JP2006157546A - 無線通信端末及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】共通のアンテナを用いて、2つの通信方式を切り替えて通信を行う無線通信端末を提供する。
【解決手段】第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うことが可能な無線通信端末において、各々の通信方式の通信品質を測定する通信品質測定部と、前記各々の通信品質に基づいて、第1の通信方式の待受けタイミングを設定するタイミング設定部と、を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うことが可能な無線通信端末において、各々の通信方式の通信品質を測定する通信品質測定部と、前記各々の通信品質に基づいて、第1の通信方式の待受けタイミングを設定するタイミング設定部と、を備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、共通のアンテナを用いて、2つの通信方式を切り替えて通信を行う無線通信端末及びプログラムに関する。
2つの通信方式を切り替えて基地局と通信を行うことのできるデュアル方式の無線通信端末が知られている。デュアル方式の無線通信端末において、共通のアンテナを用いて2つの通信方式を切り替えることにより動作する無線通信端末をハイブリッド方式と定義し、以下に説明する。
このようなハイブリッド方式の無線通信端末には、特に音声通信が主体のcdma2000 1xシステムと、データ通信専用の1xEVDOシステムとのハイブリッド方式の無線通信端末がある。
ハイブリッド方式の無線通信端末では、待ち受け状態の時(間欠受信状態時)は、cdma2000 1xシステム及び1xEVDOシステムそれぞれ、周期的に基地局から送信されるメッセージを受信する。無線通信端末はこのメッセージによって自端末に着信があるか否かを判定したり、ハンドオフを行うか否かを判定する。このメッセージの受信動作はcdma2000 1xシステム及び1xEVDOシステムが交互に共通アンテナを占有して、お互いの間欠受信タイミングをずらして行われる。なお、無線通信端末は、アンテナ部を常に起動しておくと消費電力が大きいため、このメッセージ受信のタイミングのみアンテナ部を起動し、それ以外は停止している。
3GPP2、"3GPP2 C.S0024 Version 4.0 cdma2000 High Rate Packet Data Air Interface Specification"、[online]、2002年10月25日、インターネット<URL:http://www.3gpp2.org/Public_html/specs/C.S0024-0_v4.0.pdf>
3GPP2、"3GPP2 C.S0024 Version 4.0 cdma2000 High Rate Packet Data Air Interface Specification"、[online]、2002年10月25日、インターネット<URL:http://www.3gpp2.org/Public_html/specs/C.S0024-0_v4.0.pdf>
ところで、無線通信端末はメッセージの受信とともに各システムのパイロット信号の強度を測定している。そして、無線通信端末はこの各システムのパイロット信号の強度に基づいてアイドルハンドオフと呼ばれる処理を行うか否かを判定している。そして、無線通信端末はアイドルハンドオフを行うと判定すると、基地局と無線通信端末は通信パラメータの再設定処理を行う。
このアイドルハンドオフの処理が行われる際、基地局と無線通信端末は通信設定の変更を行うので、このアイドルハンドオフを行う無線通信端末のシステムの無線部(RF部)は長時間共通アンテナを占有する。そのため、アイドルハンドオフが発生すると、アンテナ部は一方のシステム(cdma2000 1xシステム又は1xEVDOシステム)の無線部に占有されるため、他方のシステムは基地局が送信するメッセージを受信することができなくなる。
例えば、1xEVDOシステムのアイドルハンドオフが連続して頻繁に発生するような場合、アンテナ部は1xEVDOシステムの無線部に占有されるため、その間cdma2000 1xシステムの無線部はアンテナ部を使用できない。よって、cdma2000 1xシステムは基地局が送信するメッセージを受信することができなくなる。基地局が送信するメッセージを所定回数受信することができない場合、cdma2000 1xシステムは圏外と判定してしまう。cdma2000 1xシステムが圏外であると判定してしまうと、cdma2000 1xシステムは着信の待ち受け状態ではなくなる。さらに、cdma2000 1xシステムが待ち受け状態である場合に限り、1xEVDOシステムも待ち受け状態に移行することができる。よって、1xEVDOシステムが上記アイドルハンドオフ処理を終えて待ち受け状態に移行しようとしても、cdma2000 1xシステムが待ち受け状態でないため1xEVDOシステムも待ち受け状態ではなくなる。従って、いずれのシステムも待ち受け状態ではなくなるという問題が生じてしまう。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、基地局が送信するメシセージの受信タイミングを調節する無線通信端末及びそのプログラムを提供することを目的とする。
第1の発明は、第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うことが可能な無線通信端末において、各々の通信方式の通信品質を測定する通信品質測定部と、前記各々の通信品質に基づいて、前記第1の通信方式の待受けタイミングを設定するタイミング設定部と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記計測部は、単位時間の各々の通信方式におけるアイドルハンドオフの回数を計測し、前記タイミング設定部は、前記各々の通信方式におけるアイドルハンドオフの回数に基づいて前記第1通信方式の待受タイミングを設定するか否かを判定することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、前記タイミング設定部は、前記第1の通信方式の通信品質が良く、かつ、前記第2の通信方式の通信品質が悪い場合は、前記第2の通信方式の待受タイミングから前記第1の通信方式の待受タイミングを離すように設定することを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明において、前記タイミング設定部は、前記第1の通信方式の通信品質が悪く、かつ、前記第2の通信方式の通信品質が良い場合は、前記第2の通信方式の待受タイミングに前記第1の通信方式の待受タイミングを近づけるように設定することを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明において、前記タイミング設定部は、前記第1の通信方式の通信品質が良く、前記第2の通信方式の通信品質が悪い場合は、前記第1の通信方式における基準時間からのオフセットを短く設定することを特徴とする。
第6の発明は、第1の発明において、前記タイミング設定部は、前記第1の通信方式の通信品質が悪く、前記第2の通信方式の通信品質が良い場合は、前記第1の通信方式における基準時間からのオフセットを長く設定することを特徴とする。
第7の発明は、第1から6の発明において、前記第1の通信方式はCDMA2000 1xEVDO方式であり、前記第2の通信方式はCDMA2000 1x方式であることを特徴とする。
第8の発明は、第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うことが可能な無線通信端末の待受けタイミングを設定する待受けタイミング設定プログラムであって、各々の通信方式の通信品質を測定する第1のステップと、前記各々の通信品質に基づいて、前記第1の通信方式の待受けタイミングを設定する第2のステップと、を実行することを特徴とする待受けタイミング設定プログラム。
第9の発明は、第8の発明において、前記第1のステップは、単位時間の各々の通信方式におけるアイドルハンドオフの回数を計測し、前記第2のステップは、前記各々の通信方式におけるアイドルハンドオフの回数に基づいて前記第1通信方式の待受タイミングを設定するか否かを判定することを特徴とする。
第10の発明は、第8の発明において、前記第3のステップは、前記第1の通信方式の通信品質が良く、かつ、前記第2の通信方式の通信品質が悪い場合は、前記第2の通信方式の待受タイミングから前記第1の通信方式の待受タイミングを離すように設定することを特徴とする。
第11の発明は、第8の発明において、前記第3のステップは、前記第1の通信方式の通信品質が悪く、かつ、前記第2の通信方式の通信品質が良い場合は、前記第2の通信方式の待受タイミングに前記第1の通信方式の待受タイミングを近づけるように設定することを特徴とする。
第12の発明は、第8の発明において、前記第2のステップは、前記第1の通信方式の通信品質が良く、前記第2の通信方式の通信品質が悪い場合は、前記第1の通信方式における基準時間からのオフセットを短く設定することを特徴とする。
第13の発明は、第8の発明において、前記第2のステップは、前記第1の通信方式の通信品質が悪く、前記第2の通信方式の通信品質が良い場合は、前記第1の通信方式における基準時間からのオフセットを長く設定することを特徴とする。
第14の発明は、第8から13の発明において、前記第1の通信方式はCDMA2000 1xEVDO方式であり、前記第2の通信方式はCDMA2000 1x方式であることを特徴とする。
本発明を適用すれば、一方のシステムの無線部がアイドルハンドオフのためにアンテナ部を占有しても他方のシステムのメッセージ受信に影響を与えないように、適応的に受信タイミングを変更制御できるので、着信率が向上するとともにデータ通信のスループットを高めることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態の無線通信システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態の無線通信端末(携帯電話端末)200は、共通のアンテナ10を用いてcdma2000 1xの通信方式(以下、「lxシステム」と呼ぶ)と、1xEVDOの通信方式(以下、「DOシステム」と呼ぶ)とを切り替えて、基地局100A又は基地局100Bと通信をすることのできる無線通信端末である。
基地局100Aは、無線通信端末200とDOシステムの通信を行い、基地局100Bは、無線通信端末200と1xシステムの通信を行う。
アンテナ10は、RF切替部20を介して、1xシステムRF部30又はDOシステムRF部40の何れかからの高周波信号を電波に変換し基地局100A、100Bに送信する。また、基地局100A、100Bからの電波を受信して、RF切替部20を介して、1xシステムRF部30又はDOシステムRF部40に高周波信号として送る。RF切替部20は、システム制御部50の制御によって、1xシステムRF部30又はDOシステムRF部40の何れかをアンテナ10に接続する。
1xシステムRF部30は、1xシステムで送信するデータ又は音声信号を高周波信号に変換し、アンテナ10に送る。また、アンテナ10から送られた高周波信号をデータ信号又は音声信号に変換する。
DOシステムRF部40は、DOシステムで送信するデータを高周波信号に変換し、アンテナ10に送る。また、アンテナ10から送られた高周波信号をデータ信号に変換する。
システム制御部(切り替え制御部)50は、無線通信端末200の各部を統括して制御する制御部である。
無線通信端末200は、基地局100と所定の間隔で所定のメッセージの受信を行う。このメッセージは、1xシステムでは「ページメッセージ」と呼び、DOシステムでは「オーバーヘッドメッセージ」と呼ぶ。なお、「オーバーヘッドメッセージ」とは「セクタパラメータ」、「クイックコンフィグ」、「シンクメッセージ」等のエリア情報及び基地局のシステム情報を示す。システム制御部50は、このメッセージの受信によって、基地局100からの着呼処理、基地局のハンドオフ処理等を行う。
システム制御部50は、コンフィグレーション時間計測・統計処理部51、PCCC変更判定部52、PCCC変更処理部53及びRF切替タイミング調整部54を備えている。
コンフィグレーション時間計測・統計処理部51は、各々のシステムにおいて、無線通信端末200と基地局100とで行われるアイドルハンドオフ(コンフィグレーション)の回数及びアイドルハンドオフの処理に掛かった時間を計測し、一定期間(単位時間)内に発生したアイドルハンドオフの処理時間の平均値を統計処理(算出)する計測部・算出部として機能する。また、基地局100とで通信を行う電波の通信品質(例えば、電界強度)を測定する通信品質測定部として機能する。
PCCC変更判定部52は、「PCCC」(Prefered Control Channel Cycle)を変更するか否かを判定する。PCCCとは、後述するようにDOシステムが待ち受け状態時において、オーバーヘッドメッセージを受信するタイミングを決めるものであり、基地局100の管理する所定の間隔の基準時間(システム時間)からのオフセット値を設定する。
具体的には、一定期間(単位時間)内のアイドルハンドオフ発生回数に基づいて、PCCCを変更するか否かを判定し、PCCCを変更する場合は、統計処理した各システムの平均値に基づいてPCCCの値を変更する変更判定部として機能する。
PCCC変更処理部58は、PCCCの値を変更することでDOシステムにおけるメッセージ受信タイミングを変更する。PCCCの変更は、無線通信端末200と基地局100とで行われるプロトコルネゴシエーションにより行われる。
なお、PCCC変更判定部52、PCCC変更処理部58がタイミング設定部として機能する。
次に、本発明の実施の形態の無線通信端末200の動作を説明する。
本発明の実施の形態の無線通信端末200は、1つのアンテナ10を1xシステムとDOシステムとで共有し、通信を行う側がRF切替部20を切り替えてアンテナ10を独占する。
1xシステム及びDOシステムが共に待ち受け状態(以下、「アイドル状態」と呼ぶ)の時は、1xシステム及びDOシステムそれぞれが、周期的にメッセージ(ページメッセージ及びオーバーヘッドメッセージ)を受信する。無線通信端末200はこのメッセージによって着呼があるか否かを判定したり、ハンドオフを行うか否かを決定する。
各システムのメッセージの受信は、1xシステム及びDOシステムでお互いに干渉しないような間隔で行われる。無線通信端末200は、各メッセージを受信するタイミングとなったときに、RF切替部20を1xシステムのRFである1xシステムRF部30又はDOシステムのRF部であるDOシステムRF部40に切り替える。この間隔は、基地局100によって設定されている等間隔のシステム時間を基準に、所定のオフセット時間を設定することで決定される。なお、基地局100のシステム時間は5.12秒間隔に規定されている。1xシステム及びDOシステムそれぞれに異なるオフセット時間を設定することで、アイドル状態における両システムのメッセージ受信のタイミングの干渉を防ぐ。
ここで、アイドル状態における、1xシステム及びDOシステムの基地局100からのメッセージ受信のタイミングについて説明する。
メッセージ受信のタイミングは、前述した基地局100のシステム時間に基づいて設定される。このシステム時間は、5.12秒間隔に規定されており、メッセージ受信のタイミングは、このシステム時間からのオフセット時間によって設定される。
1xシステムにおいて、このオフセット時間は、数式1を満たす値「t」として算出される。算出される値「t」は、20m秒間隔の値となる。この間隔を「フレーム」と呼ぶ。
値「T」は2の「i」乗、すなわち「4」である。
なお、値「i」は「Slot Cycle Index」と呼ばれるもので、システム毎に固定値が決まっており、本実施形態では「2」とする。
値「PGSLOT」は、無線通信端末200に予め割り当てられている一意の番号である「IMSI」(International Mobile Subscriber Identity)からハッシュ関数によって算出したスロット番号である。無線通信端末200毎の一意の値を計算式に用いることで、異なる無線通信端末200ではメッセージ受信が異なるタイミングとなる。このPGSLOTは、80m秒間隔に規定されており、この間隔を「スロット」と呼ぶ。
数式1によって算出された値tによって1xシステムのメッセージ受信タイミングが決定する。システム時間は5.12秒間隔であるため、1xシステムでは、これを80m秒で除算した64個のスロットのうちの何れかのタイミングがメッセージ受信のタイミングとなる。この64個のうち何れのスロットに割り当てられるかは、無線通信端末200固有の値である「IMSI」から算出された「PGSLOT」の値によって一意に決まる。
一方、DOシステムでは、オフセット時間は、数式2を満たす値として算出される。値「R」は前述した「PCCC」であり、「ESN」からハッシュ関数によって算出される。このオフセット時間は、0〜11の12個の値をとる。なお、この0〜11の12段階の1つをCCC(Control Channel Cycle)と呼ぶ。CCCは、システム時間を12分割したものであるので、426.6666…m秒である。
値「C」は基地局が起動してからの経過時間を示す値であり、CCC単位で示される。
値「NIDPSleep」は、「12」の固定値である。
この数式2によって算出されたオフセット時間によってDOシステムのメッセージ受信タイミングが決定する。システム時間は5.12秒間隔であるため、DOシステムでは、これを12分割したCCCのうちの何れかのタイミングがメッセージ受信のタイミングとなる。この12個のCCCのうち何れに割り当てられるかは、無線通信端末200固有の値である「ESN」から算出された「PCCC」の値によって一意に決まる。
この数式1及び数式2に基づいて算出された1xシステム及びDOシステムのメッセージ受信のタイミングを図2に示す。
1xシステムでは、メッセージ受信タイミングを、PGSLOTの値に基づいて、5.12秒間隔のシステム時間を64分割したスロットのうちのいずれかのタイミングに決定される。1xシステムのメッセージ受信は、システム時間から時間軸で正方向(プラス)にオフセットされたタイミングで行われる。
DOシステムでは、メッセージ受信タイミングを、PCCCの値に基づいて、5.12秒間隔のシステム時間を12分割したCCCのいずれかのタイミングに決定される。DOシステムのメッセージ受信は、システム時間から時間軸で負方向(マイナス)にオフセットされたタイミングで行われる。
ここで、前述したように、無線通信端末200は、アイドル状態において基地局100とアイドルハンドオフと呼ばれる動作を行い、基地局100との通信パラメータの再設定を行う。そして、DOシステムにおいてアイドルハンドオフが発生すると、パラメータの変更処理によって無線通信端末200のアンテナ部10は、DOシステムRF部30に切り換えられ占有される。
図3は、アイドルハンドオフにおいて、無線通信端末200と基地局100とのネゴシエーションを示すシーケンス図である。
まず、アイドル状態から、無線通信端末200と基地局100とで通信を行うためにセッションを確立する。
次に、通信に必要なプロトコルの設定(コンフィグレーション)を行う。コンフィグレーションは、無線通信端末200側から基地局100に対してプロトコル毎のネゴシエーションを行う。各プロトコルについてコンフィグレーションが完了すると、無線通信端末200は、コンフィグレーション完了(Configuration Complete)を送信する。
次に、基地局100側から無線通信端末200に対して、同様にプロトコル毎のネゴシエーションを行う。各プロトコルについてコンフィグレーションが完了すると、基地局100は、コンフィグレーション完了(Configuration Complete)を送信する。
そして、無線通信端末200側及び基地局100側のプロトコルネゴシエーションが完了すると、確立されたコネクションを切断する。その後、アイドル状態(待ち受け状態)に復帰する。
図4は、1xシステム及びDOシステムのRF部の動作を示す説明図である。
図4(a)は、1xシステム及びDOシステムがアイドル状態において、各システムが所定のタイミングでページメッセージ及びオーバーヘッドメッセージを基地局とから受信するためにRF部(1xシステムRF部30又はDOシステムRF部40)を所定のタイミングで起動する様子を示す。
図4(b)は、1xシステム及びDOシステムがアイドル状態において、DOシステムにアイドルハンドオフが発生した場合の様子を示す。
アイドルハンドオフはメッセージ受信のタイミングで発生する。アイドルハンドオフの処理はメッセージの受信の処理よりも長い時間を要する。そのため、アイドルハンドオフの処理が完了する前に1xシステムにおいてメッセージ受信のタイミングとなる場合が発生し得る。その場合、1xシステムにおいてメッセージの受信ができない。
1xシステムでは、基地局100から所定回数メッセージの受信が行われない場合は基地局100の電波を受信できない状態になった(圏外になった)と判定する。1xシステムにおいて圏外となると、再び基地局100からの電波を取得して接続するまでは1xシステムは待ち受け状態となれない。一方、DOシステムが待ち受け状態となるためには1xシステムが待ち受け状態であることが前提であるため、DOシステムではアイドルハンドオフ後に待ち受け状態に復帰できず、圏外と判定してしまう。したがって、何れのシステムにおいても圏外となってしまう。
このような状態が発生することを防ぐために、本発明では、1xシステム又はDOシステムにアイドルハンドオフが頻繁に発生した場合は、オーバーヘッドメッセージ受信のタイミングを変更することで、1xシステム及びDOシステムが共に圏外となることを防ぐ。オーバーヘッドメッセージ受信のタイミングの変更方法にはいくつかの手法が考えられるが、本発明では、1xシステム及びDOシステムにおける基地局100との電界強度に基づいて、PCCCの値を変更するように構成した。
図5は、本発明の実施の形態の無線通信端末200において、DOシステムのメッセージ受信タイミングを決定する「PCCC」の値を決定するために用いる表である。
無線通信端末200のシステム制御部は、1xシステム及びDOシステムそれぞれについて、基地局100との通信品質を測定する。通信品質には電界強度を用い、RSSI(Received Signal Strength Indicator)の値から取得する。そして、取得した電界強度の値が予め設定した閾値よりも強いか弱いか、すなわち、通信品質が所定の値よりも良いか悪いか、を判定する。
1xシステム及びDOシステムの電界強度が共に強い場合、又は共に弱い場合は、「タイムフィードバック方式」でPCCCの値を変更する。このタイムフィードバック方式については後述する。
1xシステムの電界強度が弱く、DOシステムの電界強度が強い場合は、「1x優先方式」でPCCCの値を変更する。この1x方式については後述する。
1xシステムの電界強度が強く、DOシステムの電界強度が弱い場合は、「DO優先方式」でPCCCの値を変更する。このDO方式については後述する。
まず、「タイムフィードバック方式」の処理について説明する。なお、この処理はシステム制御部50が行なう。
タイムフィードバック方式は、1xシステム及びDOシステムの電界強度が共に強い場合、又は共に弱い場合に処理を行う。この場合、両システムのアイドルハンドオフが発生する頻度は、ほぼ同程度であるため、両システムにおいて一定期間内に実際に発生したアイドルハンドオフの処理時間に基づいて、PCCCの値を動的に決定する。
まず、1xシステム及びDOシステムそれぞれについて、一定期間内に発生したアイドルハンドオフの実行に掛かった時間を集計し、一定期間内に発生したアイドルハンドオフ時間の平均時間を算出する。この一定期間は任意の時間でよく、例えば2〜3分単位とする。すなわち、2〜3分間隔で以下の処理を実行する。
1xシステムにおいて一定期間内に発生したアイドルハンドオフの平均時間を「T1x」とし、DOシステムにおいて一定期間内に発生したアイドルハンドオフの平均時間を「TDO」とする。この演算は、システム制御部50のコンフィグレーション時間計測・統計処理部51において行われる。
そして、1xシステムのシステム時間からのオフセット値を決定する値であるPGSLOT値は、DOシステムの演算に用いるためにCCC単位に変換される。つまり、1xシステムではメッセージ受信タイミングの設定がスロット単位(80ms単位)で行われ、DOシステムはメッセージ受信タイミングの設定がCCC単位(426.666…ms単位)で行われる。そこで、1xシステムのスロット単位をDOシステムのCCC単位に変換する。この変換は数式3によって算出される。数式3によって、1xシステムのメッセージ受信タイミングを決定する値である「PGSLOT」をCCC単位に変換した値である「TPGSLOT」値を算出する。
次に、算出した「T1x」、「TDO」及び「TPGSLOT」の各値を用いて、数式4によって「PCCC」の値(TPCCC)を算出する。
数式4では、「T1x」及び「TDO」の値によって3つに場合分けをする。
まず、「T1x」と「TDO」の比率を求める。すなわち、1xシステムにおいて一定期間内に発生したアイドルハンドオフの平均時間「T1x」を、1xシステムにおいて一定期間内に発生したアイドルハンドオフの平均時間「T1x」とDOシステムにおいて一定期間内に発生したアイドルハンドオフの平均時間「TDO」との和で除算した値、すなわち、1xシステム及びDOシステムのアイドルハンドオフの時間の平均時間の割合を算出する。この割合を「T1x比率」とする。
この「T1x比率」と、システム時間のCCC単位である「12」との積が(1)「3」より大きく、「9」よりも小さい、(2)「3」よりも小さい、(3)「9」よりも大きい、の3つの場合に分ける。このうち、(2)及び(3)は、DOシステムのメッセージ受信タイミングが1xシステムに重ならないように設けた閾値(上限値と下限値)である。
(2)の場合は、「T1x比率」が小さい、すなわち、一定期間(単位時間)内に発生したアイドルハンドオフは、1xシステムと比較してDOシステムが極めて多い場合(平均時間が長い)である。この場合は、アイドルオフがより多く発生するDOシステムのメッセージ受信タイミングが1xシステムに干渉しないように、DOシステムのシステム時間(System time)からのオフセット(PCCC)を長く設定する。これにより、1xシステムの受信が終了してからDOシステムの受信動作を前回の受信動作よりも遅く行うようにしたので、以降アイドルハンドオフによりDOシステムの受信動作が長引いても、次の1xシステムの受信動作開始に影響を及ぼす可能性が低くなる(図5参照)。
(3)の場合は、T1x比率が大きい、すなわち、一定期間(単位時間)内に発生したアイドルハンドオフは、1xシステムと比較してDOシステムが極めて少ない場合(平均時間が短い)である。この場合は、アイドルオフがより多く発生する1xシステムのメッセージ受信タイミングがDOシステムに干渉しないように、DOシステムのシステム時間(System time)からのオフセット(PCCC)を短く設定する。これにより、1xシステムの受信が終了してからDOシステムの受信動作を前回の受信動作よりも遅く行うようにしたので、以降アイドルハンドオフにより1xシステムの受信動作が長引いても、次のDOシステムの受信動作開始に影響を及ぼす可能性が低くなる(図6参照)。
(1)の場合は、「T1x比率」の値に基づいて、DOシステムのシステム時間(System time)からのオフセット(PCCC)を長く又は短く設定する。
図6及び図7は、この数式4に基づいてDOシステムのメッセージ受信タイミングの変更を示した説明図である。
図6は、DOシステムのアイドルハンドオフが1xシステムよりも多く発生している場合である。
図6(a)は、DOシステムにおいてアイドルハンドオフが多く発生し、メッセージ受信の処理時間が多くなっている場合を示す。この場合は、数式4に基づいて、図6(b)のようにDOシステムのメッセージ受信タイミングを変更する。
その結果、DOシステムのメッセージ受信タイミング、つまりDOシステムのシステム時間(System time)からのオフセット(PCCC)を変更前と比較して長く設定する。こうすることによって、DOシステムのメッセージ受信の処理時間がアイドルハンドオフによって延びたとしても、DOシステムのメッセージ受信と1xシステムのメッセージ受信とのタイミングの干渉が起きにくくなる。
図7は、1xシステムのアイドルハンドオフがDOシステムよりも多く発生している場合である。
図7(a)は、1xシステムにおいてアイドルハンドオフが多く発生し、メッセージ受信の処理時間が多くなっている場合を示す。この場合は、数式4に基づいて、図7(b)のようにDOシステムのメッセージ受信タイミングを変更する。
その結果、DOシステムのメッセージ受信タイミング、つまりDOシステムのシステム時間(System time)からのオフセット(PCCC)を変更前と比較して短く設定する。こうすることによって、1xシステムのメッセージ受信の処理時間がアイドルハンドオフによって延びたとしても、DOシステムのメッセージ受信と1xシステムのメッセージ受信とのタイミングの干渉が起きにくくなる。
次に、1x優先方式の処理について説明する。なお、この処理はシステム制御部50が行う。
1xシステムの電界強度が弱く、DOシステムの電界強度が強い場合は、1xシステムの方がDOシステムよりもアイドルハンドオフが発生する頻度が高くなる。そのため、1xシステムのメッセージ受信の処理時間が多くなると予想されるので、DOシステムのメッセージ受信タイミングは、処理時間の多くなると予想される1xシステムに干渉しないように、数式5のように設定する。
数式5は、数式4の(3)の場合と同じである。すなわち、図7(a)に示すように、1xシステムにおいてアイドルハンドオフが多く発生し、メッセージ受信の処理時間が多くなった場合は、この数式5に基づいて、図7(b)のようにDOシステムのメッセージ受信タイミングを変更する。
その結果、DOシステムのメッセージ受信タイミング、つまりDOシステムのシステム時間(System time)からのオフセット(PCCC)を変更前と比較して長く設定する。こうすることによって、DOシステムのメッセージ受信の処理時間がアイドルハンドオフによって延びたとしても、DOシステムのメッセージ受信と1xシステムのメッセージ受信とのタイミングの干渉が起きにくくなる。
次に、DO優先方式の処理について説明する。なお、この処理はシステム制御部50が行う。
1xシステムの電界強度が強く、DOシステムの電界強度が弱い場合は、DOシステムの方が1xシステムよりもアイドルハンドオフが発生する頻度が高くなる。そのため、DOシステムのメッセージ受信の処理時間が多くなると予想されるので、DOシステムの受信タイミングは1xシステムに干渉しないように、数式6のように設定する。
数式5は、数式4の(2)の場合と同じである。すなわち、図6(a)に示すように、DOシステムにおいてアイドルハンドオフが多く発生し、メッセージ受信の処理時間が多くなると予想される場合は、この数式6に基づいて、図6(b)のようにDOシステムのメッセージ受信タイミングを変更する。
その結果、DOシステムのメッセージ受信タイミング、つまりDOシステムのシステム時間(System time)からのオフセット(PCCC)を変更前と比較して短く設定する。こうすることによって、1xシステムのメッセージ受信の処理時間がアイドルハンドオフによって延びたとしても、DOシステムのメッセージ受信と1xシステムのメッセージ受信とのタイミングの干渉が起きにくくなる。
以上のように構成された本発明の実施の形態の無線通信システムでは、アイドル状態において、1xシステム及びDOシステムの通信品質を測定し、各々のシステムの通信品質の強弱に基づいて、DOシステムのメッセージ受信のタイミングを、1xシステムのメッセージ受信タイミングと干渉しないように変更する。DOシステムのメッセージ受信タイミングを変更することによって、相互の受信が正常に行われるので着呼率が向上すると共に、データ通信のスループットを高めることができる。
また、本発明の実施の形態ではcdma2000 1xシステムと1xEVDOシステムのハイブリッド方式について説明したが、これに限定されるものではなく、共通のアンテナを用いて2つの通信方式で通信可能であって、これらの通信方式を切換えて一方の通信方式にて通信を行い、これを他方の通信方式に切り替えて通信を行うものであれば、通信方式の種類は問わない。
なお、本発明の実施の形態ではパイロット信号強度(RSSI値)を基地局100との電波状態の判定に用いたが、これをパイロット信号の搬送波対干渉波比(C/I値)を用いてもよい。
また、本発明は、単位時間当たりの各システムのアイドルハンドオフ発生回数に基づいて(所定回数以上か否か)、DOシステムのオーバーヘッドメッセージを受信するための待受タイミングを変更するか否かを判定する。そして、DOシステムの待受タイミングを変更すると判定した場合は、各システムの単位時間当たりのアイドルハンドオフの平均値に基づいてDOシステムの待受タイミングを設定する。なお、単位時間当たりのDOシステムのアイドルハンドオフの平均値が長い場合は、1xシステムの待受タイミングとDOシステムの待受タイミングを近づけ、単位時間当たりの1xシステムのアイドルハンドオフの平均値が長い場合は、1xシステムの待受タイミングとDOシステムの待受タイミングを離すように設定するものであれば実施例に限定するものではない。
10 アンテナ
20 RF切替部
30 1xシステムRF部
40 DOシステムRF部
60 システム制御部
100A、100B 基地局
200 無線通信端末
20 RF切替部
30 1xシステムRF部
40 DOシステムRF部
60 システム制御部
100A、100B 基地局
200 無線通信端末
Claims (14)
- 第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うことが可能な無線通信端末において、
各々の通信方式の通信品質を測定する通信品質測定部と、
前記各々の通信品質に基づいて、前記第1の通信方式の待受けタイミングを設定するタイミング設定部と、を備えたことを特徴とする無線通信端末。 - 前記計測部は、単位時間の各々の通信方式におけるアイドルハンドオフの回数を計測し、
前記タイミング設定部は、前記各々の通信方式におけるアイドルハンドオフの回数に基づいて前記第1通信方式の待受タイミングを設定するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。 - 前記タイミング設定部は、前記第1の通信方式の通信品質が良く、かつ、前記第2の通信方式の通信品質が悪い場合は、前記第2の通信方式の待受タイミングから前記第1の通信方式の待受タイミングを離すように設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
- 前記タイミング設定部は、前記第1の通信方式の通信品質が悪く、かつ、前記第2の通信方式の通信品質が良い場合は、前記第2の通信方式の待受タイミングに前記第1の通信方式の待受タイミングを近づけるように設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
- 前記タイミング設定部は、前記第1の通信方式の通信品質が良く、前記第2の通信方式の通信品質が悪い場合は、前記第1の通信方式における基準時間からのオフセットを短く設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
- 前記タイミング設定部は、前記第1の通信方式の通信品質が悪く、前記第2の通信方式の通信品質が良い場合は、前記第1の通信方式における基準時間からのオフセットを長く設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
- 前記第1の通信方式はCDMA2000 1xEVDO方式であり、前記第2の通信方式はCDMA2000 1x方式であることを特徴とする請求項1から6の何れか一つに記載の無線通信端末。
- 第1の通信方式と第2の通信方式とを共通のアンテナを用いて基地局と無線通信を行うことが可能な無線通信端末の待受けタイミングを設定する待受けタイミング設定プログラムであって、
各々の通信方式の通信品質を測定する第1のステップと、
前記各々の通信品質に基づいて、前記第1の通信方式の待受けタイミングを設定する第2のステップと、を実行することを特徴とするプログラム。 - 前記第1のステップは、単位時間の各々の通信方式におけるアイドルハンドオフの回数を計測し、
前記第2のステップは、前記各々の通信方式におけるアイドルハンドオフの回数に基づいて前記第1通信方式の待受タイミングを設定するか否かを判定することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。 - 前記第3のステップは、前記第1の通信方式の通信品質が良く、かつ、前記第2の通信方式の通信品質が悪い場合は、前記第2の通信方式の待受タイミングから前記第1の通信方式の待受タイミングを離すように設定することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
- 前記第3のステップは、前記第1の通信方式の通信品質が悪く、かつ、前記第2の通信方式の通信品質が良い場合は、前記第2の通信方式の待受タイミングに前記第1の通信方式の待受タイミングを近づけるように設定することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
- 前記第2のステップは、前記第1の通信方式の通信品質が良く、前記第2の通信方式の通信品質が悪い場合は、前記第1の通信方式における基準時間からのオフセットを短く設定することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
- 前記第2のステップは、前記第1の通信方式の通信品質が悪く、前記第2の通信方式の通信品質が良い場合は、前記第1の通信方式における基準時間からのオフセットを長く設定することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
- 前記第1の通信方式はCDMA2000 1xEVDO方式であり、前記第2の通信方式はCDMA2000 1x方式であることを特徴とする請求項8から13の何れか一つに記載のプログラム。
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JP2004345941A JP2006157546A (ja) | 2004-11-30 | 2004-11-30 | 無線通信端末及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004345941A JP2006157546A (ja) | 2004-11-30 | 2004-11-30 | 無線通信端末及びプログラム |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006157546A true JP2006157546A (ja) | 2006-06-15 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004345941A Pending JP2006157546A (ja) | 2004-11-30 | 2004-11-30 | 無線通信端末及びプログラム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010508717A (ja) * | 2006-10-25 | 2010-03-18 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | 無線通信システムの均一圏外サーチ |
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-
2004
- 2004-11-30 JP JP2004345941A patent/JP2006157546A/ja active Pending
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