JP2006156322A - 電池収納構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子機器の電池収納部の構造において、電池を出し入れするための電池蓋の開閉による破損を防止する。
【解決手段】電池を収納する電池ケース10の電池蓋18は、電池ボックス16に固定されたシャフト20に支持されている。電池蓋は、蓋部22と、この蓋部をシャフト20に対し支持する支持アーム24を含む。また、蓋部22にフック28が形成され、このフックが電池ボックスのフック受け30に係合して、電池蓋を閉じ位置に保持する。電池蓋を、閉位置からシャフトの軸方向に沿って摺動することにより、フックの係合が解かれ、その後シャフトを軸にして回動して開く。回動中は、支持アームの側面にストッパ46が当接し、電池蓋の摺動を阻止する。これにより、回動して閉じようとしたときに、フック28がフック受け30の上から乗り上げるようにして当接することを防止できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子機器の電池収納構造に関し、特に収納部分に電池を出し入れする開口を開閉する電池蓋およびその周囲の構造に関する。
乾電池などの一次電池を電源とする電子機器は、電池を交換するために電池収納部分に開閉可能な蓋を設けている。下記特許文献1には、開閉する際に、摺動と回動を組み合わせた動作をする蓋が記載されている。具体的には、電池収納室に対して回動可能に支持される回動部材と、この回動部材を案内として摺動する電池蓋とが示されている。電池蓋を開く際には、まず、電池の出し入れの方向と直交する方向に電池蓋を摺動させ、これによって電池の収納部分と係合している蓋のフックの係合を解除し、その後電池蓋と回動部材とを一体に回動させて、電池を取り出せるようにしている。蓋を閉じる際には、開けるときと逆の動作、すなわちまず蓋を回動させ、その後摺動させてフックを係合する。摺動時には蓋の内側に設けられている接点と電池の電極が擦られて、電極に形成される酸化被膜を剥離することにより接点抵抗が低減される。また、回動動作を組み合わせることにより、簡単な構造で、本体から蓋が分離されないようにし、蓋の紛失等を防止している。
特開平11−224654号公報
前記公報に記載の電池蓋の開閉構造においては、電池蓋は、回動部材がどの回動位置にあっても摺動可能である。このため、電池蓋が正規の摺動位置にない状態でこれを回動し、閉じようとした場合、本来であれば摺動によって係合されるフックとフックを受ける部分が、直接当接し、蓋を閉められない場合がある。また、無理に閉めようとすれば、フックなどが破損する可能性もある。
本発明は、簡単な操作で電池蓋が開閉するようにし、また閉じる際にフック等に無理な力がかからないようにする。
本発明の電池収納構造は、電池を収納する電池ボックスの開口を開閉する電池蓋を有し、電池蓋には、電池蓋の閉位置において電池ボックスのフック受けと係合するフックが設けられている。電池蓋は、電池ボックスに配置されるシャフトに、これを軸として回動可能に、またこれの軸方向に摺動可能に支持されている。電池蓋を開くときには、まず、閉位置からシャフトの軸方向に沿って摺動させて、フックの係合を解除する(フック解除位置)。フックの係合の解除により電池蓋の回動が許容される。このフック解除位置から、シャフトを軸として回動させて電池蓋を開く(開位置)。電池蓋と電池ボックスには、電池蓋が前記フック解除位置にあるとき、前記閉位置への摺動を許容し、前記フック解除位置と前記開位置の間にあるときは摺動方向の移動を阻止する摺動阻止構造が設けられている。この摺動阻止構造により、電池蓋を閉めようとするとき、開位置からフック解除位置まで回動中は、閉位置の方向への摺動が阻止され、フック解除位置に達して阻止が解除されて閉位置への摺動が可能となる。
前記摺動阻止構造は、電池ボックスの開口を覆う蓋部を、シャフトより支持する支持アームと、電池ボックスに設けられ支持アームの側面に当接するストッパとを含むことが好ましい。ストッパが支持アームの側面に当接しているときは、支持アーム、すなわち電池蓋が閉位置側に摺動することが阻止され、電池蓋がフック解除位置にあるときにはストッパの当接が解除され、摺動が許容される。
さらに、摺動阻止構造の好適な例においては、前記支持アームを略レの字形とすることができ、電池蓋がフック解除位置にあるときに、前記ストッパは略レの字形の内側部分に位置することにより、支持アームの当接が解除されるように配置される。
さらに、電池蓋をフック解除位置から開位置へと付勢する第1ばねと、電池蓋を閉位置からフック解除位置へと付勢する第2ばねを設け、蓋の開閉をばねの付勢力により行うようにすることができる。電池蓋の閉位置への保持を解除すると、第2ばねにより電池蓋がフック解除位置へと摺動し、さらにここから第1ばねにより開位置へと回動する。また、前記第1及び第2のばねに替えて、回動方向と摺動方向の両方に付勢力を作用することができる単一のばねを用いることもできる。
また、本発明にかかる他の電池収納構造は、電池を収納する電池ボックスの開口を開閉する電池蓋を有し、電池蓋は、電池ボックスに回動可能に支持された蓋ベースに摺動可能に支持され、前記開口を覆うことができ、電池蓋の閉位置において、電池ボックスのフック受けと係合するフックが設けられた蓋体を有している。さらに、電池蓋は、蓋体を閉位置から摺動させることにより前記フックとフック受けの係合が解除され、電池蓋の回動が許容されるフック解除位置となり、フック解除位置から電池蓋を回動して前記開口を開口する開位置に移動する。電池蓋と電池ボックスには、電池蓋が前記フック解除位置にあるとき前記閉位置への摺動を許容し、前記フック解除位置と前記開位置の間にあるときには、蓋体の摺動方向の移動を阻止する摺動阻止構造が設けられている。
この他の電池収納構造の摺動阻止構造は、電池蓋においては、蓋ベースに設けられ、電池蓋が前記フック解除位置と前記開位置の間にあるとき、蓋体に、当該蓋体の摺動方向より当接し、蓋体の閉位置への摺動を阻止するストッパを含み、また電池ボックスにおいては、電池蓋が開位置より前記フック解除位置となったとき、前記ストッパに、その当接方向の側方より当接してストッパを撓ませ、蓋体の係合を解除する解除突起を含むものとすることができる。
また、別の摺動阻止構造は、電池蓋においては、蓋体に設けられ、電池蓋が前記フック解除位置と前記開位置の間にあるとき、蓋ベースに係合して、蓋体の閉位置への摺動を阻止するストッパを含み、また電池ボックスにおいては、電池蓋が開位置より前記フック解除位置となったとき、前記ストッパに、その当接方向の側方より当接してストッパを撓ませ、蓋体の係合を解除する解除突起を含むものとすることができる。
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。図1は、デジタルカメラなど携帯用の電子機器の電池を収納する電池ケース10の外形を示す斜視図である。電池ケース10は、電池を収納する収納空間12(図2参照)が内部に形成され、収納される電池を交換するために収納空間12を開放する開口14(図2参照)が形成された電池ボックス16と、この開口14を開閉する電池蓋18とを含む。電池蓋18は、概略、矢印Aの方向の摺動と、矢印Bの方向の回動により開閉する。電池蓋18は、図1において、ほぼ直立するまで回動し、これにより開口14を開口し、収納されていた電池は上方へ引き出される。収納時には電池は、逆に上方より収納空間12に挿入される。電池蓋18の摺動方向(矢印Aの方向)は、電池の出し入れの方向に対しては直交する方向となる。開口14に隣接し、電池の出し入れ方向に直交する方向にシャフト20が配置される。電池蓋18はこのシャフト20に摺動、回動を許容して支持されている。すなわち、電池蓋18は、シャフト20をガイドとして矢印Aの方向に摺動し、またシャフト20を軸として矢印Bの方向に回動する。
図2は電池蓋18が開いた電池ケース10の開口14周囲の詳細を示す図である。また、図3は電池蓋18単体を示す図である。電池蓋18は、開口14を覆う蓋部22と、蓋部22をシャフト20より支持する支持アーム24を含む。また、蓋部22の内側の面には電池の端子と接触する接片が支持されている。電池蓋の摺動方向の両端には、摺動方向Aにおいて、閉じる向きに突出してフック28が形成されている。これらのフック28は、電池蓋18が閉じたときには、電池ボックス16の対応する位置に設けられたフック受け30の下に潜り込むようになり、電池蓋18が開く方向(矢印Bの方向)に回動することを阻止する。また、図2中右端のフック28の下面には係止突起32が形成され、電池蓋18を閉じたときには、電池ボックス16の対向する位置にある窪み34内に固定された係止ばね35(図6,7参照)に係合し、これにより電池蓋18が閉じた状態に保持される。
支持アーム24は、シャフトの直交する断面形状が、片仮名のレの字に似た形状となっており、レの字の縦の棒に相当する基端側アーム部36の一端(レの字の上端)に、シャフト20が貫通する貫通孔38を有するシャフト筒39を有している。基端側アーム部36は、シャフト20の軸方向に二つに分割されており、その間の部分にはコイルばね40が配置されている(図1参照)。コイルばね40は、電池蓋18を、これが開く向きの回動方向に付勢するばねであり、以下回動ばね40と記して説明する。支持アーム24の、レの字の弧を描く部分に相当する先端側アーム部42は、基端側アーム部36の、シャフト筒39が設けられた側と反対側の端と蓋部22とを接続する。シャフト20は、電池蓋18の蓋部22の形成する平面内、またはこの平面の極近傍に平行に位置し、支持アーム24は、そのレの字形状により、飛び出すように位置している。また、シャフト20は、シャフト筒39に固定し、電池ボックスに対して摺動するようにすることもでき、さらに、電池蓋と一体に成形することもできる。
電池ボックス16の、支持アーム24の側面44に対向する位置には、ストッパ46が設けられている。ストッパ46は、図2によく示されるように、電池蓋18が開いているときには、支持アーム24の側面に当接しており、電池蓋18が摺動方向の右向きに動くのを阻止している。後に詳述するが、電池蓋18が、図2の開放した位置から、開口14を塞ぐ位置まで回動すると、ストッパ46と支持アーム24は接触が解除され、これにより電池蓋18の右方向への摺動が許容される。
図4から図8は、電池蓋18の開閉動作の説明図である。図4は、電池蓋18が閉じた状態(閉位置)を示す斜視図であり、この状態の3方向の断面図が図6に示されている。図5は、電池蓋18を図4の矢印A(図1の矢印Aと同様)の向きに摺動させた状態を示す斜視図であり、この状態の3方向の断面図が図7に示されている。図5および図7の状態で、電池蓋18のフック28と、電池ボックス16のフック受け30との係合が解除され、よって、以降、電池蓋18のこの位置をフック解除位置と呼ぶ。図8は、図2に示す電池蓋が開放された状態の2方向の断面図である。図6、図7および図8の(a)は、電池の出し入れの方向に直交する断面、(b)はシャフト20の軸方向より見た断面、図6および図7の(c)は、(a),(b)の断面に直交する断面を、それぞれ模式的に示した図である。
電池蓋18が閉位置にあるときには、フック28とフック受け30が係合して、回動して開く向きの動きを阻止している。また、係止突起32が係止ばね35と係合することで、摺動方向の動きも止められている。電池蓋18を開ける場合には、まず電池蓋18を、係止ばね35の係止力を超える力で、図4の矢印Aの向きに摺動させる。支持アーム24が納まる電池ボックス16の端面に、支持アーム24が当接するまで、電池蓋18を摺動させると、フック28とフック受け30の係合が解除される。この位置がフック解除位置である。このとき、ストッパ46は、支持アーム24のレの字の内側の部分50から抜き出された状態になる。フック28とフック受け30、ストッパ46と支持アーム24の係合が解かれているので、電池蓋18は、回動ばね40の付勢力によって図1に示す矢印Bの向きに回動し、電池ボックスの開口14を開放する。
閉じるときには、逆の動作を行う。電池蓋18が開位置にあるときには、ストッパ46が支持アーム24の側面に当接して、電池蓋18が閉位置側に移動するのを阻止する。電池蓋18をフック解除位置に戻す間もストッパにより電池蓋18の摺動が阻止され、回動動作によりフック28がフック受け30の上から、これに当接することが防止される。フック解除位置に達するとストッパ46は、支持アーム24のレの字の内側部分50に位置し、支持アーム24への当接が解除され、閉位置に向けての移動が許容される。電池蓋18を閉位置へと摺動させてフック28を係合する。
以上のように、本実施形態の電池蓋18は、蓋部22の形成する平面内、またはこれに近接するシャフト20に対し、支持アーム24により支持されている。支持アーム24は、シャフト20に支持される部分から、一旦前記の平面から出る方向に延び、屈曲して再び前記平面に戻って、ここで蓋部22につながる。支持アーム24のこのような形状によって、電池蓋18が閉じ位置にあるときに、支持アーム24がストッパ46を迂回し、これに当接しないようになっている。したがって、支持アーム24の略レの字形とは、片仮名の「レ」の字の形状そのものを指すものではなく、前述の機能を有する形状を含むものであり、例えばV字形、U字形等も含むものである。
図9は、本発明にかかる他の実施形態の電池ケース60の要部構成を示す分解斜視図である。電池ケース60は、前述の電池ケース10に対し、ワンタッチ操作で電池蓋を開く機能を有しており、そのための構成が付加されている。電池ケース10と同一の構成要素については、同一の符号を付して、説明を省略する。
電池の収納空間12を有する電池ボックス62には、ラッチ片64の動きを案内するラッチガイド66が設けられている。ラッチ片64は、ラッチばね68により、ラッチ片が電池蓋に向けて付勢されている。電池蓋70の支持アーム72は、シャフト20が貫通する孔を有する二つのシャフト筒74が全体として図中右上の方向にずれて配置されている。二つのシャフト筒74の間には、電池ケース10の場合と同様に、回動ばね40が配置され、更にこれに加えて、図中左側のシャフト筒74と、電池ボックス62の間にばね収納部75が設けられ、電池蓋70を図中右上に向けて付勢する摺動ばね76がここに配置されている。
図10は、電池蓋70を内側から見た状態を示す分解斜視図である。電池蓋70の内側の面の摺動方向において側面の、ラッチ片64に対向する位置には、ラッチ受け78が設けられている。このラッチ受け78が設けられている以外は、電池蓋70は、前述の電池蓋18と同様の構成を有する。図11は、ラッチ片64とラッチ受け78の関係を示す断面図であり、電池ボックス62の上端面における電池蓋70の断面が示されている。蓋部の縁に沿って設けられている壁の一部が切りかかれてラッチ受け78を形成しており、ここにラッチ片64が挿入され、電池蓋70が閉位置に保持される。
電池蓋70の開閉時の動作は、電池ケース10の場合と概略同様である。異なる点は、電池蓋70の、閉位置からフック解除位置まで摺動が、電池ケース10の場合、人が指で押して摺動させたのに対し、電池ケース60においては、ばねの付勢力によって行われる点である。電池蓋70を開くには、ラッチ片64を図11の矢印Cの向きに動かし、ラッチの係合を解く。これにより、摺動ばね76の付勢力が解放され、電池蓋70が矢印Aの向きに、フック解除位置まで摺動する。フック解除位置に達すると、回動ばね40の付勢力で開位置まで電池蓋70が回動する。なお、前出の電池ケース10の場合でも、摺動ばね76のように摺動方向に付勢するばねを設け、開動作の際に、係止ばね35による係止が解除された後、フック解除位置までの摺動、さらに開位置までの回動がばねの付勢力により行われるようにすることができる。
閉じる動作は、電池ケース10の場合と同様に、ストッパ46の機能により、電池蓋70の回動中にフック28がフック受け30に直接当接することが防止される。回動動作の最後に、図10に符号80で示すフックの下面が、ラッチ64に当接する。フック下面79が当接するラッチ64の部分には斜面80が形成され、さらに電池蓋70を回動させると、この斜面80の効果によりラッチ64が退避、すなわち図11の矢印Cの向きに移動する。これによって、電池蓋70は、フック解除位置まで移動され、さらに摺動されて閉位置に移動する。
このように電池ケース60の場合には、ラッチ片64のワンタッチの操作で、電池蓋70が開き、片手でも容易に開操作することができる。また、図9等に示される実施形態においては、摺動動作と回動動作を、摺動ばね76と回動ばね40で別個に行うものとしたが、摺動ばね76に替えて、伸縮方向にも捩り方向にも作用するばね(図9に符号77で示す)とすれば、ばねを一つに統合することができる。捩り方向にも作用させるためには、図示するように、コイルばねの両端を半径方向に延ばしたばねとすればよい。
図10に示されるように、電池蓋70の内側の面には電池の端子と電気的に接触する接片26が配置されている。接片26は、電池の極に接触する接点を有する金属部90と、金属部の所定部分を覆って、電池の所定の極のみ金属部90と接触させるための絶縁材料からなるキャップ92,94を含む。電池ケース60に収納される電池は図12に示される組電池96である。組電池96は、二つの円筒の単電池98を、互いに極が逆向きとなるように組み合わせたものであり、一方の単電池が正極100を上に向けており、他方は負極102を上に向けている。なお、組電池でない電池も収納可能であり、互いに独立した単電池98を用いることも可能である。
金属部90は、中央の基部104と、ここから左右に延びる腕部106,108を有し、全体として、基部104を頂点とする山形に形成されている。腕部106の中央には、組電池96の正極100と接触する正極接点110が形成されており、周縁はキャップ92で囲まれている。キャップ92の厚さは、その縁が正極接点110の頂点より高い位置となって、正極接点110が組電池の平らな負極102に対向しても、負極と接点の間に所定の間隔を形成する。正極100は、電池の円筒径の端面より突出しているために、キャップ92に阻止されることなく正極接点110と接触する。もう一方の腕部108の中央から外れた位置には、二つの負極接点112が配置されている。負極接点112は、金属部を形成する板金を手前側に引き起こして形成されており、キャップ94に形成されたスリット114と係合して、更にキャップ94の表面より若干突出している。腕部108に、負極102が対向する場合、負極102は正極に比較して、その面積が広いので、負極接点112と接触するが、正極100が対向した場合には、正極は二つの負極接点112の間に位置してこれらと接触しない。特に、キャップ94の中央部分には楕円または長円の窪み116が設けられ、正極100はこの窪み116にはまり、横にずれて負極接点112と接触しないようになっている。
図10に示されるように、電池蓋70の内側の面には、支持ボス118と回り止め突起120,122が設けられている。これらの支持ボス118および二つの回り止め突起120,122は、電池蓋70の内側の面に設けられた支持面124より突出している。また、回り止め突起120,122の断面は、突起120が方形、突起122が円形となっている。接片の基部104には、支持ボス118に対応して支持穴126が、また回り止め突起120,122に対応して回り止め穴128,130が設けられている。二つの回り止め穴は、穴128が方形、穴130が円形となっており、対応する突起120,122に対応している。これによって、接片26を取り付ける際に、向きを間違えることを防止している。また、支持ボス118および回り止め突起120,122と、対向する各穴126,128,130は、その外径と内径の差が比較的大きくとられており、接片26を電池蓋70の裏面に取り付けた際にも、接片26の動きを若干許容するようになっている。接片26は、電池蓋内側面の支持面124上に載置され、支持ボス118に支持ビス132を固定することにより、支持される。
図13は、電池蓋70に接片26を取り付けた状態を示す断面図である。図示するように、接片26は、支持ビス132のフランジ部分と支持面124の間隙、すなわち支持ボス118の高さ分だけの遊びをもって支持されている。これと、前述したようにボス及び突起と、穴の径の差により、接片26は、シーソーのように揺動可能に支持される。組電池96は、二つの単電池98を組み付けて作成されるが、このとき二つの単電池が軸方向にずれて組まれることがある。この場合、正極110と負極102の高さが変わることになる。接片26が、シーソーのように揺動可能でなく、基部104を電池蓋70に完全に固定した場合、左右の腕部106,108は互いに独立したものとなる。したがって、単電池がずれて組まれた場合、接点が電池の極に接触する圧力は、偏ったものとなる可能性がある。これに対して、本実施形態においては、接片26は、シーソーのように揺動可能であり、電池のずれによる極の高さの差を吸収することができ、接点の接触圧を均等にすることができる。図14は、電池ボックス16の底部の様子を示す断面図である。接片134は、一端が電池ボックス16の外壁に固定され、そこから湾曲して他端が、収納空間12の底に延びている。組電池96が収納されていない状態では図中、鎖線で示された位置にあり、組電池が挿入されると、押し込まれて図中の実線の位置となる。この状態でも、組電池96と電池ボックス16の底の間には隙間がある。電子機器が、落下などの衝撃を受けたとき、組電池96は、前記の隙間分だけ動く可能性がある。このとき、電池蓋側の接片の接触圧が適切でないと、接片が組電池の動きに追従できず、瞬間的な断線を生じる場合がある。特に、接触圧が正、負極でアンバランスとなっていると、断線の可能性が高くなる。本実施形態においては、接片26を遊びをもって支持し、シーソーの揺動を許容することで、二つの接点に対し、均等な接触圧を確保しており、瞬間的な断線が防止される。
図15から図20は、本発明にかかる他の実施形態の電池の収容構造、特に電池蓋周囲の構造を示す図である。図15は、電池ケース150を上方、すなわち電池をケース内に挿入する方向より見た図である。図16は図15に示すD−D線における断面図であって電池を収容している状態、図17は図15に示すE−E線における断面図であって電池を収容していない状態を示す図である。また、図18から図20は、電池蓋開閉動作中の前記E−E線における断面図である。
図15から図17において、電池蓋152は、電池ケース150の開口を閉じた状態、すなわち閉位置にある。電池蓋152は、電池ケース150の開口を覆う部分である蓋体154と、この蓋体154を、図中左右方向に摺動可能に支持する蓋ベース156を含む。この蓋ベース156は、電池158を収容する電池ボックス160に設けられたシャフト162に回動可能に支持されている。電池蓋152の裏面、すなわち電池158に対向する面には、接片164が設けられている(図17参照)。接片164は前述した接片26と同様の構成を有するもので、ここではその説明は省略する。
図16および図25,26に示すように、電池蓋152の回動の軸から遠い側の端(以下先端と記す)には、蓋体152に一体にフック166A,166Bが設けられ、また電池ボックス160の、フック166Aに対応する位置にはフック受け168が一体に設けられている。なお、図26は、図25に示すG−G線における断面図である。図16に示されるように、電池蓋152が閉位置にあるときには、フック166Aとフック受け168が係合して、電池蓋152の回動を阻止し、これを電池ボックス160の開口を塞いだ位置に保持している。図17に示すように、蓋ベース156からは、先端に向けてストッパ170が延びている。ストッパ170は、電池蓋152が閉位置にあるときには、電池ボックス160の開口の縁に設けられた解除突起172に側方より当接されている。これによりストッパ170は、図17および図27,28に示すようにフック166Bの先端から外れ166Bに重なった位置となる。なお、図27は、図28のH−H線における断面図である。
電池蓋の蓋体154を図17の左方向に、蓋ベース156に対して摺動させると、フック166Aとフック受け168の係合が解け、またストッパ170とフック166Bが重ならない位置となる(図18参照)。この位置がフック解除位置である。フック解除位置においては、フック166Aとフック受け168の係合が解除されているので、電池蓋152を回動することが可能となる。図18の状態から、電池蓋152をわずかに回動させた状態が図19に示されている。この回動により、解除突起172に側方より押され、撓んでいたストッパ170は、中立の位置に戻る。このときのストッパ170の先端は、電池蓋のフック166Bの先端と対向する位置である。この状態で、ストッパ170は、蓋体154の図中右方向(X方向)への摺動を阻止する。すなわち、蓋体154を摺動させようとしたとき、フック166Bの先端が、これと対向するストッパ170の先端に当接して、それ以上の移動が阻止される。また、図中左方向(−X方向)への摺動は、図25,26に示す蓋抜け防止リブ310と蓋ベースに成形した蓋抜け防止ストッパ部300とにより阻止される。蓋体154は、ストッパ170がフック166Bの先端に当接した状態で回動し、図20に示されるように電池ボックスを開放する開位置に至る。
電池蓋152を閉じる際、開位置からフック解除位置に至る間はストッパ170とフック166Bの先端が当接していることにより、蓋体154のX方向の動きは阻止される。そして、ストッパ170の側面に解除突起172が当接し、ストッパ170を撓ませ、これによりストッパ170とフック166Bの当接状態が解除される。また、このときまで、蓋体154のX方向の摺動が制限されているので、フック166Aがフック受け168に乗り上げることが防止されている。ストッパ170とフック166Bの当接状態が解除されると、蓋体154の摺動が許容され、摺動させることによりフック166Aとフック受け168を係合することができる。
また、シャフト162には捩りばね174を配置し(図16,17参照)、電池蓋152が開く方向に付勢力を与えることも可能である。
図21から図24は、本発明にかかる他の実施形態の電池の収容構造、特に電池蓋周囲の構造を示す図である。図21は、電池ケース180を上方、すなわち電池をケース内に挿入する方向より見て、また部分的に破断した図である。図22は図21に示すF−F線における断面図である。また、図23および図24は、電池蓋開閉動作中の前記F−F線における断面図である。
図21および図17において、電池蓋182は、電池ケース180の開口を閉じた状態、すなわち閉位置にある。電池蓋182は、電池ケース180の開口を覆う部分である蓋体184と、この蓋体184を、図中左右方向に摺動可能に支持する蓋ベース186を含む。この蓋ベース186は、電池を収容する電池ボックス190に設けられたシャフト192に回動可能に支持されている。電池蓋182の裏面には、電池と接触する接片194が設けられている(図22参照)。接片194は前述した接片26と同様の構成を有するもので、ここではその説明は省略する。
図22に示すように、電池蓋182の回動の軸から遠い側の端(以下先端と記す)には、蓋体184に一体にフック196が設けられ、また電池ボックス190の、このフックに対応する位置にはフック受け198が一体に設けられている。図22に示されるように、電池蓋182が閉位置にあるときには、フック196とフック受け198が係合して、電池蓋182の回動を阻止し、これを電池ボックス190の開口を塞いだ位置に保持している。また、電池蓋の蓋体184の裏面のやや先端よりには、異形の板ばね状の部材であるストッパ200が固定されている。図21によく示されるように、ストッパ200は蓋体184に固定される固定端部202と、この固定端部より先端(図中左方)に向けて延びる幹部204と、幹部より側方に延び、その後先端に向くかぎ部206とを有している。かぎ部206の先端は、図22に示されるように下方に向けてかぎ状に屈曲し、L字形をなしている。幹部204は、フック受け198の上方まで延びている。
前述のように、図22は電池蓋182が閉位置にある状態を示しており、このときストッパ幹部204の先端は、フック受け198の上面に当接し、ストッパ200を上方に撓ませている。蓋体184を、蓋ベース186に対し左に摺動させて図23の位置とすると、フック196とフック受け198の係合が解除され、電池蓋182の開位置への回動が可能となる。また、図23に示すこの位置が電池蓋182のフック解除位置である。フック解除位置より電池蓋182を若干回動させた状態が図24に示されている。この位置においては、フック受け198は、ストッパ200を押しておらず、ストッパ200は、中立の位置に戻っている。この位置は、ストッパ200の先端が図23の位置より蓋体184より離れる位置である。この中立位置に復帰したストッパのかぎ部206は、その先端が、蓋ベース186の先端208と係合する。この係合により、蓋体184のシャフト192に向かう方向の摺動が阻止される。電池蓋182は、この状態で回動し、電池ボックス190の開口を開放する開位置に移動可能となる。
電池蓋182を閉じるときには、開位置よりフック解除位置までは、ストッパのかぎ部206が蓋ベース186の先端208と係合しているため、蓋体184の摺動が阻止され、フック196がフック受け198に乗り上げることが防止される。フック解除位置に達する直前において、フック受け198がストッパの幹部204に当接し、ストッパ200を撓ませて、ストッパのかぎ部206と蓋ベース186の係合を解除する。したがって、フック受け198は、ストッパと蓋ベースの係合を解除する解除突起として機能する。この係合が解除された後は、蓋体184の摺動が許可され、閉位置へ移動可能となる。また、前述の捩りばね174と同様の捩りばね210を設け、電池蓋182を開位置に向けて付勢することもできる。
本実施形態の電池ケース10の外観を示す斜視図である。 電池ケース10の電池蓋18を開けた状態を示す図である。 電池蓋18を示す斜視図である。 電池蓋18が閉じた状態を示す図である。 電池蓋18を摺動させ、ロックを解除した状態を示す図である。 電池蓋18の開閉動作の説明図であり、蓋が閉位置にある状態を示す図である。 電池蓋18の開閉動作の説明図であり、蓋がロック解除位置にある状態を示す図である。 電池蓋18の開閉動作の説明図であり、蓋が開位置にある状態を示す図である。 他の実施形態の電池ケース60の外観を示す斜視図である。 電池蓋70および接片26の分解斜視図である。 電池蓋70の開閉動作の説明図である。 組電池の外観を示す斜視図である。 接片26の取り付け状態を示す断面図である。 電池ケースの底部の接点を示す図である。 他の実施形態の電池ケースの蓋周囲を示す図である。 図15のD−D線による断面図である。 図15のE−E線による断面図である。 電池蓋152の開閉動作の説明図であり、フックを解除した状態を示す図である。 電池蓋152の開閉動作の説明図であり、ストッパ170が蓋体154に当接し、この蓋体の摺動を阻止している状態を示す図である。 電池蓋152の開閉動作の説明図であり、蓋が開位置にある状態を示す図である。 さらに他の実施形態の電池ケースの蓋周囲を示す図である。 電池蓋182の開閉動作の説明図であり、蓋が閉位置にある状態を示す図である。 電池蓋182の開閉動作の説明図であり、フックを解除した状態を示す図である。 電池蓋182の開閉動作の説明図であり、ストッパ200が蓋ベース186に当接し、蓋体の摺動を阻止している状態を示す図である。 図15の電池ケースの蓋を裏側から見た図である。 図25のG−G線による断面図である。 図15の電池ケースのフックとフック受けおよびストッパの位置関係を示す詳細図である。 図15の電池ケースのフックとフック受けおよびストッパの位置関係を示す詳細図である。
符号の説明
10,60,150,180 電池ケース、12 収納空間、16,160,190 電池ボックス、18,70,152,182 電池蓋、20 シャフト、24,72 支持アーム、26,164,194 接片、28,166A,196 フック、30,168,198 フック受け、46,170,200 ストッパ、50 レの字の内側の部分、64 ラッチ片、78 ラッチ受け、154,184 蓋体、156,186 蓋ベース、172 解除突起。

Claims (9)

  1. 一端に電池を出し入れする開口を有し電池を収納する電池ボックスと、前記開口を開閉する電池蓋とを有する、電子機器の電池収納構造であって、
    電池蓋には、電池蓋の閉位置において、電池ボックスのフック受けと係合するフックが設けられ、
    電池蓋は、
    電池ボックスに配置されるシャフトに、シャフトを軸として回動可能に、またシャフトの軸方向に摺動可能に支持され、閉位置から摺動することにより前記フックとフック受けの係合が解除され、電池蓋の回動が許容されるフック解除位置に移動し、フック解除位置から回動して前記開口を開放する開位置に移動し、
    電池蓋と電池ボックスには、電池蓋が前記フック解除位置にあるとき前記閉位置への摺動を許容し、前記フック解除位置と前記開位置の間にあるときには摺動方向の移動を阻止する摺動阻止構造が設けられている、
    電池収納構造。
  2. 請求項1に記載の電池収納構造であって、
    前記摺動阻止構造は、
    電池蓋においては、電池ボックス開口部を覆う蓋部を前記シャフトより支持する支持アーム、電池ボックスにおいては、電池蓋が前記フック解除位置と前記開位置の間にあるとき前記支持アームの側面に当接するストッパを含み、
    電池蓋が前記フック解除位置にあるときに、前記ストッパの支持アームへの当接が解除され、電池蓋の閉位置への摺動を許容する、
    電池収納構造。
  3. 請求項2に記載の電池収納構造であって、
    前記支持アームは略レの字形であり、電池蓋が前記フック解除位置にあるときに、前記ストッパは当該支持アームの略レの字形の内側部分に位置することにより、支持アームへの当接が解除される、
    電池収納構造。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電池収納構造であって、
    電池蓋の閉位置からの摺動を阻止するラッチを含み、
    さらに、電池蓋をフック解除位置から開位置へと付勢する第1ばねと、電池蓋を閉位置からフック解除位置へと付勢する第2ばねと、を有し、
    前記ラッチを開放すると、電池蓋は、第2ばねによりフック解除位置へと摺動され、続いて第1ばねによりフック解除位置から開位置へと回動される、
    電池蓋の収納構造。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電池収納構造であって、
    電池蓋の閉位置からの摺動を阻止するラッチを含み、
    さらに、電池蓋をフック解除位置から開位置へと付勢し、かつ閉位置からフック解除位置へと付勢する単一のばねを有し、
    前記ラッチを解放すると、電池蓋は、前記ばねによりフック解除位置へと摺動され、続いて開位置へと回動される、
    電池蓋の収納構造。
  6. 一端に電池を出し入れする開口を有し電池を収納する電池ボックスと、前記開口を開閉する電池蓋とを有する、電子機器の電池収納構造であって、
    電池蓋は、
    電池ボックスに回動可能に支持された蓋ベースと、
    蓋ベースに摺動可能に支持され、前記開口を覆うことができ、電池蓋の閉位置において、電池ボックスのフック受けと係合するフックが設けられた蓋体と、
    を有し、
    さらに、電池蓋は、
    蓋体を閉位置から摺動させることにより前記フックとフック受けの係合が解除され、電池蓋の回動が許容されるフック解除位置となり、フック解除位置から蓋ベースを回動して前記開口を開口する開位置に移動し、
    電池蓋と電池ボックスには、電池蓋が前記フック解除位置にあるとき前記閉位置への摺動を許容し、前記フック解除位置と前記開位置の間にあるときには、蓋体の摺動方向の移動を阻止する摺動阻止構造が設けられている、
    電池収納構造。
  7. 請求項6に記載の電池収納構造であって、
    前記摺動阻止構造は、
    電池蓋においては、蓋ベースに設けられ、電池蓋が前記フック解除位置と前記開位置の間にあるとき、蓋体に、当該蓋体の摺動方向より当接し、蓋体の閉位置への摺動を阻止するストッパを、
    電池ボックスにおいては、電池蓋が開位置より前記フック解除位置となったとき、前記ストッパに、その当接方向の側方より当接してストッパを撓ませ、蓋体の係合を解除する解除突起を、
    含む、
    電池収納構造。
  8. 請求項6に記載の電池収納構造であって、
    前記摺動阻止構造は、
    電池蓋においては、蓋体に設けられ、電池蓋が前記フック解除位置と前記開位置の間にあるとき、蓋ベースに係合して、蓋体の閉位置への摺動を阻止するストッパを、
    電池ボックスにおいては、電池蓋が開位置より前記フック解除位置となったとき、前記ストッパに、その当接方向の側方より当接してストッパを撓ませ、蓋体の係合を解除する解除突起を、
    含む、
    電池収納構造。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電池収納構造であって、
    前記電池蓋の内側の面には、電池の接点と接触する接片が配置され、電池蓋開閉時の摺動により、電池の接点と接片が擦れて、これらの表面の酸化被膜を削る、
    電池収納構造。
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