JP2006155740A - 光ディスク装置及び光ディスクの欠陥処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
遅延なくディスクの欠陥を検出してその欠陥を除去することができる光ディスク装置及び光ディスクの欠陥処理方法を提供すること。
【解決手段】
先行するサブビームプリアンプ32による再生信号から、最大値検波回路34及びディフェクト検出回路35で先行したディフェクト信号が取得され、このディフェクト信号を利用してディフェクト信号除去回路36によりメインビームプリアンプ31で再生されるディフェクト信号が除去される。これにより、本来の欠陥信号の検出時の遅延をなくし、当該欠陥を除去することができる。
【選択図】図3
遅延なくディスクの欠陥を検出してその欠陥を除去することができる光ディスク装置及び光ディスクの欠陥処理方法を提供すること。
【解決手段】
先行するサブビームプリアンプ32による再生信号から、最大値検波回路34及びディフェクト検出回路35で先行したディフェクト信号が取得され、このディフェクト信号を利用してディフェクト信号除去回路36によりメインビームプリアンプ31で再生されるディフェクト信号が除去される。これにより、本来の欠陥信号の検出時の遅延をなくし、当該欠陥を除去することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、光ディスクに記録された信号を再生可能な光ディスク装置及びその光ディスクの欠陥信号を処理する欠陥処理方法に関する。
近年、ブルーレイディスク(Blu−ray Disk)にデータを記録再生する光ディスク装置が出現している。ブルーレイディスクによれば、波長405nmの青紫色レーザと、開口数(NA)0.85の対物レンズに加えて、光透過保護層厚0.1ミリメートルのディスク構造を採用することにより、直径12cmの書き換え可能な相変化光ディスクの片面に最大27GBのデータを記録することができる。
DVDでは、680nmの光に於いては、カバー層が厚い事、レーザ波長が680nmが長く、ビーム径が大きい事等で、ディスクについた指紋、傷、ゴミ等に関しては大きなきな弊害にはならない。ところが、ブルーレイディスクでは、DVDに比べて記録密度が約5倍、ディスクの光透過保護層が約1/7であるためディスク表面の欠陥(ディフェクト)の影響を受けやすい。そこで、ECC(Error Correction Code)のエラー訂正能力を高くするために、1ECCブロックのサイズを、ブルーレイディスクの記録再生単位であるRUB(Recording Unit Block)と同じ大きさである64KByteと大きくしてある。しかし、想定外の大きな指紋や大きな擦り傷などの欠陥がディスク面にあると、データが欠如してしまい、これにより1ECC部(1RUB)の1/3にも達し、1RUBのデータが破綻してしまう。
このような光ディスク上のディフェクトを検出する方法として、再生RF信号のレベルの低下または増加を検出する方法や、あるいは再生RF信号にLPF(Low Pass Filter)をかけてRF信号を減衰させた後、平均レベルから逸脱した信号をコンパレータで検出する方法等もある(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明に関連する技術として下記の特許文献2が挙げられる。
特開平11−96655号公報(段落[0003]、図4)
特開平10−40465号公報(段落[0010]、図2)
しかしながら、上記特許文献1に記載の装置では、ある閾値までRF信号のレベルの低下または増加を待たなければならないので、1.0μs以下程度の遅延を伴う。この場合、遅延した分だけディフェクト信号の一部が残ってしまうという問題がある。特に、tr(立上り)及びtf(立下り)の小さなディフェクトやレベルの大きなディフェクトではその影響が大きくなる。具体的には、このような残留分のディフェクト信号が、RF信号の低域成分を除去するためのHPF(High Pass Filter)やAGC(Automatic Gain Control)を通ると微分されてDC成分が生成され、RF信号のゼロクロスが変動するといった問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、遅延なくディスクの欠陥を検出してその欠陥を除去することができる光ディスク装置及び光ディスクの欠陥処理方法を提供することにある。
本発明に係る光ディスク装置は、光源から出射されたビームが少なくとも2つに分割されたビームのうちの第1のビームが、信号が記録された回転する光ディスクのトラック上に照射されたときの第1の反射ビームを検出することで、前記信号をRF信号として再生するRF信号再生手段と、前記第1のビームが照射されたトラックと同じトラック上に前記分割されたビームのうち前記第1のビームに先行して照射された第2のビームにより得られる第2の反射ビームを検出することで、前記光ディスク上の欠陥による第1の欠陥信号を取得することが可能な第1の検出手段と、少なくとも前記取得された前記第1の欠陥信号に基づき、前記再生されたRF信号に含まれる前記欠陥による信号であって前記第1の欠陥信号より遅れて再生された第2の欠陥信号を除去する除去手段とを具備する。
本発明では、第1の光に先行する第2の光の第2の反射光から第1の欠陥信号を取得し、この第1の欠陥信号を利用して第2の欠陥信号を除去するようにしている。これにより、本来の欠陥信号の検出時の遅延をなくし、当該欠陥を除去することができる。このように欠陥を除去することができれば、後段の回路での特別な欠陥処理が不要になり、後段の回路設計が容易となる。
「同じトラック上に」とは、両ビームの中心が光ディスクの径方向でずれていてもよく、両ビームの少なくとも一部が同じトラックに照射される状態も含む意味である。以下、同様である。
本発明の一の形態によれば、前記除去手段は、前記第1の欠陥信号と前記第2の欠陥信号とを時間的に包絡する包絡信号を生成する手段と、前記生成された包絡信号の期間だけ前記第2の欠陥信号を除去する手段とを有する。このような包絡信号が生成されることで、第2の欠陥信号を完全に除去することができる。
本発明の一の形態によれば、前記除去手段は、前記第1の欠陥信号の立下りを遅延する手段と、前記遅延された後の前記第1の欠陥信号の期間だけ前記第2の欠陥信号を除去する手段とを有する。このように第1の欠陥信号のみを用いても欠陥を除去することができる。
本発明の一の形態によれば、前記第2の反射ビームとの差分に基づき前記光ディスクのトラッキングエラー信号を得るために、前記分割されたビームのうち、前記第1のビームに後行して前記トラックと同じトラック上に照射される第3の反射ビームを検出する第2の検出手段をさらに具備する。すなわち、公知の3ビーム方式のフォトディテクタを有効に利用して、欠陥信号を除去することができる。差分とは、光量の差分である。
本発明の一の形態によれば、前記RF再生手段は、前記第2の欠陥信号をホワイトスポットによって生成される信号として再生する。一般的に、光ディスクのディフェクトの種類には、ホワイトスポットやブラックベルトが存在し得ると考えられる。ホワイトスポットは、ディスクの製造時において、主に記録膜に混入する気泡が原因で発生すると考えられている。記録膜に気泡が発生するということは、つまり記録膜に孔があいた状態となるため、レーザ光が記録膜より下層の反射膜に直接照射されることにより通常より強い反射光が検出されてしまう。このようにしてホワイトスポットが発生する。一方、ブラックベルトは、例えば黒のマジックペン等でディスクに故意に塗られたことによって発生するディフェクトであり、実際の製品ディスクにおいてはこのようなディフェクトは想定しにくい。しかし、ディスク表面の傷、指紋、ゴミ等が多くなった場合には、結果的にブラックベルトと同様なディフェクトが発生することも考えられる。このブラックベルトは、RF再生信号レベルが極端に低下するディフェクトであってホワイトスポットに比べ長時間継続する。本発明のようにホワイトスポットによる欠陥信号を除去するような回路が設計されてしまえば、あとはブラックベルトのみによる欠陥処理を行う回路が設計されればよく、後の回路設計が容易となる。
本発明の一の形態によれば、前記ホワイトスポットの前記トラック方向の幅が100μm以下である。ホワイトスポットが再生された場合、大きなDC信号が得られるため、トラッキングサーボ系に乱れが生じ、光ピックアップのアクセス位置が最悪隣接のトラックに移ってしまうことが考えられる。例えば、ブルーレイディスクの規格では、このような外乱でサーボ系がホールドされた場合、ホールド開始位置から、ホールド解除後においてその隣接するトラックにアクセスしている最大長さが300μm程度であるから、サーボ系に余裕を見積もって100μmとすることが望ましい。
本発明に係る光ディスクの欠陥処理方法は、光源から出射されたビームが少なくとも2つに分割されたビームのうちの第1のビームが、信号が記録された回転する光ディスクのトラック上に照射されたときの第1の反射ビームを検出することで、前記信号をRF信号として再生するステップと、前記第1のビームが照射されたトラックと同じトラック上に前記分割されたビームのうち前記第1のビームに先行して照射された第2のビームにより得られる第2の反射ビームを検出することで、前記光ディスク上の欠陥による第1の欠陥信号を取得するステップと、少なくとも前記取得された前記第1の欠陥信号に基づき、前記再生されたRF信号に含まれる前記欠陥による信号であって前記第1の欠陥信号より遅れて再生された第2の欠陥信号を除去するステップとを具備する。
本発明では、第2の欠陥信号の検出時の遅延をなくし、当該欠陥を除去することができるので、後段の回路での特別な欠陥処理が不要になり、後段の回路設計が容易となる。
以上のように、本発明によれば、遅延なくディスクの欠陥を検出してその欠陥を除去することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
この光ディスク装置101は、DVD±R/RW、CD−R/RW、ブルーレイディスクのような光ディスク102を回転駆動するスピンドルモータ103、いわゆる3ビーム方式によるPD(フォトディテクタ)104やレーザ光源105を有する光ピックアップ106、この光ピックアップ106を光ディスク102の半径方向に移動する送りモータ107、装置全体及び信号処理やサーボ制御などの個別制御を行うシステムコントローラ108、光ピックアップ106のPD(フォトディテクタ)104から出力される各種の信号に基づいて、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号を生成するとともに、ディスクのディフェクトを処理する信号再生&ディフェクト処理回路110、信号の変調、復調及びECCの付加、ECCに基づくエラー訂正処理を行う信号変復調器&ECC部111、スピンドルモータ103及び送りモータ107を駆動制御するサーボ制御部112、外部コンピュータ130を接続するためのインターフェース113、D/A変換器114、オーディオ・ビジュアル処理部115、オーディオ・ビジュアル信号入出力処理部116、レーザ光源105を駆動するレーザ制御部117を有している。
図2は、PD104の構成を示す図である。図3は、信号再生&ディフェクト処理回路110の構成を示すブロック図である。
光ディスク102の信号の記録面には、ピット16の列からなるトラック15の列が形成されている。光ディスク102がスピンドルモータ103によって矢印A方向に回転するようになっている。上記レーザ光源105から出射されたレーザ光は、3分割されて、後段のメインビームプリアンプ31(図3参照)によりRF信号を得るためのメインビームL1、このメインビームL1に先行するサブビームL2及び後行するサブビームL3として照射される。具体的には、レーザ光が図示しない回折格子を通り、0次光と1次光とに分割されて3つのビームL1、L2及びL3が形成される。サブビームL2とL3との照射スポット間の距離dは、例えば15〜30μmに設定されている。
PD104は、これらのビームL1、L2及びL3のディスク102からの反射光をそれぞれ検出するフォトディテクタ11、12及び13からなる。メインビーム用のディテクタ11は、例えば4分割受光面方式のものが用いられる。図3に示すように、信号再生&ディフェクト処理回路110は、3つのビームのうちサブビームL2及びL3の反射光を検出するディテクタ12及び13の出力17及び18が入力される差動アンプ37を有しており、この差動アンプ37によって先行サブビームL2と後行サブビームL3との光量の差分が取られ、トラッキングエラー信号14が生成される。このトラッキングエラー信号14は、例えばサーボ制御部112(図1参照)に出力され、トラッキングサーボが行われる。
図3に示すように、信号再生&ディフェクト処理回路110は、ディテクタ11、12及び13でそれぞれ検出された検出信号16、17及び18をそれぞれ増幅するメインビームプリアンプ31、サブビームプリアンプ32及び33、これら3つのプリアンプから得られるディスク上のホワイトスポットによるディフェクト信号から、これらの信号を時間的に包絡した信号を生成する最大値検波回路34、この最大値検波回路34で生成された包絡信号から、ディフェクトを処理するためにディフェクト検出信号9を生成するディフェクト検出回路35、このディフェクト検出信号9を用いて、実際のディフェクト信号、つまりメインビームプリアンプ31で再生されたRF信号に含まれるディフェクト信号を除去するディフェクト信号除去回路36を有している。
信号再生&ディフェクト処理回路110は、ディフェクト信号除去回路36でディフェクト信号が除去された後のRF信号10が入力され、ディスクの回転周期により発生する低域成分を除去するHPF3、メディアによって信号レベルのばらつき等がある場合に、安定的に復調できるようにするために信号レベルを一定レベルに自動的にコントロールするAGC回路4、符号間干渉を抑え、減衰する高域のレベルを増強するイコライザ5、アナログ信号をデジタル変換するA/D変換器6、光ディスク102に所定間隔で記録された同期信号を基にクロックを生成するPLL回路7、入力されるRF信号10に基づいてAGC回路4のゲインをホールドするホールド信号22及びPLL回路7をホールドするホールド信号23を出力するプロセッサ8を有する。プロセッサ8は、ディスクのディフェクトの一種であるブラックベルトによるディフェクトが検出されたときに、その検出信号に基づき、所定の期間AGCホールド及びPLLホールドのうち少なくとも一方を出力する。
なお、ブラックベルトによるディフェクトを検出するための検出回路は図示されていないが、例えば以下のように構成される。例えば、メインビームプリアンプ31の出力からLPFで高域成分を除去し、ディフェクト信号が所定のレベルより低下する期間のみをハイレベルとしたパルス信号をディフェクト検出信号とし、これをプロセッサ8に出力するような回路で実現される。そして上述したように、プロセッサ8が、少なくともそのディフェクト検出信号が得られている期間だけAGCホールド信号22及びPLLホールド信号23のうち少なくとも一方を生成すればよい。
ブラックベルトによるディフェクト信号は、ホワイトスポットのディフェクト信号より長時間で、レベルが極端に低下した信号として検出される。ブラックベルトは、長時間で絶対値レベルも大きいため、ECCのエラー訂正能力を超える場合もある。したがって、本実施の形態に係る光ディスク装置101では、このようにブラックベルトによるディフェクトがあった場合は、AGCホールドやPLLホールドが行われることで、そのディフェクトによる影響を除去するようにしている。
図4に、ブラックベルトによる実際のディフェクトの波形を示す。符号39がディフェクト信号(メインビームプリアンプ31の出力)、符号38がAGC回路の出力波形(前段のHPF3によって微分された波形)、符号40がディフェクト検出信号である。波形39において、符号39aの部分でレベル低下が起こり、これがディフェクト信号となる。
一方、図5は、ホワイトスポットによる実際のディフェクトの波形を示す。符号41がホワイトスポットによるディフェクト信号(メインビームプリアンプ31の出力)、符号42及び43は、波形41を時間軸で約10倍拡大したものである。波形41において、符号41aの部分でレベル増加が起こり、これがディフェクト信号となる。波形41において、RF再生信号レベルが150mVp−pに対して、ホワイトスポット41aのレベルはその3倍以上で500mVにもなる。また、ホワイトスポット41aのtr、tfは約100nsと速く、また、ホワイトスポットの大きさの許容範囲は、ディスク記録面上で300μmΦ以下、より好ましくは100μmΦ以下である。この許容範囲は、ブルーレイにおけるトラッキングサーボ系の規格から、そのような値に設定されることが望ましい。また、信号再生時のディスクの回転による線速度が10m/sの場合であって、ホワイトスポットが100μmの場合には、ホワイトスポット41aのパルス幅が約10μsとなる。
図6は、上記最大値検波回路34を実現するための回路の一例を示す図である。ディテクタ11、12及び13による検出信号16、17及び18は、エミッタ共通のトランジスタTR1、TR2及びTR3により増幅されて出力されるようになっている。図7は、図6の等価回路である。
図8は、上記ディフェクト信号除去回路36を実現するための回路の一例を示す図である。RF信号の入力は、最大値検波回路34の出力であるディフェクト検出信号9を制御信号としてトランジスタTR4がスイッチング制御されることにより、HPF1を介してディフェクト信号が除去された信号10が出力される。
図9は、図2に示したメインビームプリアンプ31及び2つのサブビームプリアンプ32及び33の再生信号の波形を示す図である。図10は、2つのサブビームプリアンプ32及び33のみの再生信号の波形を示す図である。波形45がメインビームプリアンプ31の出力、波形46が、先行のサブビームプリアンプ32の出力、波形47が後行のサブビームプリアンプ33の出力である。先行のサブビームプリアンプ32の出力は、後行のサブビームプリアンプ33の出力に比べ約1.5μs進んでいる。サブビームL2及びL3の照射スポット間の距離dは15μm、線速度10mに設定した。
図11は、RF信号の波形を示しており、波形48はメインビームプリアンプ31の出力、波形49は先行のサブビームプリアンプ32の出力である。波形49のRF信号レベルは、波形48のRF信号レベルの1/5に減衰しているので、この波形のままディフェクト検出に利用することができる。すなわち、サブビームプリアンプ32あるいは13の出力をLPF等によりRFを減衰させなくても、そのまま最大値検波回路34に入力させることができる。
以上のように構成された光ディスク装置101の大まかな再生動作について説明する。
メインビームプリアンプ31で再生されたRF信号の出力は、後述するようにディフェクト信号が除去された後、HPF3に入力される。HPF3では、不要な低域成分やDC成分が除去され、AGC回路4にRF信号が供給される。AGC回路4ではRF信号が一定のゲインに調整され、イコライザ5において、減衰する高域のレベルが増強され、A/D変換器6においてデジタル化されてデータが取り出される。PLL回路7では、A/D変換器6の出力からクロック信号が生成され、信号変復調器&ECC部111においてそのクロック信号を基にデータの復調、エラー訂正が行われる。データの復調及びエラー訂正が行われると、データがインターフェース113を介して外部コンピュータに供給されたり、D/A変換器114でアナログ信号に変換されてオーディオ・ビジュアル処理部115で映像や音声が再生されたりする。
次に、ホワイトスポットによるディフェクト信号を除去するときの動作について説明する。図12は、そのときのディフェクト信号の波形を示す図である。図12において、斜線部分が通常のRF部分である。
図12(a)に示すように、例えばtrが0.1μs、幅が3.5μsのホワイトスポットによるディフェクト信号45が、メインビームプリアンプ31により出力される場合、図12(b)に示すように、先行のサブビームプリアンプ32の出力信号は符号46に示す波形になり、後行のサブビームプリアンプ33の出力信号は符号47に示す波形になる。そうすると、最大値検波回路34は、図12(c)に示すように、信号45、46及び47の時間的な包絡信号を生成して、この信号をディフェクト検出回路35に出力する。ディフェクト検出回路35では、入力された信号が図のようなコンパレートレベルと比較され、図12(d)に示すようなディフェクト検出信号を生成する。ディフェクト信号除去回路36では、このディフェクト検出信号に基づき、図12(e)に示すように、メインビームプリアンプ31により出力されるディフェクト信号(図12(a))が除去される。
図13は、ディフェクト信号除去回路36で除去された信号波形を示しており、ディフェクト信号のあるRF信号45のディフェクト部が除去されてグランド電位に置換された信号10が生成される。
図14は、本実施の形態に係るディフェクト除去動作が行われず、ディフェクト検出に遅延が生じた場合の波形を示す図である。この例では、例えばメインビームプリアンプ31で再生されたRF信号から、このようなホワイトスポット等RF信号に比べ低周波のディフェクト信号を、HPFを通して除去する方式が採用される場合の例を示している。この方式では、ディフェクト信号をそのHPFを通すか否かのスイッチ回路が設けられる。ここでいうHPFの時定数は、図3に示すHPF3の時定数とは異なるものが用いられる。
図14(a)に示すようにディフェクト信号が図のようなコンパレートレベルでディフェクト検出をしようとした場合、図14(b)に示すような、1μs程度の遅延が発生する。この遅延は、上述したようなコンパレートレベルに起因する検出時の遅延と、上記スイッチ動作による遅延とによるものである。このような遅延が発生すると、ディフェクトのtrが500nsとすると、図14(c)に示すように大きなパルス状のレベルが残留する。これが図3のHPF3やAGC回路4を通過することにより、図14(d)のように微分されてDC成分が発生し、RF信号データのゼロクロスが変動してしまい、的確にデジタル処理が行われない。
しかしながら、本実施の形態によれば、先行するサブビームプリアンプ32による再生信号から、最大値検波回路34及びディフェクト検出回路35で先行したディフェクト信号が取得され、このディフェクト信号を利用してディフェクト信号除去回路36によりメインビームプリアンプ31で再生されるディフェクト信号が除去される。これにより、本来の欠陥信号の検出時の遅延をなくし、当該欠陥を除去することができる。
また、このように欠陥を除去することができれば、後段の回路での特別な欠陥処理が不要になり、後段の回路設計が容易となる。
また、本実施の形態では、図12(c)のように包絡信号が生成されることで、第2の欠陥信号を完全に除去することができる。
図15は、従来技術において、ホワイトスポットに対してクリップ回路で高速クリップを動作させたときの入出力の波形を示す図である。図16は、図15を時間軸で拡大した波形を示す図である。図15及び図16において、上が入力、下が出力である。図15及び図16の下の波形51に示すように、上の波形52のホワイトスポット52aが、所定レベルでクリップされているが、符号51aに示すようにクリップディレイがパルス状に残ってしまう。
図17は、本発明の他の実施の形態に係るディフェクト検出動作を実現するための構成を示すブロック図である。この例では、サブビームプリアンプ32の後段に、C1及びR1でなるHPF2、R2及びC2でなるLPF1、R3及びR4でなる減衰器ATT(Attenuator)が設けられている。HPF2は、サブビームプリアンプ32の再生信号の低域成分を除去することで、RF信号をグランドレベルにシフトする。LPF1は、サブビームプリアンプ32の再生信号のRF成分を除去することで全体の信号レベルを検出する。ATTは、LPF1でRF成分が除去された信号を減衰して、コンパレータ56の比較電圧を生成する。これにより、コンパレータではディフェクトが検出される。
図18は、図17に示すディフェクトプロセッサ57を実現するための回路の一例を示している。図12(b)に示すように、先行のサブビームプリアンプ32からのディフェクト信号46の立下りも、立上りと同様に0.5μs進んでいる。このディフェクトプロセッサ57は、この進みを遅延させようとするものである。図19(a)に示すようなコンパレータ56からのディフェクト信号の入力があった場合、エミッタ接地のTR4により増幅及び反転されるとともに、R5及びC5によって、図19(b)に示すようにその信号の立下りが遅延する。この後、反転回路55によって反転させられて図19(c)のような立下りが遅延したディフェクト信号が出力される。
図18及び図19に示す構成によれば、進んだ信号を後ろに引き伸ばすように遅延させることで、後行のサブビームプリアンプ33による再生信号を利用しなくても、この先行するサブビームプリアンプによる再生信号のみを利用して、メインビームプリアンプ31のディフェクト信号を包含して除去することができる。
図20は、図17に示したHPF2の特性を示す図である。R1=10KΩとし、C1を220pF(符号61)、2200pF(符号62)、0.01μF(符号63)、0.02μF(符号64)、0.2μF(符号65)としている。10μs(図5で説明したホワイトスポットの幅)のパルスを伝送することができる0.2μFが選択されれば、図21のような波形なり、十分にホワイトスポットによるディフェクトを検出することができる。
L1…メインビーム
L2、L2…サブビーム
8…プロセッサ
11、12、13…フォトディテクタ
15…トラック
31…メインビームプリアンプ
32、33…サブビームプリアンプ
34…最大値検波回路
35…ディフェクト検出回路
36…ディフェクト信号除去回路
57…ディフェクトプロセッサ
101…光ディスク装置
103…スピンドルモータ
110…信号再生&ディフェクト処理回路
L2、L2…サブビーム
8…プロセッサ
11、12、13…フォトディテクタ
15…トラック
31…メインビームプリアンプ
32、33…サブビームプリアンプ
34…最大値検波回路
35…ディフェクト検出回路
36…ディフェクト信号除去回路
57…ディフェクトプロセッサ
101…光ディスク装置
103…スピンドルモータ
110…信号再生&ディフェクト処理回路
Claims (6)
- 光源から出射されたビームが少なくとも2つに分割されたビームのうちの第1のビームが、信号が記録された回転する光ディスクのトラック上に照射されたときの第1の反射ビームを検出することで、前記信号をRF信号として再生するRF信号再生手段と、
前記第1のビームが照射されたトラックと同じトラック上に前記分割されたビームのうち前記第1のビームに先行して照射された第2のビームにより得られる第2の反射ビームを検出することで、前記光ディスク上の欠陥による第1の欠陥信号を取得することが可能な第1の検出手段と、
少なくとも前記取得された前記第1の欠陥信号に基づき、前記再生されたRF信号に含まれる前記欠陥による信号であって前記第1の欠陥信号より遅れて再生された第2の欠陥信号を除去する除去手段と
を具備することを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1に記載の光ディスク装置であって、
前記除去手段は、
前記第1の欠陥信号と前記第2の欠陥信号とを時間的に包絡する包絡信号を生成する手段と、
前記生成された包絡信号の期間だけ前記第2の欠陥信号を除去する手段と
を有することを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1に記載の光ディスク装置であって、
前記除去手段は、
前記第1の欠陥信号の立下りを遅延する手段と、
前記遅延された後の前記第1の欠陥信号の期間だけ前記第2の欠陥信号を除去する手段と
を有することを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1に記載の光ディスク装置であって、
前記第2の反射ビームとの差分に基づき前記光ディスクのトラッキング誤差信号を得るために、前記分割されたビームのうち、前記第1のビームに後行して前記トラックと同じトラック上に照射される第3の反射ビームを検出する第2の検出手段をさらに具備することを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1に記載の光ディスク装置であって、
前記RF再生手段は、前記第2の欠陥信号を、ホワイトスポットによって生成される信号として再生することを特徴とする光ディスク装置。 - 光源から出射されたビームが少なくとも2つに分割されたビームのうちの第1のビームが、信号が記録された回転する光ディスクのトラック上に照射されたときの第1の反射ビームを検出することで、前記信号をRF信号として再生するステップと、
前記第1のビームが照射されたトラックと同じトラック上に前記分割されたビームのうち前記第1のビームに先行して照射された第2のビームにより得られる第2の反射ビームを検出することで、前記光ディスク上の欠陥による第1の欠陥信号を取得するステップと、
少なくとも前記取得された前記第1の欠陥信号に基づき、前記再生されたRF信号に含まれる前記欠陥による信号であって前記第1の欠陥信号より遅れて再生された第2の欠陥信号を除去するステップと
を具備することを特徴とする光ディスクの欠陥処理方法。
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