JP2006158040A - 駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流モータの駆動力を確保するとともに装置の部品点数を削減することで、小型で低コストの駆動力制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の車両用駆動力制御装置は、直流電源と、2つのインバータと、2つの走行用モータジェネレータと、コンプレッサ用モータと、制御装置とを備えている。コンプレッサ用モータの2相は走行用モータジェネレータの中性点に、他の1相は直流電源の直列接続された2つの平滑用コンデンサの接続点に接続されている。そして、制御装置が、走行用モータジェネレータに交流電圧を供給するとともに、中性点の電圧が交流電圧となるようにインバータを制御する。これにより、インバータを追加することなくコンプレッサ用モータの駆動力を確保でき、装置を小型化、低コスト化することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流モータを制御して駆動力を発生させる駆動力制御装置に関する。
近年、環境問題を背景に、排気ガスの発生を抑制するとともに燃費を向上させることが
できるハイブリッド車の開発が盛んに進められており、乗用車やトラックで一部実用化されている。従来、ハイブリッド車のモータを駆動するハイブリッド車駆動装置として、例えば、特開2004−274945号公報に開示されているハイブリッド車駆動装置がある。このハイブリッド車駆動装置は、直流電源と、昇降圧コンバータと、2つのインバータと、2つの交流モータと、制御装置とを備えている。2つの交流モータは、それぞれインバータに接続されている。
昇降圧コンバータは、直流電源の出力する直流電圧を昇圧する。昇圧された直流電圧は、インバータで交流電圧に変換される。一方の交流モータは、インバータを介して交流電圧を供給されることで、エンジンを始動するための駆動力を発生する。エンジンが始動すると、交流モータは、エンジンから駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する。もう一方の交流モータは、インバータを介して交流電圧を供給されることで、ハイブリッド車の駆動輪を駆動するための駆動力を発生する。ハイブリッド車が制動を掛けると、交流モータは、ハイブリッド車の駆動輪から駆動力を伝達されることで、交流電圧を発生する。それぞれの交流モータで発生した交流電圧は、インバータで直流電圧に変換される。変換された直流電圧は、昇降圧コンバータで降圧され、直流電源を充電する。
ハイブリッド車は、エンジンの駆動力と交流モータの駆動力とを適切に制御することで、排気ガスの発生を抑制するとともに燃費を向上することができる。
特許2004−274945号公報
このようなハイブリッド車において、さらに、燃費の向上をはかるため、従来、エンジンによって駆動されていた空調用コンプレッサをモータによって駆動する構成がとられている。この場合、前述したハイブリッド車駆動装置において、コンプレッサ駆動用の交流モータ及びインバータを新たに追加しなければならない。そのため、空調用コンプレッサがエンジンによって駆動されていた場合に比べ、装置の搭載スペースが大きくなり、さらに、コストアップしてしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、交流モータの駆動力を確保するとともに装置の部品点数を削減することで、小型で低コストの駆動力制御装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、双方向直交変換手段を共用すること、また、双方向直交変換手段の構成を見直すことで、双方向直交変換手段や双方向直交変換手段を構成する部品点数を削減できることを思いつき、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の駆動力制御装置は、直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源に接続され、直流電圧を交流電圧に変換する直交変換手段と、前記直交変換手段に接続され、交流電圧を供給されることで駆動力を発生し、駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する前段交流モータと、いずれかの相が前記前段交流モータの中性点に接続され、交流電圧を供給されることで駆動力を発生し、駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する後段交流モータと、前記前段交流モータに交流電圧を供給するとともに、前記前段交流モータの中性点の電圧が交流電圧となるように前記直交変換手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
請求項2に記載の駆動力制御装置は、請求項1に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記直交変換手段は、直流電圧と交流電圧を双方向に変換する双方向直交変換手段であることを特徴とする。
請求項3に記載の駆動力制御装置は、請求項2に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記双方向直交変換手段及び前記前段交流モータは、少なくとも1組あり、前記後段交流モータは、いずれか1つの相が1つの前記前段交流モータに接続されていることを特徴とする。
請求項4に記載の駆動力制御装置は、請求項2に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記双方向直交変換手段及び前記前段交流モータは、少なくとも2組あり、前記後段交流モータは、いずれか2つの相が2つの前記前段交流モータの中性点にそれぞれ接続されていることを特徴とする。
請求項5に記載の駆動力制御装置は、請求項2に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記双方向直交変換手段及び前記前段交流モータは、少なくとも3組あり、前記後段交流モータは、いずれか3つの相が3つの前記前段交流モータの中性点にそれぞれ接続されていることを特徴とする。
請求項6に記載の駆動力制御装置は、請求項2乃至5に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記後段交流モータは、回転角度センサを備えておらず、前記制御手段は、前記後段交流モータに供給する交流電圧と流れる交流電流の位相差に基づいて前記双方向直交変換手段を制御することを特徴とする。
請求項7に記載の駆動力制御装置は、直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源に接続され、直流電圧を交流電圧に変換する第1の直交変換手段と、前記第1の直交変換手段に接続され、交流電圧を供給されることで駆動力を発生し、駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する前段交流モータと、前記直流電源に接続され、直流電圧を交流電圧に変換する第2の直交変換手段と、いずれかの相が前記前段交流モータの中性点にそれ以外のいずれかの相が前記第2の直交変換手段にそれぞれ接続され、交流電圧を供給されることで駆動力を発生し、駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する後段交流モータと、前記前段交流モータに交流電圧を供給するとともに、前記前段交流モータの中性点の電圧が交流電圧となるように前記第1の直交変換手段を制御し、前記後段交流モータに交流電圧を供給するように前記第2の直交変換手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
請求項8に記載の駆動力制御装置は、請求項7に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記第1の直交変換手段及び前記第2の直交変換手段は、直流電圧と交流電圧を双方向に変換する第1の双方向直交変換手段及び第2の双方向直交変換手段であることを特徴とする。
請求項9に記載の駆動力制御装置は、請求項8に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記後段交流モータは、回転角度センサを備えておらず、前記制御手段は、前記後段交流モータに供給する交流電圧と流れる交流電流の位相差に基づいて前記第1の双方向直交変換手段及び前記第2の双方向直交変換手段を制御することを特徴とする。
請求項10に記載の駆動力制御装置は、請求項8又は9に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記直流電源は、電池と前記電池の出力する直流電圧を昇圧する昇圧手段とからなり、前記昇圧手段及び前記第2の双方向直交変換手段は、それぞれスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子は、1つのモジュールで構成されていることを特徴とする。
請求項11に記載の駆動力制御装置は、請求項1乃至10に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記後段交流モータは、いずれか1つの相が前記直流電源の出力する直流電圧より低い電圧になる所定点に接続されていることを特徴とする。
請求項12に記載の駆動力制御装置は、請求項11に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記直流電源は、直列接続された複数のコンデンサを出力端子間に備え、前記所定点は、前記複数のコンデンサの接続点のいずれかであることを特徴とする。
請求項13に記載の駆動力制御装置は、請求項11に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記直流電源は、直列接続された複数の電池からなり、前記所定点は、前記複数の電池の接続点のいずれかであることを特徴とする。
請求項14に記載の駆動力制御装置は、請求項11に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記直流電源は、電池と前記電池の出力する直流電圧を昇圧する昇圧手段とからなり、前記所定点は、前記電池の正極端子であることを特徴とする。
請求項15に記載の駆動力制御装置は、請求項1乃至14に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記後段交流モータは、いずれかの相が接続されている前記前段交流モータより出力が小さいことを特徴とする。
請求項16に記載の駆動力制御装置は、請求項1乃至15に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記前段交流モータと前記後段交流モータとを電気的に切断する切断手段を有することを特徴とする。
請求項17に記載の駆動力制御装置は、請求項1乃至16に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記制御手段は、前記後段交流モータが接続されている少なくとも1つの前記前段交流モータの全ての相の電流を検出していることを特徴とする。
請求項18に記載の駆動力制御装置は、請求項1乃至17に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記制御手段は、前記後段交流モータの少なくとも1つの相の電流の大きさ又は極性を検出していることを特徴とする。
請求項19に記載の駆動力制御装置は、請求項1乃至18に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記後段交流モータのいずれかの相が接続されている前記前段交流モータは、少なくとも1つが、交流電圧を供給されることでハイブリッド車を走行させるための駆動力を発生し、駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する走行用モータジェネレータであることを特徴とする。
請求項20に記載の駆動力制御装置は、請求項1乃至19に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記後段交流モータは、交流電圧を供給されることでコンプレッサを駆動するための駆動力を発生するコンプレッサ用モータ、又は、膨張機の発生する熱膨張による駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する熱回収用ジェネレータであることを特徴とする。
請求項21に記載の駆動力制御装置は、電池と前記電池の出力する直流電圧を昇圧する昇圧手段とからなる直流電源と、前記直流電源に接続され直流電圧を交流電圧に変換する直交変換手段と、いずれか1つの相が前記電池の正極端子に、それ以外の相が前記直交変換手段にそれぞれ接続され、交流電圧を供給されることで駆動力を発生し、駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する交流モータと、前記交流モータに交流電圧を供給するように前記直交変換手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
請求項22に記載の駆動力制御装置は、請求項21に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記直交変換手段は、直流電圧と交流電圧を双方向に変換する双方向直交変換手段であることを特徴とする。
請求項23に記載の駆動力制御装置は、請求項22に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記交流モータは、回転角度センサを備えておらず、前記制御手段は、前記交流モータに供給する交流電圧と流れる交流電流の位相差に基づいて前記双方向直交変換手段を制御することを特徴とする。
請求項24に記載の駆動力制御装置は、請求項22又は23に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記昇圧手段及び前記双方向直交変換手段は、それぞれスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子は、1つのモジュールで構成されていることを特徴とする。
請求項25に記載の駆動力制御装置は、請求項22乃至24に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記制御手段は、前記交流モータの少なくとも1つの相の電流の大きさ又は極性を検出していることを特徴とする。
請求項26に記載の駆動力制御装置は、請求項22乃至25に記載の駆動力制御装置において、さらに、前記交流モータは、ハイブリッド車に搭載され、交流電圧を供給されることでコンプレッサを駆動するための駆動力を発生するコンプレッサ用モータ、又は、膨張機の発生する熱膨張による駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する熱回収用ジェネレータであることを特徴とする。
請求項1に記載の駆動力制御装置によれば、直交変換手段で、前段交流モータに交流電圧を供給するとともに、前段交流モータの中性点に接続されている後段交流モータにも交流電圧を供給することができる。そのため、後段交流モータに交流電圧を供給する直交変換手段を個別に設けることなく後段交流モータを駆動し、駆動力を発生させることができる。従って、駆動力制御装置を小型化、低コスト化することができる。
請求項2に記載の駆動力制御装置によれば、双方向直交変換手段で、直流電源の出力する直流電圧を交流電圧に変換して、前段交流モータ及び後段交流モータに供給することができる。また、前段交流モータ及び後段交流モータの出力する交流電圧を直流電圧に変換して、直流電源に供給することができる。そのため、エネルギーを効率的に利用することができる。
請求項3に記載の駆動力制御装置によれば、1つの双方向直交変換手段で、1つの前段交流モータに交流電圧を供給するとともに、この前段交流モータの中性点に接続されている後段交流モータの1つの相にも確実に交流電圧を供給することができる。
請求項4に記載の駆動力制御装置によれば、2つの双方向直交変換手段で、2つの前段交流モータにそれぞれ交流電圧を供給するとともに、これらの前段交流モータの中性点に接続されている後段交流モータの2つの相にも確実に交流電圧を供給することができる。
請求項5に記載の駆動力制御装置によれば、3つの双方向直交変換手段で、3つの前段交流モータにそれぞれ交流電圧を供給するとともに、これらの前段交流モータの中性点に接続されている後段交流モータの3つの相にも確実に交流電圧を供給することができる。
請求項6に記載の駆動力制御装置によれば、後段交流モータに供給する交流電圧と流れる交流電流の位相差に基づいて双方向直交変換手段を制御することで、回転角度センサを備えていない後段交流モータを確実に制御することができる。
請求項7に記載の駆動力制御装置によれば、第1の直交変換手段で、前段交流モータに交流電圧を供給するとともに、前段交流モータの中性点に接続されている後段交流モータの相にも交流電圧を供給することができる。さらに、第2の直交変換手段で、前段交流モータの中性点に接続されていない後段交流モータの相に交流電圧を供給することができる。そのため、第2の直交変換手段で、後段交流モータの全ての相に交流電圧を供給する必要がなくなり、第2の直交変換手段を簡略化することができる。従って、駆動力制御装置を小型化、低コスト化することができる。
請求項8に記載の駆動力制御装置によれば、第1の双方向直交変換手段及び第2の双方向直交変換手段で、直流電源の出力する直流電圧を交流電圧に変換して、前段交流モータ及び後段交流モータに供給することができる。また、前段交流モータ及び後段交流モータの出力する交流電圧を直流電圧に変換して、直流電源に供給することができる。そのため、エネルギーを効率的に利用することができる。
請求項9に記載の駆動力制御装置によれば、後段交流モータに供給する交流電圧と流れる交流電流の位相差に基づいて第1の双方向直交変換手段及び第2の双方向直交変換手段を制御することで、回転角度センサを備えていない後段交流モータを確実に制御することができる。
請求項10に記載の駆動力制御装置によれば、昇圧手段及び第2の双方向直交変換手段のスイッチング素子を1つのモジュールで構成することで、駆動力制御装置をさらに小型化、低コスト化することができる。
請求項11に記載の駆動力制御装置によれば、後段交流モータにおいて、前段交流モータの中性点に接続した相と、所定点に接続した相の間の線間電圧を確実に交流電圧にすることができる。ところで、後段交流モータのいずれかの相が接続されている前段交流モータの中性点の電圧は、直流電源の出力する直流電圧より低い電圧を基準にした交流電圧である。そのため、後段交流モータのいずれか1つの相を直流電源の出力する直流電圧より低くすることで、後段交流モータの線間電圧を交流電圧にすることができる。
請求項12に記載の駆動力制御装置によれば、後段交流モータのいずれか1つの相を、直流電源の出力端子間にある直列接続された複数のコンデンサの接続点に接続することで、確実に直流電源の出力する直流電圧より低い電圧にすることができる。
請求項13に記載の駆動力制御装置によれば、後段交流モータのいずれか1つの相を、直流電源を構成する直列接続された複数の電池の接続点に接続することで、確実に直流電源の出力する直流電圧より低い電圧にすることができる。
請求項14に記載の駆動力制御装置によれば、後段交流モータのいずれか1つの相を、直流電源を構成する昇圧手段の前段に接続されている電池の正極端子に接続することで、確実に直流電源の出力する直流電圧より低い電圧にすることができる。
請求項15に記載の駆動力制御装置によれば、後段交流モータの制御性を向上させることができる。ところで、双方向直交変換手段は、前段交流モータに交流電圧を供給するとともに、前段交流モータの中性点を介して後段交流モータに交流電圧を供給している。そのため、後段交流モータが接続されている前段交流モータに比べ、後段交流モータの出力が小さい方が、後段交流モータの制御性を向上させることができる。
請求項16に記載の駆動力制御装置によれば、後段交流モータが故障した場合でも、切断手段で故障した後段交流モータを切断し、影響を受けることなく、前段交流モータを駆動させることができる。
請求項17に記載の駆動力制御装置によれば、後段交流モータが接続されている、少なくとも1つの前段交流モータの全相の電流を検出することで、後段交流モータに流れる相電流を検出することができる。そのため、後段交流モータを確実に制御することができる。
請求項18に記載の駆動力制御装置によれば、後段交流モータの少なくともいずれか1つの相の電流の大きさ又は極性を検出することで、後段交流モータを確実に制御することができる。
請求項19に記載の駆動力制御装置によれば、ハイブリッド車に搭載される走行用モータジェネレータを備えた駆動力制御装置を小型化、低コスト化することができる。
請求項20に記載の駆動力制御装置によれば、ハイブリッド車に搭載されるコンプレッサ用モータ又は熱回収用ジェネレータを備えた駆動力制御装置を小型化、低コスト化することができる。
請求項21に記載の駆動力制御装置によれば、交流モータのいずれか1つの相を、直流電源を構成する昇圧手段の前段に接続されている電池の正極端子に接続することで、直流電源の出力する直流電圧より低い電圧にすることができる。さらに、それ以外の相に、直交変換手段で、交流電圧を供給することができる。そのため、交流モータの線間電圧を確実に交流電圧にすることができる。従って、直交変換手段を簡素化でき、駆動力制御装置を小型化、低コスト化することができる。
請求項22に記載の駆動力制御装置によれば、双方向直交変換手段で、直流電源の出力する直流電圧を交流電圧に変換して、交流モータに供給することができる。また、交流モータの出力する交流電圧を直流電圧に変換して、直流電源に供給することができる。そのため、エネルギーを効率的に利用することができる。
請求項23に記載の駆動力制御装置によれば、交流モータに供給する交流電圧と流れる交流電流の位相差に基づいて双方向直交変換手段を制御することで、回転角度センサを備えていない交流モータを確実に制御することができる。
請求項24に記載の駆動力制御装置によれば、昇圧手段及び双方向直交変換手段のスイッチング素子を1つのモジュールで構成することで、駆動力制御装置をさらに小型化、低コスト化することができる。
請求項25に記載の駆動力制御装置によれば、交流モータの少なくともいずれか1つの相の電流の大きさ又は極性を検出することで、後段交流モータを確実に制御することができる。
請求項26に記載の駆動力制御装置によれば、ハイブリッド車に搭載されるコンプレッサ用モータ又は熱回収用ジェネレータを含む駆動力制御装置を小型化、低コスト化することができる。
本実施形態は、本発明に係る駆動力制御装置を、ハイブリッド車に搭載され、駆動輪に駆動力を供給する走行用モータジェネレータと、空調用のコンプレッサを駆動するコンプレッサ用モータとを制御して駆動力を発生させる車両用駆動力制御装置に適用した例を示す。
(第1実施形態)
第1実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を図1に、走行用モータジェネレータの相電圧波形を図2に、コンプレッサ用モータの線間電圧波形と相電流波形を図3に示す。そして、図1、図2及び図3を参照して、構成、動作、効果の順で具体的に説明する。
まず、具体的構成について説明する。図1に示すように、車両用駆動力制御装置1(駆動力制御装置)は、直流電源10と、3相インバータ11、12(双方向直交変換手段)と、走行用モータジェネレータ13、14(前段交流モータ)と、コンプレッサ用モータ15(後段交流モータ)と、リレー16(切断手段)と、制御装置17(制御手段)とから構成されている。
直流電源10は、高圧の直流電圧を出力する回路である。直流電源10は、組電池100と、昇降圧回路101とから構成されている。
組電池100は、充放電可能な複数のバッテリ100aを直列接続して構成されている。組電池100の正極端子と負極端子は、昇降圧回路101に接続されている。
昇降圧回路101は、制御装置17によって制御され、組電池100の出力する直流電圧を昇圧して3相インバータ11、12に供給する回路である。また、3相インバータ11、12の出力する直流電圧を降圧して組電池100を充電する回路でもある。昇降圧回路101は、リアクトル101aと、昇降圧用IGBT101b、101cと、フライホイールダイオード101d、101eと、平滑用コンデンサ101f、101g(コンデンサ)とから構成されている。
リアクトル101aは、電流が流れることで磁気エネルギーを蓄積、放出するとともに、電圧を誘起する素子である。リアクトル101aの一端は組電池101の正極端子に、他端は後述する昇降圧用IGBT101b、101cの接続点にそれぞれ接続されている。
昇降圧用IGBT101b、101cは、オン、オフすることで、リアクトル101aに磁気エネルギーを蓄積させるとともに、蓄積された磁気エネルギーを放出させるためのスイッチング素子である。昇降圧用IGBT101b、101cは直列接続されている。直列接続された昇降圧用IGBT101b、101cの内、昇降圧用IGBT101bのコレクタと昇降圧用IGBT101cのエミッタは、3相インバータ11、12にそれぞれ接続されている。また、昇降圧用IGBT101b、101cのゲートは、制御装置17にそれぞれ接続されている。さらに、昇降圧用IGBT101b、101cの接続点は、リアクトル101aの他端に接続されている。
フライホイールダイオード101d、101eは、昇降圧用IGBT101b又は昇降圧用IGBT101cがオフし、リアクトル101aに蓄積された磁気エネルギーが放出されるときに発生する電流を流すための素子である。フライホイールダイオード101d、101eのアノードは昇降圧用IGBT101b、101cのエミッタに、カソードは昇降圧用IGBT101b、101cのコレクタにそれぞれ接続されている。
平滑用コンデンサ101f、101gは、昇降圧回路101の出力する昇圧された直流電圧を平滑する素子である。また、3相インバータ11、12の出力する直流電圧を平滑する素子でもある。平滑用コンデンサ101f、101gは直列接続されている。直列接続された平滑用コンデンサ101f、101gの内、平滑用コンデンサ101fの一端は昇降圧用IGBT101bのコレクタに、平滑用コンデンサ101cの一端は昇降圧用IGBT101cのエミッタにそれぞれ接続されている。また、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aは、コンプレッサ用モータ15に接続されている。ここで、コンプレッサ用モータ15に接続されている平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aの電圧は、直流電源10の出力電圧が平滑用コンデンサ101f、101gで分圧されるため、直流電源10の出力電圧より低い電圧になっている。
3相インバータ11は、制御装置17によって制御され、走行用モータジェネレータ13が力行状態のとき、直流電源10の供給する昇圧された直流電圧を交流電圧に変換して、走行用モータジェネレータ13に供給する回路である。また、逆に、走行用モータジェネレータ13が回生状態のとき、走行用モータジェネレータ13の発生する交流電圧を直流電圧に変換して、直流電源10に出力する回路でもある。3相インバータ11は、インバータ用IGBT11a〜11fと、フライホイールダイオード11g〜11lとから構成されている。
インバータ用IGBT11a〜11fは、オン、オフすることで、直流電圧を交流電圧に変換するためのスイッチング素子である。インバータ用IGBT11a〜11fは三相ブリッジ接続されている。3相インバータ11の上側にある3つのインバータ用IGBT11a〜11cのコレクタは昇降圧用IGBT101bのコレクタに、下側にある3つのインバータ用IGBT11d〜11fのエミッタは昇降圧用IGBT101cのエミッタにそれぞれ接続されている。また、インバータ用IGBT11a〜11fのゲートは、制御装置17にそれぞれ接続されている。さらに、インバータ用IGBT11a、11dの接続点、インバータ用IGBT11b、11eの接続点及びインバータ用IGBT11c、11fの接続点は、走行用モータジェネレータ13にそれぞれ接続されている。
フライホイールダイオード11g〜11lは、整流することで、交流電圧を直流電圧に変換するための素子である。フライホイールダイオード11g〜11lのアノードはインバータ用IGBT11a〜11fのエミッタに、カソードはインバータ用IGBT11a〜11fのコレクタにそれぞれ接続されている。
3相インバータ12は、制御装置17によって制御され、走行用モータジェネレータ14が力行状態のとき、直流電源10の供給する昇圧された直流電圧を交流電圧に変換して、走行用モータジェネレータ14に供給する回路である。また、逆に、走行用モータジェネレータ14が回生状態のとき、走行用モータジェネレータ14の発生する交流電圧を直流電圧に変換して、直流電源10に出力する回路でもある。3相インバータ12は、インバータ用IGBT12a〜12fと、フライホイールダイオード12g〜12lとから構成されている。ここで、3相インバータ12の構成は、3相インバータ11の構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。
走行用モータジェネレータ13は、3相インバータ11を介して交流電圧を供給されることでハイブリッド車の駆動輪を駆動する駆動力を発生し、逆に、ハイブリッド車の駆動輪から駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する、例えば、3相同期モータである。走行用モータジェネレータ13は、電機子相巻線13a〜13cと、回転角度センサ13dとから構成されている。
電機子相巻線13a〜13cは、電圧が印加され電流が流れることで駆動力を発生するための磁束を発生し、逆に、鎖交する磁束が変化することで電圧を発生する巻線である。電機子相巻線13a〜13cの一端は共通接続され、電機子相巻線13a〜13cの他端はインバータ用IGBT11a、11dの接続点、インバータ用IGBT11b、11eの接続点及びインバータ用IGBT11c、11fの接続点にそれぞれ接続されている。また、走行用モータジェネレータ13の中性点である電機子相巻線13a〜13cの共通接続点は、リレー16を介してコンプレッサ15に接続されている。
回転角度センサ13dは、走行用モータジェネレータ13の回転角度を検出するセンサであり、制御装置17に接続されている。
走行用モータジェネレータ14は、3相インバータ12を介して交流電圧を供給されることでハイブリッド車の駆動輪を駆動する駆動力を発生し、逆に、ハイブリッド車の駆動輪から駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する、例えば、3相同期モータである。走行用モータジェネレータ14は、電機子相巻線14a〜14cと、回転角度センサ14dとから構成されている。ここで、走行用モータジェネレータ14の構成は、走行用モータジェネレータ13の構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。なお、走行用モータジェネレータ14の中性点である電機子相巻線14a〜14cの共通接続点は、リレー16を介してコンプレッサ15に接続されている。
コンプレッサ用モータ15は、交流電圧を供給されることで空調用コンプレッサを駆動する駆動力を発生する、走行用モータジェネレータ13、14より出力の小さい、例えば、3相同期モータである。コンプレッサ用モータ15は、電機子相巻線15a〜15cを備えている。しかし、走行用モータジェネレータ13、14のような回転角度センサは備えていない。
電機子相巻線15a〜15cは、電圧が印加され電流が流れることで駆動力を発生するための磁束を発生し、逆に、鎖交する磁束が変化することで電圧を発生する巻線である。電機子相巻線15a〜15cの一端は共通接続されている。また、電機子相巻線15aの他端はリレー16を介して走行用モータジェネレータ13の中性点に、電機子相巻線15bの他端はリレー16を介して走行用モータジェネレータ14の中性点にそれぞれ接続されている。さらに、電機子相巻線15cの他端は、直流電源10を構成する平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aに接続されている。
リレー16は、制御装置17によって制御され、走行用モータジェネレータ13、14の中性点に、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a、15bを接続、切断する素子である。リレー16は2つの接点16a、16bを備えている。接点16aの一端は走行用モータジェネレータ13の中性点に、他端はコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15aの他端にそれぞれ接続されている。接点16bの一端は走行用モータジェネレータ14の中性点に、他端はコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15bの他端にそれぞれ接続されている。また、リレー16の制御端子は制御装置17に接続されている。
制御装置17は、走行用モータジェネレータ13、14に交流電圧を供給するように3相インバータ11、12を制御する装置である。また、コンプレッサ用モータ15が接続された走行用モータジェネレータ13、14の中性点の電圧が交流電圧となるように3相インバータ11、12を制御する装置でもある。制御装置17は、電流センサ17a、17bを備えている。制御装置17の入力端子は、回転角度センサ13d、14dの出力端子と、電流センサ17a、17bの出力端子にそれぞれ接続されている。また、出力端子は、昇降圧用IGBT101b、101cのゲートと、インバータ用IGBT11a〜11f、12a〜12fのゲートと、リレー16の制御端子にそれぞれ接続されている。
電流センサ17a、17bは、走行用モータジェネレータ13、14の電機子相巻線13a〜13c、14a〜14cに流れる相電流を検出するセンサである。電流センサ17a、17bの出力端子は制御装置17にそれぞれ接続されている。
次に、具体的動作について説明する。ハイブリッド車は、エンジンの運転効率が高い定速走行時には、エンジンの駆動力により走行する。これに対して、エンジンの運転効率が低い始動時及びフル加速時には、走行用モータジェネレータ13、14の駆動力を利用して走行する。
制御装置17は、回転角度センサ13d、14dの検出した回転角度に基づいて、3相インバータ11、12を介して、走行用モータジェネレータ13、14に、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aの電位を基準にした3相交流電圧を供給する。3相交流電圧が供給されることで、走行用モータジェネレータ13、14の電機子相巻線13a〜13c、14a〜14cに3相交流電流が流れ、走行用モータジェネレータ13、14は駆動力を発生する。
このとき、空調用コンプレッサのスイッチ(図略)がオンされると、制御装置17は、図2(a)に示すように、3相インバータ11を介して走行用モータジェネレータ13に供給されている3相交流電圧に、別の交流電圧を重畳させる。また、図2(b)に示すように、3相インバータ12を介して走行用モータジェネレータ14に供給されている3相交流電圧に、走行用モータジェネレータ13において重畳された交流電圧に対して、電気角で60°位相のずれた別の交流電圧を重畳させる。これにより、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a、15bが接続されている走行用モータジェネレータ13、14の中性点の電圧は、重畳された交流電圧となる。重畳された交流電圧は、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aの電位を基準にして、所定振幅、所定周波数になるように制御されている。
コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cは、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aに接続されているため、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15c間の電圧である線間電圧は、図3(a)に示すように、3相交流電圧となる。3相交流電圧が供給されることで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cには、図3(b)に示すように、3相交流電流が流れ、コンプレッサ用モータ15は駆動力を発生する。
制御装置17は、電流センサ17aによって検出される走行用モータジェネレータ13の電機子相巻線13a〜13cに流れる相電流から、走行用モータジェネレータ13の中性点を介してコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15aに流れる相電流を検出する。また、電流センサ17bによって検出される走行用モータジェネレータ14の電機子相巻線14a〜14cに流れる相電流から、走行用モータジェネレータ14の中性点を介してコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15bに流れる相電流を検出する。さらに、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a、15bに流れる相電流から電機子相巻線15cに流れる相電流を検出する。
制御装置17は、3相インバータ11、12を介して走行用モータジェネレータ13、14に供給されている3相交流電圧に重畳される交流電圧の周波数を調整し、コンプレッサ用モータ15の回転数を制御する。また、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aの電位を基準にして、3相インバータ11、12から走行用モータジェネレータ13、14の中性点を介して供給されるコンプレッサ用モータ15の線間電圧と、電流センサ17a、17bに基づいて検出された相電流の位相差が所定の位相差になるように、重畳される交流電圧の振幅を調整し、コンプレッサ用モータ15の効率を制御する。
ここで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cのいずれかで、例えば、漏電が発生した場合、制御装置17は、電流センサ17a、17bに基づいて検出された相電流から、コンプレッサ用モータ15の故障を検出する。コンプレッサ用モータ15の故障が検出されると、制御装置17は、リレー16の接点16a、16bをオフし、走行用モータジェネレータ13、14からコンプレッサ用モータ15を切断する。
最後に、具体的効果について説明する。第1実施形態によれば、3相インバータ11、12で、走行用モータジェネレータ13、14にそれぞれ3相交流電圧を供給するとともに、走行用モータジェネレータ13、14の中性点に接続されているコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a、15bにも交流電圧を供給することができる。そのため、コンプレッサ用モータ15に3相交流電圧を供給する3相インバータを個別に設けることなくコンプレッサ用モータ15を駆動し、駆動力を発生させることができる。従って、車両用駆動力制御装置1を小型化、低コスト化することができる。
第1実施形態によれば、3相インバータ11、12で、直流電源10の出力する直流電圧を交流電圧に変換して、走行用モータジェネレータ13、14及びコンプレッサ用モータ15に供給することができる。また、走行用モータジェネレータ13、14及びコンプレッサ用モータ15の出力する交流電圧を直流電圧に変換して、直流電源10に供給し昇降圧回路101を介してバッテリ100aを充電することができる。そのため、エネルギーを効率的に利用することができる。
第1実施形態によれば、コンプレッサ用モータ15に供給される線間電圧と流れる相電流の位相差に基づいて3相インバータ11、12を制御することで、回転角度センサを備えていないコンプレッサ用モータ15を確実に制御することができる。
第1実施形態によれば、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cを直流電源10の出力電圧より低い電圧である平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aに接続することで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cの間の線間電圧を確実に交流電圧にすることができる。ところで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a、15bが接続される走行用モータジェネレータ13、14の中性点の電圧は、直流電源10の出力電圧より低い、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aの電位を基準にした交流電圧である。そのため、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cを平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aに接続することで、コンプレッサ用モータ15の線間電圧を確実に交流電圧にすることができる。
第1実施形態によれば、コンプレッサ用モータ15の出力を走行用モータジェネレータ13、14より小さくすることで、コンプレッサ用モータ15の制御性を向上させることができる。ところで、3相インバータ11、12は、走行用モータジェネレータ13、14に3相交流電圧を供給するとともに、走行用モータジェネレータ13、14の中性点を介してコンプレッサ用モータ15にも交流電圧を供給している。そのため、コンプレッサ用モータ15が接続されている走行用モータジェネレータ13、14に比べ、コンプレッサ用モータ15の出力が小さい方が、コンプレッサ用モータ15の制御性を向上させることができる。
第1実施形態によれば、コンプレッサ用モータ15が故障した場合でも、リレー16によって故障したコンプレッサ用モータ15を切断することで、故障の影響を受けることなく、走行用モータジェネレータ13、14を駆動させることができる。
第1実施形態によれば、コンプレッサ用モータ15が接続されている、走行用モータジェネレータ13の全相の電流を検出することで、コンプレッサ用モータ15に流れる相電流を検出することができる。そのため、コンプレッサ用モータ15を確実に制御することができる。
第1実施形態によれば、ハイブリッド車に搭載される走行用モータジェネレータ13、14及びコンプレッサ用モータ15を備えた車両用駆動力制御装置1を小型化、低コスト化することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を図4に示す。そして、図4を参照して、構成、動作、効果の順で具体的に説明する。ここでは、第1実施形態における車両用駆動力制御装置との相違部分である直流電源についてのみ説明し、共通する部分については、必要とされる箇所以外説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
まず、具体的構成について説明する。図4に示すように、車両用駆動力制御装置1は、第1実施形態における車両用駆動力制御装置1において、昇圧回路101を平滑用コンデンサ102に置換えるとともに、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aに接続されていた電機子相巻線15cの他端を、直列接続された複数のバッテリ100aの接続点に接続したものである。
直流電源10は、高圧の直流電圧を出力する回路である。直流電源10は、組電池100と、平滑用コンデンサ102とから構成されている。
組電池100は、3相インバータ11、12に高圧の直流電圧を供給する電池である。組電池100は、充放電可能な複数のバッテリ100a(電池)を直列接続して構成されている。組電池100の正極端子は3相インバータ11、12の上側にある3つのインバータ用IGBT11a〜11c、12a〜12cのコレクタにそれぞれ接続されている。また、負極端子は3相インバータ11、12の下側にある3つのインバータ用IGBT11d〜11f、12d〜12fのエミッタにそれぞれ接続されている。さらに、直列接続された複数のバッテリ100aの接続点の内、1つの接続点Bが、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cに接続されている。ここで、直列接続された複数のバッテリ100aの接続点の内、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cに接続されている接続点Bの電圧は、組電池100の出力電圧、つまり、直流電源10の出力電圧より低い電圧になっている。
平滑用コンデンサ102は、組電池100の出力する高圧の直流電圧を平滑する素子である。また、3相インバータ11、12の出力する直流電圧を平滑する素子でもある。平滑用コンデンサ102の一端は組電池100の正極端子に、他端は組電池100の負極端子にそれぞれ接続されている。
ところで、車両用駆動力制御装置1は、第1実施形態における車両用駆動力制御装置1において、制御装置17が、3相インバータ11、12を介して走行用モータジェネレータ13、14に供給する3相交流電圧の基準にしていた平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aの電位を、直列接続された複数のバッテリ100aの接続点の内、接続点Bの電位に置換えたものであり、その動作は第1実施形態における動作と同一である。そのため、具体的動作についての説明は省略する。
最後に、具体的効果について説明する。第2実施形態によれば、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cを、直列接続された複数のバッテリ100aの接続点の内、接続点Bに接続することで、確実に直流電源10の出力電圧より低い電圧にすることができる。そのため、コンプレッサ用モータ15の線間電圧を確実に交流電圧にすることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を図5に示す。そして、図5を参照して、構成、動作、効果の順で具体的に説明する。ここでは、第1実施形態における車両用駆動力制御装置との相違部分である直流電源についてのみ説明し、共通する部分については、必要とされる箇所以外説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
まず、具体的構成について説明する。図5に示すように、車両用駆動力制御装置1は、第1実施形態における車両用駆動力制御装置1において、昇圧回路101の平滑用コンデンサ101f、101gを平滑用コンデンサ102に置換えるとともに、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aに接続されていた電機子相巻線15cの他端を組電池100の正極端子Cに接続したものである。
直流電源10は、高圧の直流電圧を出力する回路である。直流電源10は、組電池100(電池)と、昇圧回路101とから構成されている。
組電池100は、充放電可能な複数のバッテリ100aを直列接続して構成されている。組電池100の正極端子Cと負極端子は、昇降圧回路101に接続されている。また、組電池100の正極端子Cは、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cの他端に接続されている。
昇降圧回路101は、制御装置17によって制御され、組電池100の出力する直流電圧を昇圧して3相インバータ11、12に供給する回路である。また、3相インバータ11、12の出力する直流電圧を降圧して組電池100を充電する回路でもある。昇降圧回路101は、リアクトル101aと、昇降圧用IGBT101b、101cと、フライホイールダイオード101d、101eと、平滑用コンデンサ101hとから構成されている。
リアクトル101aの一端は組電池101の正極端子Cに、昇降圧用IGBT101b、101cの接続点にそれぞれ接続されている。昇降圧用IGBT101b、101cは直列接続されている。直列接続された昇降圧用IGBT101b、101cの内、昇降圧用IGBT101bのコレクタと昇降圧用IGBT101cのエミッタは、3相インバータ11、12にそれぞれ接続されている。また、昇降圧用IGBT101b、101cのゲートは、制御装置17にそれぞれ接続されている。さらに、昇降圧用IGBT101b、101cの接続点は、リアクトル101aの他端に接続されている。フライホイールダイオード101d、101eのアノードは昇降圧用IGBT101b、101cのエミッタに、カソードは昇降圧用IGBT101b、101cのコレクタにそれぞれ接続されている。
平滑用コンデンサ101hは、昇降圧回路101の出力する昇圧された直流電圧を平滑する素子である。また、3相インバータ11、12の出力する直流電圧を平滑する素子でもある。平滑用コンデンサ101hの一端は昇降圧用IGBT101bのコレクタに、他端は昇降圧用IGBT101cのエミッタにそれぞれ接続されている。
ここで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cに接続されている組電池100の正極端子Cの電圧は、昇降圧回路101の出力電圧、つまり、直流電源10の出力電圧より低い電圧になっている。
ところで、車両用駆動力制御装置1は、第1実施形態における車両用駆動力制御装置1において、制御装置17が、3相インバータ11、12を介して走行用モータジェネレータ13、14に供給する3相交流電圧の基準にしていた平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aの電位を、組電池100の正極端子Cの電位に置換えたものであり、その動作は第1実施形態における動作と同一である。そのため、具体的動作についての説明は省略する。
最後に、具体的効果について説明する。第3実施形態によれば、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cを、昇降圧回路101の前段に接続されている組電池100の正極端子Cに接続することで、確実に直流電源10の出力する直流電圧より低い電圧にすることができる。そのため、コンプレッサ用モータ15の線間電圧を確実に交流電圧にすることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を図6に示す。そして、図6を参照して、構成、動作、効果の順で具体的に説明する。ここでは、第3実施形態における車両用駆動力制御装置との相違部分である直流電源、3相インバータ、走行用モータジェネレータ、コンプレッサ用モータ、リレー及び電流センサについてのみ説明し、共通する部分については、必要とされる箇所以外説明を省略する。なお、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
まず、具体的構成について説明する。図6に示すように、車両用駆動力制御装置1は、第3実施形態における車両用駆動力制御装置1において、3相インバータ18及び走行用モータジェネレータ19を追加するとともに、組電池100の正極端子Cに接続されていた電機子相巻線15cの他端を、リレー16の追加した接点16cを介して走行用モータジェネレータ19の中性点に接続したものである。
車両用駆動力制御装置1(駆動力制御装置)は、直流電源10と、3相インバータ11、12、18(双方向直交変換手段)と、走行用モータジェネレータ13、14、19(前段交流モータ)と、コンプレッサ用モータ15(後段交流モータ)と、リレー16(切断手段)と、制御装置17(制御手段)とから構成されている。
直流電源10は、高圧の直流電圧を出力する回路である。直流電源10は、組電池100と、昇降圧回路101とから構成されている。
組電池100は、充放電可能な複数のバッテリ100aを直列接続して構成されている。組電池100の正極端子と負極端子は、昇降圧回路101に接続されている。
昇降圧回路101は、リアクトル101aと、昇降圧用IGBT101b、101cと、フライホイールダイオード101d、101eと、平滑用コンデンサ101hとから構成されている。昇降圧回路101の構成は、第3実施形態における昇降圧回路101の構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。
3相インバータ18は、制御装置17によって制御され、走行用モータジェネレータ19が力行状態のとき、直流電源10の供給する昇圧された直流電圧を交流電圧に変換して、走行用モータジェネレータ19に供給する回路である。また、逆に、走行用モータジェネレータ19が回生状態のとき、走行用モータジェネレータ19の発生する交流電圧を直流電圧に変換して、直流電源10に出力する回路でもある。3相インバータ18は、インバータ用IGBT18a〜18fと、フライホイールダイオード18g〜18lとから構成されている。ここで、3相インバータ18の構成は、3相インバータ11、12の構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。
走行用モータジェネレータ19は、3相インバータ18を介して交流電圧を供給されることでハイブリッド車の駆動輪を駆動する駆動力を発生し、逆に、ハイブリッド車の駆動輪から駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する、例えば、3相同期モータである。走行用モータジェネレータ19は、電機子相巻線19a〜19cと、回転角度センサ19dとから構成されている。ここで、走行用モータジェネレータ19の構成は、走行用モータジェネレータ13、14の構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。なお、走行用モータジェネレータ19の中性点である電機子相巻線19a〜19cの共通接続点は、リレー16を介してコンプレッサ15に接続されている。
コンプレッサ用モータ15は、交流電圧を供給されることで空調用コンプレッサを駆動する駆動力を発生する、走行用モータジェネレータ13、14、19より出力の小さい、例えば、3相同期モータである。コンプレッサ用モータ15は、電機子相巻線15a〜15cを備えている。しかし、走行用モータジェネレータ13、14、19のような回転角度センサは備えていない。
電機子相巻線15a〜15cは、電圧が印加され電流が流れることで駆動力を発生するための磁束を発生し、逆に、鎖交する磁束が変化することで電圧を発生する巻線である。電機子相巻線15a〜15cの一端は共通接続されている。また、電機子相巻線15a〜15cの他端はリレー16を介して走行用モータジェネレータ13、14、19の中性点にそれぞれ接続されている。
リレー16は、制御装置17によって制御され、走行用モータジェネレータ13、14、19の中性点に、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a、15b、15cを接続、切断する素子である。リレー16は3つの接点16a〜16cを備えている。接点16a〜16cの一端は走行用モータジェネレータ13、14、19の中性点に、他端はコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cの他端にそれぞれ接続されている。また、リレー16の制御端子は制御装置17に接続されている。
制御装置17は、走行用モータジェネレータ13、14、19に交流電圧を供給するように3相インバータ11、12、19を制御する装置である。また、コンプレッサ用モータ15が接続された走行用モータジェネレータ13、14、19の中性点の電圧が交流電圧となるように3相インバータ11、12、18を制御する装置でもある。制御装置17は、電流センサ17c〜17eを備えている。制御装置17の入力端子は、回転角度センサ13d、14d、19dの出力端子と、電流センサ17c〜17eの出力端子にそれぞれ接続されている。また、出力端子は、昇降圧用IGBT101b、101cのゲートと、インバータ用IGBT11a〜11f、12a〜12f、19a〜19fのゲートと、リレー16の制御端子にそれぞれ接続されている。
電流センサ17c〜17eは、走行用モータジェネレータ13、14、19の電機子相巻線13a、13b、14a、14b、19a、19bに流れる相電流を検出するセンサである。電流センサ17c〜17eの出力端子は制御装置17にそれぞれ接続されている。
次に、具体的動作について説明する。ハイブリッド車は、エンジンの運転効率が高い定速走行時には、エンジンの駆動力により走行する。これに対して、エンジンの運転効率が低い始動時及びフル加速時には、走行用モータジェネレータ13、14、19の駆動力を利用して走行する。
制御装置17は、回転角度センサ13d、14d、19dの検出した回転角度に基づいて、3相インバータ11、12、18を介して、走行用モータジェネレータ13、14、19に、3相交流電圧を供給する。3相交流電圧が供給されることで、走行用モータジェネレータ13、14、19の電機子相巻線13a〜13c、14a〜14c、19a〜19cに3相交流電流が流れ、走行用モータジェネレータ13、14、19は駆動力を発生する。
このとき、空調用コンプレッサのスイッチ(図略)がオンされると、制御装置17は、3相インバータ11を介して走行用モータジェネレータ13に供給されている3相交流電圧に、別の交流電圧を重畳させる。また、3相インバータ12を介して走行用モータジェネレータ14に供給されている3相交流電圧に、走行用モータジェネレータ13において重畳された交流電圧に対して、電気角で60°位相のずれた別の交流電圧を重畳させる。さらに、3相インバータ18を介して走行用モータジェネレータ19に供給されている3相交流電圧に、走行用モータジェネレータ14において重畳された交流電圧に対して、電気角で60°位相のずれた別の交流電圧を重畳させる。これにより、コンプレッサ用モータの電機子相巻線15a〜15cが接続されている走行用モータジェネレータ13、14、19の中性点の電圧は、重畳された交流電圧となる。重畳された交流電圧は、所定振幅、所定周波数になるように制御されている。そのため、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cの線間電圧は、3相交流電圧となる。3相交流電圧が供給されることで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cには、3相交流電流が流れ、コンプレッサ用モータ15は駆動力を発生する。
制御装置17は、電流センサ17fによってコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cに流れる相電流の大きさ又は極性を検出する。
制御装置17は、3相インバータ11、12、18を介して走行用モータジェネレータ13、14、19に供給されている3相交流電圧に重畳される交流電圧の周波数を調整し、コンプレッサ用モータ15の回転数を制御する。また、3相インバータ11、12、18から走行用モータジェネレータ13、14、19の中性点を介して供給されるコンプレッサ用モータ15の線間電圧と、電流センサ17fによって検出された相電流の位相差が所定の位相差になるように、重畳される交流電圧の振幅を調整し、コンプレッサ用モータ15の効率を制御する。
ここで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cのいずれかで、例えば、漏電が発生した場合、制御装置17は、電流センサ17fによって検出された相電流から、コンプレッサ用モータ15の故障を検出する。コンプレッサ用モータ15の故障が検出されると、制御装置17は、リレー16の接点16a〜16cをオフし、走行用モータジェネレータ13、14、19からコンプレッサ用モータ15を切断する。
最後に、具体的効果について説明する。第4実施形態によれば、電流センサ17fによって、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cの相電流の大きさ又は極性を検出することで、コンプレッサ用モータ15を確実に制御することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を図7に示す。そして、図7を参照して、構成、動作、効果の順で具体的に説明する。ここでは、第1実施形態における車両用駆動力制御装置との相違部分である単相インバータ、コンプレッサ用モータ、リレー及び制御装置についてのみ説明し、共通する部分については、必要とされる箇所以外説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
まず、具体的構成について説明する。図7に示すように、車両用駆動力制御装置1は、第1実施形態における車両用駆動力制御装置1において、3相インバータ12及び走行用モータジェネレータ14を単相インバータ20に置換えるとともに、リレー16を介して走行用モータジェネレータ14の中性点に接続されていた電機子相巻線15bの他端を、単相インバータ20に接続したものである。
車両用駆動力制御装置1(駆動力制御装置)は、直流電源10と、3相インバータ11(双方向直交変換手段、第1の双方向直交変換手段)と、走行用モータジェネレータ13(前段交流モータ)と、単相インバータ20(第2の双方向直交変換手段)と、コンプレッサ用モータ15(後段交流モータ)と、リレー16(切断手段)と、制御装置17(制御手段)とから構成されている。
単相インバータ20は、制御装置17によって制御され、直流電源10の供給する昇圧された直流電圧を単相交流電圧に変換して、コンプレッサ用モータ15の1つの相に供給する回路である。また、逆に、コンプレッサ用モータ15の発生する交流電圧を直流電圧に変換して、直流電源10に出力する回路でもある。単相インバータ20は、インバータ用IGBT20a、20bと、フライホイールダイオード20c、20dとから構成されている。
インバータ用IGBT20a、20bは、オン、オフすることで、直流電圧を交流電圧に変換するためのスイッチング素子である。インバータ用IGBT20a、20bは直列接続されている。直列接続されたインバータ用IGBT20a、20bの内、インバータ用IGBT20aのコレクタは昇降圧用IGBT101bのコレクタに、インバータ用IGBT20bのエミッタは昇降圧用IGBT101cのエミッタにそれぞれ接続されている。また、インバータ用IGBT20a、20bのゲートは、制御装置17にそれぞれ接続されている。さらに、インバータ用IGBT20a、20bの接続点は、コンプレッサ用モータ15にそれぞれ接続されている。
フライホイールダイオード20c、20dは、整流することで、交流電圧を直流電圧に変換するための素子である。フライホイールダイオード20c、20dのアノードはインバータ用IGBT20a、20bのエミッタに、カソードはインバータ用IGBT20a、20bのコレクタにそれぞれ接続されている。
コンプレッサ用モータ15は、交流電圧を供給されることで空調用コンプレッサを駆動する駆動力を発生する、走行用モータジェネレータ13より出力の小さい、例えば、3相同期モータである。コンプレッサ用モータ15は、電機子相巻線15a〜15cを備えている。しかし、走行用モータジェネレータ13のような回転角度センサは備えていない。
電機子相巻線15a〜15cは、電圧が印加され電流が流れることで駆動力を発生するための磁束を発生し、逆に、鎖交する磁束が変化することで電圧を発生する巻線である。電機子相巻線15a〜15cの一端は共通接続されている。また、電機子相巻線15aの他端はリレー16を介して走行用モータジェネレータ13の中性点に、電機子相巻線15bの他端は単相インバータ20を構成するインバータ用IGBT20a、20bの接続点にそれぞれ接続されている。さらに、電機子相巻線15cの他端は、直流電源10を構成する平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aに接続されている。
リレー16は、制御装置17によって制御され、走行用モータジェネレータ13の中性点に、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15aを接続、切断する素子である。リレー16は1つの接点16aを備えている。接点16aの一端は走行用モータジェネレータ13の中性点に、他端はコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15aの他端にそれぞれ接続されている。また、リレー16の制御端子は制御装置17に接続されている。
制御装置17は、走行用モータジェネレータ13に3相交流電圧を供給するとともに、コンプレッサ用モータ15が接続された走行用モータジェネレータ13の中性点の電圧が交流電圧となるように3相インバータ11を制御する装置である。また、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15bの電圧が交流電圧となるように単相インバータ20を制御する装置でもある。制御装置17は、電流センサ17aを備えている。制御装置17の入力端子は、回転角度センサ13dの出力端子と、電流センサ17aの出力端子にそれぞれ接続されている。また、出力端子は、昇降圧用IGBT101b、101cのゲートと、インバータ用IGBT11a〜11f、20a、20bのゲートと、リレー16の制御端子にそれぞれ接続されている。
電流センサ17aは、走行用モータジェネレータ13の電機子相巻線13a〜13cに流れる相電流を検出するセンサである。電流センサ17aの出力端子は制御装置17に接続されている。
次に、具体的動作について説明する。ハイブリッド車は、エンジンの運転効率が高い定速走行時には、エンジンの駆動力により走行する。これに対して、エンジンの運転効率が低い始動時及びフル加速時には、走行用モータジェネレータ13の駆動力を利用して走行する。
制御装置17は、回転角度センサ13dの検出した回転角度に基づいて、3相インバータ11を介して、走行用モータジェネレータ13に、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aの電位を基準にした3相交流電圧を供給する。3相交流電圧が供給されることで、走行用モータジェネレータ13の電機子相巻線13a〜13cに3相交流電流が流れ、走行用モータジェネレータ13は駆動力を発生する。
このとき、空調用コンプレッサのスイッチ(図略)がオンされると、制御装置17は、3相インバータ11を介して走行用モータジェネレータ13に供給されている3相交流電圧に、別の交流電圧を重畳させる。これにより、コンプレッサ用モータの電機子相巻線15aが接続されている走行用モータジェネレータ13の中性点の電圧は、重畳された交流電圧となる。重畳された交流電圧は、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aの電位を基準にして、所定振幅、所定周波数になるように制御されている。また、制御装置17は、単相インバータ20を介して、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15bに、走行用モータジェネレータ13において重畳された交流電圧に対して、電気角で60°位相のずれた交流電圧を供給させる。この交流電圧も、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aの電位を基準にして、所定振幅、所定周波数になるように制御されている。
コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cは、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aに接続されているため、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cの線間電圧は、3相交流電圧となる。3相交流電圧が供給されることで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cには、3相交流電流が流れ、コンプレッサ用モータ15は駆動力を発生する。
制御装置17は、電流センサ17aによって検出される走行用モータジェネレータ13の電機子相巻線13a〜13cに流れる相電流から、走行用モータジェネレータ13の中性点を介してコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15aに流れる相電流を検出する。
制御装置17は、3相インバータ11を介して走行用モータジェネレータ13に供給されている3相交流電圧に重畳される交流電圧及び単相インバータ20から供給される交流電圧の周波数を調整し、コンプレッサ用モータ15の回転数を制御する。また、平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aの電位を基準にして、3相インバータ11及び単相インバータ20から供給されるコンプレッサ用モータ15の線間電圧と、電流センサ17aに基づいて検出された相電流の位相差が所定の位相差になるように、重畳される交流電圧の振幅を調整し、コンプレッサ用モータ15の効率を制御する。
ここで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cのいずれかで、例えば、漏電が発生した場合、制御装置17は、電流センサ17aに基づいて検出された相電流から、コンプレッサ用モータ15の故障を検出する。コンプレッサ用モータ15の故障が検出されると、制御装置17は、リレー16の接点16aをオフし、走行用モータジェネレータ13からコンプレッサ用モータ15を切断する。
最後に、具体的効果について説明する。第5実施形態によれば、3相インバータ11で、走行用モータジェネレータ13に3相交流電圧を供給するとともに、走行用モータジェネレータ13の中性点に接続されているコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15aにも交流電圧を供給することができる。また、単相インバータ20で、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15bに交流電圧を供給することができる。さらに、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cを平滑用コンデンサ101f、101gの接続点Aに接続することで、直流電源10の出力電圧より低い電圧にすることができる。これにより、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cの間の線間電圧を確実に交流電圧にすることができる。そのため、コンプレッサ用モータ15に3相交流電圧を供給する3相インバータを個別に設けることなく、より簡素な構成の単相インバータ20でコンプレッサ用モータ15を駆動し、駆動力を発生させることができる。従って、車両用駆動力制御装置1を小型化、低コスト化することができる。
第5実施形態によれば、3相インバータ11及び単相インバータ20で、直流電源10の出力する直流電圧を交流電圧に変換して、走行用モータジェネレータ13及びコンプレッサ用モータ15に供給することができる。また、走行用モータジェネレータ13及びコンプレッサ用モータ15の出力する交流電圧を直流電圧に変換して、直流電源10に供給し昇降圧回路101を介してバッテリ100aを充電することができる。そのため、エネルギーを効率的に利用することができる。
第5実施形態によれば、コンプレッサ用モータ15に供給される線間電圧と流れる相電流の位相差に基づいて3相インバータ11及び単相インバータ20を制御することで、回転角度センサを備えていないコンプレッサ用モータ15を確実に制御することができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を図8に示す。そして、図8を参照して、構成、動作、効果の順で具体的に説明する。ここでは、第4実施形態における車両用駆動力制御装置との相違部分である2相インバータ、コンプレッサ用モータ、リレー及び制御装置についてのみ説明し、共通する部分については、必要とされる箇所以外説明を省略する。なお、第4実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
まず、具体的構成について説明する。図8に示すように、車両用駆動力制御装置1は、第4実施形態における車両用駆動力制御装置1において、3相インバータ12、18及び走行用モータジェネレータ14、19を2相インバータ21に置換えるとともに、リレー16を介して走行用モータジェネレータ14、19の中性点に接続されていた電機子相巻線15b、15cの他端を、2相インバータ21に接続したものである。
車両用駆動力制御装置1(駆動力制御装置)は、直流電源10と、3相インバータ11(双方向直交変換手段、第1の双方向直交変換手段)と、走行用モータジェネレータ13(前段交流モータ)と、2相インバータ21(第2の双方向直交変換手段)と、コンプレッサ用モータ15(後段交流モータ)と、リレー16(切断手段)と、制御装置17(制御手段)とから構成されている。
2相インバータ21は、制御装置17によって制御され、直流電源10の供給する昇圧された直流電圧を2相交流電圧に変換して、コンプレッサ用モータ15の2つの相に供給する回路である。また、逆に、コンプレッサ用モータ15の発生する交流電圧を直流電圧に変換して、直流電源10に出力する回路でもある。2相インバータ21は、インバータ用IGBT21a〜21dと、フライホイールダイオード21e〜21hとから構成されている。
インバータ用IGBT21a〜21dは、オン、オフすることで、直流電圧を交流電圧に変換するためのスイッチング素子である。インバータ用IGBT21a〜21dは二相ブリッジ接続されている。2相インバータ21の上側にある2つのインバータ用IGBT21a、21bのコレクタは昇降圧用IGBT101bのコレクタに、下側にある2つのインバータ用IGBT21c、21dのエミッタは昇降圧用IGBT101cのエミッタにそれぞれ接続されている。また、インバータ用IGBT21a〜21dのゲートは、制御装置17にそれぞれ接続されている。さらに、インバータ用IGBT21a、21cの接続点及びインバータ用IGBT21b、21dの接続点は、コンプレッサ用モータ15にそれぞれ接続されている。ここで、インバータ用IGBT21a〜21dと昇降圧用IGBT101b、101cは、1つのモジュールで構成されている。
フライホイールダイオード21e〜21hは、整流することで、交流電圧を直流電圧に変換するための素子である。フライホイールダイオード21e〜21hのアノードはインバータ用IGBT21a〜21dのエミッタに、カソードはインバータ用IGBT21a〜21dのコレクタにそれぞれ接続されている。
コンプレッサ用モータ15は、交流電圧を供給されることで空調用コンプレッサを駆動する駆動力を発生する、走行用モータジェネレータ13より出力の小さい、例えば、3相同期モータである。コンプレッサ用モータ15は、電機子相巻線15a〜15cを備えている。しかし、走行用モータジェネレータ13のような回転角度センサは備えていない。
電機子相巻線15a〜15cは、電圧が印加され電流が流れることで駆動力を発生するための磁束を発生し、逆に、鎖交する磁束が変化することで電圧を発生する巻線である。電機子相巻線15a〜15cの一端は共通接続されている。また、電機子相巻線15aの他端はリレー16を介して走行用モータジェネレータ13の中性点に接続されている。さらに、電機子相巻線15b、15cの他端は、2相インバータ21を構成するインバータ用IGBT21a、21cの接続点とインバータ用IGBT21b、21dの接続点にそれぞれ接続されている。
リレー16は、制御装置17によって制御され、走行用モータジェネレータ13の中性点に、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15aを接続、切断する素子である。リレー16は1つの接点16aを備えている。接点16aの一端は走行用モータジェネレータ13の中性点に、他端はコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15aの他端にそれぞれ接続されている。また、リレー16の制御端子は制御装置17に接続されている。
制御装置17は、走行用モータジェネレータ13に3相交流電圧を供給するとともに、コンプレッサ用モータ15が接続された走行用モータジェネレータ13の中性点の電圧が交流電圧となるように3相インバータ11を制御する装置である。また、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15b、15cの電圧が交流電圧となるように2相インバータ21を制御する装置でもある。制御装置17は、電流センサ17c、17fを備えている。制御装置17の入力端子は、回転角度センサ13dの出力端子と、電流センサ17c、17fの出力端子にそれぞれ接続されている。また、出力端子は、昇降圧用IGBT101b、101cのゲートと、インバータ用IGBT11a〜11f、21a〜21dのゲートと、リレー16の制御端子にそれぞれ接続されている。
電流センサ17cは、走行用モータジェネレータ13の電機子相巻線13a、13bに流れる相電流を検出するセンサである。電流センサ17fは、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cに流れる相電流を検出するセンサである。電流センサ17c、17fの出力端子は制御装置17にそれぞれ接続されている。
次に、具体的動作について説明する。ハイブリッド車は、エンジンの運転効率が高い定速走行時には、エンジンの駆動力により走行する。これに対して、エンジンの運転効率が低い始動時及びフル加速時には、走行用モータジェネレータ13の駆動力を利用して走行する。
制御装置17は、回転角度センサ13dの検出した回転角度に基づいて、3相インバータ11を介して、走行用モータジェネレータ13に、3相交流電圧を供給する。3相交流電圧が供給されることで、走行用モータジェネレータ13の電機子相巻線13a〜13cに3相交流電流が流れ、走行用モータジェネレータ13は駆動力を発生する。
このとき、空調用コンプレッサのスイッチ(図略)がオンされると、制御装置17は、3相インバータ11を介して走行用モータジェネレータ13に供給されている3相交流電圧に、別の交流電圧を重畳させる。これにより、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15aが接続されている走行用モータジェネレータ13の中性点の電圧は、重畳された交流電圧となる。重畳された交流電圧は、所定振幅、所定周波数になるように制御されている。また、制御装置17は、2相インバータ21を介して、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15b、15cに、走行用モータジェネレータ13において重畳された交流電圧に対して、電気角で60°、120°位相のずれた2相交流電圧を供給させる。この2相交流電圧も、所定振幅、所定周波数になるように制御されている。そのため、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cの線間電圧は、3相交流電圧となる。3相交流電圧が供給されることで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cには、3相交流電流が流れ、コンプレッサ用モータ15は駆動力を発生する。
制御装置17は、電流センサ17fによってコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cに流れる相電流の大きさ又は極性を検出する。
制御装置17は、3相インバータ11を介して走行用モータジェネレータ13に供給されている3相交流電圧に重畳される交流電圧及び2相インバータ21から供給される2相交流電圧の周波数を調整し、コンプレッサ用モータ15の回転数を制御する。また、3相インバータ11及び2相インバータ21から供給されるコンプレッサ用モータ15の線間電圧と、電流センサ17fによって検出された相電流の位相差が所定の位相差になるように、3相インバータ11から供給される重畳される交流電圧及び2相インバータ21から供給される2相交流電圧の振幅を調整し、コンプレッサ用モータ15の効率を制御する。
ここで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cのいずれかで、例えば、漏電が発生した場合、制御装置17は、電流センサ17fによって検出された相電流から、コンプレッサ用モータ15の故障を検出する。コンプレッサ用モータ15の故障が検出されると、制御装置17は、リレー16の接点16aをオフし、走行用モータジェネレータ13からコンプレッサ用モータ15を切断する。
最後に、具体的効果について説明する。第6実施形態によれば、昇降圧用IGBT101b、101cとインバータ用IGBT21a〜21dを1つのモジュールで構成することで、車両用駆動力制御装置1をさらに小型化、低コスト化することができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を図9に示す。そして、図9を参照して、構成、動作、効果の順で具体的に説明する。ここでは、第6実施形態における車両用駆動力制御装置との相違部分であるコンプレッサ用モータについてのみ説明し、共通する部分については、必要とされる箇所以外説明を省略する。なお、第6実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
まず、具体的構成について説明する。図9に示すように、車両用駆動力制御装置1は、第6実施形態における車両用駆動力制御装置1において、走行用モータジェネレータ13の中性点に接続されていた電機子相巻線15aの他端を、組電池100の正極端子Cに接続したものである。
車両用駆動力制御装置1(駆動力制御装置)は、直流電源10と、3相インバータ11と、走行用モータジェネレータ13と、2相インバータ21(双方向直交変換手段)と、コンプレッサ用モータ15(交流モータ)と、制御装置17(制御手段)とから構成されている。
コンプレッサ用モータ15は、交流電圧を供給されることで空調用コンプレッサを駆動する駆動力を発生する、走行用モータジェネレータ13より出力の小さい、例えば、3相同期モータである。コンプレッサ用モータ15は、電機子相巻線15a〜15cを備えている。しかし、走行用モータジェネレータ13のような回転角度センサは備えていない。
電機子相巻線15a〜15cは、電圧が印加され電流が流れることで駆動力を発生するための磁束を発生し、逆に、鎖交する磁束が変化することで電圧を発生する巻線である。電機子相巻線15a〜15cの一端は共通接続されている。また、電機子相巻線15aの他端は組電池100(電池)の正極端子Cに接続されている。
次に、具体的動作について説明する。ハイブリッド車は、エンジンの運転効率が高い定速走行時には、エンジンの駆動力により走行する。これに対して、エンジンの運転効率が低い始動時及びフル加速時には、走行用モータジェネレータ13の駆動力を利用して走行する。
制御装置17は、回転角度センサ13dの検出した回転角度に基づいて、3相インバータ11を介して、走行用モータジェネレータ13に、3相交流電圧を供給する。3相交流電圧が供給されることで、走行用モータジェネレータ13の電機子相巻線13a〜13cに3相交流電流が流れ、走行用モータジェネレータ13は駆動力を発生する。
このとき、空調用コンプレッサのスイッチ(図略)がオンされると、制御装置17は、2相インバータ21を介して、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15b、15cに、組電池100の正極端子Cの電位を基準にした、電気角で60°位相のずれた2相交流電圧を供給させる。この2相交流電圧は、所定振幅、所定周波数になるように制御されている。
コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15aは、組電池100の正極端子Cに接続されているため、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cの線間電圧は、3相交流電圧となる。3相交流電圧が供給されることで、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15a〜15cには、3相交流電流が流れ、コンプレッサ用モータ15は駆動力を発生する。
制御装置17は、電流センサ17fによってコンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cに流れる相電流の大きさ又は極性を検出する。
制御装置17は、2相インバータ21を介して供給される2相交流電圧の周波数を調整し、コンプレッサ用モータ15の回転数を制御する。また、組電池100の正極端子Cの電位を基準にして、2相インバータ21から供給されるコンプレッサ用モータ15の線間電圧と、電流センサ17fによって検出された相電流の位相差が所定の位相差になるように、2相インバータ21から供給される2相交流電圧の振幅を調整し、コンプレッサ用モータ15の効率を制御する。
最後に、具体的効果について説明する。第7実施形態によれば、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15aを、昇降圧回路101の前段に接続されている組電池100の正極端子Cに接続することで、直流電源10の出力電圧より低い電圧にすることができる。さらに、2相インバータ21で、電機子相巻線15b、15cに2相交流電圧を供給することができる。そのため、コンプレッサ用モータ15に3相交流電圧を供給する3相インバータを個別に設けることなく、より簡素な構成の2相インバータ21でコンプレッサ用モータ15を駆動し、駆動力を発生させることができる。従って、車両用駆動力制御装置1を小型化、低コスト化することができる。
第7実施形態によれば、2相インバータ21で、直流電源10の出力する直流電圧を交流電圧に変換して、コンプレッサ用モータ15に供給することができる。また、コンプレッサ用モータ15の出力する交流電圧を直流電圧に変換して、直流電源10に供給し昇降圧回路101を介してバッテリ100aを充電することができる。そのため、エネルギーを効率的に利用することができる。
第7実施形態によれば、コンプレッサ用モータ15に供給される線間電圧と、流れる相電流の位相差に基づいて2相インバータ21を制御することで、回転角度センサを備えていないコンプレッサ用モータ15を確実に制御することができる。
第7実施形態によれば、昇降圧用IGBT101b、101cと2相インバータ用IGBT21a〜21dを1つのモジュールで構成することで、車両用駆動力制御装置1をさらに小型化、低コスト化することができる。
第7実施形態によれば、電流センサ17fによって、コンプレッサ用モータ15の電機子相巻線15cの相電流の大きさ又は極性を検出することで、コンプレッサ用モータ15を確実に制御することができる。
第7実施形態によれば、ハイブリッド車に搭載されるコンプレッサ用モータ15を備えた車両用駆動力制御装置1を小型化、低コスト化することができる。
なお、上述した実施形態では、ハイブリッド車に搭載された走行用モータジェネレータとコンプレッサ用モータを制御して駆動力を発生させる車両用駆動力制御装置の例を挙げているが、これに限られるものではない。コンプレッサ用モータは、例えば、ハイブリッド車に搭載され、膨張機の発生する熱膨張による駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する熱回収用ジェネレータであってもよい。
第1実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を示す。 図1における走行用モータの相電圧波形を示す。 図1におけるコンプレッサ用モータの線間電圧波形と相電流波形を示す。 第2実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を示す。 第3実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を示す。 第4実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を示す。 第5実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を示す。 第6実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を示す。 第7実施形態における車両用駆動力制御装置の回路図を示す。
符号の説明
1・・・車両用駆動力制御装置、10・・・直流電源、100・・・組電池、100a・・・バッテリ、101・・・昇降圧回路、101a・・・リアクトル、101b、101c・・・昇降圧用IGBT、101d、101e・・・フライホイールダイオード、101f、101g、101h、102・・・平滑用コンデンサ、11、12、18・・・3相インバータ、11a〜11f、12a〜12f、18a〜18f、・・・インバータ用IGBT、11g〜11l、12g〜12l、18g〜18l、・・・フライホイールダイオード、13、14、19・・・走行用モータジェネレータ、13a〜13c、14a〜14c、19a〜19c・・・電機子相巻線、13d、14d、19d・・・回転角度センサ、15・・・コンプレッサ用モータ、15a〜15c・・・電機子相巻線、16・・・リレー、16a〜16c・・・接点、17・・・制御装置、17a〜17f ・・電流センサ、20・・・単相インバータ、20a、20b・・・インバータ用IGBT、20c、20d・・・フライホイールダイオード、21・・・2相インバータ、21a〜21d・・・インバータ用IGBT、21e〜21h・・・フライホイールダイオード

Claims (26)

  1. 直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源に接続され直流電圧を交流電圧に変換する直交変換手段と、前記直交変換手段に接続され交流電圧を供給されることで駆動力を発生し駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する前段交流モータと、いずれかの相が前記前段交流モータの中性点に接続され交流電圧を供給されることで駆動力を発生し駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する後段交流モータと、前記前段交流モータに交流電圧を供給するとともに前記前段交流モータの中性点の電圧が交流電圧となるように前記直交変換手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする駆動力制御装置。
  2. 前記直交変換手段は、直流電圧と交流電圧を双方向に変換する双方向直交変換手段であることを特徴とする請求項1記載の駆動力制御装置。
  3. 前記双方向直交変換手段及び前記前段交流モータは、少なくとも1組あり、
    前記後段交流モータは、いずれか1つの相が1つの前記前段交流モータに接続されていることを特徴とする請求項2記載の駆動力制御装置。
  4. 前記双方向直交変換手段及び前記前段交流モータは、少なくとも2組あり、
    前記後段交流モータは、いずれか2つの相が2つの前記前段交流モータの中性点にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項2記載の駆動力制御装置。
  5. 前記双方向直交変換手段及び前記前段交流モータは、少なくとも3組あり、
    前記後段交流モータは、いずれか3つの相が3つの前記前段交流モータの中性点にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項2記載の駆動力制御装置。
  6. 前記後段交流モータは、回転角度センサを備えておらず、
    前記制御手段は、前記後段交流モータに供給する交流電圧と流れる交流電流の位相差に基づいて前記双方向直交変換手段を制御することを特徴とする請求項2乃至5記載の駆動力制御装置。
  7. 直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源に接続され直流電圧を交流電圧に変換する第1の直交変換手段と、前記第1の直交変換手段に接続され交流電圧を供給されることで駆動力を発生し駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する前段交流モータと、前記直流電源に接続され直流電圧を交流電圧に変換する第2の直交変換手段と、いずれかの相が前記前段交流モータの中性点にそれ以外のいずれかの相が前記第2の直交変換手段にそれぞれ接続され交流電圧を供給されることで駆動力を発生し駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する後段交流モータと、前記前段交流モータに交流電圧を供給するとともに前記前段交流モータの中性点の電圧が交流電圧となるように前記第1の直交変換手段を制御し前記後段交流モータに交流電圧を供給するように前記第2の直交変換手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする駆動力制御装置。
  8. 前記第1の直交変換手段及び前記第2の直交変換手段は、直流電圧と交流電圧を双方向に変換する第1の双方向直交変換手段及び第2の双方向直交変換手段であることを特徴とする請求項7記載の駆動力制御装置。
  9. 前記後段交流モータは、回転角度センサを備えておらず、
    前記制御手段は、前記後段交流モータに供給する交流電圧と流れる交流電流の位相差に基づいて前記第1の双方向直交変換手段及び前記第2の双方向直交変換手段を制御することを特徴とする請求項8記載の駆動力制御装置。
  10. 前記直流電源は、電池と前記電池の出力する直流電圧を昇圧する昇圧手段とからなり、
    前記昇圧手段及び前記第2の双方向直交変換手段は、それぞれスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子は、1つのモジュールで構成されていることを特徴とする請求項8又は9記載の駆動力制御装置。
  11. 前記後段交流モータは、いずれか1つの相が前記直流電源の出力する直流電圧より低い電圧になる所定点に接続されていることを特徴とする請求項1乃至10記載の駆動力制御装置。
  12. 前記直流電源は、直列接続された複数のコンデンサを出力端子間に備え、
    前記所定点は、前記複数のコンデンサの接続点のいずれかであることを特徴とする請求項11記載の駆動力制御装置。
  13. 前記直流電源は、直列接続された複数の電池からなり、
    前記所定点は、前記複数の電池の接続点のいずれかであることを特徴とする請求項11記載の駆動力制御装置。
  14. 前記直流電源は、電池と前記電池の出力する直流電圧を昇圧する昇圧手段とからなり、
    前記所定点は、前記電池の正極端子であることを特徴とする請求項11記載の駆動力制御装置。
  15. 前記後段交流モータは、いずれかの相が接続されている前記前段交流モータより出力が小さいことを特徴とする請求項1乃至14記載の駆動力制御装置。
  16. 前記前段交流モータと前記後段交流モータとを電気的に切断する切断手段を有することを特徴とする請求項1乃至15記載の駆動力制御装置。
  17. 前記制御手段は、前記後段交流モータが接続されている少なくとも1つの前記前段交流モータの全ての相の電流を検出していることを特徴とする請求項1乃至16記載の駆動力制御装置。
  18. 前記制御手段は、前記後段交流モータの少なくとも1つの相の電流の大きさ又は極性を検出していることを特徴とする請求項1乃至17記載の駆動力制御装置。
  19. 前記後段交流モータのいずれかの相が接続されている前記前段交流モータは、少なくとも1つが、交流電圧を供給されることでハイブリッド車を走行させるための駆動力を発生し、駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する走行用モータジェネレータであることを特徴とする請求項1乃至18記載の駆動力制御装置。
  20. 前記後段交流モータは、交流電圧を供給されることでコンプレッサを駆動するための駆動力を発生するコンプレッサ用モータ、又は、膨張機の発生する熱膨張による駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する熱回収用ジェネレータであることを特徴とする請求項1乃至19記載の駆動力制御装置。
  21. 電池と前記電池の出力する直流電圧を昇圧する昇圧手段とからなる直流電源と、前記直流電源に接続され直流電圧を交流電圧に変換する直交変換手段と、いずれか1つの相が前記電池の正極端子にそれ以外の相が前記直交変換手段にそれぞれ接続され交流電圧を供給されることで駆動力を発生し駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する交流モータと、前記交流モータに交流電圧を供給するように前記直交変換手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする駆動力制御装置。
  22. 前記直交変換手段は、直流電圧と交流電圧を双方向に変換する双方向直交変換手段であることを特徴とする請求項21記載の駆動力制御装置。
  23. 前記交流モータは、回転角度センサを備えておらず、
    前記制御手段は、前記交流モータに供給する交流電圧と流れる交流電流の位相差に基づいて前記双方向直交変換手段を制御することを特徴とする請求項22記載の駆動力制御装置。
  24. 前記昇圧手段及び前記双方向直交変換手段は、それぞれスイッチング素子を備え、
    前記スイッチング素子は、1つのモジュールで構成されていることを特徴とする請求項22又は23記載の駆動力制御装置。
  25. 前記制御手段は、前記交流モータの少なくとも1つの相の電流の大きさ又は極性を検出していることを特徴とする請求項22乃至24記載の駆動力制御装置。
  26. 前記交流モータは、ハイブリッド車に搭載され、交流電圧を供給されることでコンプレッサを駆動するための駆動力を発生するコンプレッサ用モータ、又は、膨張機の発生する熱膨張による駆動力を伝達されることで交流電圧を発生する熱回収用ジェネレータであることを特徴とする請求項22乃至25記載の駆動力制御装置。
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