JP2006159344A - 切削工具本体および切削工具 - Google Patents

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孝之 熊切
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Abstract

【課題】アルミニウム製のものより低コストで軽量の切削工具本体およびそれに切削インサートを装着してなる切削工具を提供する。
【解決手段】 切削インサート11を装着する回転切削工具本体1を、ガラス繊維相を30〜60%含有する非結晶性プラスチック製で射出成形によって形成した。切削インサート11を固定したカートリッジ15を六角穴付ボルト17による締め付け方式で固定するためのねじ穴8を、メスねじ付部材(ヘリサート)19により、本体1のチップポケット5の底部6に埋設状に固定して形成した。プラスチック製としたため、軽量化が図れる。射出成形によって形成したため、プラスチックのブロックや棒材等からなる材料から、機械加工で形成する場合に比べて低コストで製造できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、旋削用工具や回転切削工具に用いられる切削工具本体、およびそれにスローアウェイチップなどの切削インサートを装着してなる切削工具に関する。
旋削用工具や回転切削工具に用いられる切削工具本体(ホルダ)は、鋼材などの鉄系金属材料(丸棒材(丸鋼)、角材等)を切断して素材とし、これを機械加工することで形成、製造されるのが普通である。鋼材を素材としているのは強度、被加工性、切削工具として使用される時の切削工具本体に加わる耐衝撃性、さらには経済性(素材コスト)などからして適するためである。ところが、このような切削工具(以下、単に工具ともいう)によって加工されるワーク(工作物)が、アルミニウム材或いはアルミニウム合金材などのように、比較的、軽切削となる場合には、切削工具本体にはさほど大きな強度は要求されない。このため、このような加工に用いられる工具本体には、加工の高速化、効率化、さらには軽量化を目的として、一部、アルミニウム合金からなるものも提案されている(特許文献1)。
特開2000−94211
しかし、アルミニウム或いはアルミニウム合金製(以下、単にアルミニウム製ともいう)の切削工具本体では、それ自体の製造コストが高くなるという欠点があった。というのは、このような本体も、鋼材を素材としているものと同様に、アルミニウム製の丸棒等を切断して出発材とし、これを機械加工して製造することになるためである。すなわち、このような工具を製造するには、材料取りから始めて、その完成までには鋼材製のものと同様の多くの加工工程を要する上に、アルミニウム製のものではその素材コストが鋼材のものより高くつくためである。結果として、このようなアルミニウム製の切削工具本体を用いることによる加工では、その軽量化は図られるものの、加工コストの上昇を招いてしまうという問題があった。
加えて、このような切削工具本体には、アルミニウム製のもの以上のさらなる軽量化の要請が強くある。というのは、加工効率の向上のため、マシニングセンター等のNC工作機においては、工具の高速回転化だけでなく、その工具の交換速度の高速化の要請も益々高まっているなどの厳しい要請があるためである。
本発明は、アルミニウム製のものより低コストで軽量の切削工具本体およびそれに切削インサートを装着してなる切削工具を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、切削工具本体自身を射出成形によるプラスチック製としたことにある。
本願発明者においては、従来、軽量ではあるものの、低耐熱性や低強度、低耐摩耗性等からして信頼性がないため、切削工具本体には使用不可能とされていたプラスチックで工具本体の試料を作るなどしてプラスチック製の工具本体の実用化について鋭意検討を重ねてきた。その結果、ワークが被削性のよいもので、しかも軽切削の場合に限定するなどの一定の条件下では、プラスチック製の切削工具本体でも実用化できる場合があることを知るに至った。すなわち、アルミニウム又はアルミニウム合金などの軽金属製のワークについては、プラスチック製の切削工具本体でも、所定の加工条件、寸法精度であれば、かなりの加工数の使用に耐え得ることを知るに至った。本発明は、このような知見に基づくものである。なお、本発明において本体の素材とするプラスチック(樹脂)は特に限定されるものではなく、工具の用途、種類、切削条件などに応じて要求される強度、特性をもつものから、その種類等を選択すればよい。なお、本発明においてプラスチック製とは、プラスチックを主体として形成したものをいう。したがって、本体がプラスチックのみからなる場合はもちろんのこと、射出成形が可能である限り、プラスチックにガラス繊維などの別素材を含んでなるものでもよく、さらには、別部材が射出成形時にインサート(成形)されているものや、その成形後に接合(又は接着)されているものであってもよい。
請求項2に記載の発明は、前記切削工具本体が回転切削工具用のものであることを特徴とする請求項1に記載の切削工具本体である。
請求項3に記載の発明は、前記切削工具本体がねじ穴(メスねじ)を備えているものであって、そのねじ穴が、切削工具本体自身の射出成形時にインサート成形された金属部材に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具本体である。そして、請求項4に記載の発明は、前記切削工具本体がねじ穴を備えているものであって、そのねじ穴が、金属製のねじ穴付部材を切削工具本体自身の射出成形時にインサート成形することによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具本体である。
請求項5に記載の発明は、前記切削工具本体が、カートリッジを切削工具本体自身の射出成形時にインサート成形によって備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具本体である。本明細書において、カートリッジとは、切削インサートを切削工具本体に固定するためのものであって、その固定の際に、切削インサートと本体の両者の間に配置される中間部材をいい、ブレード又はロケータともいわれる。
請求項6に記載の発明は、前記ねじ穴が、切削インサートをねじ込み方式によって締め付けるためのねじ穴であることを特徴とする請求項3又は4に記載の切削工具本体である。
請求項7に記載の発明は、前記ねじ穴が、カートリッジをねじ込み方式によって締め付けるためのねじ穴であることを特徴とする請求項3又は4に記載の切削工具本体である。
請求項8に記載の発明は、請求項1又は2に記載の切削工具本体に、切削インサートを固定してなることを特徴とする切削工具である。
請求項9に記載の発明は、請求項5に記載の切削工具本体の前記カートリッジに切削インサートを固定してなることを特徴とする切削工具である。
請求項10に記載の発明は、請求項6に記載の切削工具本体の前記ねじ穴に、ねじ部材をねじ込むことによって切削インサートを締め付けてなることを特徴とする切削工具である。
請求項11に記載の発明は、請求項7に記載の切削工具本体の前記ねじ穴に、ねじ部材をねじ込むことによって切削インサートを固定したカートリッジを締め付けてなることを特徴とする切削工具である。
請求項1及び2に記載の本発明では、切削工具本体を形成する素材をプラスチック(樹脂)としたため、アルミニウム製の切削工具本体よりも、一層、軽量化が図れる。しかも、射出成形によって形成したため、プラスチックのブロックや棒材等からなる材料から、機械加工で形成する場合に比べて低コストで製造できる。また、請求項3に記載のように、切削工具本体がねじ穴を備えているものであって、そのねじ穴が、切削工具本体自身の射出成形時にインサート成形された金属部材に形成されているものでは、そのねじ穴を用いてカートリッジや切削インサートをねじ込み方式で締め付ける場合、強固に固定できるという効果がある。しかも、このようにインサート成形された後の金属部材にねじ穴を形成したものでは、ねじ穴位置の精度向上も期待される。もっとも、ねじ穴は請求項4に記載のように、金属製のねじ穴付部材を切削工具本体自身の射出成形時にインサート成形することによって形成してもよい。さらに、請求項5に記載のように、カートリッジ自体をインサート成形した場合には、そのカートリッジに固定される切削インサートが受ける切削抵抗が、工具本体に分散してかかるようにすることができるため、比較的大きな切削抵抗にも耐え得る。ねじ穴の用途は切削インサートやカートリッジの締め付けに限定されるものではないが、請求項6又は7に記載のように、これらの締め付けに用いる場合には、前記もしたように、それらを強固に固定できる。本発明の切削工具本体を用いた切削工具によれば、切削においてさほど高温とならない、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウムなどの軽金属製ワークの加工に特に好適である。
さらに、例えば無人工場での機械加工のトラブルにおいて、大きな損害を蒙る要因は、金属製の切削工具本体の破断やチャックからの分離、或いは脱落事故に起因する、マシニングセンターなどの加工機械本体の損傷、又は自動車用のミッションケースのような高コストのワークの損傷の発生時である。すなわち、切削工具本体が金属製のため、その高速回転下での破断等があると、その衝突を受けた機械等には大きな損傷或いはダメージを受ける。ところが、切削工具本体が本発明のようにプラスチック製であれば、こうしたトラブル発生時において、それが分離して加工機械本体やワークに衝突しても、切削工具本体自身が加工機械やワークよりも低硬度、低強度のため、金属製の本体によるような大きな損傷を与えることはない。したがって、トラブル発生時のダメージを小さくできる、という効果もある。
本発明の切削工具本体および切削工具を実施するための最良の形態について、図1〜4に示した回転切削工具(正面フライスカッター)に基づいて詳細に説明する。図1は、回転切削工具を示す半断面側面図、図2は図1を正面側から見た図、図3は図1のA矢視部分図、そして、図4はねじ穴付部材を切削工具本体に埋設状に固定している状態の説明用拡大断面図である。
図中、1は、射出成形されてなるプラスチック製(樹脂製)の回転切削工具(フライスカッター)本体である。プラスチック(樹脂)の材質(種類)については後述する。この回転切削工具本体(以下、単に本体ともいう)1は円筒状を呈しており、回転軸Gを含む中央には上下に貫通する、工作機械(例えば正面フライス)のスピンドルSに取り付けるための貫通穴2が設けられている。この貫通穴2は、その上部(図1の上部)に、フライスのスピンドルSの先端部が嵌入する円筒状空穴2aを備えており、下部の先端面3側には、上下方向の中間部の小円筒状空穴2bを介して、工具取り付け用のねじ部材(頭部付ボルト)Bの頭部沈頭用の円形凹部2cを備えている。そして、外周面4には、例えば6個の切削インサート取付け用のポケット(以下、チップポケットという)5が、図2に示したように、回転軸G方向から見て等角度間隔で6箇所凹設され、本体1の先端面3側に開口されている。各チップポケット5は、切削インサート11の固定(装着)および切り屑処理性を考慮して形成されており、いずれも同じ形状、大きさに形成されている。また、本体1の外周面4の適所には、ねじ穴が設けられバランス用のねじ部材4aがねじ込まれている。
そして、各チップポケット5には、例えば超硬合金製の切削インサート(例えばスローアウェイチップ)11をクランプスクリュー13で固定した、例えば金属(クロムモリブデン鋼)製のカートリッジ15が、固定用ねじ部材である、通常の鋼製の六角穴付ボルト17による締め付け(ねじ締め)により固定されている。すなわち、図4に示したように、本体1における各チップポケット5の底部(回転軸寄り部位)6には、六角穴付ボルト17をねじ込むためのねじ穴(メスねじ)8が設けられており、カートリッジ15に設けられた座ぐり穴付きボルト穴16に六角穴付ボルト17を挿通して前記ねじ穴8にねじ込み、その頭部17bで座ぐり穴付きボルト穴16の座面16bを押付けることでカートリッジ15を固定するように形成されている。
切削インサート11を固定したカートリッジ15を固定するための、チップポケット5の底部6のねじ穴8は、本形態では、本体1を形成しているプラスチックの部位(肉)に直接形成されているのではなく、その本体1自身の射出成形時に、金属製のねじ穴付部材19をインサート成形することによって一体的に形成されている。このねじ穴付部材19は、図4に示したように、つき抜けていないねじ穴(内周面にメスねじ)8を有する金属部材(袋ナット形状のもの)とされている。そして、このねじ穴付部材19は、外周面(軸周り)には固定力の向上ないし抜け止めのため凹溝19bが設けられており、さらに図5に示したように、本体1に対する固定力の向上ないし回り止めのため、例えば六角ナット状とされている。ただし、このねじ穴付部材19は、単なるナット形状のものでもよいし、ばね鋼(SUP10)などからなる、螺旋状のヘリサートと呼ばれる部材でもよい。
このように、ねじ穴8は、本体1をなすプラスチックがむき出しとなっておらず、金属製のねじ穴付部材19で形成されているため、切削インサート11の交換における六角穴付ボルト17の取り外し、締め付けの繰返しにより、ねじ穴8のねじ(ねじ山)の摩耗や損傷、さらにはねじ込み時の締め付けトルクによってねじ山が破断を起こすこともない。すなわち、ねじ穴8が、金属製のねじ穴付部材19を本体1の射出成形時にインサート成形することで形成されているため、ねじの寿命の延長が図られる上に、ねじ穴付部材19を、本体1の製造後において、後で圧入やねじ込み等により埋設又は固定したものでないため、本体1に強固に固定される。このため、カートリッジ15を締め付けるねじ部材である六角穴付ボルト17の締付け時のトルクによって、ねじ穴付部材19が本体1から容易に弛緩することもない。
また、本形態では、切削インサート11の刃先の高さをカートリッジ15を軸線G方向に微量移動することで調整するように構成されている。具体的には、本体1の先端(図1下)側への移動は、カートリッジ15の後端(図1の上端)の傾斜壁20に、調節用の頭部付ねじ部材21の頭部を押付けながら、そのねじ部材21をねじ込むことにより、カートリッジ15が軸線G方向(先端側)に移動するように構成されている。このため、チップポケット5の底部6の後端(図1上)寄り部位には、頭部付ねじ部材21のねじ込み用のねじ穴22が形成されている。そして、このねじ穴22も、図示はしないが、上記したねじ穴8と同様に金属製のねじ穴付部材を本体1自身の射出成形時にインサート成形することによって形成されている。
このように、本形態の本体1は、従来の金属製の本体1とは次の2点で相違する。第1に、本形態の本体1は、それ自身が射出成形によるプラスチック製である点である。第2に、そのプラスチック製の本体1には、上記したように各ねじ穴8を、別部材である金属製のねじ穴付部材19を本体1自身の射出成形時にインサート成形することによって形成している点である。このような本体には、その各チップポケット5に、切削インサート11を固定したカートリッジ15を配置し、固定用ねじ部材17をねじ穴8にねじ込んで固定し、調節用の頭部付ねじ部材21をねじ込むことで切れ刃高さが調節された回転切削工具となる。
このように、本形態の回転切削工具は、本体1自身がプラスチック製であるため、従来のアルミニウム製などの軽金属製のものよりも、軽く形成することができる。例えば、アルミニウムの比重2.7に対し、プラスチックでは、その比重は多くが1.2〜1.7の範囲にある。したがって、より高速回転が可能となるとともに、工具の交換がより速くできるようになるなど、軽量化により加工効率の向上が図られる。また、本体1は、単にプラスチック製であというだけでなく、射出成形品であるため、それ自身が極めて効率的に製造可能となり、したがって本体1ひいては切削工具の製造コストの低減が図られる。
本形態では、ねじ穴8、22が、金属製のねじ穴付部材19を本体1自身の射出成形時にインサート成形することによって一体的に形成されているため、上記もしたようにそのねじの摩耗や損傷、或いはねじ山が破断したりすることが、プラスチックに直接形成した場合に比べて低減できるため、本体1の寿命を長くできるという効果がある。すなわち、本形態の切削工具本体1では、そのねじを除けば摺動部分もないことから、摺動によって摩耗或いは損傷する部位(耐摩耗性等の摺動特性が問題となる部位)がないため、各ねじ穴へのねじ部材の締め付けが繰り返し行われても、従来の金属製の工具と同様に長寿命化が図られる。また、上記もしたが、本形態では金属製のねじ穴付部材19をインサート成形によって固定しているため、カートリッジ15の六角穴付ボルト17による締め付けにおいて、過大トルクがかけられたとしても、ねじ穴付部材19が本体1から緩むような危険性も低減できるという効果がある。
さらに、上記した形態では、切削インサート11をカートリッジ15を介して本体1のチップポケット5に固定する構造のものとしたため、切削により切削インサート11が高温となっても、その熱はカートリッジ15に伝達されて放熱されるため、チップポケット5などプラスチック製本体1部分の高温防止にも有効である。もっとも、本発明の本体1においては、このようなカートリッジ15は別段、必須のものではない。すなわち、このような切削インサートの発熱に耐えうる材質のプラスチックを用いるか、発熱温度の低い加工に用いる工具においては、図6,7に示した切削工具本体51のように、カートリッジを使用しなくともよい。すなわち、カートリッジを介することなく、切削工具本体51のチップポケット5の切削インサート座5aに切削インサート11を着座させて、クランプスクリュー13を切削インサート座5aに設けたねじ穴24にねじ込んで締め付けることにより切削インサート11を直接固定して切削工具とすることもできる。ただし、このようにカートリッジを使用しない場合においても、図8、9に示したように、クランプスクリュー13がねじ込まれる本体51側のねじ穴24は、上記した形態におけるのと同様の例えば六角ナット状の金属製のねじ穴付部材19を本体51自身の射出成形時にインサート成形することによって一体的に形成しておくのがよい。なお、図8中のねじ穴付部材19は、ねじが突き抜けているものとしたが、上記したものと同様に、突き抜けていないものとしてもよい。また、図8中の19bは抜け止め用の凹溝である。
上記において本発明にかかる切削工具本体が備えているねじ穴は、カートリッジ又は切削インサートを固定したり、カートリッジを移動して刃先高さを調整するものとして具体化した場合を例示した。しかし、本発明におけるねじ穴は、これら以外のねじ穴(例えば、バランス用ねじ部材4aのねじ込み用のもの)であってもよく、ねじ穴の用途に限定されるものではない。なお、ねじ穴付部材を図4に示したように、つき抜けていないねじ穴を有する金属部材としてインサート成形する場合には、インサート成形する際にプラスチック材料(生地)がねじ穴の内面(ねじ)に付着することがないので、つき抜けているねじ穴を備えたねじ穴付部材をインサート成形する場合のように別途にねじ保護手段を講じる必要もなく便利である。
また、上記においては、ねじ穴8,24が、金属製のねじ穴付部材19を切削工具本体1、51自身の射出成形時にインサート成形することによって形成されたものとして具体化したが、そのねじ穴は次のように形成することもできる。すなわち、ねじ穴は、切削工具本体自身の射出成形時に金属部材をインサート成形し、その後工程で、インサート成形された同金属部材にねじを立てる(ねじ加工をする)ようにしてもよい。このようにすれば、ねじ保護手段を講じる必要がないだけでなく、ねじ穴の位置精度を高めることもできる。
さて次に、図1における切削インサートを固定するためのカートリッジを、ねじ込み方式で締め付けるのでなく、切削工具本体自身の射出成形時にインサート成形によって同本体に一体化してなる切削工具本体61について、図10〜図12に基づいて説明する。すなわち、このものは、図1におけるカートリッジ15のボルト穴16を塞いだ形態に形成されカートリッジ65を、チップポケット5において対応する部位に、本体61自身の射出成形時にインサート成形によって設けたものである。なお、本形態のものは図1のものと、カートリッジ65を本体61自身の射出成形時にインサート成形によって設けた点が相違するのみであるため、同一の部位には同一符号を付すに止め、その相違点のみ説明する。
すなわち、本形態では、カートリッジ65が、図1の切削工具本体1におけるチップポケット5に対応する部位に、本体61自身の射出成形時にインサート成形によって固定されて設けられている。このため、カートリッジ65を本体61に固定するためと、それを軸線方向に移動調節するためのねじ穴はなく、また、カートリッジ65にも本体に固定するためのボルト穴はない。しかして、このようなカートリッジ65は、本体61に強固に固定されるように、図10〜図12に示したように、インサートされており、とくにラジアル方向への飛び出し防止のため、側面には適所に凹部66が設けられており、その固定力が高められている。本形態では、このカートリッジ61には、上記形態と同様に、切削インサート11がクランプスクリュー13で固定されて切削工具をなしている。なお、切削インサート11の締め付けのためのねじ穴は図示はしないが図1の切削工具本体1におけるカートリッジと同様に設けられている。したがって、このようなカートリッジ65も、ねじ穴付部材ということもできる。もっとも、このようなカートリッジは、切削インサートをねじ込み方式でなく、クランプオン方式で固定するものとしても具体化できる。
さて、ここで上記した切削工具本体の製法について説明する。上記した各本体は、その射出成形用の金型内に、インサート部品であるねじ穴付部材又はカートリッジを位置決めしてセットし、その状態で型閉じして、金型内に材料を射出することで形成される。なお、インサート部品は、正しく位置決め、保持されるように、インサートピン等の位置決め手段で位置決めすればよい。このような本体は、フライスのスピンドルSに取り付けるための貫通穴2の内周面やカートリッジや切削インサートの取り付け部のように、所要の寸法精度が要求される部位に、予め、加工取り代を付与しておき、成形後において適宜に機械加工をして所望とする寸法精度をだせばよい。
このように本発明に係る切削工具本体は、射出成形によるプラスチック製のため、ねじ穴付部材やカートリッジをインサートとして、その本体に、埋設状(又は半埋設状)に、強固に固定できる。したがって、これらねじ穴付部材等を本体に強固に一体化できる。また、アルミニウム製のものより軽量な切削工具本体を効率的かつ低コストで製造できる。しかも、高度の寸法精度が要求される部位の機械加工も、プラスチック製のために容易にできる。このため、このような本体は、金属製のねじ穴付部材等のインサートを本体自身に埋設状に固定するとしても、極めて低コストにできることは明らかである。
上記においては、本体自身の射出成形時に、ねじ穴付部材等をインサートした場合で説明したが、切削インサートやカートリッジの固定に大きな固定力が要求されない場合や、ねじ山の大きなねじを用いることで、切削インサートを固定するねじ部材による締付け(トルク)に十分耐え得る場合には、射出成形した本体に直接ねじ穴を形成してもよい。この場合には、切削工具本体はさらに低コストで製造できる。
なお、切削工具本体をなすプラスチックは、切削工具の用途や切削条件に応じ、ある程度の寿命を保持できるものから選定すればよい。ただし、ガラス繊維相を30〜60%含有する非結晶性プラスチック(例示すれば、ポリエーテルイミド樹脂、ナイロン6−6)が好ましい材料といえる。というのは、切削工具本体には、たとえアルミニウム製のワークの加工に用いるとしても、当然のことながら、なるべく高い耐熱性、強度、剛性、或いは軽量性が求められるが、前記非結晶性プラスチックであれば、射出成形にも支障なく、しかもこうした要請に良く応えることができるためである。因みに、前記において例示したガラス繊維相を30〜60%含有する非結晶性プラスチック(ポリエーテルイミド樹脂)では次のような物理特性がある。耐熱性が、過重たわみ温度(熱変形温度 1.82MPa)で200℃以上ある。また、引張り強度(23℃のときの降伏点)が150MPa以上ある。そして、アイゾット衝撃強度(23℃でノッチ付試験片)で、100J/m以上ある。しかも、常温における比重が1.7以下である。
なお、上記においては、回転切削工具の1例である正面フライスカッター用の本体において具体化したが、本発明における切削工具本体はこれに限定されるものではない。例えば、バイト用の本体、すなわち、切削インサートを自身の切削インサート座(チップポケット)に固定して旋削に使用するバイト用ホルダとしても具体化できる。また、ボーリングバーにも適用できる。さらに、上記においては切削インサートを、カートリッジを介して、或いは直接、ねじ部材により本体に設けたねじ穴にねじ締めすることで固定する場合を説明したが、本発明の切削工具では、別段このようなねじ締めによる固定に限定されるものではなく、ねじ締め以外の固定(ロック)手段を用いる場合においても具体化できる。
本発明は、上記において説明したものに限定されるものではなく、適宜に設計変更して具体化できる。また、本体に用いるプラスチックの材質は、ポリエーテルイミド樹脂又はナイロン6−6以外にも、加工用途など、切削工具本体に具体的に要求される強度、衝撃特性、剛性、耐疲労性、硬さ、耐熱性、熱膨張係数、耐油性、耐水性等々の物理的性質、或いは機械的性質に応じ、かつ本体の形状(構造)、寸法等の設計に基づいて選択すればよい。
本発明の回転切削工具の半断面側面図。 図1を正面側(図1の下側)から見た図。 図1のA矢視部分図。 ねじ穴付部材を切削工具本体に埋設状に固定している状態の説明用拡大断面図。 図4におけるB−B線部分断面図。 別の回転切削工具の側面図。 図6を正面側から見た一部破断図。 図7において、ねじ穴付部材をインサートした要部拡大図。 図8におけるC−C線部分断面図。 カートリッジをインサート成形した側面から見た部分図。 図10におけるD−D線部分断面図。 図10におけるE−E線部分断面図。
符号の説明
1、51、61 切削工具本体
8、22、24 ねじ穴
11 切削インサート
13 クランプスクリュー
15、65 カートリッジ
17 固定用ねじ部材
19 ねじ穴付部材

Claims (11)

  1. 切削工具本体自身を射出成形によるプラスチック製としたことを特徴とする切削工具本体。
  2. 前記切削工具本体が回転切削工具用のものであることを特徴とする請求項1に記載の切削工具本体。
  3. 前記切削工具本体がねじ穴を備えているものであって、そのねじ穴が、切削工具本体自身の射出成形時にインサート成形された金属部材に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具本体。
  4. 前記切削工具本体がねじ穴を備えているものであって、そのねじ穴が、金属製のねじ穴付部材を切削工具本体自身の射出成形時にインサート成形することによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具本体。
  5. 前記切削工具本体が、カートリッジを切削工具本体自身の射出成形時にインサート成形によって備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具本体。
  6. 前記ねじ穴が、切削インサートをねじ込み方式によって締め付けるためのねじ穴であることを特徴とする請求項3又は4に記載の切削工具本体。
  7. 前記ねじ穴が、カートリッジをねじ込み方式によって締め付けるためのねじ穴であることを特徴とする請求項3又は4に記載の切削工具本体。
  8. 請求項1又は2に記載の切削工具本体に、切削インサートを固定してなることを特徴とする切削工具。
  9. 請求項5に記載の切削工具本体の前記カートリッジに切削インサートを固定してなることを特徴とする切削工具。
  10. 請求項6に記載の切削工具本体の前記ねじ穴に、ねじ部材をねじ込むことによって切削インサートを締め付けてなることを特徴とする切削工具。
  11. 請求項7に記載の切削工具本体の前記ねじ穴に、ねじ部材をねじ込むことによって切削インサートを固定したカートリッジを締め付けてなることを特徴とする切削工具。



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