、前記フライホイールに蓄積された回転エネルギをピニオンキャリアから前記主軸に出力する場合には前記リングギアに対してフライホイールの回転方向と同方向のトルクを与えるリングギア制御手段を備えていることを特徴とする制動エネルギ回生装置。
  2. 動力伝達断続手段は、主軸からピニオンキャリアへ動力伝達するときに両者を連動可能に結合する第1クラッチと、前記ピニオンキャリアから前記主軸へ動力伝達するときに両者を連動可能に結合する第2クラッチとで構成されると共に、前記第1クラッチは前記ピニオンキャリアに対向して前記主軸の外周部に回転自在に設けられる原動ホイールと、この原動ホイールを前記主軸と同方向に回転させるホイール駆動部と、前記ピニオンキャリアと前記原動ホイールとの間で前記主軸の外周に設けられて一端が前記原動ホイールに係止されると共に他端がピニオンキャリアに係止される伝動コイルとを有し、前記ホイール駆動部による原動ホイールの回転により伝動コイルが主軸の外周に巻き付く構成とされる請求項1記載の制動エネルギ回生装置。
  3. ホイール駆動部が原動ホイールの回転速度を制御可能な可変速の制御モータとされる請求項2記載の制動エネルギ回生装置。
  4. 外部入出力軸に連結される主軸と、該主軸の回転エネルギを蓄積するためのフライホイールと、該フライホイールと同方向に同調して回転するサンギアと、該サンギアと外接噛合する遊星ピニオンと、該遊星ピニオンが内接噛合するリングギアと、前記主軸と同心状に配されて前記遊星ピニオンを回転自在に支持するピニオンキャリアと、該ピニオンキャリアと前記主軸との間で動力伝達を断続する動力伝達断続手段とを備えた制動エネルギ回生装置の制御方法であって、
    前記リングギアを界磁束を発生するロータとし、その界磁束と作用して前記リングギアを回転させる磁界を発生するための電流が流される電機子巻線を有するステータを備えた回転機を用い、前記主軸から前記ピニオンキャリアへの動力伝達によって前記主軸の回転エネルギを前記フライホイールに蓄積する場合、前記電機子巻線に対してリングギアをピニオンキャリアの回転方向と逆向きに回転させるような電流を流すと共に、前記フライホイールに蓄積された回転エネルギをピニオンキャリアから前記主軸に出力する場合には、前記電機子巻線に対してリングギアをフライホイールの回転方向と同方向に回転させるような電流を流し、前記フライホイールの回転中に前記主軸の停止状態が所定時間継続した場合には、前記回転機を発電機として動作させることによりフライホイールの回転エネルギを電気エネルギに変換してバッテリに蓄電することを特徴とする制動エネルギ回生装置の制御方法。
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