JP2006159630A - 光ディスク成形金型、成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空隙部に射出された樹脂の冷却速度や金型コア表面の温度分布を均一に制御して、反りやピット変形などのない高品質の光ディスクを短い成形時間で成形できる光ディスク成形金型、成形方法を提供する。
【解決手段】 可動金型3および固定金型2とからなり、金型内に形成された空隙部10に樹脂材料を射出することによって光ディスク成形品を成形する光ディスク成形金型50、60,70,80であって、金型には、情報記録溝を有する少なくとも一枚のスタンパ6が装着されると共に、同一材質若しくは異材質からなる断熱材13,20、81が、可動金型3および固定金型2に埋設されている。また、金型コア表面9には、多数の微小突起9a,9b,9c,9d,9eが設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ディスク成形金型、成形方法および光ディスク成形品に関し、より詳細には、光ディスク成形品の反り、などの発生を防止して光学特性の優れた光ディスクを成形することができる光ディスク成形金型、成形方法および光ディスク成形品に関する。
一般的に、光ディスクは溶融した熱可塑性樹脂を金型に形成された空隙部に射出した後、金型内にて冷却することにより成形されている。このような光ディスク成形金型を図16に示す。図16に示すように、光ディスク成形金型100は、固定金型2と可動金型3とを具備し、固定金型2は固定位置に支持されており、可動金型3は固定金型2に対して離接自在に支持されている。
固定金型2は、円盤状に形成され、外周部に段差4を備えると共に、中央部に樹脂材料を射出するためのノズル孔5が設けられ、このノズル孔にホッパー(図示せず)が連結されている。また、情報記録溝が形成された情報原盤であるスタンパ6が、空隙部10の一部を構成するように装着されている。可動金型3も、円盤状に形成され、外周部に段差7を備えると共に、中央部にパンチ8が設けられている。そして、可動金型3を固定金型2に接合させると、可動金型3の段差7と固定金型2の段差4とが密着し、スタンパ6に対向して空隙部(キャビティ)10が形成される。また、光ディスク成形金型100には、冷媒が循環される、例えばスパイラル状の流路11(11a,11b,11c)および12(12a,12b,12c)が内部に形成されており、これらの流路11,12には冷媒循環用の温調機(図示せず)が連結されている。
次に、上述した構造の光ディスク成形金型100による光ディスクの成形方法を以下に説明する。
先ず、固定金型2から可動金型3を離反させ、固定金型2にスタンパ6を装着する。そして、可動金型3を固定金型2に一体に接合させてキャビティ10を形成し、このキャビティ10にノズル孔5から溶融した樹脂材料(図示せず)を射出する。樹脂材料の射出の完了後に、ノズル孔5のゲートをパンチ8により閉止し、キャビティ10に射出された樹脂材料を光ディスク成形金型100とともに冷媒により強制的に冷却する。冷却により樹脂材料を凝固させた後、可動金型3を固定金型2から離反させ、固定金型2表面に付着した樹脂材料を金型100中心からのエアーブロー(図示せず)により剥離させることによって、凝固した樹脂材料としての光ディスク成形品が得られる。
上述した光ディスク成形金型100による成形方法によって光ディスクを成形する場合、樹脂温度は、射出充填時には樹脂の固化温度より高く、凝固時には取出し可能な温度より低くなっていることが望ましい。つまり、樹脂材料温度が固化温度より高いと、樹脂のキャビティ10内での流動性が高いためスタンパ6への転写性が向上し、スタンパ凹凸に近いピット形状が得られ、複屈折や反射率、等の光ディスク特性が良くなる。また、取出し時に樹脂材料温度が凝固温度以下になっていないと、光ディスク(成形基板)を取出す時に変形し、反り(Tangential Tilt)などが生じて光ディスク特性が悪化する。
また、近年の光ディスクの大容量化、ディジタル化に対応するために、CDやDVD等か注目されているが、これらは、光ディスクの種類によってスタンパの形状も大きく異なっている。例えば、厚さ0.6mmのDVDにおけるスタンパの情報記録溝深さは、DVD−ROMでは約160nm、DVD−RAMでは約60nm、DVD−Rでは約180nmと、極めて微細な溝となっており、該溝を忠実に光ディスクに転写することが要求される。転写性を確保するために、金型温度を高い温度に設定して樹脂の流動性を高めると、成形サイクルが長くなる問題がある。この対応策としてスタンパ裏面に徐冷プレート(断熱材)を導入して転写時の樹脂表面温度の低下防止を図ったものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、射出充填時の溶融樹脂は、キャビティ10との接触部分から冷却されて固化層が発達するため、光ディスクの内周部と外周部で温度差が生じ易く、スタンパの溝やピットの均一で良好な転写が困難になる。この現象は、成形サイクルを短くするほど顕著化する傾向がある。さらに、キャビティ10を冷却する温調水流路11、12の対向部と非対向部とでは、ディスク基板に温度差が生じ、離型むらによるピットの変形が発生して、ジッターや反射率などの光ディスク特性が悪くなる。
このような課題を解決するために、キャビティ10表面の温度分布を均一に制御する各種の方法が提案されている。即ち、キャビティの内周部と外周部で独立して温調するようにしたものが知られている。(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)。また、温調水流路をキャビティの半径方向に変化させる方法も提案されている(例えば、特許文献4参照。)。更に、温調水流路の壁面の熱伝導率を部分的に変化させて冷却効率を制御し、キャビティの表面温度分布を制御するものが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開平7−100866号公報 特開平2−134226号公報 特開平5−212765号公報 特開平1−278322号公報 特開2000−826号公報
特許文献1に開示されている射出成形装置110は、図17に示すように、基本構成は図16に示す成形金型100と同様であるが、スタンパ6の裏面、および可動金型3の金型コア表面に夫々断熱材13,20が配設されており、空隙部10内に射出された樹脂の冷却速度を制御するようになっている。即ち、固定金型2には、ノズル孔5、高温の樹脂が流れるスプール、などの熱源があるため、熱が固定金型2に蓄積され易い。そのため、固定金型2と可動金型3の表面温度が非対称となり、光ディスクの反り発生の一因となっている。断熱材13,20を配置することにより、固定金型2と可動金型3の表面温度を制御して均一になるようにしている。
一方、光ディスクの品種変更を行うには、スタンパ6、断熱材13,20を交換する必要があり、品種変更の都度にスタンパ6および断熱材13,20を高温の金型110に脱着する危険且つ困難な作業が要求されていた。また、大容量化された光ディスクなどにおいては、光ディスク成形金型110にも高精度が要求され、スタンパ6および断熱材13,20を位置精度よく取り付けなければならない。このため、金型110を一旦常温まで冷却した後、スタンパ6および断熱材13,20を取り付けることになるので、スタンパ6および断熱材13,20の交換に長時間を要し、生産効率向上の観点から改善の余地があった。
特許文献2に開示されている情報記録媒体用基板の製造方法によると、ディスク基板の中間部の温度が、内周部の温度と外周部の温度の平均値より低い温度勾配となるように制御される。また、特許文献3に開示されているディスク基板成形金型は、互いに独立して加熱する複数の加熱手段を備え、金型表面温度を各部で均一になるように制御する。更に、特許文献4に開示されているディスク射出成形用金型では、孔径や孔数の異なる冷却孔をキャビティに沿って複数配置し、ディスクの内外周で温度差をつけられるようにしている。しかし、これらの方法では、成形品ごとに使用する金型が異なり、また温調水流路の大幅な変更などを必要として、製造コストが高くなるという問題がある。
また、特許文献5に開示されている成形金型は、キャビティの表面において弱冷却しようとする部分に対応する温調水流路の壁面の熱伝導率を、強冷却しようとする部分に対応する温調水流路の壁面の熱伝導率より低くして、キャビティの表面の温度分布を制御するようにしたものである。しかし、これによると、キャビティ、温調水流路を含む総ての金型部を温度一定化させることになり、熱容量が大きい金型部の温度制御の応答性が悪い。従って、樹脂温度を射出充填時には固化温度より高く、取出し時には凝固温度より低い取出し可能な温度とするのに長時間を要する。即ち、成形サイクルを短くすることが困難であり、光ディスクの生産性が低下するという問題があった。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、空隙部に射出された樹脂の冷却速度を均一に制御し、また金型コア表面の温度分布を均一に制御して、反りやピット変形などのない高品質の光ディスクを短い成形時間で成形できる光ディスク成形金型、成形方法および光ディスク成形品を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
本発明は、可動金型および固定金型とからなる金型内部に形成された空隙部に樹脂材料を射出することによって光ディスク成形品を成形する光ディスク成形金型であって、
前記固定金型に装着され情報記録溝を有する少なくとも一枚のスタンパと、前記可動金型および前記固定金型の両金型に埋設された同一材質若しくは異材質からなる断熱材と、を備えたことを特徴とする。
また本発明の光ディスク成形金型は、前記断熱材と前記スタンパとを固定治具に装着し、前記固定冶具を前記固定金型に取り付けることにより、前記断熱材および前記スタンパの取付、取外しを容易にしたものを含む。
また本発明の光ディスク成形金型は、前記断熱材の各特性値からなる数値、ρ・C/κ(ρ:密度、C:比熱、κ:熱伝導率)が、前記可動金型に埋設された前記断熱材の方が、前記固定金型に埋設された前記断熱材よりも大きいものを含む。
また本発明の光ディスク成形金型は、前記断熱材の各特性値からなる数値、ρ・C・δ/κ(ρ:密度、C:比熱、δ:厚み、κ:熱伝導率)は、前記可動金型に埋設された前記断熱材の方が、前記固定金型に埋設された前記断熱材よりも大きいものを含む。
また本発明の光ディスク成形金型は、前記断熱材の各特性値からなる数値、ρ・C/κ(ρ:密度、C:比熱、κ:熱伝導率)から下式により求められる時間が、樹脂射出開始から射出完了までに要する時間以上、樹脂射出開始から保圧完了までに要する時間以下となるように設定されたものを含む。
式: T=Σ(ρ・C・δ /κ
また本発明の方法は、断熱材が埋設された可動金型、断熱材が埋設された固定金型、および前記固定金型に装着され情報記録溝を有する少なくとも一枚のスタンパ、とを具備し、金型内に形成された空隙部に樹脂材料を射出することによって光ディスク成形品を成形する光ディスク成形方法であって、前記空隙部に射出された前記樹脂材料の冷却速度が前記可動金型側および前記固定金型側で同じ速度となるように前記断熱材の材質、および厚みを組合せて調整することを特徴とする。
本発明の光ディスク成形金型によれば、金型に装着され情報記録溝を有する少なくとも一枚のスタンパと、可動金型および固定金型の両金型に埋設された同一材質若しくは異材質からなる断熱材とを具備しているため、可動金型側および固定金型側の樹脂の冷却速度を適宜制御して均一にすることができ、これによって光ディスク成形品の反りの発生を防止して光ディスク特性の優れた光ディスク成形品を得ることができる。
また、本発明の光ディスク成形金型によれば、断熱材とスタンパとを予め固定治具に装着し、該固定冶具を固定金型に取り付けることにより、断熱材およびスタンパの取付、取外しを容易にしているため、光ディスク成形品の品種変更時には、単にカセットを交換するだけでよい。従って、成形装置を停止させて金型温度を常温にまで冷却する必要がなく、容易且つ短時間で断熱材およびスタンパの交換作業を行うことができ、生産効率を大幅に向上させることができる。
更にまた、本発明の光ディスク成形金型によれば、断熱材の各特性値からなる数値、ρ・C/κ(ρ:密度、C:比熱、κ:熱伝導率)は、可動金型に埋設された断熱材の方が、固定金型に埋設された断熱材よりも大きくなるようにしているため、断熱材の厚みを一定にし断熱材の材質(特性)を変化させることにより、空隙部に射出された樹脂材料の冷却速度が可動金型側および固定金型側で同じ速度となるようにして、反りのない光ディスク特性の優れた光ディスク成形品を得ることができる。
本発明の光ディスク成形金型によれば、断熱材の各特性値からなる数値、ρ・C・δ/κ(ρ:密度、C:比熱、δ:厚み、κ:熱伝導率)は、可動金型に埋設された断熱材の方が、固定金型に埋設された断熱材よりも大きくなるようにしているため、断熱材の材質(特性)、および厚みを変化させて、空隙部に射出された樹脂材料の冷却速度が可動金型側および固定金型側で同じ速度となるようにし、反りのない光ディスク特性の優れた光ディスク成形品を成形することができる。
また、本発明の光ディスク成形金型によれば、断熱材の各特性値からなる数値、ρ・C/κ(ρ:密度、C:比熱、κ:熱伝導率)から式T=Σ(ρ・C・δ /κ)により求められる時間が、樹脂射出開始から射出完了までに要する時間以上、樹脂射出開始から保圧完了までに要する時間以下となるように設定しているため、スタンパの微細な情報記録溝を精密に転写することができる。
また、本発明の光ディスク成形方法によれば、断熱材が埋設された可動金型、断熱材が埋設された固定金型、および金型に装着され情報記録溝を有する少なくとも一枚のスタンパ、とを具備し、金型内に形成された空隙部に樹脂材料を射出することによって光ディスク成形品を成形する光ディスク成形方法であって、空隙部に射出された樹脂材料の冷却速度が可動金型側および固定金型側で同じ速度となるように断熱材の材質、および厚みを組合せて調整するようにしているため、光ディスク成形品の反りの発生を防止して光ディスク特性の優れた光ディスク成形品を成形することができる。
以下、本発明に係る光ディスク成形金型の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
尚、以下の各実施形態において、光ディスク成形金型の基本構成およびその基本作用は、図16に示す金型と同様であるので、同一部分には同一符号または相当符号を付して詳細な説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態である光ディスク成形金型の縦断面図、図2は断熱材の厚みを一定とし、材質を変更した場合の固定金型側と可動金型側の光ディスク表面温度差の関係を計算により解析した結果を示すグラフ、図3は断熱材の厚みおよび材質を変更した場合の固定金型側と可動金型側の光ディスク表面温度差の関係を計算により解析した結果を示すグラフである。
図1に示すように、第1実施形態の光ディスク成形金型50は、固定金型2、可動金型3、スタンパ6,および断熱材13,20を備えている。断熱材13,20は、夫々固定金型2および可動金型3に交換可能に埋設されており、断熱材13の表面側には、スタンパ6が固定された構成となっている。
具体的には、断熱材13は、断熱材ブロック17と固定金型2との間に狭持されて固定されている。断熱材ブロック17は、外周に設けられたテーパ部17aが、固定金型2のテーパ孔2aと嵌合して位置決めされており、断熱材13の材質、厚みなどを適宜選択して交換可能に構成されている。また、スタンパ6が当接する断熱材ブロック17の表面(スタンパ固定面)17bは、研削加工されて鏡面となっている。スタンパ6は、情報源としての微細な情報記録溝(図示せず)が形成された円盤であり、外周スタンパ押え30および内周スタンパ押え31によって鏡面であるスタンパ固定面17bに密着して固定されている。断熱材20も同様に、表面に鏡面21aが形成された断熱ブロック21と可動金型3との間に狭持され、交換可能に固定されている。
光ディスク成形品(図示せず)は、可動金型3を固定金型2に一体に接合させて形成されたキャビティ10内にノズル孔5から溶融した樹脂材料(図示せず)を射出した後、該樹脂材料を成形金型50とともに冷却して凝固することにより成形される。固定金型2および可動金型3に固定される断熱材13,20は、材質、厚みを適宜選択して組み合せることにより、キャビティ10に射出された樹脂材料の可動金型3側の冷却速度と、固定金型2側の冷却速度とが、同じ速度となるように調整されている。こうすることにより、樹脂材料を均一に冷却して反りのない光ディスク成形品が成形される。なお、断熱材13,20の断熱効果が高すぎると、樹脂の冷却が不十分となって成形サイクルが長くなると共に光ディスク剥離時のピット変形が発生し易くなり、また、断熱効果が低いと、スタンパ6の微細形状の転写が不完全となる。この両者を満足させるように、断熱材13,20の材質、厚みの組合せが適宜選択される。
この条件は、断熱材13,20の厚みを一定とし、材質を変更して調整する場合、断熱材13,20の各特性値からなる数値、ρ・C/κ(ρ:密度(g/m)、C:比熱(W・s/kg・K)、κ:熱伝導率(W/m・K))が、可動金型3に埋設された断熱材20の方が、固定金型2に埋設された断熱材13よりも大きくすることにより達成される。
図2は、断熱材の厚みを一定とし、材質を変更した場合の固定金型2側と可動金型3側の光ディスク表面温度差の関係を計算により解析した結果である(図には実際の測定結果も同時に示しているが、計算による解析結果とよく一致している。)。図2から分かるように、光ディスク表面温度差を抑えるためには、可動金型3側の断熱材20のρ・C/κ値を、固定金型2側の断熱材13のρ・C/κ値より大きくする必要があることが分かる。また、このような条件で成形した光ディスク成形品は、高温になる傾向のある固定金型2側に反ることはなく、反りの発生を防止できることが確認できた。
また、断熱材13,20の厚みと材質を変更して光ディスク表面温度差を抑える場合には、断熱材13,20の各特性値からなる数値、ρ・C・δ/κ(ρ:密度(g/m)、C:比熱(W・s/kg・K)、δ:厚み(m)、κ:熱伝導率(W/m・K))が、可動金型3に埋設された断熱材20の方が、固定金型2に埋設された断熱材13よりも大きくすることにより達成される。
図3は、断熱材の厚みおよび材質を変更した場合の固定金型2側と可動金型3側の光ディスク表面温度差の関係を計算により解析した結果である(図には実際の測定結果も同時に示しているが、計算による解析結果とよく一致している。)。図3から分かるように、光ディスク表面温度差を抑えるためには、可動金型3側の断熱材20のρ・C・δ/κ値を、固定金型2側の断熱材13のρ・C・δ/κ値より大きくする必要があることが分かる。また、このような条件で成形した光ディスク成形品は、固定金型2側に反ることはなく、反りの発生を防止できることが確認できた。
更に、ρ・C・δ/κ値は、射出樹脂温度の低下を抑える時間(冷却抑制時間)Tを示しており(T=Σ(ρ・C・δ /κ))、この値が大きいと樹脂が冷却され難く、光ディスク取出し時の光ディスク温度が高くなってしまう。従って、光ディスクの取り出しによる変形が光ディスクの反り発生の一因となるので、成形サイクルを短くすることができない。なお、樹脂温度の低下を抑える必要があるのは、樹脂充填時から保圧完了までの工程であるため、ρ・C・δ/κ値は成形工程における樹脂射出開始から樹脂充填完了までの時間以上、樹脂射出開始から保圧完了までの時間であればスタンパ6の微細な情報記録溝を転写するのに十分である。即ち、0.1sec<ρ・C・δ/κ値<0.4secとなるように断熱材の材質、厚さ、およびその組合せを選定するのが望ましい。
本実施形態の光ディスク成形金型50によれば、金型50に装着され情報記録溝を有する少なくとも一枚のスタンパ6と、可動金型3および固定金型2の両金型に埋設された同一材質若しくは異材質からなる断熱材13,20とを具備しているため、可動金型3側および固定金型2側の樹脂の冷却速度を適宜制御することができ、これによって光ディスク成形品の反りの発生を防止して光ディスク特性の優れた光ディスク成形品を得ることができる。
更に、本実施形態の光ディスク成形金型50によれば、断熱材13,20は、材質の異なる断熱材13,20、厚みの異なる断熱材13,20を組合せ可能として、空隙部10に射出された樹脂材料の冷却速度が可動金型3側および固定金型2側で同じ速度となるように調整できるようにしているため、光ディスク成形品の反りの発生を防止して光ディスク特性の優れた光ディスク成形品を得ることができる。
更にまた、本実施形態の光ディスク成形金型50によれば、断熱材13,20の各特性値からなる数値、ρ・C/κ(ρ:密度、C:比熱、κ:熱伝導率)は、可動金型3に埋設された断熱材20の方が、固定金型2に埋設された断熱材13よりも大きくなるようにしているため、断熱材13,20の厚みを一定にし断熱材13,20の材質(特性)のみを変化させることによって、空隙部に射出された樹脂材料の冷却速度が可動金型3側および固定金型2側で同じ速度となるようにして、反りのない光ディスク特性の優れた光ディスク成形品を得ることができる。
本実施形態の光ディスク成形金型50によれば、断熱材13,20の各特性値からなる数値、ρ・C・δ/κ(ρ:密度、C:比熱、δ:厚み、κ:熱伝導率)は、可動金型3に埋設された断熱材20の方が、固定金型2に埋設された断熱材13よりも大きくなるようにしているため、断熱材13,20の材質(特性)、および厚みを変化させることによって、空隙部に射出された樹脂材料の冷却速度が可動金型3側および固定金型2側で同じ速度となるようにし、反りのない光ディスク特性の優れた光ディスク成形品を成形することができる。
また、本実施形態の光ディスク成形金型50によれば、断熱材13,20の各特性値からなる数値、ρ・C/κ(ρ:密度、C:比熱、κ:熱伝導率)から式T=Σ(ρ・C・δ /κ)により求められる冷却抑制時間が、樹脂射出開始から射出完了までに要する時間以上、樹脂射出開始から保圧完了までに要する時間以下となるように設定しているため、スタンパ6の微細な情報記録溝を精密に転写することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の光ディスク成形金型の第2実施形態について説明する。図4は本発明の第2実施形態である光ディスク成形金型の縦断面図である。図4に示すように、第2実施形態である光ディスク成形金型60は、断熱材13,20とスタンパ6とを、夫々予め固定治具40,41,42に装着、固定してカセット45,46,47とする。そして、該カセット45,46,47を可動金型3および固定金型2に取り付けるようにした点が第1実施形態の光ディスク成形金型50と異なる。
具体的には、固定治具40に断熱材13を予め位置決め、装着してカセット45とし、また、固定治具41にスタンパ6を予め位置決め、装着してカセット46として準備する。そして、着脱自在とされたカセット45およびカセット46を固定金型2に固定する。また、固定治具42に断熱材20を予め位置決め、装着してカセット47として準備し、着脱自在のカセット47を可動金型3に固定する。なお、各カセット45,46,47に装着、固定する断熱材13、20およびスタンパ6は材質、厚さ、などを選択して適宜交換可能に構成されている。
断熱効果などの異なる種々の断熱材13、20、およびディスクの品種に対応した情報が情報記録溝として記録されたスタンパ6が装着された複数のカセットを予め準備しておくことにより、必要なカセットを適宜、選択して固定金型2および可動金型3に装着することにより、容易且つ短時間で断熱材13、20およびスタンパ6を交換することができ、ディスクの品種変更にも容易に対応可能となる。また、これによって、断熱材13、20およびスタンパ6の交換の際に成形装置を停止させたり、成形金型60が常温に冷却するまで待つ必要がなく、品種変更にも迅速に対応が可能となる。
なお、カセット45,46,47は、金型温度付近まで予熱しておき、固定金型2および可動金型3に装着することが望ましく、これによって、熱膨張による寸法差を低減させて取付時のかじりを防止すると共に、断熱材13、20およびスタンパ6(カセット45,46,47)を高い位置精度で取り付けることができる。予備加熱温度は、金型温度に対して±15℃程度とするのが好ましい。
なお、本実施形態では、断熱材13、20およびスタンパ6を夫々別体の固定治具40,41,42に装着、固定するようにしたが、断熱材13およびスタンパ6を同じ固定治具に装着、固定して1個のカセットとしてもよい。この場合には、カセットの交換作業が更に容易となる。その他の作用については、第1実施形態の光ディスク成形金型50と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態の光ディスク成形金型60によれば、断熱材13,20とスタンパ6とを予め固定治具40,41,42に固定してカセット45,46,47とし、カセット45,46,47を金型2,3に取り付けることにより、断熱材13,20およびスタンパ6の取付、取外しを容易にしているため、光ディスク成形品の品種変更時には、カセット45,46,47を交換するだけでよい。従って、成形装置を停止させて金型温度を常温にまで冷却する必要がなく、短時間で交換作業を行うことができ、生産効率を大幅に向上させることができる。
また、本実施形態の光ディスク成形金型60によれば、カセット45,46,47は、予め金型温度付近まで予備加熱した後、金型2,3に取り付けるようにしているため、金型2,3およびカセット45,46,47の熱膨張による寸法差をなくして、金型2,3を常温まで冷却することなくスタンパ6、断熱材13,20(カセット45,46,47)を位置精度良く取り付けることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の光ディスク成形金型の第3実施形態について説明する。図5は本発明の第3実施形態である光ディスク成形金型の縦断面図、図6は多数の微小突起が形成された金型コア表面(微小突起面)の要部拡大縦断面図、図7は微小突起の断面積と取出し時の光ディスク表面温度および反りとの関係を示すグラフ、図8は微小突起の断面積と成形サイクルとの関係を示すグラフである。
図5に示すように、光ディスク成形金型70は、スタンパ6が固定金型2に固定されると共に、スタンパ6を含まない可動金型3側に微小突起面(金型コア表面)9が構成されている。微小突起面9の形状は、図6に示すように、多数の微小突起9aにより構成されており、その寸法はスタンパピットの20分の1〜5分の1となっている。
このような構成において、本実施形態の光ディスク成形金型70による光ディスクの成形方法を以下に説明する。
光ディスク成形時には、情報記録溝(スタンパピット)の形状を忠実に樹脂に転写させるために、樹脂の分解温度近くまで(例えば、ポリカーボネート樹脂の場合330℃以上)溶融した樹脂を、樹脂の軟化点以下の温度(例えばポリカーボネート樹脂の場合120〜140℃前後)のキャビティ内10に短時間で射出し(0.1〜0.3秒程度)、スタンパピットを樹脂に転写する。そして、樹脂を冷却固化(数秒オーダー)させた後、可動金型3を開き成形基板(光ディスク成形品)を取出す。溶融樹脂はキャビティ10の表面と接触することにより、樹脂の熱が金型本体に伝熱し、温調水流路11および12を循環する温調水との間で熱交換が行われ、冷却固化されて光ディスク成形品が成形される。
ここで、今回使用した微小突起のピッチ及び1mm当たりの近似表面積(断面積)を表1に示す。また、その微小突起形状のスタンパ6を用いてサイクル6secで成形した場合のディスク取出し温度及びそのときのTan.Tilt(反り)の関係を図7に示す。図7から分かるように、表面積(断面積)が広くなるほどディスクの冷却効果が向上し、即ち、樹脂と金型コア表面9との接触面積が広くなるほど樹脂の持つ熱が金型コア表面9に伝熱され易くなり、樹脂冷却速度が速くなってディスク取出し時の温度が低下する傾向が確認できた。また、同時にTan.Tiltも小さくなり良くなっていることが分かる。
Figure 2006159630
更に、従来、サイクルの短縮化を行うと、樹脂の冷却不足となってTan.Tiltが悪化するのでサイクルの短縮化が困難であったが、本実施形態の微小突起形状のスタンパ6を使用してサイクルの短縮化を試みた結果、図8に示すように表面積(断面積)の増加に伴って成形サイクルの短縮化を可能にすることができた。即ち、微小突起9aの効果により樹脂と金型表面9との接触面積が増加し、冷却固化に要する時間が従来と比べて1〜2秒短縮することができた。また、微小突起9aの大きさは、スタンパピットの大きさの20分の1〜5分の1と十分小さいので、転写されたスタンパピットの形状を変形させることはなく、光ディスク特性に悪影響を与えることはない。
本実施形態の光ディスク成形金型70によれば、可動金型3および固定金型2とからなり、一方の金型に装着されたスタンパ6と他方の金型の金型コア表面9とから形成された空隙部10に樹脂材料を射出することによって光ディスク成形品を成形する光ディスク成形金型70であって、金型コア表面9に微小突起9aを設けているため、樹脂材料と金型コア表面9との接触面積を増大させ、樹脂冷却速度を速くすることができる。これによって、冷却固化工程を短縮して成形サイクルを短くして光ディスク成形品の生産効率を向上させることができる。
更に、本実施形態の光ディスク成形金型70によれば、微小突起9aの大きさは、スタンパピットの大きさの1/20以上、1/5以下としているため、微小突起9aがスタンパ6から転写されるスタンパピットの形状に影響を与えることはない。従って、光ディスクの特性が劣化することはなく、光ディスク特性の優れた光ディスク成形品を成形することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の光ディスク成形金型の第4実施形態について説明する。図9は多数の微小突起が形成された金型コア表面(微小突起面)の要部拡大縦断面図、図10は光ディスクの半径方向距離と取出し時の光ディスクの表面温度との関係を微小突起の有無で比較して示すグラフ、図11は光ディスクの半径方向距離と反りとの関係を微小突起の有無で比較して示すグラフである。
図9に示すように、本実施形態の可動金型3には、その金型コア表面9に微小突起9a、9b、9cがディスク内周から外周に向けて徐々に小さくなるように形成されている。具体的には、ピッチ300μm、高さ80μmのスタンパ形状の情報記録溝が形成された光ディスクに対して、大きさの異なる微小突起9a、9b、9cを、ディスク半径方向に23〜35mmの区間はピッチ60μm/高さ15μm(微小突起9a)とし、35〜50mmの区間はピッチ30μm/高さ8μm(微小突起9b)とし、50〜60mmの区間はピッチ15μm/高さ5μm(微小突起9c)として設けた。
固定金型2と可動金型3から形成されるキャビティ(空隙部)10に溶融した熱可塑性樹脂を充填させる際、ディスク中央部から充填された樹脂は金型2,3に熱を奪われながら外周部へ充填される。そのため、樹脂充填完了時におけるディスク内周部の樹脂温度は外周部に比べて高くなっている。ここで、金型コア表面9の微小突起9a、9b、9cは、外周側に比べて内周側ほど大きくなっているので、内周側における樹脂との接触面積は外周側における樹脂との接触面積より大きい。従って、外周側に比較して内周側の冷却速度が速くなり、温度分布を均一化することができる。
本実施形態の金型コア表面9を備えた可動金型3を用いてサイクル4secで成形した際、ディスク取出し時のディスク表面温度をディスク半径ごとに測定した結果を図10に、また、そのときの反りの大きさを図11に示す。図10に示すように、微小突起9a、9b、9cの効果により微小突起9a、9b、9cがない場合に比較してディスク表面温度が低下し、更にディスク内周と外周の温度差が減少することが確認された。また、それに伴いディスクの反り、およびバラツキが共に低下した(図11参照)。つまり、半径方向に微小突起9a、9b、9cの形状寸法を操作してディスク内周と外周の温度冷却を均一化することにより、ディスクの反りを解消することができる。
本実施形態の可動金型3によれば、微小突起9a、9b、9cの大きさは、光ディスク成形品の内周側から外周側に向けて段階的、または連続的に小さくなるように設定されているので、樹脂材料と金型コア表面9との接触面積は、外周側より内周側の方が大きい。従って、高温となり易い内周側の冷却速度を速めて冷却工程の短縮化、成形サイクルの短縮が可能となる。また、光ディスク成形品の内、外周の冷却を均一にして反りの発生を防止することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の光ディスク成形金型の第5実施形態について説明する。図12は多数の微小突起が形成された金型コア表面(微小突起面)の要部拡大縦断面図である。
図12に示すように、本実施形態の可動金型3には、その金型コア表面9に大きさの異なる微小突起9d、9eが交互に設けられている。具体的には、微小突起9d、9eの裏に配置される冷却回路(流路)12の設置ピッチと同間隔で大きさの大きい突起9dと小さい突起9eとを交互に配置した。即ち、冷却回路12の対向部には小さい突起9eを、非対向部には大きい突起9dを配置した。大きい突起9dの寸法はピッチ60μm/高さ15μmであり、小さい突起9eの寸法はピッチ15μm/高さ4μmである。このように、寸法の異なる微小突起9d、9eを冷却回路12に対応して交互に配置することにより、冷却回路12の対向部と非対向部との冷却バラツキを、金型コア表面9と樹脂との接触面積の差によって相殺して、ディスクの転写ムラ及び外観ムラを解消する。
本実施形態の可動金型3によれば、微小突起9d、9eの大きさは、金型3内に設けられ金型3を冷却する冷却回路12に対向する金型コア表面9に設けられた微小突起9eと、冷却回路12に対向していない金型コア表面9に設けられた微小突起9dとで異なるようにしているため、金型コア表面9の冷却回路12に対向する部位と対向していない部位の冷媒による冷却速度の違いに起因する冷却ムラを解消することができる。これによって、スタンパ形状の転写ムラを解消すると共に、反りの発生を防止することができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の光ディスク成形金型の第6実施形態について説明する。図13は本実施形態の光ディスク成形金型の縦断面図である。
図13に示すように、本実施形態の光ディスク成形金型80は、キャビティ10を形成する可動金型3の金型コア表面9に断熱材81を用いたものであり、断熱材81の表面には微小突起9aが形成されている。本実施形態においては、断熱板81として、アモルファスカーボンを用いたが、他の断熱材、例えば、セラミックスや耐熱性樹脂でも可能である。また必要に応じて表面にコーティング処理を施して耐摩耗性を向上させるようにしてもよい。
樹脂冷却固化工程において、従来の金型100では、固定金型2と可動金型3に使用する型材料の容量からくる熱容量差により、固定金型2側の方が可動金型3側より冷却速度が遅い傾向があり、その結果ディスクの反りか発生するという問題があるが、本実施形態の光ディスク成形金型80は、可動金型3表面に断熱材81を導入した断熱効果により、ディスクの冷却速度を固定金型2側と可動金型3側とで均一化することができ、結果としてディスクの反りを解消することができる。なお、第1実施形態の光ディスク成形金型50において詳述したように、断熱材81の厚み、材質を変更し、或いは適宜組み合わせて、冷却速度を制御してディスクの反りを調整することも可能である。
本実施形態の光ディスク成形金型80によれば、金型コア表面9が断熱材81から構成されているので、樹脂表面温度の低下を防ぎ、樹脂充填時の温度を高い温度に保持して粘度を低下させることにより、剪断歪みによる複屈折を低下させることができる。また、冷却工程において、光ディスク成形品の両面の冷却速度を同じにすることができ、これによって反りがなく、光ディスク特性の優れた光ディスク成形品を成形することができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の光ディスク成形方法について説明する。図14は本実施形態の光ディスク成形方法のプロセスを示す工程図、図15は保圧力と取出し時のディスク内周温度との関係を示すグラフである。
図14に示すように、本実施形態の光ディスク成形方法は、射出工程時は所定の型締めプロセスにて型を締めた後、保圧工程時においてまだ樹脂が完全に冷却固化していない状態でさらに型を締める工程を追加した。所定のピッチ・深さ寸法に設定した金型を用いて冷却工程における型圧縮力と取り出し時のディスク内周部温度との関係を測定した結果を、図15に示す。図15に示すように、型圧縮力を強くするほどディスク内周部温度が低下する傾向がある。これは樹脂冷却速度が速くなったことを示しており、この工程追加により金型コア表面に形成した微小突起と樹脂との接触面積が増大した効果により、樹脂冷却時間を短縮することができる。
本実施形態の光ディスク成形方法によれば、上述した光ディスク成形金型を用い、空隙部10に樹脂材料を射出することによって光ディスク成形品を成形する光ディスク成型方法であって、樹脂材料の充填後の保圧工程において、型締量を増加させて型締圧力を上昇させる工程を含むようにしているため、金型コア表面9に設けた微小突起9aの転写性を向上させ、樹脂冷却を促進することができる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本発明の第1実施形態である光ディスク成形金型の縦断面図である。 断熱材の厚みを一定とし、材質を変更した場合の固定金型側と可動金型側の光ディスク表面温度差の関係を計算により解析した結果である。 断熱材の厚みおよび材質を変更した場合の固定金型側と可動金型側の光ディスク表面温度差の関係を計算により解析した結果である。 本発明の第2実施形態である光ディスク成形金型の縦断面図である。 本発明の第3実施形態である光ディスク成形金型の縦断面図である。 多数の微小突起が形成された金型コア表面(微小突起面)の要部拡大縦断面図である。 微小突起の断面積と取出し時の光ディスク表面温度および反りとの関係を示す図である。 微小突起の断面積と成形サイクルとの関係を示す図である。 外周側に向かうに従って小さくなる多数の微小突起が形成された金型コア表面(微小突起面)の要部拡大縦断面図である。 光ディスクの半径方向距離と取出し時の光ディスクの表面温度との関係を微小突起の有無で比較して示す図である。 光ディスクの半径方向距離と反りとの関係を微小突起の有無で比較して示す図である。 大きさの異なる多数の微小突起が交互に形成された金型コア表面(微小突起面)の要部拡大縦断面図である。 本発明の第6実施形態である光ディスク成形金型の縦断面図である。 本実施形態の光ディスク成形方法のプロセスを示す工程図である。 保圧力と取出し時のディスク内周温度との関係を示す図である。 従来の光ディスク成形金型の縦断面図である。 従来の他の光ディスク成形金型の縦断面図である。
符号の説明
2 固定金型
3 可動金型
6 スタンパ
9 微小突起面(金型コア表面)
9a,9b,9c,9d,9e 微小突起
10 キャビティ(空隙部)
11、12 冷却回路
13,20、81 断熱材
40,41,42 固定治具
45,46,47 カセット
50,60,70,80 光ディスク成形金型
C 比熱
T 冷却抑制時間
δ 厚み
κ 熱伝導率
ρ 密度

Claims (6)

  1. 可動金型および固定金型とからなる金型内部に形成された空隙部に樹脂材料を射出することによって光ディスク成形品を成形する光ディスク成形金型であって、
    前記固定金型に装着され情報記録溝を有する少なくとも一枚のスタンパと、前記可動金型および前記固定金型の両金型に埋設された断熱材とを備えたことを特徴とする光ディスク成形金型。
  2. 前記断熱材と前記スタンパとを固定治具に装着し、前記固定冶具を前記固定金型に取り付けることにより、前記断熱材および前記スタンパを着脱自在としたことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク成形金型。
  3. 前記断熱材の各特性値からなる数値、ρ・C/κ(ρ:密度、C:比熱、κ:熱伝導率)は、前記可動金型に埋設された前記断熱材の方が、前記固定金型に埋設された前記断熱材よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ディスク成形金型。
  4. 前記断熱材の各特性値からなる数値、ρ・C・δ/κ(ρ:密度、C:比熱、δ:厚み、κ:熱伝導率)は、前記可動金型に埋設された前記断熱材の方が、前記固定金型に埋設された前記断熱材よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ディスク成形金型。
  5. 前記断熱材の各特性値からなる数値、ρ・C/κ(ρ:密度、C:比熱、κ:熱伝導率)から下式により求められる時間が、樹脂射出開始から射出完了までに要する時間以上、樹脂射出開始から保圧完了までに要する時間以下となるように設定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光ディスク成形金型。
    式: T=Σ(ρ・C・δ /κ
  6. 断熱材が埋設された可動金型、断熱材が埋設された固定金型、および前記固定金型に装着され情報記録溝を有する少なくとも一枚のスタンパとを具備し、金型内に形成された空隙部に樹脂材料を射出することによって光ディスク成形品を成形する光ディスク成形方法であって、
    前記空隙部に射出された前記樹脂材料の冷却速度が前記可動金型側および前記固定金型側で同じ速度となるように前記断熱材の材質、および厚みを組合せて調整することを特徴とする光ディスク成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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SG143118A1 (en) * 2006-12-08 2008-06-27 Daxon Technology Inc Optical disk mold and method of forming the same

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