JP2006153826A - 生体試料標識物および生体物質標識法および生体物質の検査法 - Google Patents

生体試料標識物および生体物質標識法および生体物質の検査法 Download PDF

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Abstract

【課題】DNAプローブアレーなどのプローブ区画を最小にし、同一区画で数十ないし数千の試料分子を識別できる標識物とこれを用いる生体物質のマルチ検査法を提案すること。
【解決手段】プローブのインデクシング用に異なる元素の比率を変えて作成する粒子を用い、走査型電子顕微鏡でSEM像を得て容易にその位置と大きさを検出し、さらに、走査型電子顕微鏡で粒子に電子を照射する時に発生する特性X線をエネルギー分散型特性X線検出器により元素分析像を得ることで位置と大きさを得る。これにより、どのような元素を含むどのような大きさのナノ粒子が基板の区画上のどの位置に存在するかを検出する。
【選択図】図2

Description

本発明は種々の検査項目を一度に検査するプローブチップすなわち多項目センサーに関するもので、対象はDNA、RNA、およびタンパク質で、とくに、最近注目を集めているDNA検査用のDNAチップ等の生体物質アッセイチップ関する。
ゲノム計画の進展とともにDNAレベルで生体を理解し、病気の診断や生命現象の理解をしようとする動きが活発化してきた。生命現象の理解や遺伝子の働きを調べるには遺伝子の発現状況を調べることが有効である。この有力な方法として固体表面上に数多くのDNAプローブを種類毎に区分けして固定したDNAプローブアレーあるいはDNAチップ(実際には固定されているのはオリゴヌクレオチドの誘導体であるのでオリゴチップと呼ぶこともある)が用いられている。あるいは、最近では種々のタンパク質(一般的には抗体をプローブ)としてアレー状に固定したプロテインチップが用いられるようになっている。
DNAチップを作るには光化学反応と半導体工業でよく用いられるリソグラフィーを用いて区画された多数のセルに設計された配列のオリゴマーを一塩基づつ合成して行く方法(非特許文献1:Science 251, 767-773(1991)),あるいはDNAプローブやタンパク質プローブを各区画に一つ一つ植え込んでいく方法(非特許文献2:Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93, 4613-4918 (1996) )などがある。
これらチップは、いずれもスライドガラスなどの平面状に多数のプローブを、区画を区切り、アレー状に整列させた構造をしている。どのプローブがどの位置にあるかは、プローブが固定されている物理的な位置のみでインデクシングされるのが一般的である。
使用方法は、チップ基板上のプローブに蛍光標識したDNA断片やmRNAやこれを逆転写したcDNAなどの試料ポリヌクレオチド(以下単に試料ポリヌクレオチド)をハイブリダイズさせて、基板上に導入される蛍光体を蛍光スキャナーで検出する。あるいは、試料ポリヌクレオチドをハイブリダイズさせた後に、プローブと隣接して試料ポリヌクレオチドに相補な蛍光標識オリゴを連結反応(ライゲーション)で連結したり、DNAポリメラーゼを用いて蛍光標識dNTP基質を反応させたりして、基板上に導入する蛍光体を検出するのが主流である。
最近では、酸化還元反応を利用した電気化学的な検出を行う方法も実用になっている。タンパク質の場合は抗原抗体反応のようなアフィニティー反応を利用して、基板上に特定タンパク質などを補足した後、質量分析機で分析する方法、蛍光標識抗体や酵素標識抗体でサンドイッチ反応をおこない、基板上に残る蛍光体や酵素活性を検出する方法、電気化学発光を用いる検出法がある。
電気化学発光法では、電極表面に抗原捕捉用の抗体が存在する。サンドイッチ用抗体の標識物にはルテニウム錯体を用いる(非特許文献3:Clin. Chem., 37, 1534-1539 (19991))。電極表面ではルテニウムが酸化され、TPAのレドックス反応とカップルさせて還元するときに励起状態となったルテニウムの電子が基底状態に落ちる時に光を発する。
高感度で定量的な検出を目的とした検出法としては、通常の顕微鏡検出が可能な700μm程度の粒子を標識に用いて、反応した粒子数をカウンターでカウントして目的物質を定量検出するイムノアッセイの報告がある(非特許文献4:Anal. Biochem. 202, 120-125 (1992))。
Science 251, 767-773(1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93, 4613-4918(1996) Clin. Chem., 37, 1534-1539 (19991) Anal. Biochem. 202, 120-125 (1992))
現状のチップ技術、特にDNAプローブアレーあるいはDNAチップでは、測定対象となる数千から数万のDNA断片に1対1に対応するプローブを基板表面に区画を区切ってすべて独立に固定する。各区画に番地を付けて、どの番地のプローブに標的DNA断片が結合したかを蛍光標識物を用いて検出している。このような構造は、抗体などのタンパク質を基板上に固定するプロテインチップでも同様であるので以下DNAプローブアレーのケースで説明する。このようなDNAプローブアレーを作成するには、上記従来技術で述べたように、マスクを使って区画ごとにDNAプローブを合成するか、あらかじめ合成したDNAプローブを植えつけるかのいずれの方法しかなかった。製造工程はプローブの種類に応じて必要になり、工程数が多い上、基板上の別の位置にプローブを固定する必要から区画ごとに反応条件をそろえるのが難しく、再現性のよいプローブチップを作成するのに多大な努力が必要である。
したがって、より少ない区画で同様の数の測定対象物を測定できる手法を開発することが望まれている。当然のことながら、試料標識物をマルチ化して同一区画で複数の測定対象物を検出することも可能であるが、従来のように蛍光体を標識物に用いる方法では、励起光源と蛍光波長の関係から、マルチ標識を行う場合の制約が大きい。
一般に、励起光源にコヒレントな光を用いても、得られる蛍光波長は数十nmの波長分散になる。このため、単一励起波長光源を用いる場合は4種類程度の蛍光体を励起し蛍光計測するのが限界である。複数の励起波長光源を用いても、実用的な500〜700nmの範囲では6種程度の蛍光体しか利用できない。このため、蛍光法で同一エレメント内の複数の標的ポリヌクレオチドを検出する場合には4種程度が限界と考えられる。
このような事情から、DNAプローブアレーなどの多項目生体物質検出法において、プローブ区画を最小にし、同一区画で数十ないし数千の試料分子を識別できる標識物とこれを用いる生体物質のマルチ検査法が望まれる。
さらに、従来のDNAプローブアレーでは平板基板上に固定したプローブと溶液中の試料を反応させる必要がある。反応は固相と液相の境界面で起こるため、プローブを溶液中に分散させることができない。このため、反応の均一性、再現性、定量性、速度のいずれを取ってみても溶液状態での反応に比べ不利となる。
たとえば、複数の基板を一度に均一なプローブ溶液に浸して同時に固定することができれば、少なくてもプローブ固定時の再現性の確保はできる様になるが、基板上には種類の異なるプローブを固定する必要があるために、従来のDNAマイクロアレーやプロテインチップでこの方法を採用することは不可能である。唯一の解は、プローブアレーのプローブ固定エレメントを個別に切り離し、エレメントごとに均一溶液中でプローブを固定することである。基本的に1種類ごとのプローブに1ロット分のエレメントを反応させるのでプローブ固定時のばらつきは最小にすることができる。このようにして調製した色々なプローブ固定エレメントは基本的に1項目毎の測定はできるが、プローブアレーのように他項目同時測定系に持ち込むには工夫が必要である。すなわち、複数のプローブエレメントを同時に反応させて情報を得るには、各プローブ固定エレメントを区別してその上にハイブリダイズするDNA量(あるいはプロテインチップでは結合するタンパク質量)を測定するかが大きな問題となる。従来技術では、各プローブ固定エレメントを調製した後に、アレー状に配列させる方法と、エレメントを懸濁液のまま使用する二通りのケースが開発されている。いずれの場合も各プローブエレメントのインデクシングが重要な課題で、予めプローブの種類がわかったエレメントを順番に並べてアレー状にする方法、各エレメントに種々蛍光体でラベルして、インデクシングを行う方法の2通りが実用化されている。しかし、前者ではエレメントを一つずつ機械的に並べる手間がかかり、このため並べられる数も実質的には数は数100エレメント以下となっている。後者は、2種類の蛍光色素の比率を変えてビーズを蛍光標識しており、たとえば各系抗体の量を8段階に変えたものを用意すれば64種エレメントをインデクシングできる。蛍光色素の種類を増やせばより多くのエレメントをインデクシングできるが、蛍光色素の場合、励起光と蛍光の波長分散に制約があり実質3種で数100程度のインデクシングができる。エレメントをプローブ固定後に並べる方法、蛍光色素でのインデクシングのいずれも、限られた測定項目数でよい測定系、たとえば臨床検査では、その高速反応性と再現性からきわめて有効であると考えられている。
しかしながら世の中のニーズとしては、アレー技術においては少なくても数千種の測定対象物、できればmRANをすべて網羅できる数の測定対象物を同時に定量的に再現よく計測できることを望む声が大きい。本発明では、DNAプローブアレーなどの多項目生体物質検出法において、プローブ固定エレメントを均一溶液中で一度に調製することでプローブ固定量の再現生を確保し、各プローブ固定エレメントを混合して懸濁状態で試料と一度に反応することで反応を高速に行うとともに再現性を確保し、各プローブエレメントのインデクシングに工夫して容易に識別できるようにし、数千ないし数万の試料分子を識別して定量検出できる生体物質のマルチ検査法に用いる生体試料標識物および生体物質標識法および生体物質の検査法が望まれる。
本発明の第1の実施態様では、標識物に異なる元素の比率を変えて作成するナノ粒子を標識に用いる。たとえば、金をベースにパラジウムとクロムを微量混ぜたもので説明する。パラジウムとクロムの量との組成比をそれぞれ8階調変えると64種の金のナノ粒子が得られる。金に添加する元素の数を3種にすると512種の金のナノ粒子が得られる。これに粒子径を10nmから50nmの間で、10nmごとの段階で、5種程度変えると2500種程度の組成とサイズを異にする金のナノ粒子を得ることができる。
この粒子は導体であるので、走査型電子顕微鏡で粒子に電子を照射し、2次電子線のエネルギー分布を測定し粒子の位置と大きさを同定したSEM像を得て容易にその位置と大きさを検出することができる。さらに、走査型電子顕微鏡で粒子に電子を照射する時に発生する特性X線をエネルギー分散型特性X線検出器により元素分析像を得ることで位置と大きさを得る。これにより、どのような元素を含む、どのような大きさのナノ粒子が基板の区画上のどの位置に存在するかを検出する。各組成や粒径の異なる粒子はそれぞれ異なるDNA配列に結合するプローブDNAを有する構造とすることで、同一平面上で数千のターゲットDNA断片を検出することができる。
ナノ粒子は金をベースにしているのでアルキルスルフィド基を持つDNAプローブを用いることで粒子表面にプローブを固定できる。
本発明は基本的に合金の製造技術を基本としており、混合できる元素は多種多様で、更に4種以上の元素を組み合わせることも可能である。たとえば、5種の元素を組み合わせれば、既存のDNAチップの区画数に匹敵する3万数千の異なる組成のナノ粒子を得ることができる。あるいは、3種の元素で250通りの組み合わせをグループとし、そのほかの元素の組み合わせのグループを複数用意することで数千種のDNAを区別し検出することができる。
組成を変える元素の組み合わせとしては、ガリウム、アルミニウム、イットリウム、エルビウム、ホロニウム、セシウム、コバルト、チタン、ニッケル、鉄などの中から3種から5種選んで合金としてもよい。プローブ固定には上記の金とSH基の反応のほか、酸化表面を持つ合金の場合は、シランカップリング反応を用いて官能基を導入し、プローブDNAを固定すればよい。
このように本発明は、従来、非常に多くの区画エレメントに異なるプローブを固定しなくてはならないDNAチップの概念を覆すものである。単にポリTを固定したチップにmRNAをトラップし、各mRNAに相補な配列の合成DNAプローブにそれぞれ異なる組成のナノ粒子を標識したものをハイブリダイズし、走査型電子顕微鏡で解析するだけで、短時間にmRNAの発現解析が可能である。
DNAプローブを抗体に変え、基板上に固定した生体物質(たとえばタンパク質)に対して使用すれば、数千種のエピトープを一度に解析できる解析手法が確立する。
本発明の第2の実施態様は、第1の実施態様を発展させて、異なる元素の比率を変えて作成する粒子を特定のプローブを固定するために使用する。すなわち、所定の元素の比率の粒子ごとに特定のプローブを固定した粒子を準備する。一方、それぞれの粒子に固定されているプローブにハイブリダイズすべきターゲットDNA断片は、計数用の金の微粒子で標識しておく。プローブを固定している粒子とターゲットDNA断片を溶液中で混合して、プローブとターゲットDNA断片とをハイブリダイズさせる。この処理を、容器や基板上の所定の区画で行い、その後粒子を洗浄回収する。洗浄回収には遠心で粒子を回収し、上澄を交換してもよいし、粒子が磁性体を含む場合は磁石で回収し上澄を交換してもよい。基板上の所定の区画に処理後乾燥して基板上の区画に粒子を固定する。その結果、粒子のインデクシングと標識である金の微粒子の計数とで、ターゲットDNA断片を評価することができる。
この第2の実施態様によれば、粒子に固定されているプローブとターゲットDNA断片とのハイブリダイゼーションは粒子を溶液懸濁状態で反応させることができるから、ハイブリダイゼーションが固相と液相の境界面で起こることにより発生する反応の不均一性や分子の拡散律速による低反応速度、低反応率の問題をかなり解消できる。懸濁液として取り扱うことは特殊な容器やピペットや特別なテクニックを必要としないメリットがある。そして、この粒子のインデクシングに、上述の測定対象物の標識として使用した手法を利用する。すなわち、走査型電子顕微鏡で粒子に電子を照射して粒子の位置と大きさを同定したSEM像を得るとともに、電子を照射する時に発生する特性X線をエネルギー分散型特性X線検出器により元素分析像を得て、両者の対比から基板の区画上に固定された粒子のインデクシングを行う。そして、その粒子を基板の区画上に固定する。ここでは、エネルギー分散型特性X線検出器を用いるが、本発明のすべての実施例において波長分散型X線分光法(wavelength dispersive X-ray spectroscopy, WDX)のようなより高感度な他の方法も使える。むしろ、X線波長分解能に優れるため波長分散型X線分光法のほうが本発明には適しているかもしれない。
検出対象がタンパク質や糖鎖などの場合はイムノアッセイの技術を応用する。すなわち、インデクシング粒子に特定エピトープに反応する抗体分子を固定したものと標識用の金ナノ粒子に固定した抗体を用いる。このケースではインデクシング粒子と標識用粒子に固定する抗体はいずれも測定対象分子に特異的な抗体を用いて抗原分子をサンドイッチし、インデクシング粒子−抗原−標識金粒子ハイブリッドとする。あるいは、特異抗体を固定したインデクシング粒子と未標識の抗体と未標識抗体にユニバーサルに反応する第2抗体を用いてサンドイッチする。いずれの方法でも、多数の抗原をインデクシングして定量検出することができる。
インデクシング粒子−mRNA−標識金粒子ハイブリッドやインデクシング粒子−抗原−標識金粒子ハイブリッドの基板上への固定には、基板上にこれらハイブリッドの懸濁液を滴下し、乾燥させてもよいし、より合理的には、インデクシング粒子に磁性体物質を用い、磁石で基板上に引き寄せた後に溶液をブロワーなどで飛ばし乾燥させることで解決できる。
このように、従来非常に多くの区画エレメントに異なるプローブを固定しなくてはならないDNAチップの概念を覆すものである。インデクシング粒子と検体試料と標識粒子を反応させ、走査型電子顕微鏡で解析するだけで、短時間に数千〜数万種のmRNAやタンパク質の種類と量を一度に解析できる解析手法が確立する。
本発明によれば、走査型電子顕微鏡でのスキャン中に、粒子の元素分析と形状分析を行う。同一区画上で数千から数万種の粒子を識別して検出することができるので、数千から数万種の生体物質を前処理により分離することなく同時に検査することができる。
本発明を、まず、第1の実施態様から説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1のDNAチップの一部を斜視図で示す概念図である。チップ1は酸化膜表面を有するシリコン基板101に形成される。大きさは20×20mmである。DNAプローブを固定するプローブ固定領域102は1個所で、10mmφである。周囲はテフロン(登録商標)系の撥水性樹脂103がコーティングされている。コーティングの厚さは、おおむね、50μmである。プローブ固定領域102には26塩基長のポリTの3’末端に5塩基長のランダム配列オリゴDNAが5’末端で結合されている。これは、ポリTだけではmRNAのハイブリダイゼーションの安定性が十分確保できないためである。プローブは細胞内のmRNAと容易にインタラクションするようにPNA(ペプチドヌクレイックアシド)でできている。PNAは通常のDNAのようにリン酸ジエステル結合に由来するマイナス荷電を持たないので、標的となるDNAとの間に静電的反発力が働かない。このため、ハイブリダイゼーションの効率が高くなる効果がある。
さらに、プローブをPNAとして、その電荷を持たない特性とすることは、静電的な反発力を生じないので、標的mRNAのポリA部分が分子内で他の部位と部分的2本鎖を形成していても競争的に2本鎖に潜りこみ、競争的にハイブリダイゼーションすることができるため、変性操作をしなくてもハイブリダイゼーションが進行する。
プローブの固定法は、A.Kumarらの方法(Nucleic Acids Research (2000) 28, No.14 e71記載の方法を改変し、あらかじめ合成PNAのアミノ末端にトリメトキシシラン残基を導入したシラン化DNAプローブを、チップ基板上のエレメント部分に塗布してプローブを固定する。シラン化DNAプローブは、たとえば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのグリシドキシ基をPNAのアミノ末端に結合させて得ることができる。あるいは、酸化シリコンの表面にアミノプロピルトリメトキシシランを反応能させてシランカップリング反応でアミノ基を導入し、このアミノ基にフェニレンジイソチオシアナートを反応させ、シリコン基板表面にイソチオシアナート基を導入し、このイソチオシアナート基とアミノ基を5’末端に導入したDNAプローブを反応させて固定してもよい(Nucleic Acids Research (1999) 27, No.9, 1970-1977)。
例として、大腸がん切除組織断片から定法に従い抽出したトータルRNA用液50μlに各種mRNAに相補的な40塩基程度の配列に区別がつくようにガリウム、アルミニウム、イットリウム、クロムの比率を変えた金ベースのナノ粒子(10μm)の0.1%(w/v)溶液を混合したものを、特別の処理を行なわずにチップ1のプローブ固定領域102に添加する。チップは予め45℃に保温しておく。約1mmのギャップを設けてプローブ固定領域の上面に40mmφのガラス板をのせ、ガラス板を偏心させながらプローブ固定領域102の縁がガラス板の縁にほぼ一致するように円弧を描きながら移動させる。移動の速度は5秒に一回の割合である。これで高速にハイブリダイゼーションを行わせることができる。チップ1のプローブ固定領域102には、チップ1に固定したプローブ、mRNA、粒子標識プローブがこの順でサンドイッチ状に結合したものとなる。未反応の粒子標識プローブやRNAは洗浄除去する。
図2は、図1で説明したプローブチップ1を走査型電子顕微鏡で観察する態様を説明する概念図である。
チップ1のプローブ固定領域102表面には、多数のプローブが固着されているが、ここでは、単純化して、固着されたプローブ11−14のそれぞれに、DNA断片201−204がハイブリダイズし、これらのDNA断片が、金ナノ粒子21−24で標識されているものとする。金ナノ粒子21,22,23,および24は、それぞれ(ガリウム:アルミニウム:イットリウム:クロム)の比率が(1:1:1:0)、(1:1:0:1)、(1:0:1:1)、(1:1:1:1)とする。各金属の金に対する混合比の最大は20%とする。これは、ナノ粒子表面にmRNA特異的プローブを固定するのに、プローブの5’末端に導入したアルカンチオールと金との結合を利用するためである。金とチオールは酸化的な条件やUV照射に弱いが、通常のハイブリダイゼーション条件では、きわめて、安定な結合力を得ることができる。このため実施例1では、予めプローブの5’末端に導入したアルカンチオールと金ナノ粒子を10対1で混合し、表面にmRNAの配列特異的なプローブを固定した一連の金ナノ粒子を得る。
チップ1のプローブ固定領域102表面上に、金ナノ粒子を検出する走査型電子顕微鏡300の電子銃300−1、集束レンズ300−2、走査コイル300−3が設けられる。電子銃300−1から発せられた電子線300−4の電子は金ナノ粒子21,22,23,および24に衝突し、金ナノ粒子は2次電子300−5を放出する。この2次電子を検出器300−6が捕える。検出器300−6で検出された2次電子を基に、いわゆるSEM像が得られ、金ナノ粒子の位置と大きさが特定される。
一方、本発明では、電子線300−4の電子が金ナノ粒子21,22,23,および24に衝突したとき、金ナノ粒子21,22,23,および24が発する、金ナノ粒子の構成元素に特異的な波長のX線300−7を検出するエネルギー分散型特性X線検出器300−8を備える。すなわち、エネルギー分散型特性X線検出器300−8が検出する構成元素に対応した波長信号から元素分析像を得る。あるいはX線分光結晶で分光して検出する波長分散型X線分光法を用いて元素分析像を得る。
エネルギー分散型特性X線検出器300−8から得られる元素分析像は、金ナノ粒子の位置と構成元素の情報を持つものとなる。したがって、SEM像と元素分析像とを対応させて見れば、金ナノ粒子標識プローブがハイブリダイズしたmRNA分子を同定することができる。
図3は、SEM像と元素分析像との対応から金ナノ粒子標識プローブがハイブリダイズしたmRNA分子を同定する方法を説明する概念図である。
例として、プローブ固定領域102表面上に、EpCAMのmRNA配列に対応する配列を持つオリゴPNA(28塩基)、同じくガン細胞での発現が多くなるといわれているCD44のmRNA配列に対応する配列を持つオリゴPNA(26塩基)、CEAのmRNA配列に対応する配列を持つオリゴPNA(29塩基)を、それぞれ、プローブとして固定する。これらのプローブにハイブリダイズするmRNAのアミノ末端にそれぞれ、ガリウム:アルミニウム:イットリウム:クロム)の比率が(1:1:1:0)、(1:1:0:1)、(1:0:1:1)を含む金ナノ粒子(10nm径)を標識として付加した場合を説明する。
図3において、30はSEM像である。SEM像にはすべての粒子が写っている。31,32,33、34はそれぞれガリウム像、アルミニウム像、イットリウム像、クロム像である。SEM像30とガリウム像31、アルミニウム像32、イットリウム像33およびクロム像34を対比してみると、SEM像30とガリウム像31は同一であるが、アルミニウム像32、イットリウム像33およびクロム像34は、SEM像30に対して、破線で示す位置の粒子が表れていない。すなわち、ガリウムは、標識となる金ナノ粒子の全てに含まれているので、ガリウム像31はSEM像30と同様、すべての粒子が表れることになる。アルミニウム像32は、破線で示す位置の粒子が表れていない。すなわち、この位置にあるプローブにハイブリダイズしているmRNAは、アルミニウムを含まない金ナノ粒子で標識されているCEA分子であることがわかる。これは、SEM像30に参照符号37で示す金ナノ粒子である。同様に、イットリウム像33は、破線で示す位置の二つの粒子が表れていない。すなわち、この位置にあるプローブにハイブリダイズしているmRNAは、イットリウムを含まない金ナノ粒子で標識されているCD44分子であることがわかる。これは、SEM像30に参照符号36で示す金ナノ粒子である。さらに、クロム像34は、破線で示す位置の三つの粒子が表れていない。すなわち、この位置にあるプローブにハイブリダイズしているmRNAは、クロムを含まない金ナノ粒子で標識されているEpCAM分子であることがわかる。これは、SEM像30に参照符号35で示す金ナノ粒子である。
図3では、説明を簡単化するために、すべての粒子の大きさを同じものとしたが、粒子のサイズを変えたものを併用すれば、より多くのものについての識別ができる。勿論、この識別は、計算機の画像処理により実施できるものであることは言うまでもない。
このようにして、本発明を用いればポリAテールを持つmRNAを単に捕捉したDNAチップ上で、複数のmRNAを区別して定量的に測定することができる。SEMに付属するエネルギー分散型特性X線検出器あるいは波長分散型X線分光器は数%の元素比率を識別できるので同一元素で8段程度の階調で識別できる。4種の元素を用いると、4096種の粒子識別が可能である。5種の元素を用いると32768種の粒子識別がわずか5枚の像を撮影することで達成できる。
このように、本発明の元素比率を変えた粒子を標識に用いることで、複雑な構造で製造が大変な従来の区画区分方のプローブチップを使用せずに、しかも、粒子カウント技術を用いることで単分子レベルのmRNAプロファイリングが可能となる。
(実施例2)
実施例2では抗原抗体反応による生体物質のマルチ検出について述べる。ここでは図1を参照して説明した基板と同一の基板を使用するものとする。プローブ固定領域102は、実施例2では、抗原抗体反応の反応部として使用され、反応部102に抗ヒト抗血清をアフィニティー精製したIgG分画を固定する。測定対象の血清中にはヒトアルブミンやヒトIgGが多量に含まれるので、これらが反応しないように、予め、反応部102は抗ヒトアルブミン抗体と抗ヒトIgG抗体を除去しておくことが必要である。このために、アフィニティー精製抗ヒト抗血清IgG分画をヒトアルブミンとヒトIgGで吸収したIgG分画を調製し、これを反応部102に固定し、余計な吸着席をフォスファチジルコリンでマスクする。次いで、反応部102を10mg/mlの牛血清アルブミンを含む0.15M NaCl、50mMリン酸ナトリウム緩衝液(PBS:pH7.4)で洗浄し、未反応のヒトIgGを除去する。
ヒト血清試料を100μlを反応部102に添加し、実施例1と同様に10分間攪拌すると、血清中に存在するタンパク質が抗原抗体反応を起こし反応部102上の抗体に捕捉される。
これとは別に、ナノ粒子標識抗体を準備する。たとえば、アフィニティー精製ポリクローナル抗AFP抗体と抗CEA抗体をパパイン分解して得られるF(ab’)断片にSH基を導入する。挿入されるSH基はF(ab’)1分子あたり3〜4分子である。20nmφの金をベースとするパラジウムとクロムの比率が(20:80)のものと(30:70)の金ナノ粒子に、上記の様にして調製したSH基を含む抗AFP抗体と抗CEA抗体由来のF(ab’)を混合し、表面にF(ab’)が結合した金ナノ粒子を得る。
試料として1zmol/μlの濃度のAFP単独、5zmol/μlの濃度のCEA単独、何も入っていないコントロールを用意する。溶媒は0.1%Tween20と0.5%BASを含むPBS(pH7.4)である。
プロテインチップに各溶液を反応させ、さらに金ナノ粒子標識F(ab’)を反応させる。反応時間は最初の試料反応が5分間、金ナノ粒子標識F(ab’)の反応が5分間である。反応終了後、0.1%Tween20と0.5%BASを含む緩衝液で洗浄し、走査型電子顕微鏡とエネルギー分散型特性X線検出器で金ナノ粒子を検出し、パラジウムとクロムの存在比からAFPとCEA分子をカウントする。
上述の反応部102上の抗体に捕捉されているタンパク質に、AFPだけを反応させ場合、タンパク質に結合したAFPと認識できる金ナノ粒子は120粒子/μm、その他の金ナノ粒子は2粒子/μmが検出される。同様に、CEAだけを反応させた場合、タンパク質に結合したCEAと認識できる金ナノ粒子は1580粒子/μm、その他の金ナノ粒子は6粒子/μmが検出される。コントロール溶液では2〜4粒子/μmの金ナノ粒子しか検出されない。
本発明では、標識となる粒子の合金を構成する金属ないし半導体が、周期律表で原子番号79番までで43番を除く遷移金属および13番、31番、32番、49番、50番、51番、81番、82番、83番の金属、14番、33番、34番、52番の半導体のいずれかから選択できる。
本発明は、上述したように、いくつかの実施例の形で実施できるが、いずれの場合でも、ハイブリダイズした試料DNAなどを実質的に1分子ごとに検出することになるので、感度的には従来法を凌駕する感度が得られる。極微量体積で極微量DNA(RNA)の検出が可能となるので、従来は不可能であったPCRによる前処理増幅をしなくても、標的DNA(RNA)の検出が可能となる。検出に標識粒子の大きさや形状を変えることができるので、6種以上10種程度の異なるサンプルを同一エレメントでマルチ解析できるようになる。この技術により従来のディファレンシャルハイブリダイゼーションへの利用のほか、同一プローブでエレメントにサンプルポリヌクレオチドを捕捉し、異なる標識プローブで検出する使い方ができるようになる。本発明のマルチ解析技術により、オルターナティブスプライシングの検出や、複数SNPのタイピングがひとつのエレメントで行えるようになるメリットがある。
(実施例3)
実施例1の簡易検出版として、低分解能のSEMや0.1μm程度の分解能のX線検出器を用いる方法について説明する。このような低分解の装置は卓上にすえつけることができるほどの小型で、しかも価格も通常のX線検出器つきSEMより安くなる効果がある。あるいは1μm程度の範囲の元素分析を行う電子線マイクロプローブによる微小部X線分析法(electron probe X-ray microanalyser, EPMA)での解析例について説明する。分解能が0.1μm程度では、金ナノ粒子の粒子毎のカウントや元素分析像を得ることができない。この場合は、X線を当てる範囲の中の各元素の元素分析値を獲ることになる。本実施例では、各DNAプローブに対してあまり多くの種類の元素で標識することはできず、一つの粒子に標識として使用する元素は2〜3種で、しかもの量比の分解のは3種程度となる。あるいは、基本的に1種類の元素による標識の場合は、使用する元素の数だけ標識が可能であり、同時に分析できるDNAや生体物質は数十種類となる。
次に、第2の実施態様について説明する。
(実施例4)
図4は本発明の実施例4の生体試料測定の概念を示す図である。実施例1と異なる点は、インデクシング用の粒子を用いることにある。シリコン基板101にはプローブは固定されていない。シリコン基板101は単に面積が規定された計測用の容器で、計測時にインデクシング粒子を固定するのに用いられる。大きさは20×20mmである。インデクシング粒子を固定するインデクシング粒子固定領域102は1個所で、3mmφである。基板101の上にSU8を塗布し、紫外線硬化により土手103を作成している。もちろんエッチングにより直接基盤を掘り下げて作成してもよい。土手103は液を保持できる構造であればよいが、後に述べるように保持する液体が70%アルコールを含む水溶液である場合もあるので、このケースでは少なくても150μmの高さとしたほうがよい。
41〜44は、それぞれ、異なる元素組成で構成されたインデクシング粒子である。このインデクシング粒子は、第1の実施態様との対応で言えば、異なる元素組成で構成された標識用の金ナノ粒子21〜24に対応するが、以下の点で異なる。第1の実施態様では、標識用の金ナノ粒子21〜24の元素組成を異なるものとし、これが、電子線の照射により金ナノ粒子の構成元素に特異的な波長のX線を発生することに着目して標識用の金ナノ粒子を特定し、特異的生体物質(例えば、ターゲットDNA断片)を検出した。これに対し、第2の実施態様では、インデクシング粒子41〜44を、その表面にプローブを固定するための粒子とし、これとは別にプローブに捕捉された特異的生体物質の量を計数するための標識粒子を用いることとした。すなわち、第2の実施態様では、電子線を照射されたインデクシング粒子41〜44が粒子の構成元素に特異的な波長のX線を発生することに着目して、インデクシング粒子の位置を特定し、そのインデクシング粒子に捕捉された特異的生体物質を検出するものとした。たとえばインデクシング用の粒子には金以外の複数の元素を含むもの、係数用の標識粒子には金ナノ粒子を用いる。
インデクシング粒子のベースとなる粒子は、インデクシングに使用される元素を含まないポリスチレン性とし、元素分析で前記インデクシング粒子中の識別用元素の検出を妨げないようにする。あるいは、ポリスチレンの中に鉄やコバルトなどの常磁性物質を埋設したポリスチレン磁性粒子を用いて、この表面に識別用の元素を蒸着固定してもよい。識別用元素を含む粒子の調製には蒸着以外にも多々考えられる。たとえば、各識別用元素をナノ粒子として所定の数をポリスチレン球に練りこんでもよい。この場合は、照射する電子線のエネルギーをポリスチレン球の内側にまで高くすることで各粒子の元素信号を得ることができる。
磁性粒子を用いると後に述べるように反応操作や粒子検出操作における粒子の操作が磁石で行えるため容易になる利点がある。通常のポリスチレンの場合は、遠心やフィルターにより粒子を回収する方法で問題なく操作を行うことができる。
インデクシング粒子41〜44に付着している黒丸は、係数用の標識粒子であり、後述するように、インデクシング粒子41〜44に固定されたプローブに捕捉された特異的生体物質の標識粒子である。標識粒子はインデクシング粒子41〜44の表面に捕捉される特異的生体物質の量を測定するのに用いられる。インデクシング粒子41〜44は基板101のインデクシング粒子固定領域102(3mmφ)に固定されている。インデクシング粒子41〜44と標識粒子で標識されたターゲットとなる特異的生体物質を含む試料とを溶液中で混合して、インデクシング粒子41〜44に固定されたプローブに特異的生体物質を捕捉させた後、この混合溶液をプローブ固定領域102に所定量滴下して乾燥してインデクシング粒子領域102にインデクシング粒子を固定する。
インデクシング粒子のベースがポリスチレン粒子である場合は、プローブ固定領域102に混合溶液を1μl滴下した後、減圧乾燥してインデクシング粒子を固定する。このため、インデクシング粒子固定領域102は液滴を保持する機構を付加する必要があり、実施例3では、基板101の上にSU8を塗布し、紫外線硬化により土手103を作成している。もちろんエッチングにより、直接、基板101を掘り下げて作成してもよい。土手103は液を保持できる構造であればよいが、後に述べるように保持する液体が70%アルコールを含む水溶液である場合もあるので、このケースでは少なくても150μmの高さとしたほうが良い。
インデクシング粒子がインデクシング粒子領域102に固定された状態で、実施例1と同様に、基板101をエネルギー分散型特性X線検出器あるいは波長分散型X線分光器を持つ走査型電子顕微鏡300に装着する。走査型電子顕微鏡300は電子銃300−1、集束レンズ300−2、走査コイル300−3を備え、電子銃300−1から発せられた電子線300−4の電子はインデクシング粒子41〜44に衝突し、インデクシング粒子41〜44は2次電子300−5を放出する。この2次電子を検出器300−6が捕える。検出器300−6で検出された2次電子を基に、いわゆるSEM像が得られ、インデクシング粒子41〜44の位置と大きさが特定される。さらに、このときインデクシング粒子41〜44の表面に結合している標識粒子が検出される。一方、電子線300−4の電子がインデクシング粒子41〜44に衝突したとき、インデクシング粒子41〜44が発する、個々のインデクシング粒子構成元素に特異的な波長のX線300−7を検出するエネルギー分散型特性X線検出器あるいは波長分散型X線分光器300−8を備える。すなわち、エネルギー分散型特性X線検出器あるいは波長分散型X線分光器300−8が検出する構成元素に対応した波長信号から元素分析像を得る。これにより、インデクシング粒子はそのサイズと元素により表面に固定されているプローブの種類を区別することができる。
図5は、検出器300−6で得られたSEM像と、エネルギー分散型特性X線検出器300−8から得られた元素分析像から、インデクシング粒子41〜44の位置と大きさの特定およびインデクシング粒子41〜44にハイブリダイズした標識粒子が付加された特異的生体物質の評価について説明する図である。ここでは、インデクシング粒子41〜44の元素の組成を、実施例1と同様に、ガリウム:アルミニウム:イットリウム:クロム)の比率が、インデクシング粒子41は(1:1:1:0)、インデクシング粒子42は(1:1:0:1)、インデクシング粒子43は(1:0:1:1)、および、インデクシング粒子44は(0:1:1:1)を含むものとし、粒子の大きさは、0.5〜5μmφとした場合を説明する。
図5において、50はSEM像である。SEM像にはすべてのインデクシング粒子41〜44と、これらに捕捉されている特異的生体物質の標識粒子が写っている。51,52,53および54は、それぞれ、クロム像、イットリウム像、アルミニウム像およびガリウム像の元素分析像である。SEM像50とクロム像51、イットリウム像52、アルミニウム像53およびガリウム像54を対比してみると、クロム像51では、破線で示す位置のインデクシング粒子41に対応する位置の粒子像が表れていない。同様に、イットリウム像52、アルミニウム像53およびガリウム像54では、SEM像30に対して、インデクシング粒子42,43および44に対応する位置の粒子像が表れていない。すなわち、インデクシング粒子41,42,43および44のそれぞれは、その粒子の組成の元素に、それぞれ、クロム、イットリウム、アルミニウムおよびガリウムを含まないものとされているので、元素分析像に表れてこないのである。なお、元素分析像には標識粒子が金ナノ粒子である場合には、原理的に表れてこない。しかし、標識粒子が電子線の照射を受けて、インデクシング粒子の組成の元素と近い特異的な波長のX線を出すものであるときには元素分析像に表れることになる。したがって、SEM像50との対比においてノイズを含むものとなるが、致命的なものではない。
したがって、SEM像50と元素分析像51〜54との対比で、インデクシング粒子41〜44を特定することができる。また、SEM像50には、標識粒子が表れているから、これを計数し、インデクシング粒子41〜44の特定結果と合わせて評価すれば、どのインデクシング粒子に、どの程度の標識粒子があるか、別な言い方をすれば、どの特異的生体物質が、その試料にあったのかと言うことが評価できる。ここでは、簡便のため、4個の同一サイズの粒子で特定元素を含むか含まないかの例についての簡単な模式図としたが、インデクシング粒子の粒径をSEMで画像認識で識別できるレベルのサイズで多段階のものとし、さらに、インデクシング粒子の組成を元素分析像を画像認識で識別できるレベルで種々組み合わせることで、粒径×元素の組み合わせ数×各元素の量比、の多くの種類のものにできる。たとえば、インデクシング粒子の粒径が0.5〜5μmφの間で4段階で、4種の元素量を各々10段階に変化したものを用意すると40000種のインデクシング粒子を得ることができる。
ここで、インデクシング粒子に使用できる元素について述べる。エネルギー分散型特性X線検出器300−8で分析できる元素は周期律表で5番のBから92番のUまでである。この中の元素であれば重量で1%以上含まれれば検出できる。装置分解能やスペクトルの帰属の問題や基本的に磁性粒子やポリスチレン粒子に混在させて利用するのであるから、判定性分析で区別できるのは1%から20%程度の範囲で10段階程度である。磁性粒子をベースにするなら、磁性に関与する元素はインデクシング用に使用できない。よってFe、Co、Niはインデクシング用の元素から除く。C、N、Oもポリスチレンの材料であるから不可である。そもそも、これらFe、Co、Ni、C、N、Oは自然界に多い元素で、コンタミネーションによる混在が多いのでインデクシング用としては使用は避けるべきである。同様の理由からアルカリ金属(I族)やアルカリ土類金属(II族)、Asまでの15族、16族、17族は除くべきであるし、18属はすべて気体であるので除くべきである。Al、Si、Mo、Snは身の回りに多く存在するので除外する。5属のVは生体中に比較的多く存在するので除外する。安定同位体の無いあるいは少ないTc、Pm、Ac、Pa、Uも除外する。Hgは担体では液体であるので除外する。以上除外したもの以外をインデクシング用として利用する。すなわち、インデクシング用の元素としては、Sc、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Tl、Bi、Thを使用することができる。
図6(A)は実施例3のインデクシング粒子41〜44とこの表面に固定されたプローブ41a,42a,43aおよび44aを模式的に示す図、図6(B)は標識粒子を付加されたプローブ41a,42a,43aおよび44aにハイブリダイズする特異的生体物質41b,42b,43bおよび44bを模式的に示す図、および、図6(C)はプローブと特異的生体物質とがハイブリダイズした様子を模式的に示す図である。ここでは、プローブとして、DNAプローブを用いる例について説明する。
図6(A)に示すように、それぞれのインデクシング粒子41〜44表面には、それぞれ、特定のプローブが固定される。インデクシング粒子へのプローブ固定は、既存の方法を用いる。たとえば、インデクシング粒子に酸素プラズマを照射して表面に活性基を出し、その後3−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランを反応させ表面にアミノ基を導入し、無水コハク酸でアミノ基をカルボキシル基に変換し、このカルボキシル基をスクシンイミドエステルの形として5’末端にアミノ基を有するプローブDNAを固定すればよい。プローブDNAにPNAを用いる場合は、プローブDNAのアミノ末端を同様に反応させて得ることができる。図6(B)に示すプローブ41a,42a,43aおよび44aにハイブリダイズする特異的生体物質41b,42b,43bおよび44bは、当然、プローブ41a,42a,43aおよび44aと相補な配列を持つものである。特異的生体物質に標識粒子、例えば、金のナノ粒子(20nm)固定は、5’末端にSH基を持つものを合成し、金ナノ粒子と混合することにより調製する。インデクシング粒子41〜44と標識粒子を付加された特異的生体物質を含む試料溶液とを混合して、プローブ41a,42a,43aおよび44aに特異的生体物質をハイブリダイズさせて、基板101のインデクシング粒子固定領域に所定量を滴下して、乾燥させ、前述したように、走査型電子顕微鏡300により電子線で走査して、SEM像と元素分析像を得て、図5で説明した方法で評価できる。
(実施例5)
上述した実施例3の手法をmRNAの混合物から直接あるいはcDNAとした後、これらを定量的に検出する場合に適用した例について説明する。
図7(A)は実施例5のインデクシング粒子41〜44とこの表面に固定されたプローブ41a,42a,43aおよび44aを模式的に示す図、図7(B)はプローブ41a,42a,43aおよび44aにハイブリダイズするポリAを付加された特異的生体物質を模式的に示す図、および、図7(C)はポリAとハイブリダイズする標識を付加されたポリTを模式的に示す図である。
図7(A)に示すように、実施例4でも、インデクシング粒子41〜44の構成は実施例3と同じとする。すなわち、インデクシング粒子41〜44のそれぞれに固有のプローブ41a,42a,43aおよび44aを固定する。図7(B)に示すように、試料である特異的生体物質41b,42b,43bおよび44bにはポリAが付加されている。ここで、プローブ41a,42a,43aおよび44aと特異的生体物質41b,42b,43bおよび44bとは、相補な関係にあるものであることは当然であるが、mRNAを直接検出する場合のプローブは、1)mRNAのポリA末端に一番近いエキソンと2番目に近いエキソンにまたがる30〜50塩基の配列に相補な配列をプローブとして用いる。あるいは、cDNAとして測定する場合は、2)mRNAを定法に従い1本鎖cDNA(cDNA合成後、RNaseHでmRNA配列を除去したものでmRNAと相補な配列)とした物を試料として用いる場合は、mRNAのポリA末端に一番近いエキソンと2番目に近いエキソンにまたがる30〜50塩基の配列でmRNAと同じ側の配列をプローブとして用いる。この場合は(A)の41a,42a,43aにcNDAと相補な配列のプローブ、(B)の41b,42b,43bが1本鎖cDNA、(C)の標識粒子に結合しているポリTの代わりにポリAを用いることになる。あるいは、3)2本鎖cDNAが試料の場合は、たとえば、ヒトmRNA配列のポリA末端から最初のMboI配列が現れる場所までの3’末端近傍の配列の一部(30〜50塩基)をプローブとして用いる。この場合は、(A)の41a,42a,43aにmRNAと同じ配列のプローブと(C)の標識粒子に結合しているポリTの組み合わせか、(A)の41a,42a,43aにmRNAに相補な配列のプローブと(C)の標識粒子に結合しているポリAのいずれかの組み合わせを用いることができる。あるいは、2本鎖dDNAを利用する場合に限り、MboI切断末端に任意の合成DNAをDNAリガーゼを用いるライゲーション反応で導入し、これに相補な配列をポリTの代わりに標識粒子に結合した(C)を用いることもできる。
ここでは代表例として1)のケースで説明する。図7(A)のインデクシング粒子へのプローブ固定は、既存の方法を用いる。たとえば、インデクシング粒子に酸素プラズマを照射して表面に活性基を出し、その後3−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランを反応させ表面にアミノ基を導入し、無水コハク酸でアミノ基をカルボキシル基に変換し、このカルボキシル基をスクシンイミドエステルの形として5’末端にアミノ基を有するプローブDNAを固定すればよい。プローブDNAにPNAを用いる場合は、プローブDNAのアミノ末端を同様に反応させて得ることができる。
図7(C)に示すように、これとは別に、ポリT(T30)を固定したポリT−金ナノ粒子(20nm)を準備する。ポリTの金ナノ粒子への固定は、5’末端にSH基を持つものを合成し、金ナノ粒子と混合することにより調製する。
(B)記載の試料mRNA混合液(RNase阻害剤含む)と(A)記載のインデクシング粒子懸濁液と(C)記載のポリT−金ナノ粒子懸濁液を混合し、70℃に過熱する。反応液は0.1〜1M NaClと分散剤として界面活性剤を含む50mMクエン酸緩衝液(pH7)を用いる。1時間45℃で緩やかに攪拌し、常に粒子が懸濁状態になるように保つ。すると、各mRNA41b,42b,43bおよび44bは、相補的なDNAプローブ41a,42a,43aおよび44aを有するインデクシング粒子41〜44に捕捉され、捕捉されたmRNAのポリA部分にはポリT−金ナノ粒子が結合する。
図8は、粒子と試料と標識との混合操作で、インデクシング粒子41〜44のDNAプローブ41a,42a,43aおよび44aとmRNA41b,42b,43bおよび44bとポリT−金ナノ粒子のハイブリッドが得られた結果を示す図である。各ハイブリッドではインデクシング粒子とその表面のプローブが対応しており、更にプローブと個々のmRNAが対応している。この場合、一部のポリT−金ナノ粒子のポリTは、mRNAのポリAと逆に結合したり、1塩基ずれて結合したりする可能性があるが、本発明の効果から見れば、何ら支障はない。図8では、41〜44に固定するプローブの41a,42a,43aおよび44aを3’末端で固定したものと、ポリTをその5’末端でこていした金ナノ粒子を用いている。このため、図8のようなコンプレックス構造になるが、41a,42a,43aおよび44aのプローブを5’末端で固定したものを用いることも可能である。
実施例5で得られるハイブリッドを持つ基板は、走査型電子顕微鏡300により電子線で走査して、SEM像と元素分析像を得て、図5で説明した方法で評価できる。
図9は、図8で説明した、インデクシング粒子と試料mRNAとポリT−金ナノ粒子を同時に反応させるホモジニアス反応よりも、さらに高精度を期待する処理の途中経過の状況を示す図である。まず、インデクシング粒子41〜44のDNAプローブ41a,42a,43aおよび44aとmRNA41b,42b,43bを反応させて、インデクシング粒子と試料mRNAハイブリッドを調製した後、不要な成分を洗浄除去する。次いで、図7(C)に示したポリT−金ナノ粒子を反応させることにすれば良い。
実施例4,5では試料中に含まれる複数の生体物質を、同時に、固有のプローブを固定しているインデクシング粒子に振り分けて検出することができる。このとき、試料とインデクシング粒子の反応を懸濁状態で一度に行えるので、基板表面で反応を行うDNAマイクロアレー(DNAチップ)やプロテインアレーに比べ、反応が均一に行える利点、粒子が溶媒中に分散しているので反応が速い利点を生かした多項目同時測定が可能となる。
たとえば、大腸がん切除組織断片を液体窒素凍結しこれを直接フェノールクロロホルムに加えホモジナイズしトータルRNAを抽出する定法にしたが調整するトータルRNA用液50μlに各種mRNAに相補的な40塩基程度の配列に区別がつくように、ここでは色々なプローブを固定したガリウム、イットリウム、セシウム、オスミウム、プラチニウムの含有量を各々8段階に変えた磁気粒子(2.8μm)の0.1%(w/v)溶液を混合したものをインデクシング粒子として加える。塩濃度が1M、クエン酸濃度が50mMになる条件とし、70℃に1分間放置した後45℃で1時間緩やかに攪拌し、ハイブリダイゼーションを行う。磁石を容器の外から近づけ、磁性粒子を引き寄せ上澄みを除去し、続いて1M NaCl、50mMクエン酸緩衝液(pH7)で洗浄する。同一緩衝液に金ナノ粒子標識ポリTを懸濁し、1時間室温で攪拌する。
ハイブリダイゼーション反応できたインデクシング粒子−mRNA−る金ナノ粒子標識ポリTコンプレックスを磁石で容器の壁に集め、1M NaCl、50mMクエン酸緩衝液(pH7)で洗浄した後、70%エタノール水溶液で洗浄し、70%エタノール100μlに懸濁する。1μlを実施例4の容器102(図4)に滴下し、3時間減圧乾燥させる。減圧時間に時間をかけるのは走査型電子顕微鏡の高度真空に影響を与えないためである。
このようにして調製した粒子ハイブリッドを走査型電子顕微鏡で粒子を観察する。この時点で磁性粒子表面に捕捉されている金コロイド粒子の数がカウントできる。次に検出をエネルギー分散型特性X線検出モードに切り替える。電子線300−4がインデクシング粒子にあたるとその表面にある元素に特異的な波長のX線が発する。この特異的波長のX線をエネルギー分散型特性X線検出器あるいは波長分散型X線検出器300−8で検出し、元素分析を行う。この操作により金ナノ粒子の結合している磁性粒子のインデクシングができ、対応する金ナノ粒子標識プローブがハイブリダイズしたmRNA分子の量が同定される。ここで、金ナノ粒子1個はmRNA分子1分子に対応する。
実施例5のように、インデクシング用の元素をガリウム、イットリウム、セシウム、オスミウム、プラチニウムの各元素の組成を8段階変えたものを用いると25000種のヒトmRNAのすべてを網羅的に測定できる。
このように、本発明の元素含有量を変えた粒子を用いることで、複雑な構造で製造が大変な従来の区画区分方のプローブチップを使用せずに、しかも、粒子カウント技術を用いることで単分子レベルのmRNAプロファイリングが可能となる。
(実施例6)
実施例4,5では、個別のプローブDNAを固定したインデクシング粒子と共通配列のポリTを持つ検出定量用粒子を用いたが、実施例6では更に特異性を上げるために、個別配列プローブ41a〜44aを持つインデクシング粒子41〜44と、インデクシング粒子に対応するプローブ41d〜44dを有する係数用標識粒子を用いる系に発展させることができる。これについて説明する。
図10(A)は実施例4,5と同様に、インデクシング粒子41〜45の表面に固定されている個別のプローブ41a,42a,43a、44aおよび45aを模式的に示す図、図10(B)は測定したいmRNA配列を有する試料で、プローブ41a,42a,43aおよび44aにハイブリダイズするポリAを持つ特異的生体物質41b,42b,43bおよび44bに、さらに、同一の特異的生体物質の別の部分の配列のプローブ41c、42c、43cおよび44cを付加した状態を模式的に示す図、図10(C)は、上記配列のプローブ41c、42c、43c、44cおよび45c(ここでは45cを有する特異物質は(B)試料中に無い)に相補な合成オリゴヌクレオチド(20〜50塩基)41d、42d、43d、44dを金ナノ粒子(20nm)で標識した例を模式的に示す図である。図10(D)は、ハイブリダイゼーション後のインデクシング粒子と試料と金ナノ粒子オリゴヌクレオチドの状態を示す図である。
プローブ41a,42a,43a、44aおよび45aが固定されているインデクシング粒子41〜45を(B)記載のmRNA混合試料と反応させて、各mRNAのプローブ41b、42b、43b、44bの配列でインデクシング粒子に選択的に捕捉した後、インデクシング粒子と対応する配列すなわち同一のmRNA配列の別の部分41c、42c、43c、44cに相補的な配列の合成オリゴヌクレオチド(20〜50塩基)41d、42d、43d、44dを有する金ナノ粒子(20nm)を反応させる。インデクシング粒子には磁性粒子を用いる。まず、mRNAのうちβ―グロビンやβ―アクチンのように多量に存在するmRNAに対するインデクシング粒子を加え、反応したもののみを磁石で引き寄せ除去する。ここでは大まかに不必要なmRNAを除くだけなので、ハイブリダイゼーションの反応時間は15分間程度と短めでよい。次に実際に測定したい項目のmRNAに対応するインデクシング粒子を加え30分間反応させた後、未反応の物質を洗浄除去する。更にmRNA配列に対応するプローブを有する金ナノ粒子を加え、30分間反応させる。ここで重要なのは、金粒子で標識されている合成オリゴヌクレオチド41d、42d、43d、44d、45dは混合物である点である。したがって、得られる粒子ハイブリッドには、ハイブリッド41e、42e、43e、44eのみに金ナノ粒子46が検出され、試料中に標的となる物質がない45eには金ナノ粒子が実質的に検出されない。
実施例6のメリットを述べる。たとえば、mRNAが類似の配列を持っている場合を考える。図10(B)におけるmRNAの41bが4インデクシング粒子のプローブ41aの他、プローブ42aにもハイブリダイズする場合を想定する。DNAハイブリダイゼーションではこのようなケースは頻繁に起こりうる。すなわちインデクシング粒子42の表面には本来の配列42bを持つmRNAの他、アーティファクトとして41bの配列を持つmRNAも捕捉される。このとき、図10(C)のプローブ群を41dを含むものと42dを含むものの2系列に分けて別々に反応させることで、インデクシング粒子のプローブ配列だけでは分離識別できないmRNAでも図10(C)のプローブ配列の違いで分離して計数することができる。インデクシングビーズに対応する配列の金ナノ粒子を添加しないインデクシング粒子群ではインデクシング粒子42a表面に金ナノ粒子が結合せず、検出されないのである。
(実施例7)
実施例7では抗原抗体反応による生体物質のマルチ検出について図11を参照して述べる。
種々モノクローナル抗体をパパイン分解して得られるF(ab’)断片を調製する。Hf、Pt、Ceの比率を重量%で0%、1%、2%、3%、4%、6%、8%、10%含むポリスチレンをコートした磁性粒子(3μm)をインデクシング粒子として用意する。インデクシング粒子91,92,93,94のそれぞれに異なるF(ab’)91a、92a、93a、94aを固定し、F(ab’)標識インデクシング粒子を得る。固定法には公知の方法を利用する。たとえば固定法はポリスチレンに官能基を導入したモノマーを少量混入させて表面に露出する官能基を利用して固定してもよいし、酸素プラズマで表面を酸化し、3−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランを反応させ表面にアミノ基を導入し、無水コハク酸でアミノ基をカルボキシル基に変換し、このカルボキシル基をスクシンイミドエステルの形として5’末端にアミノ基を有するプローブDNAを固定すればよい。F(ab’)としてはたとえば、AFP91b、CEA92b、EpCAM93bなどに対する抗体を用いることができる。F(ab’)標識粒子混合物はスフィンゴリン脂質でコーティングする。
F(ab’)標識インデクシング粒子混合物に0.2%Tween20を含む2×PBS(1×PBS:0.15M NaCl、50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4))で2倍に希釈した血清(健常人由来と肝がん患者由来)を添加する。10分間37℃で攪拌した後、磁石でインデクシング粒子を容器壁に吸い寄せ、上澄を捨てる。0.1%Tween20を含むPBSで洗浄する。測定対象となる抗原のモノクローナル抗体(インデクシング粒子に固定したF(ab’)とは異なるエピトープのものを使用)に金ナノ粒子を標識したもの91c、92c、93c、94cを添加する。このモノクローナル抗体もF(ab’)化されており、イミノチオランで分子あたり3分子程度のSH基を導入し、SH基に金ナノ粒子(20nmφ)で標識されている。AFPに対する金ナノ粒子標識抗体を91c、CEAに対する金ナノ粒子標識抗体を92c、EpCAMに対する金ナノ粒子標識抗体を93c、そのほかの抗原に対する金ナノ粒子標識抗体を94cであらわす。37℃で10分間反応させ、インデクシング粒子―抗原―金ナノ粒子ハイブリッド91d、92d、93d、94dを得た後、上澄を捨て、0.1%Tween20を含むPBSで洗浄した後、50%エタノールを含む純水で洗浄する。この工程で、タンパク質は変性するが、インデクシング粒子―抗原―金ナノ粒子ハイブリッドが崩れることはない。1μlを図4の基容器102に添加し、減圧乾燥した後に走査型電子顕微鏡で形状と元素分析を行う。
その結果、AFPに対するインデクシングビーズの表面には健常人由来の血清で64個の金ナノ粒子、がん患者由来の血清で3200個の様に、がん患者由来の血清を用いる場合のほうが多くの金ナノ粒子が検出される。CEAやEpCAMでは大きな変動は無く、この検体ではいずれもこれらに対するインデクシングビーズ表面に30〜100固程度の金ナノ粒子が観察されるだけである。
本発明は、上述したように、いくつかの実施例の形で実施できるが、いずれの場合でも、ハイブリダイズした試料DNAなどを実質的に1分子ごとに検出することになるので、感度的には従来法を凌駕する感度が得られる。極微量体積で極微量DNA(RNA)の検出が可能となるので、従来は不可能であったPCRによる前処理増幅無しでの標的DNA(RNA)の検出が可能となる。検出に標識粒子の大きさや形状を変えることができるので、6種以上10種程度の異なるサンプルを同一エレメントでマルチ解析できるようになる。この技術により従来のディファレンシャルハイブリダイゼーションへの利用のほか、同一プローブでエレメントにサンプルポリヌクレオチドを捕捉し、異なる標識プローブで検出する使い方ができるようになる。本発明のマルチ解析技術により、オルターナティブスプライシングの検出や、複数SNPのタイピングがひとつのエレメントで行えるようになるメリットがある。
本発明の実施例1のDNAチップの一部を斜視図で示す概念図である。 図1で説明したプローブチップ1を走査型電子顕微鏡で観察する態様を説明する概念図である。 SEM像と元素分析像との対応から金ナノ粒子標識プローブがハイブリダイズしたmRNA分子を同定する方法を説明する概念図である。 本発明の実施例3の生体試料測定の概念を示す図である。 検出器300−6で得られたSEM像と、エネルギー分散型特性X線検出器300−8から得られた元素分析像から、インデクシング粒子41〜44の位置と大きさの特定およびインデクシング粒子41〜44にハイブリダイズした標識粒子が付加された特異的生体物質の評価について説明する図である。 (A)は実施例3のインデクシング粒子41〜44とこの表面に固定されたプローブ41a,42a,43aおよび44aを模式的に示す図、(B)は標識粒子を付加されたプローブ41a,42a,43aおよび44aにハイブリダイズする特異的生体物質41b,42b,43bおよび44bを模式的に示す図、および、(C)はプローブと特異的生体物質とがハイブリダイズした様子を模式的に示す図である。 (A)は実施例4のインデクシング粒子41〜44とこの表面に固定されたプローブ41a,42a,43aおよび44aを模式的に示す図、(B)はプローブ41a,42a,43aおよび44aにハイブリダイズするポリAを付加された特異的生体物質を模式的に示す図、および、(C)はポリAとハイブリダイズする標識を付加されたポリTを模式的に示す図である。 粒子と試料と標識との混合操作で、インデクシング粒子41〜44のDNAプローブ41a,42a,43aおよび44aとmRNA41b,42b,43bおよび44bとポリT−金ナノ粒子のハイブリッドが得られた結果を示す図である。 図8で説明した、インデクシング粒子と試料mRNAとポリT−金ナノ粒子を同時に反応させるホモジニアス反応よりも、さらに高精度を期待する処理の途中経過の状況を示す図である。 (A)は実施例4,5と同様に、インデクシング粒子41〜44の表面に固定されている個別のプローブ41a,42a,43aおよび44aを模式的に示す図、(B)はプローブ41a,42a,43aおよび44aにハイブリダイズするポリAを付加された特異的生体物質41b,42b,43bおよび44bに、さらに、同一の特異的生体物質の別の部分の配列のプローブ41c、42c、43cおよび44cを付加した状態を模式的に示す図、(C)は、上記配列のプローブ41c、42c、43cおよび44cに相補な合成オリゴヌクレオチド(20〜50塩基)41d、42d、43d、44dを金ナノ粒子(20nm)で標識した例を模式的に示す図である。 抗原抗体反応による生体物質のマルチ検出の例を説明する図である。
符号の説明
1…チップ、101…シリコン基板、102…プローブ固定領域、103…テフロン系の撥水性樹脂、11−14,41a,42a,43a,44a,45a,41d,42d,43d,44d,45d…プローブ、21−24,46…金ナノ粒子、201−204…DNA断片、41b,42b,43b,44b,45b…プローブ41a,42a,43a,44a,45aにハイブリダイズする特異的生体物質300…走査型電子顕微鏡、300−1…電子銃、300−2…集束レンズ、300−3…走査コイル、300−4…電子線、300−5…2次電子、300−6…検出器、300−7…元素に特異的な波長のX線、300−8…エネルギー分散型特性X線検出器、30,50…SEM像、31,54…ガリウム像、32,53…アルミニウム像、33,52…イットリウム像、34,51…クロム像、37…CEA分子を標識する金ナノ粒子、36…CD44分子を標識する金ナノ粒子、35…EpCAM分子を標識する金ナノ粒子、41〜44…異なる元素組成で構成されたインデクシング粒子、41b,42b,43b,44b,45b,41c,42c,43c,44c,45c…特異的生体試料配列部位、41e,42e,43e,44e,45e…インデクシング粒子と特指摘生体物質と金ナノ粒子標識プローブとのハイブリッド。

Claims (19)

  1. 複数の元素が包含される粒子の複数個を電子線で走査して得られる2次電子から前記粒子の電子線走査画像を得ること、
    複数の元素が包含される粒子の複数個を電子線で走査して得られる2次電子から前記粒子の組成元素に応じた特異的な波長のX線から元素分析像を得ること、
    前記電子線走査画像と前記元素分析像を対比して前記複数個の粒子のそれぞれと位置を特定することを特徴とする生体物質の検査法。
  2. 複数の元素が包含される粒子をDNAやタンパク質を標識する粒子とし、複数の元素が少なくても2種の遷移金属ないし半導体であることを特徴とする生体試料標識物。
  3. 前記粒子が10nmないし50nmφのサイズの範囲である請求項2記載の生体試料標識物。
  4. 前記粒子が10nmないし50nmφのサイズの範囲であり、且つ、粒子を構成する合金の元素組成の比率が種々異なるものとされて、粒径との組み合わせで多数の異なった標識物として分類できる請求項2記載の生体試料標識物。
  5. DNAを標識する粒子であって、少なくても2種の金属元素ないし半導体元素を含み、前記元素組成の比率が種々異なるものとされた一連の粒子で、その粒子がDNAプローブの配列毎に1対1に対応する形で使用されることを特徴とする生体試料標識物。
  6. 抗体を標識する粒子であって、少なくても2種の金属元素ないし半導体元素を含み、前記元素の元素組成の比率が種々異なるものとされた一連の粒子で、その粒子が特定のエピトープに反応する抗体毎に1対1に対応する形で使用されることを特徴とする生体試料標識物。
  7. 基板上に固定した生体試料と結合可能な生体物質を、少なくても2種の遷移金属元素ないし半導体元素を含む粒子で標識することを特徴とする生体物質の標識法。
  8. 基板上に生体試料を固定する工程、前記生体試料と結合可能な生体物質を少なくても2種の金属元素ないし半導体元素を含む粒子で標識する工程、前記合金の粒子で標識された生体物質を前記生体試料に反応させる工程、前記基板上の前記生体試料に結合した生体物質を標識している粒子の元素分析を粒子毎に行う工程からなることを特徴とする生体物質の検査法。
  9. 基板上に生体試料を固定する工程、前記生体試料と結合可能な生体物質を少なくても2種の金属元素ないし半導体元素を含む粒子で標識する工程、前記合金の粒子で標識された生体物質を前記生体試料に反応させる工程、前記基板上の前記生体試料に結合した生体物質を標識している粒子を走査型電子顕微鏡の電子線で走査し特定の元素に由来する2次電子線のエネルギー分布を測定し粒子の位置と大きさを同定する工程、前記電子線で走査される前記粒子が発生する特性X線をエネルギー分散型特性X線検出器により検出して元素分析結果を得る工程からなる生体物質の検査法。
  10. 前記金属ないし半導体が、周期律表で原子番号79番までで43番を除く遷移金属および13番、31番、32番、49番、50番、51番、81番、82番、83番の金属、14番、33番、34番、52番の半導体のいずれかである請求項2ないし6のいずれかに記載の生体試料標識物。
  11. 前記金属ないし半導体が、周期律表で原子番号79番までで43番を除く遷移金属および13番、31番、32番、49番、50番、51番、81番、82番、83番の金属、14番、33番、34番、52番の半導体のいずれかである請求項7または8に記載の生体物質の標識法。
  12. 前記金属ないし半導体が、周期律表で原子番号79番までで43番を除く遷移金属および13番、31番、32番、49番、50番、51番、81番、82番、83番の金属、14番、33番、34番、52番の半導体のいずれかである請求項9記載の生体物質の検査法。
  13. 所定のサイズの粒子であって、少なくても2種の遷移金属元素ないし半導体元素の混合物で構成され、該粒子の表面に検出すべき生体試料と相補結合する塩基配列を持つプローブが固定されている生体物質の検査のための粒子。
  14. 前記元素の組成比率を異にする複数の粒子のそれぞれに対して、粒子毎に異なったプローブが固定されている請求項13記載の生体物質の検査のための粒子。
  15. 前記粒子が0.5μmないし5μmmの範囲のものである請求項13あるいは14記載の生体物質の検査のための粒子。
  16. 前記複数の粒子のそれぞれが、生体試料の特定のエピトープに反応する抗体毎に1対1で対応するものとされた請求項14記載の生体物質の検査のための粒子。
  17. 少なくても2種の遷移金属元素ないし半導体元素の混合物で構成された所定のサイズの粒子の元素の組成比率を異にする複数の粒子のそれぞれに対して、粒子毎に異なった生体物質に親和性のある種々リガンドを1対1で対応して固定した第1の粒子群と、前記生体物質を第2の粒子で標識するとともに各々のリガンドと相補結合させ、
    前記第1の粒子群の各粒子を電子線で走査し、得られる2次電子から前記粒子の電子線走査画像を得て、
    前記第1の粒子群を電子線で走査して得られる2次電子から前記粒子の組成元素に応じた特異的な波長のX線から元素分析像を得て、
    前記電子線走査画像と前記元素分析像を対比して前記複数個の第1の粒子のそれぞれと位置を特定し、
    前記第2の粒子数をカウントして、前記複数個の第1の粒子のそれぞれにリガンドしている生体物質の量を評価することを特徴とする生体物質の検査法。
  18. 前記少なくても2種の遷移金属元素ないし半導体元素の混合物で構成された所定のサイズの粒子に用いる複数種の元素が、Sc、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sb、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Tl、Bi、Thのいずれかである請求項13記載の生体物質の検査のための粒子。
  19. 少なくても2種の遷移金属元素ないし半導体元素の混合物で構成された所定のサイズの粒子の元素の組成比率を異にする複数の粒子のそれぞれに対して、粒子毎に異なった生体物質に親和性のある種々リガンドを1対1で対応して固定した第1の粒子群と、前記生体物質を第2の粒子で標識するとともに各々のリガンドと相補結合させて、第1の粒子群とともに除去すること、
    少なくても2種の遷移金属元素ないし半導体元素の混合物で構成された所定のサイズの粒子の元素の組成比率を異にする複数の粒子のそれぞれに対して、前記第1の粒子の生体物質に親和性のある種々リガンドとは異なった生体物質に親和性のある種々リガンドを1対1で対応して固定した第2の粒子群と、前記生体物質を第3の粒子で標識するとともに各々のリガンドと相補結合させ、
    前記第1の粒子群の各粒子を電子線で走査し、得られる2次電子から前記粒子の電子線走査画像を得て、
    前記第2の粒子群を電子線で走査して得られる2次電子から前記粒子の組成元素に応じた特異的な波長のX線から元素分析像を得て、
    前記電子線走査画像と前記元素分析像を対比して前記複数個の第2の粒子のそれぞれと位置を特定し、
    前記第3の粒子数をカウントして、前記複数個の第2の粒子のそれぞれにリガンドしている生体物質の量を評価することを特徴とする生体物質の検査法。
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